説明

可動ホーム柵及び可動ホーム柵システム

【課題】可動ホーム柵の品質向上。
【解決手段】乗降扉100の上部フレーム110に、スリット状の上開口部112を設けた矩形断面空間を形成し、上開口部112を覆うようにコグベルト170を張設する。コグベルト170は、戸袋200内において上開口部112から引き離されるようにしてベルト駆動ブロック230のプーリに掛け渡される。一方、コグベルト170が引き離されて覆いが解けた上開口部112の部分からは、上部ガイドローラブロック210よりバーチカルプレート216を垂下して、矩形断面空間内に内接する横ガイドローラ220及び縦ガイドローラ222が懸下・内挿される。また、乗降扉100の下部フレーム110に設けた下向きコの字状の矩形断面空間内に下部ガイドローラブロック250の下部横ガイドローラ254を内接させて開閉時の横揺れを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道等のプラットホームの側縁に沿って立設され、車両への乗降時に応じて開閉される可動ホーム柵に関する。
【背景技術】
【0002】
プラットホームから軌道側への転落や、プラットホームに入線してきた車両と乗客との接触事故を防止するためにプラットホームの側縁沿いに柵を形成し、車両への乗降タイミングに合わせて開閉する可動ホーム柵が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−132386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、可動ホーム柵は近年実用化が始まったばかりの段階であり、各メーカは今後の普及期に向けて各種の改良・開発を進めているところである。
本発明は、以上の背景の下、一層の品質向上を図った新たな可動ホーム柵を提供する目的でなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の形態は引き戸式の乗降扉と、前記乗降扉を開閉駆動する戸袋部とを備えた腰高式の可動ホーム柵であって、
前記乗降扉は、前記乗降扉の上部及び下部に長手方向に引き続く矩形断面空間を形成した上部ガイドレール部(例えば、図3の上部ガイドレール部115)及び下部ガイドレール部(例えば、図3の下部ガイドレール部122)を備え、
前記戸袋部は、前記上部ガイドレール部の内壁に内接して前記乗降扉を開閉方向に案内する上部ガイドローラ部(例えば、図4の上部ガイドローラブロック210)と、前記下部ガイドレール部の内壁に内接して前記乗降扉を開閉方向に案内する下部ガイドローラ部(例えば、図4の下部ガイドローラブロック250)と、を備える可動ホーム柵である。
【0006】
第1の形態によれば、上部ガイドレール部と上部ガイドローラ部との第1組と、下部ガイドレール部と下部ガイドローラ部との第2組とで乗降扉を開閉方向へ案内することができる。これにより、乗降扉の案内を確実にし、乗降扉の振れに起因するガタツキを効果的に抑制できる。
【0007】
そして、第2の形態として、前記上部ガイドローラ部が、前記乗降扉の荷重を支持し、前記下部ガイドローラ部が、前記乗降扉の揺動を抑制する、第1の形態の可動ホーム柵を実現することができる。
【0008】
この際、例えば、上部ガイドレール部の矩形断面空間の内壁面として対向面を二組設け、上部ガイドローラ部にそれらの対向面それぞれに内接するガイドローラを設ける構成とするならば、上部ガイドレール部と上部ガイドローラ部とで、開閉方向に対して上下方向と左右方向の2成分のガイドを一度に実現できることになり、構造が簡素化される。
【0009】
そして、構造が簡素化されるのにともなって製造コストの低減や、デザインの自由度の向上と言った様々な点に於いて品質を向上することができる。
更に例えば、上部ガイドレール部を乗降扉の上部フレームとする構成とするならば、扉の高さ方向中央付近にガイドレール等を設け無くとも良く、より大型の光透過性のパネルを嵌め込んで可動ホーム柵越しの開放感をより高めるといったことができる。
【0010】
また、下部ガイドレール部及び下部ガイドローラ部により、乗降扉下部の振れが抑制されるため、ホームへの車両進入/進出時の風圧やホーム上の旅客の接触等による乗降扉の揺動を防ぐとともに、円滑な開閉駆動を実現することができる。
【0011】
第3の形態は、前記上部ガイドレール部は、前記矩形断面空間に、前記上部ガイドローラ部を内挿するためのスリット状の開口部(例えば、図3の上開口部112)を前記乗降扉の長手方向に沿って有し、
前記乗降扉は、前記上部ガイドレール部の前記開口部を覆う幅を有し、当該開口部を長手方向に亘って覆うように掛け渡して設けられた駆動ベルト(例えば、図9及び図10のコグベルト170)を備え、
前記戸袋部は、前記駆動ベルトの一部分を前記乗降扉から引き離して掛け渡されたプーリ部(例えば、図4のベルト駆動ブロック230、図8の駆動プーリ234、従動プーリ236)と、前記プーリ部を駆動する駆動部(例えば、図4のベルト駆動ブロック230、減速ギアボックス240、モータ242、制御装置290)と、を備え、
前記駆動部の駆動によって前記駆動ベルトの前記プーリ部に掛け渡される部分が変位することで前記乗降扉が開閉駆動され、前記開口部が前記戸袋部外において前記駆動ベルトによって覆われてなる、第1又は第2の形態の可動ホーム柵である。
【0012】
第3の形態によれば、第1又は第2の形態の可動ホーム柵と同様の効果を奏するとともに、スリット状の開口部を覆うようにして乗降扉に張られた駆動ベルトを、スリット状の開口部から引き離してプーリ部に掛け渡す一方で、プーリ部に掛け渡されたことで覆いが解かれて現れた開口部の部分から、上部ガイドローラ部が内挿される。
【0013】
開口部は上部ガイドローラ部を内挿するために設けられているが、戸袋部外においてこの開口部は駆動ベルトが覆うことで防塵される。つまり、上部ガイドレール部に関する防塵部材を削減できる。
また、戸袋部外において駆動ベルトが開口部を覆っているために、結果的に駆動ベルトそのものが目視可能になるので、駆動ベルトの損耗確認が容易になるといった副次的効果も得られる。特に、戸袋部の横幅が乗降扉の開閉方向幅よりも狭い構成の場合、乗降扉の閉状態と開状態とのそれぞれにおいて駆動ベルトを目視点検することで、駆動ベルトのほぼ全域についての損耗具合を検査できる。
【0014】
第4の形態は、前記上部ガイドローラ部は、前記プーリ部と開閉駆動される前記乗降扉との間に設けられ、当該上部ガイドローラ部を越えて前記駆動ベルトが前記プーリ部に掛け渡されることによって前記駆動ベルトが覆っていた前記開口部を通じて前記上部ガイドレール部内に内挿されてなる第3の形態の可動ホーム柵である。
【0015】
第4の形態によれば、第3の形態の可動ホーム柵と同様の効果を奏するとともに、上部ガイドローラ部とプーリ部とを積層的に配置して戸袋部に収容できる。よって、戸袋部が必要とする横幅を小さくできる。
特に、プーリ部をガイドローラ部と一体のコンポーネントとすることで、駆動周りの故障時には当該コンポーネント毎の交換により短時間での復旧が可能になる。
【0016】
また、第2の形態における上部ガイドローラ部と下部ガイドローラ部とがそれぞれ担う乗降扉の荷重支持機能と揺動抑制機能を入れ替えた形態も実現できる。
すなわち、第5の形態として、前記上部ガイドローラ部が、前記乗降扉の揺動を抑制し、前記下部ガイドローラ部が、前記乗降扉の荷重を支持する、第1の形態の可動ホーム柵を実現できる。
【0017】
第5の形態によれば、第1の形態と同様の効果を奏するとともに、第2の形態における上部ガイドローラ部と下部ガイドローラ部とがそれぞれ担う乗降扉の荷重支持機能と揺動抑制機能とを入れ替えた構成によって、第2の形態と同様の効果を奏することができる。
【0018】
そして、このように機能を担う部位を入れ替えた形態に基づくことにより、第6の形態として、
前記下部ガイドレール部は、前記矩形断面空間に、前記下部ガイドローラ部を内挿するためのスリット状の開口部を前記乗降扉の長手方向に沿って有し、
前記乗降扉は、前記下部ガイドレール部の前記開口部を覆う幅を有し、当該開口部を長手方向に亘って覆うように掛け渡して設けられた駆動ベルトを備え、
前記戸袋部は、前記駆動ベルトの一部分を前記乗降扉から引き離して掛け渡されたプーリ部と、前記プーリ部を駆動する駆動部と、を備え、
前記駆動部の駆動によって前記駆動ベルトの前記プーリ部に掛け渡される部分が変位することで前記乗降扉が開閉駆動され、前記開口部が前記戸袋部外において前記駆動ベルトによって覆われてなる、第1又は第5の形態の可動ホーム柵を構成することができる。
【0019】
第6の形態によれば、第1又は第5の形態と同様の効果を奏することができるとともに、第3の形態における上部ガイドローラ部と下部ガイドローラ部とがそれぞれ担う乗降扉の荷重支持機能と揺動抑制機能とを入れ替えた構成により、第3の形態と同様の効果を奏することができる。
【0020】
また更には、第7の形態として、前記下部ガイドローラ部は、前記プーリ部と開閉駆動される前記乗降扉との間に設けられ、当該下部ガイドローラ部を越えて前記駆動ベルトが前記プーリ部に掛け渡されることによって前記駆動ベルトが覆っていた前記開口部を通じて前記下部ガイドレール部内に内挿されてなる、第6の形態の可動ホーム柵を構成することができる。
【0021】
第7の形態によれば、第6の形態と同様の効果を奏することができるとともに、第4の形態における上部ガイドローラ部と下部ガイドローラ部とがそれぞれ担う乗降扉の荷重支持機能と揺動抑制機能とを入れ替えた構成により、第4の形態と同様の効果を奏することができる。
【0022】
第8の形態は、前記戸袋部は、前記乗降扉の一方側の扉面を当該戸袋部側に対向させ、他方側の扉面を露出した状態で開閉駆動するよう構成されてなる、第1〜第7の何れかの形態の可動ホーム柵である。
【0023】
第8の形態によれば、第1〜第7の形態の何れかと同様の効果を奏するとともに、本形態の戸袋部には、乗降扉の他方側の扉面(側面)を覆う部材が設けられていない。そのため、戸袋部を従来に比べてスリム化し、軽量化できる。また、メンテナンス性に優れる。
【0024】
第9の形態は、第1〜第7の何れかの形態の可動ホーム柵を両開き用に設けた複数組を、戸袋部と乗降扉との前後位置関係を互い違いに配置して、隣接する各組間の乗降扉の全開時の干渉を防止してなる可動ホーム柵システム。
【0025】
第9の形態によれば、第1〜第7の何れかの形態の可動ホーム柵であって、戸袋部と乗降扉とのホームから見た前後位置関係を互い違いに配置することにより、乗降口を開状態とする際の隣接する乗降扉相互の干渉を回避することができる。結果、隣接する可動ホーム柵の設置間隔をより狭くし、設置自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】可動ホーム柵の構成例を示す斜視外観図。
【図2】乗降扉の構成例を示すホーム側から見た正面分解図。
【図3】乗降扉のA−A断面に於ける縦断面図。
【図4】戸袋部の構成例を示す図であって、外装カバーを外した状態の正面図。
【図5】戸袋部の上面図であって、外装カバーを外した状態の正面図。
【図6】乗降扉及び戸袋部のB−B縦断面図。
【図7】上部ガイドローラブロックと、ベルト駆動ブロックとの分解図であって、(1)上面図、(2)ホーム側から見た正面図。
【図8】ベルト駆動ブロックをホーム側から見たC−C断面透視図
【図9】可動ホーム柵が乗降口を閉じた「全閉状態」を示す(1)正面図と、(2)部分透視拡大図。
【図10】可動ホーム柵が乗降口を開いた「全開状態」を示す(1)正面図と、(2)部分透視拡大図。
【図11】第2実施形態における可動ホーム柵システムの構成を示す正面図。
【図12】第2実施形態における可動ホーム柵システムの構成を示す上面図。
【図13】第2実施形態の戸袋部のF−F断面図。
【図14】第3実施形態における乗降扉の構成例を示すホーム側から見た正面分解図。
【図15】第3実施形態における乗降扉のG−G断面に於ける縦断面図。
【図16】第3実施形態における戸袋部の構成例を示す図であって、外装カバーを外した状態の正面図。
【図17】乗降口全閉状態における扉ロック装置の構成図。
【図18】開閉動作中の状態における扉ロック装置の構成図。
【図19】ロック解除時における扉ロック装置の構成図。
【図20】第4実施形態における可動ホーム柵の構成例を示す斜視外観図。
【図21】第4実施形態における乗降扉の構成例を示す正面図。
【図22】図21の乗降扉のJ−J断面における縦断面図。
【図23】第4実施形態における戸袋部の構成例を示す図であって、外装カバーを外した状態の正面図。
【図24】図23の戸袋部のK−K断面における縦断面図。
【図25】第4実施形態における下部ガイドローラブロックと、ベルト駆動ブロックとの分解図であって、(1)上面図、(2)ホーム側から見た正面図。
【図26】第4実施形態における可動ホーム柵の戸袋部周りの透視正面図。
【図27】L−L断面における縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態における腰高式の可動ホーム柵2の構成例を示す斜視外観図である。可動ホーム柵2は、鉄道のホームの縁に設置され、車両への乗降タイミングに合わせて開閉する引き戸式の乗降扉を備える。
【0028】
可動ホーム柵2は、乗降扉100と、乗降扉100を駆動させる為の機構部を内蔵する戸袋部200とを備える。また、乗降口付近の乗客の有無を検知する検知センサボックス300を備える。通常、可動ホーム柵2は、乗降扉100をホームより正面向かって右方向に引いて乗降口を開ける右設置用可動ホーム柵2Rと、正面向かって左方向に引いて乗降口を開ける左設置用可動ホーム柵2Lとで対を為す。尚、可動ホーム柵2同士の間は壁パネルや、手動式で開閉できる非常扉などが設置される。
【0029】
次いで、右設置用可動ホーム柵2Rを元に具体的な構成例について説明する。
図2は、本実施形態における乗降扉100の構成例を示すホーム側から見た正面分解図である。図3は、乗降扉100のA−A断面に於ける縦断面図である。
【0030】
乗降扉100は、上部フレーム110と下部フレーム120の左右両端を戸先キャップ130及び戸尻キャップ140で連結して外枠を形成し、枠の内側に光透過性の扉パネル150を取り付けて基本構造を形成する。そして、戸先キャップ130の更に戸先側には軟性樹脂で形成された戸先カバー160を被せ、戸尻キャップ140の更に戸尻側には軟性樹脂で形成された戸尻カバー162を被せて一枚のパネルを形成する。
【0031】
上部フレーム110は、フレーム長手方向つまりは扉の開閉方向に沿って、上面側にスリット状の上開口部112を有する内部空間を備えた中空フレームであり、例えばアルミの引き抜き加工により形成される。
より具体的には、上開口部112の開口端は、歯面を下に伏せた姿勢でコグベルト170を収容することができるベルト溝114を形成している。コグベルト170の幅は上開口部112よりも広く、ベルト溝114に収容されたコグベルト170は、上開口部112を塞ぐことができる。
【0032】
ベルト溝114の底に当たる上開口部112を抜けた内部には、乗降扉100の長手方向に沿った略矩形断面空間が形成されている。この矩形断面空間は、上部ガイドレール部115として機能する。
具体的には、上部フレーム110の矩形断面空間は、上側内壁116と下側内壁117とからなる第1対向面と、ホーム側内壁118と軌道側内壁119とからなる第2対向面がそれぞれ形成されている。
【0033】
第1対向面は、後述する縦ガイドローラ(回転面が縦のガイドローラ)が上側内壁116に内接する第1のレールとして機能する。同様に、第2対向面は、後述する複数の横ガイドローラ(回転面が水平のガイドローラ)がそれぞれホーム側内壁118又は軌道側内壁119に内接する第2のレールとして機能する。つまり、上部フレーム110は、一本で乗降扉100の上下方向のブレと横方向のブレを防止する合計2本のガイドレール分の機能を果たすことができる。
【0034】
また、上部フレーム110の下面には、扉プレート取付部111が延設されており、扉パネル150の上端部分が溶接、接着或いはボルト締結等により接続されて取り付けられる。
【0035】
下部フレーム120は、アルミの引き抜き加工等により形成され、下部ガイドレール部122と、その上面より延設された扉プレート取付部121とを備える。
【0036】
下部ガイドレール部122は、下方に向けて開口するコの字状の矩形断面空間を形成する。そのホーム側内壁124と軌道側内壁125とにより対向面が形成されており、後述する下部横ガイドローラが内接する第3のレールとして機能して、乗降扉100下端のホーム〜軌道側方向への横振れを防止する。
扉プレート取付部121には、扉パネル150の下端部分が溶接、接着或いはボルト締結等により取り付けられる。
【0037】
戸先キャップ130は、上部フレーム110と下部フレーム120を扉開閉方向前端で縦に連結する部材であり、上端に上部フレーム110の内部空間に嵌合する上部嵌合部132を備え、下端に下部フレーム120のコの字断面空間と嵌合する下部嵌合部134を備える。これらの嵌合部は、それぞれ上部フレーム110や下部フレーム120とビス等で結合・固定される。
【0038】
また、戸先キャップ130の上部嵌合部132とは反対側の上端部にコグベルト170を曲げるガイドとなるベルトガイド136を備える。ベルトガイド136で下方に向けて曲げられたコグベルト170の先端はベルトテンショナ138に連結される。ベルトテンショナ138は、例えばコグベルト170の先端を挟持する金具138aと、戸先キャップ130に設けられた貫通孔に挿通されて一端が金具138aに固定され他端がナットによって戸先キャップ130本体に螺合されたテンションボルト138bと、によって構成される。ナットを締め付けてテンションボルト138bの位置を適当に調整することで、上部フレーム110に沿って掛け渡して設けられたコグベルト170に適当な張力を作用させる。
【0039】
戸尻キャップ140は、上部フレーム110と下部フレーム120の扉開閉方向後端を縦に連結する部材であり、上端に上部フレーム110の内部空間に嵌合する上部嵌合部142を備え、下端に下部フレーム120のコの字断面空間と嵌合する下部嵌合部144を備える。これらの嵌合部は、それぞれ上部フレーム110や下部フレーム120とビス等で結合・固定される。
【0040】
また、戸尻キャップ140の上部嵌合部142とは反対側の上端部にコグベルト170を曲げるガイドとなるベルトガイド146を備える。ベルトガイド146で下方に向けて曲げられたコグベルト170の先端はベルト固定金具148に連結される。ベルト固定金具148は、例えばコグベルト170の先端を把持して戸尻キャップ140の本体に固定される。
【0041】
図4は、本実施形態における戸袋部200の構成例を示す図であって、外装カバー201を外した状態の正面図である。図5は、戸袋部200の上面図である。図6は、乗降扉100及び戸袋部200のB−B縦断面図である。
【0042】
戸袋部200は、ホームに取り付ける為の台座202と、台座202の左右両端に立設された支柱204と、支柱204の上端を左右に橋渡しする格好で取り付けられた上部ガイドローラブロック210と、上部ガイドローラブロック210の直上に装着されたベルト駆動ブロック230と、台座202上面に設置された下部ガイドローラブロック250と、可動ホーム柵2の動作を制御するための制御装置290とを備える。
【0043】
戸袋部200は、乗降扉100の一方側(ホーム側)の扉面を当該戸袋部側に対向させ、他方側(軌道側)の扉面を露出した状態で開閉駆動するよう構成されてなる。つまり、公知の可動ホーム柵における戸袋部のように乗降扉をホーム側からも軌道側からも見えないように収容する袋状の構成は有しない。戸袋部200には、乗降扉100の軌道側の扉面を覆う部材が設けられていない。そのため、戸袋部200を従来に比べてスリム化し、軽量化でき、メンテナンス性に優れる。
【0044】
次に、戸袋部200の具体的な構成について述べる。
支柱204は、矩形断面の中空鋼管であり上端は開口したままで、上部ガイドローラブロック210をボルト固定するのに供される。
【0045】
図7は、本実施形態における上部ガイドローラブロック210と、ベルト駆動ブロック230との分解図であって、(1)上面図、(2)ホーム側から見た正面図に該当する。
図7に示すように、上部ガイドローラブロック210と、ベルト駆動ブロック230とは、ボルトにより着脱自在に一体に連結されており、両者は上部ガイドローラブロック210の取り付けによって支柱204に固定される(図4,図5参照)。
【0046】
上部ガイドローラブロック210は、上部フレーム110の内部空間の内壁に内接する複数のガイドローラを備える。
【0047】
図7に示すように、上部ガイドローラブロック210は、二本の支柱204の上端開口部に跨がるメインプレート212と、メインプレート212の左右両端から下方へ延設された支柱連結ステー214とを備え、支柱連結ステー214で支柱204の上端開口部の縁にボルト固定される。
【0048】
また、メインプレート212の軌道側端には、下方へ向けてバーチカルプレート216が延設され、その下端に、横ガイドローラ220の回転軸(垂直軸)の一端が支持された横ガイドローラステー218と、縦ガイドローラ222の回転軸(水平軸)の一端が支持された縦ガイドローラステー217とが、それぞれビス219などにより所定位置に固定されている。
【0049】
図6に示すように、バーチカルプレート216の厚みは、上部フレーム110の上開口部112(図3参照)を挿通できるように設定されており、横ガイドローラ220及び縦ガイドローラ222を、上部フレーム110の内部空間に懸下することができる。
【0050】
横ガイドローラ220は、上部ガイドレール部115のホーム側内壁118又は軌道側内壁119(図3参照)に内接するローラである。本実施形態では、横ガイドローラ220は複数設けられており、ホーム側内壁118又は軌道側内壁119の一方に内接して他方との間に僅かに間隙を作るように設定されている。
【0051】
縦ガイドローラ222は、上部ガイドレール部115の上側内壁116又は下側内壁117(図3参照)に内接するローラである。本実施形態では、3つの縦ガイドローラ222が設けられており、上側内壁116に内接して下側内壁117との間に僅かな間隙を設けるように設定されている。
つまり、上部ガイドローラブロック210は、上部ガイドローラブロック210によって、乗降扉100の荷重を支えるとともに、上下左右方向の移動方向を定め、扉開閉方向に対して移動自在に懸下する。尚、横ガイドローラ220及び縦ガイドローラ222には、公知の位置調整機構(不図示)を適宜設けると好適である。
【0052】
そして、ベルト駆動ブロック230は、コグベルト170と係合して乗降扉100を移動させる。具体的には、ベルト駆動ブロック230は、プーリーハウジング232の側壁に回転軸を枢支された駆動プーリ234と複数の従動プーリ236とを備える。また、プーリーハウジング232のホーム側外壁部には、減速ギアボックス240が一体に連結されたにモータ242が装着されている。このモータ242は、制御装置290により回転駆動制御されて駆動プーリ234に回転力を与える。
【0053】
図8は、ベルト駆動ブロック230をホーム側から見た透視正面図である。
図8に示すように、コグベルト170は、ベルト駆動ブロック230の前端部分でベルト溝114の上方へ引き離すように導びかれて、ベルト駆動ブロック230内の駆動プーリ234及び従動プーリ236等へ掛け渡されて係合し、ベルト駆動ブロック230の後端部分で再びベルト溝114内へ戻される。
【0054】
図4及び図6に示すように、下部ガイドローラブロック250は、台座202に固定されたガイドローラステー252と、これにより回転軸を垂直に枢支された一対の下部横ガイドローラ254とを備える。
一方の下部横ガイドローラ254は、下部ガイドレール部122の軌道側内壁125と内接してホーム側内壁124との間に僅かに隙間を作るように設定されており、もう一方の下部横ガイドローラ254はホーム側内壁124に内接して軌道側内壁125との間に僅かに隙間を作るように設定されている。これにより、下部ガイドローラブロック250は乗降扉100を開閉方向に案内し、開閉動作時の振れを抑制する。
【0055】
検知センサボックス300は、乗降口付近の乗客や障害物の有無を検知する検知センサを備える。検知センサボックス300の検知に関する構成は、公知の検知センサボックスと同様に実現できる。但し本実施形態では、図6に示すように、乗降扉100は全体的に断面形状が両端に骨端状の膨らみを有する骨形状をなしており、軌道側側面(扉パネル150の部分)が凹んでいる。この凹み部分に、検知センサボックス300の上部(主要部)が収まるよう配置構成されているため、検知センサボックス300は、乗降扉100の扉パネル150付近まで寄せられている。
【0056】
よって、従来の可動ホーム柵に比べて検知センサボックス300の軌道側への出っ張り量を削減し、スリムなデザインを実現する。
尚、検知センサボックス300は、右設置用可動ホーム柵2R及び左設置用可動ホーム柵2Lの両方に設けるとしても良いが、走査レーザを扇状に照射して乗降口を「面」でセンシングできるセンサとすることで、左右何れかに一体のみ設ける構成としても良い。
【0057】
次に、本実施形態における可動ホーム柵2の動作について説明する。
尚、ここではホーム側から見て正面右側の右設置用可動ホーム柵2Rの動作を例に挙げて説明するが、左設置用可動ホーム柵2Lについては左右逆方向に読み替えるものとして説明を省略する。
【0058】
図9は、可動ホーム柵2が乗降口を閉じた「全閉状態」を示す(1)正面図と、(2)部分透視拡大図である。図10は、可動ホーム柵2が乗降口を開いた「全開状態」を示す(1)正面図と、(2)部分透視拡大図である。
【0059】
図9に示すように、車両への乗降タイミング以外は、可動ホーム柵2は原則「全閉状態」を維持する。全閉状態では、乗降扉100の戸尻端が戸袋部200の戸尻側の端(図の右端)付近となるように乗降扉100及び戸袋部200の幅が設定されている。
【0060】
この状態から乗降扉100を全開状態にするには、右設置用可動ホーム柵2Rではモータ242を駆動させて駆動プーリ234をホーム側から見て時計周りに駆動させる。駆動プーリ234の回転に伴ってコグベルト170は図9の右方向に牽引される。
【0061】
上部ガイドローラブロック210は、コグベルト170がベルト駆動ブロック230によりベルト溝114から引き離された区間(つまりはベルト駆動ブロック230の直下の区間)において、コグベルト170が塞いでいた乗降扉100の上開口部112から上部フレーム110内へ横ガイドローラ220及び縦ガイドローラ222を懸下し、上部フレーム110の内部空間に当接させて、重量を支えるとともに案内方向を決定する(図6参照)。よって、右設置用可動ホーム柵2Rの乗降扉100は開方向(図9の右方向)に移動される。勿論、左設置用可動ホーム柵2Lならば乗降扉100は図9の左方向に移動して乗降口を開ける。乗降扉100が全開状態になると図10に示す状態となる。
【0062】
以上、本実施形態によれば、コグベルト170を乗降扉100の上面に配置するとともに、ベルト駆動ブロック230を戸袋部200の上部に配置することにより、メンテナンス時の作業を容易にし、メンテナンス性を向上できる。通常、可動ホーム柵2の高さは腰高〜胸高程度とされるが、本実施形態の構成によれば、外装カバー201を外すとメンテナンスを要する部位が露出し、その高さ位置が腰高〜胸程度の高さであるので、駆動系が戸袋下端に設けられる構成よりもメンテナンス対象部位を検査し易く、補修作業もし易くなる。
【0063】
更には、ベルト駆動ブロック230と上部ガイドローラブロック210とを全体的に積層的な一体構造とし、上部ガイドローラブロック210とともに支柱204に上から被せて固定する構成としているので、駆動系の緊急な修理が必要な場合、これらを一気に付け替えることで速やかに復旧させることができるので好適である。
【0064】
また、本実施形態によれば、乗降扉100の上部フレーム110をアルミ引き抜き材とし、その内部に縦横それぞれで対向する2対の内面を有する空間を形成し、それら2対の内面それぞれを縦方向・横方向のガイドレールとしている。これにより、フレームの構造と製造コストを低減できるとともに、乗降扉100の支持・案内構造を簡素化しフレーム部分をスリムできる。
【0065】
近年、ホームの開放感の演出のために、扉パネル150には光透過性の樹脂パネルやガラスパネル等を用いる傾向にあるが、フレーム部分のスリム化により、より大型の扉パネル150を装着可能とし、より一層ホームの開放感が得られる可動ホーム柵を実現できる。
【0066】
また、本実施形態によれば、ガイドレールとなる上部フレーム110の内部空間の上開口部112は、通常、ベルト溝114に収容されるコグベルト170によって塞がれて防塵されるので、別途乗降扉100用の防塵カバーを用意する必要が無く、構成部品を減らすことができる。
尚、上部ガイドローラブロック210を懸下するバーチカルプレート216を上開口部212に挿通させる部分については、ベルト駆動ブロック230にコグベルト170が上方に引き離される構成となっているので、戸袋部200の外装カバー201により防塵される。
【0067】
〔第2実施形態〕
次に、第1実施形態の可動ホーム柵2を用いた可動ホーム柵システム4について説明する。尚、第1実施形態と同様の構成要素については、同じ符合を付与して説明は省略するものとする。
【0068】
図11は、本実施形態における可動ホーム柵システム4の構成例を示すホーム側から見た正面図であって、(1)乗降口全閉状態、(2)乗降口全開状態を示している。また、図12は、可動ホーム柵システム4の構成例を示す上面図であって、(1)乗降口全閉状態、(2)乗降口全開状態を示している。
【0069】
図11及び図12に示すように、可動ホーム柵システム4は、ホームの縁に沿って第1実施形態で示した標準タイプの右設置用可動ホーム柵2R及び左設置用可動ホーム柵2Lの第1組と、本実施形態で明らかにする反転タイプ右設置用可動ホーム柵2Rb及び反転タイプ左設置用可動ホーム柵2Lbの第2組とを、非常扉3を挟んでホーム長手方向に交互に配置して構成される。非常扉3は、内部に乗降扉100を内挿することのできる戸袋空間を有するとともに、乗降扉100が非挿入時に手動式で開閉できる扉構造を有する。
【0070】
反転タイプ右設置用可動ホーム柵2Rbと反転タイプ左設置用可動ホーム柵2Lbは、基本的には右設置用可動ホーム柵2Rや左設置用可動ホーム柵2Lと同様の構成を有するが、図13のF−F縦断面図に示すように、支柱204を軌道側として乗降扉100をホーム側に懸下するレイアウトを採る。但し、乗降扉100の正面(上部フレーム110や下部フレーム120への扉パネル150の取付側面)は第1実施形態と同じくホーム側に向けられる。
【0071】
また、乗降扉100側をホームに向けて配置するレイアウトを採るのに伴って、反転タイプ右設置用可動ホーム柵2Rbと反転タイプ左設置用可動ホーム柵2Lbの外装カバー201Bは、当該側の面が正面となるようにデザインされている。また、外装カバー201Bは、電車待ちの乗客が、戸袋部200にかかる乗降扉100をホーム側から触れられないようにするために、乗降扉100のホーム側の扉面を覆う役割を担う。
【0072】
そして、可動ホーム柵システム4は、図11及び図12に示すように、隣接する可動ホーム柵の各組間、すなわち、右設置用可動ホーム柵2Rと反転タイプ左設置用可動ホーム柵2Lbとの間、及び左設置用可動ホーム柵2Lと反転タイプ右設置用可動ホーム柵2Rbとの間には、ホーム長手方向に間隙W1が設けられ、ここに非常扉3が設置される。一方、第1実施形態で述べたとおり、可動ホーム柵2(2R、2L、2Rb、2Lb)は、戸袋部200の横幅Wtが乗降扉100の全幅Wdよりも短い。その為、乗降口全開状態では、戸袋部200に引き戻された乗降扉100の戸尻側が、それぞれ間隙W1の部分に進入・突出することとなる。
【0073】
但し、本実施形態では、右設置用可動ホーム柵2Rと左設置用可動ホーム柵2Lにおける乗降扉100の開閉方向のラインが、反転タイプ右設置用可動ホーム柵2Rbと反転タイプ左設置用可動ホーム柵2Lbのそれとでは、ホーム側〜軌道側方向で前後互い違いとなるように配置されている。そのため、間隙W1の部分に左右から乗降扉100が突出しても、相前後して相互干渉しないようになっている。
【0074】
従って、全ての可動ホーム柵2(2R、2L、2Rb、2Lb)における乗降扉100の開閉方向のラインが一直線状となるように配置した場合に比べて、乗降口間隔W0を狭く設定できる。
【0075】
〔第3実施形態〕
次に、本発明を適用した第3実施形態について説明する。本実施形態は、基本的に第1又は第2実施形態と同様の構成を有するが、更に乗降扉のロック機構と、乗降扉を手動により開閉するためのロック解除機構とを備える。尚、第1及び第2実施形態と同様の構成要素については同じ符合を付与してその説明は省略し、主に本実施形態との差異について説明するものとする。また、右設置用可動ホーム柵2Rについて詳細に説明し、左設置用可動ホーム柵2Lについては左右対称となるだけであるため説明を省略する。
【0076】
図14は、本実施形態における乗降扉100の構成例を示すホーム側から見た正面分解図である。図15は、本実施形態における乗降扉100のG−G断面に於ける縦断面図である。
【0077】
先ず、本実施形態における下部ガイドレール部122の軌道側内壁125の戸尻側には、ロックピン174が下方に向けて立設されている。このロックピンは、全閉状態において後述する扉ロック機構と係合することにより乗降扉100の状態を維持するのに供される。
【0078】
また、本実施形態における乗降扉100には、扉ロック機構のロックを解除し、手動で乗降扉100を開閉させるための手動開閉レバー180が、上部フレーム110の背面側(軌道側)の戸先寄りに設けられている。
【0079】
具体的には、上部フレーム110の背面側の扉プレート取付部111の戸先寄りには、切り欠き113が設けられており上部フレーム110の内部空間が露出している。そして、露出した扉プレート取付部111の内部背面側立面に、手動開閉レバー180が軸182により、乗降扉100の背面に沿って上下方向に揺動可能に露出した状態で枢支されている。
【0080】
手動開閉レバー180は、封印により図示する状態に固定されているが、封印を解くことにより、その側面が、扉プレート取付部111の内部背面側立面に立設されたストッパ183に当たるまで、およそ90°戸尻方向へ回転させることができる。そして、この手動開閉レバー180の軸182の挿通部周りには、ワイヤー184のタイコを嵌める部位を備えており、同レバーを操作すると連結されたワイヤー184が引かれることとなる。
【0081】
このワイヤー184は、上部フレーム110内を挿通し、更に戸尻キャップ140内に設けられたワイヤーガイド通路149を通して下部フレーム120の下部ガイドレール部122内へ導かれる。
【0082】
下部ガイドレール部122の戸尻側には、ホーム側内壁124と軌道側内壁125の水平対向位置に跨って略水平に軸186が設けられている(図15参照)。この軸186の挿通部には、ワイヤー184の下端のタイコを装着することのできるロック解除フォーク188が、フォーク先端を戸先方向に向けた姿勢で揺動自在に枢支されている。
【0083】
ロック解除フォーク188は、軸186の挿通部から戸尻方向へ延設された二股フォークを有する。この二股の間には、乗降扉100を全閉状態にした位置で、後述する扉ロック機構260のプルロッド289が入る(図17参照)。
【0084】
また、ロック解除フォーク188の軸186の挿通部には、リターンスプリング187が装着されている。このリターンスプリング187は、手動開閉レバー180の封印を解除しない程度の力でロック解除フォーク188をホーム側から見て反時計回り方向に付勢しており、手動開閉レバー180が封印された状態において、ロック解除フォーク188のフォーク先端が僅かに戸先方向に向けて傾斜する姿勢が維持される。手動開閉レバー180を作動させると、ワイヤー184が引かれ、ロック解除フォーク188はホーム側正面から見て軸186周りに時計回り方向に回動され、フォーク先端が30°程度跳ね上げられる。
【0085】
図16は、本実施形態における戸袋部200の構成例を示す図であって、外装カバー201を外した状態の正面図である。本実施形態では、台座202の戸尻側に、扉ロック装置260が固定されている。扉ロック装置260は、乗降扉100を乗降口全閉状態でロックするための装置である。
【0086】
図17は、扉ロック装置260の構成例を示す図であって、平常時の乗降口全閉状態における扉ロック装置260周りの(1)側面図及び(2)上面図である。
図18は、扉ロック装置260の構成例を示す図であって、平常時の乗降口開閉動作中の状態における扉ロック装置260周りの(1)側面図及び(2)上面図を示している。
【0087】
図17に示すように、扉ロック装置260は、台座202の上面、戸尻側支柱のホーム側に固定される基部262に、上部カム264と下部カム266とを所定相対位置を維持したまま固定した軸268を回転自在に支持する。また、基部262の戸先側側面には、制御装置290により動作制御されるソレノイド270と、ロック解除レバー部280とを備える。
【0088】
上部カム264は、ロックピン174と係合するロックピン係合部264bとなる上面視略扇形状の切り欠き部を備えた円盤である。
上部カム264は、高さ方向の位置が、下部フレーム120下端に下向きに突設されたロックピン174(図14参照)の突端が掛かる位置に回転面が配置され、且つ、横方向の位置が、ロックピン174の移動ラインL1に掛かるようにロックピン係合部264bの位置が設定されている。
【0089】
下部カム266は、円盤状のカムであり、ソレノイド270により出し入れされるソレノイドピン272が挿入可能なソレノイドピン挿入孔266bを円盤の側面に備える。
【0090】
上部カム264と下部カム266との相対位置関係は、図17に示すように、上部カム264のロックピン係合部264bが軸268の軌道面側横位置にある場合に、ソレノイドピン挿入孔266bがソレノイドピン272を受け入れ可能な正面位置となるように設定されている。
【0091】
ソレノイド270は、可動鉄心と結合されたソレノイドピン272と、ソレノイドピン272の非突出側で連結されたソレノイドカバー274とを備える。ソレノイドカバー274は有底のカップ形状を成し、そのカップ底面にソレノイドピン272の端部が固定されている。ソレノイドカバー274はソレノイド270の戸先側外周を覆い、防塵カバーとしての機能を有する。
【0092】
そして、ソレノイド270は、非通電時に、内蔵するスプリングにより付勢してソレノイドピン272を下部カム266の側面に向けて突出させ、通電時に、ソレノイドピン272を引き戻すことができる。ソレノイドピン272の進退方向は、乗降扉100の開閉方向に沿って設定されている。勿論、ソレノイドカバー274はソレノイドピン272と連結されているので、同様に乗降扉100の開閉方向に沿って進退する。
【0093】
ロック解除レバー部280は、ソレノイド270のホーム側側面に立設されたレバーステー282と、同ステーにホーム側〜軌道側へ水平方向に枢支された軸284と、軸284で略垂直面沿いに揺動自在に支持された解除レバー286と、解除レバー286をホーム側から見て時計回りに付勢する捻りコイルバネ288と、レバーステー282上部に設けられたガイド管282aに遊嵌して立設されたプルロッド289とを備える。
【0094】
解除レバー286は、ホーム側から見て軸284の挿通部より戸先側に、ソレノイドカバー274の戸尻側端面に対向する垂直腕部286aを備える。また、軸284より戸尻側には、ロッドフォーク286bが設けられている。このロッドフォーク286bには、プルロッド289の側面に設けられた凸部289aが遊嵌する。凸部289aが設けられる高さ位置は、プルロッド289の下端が台座202に当っている状態で、解除レバー286が図17の姿勢となる位置である。このとき、垂直腕部286aは立位にあり、ソレノイド通電状態におけるソレノイドカバー274の戸尻側端面と当接又は僅かに隙間を設ける位置となる。
【0095】
プルロッド289は、乗降扉100が全閉状態において、ロック解除フォーク188の二股内にロッド上端が入る位置に立設されている。ロッド上端外周には、リブ289bが設けられており、その下面で、跳ね上がるロック解除フォーク188を受けることができる。
【0096】
図17に示すように、乗降扉100が全閉状態では、ロックピン174が扉ロック装置260の軸268の軌道側横位置に在り、ロックピン係合部264bの切り欠き内に入って係合する。この時、制御装置290はソレノイド270を非通電状態とする。ソレノイド270はソレノイドピン272を突出させ、下部カム266のソレノイドピン挿入孔266b内に挿入させる。つまり、下部カム266の回転が規制されることにより上部カム264は回転不可能な状態に固定される。上部カム264のロックピン係合部264b内からロックピン174が移動できないことで乗降扉100が全閉状態を維持するようにロックされている。
【0097】
また、ロック解除フォーク188は、その二股のフォーク内にプルロッド289が入る位置に在るが、フォーク先端が初期位置(図示の状態)にあるので、プルロッド289とは係合されない。
【0098】
この状態から乗降扉100を開けるには、制御装置290は、ソレノイド270を通電状態にする。通電されたソレノイド270はソレノイドピン272を引き戻し、下部カム266のソレノイドピン挿入孔266bから抜く。ソレノイドピン272が引き戻されることによって、これと連結されたソレノイドカバー274もまた戸先方向に移動する。
【0099】
次いで制御装置290は、駆動プーリ234をホーム側から見て時計回りに駆動させて乗降扉100を開ける。乗降扉100が開方向に移動すると、図18に示すように、ロックピン174は図の右方向に移動する。このとき、自由回転状態の上部カム264が連れ回り、ロックピン係合部264bが移動ラインL1の戸尻側に向けて開口する。そして、乗降扉100の開き動作が更に進むと、やがてロックピン174がロックピン係合部264bから抜け、乗降口全開状態に至る。全開状態に至ると制御装置290は駆動プーリ234の駆動を停止する。尚、全開状態に至った際に、ソレノイド270を非通電状態としてもよい。この場合には、ソレノイド270は、ソレノイドピン272を下部カム266へ向けて突出させるが、図18の状態ではソレノイドピン272の正面は挿入孔の無いカム側面なのでロックがかかることは無い。
【0100】
乗降タイミング終了まで、全開状態が維持される。そして、乗降タイミング終了とともに、今まで説明したのと逆順にして、乗降扉100の閉動作が行われる。すなわち、制御装置290は、駆動プーリ234をホーム側から見て反時計回りに駆動させて乗降扉100を閉じる。すると、ロックピン174がロックピン係合部264b内に再び入る。
乗降扉100が全閉状態になったならば、制御装置290は駆動プーリ234の駆動を停止する。全閉状態では、前述の通りソレノイドピン272の正面にはソレノイドピン挿入孔266bが位置することになるので、自動的にソレノイドピン272がソレノイドピン挿入孔266bに挿入され、乗降扉100が全閉状態でロックされる。
【0101】
次に、手動開閉レバー180を使用した手動操作時の動作について説明する。
図19は、扉ロック装置260のロック解除動作中の扉ロック装置260周りの(1)側面図及び(2)上面図である。尚、側面図においては、下部フレーム120の一部を透視で示している。
【0102】
乗降扉100が全閉状態から手動で扉を開ける場合には、手動開閉レバー180を上部フレーム110に沿った初期姿勢からレバーを下げる要領で回転させ、そのまま乗降扉100を開方向へ動かす(図14参照)。手動開閉レバー180を一杯に回転させるとワイヤー184が引かれ、下部フレーム120内ではロック解除フォーク188が跳ね上がる。
【0103】
すると、跳ね上がったロック解除フォーク188が、プルロッド289のリブ289bを持ち上げプルロッド289を上方へ引き上げる。そして、プルロッド289が上がると、解除レバー286は軸284周りに反時計回りに回動され、垂直腕部286aがソレノイドカバー274の戸尻側端面を押し、ソレノイドカバー274ともどもソレノイドピン272を戸先方向に強制的に移動させ、ソレノイドピン272を下部カム266から引き抜き、上部カム264を自由回転状態にする。
【0104】
手動開閉レバー180を持ってそのまま乗降扉100を手動で開けると、戸尻側ピン174が図の右方向に移動する。上部カム264もこれに伴って連れ回り、ソレノイドピン係合孔266bがソレノイドピン272の正面位置からずれる。この頃には、ロック解除フォーク188とプルロッド289との係合が解け、ソレノイドピン272が付勢力により下部カム266側面へ向けて突出してくるが、既にソレノイドピン係合孔266bがソレノイドピン272の正面位置からずれているので、再びロック状態になることは回避される。
【0105】
〔第4実施形態〕
次に、本発明を適用した第4実施形態について説明する。本実施形態は基本的に第1実施形態と同様の構成を有するが、戸袋部に内蔵された乗降扉の支持構造の配置関係が上下入れ替えて反転した構成となる点が異なる。
尚、第1〜第3実施形態と同様の構成要素については同じ符合を付与してその説明は省略し、主に本実施形態との差異について説明するものとする。また、本実施形態では、可動ホーム柵2として、右設置用可動ホーム柵2Rの構成について詳細に説明し、左設置用可動ホーム柵2Lについては左右対称となるだけであるため説明を省略する。
【0106】
図20は、本実施形態における可動ホーム柵2の構成例を示す斜視外観図である。本実施形態における可動ホーム柵2は、第1実施形態の乗降扉100に相当する乗降扉100Dと、第1実施形態の戸袋部200に相当する戸袋部200Dと、検知センサボックス300とを備える。
【0107】
図21は、本実施形態における乗降扉100Dの構成例を示す正面図である。図22は図21のJ−J断面における縦断面図である。
乗降扉100Dは、基本的には第1実施形態の乗降扉100と同様の構成を有するがフレームの構成が上下逆になっており、それに伴いフレームの断面形状が異なる。具体的には、乗降扉100Dは、上部フレーム120Dと下部フレーム110Dの左右両端を戸先キャップ130及び戸尻キャップ140で連結して外枠を形成し、枠の内側に光透過性の扉パネル150を取り付けて基本構造を形成する。そして、戸先キャップ130の更に戸先側には軟性樹脂で形成された着脱自在な戸先カバー160を被せ、戸尻キャップ140の更に戸尻側には軟性樹脂で形成された着脱自在な戸尻カバー162を被せて一枚のパネルを形成する。
【0108】
下部フレーム110Dは、構造的な特徴及び機能からすると第1実施形態における上部フレーム110に相当し、その内部構造は第1実施形態の上部フレーム110を上下逆さまにした構成を有する。
すなわち、図22に示すように、下部フレーム110Dは、フレーム長手方向つまりは扉の開閉方向に沿って底面側に開口するスリット状の開口部112Dを有する中空フレームであり、例えばアルミの引き抜き加工により形成される。開口部112Dの開口端は、歯面を上に向けた姿勢でコグベルト170を収容することができるベルト溝114を形成している。当然のことながら、第1実施形態と同様に、コグベルト170の幅は開口部112Dよりも広く、それでいてベルト溝114に収容可能な幅に設定されており、コグベルト170はベルト溝114に遊嵌しつつ開口部112Dを塞ぐことができる。
【0109】
開口部112Dを上方向に抜けた下部フレーム110Dの内部には、乗降扉100Dの長手方向に沿った略矩形断面空間が形成されている。この矩形断面空間は、第1実施形態における上部フレーム110の矩形断面空間を上下逆さまにした形状を有し、下部ガイドレール部115Dとして機能する。
すなわち、上下に対向する内面(壁面116と117)が後述する下部ガイドローラブロック210D(図23参照)が有する縦に回転するガイドローラと内接する第1のレールとして機能し、左右に対向する内面(壁面118と119)が同じく後述する下部ガイドローラブロックの横に回転するガイドローラと内接する第2のレールとして機能する。
【0110】
一方、本実施形態の上部フレーム120Dは、構造的な特徴及び機能からすると第1実施形態の下部フレーム120に相当し、第1実施形態の下部ガイドレール部122に相当する上部ガイドレール部122Dと、その下面より延設された扉プレート取付部121とを備える。
【0111】
上部ガイドレール部122Dは、背面側の側面下端に開口部を有する矩形断面空間を形成し、矩形断面空間のホーム側内壁124と軌道側内壁125とが対向面を形成し、後述する上部ガイドローラブロック250D(図23参照)の横に回転するガイドローラと内接する第3のレールとして機能する。
【0112】
図23は、本実施形態における戸袋部200Dの構成例を示す図であって、外装カバー201を外した状態の正面図である。図24は、図23の戸袋部200DのK−K断面における縦断面図である。
【0113】
本実施形態の戸袋部200Dは、基本的には第1実施形態の戸袋部200と同様の構成要素を有し、第1実施形態の戸袋部200と同様に、乗降扉100Dの一方側(ホーム側)の扉面を当該戸袋部側に対向させ、他方側(軌道側)の扉面を露出した状態で開閉駆動するよう構成されてなる。つまり、公知の可動ホーム柵における戸袋部のように乗降扉をホーム側からも軌道側からも見えないように収容する袋状の構成ではない。
【0114】
具体的には、乗降扉100Dを支持する要素が第1実施形態と比べて上下逆さまのレイアウトで構成されている。すなわち、(1)台座202の左右両端に立設された2本の支柱204と、(2)それら支柱204の下部を左右に連結する格好で取り付けられた下部ガイドローラブロック210D及びベルト駆動ブロック230と、(3)支柱204の上端に橋渡しされた上端プレート205に設置された上部ガイドローラブロック250Dと、(4)支柱間に取り付けられた可動ホーム柵2の動作を制御するための制御装置290とを備える。
【0115】
上部ガイドローラブロック250Dは、構造的な特徴及び機能からすると第1実施形態の下部ガイドローラブロック250に相当し、上部フレーム120Dの矩形内部空間内に相当する位置で横方向に回転する横ガイドローラ254をローラステー252によって枢支する。具体的には、ローラステー252は、上端プレート205の上面へ固定するための取付部252aと、当該取付部252aから乗降扉100Dの上方を跨いで下方に屈曲し、更に上部フレーム120Dの背面側の開口部を挿通してその先端を上部フレーム120Dの矩形内部空間内に至らしめる腕部252bとを有する。この腕部252bの先端には、横ガイドローラ254の回転軸が鉛直に固定されている。
【0116】
下部ガイドローラブロック210Dと、ベルト駆動ブロック230とは、ボルトにより着脱自在に一体に連結されており、両者は下部ガイドローラブロック210Dの支柱連結ステー214によって支柱204に固定される。
【0117】
図25は、本実施形態における下部ガイドローラブロック210Dと、ベルト駆動ブロック230との分解図であって、(1)上面図、(2)ホーム側から見た正面図に該当する。
【0118】
下部ガイドローラブロック210Dは、構造的な特徴及び機能からすると第1実施形態の上部ガイドローラブロック210に相当し、基本的には第1実施形態の上部ガイドローラブロック210を上下逆さまにしたのと同様の構成を有する。
すなわち、下部ガイドローラブロック210Dは、二本の支柱204間に跨がるメインプレート212と、メインプレート212の左右両端から下方へ延設された支柱連結ステー214とを備え、支柱連結ステー214で支柱204の下部にボルト固定される。そして、メインプレート212の軌道側端には、上方へ向けてバーチカルプレート216が延設され、その上端に、横ガイドローラ220の回転軸(垂直軸)の一端が支持された横ガイドローラステー218と、縦ガイドローラ222の回転軸(水平軸)の一端が支持された縦ガイドローラステー217とが、それぞれビス219などにより所定位置に固定されている。
【0119】
ベルト駆動ブロック230は、第1実施形態に対して上下逆さまの姿勢で、下部ガイドローラブロック210Dの下部に連結される。そして、第1実施形態と同様にして、乗降扉100Dのコグベルト170と係合して乗降扉100Dを移動させる。
【0120】
図26は、本実施形態における可動ホーム柵2の戸袋部周りの透視正面図である。
図27は、LーL断面における縦断面図である。
これらの図に示すように、乗降扉100Dは、(1)上部フレーム120Dの矩形内部空間内に、上部ガイドローラブロック250Dの横ガイドローラ254が内接し、且つ(2)下部フレーム110Dの矩形内部空間内に下部ガイドローラブロック210Dの横ガイドローラ220及び縦ガイドローラ222が内接し、且つ(3)コグベルト170がベルト駆動ブロック230のプーリに架けられて、戸袋部200Dに取り付けられる。
【0121】
具体的には、第1実施形態と同様にバーチカルプレート216の厚みは、下部フレーム110Dの開口部112Dを挿通できる程度に設定されており、横ガイドローラ220及び縦ガイドローラ222を、下部フレーム110Dの内部空間内に支持することができる。横ガイドローラ220は下部ガイドレール部115Dの左右に対向する内壁面に内接し、縦ガイドローラ222が下部ガイドレール部115Dの上下に対向する内壁に内接する。つまり、横ガイドローラ220と縦ガイドローラ222は、下部フレーム110Dの下部ガイドレール部115Dと係合してスライド機構を構成し、下部ガイドローラブロック210Dは乗降扉100Dの荷重を支えるとともに上下左右方向の移動方向を定め、扉開閉方向に対して移動自在に支持する。尚、横ガイドローラ220及び縦ガイドローラ222を、公知のリニアガイド機構などで置換することができる。
【0122】
一方、上部では、横ガイドローラ254が、上部フレーム120Dの左右に対向する内壁面に内接してスライド機構を構成し、上部ガイドローラブロック250Dは乗降扉100Dの開閉方向に沿った移動を案内するとともに、左右方向(軌道側〜ホーム側方向)への扉のガタツキを抑制する。
【0123】
尚、本実施形態で示したような乗降扉の支持構造のレイアウトを第1実施形態に比べて上下反転した構成は、第2実施形態に適用することができる。
また、第3実施形態で示した乗降扉を手動により開閉するためのロック解除機構を本実施形態に適用することができる。その場合、ロック機構及びロック解除機構は、上端プレート205上に設け、ロック機構は上部フレーム120Dと係合する構成とすると好適である。
【0124】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明の形態が上記の構成に限定されるものではなく、適宜構成の省略や変更を施すことができる。
例えば、第1〜第3実施形態ではコグベルト170を配置する部位を乗降扉100の上端部とし、第4実施形態では下端部としたが、例えば上部フレーム110を扉の高さ中程に設ける構成としても構わない。その場合、上開口部112の向きは軌道側としても良い。
【0125】
また、支柱204をホーム側にして乗降扉100の懸下を軌道側とした配置を「標準タイプ」、支柱204を軌道側にして乗降扉100の懸下をホーム側とした配置を「反転タイプ」として説明したが、標準・反転タイプの設定を逆にし、支柱204を軌道側にして乗降扉100の懸下をホーム側とした配置を「標準タイプ」としても良い。
【符号の説明】
【0126】
2 可動ホーム柵
2R 右設置用可動ホーム柵
2Rb 反転タイプ右設置用可動ホーム柵
2L 左設置用可動ホーム柵
2Lb 反転タイプ左設置用ホーム柵
3 非常扉
100 乗降扉
110 上部フレーム
112 上開口部
114 ベルト溝
115 上部ガイドレール部
116 上側内壁
117 下側内壁
118 ホーム側内壁
119 軌道側内壁
120 下部フレーム
122 下部ガイドレール部
130 戸先キャップ
140 戸尻キャップ
149 ワイヤーガイド通路
150 扉パネル
160 戸先カバー
162 戸尻カバー
170 コグベルト
174 ロックピン
180 手動開閉ハンドル
184 ワイヤー
188 ロック解除フォーク
200 戸袋部
201、201B 外装カバー
202 台座
204 支柱
210 上部ガイドローラブロック
212 メインプレート
214 支柱連結ステー
216 バーチカルプレート
220 横ガイドローラ
222 縦ガイドローラ
230 ベルト駆動ブロック
232 プーリーハウジング
234 駆動プーリ
236 従動プーリ
240 減速ギアボックス
242 モータ
250 下部ガイドローラブロック
252 ガイドローラステー
254 横ガイドローラ
260 扉ロック装置
264 上部カム
266 下部カム
270 ソレノイド
272 ソレノイドピン
274 ソレノイドカバー
280 ロック解除レバー部
286 解除レバー
289 プルロッド
290 制御装置
300 検知センサボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き戸式の乗降扉と、前記乗降扉を開閉駆動する戸袋部とを備えた腰高式の可動ホーム柵であって、
前記乗降扉は、
前記乗降扉の上部及び下部に長手方向に引き続く矩形断面空間を形成した上部ガイドレール部及び下部ガイドレール部を備え、
前記戸袋部は、
前記上部ガイドレール部の内壁に内接して前記乗降扉を開閉方向に案内する上部ガイドローラ部と、
前記下部ガイドレール部の内壁に内接して前記乗降扉を開閉方向に案内する下部ガイドローラ部と、
を備える、
可動ホーム柵。
【請求項2】
前記上部ガイドローラ部が、前記乗降扉の荷重を支持し、
前記下部ガイドローラ部が、前記乗降扉の揺動を抑制する、
請求項1に記載の可動ホーム柵。
【請求項3】
前記上部ガイドレール部は、前記矩形断面空間に、前記上部ガイドローラ部を内挿するためのスリット状の開口部を前記乗降扉の長手方向に沿って有し、
前記乗降扉は、
前記上部ガイドレール部の前記開口部を覆う幅を有し、当該開口部を長手方向に亘って覆うように掛け渡して設けられた駆動ベルトを備え、
前記戸袋部は、
前記駆動ベルトの一部分を前記乗降扉から引き離して掛け渡されたプーリ部と、
前記プーリ部を駆動する駆動部と、
を備え、
前記駆動部の駆動によって前記駆動ベルトの前記プーリ部に掛け渡される部分が変位することで前記乗降扉が開閉駆動され、前記開口部が前記戸袋部外において前記駆動ベルトによって覆われてなる、
請求項1又は2に記載の可動ホーム柵。
【請求項4】
前記上部ガイドローラ部は、前記プーリ部と開閉駆動される前記乗降扉との間に設けられ、当該上部ガイドローラ部を越えて前記駆動ベルトが前記プーリ部に掛け渡されることによって前記駆動ベルトが覆っていた前記開口部を通じて前記上部ガイドレール部内に内挿されてなる、
請求項3に記載の可動ホーム柵。
【請求項5】
前記上部ガイドローラ部が、前記乗降扉の揺動を抑制し、
前記下部ガイドローラ部が、前記乗降扉の荷重を支持する、
請求項1に記載の可動ホーム柵。
【請求項6】
前記下部ガイドレール部は、前記矩形断面空間に、前記下部ガイドローラ部を内挿するためのスリット状の開口部を前記乗降扉の長手方向に沿って有し、
前記乗降扉は、
前記下部ガイドレール部の前記開口部を覆う幅を有し、当該開口部を長手方向に亘って覆うように掛け渡して設けられた駆動ベルトを備え、
前記戸袋部は、
前記駆動ベルトの一部分を前記乗降扉から引き離して掛け渡されたプーリ部と、
前記プーリ部を駆動する駆動部と、
を備え、
前記駆動部の駆動によって前記駆動ベルトの前記プーリ部に掛け渡される部分が変位することで前記乗降扉が開閉駆動され、前記開口部が前記戸袋部外において前記駆動ベルトによって覆われてなる、
請求項1又は5に記載の可動ホーム柵。
【請求項7】
前記下部ガイドローラ部は、前記プーリ部と開閉駆動される前記乗降扉との間に設けられ、当該下部ガイドローラ部を越えて前記駆動ベルトが前記プーリ部に掛け渡されることによって前記駆動ベルトが覆っていた前記開口部を通じて前記下部ガイドレール部内に内挿されてなる、
請求項6に記載の可動ホーム柵。
【請求項8】
前記戸袋部は、前記乗降扉の一方側の扉面を当該戸袋部側に対向させ、他方側の扉面を露出した状態で開閉駆動するよう構成されてなる、
請求項1〜7の何れか一項に記載の可動ホーム柵。
【請求項9】
請求項1〜7の何れか一項に記載の可動ホーム柵を両開き用に設けた複数組を、戸袋部と乗降扉との前後位置関係を互い違いに配置して、隣接する各組間の乗降扉の全開時の干渉を防止してなる可動ホーム柵システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−105292(P2011−105292A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86198(P2010−86198)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(000001292)株式会社京三製作所 (324)
【出願人】(509294748)クノールブレムゼ レール システム(ユーケー)リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Knorr−Bremse Rail System (UK) Ltd.
【住所又は居所原語表記】Westinghouse Way,Hampton Park East,Melksham,Wiltshire,SN12 6TL,UK
【Fターム(参考)】