説明

可動物体の距離及び/又は方位を決定する装置及び方法

本発明は、可動物体の距離及び/又は方位を決定する装置及び方法に関し、該装置及び方法は、可動物体に取り付けられると共に規定周波数を有する少なくとも1つのトランスミッタとレシーバを含む。前記トランスミッタは既知の偏波面を有するアンテナを有し、前記レシーバは左円偏波アンテナ及び右円偏波アンテナを有し、前記レシーバは分析装置を備える又は分析装置に接続され、前記分析装置は規定周波数を考慮して、受信した2つの信号から2つの測定位相値を決定し、前記2つの信号により距離及び/又は方位を計算できる。逆の動作を行うデバイスでは、トランスミッタが2つの円偏波アンテナを有し、レシーバが既知の偏波面を有するアンテナを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は可動物体の距離及び/又は方位を決定する装置及び方法に関する。
【0002】
固定位置に対する可動物体の距離又は距離の変化及び/又は空間内での可動物体の方位を認識することは、ナビゲーション又は計測において重要である。今日、可動物体のアラインメントを決定する複数の方法が知られている。例えば、物体の方位と移動は、慣性センサシステム、即ち、磁場センサ、ジャイロスコープ、又は加速度センサを利用して決定され、かかる方法及び装置はそれぞれ特許文献1に記載されている。この実施形態の不利点は、認識されない偏向又はオフセットが測定変数に含まれると、位置及び方位の結果に誤差が生じ、誤差は時間の経過に伴い増大する。かかる誤差は通常、他のシステムの補助測定によって決定及び修正される。カメラベースのシステムは、物体の方位と位置を決定するための更なる始点を示す。この際には測定する物体に少なくとも3つのマーキングを施し、これをカメラで検出してその相対的な位置及び場所を決定することで、空間において測定物体を定義することができる。この例は、特許文献2及び特許文献3に記載されている。
【0003】
GPSシステムを使用する特許文献4には、船舶のアラインメントを測定する装置が記載されている。回転アンテナ、又はこの点において切り替えを行うことによって回転アンテナのように動作する複数のアンテナ構成が、衛星から無線信号を受信するが、この信号の入射方向は、アンテナの回転周期と位相測定、ドップラー測定、振幅測定、又は周期プロファイルを有する距離測定との間での位相比較を介して決定することができる。船舶のアラインメントは衛星の位置及び該船舶自体の位置をも利用し、上記から決定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第1521165A2号
【特許文献2】独国特許第69804128T2号
【特許文献3】国際公開第WO99/21134号
【特許文献4】英国特許第2130040A号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
比較的単純な評価を行って満足のいく結果を生み出すことができるよう、異なる測定原理によって距離及び/又は方位を決定する装置及び方法を提供することが、本発明の根本的な目的である。
【0006】
本発明によれば、独立請求項の特徴によってこの目的を達成する。
【0007】
従属請求項で示す手段により、更なる有利な展開と改良が可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による装置及び方法では、少なくとも1つのトランスミッタと少なくとも1つのレシーバを使用し、両者のうちの一方は既知の偏波面を備えるアンテナを有し、両者(トランスミッタ及びレシーバ)のうちの他方は、左円偏波アンテナ及び右円偏波アンテナを有する。なお、左円偏波アンテナ及び右円偏波アンテナという用語は、左円偏波及び右円偏波を生じることのできる全てのアンテナ構成をカバーするものを意図している。2つの受信した信号と送信した信号からフェージングを決定し、これらを互いに比較する。受信した信号と送信した信号との間のフェージングの差を形成することで比較を行う。これにより、2つのレシーバモジュールに対する2つの測定位相値が得られる。測定プロセスはキャリア位相を純粋に評価することに基づく。測定値を得るために送信信号を変調する必要はない。しかし、精度及び回復力を向上させ、以下で示す符号の分離を容易に行うことができるようにするには、送信信号を変調すると多くの点で有利である。
【0009】
決定した測定位相値から、その後可動物体の距離及び/又は方位を計算することができる。始点の位置がわからない場合には、任意の始点を想定し距離変化及び/又は方位変化を決定する。少なくとも1つの時点における物体の既知の位置及び/又は方位を利用して、絶対距離及び/又は方位を決定することができる。
【0010】
方位又は距離の一次元的変化は最も単純な構成、即ち、トランスミッタとレシーバを用いて決定することができるが、その際にはトランスミッタの時間及びレシーバの時間を互いに同期させる、あるいは時間差を決定して周知のプロセスにより誤差を修正する必要がある。有利な実施形態では、実施形態による一次元の絶対方位に対して、既知の方位を有する基準トランスミッタ、又は対応する基準レシーバを使用する。
【0011】
トランスミッタとレシーバが互いに同期しなければ、追加のレシーバを装備して、TDOA(time difference of arrival(到達時間差))を用いて未知の送信時間をなくすようにしなければならない。
【0012】
本発明による方法を使用する際、少なくとも1つのレシーバによる規定周波数を用いてトランスミッタのフェージングに対して2つの受信した信号のフェージングを決定し、これらを互いに比較する。比較という用語は、中間プロセス、例えばTDOA方法を用いて同期していないトランスミッタ/レシーバの未知の周波数オフセットをなくすこと等も含むことを意図している。
【0013】
位相シフト手段、好ましくは90°位相シフト手段を有する2つの交差した線状アンテナを含む円偏波アンテナの単純な実施形態として、1つの構成を提供することができる。
【0014】
選択するシステムによって、円偏波アンテナを有する複数のレシーバ又はトランスミッタを有する多次元位置決定システムを提供することができ、トランスミッタとレシーバの間で同期がなされていない場合には、空間における可動物体の3次元方位を検出するべく、円偏波アンテナを有する少なくとも4つのレシーバ又はトランスミッタを空間に分布させて配置し得る。
【0015】
2つの送信した信号の信号形状は、2つの円偏波アンテナを有するトランスミッタで選択して、前記信号形状をレシーバで区別できるようにすることが有利である。直交符号シーケンスを達成するよう符号化を行い、これをCDMA(code division multiple access、符号分割多元接続)方法で使用することが可能である。しかしキャリア周波数が異なっていても、これらが密接にカップリングしている、即ち、一つのクロックソースに由来するものであれば、これらを使用することもできる。TDMA(時分割多元接続)方法の場合にそうであるように、交互に送信チャネルを使用するバースト的変調を使用することも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第一実施形態による本発明の装置の概略図である。
【図2】図1を基にして、トランスミッタ/レシーバ軸を中心に送信アンテナの偏波面を回転させた図である。
【図3】基準トランスミッタを有する図1の装置の概略図である。
【図4】更なる実施形態による本発明の装置の概略図である。
【図5】基準レシーバを追加的に使用する図4の装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に示し、以下の記載でより詳細に説明する。
【0018】
既定ポイントにおいて可動物体の距離及び/又は方位を決定する、本発明による装置の原理を図1に示す。この点に関して、可動物体はトランスミッタ1を有しており、該トランスミッタ1は固定したレシーバ2に対してその位置を変更できるよう構成されている。トランスミッタはアンテナ3に接続し、トランスミッタ1で生成した送信信号はこのアンテナ3を介して発信され、アンテナ3は直線偏波アンテナである、即ち、既知の直線偏波面において発信を行う。トランスミッタ1は規定周波数を有する任意の信号を生成するが、この信号は規定周波数fを有するキャリアに変調された信号であることが好ましい。この点に関して、変調のタイプは状況によって選択することができる。
【0019】
レシーバ2は2つのアンテナ4、5に接続し、これらはそれぞれ図示しない受信モジュールに対応する。アンテナ4、5は円偏波アンテナであり、アンテナ4は右円偏波アンテナ、そしてアンテナ5は左円偏波アンテナである。当然ながら、所望の偏波を生成できるよう、様々なアンテナ構成を使用することができる。2つのレシーバ経路又はレシーバモジュールは、2つのアンテナの回転磁界強度ベクトルの回転方向が異なるだけである。レシーバ2には評価装置(図示せず)が装わっているか、又は評価装置(図示せず)に接続する。
【0020】
アンテナ4、5は、トランスミッタによりアンテナ3を介して送信された既定周波数fを有する送信信号を受信し、レシーバ2又は評価手段は、トランスミッタ1の既定周波数fのフェージングに対して2つの受信した信号のキャリア周波数のフェージングを決定する。この比較を可能にするために、トランスミッタクロック及びレシーバクロックを互いに同期させる、即ち、クロックソース同士を相互接続してフェーズロックする必要がある。例えばグラスファイバ網、無線、又は原子時計等、同一の基準クロックにアクセスすることでこれを行うことができるが、その後修正又は制御が必要な場合には任意に実行する。
【0021】
各レシーバのフェージングを送信信号の位相と比較することで測定値を得るが、この測定位相値を以下の記載ではΨRHCP及びΨLHCP(rad)と称する。
【0022】
トランスミッタ1の動作を考慮すると、異なる測定位相プロファイルが得られる。
【0023】
トランスミッタ1がレシーバの方へ又はレシーバから離れるように移動すると、レシーバ2の2つのモジュールの決定される測定位相値も同様に変化する。トランスミッタ1が発信した送信信号の1つの波長分レシーバ2の方へと移動すると、レシーバ2の両レシーバモジュールは360°のフェーズ増加を記録する。これらのプロセスは位置決定システムでキャリア位相測定として知られている。しかし、位相は1つの波長間隔で繰り返すため、曖昧となることに注目しなければならない。
【0024】
トランスミッタ/レシーバ軸を中心にトランスミッタアンテナが回転すると、直線偏波の回転が生じる。トランスミッタ1が物理的に回転すると、偏波面のアラインメントが変化し、そしてそれはレシーバ2に記録されて測定変数に変換される。偏波面の受信アンテナへの入射角は測定すべき情報を有する。図2に示すように、トランスミッタ/レシーバ軸の周りをトランスミッタ1の既知の偏波面が回転すると、アンテナ4に接続したレシーバモジュールには位相の増加が記録され、アンテナ5に接続するレシーバモジュールには等しい大きさの減衰が記録される。よってΦRHCPの値が増加すると、φLHCPの値はそれに応じて低下する。例えば図2に示す回転軸の周りをトランスミッタ1が回転すると、測定位相値が360°変化し、2つの測定値は互いに逆の挙動を示すことになる。どの測定位相値が上下するかは、トランスミッタ1の回転方向による。トランスミッタ1の回転方向は測定位相値の変化を用いて決定できる。回転方向が既知である場合には、図1又は図2の装置を用いて方位の変化、即ち、相対的アラインメントを決定することができる。
【0025】
トランスミッタ1とレシーバ2との間の距離は次のように計算できる。
【0026】
【数1】

【0027】
ここで、λはトランスミッタ1の送信した信号の波長(メートル表示)に対応し、Xは距離のオフセット(これも同様にメートル表示)に対応するが、距離の値Xはxが実際に測定した距離に対応するよう選択する。最初の測定値の記録では2つの測定位相値はまだ重要でないが、これはシステムにおける信号伝播時間が例えばケーブルの長さにより値に影響するためである。よって値xをまず決定して、測定位相値を用いて距離のオフセットxを計算する。これ以降は、xを定義して位相測定を用いて位置xを決定することができる。これは常に第1の位置に対するものである。最新のナビゲーションシステムでは、十分な精度とセキュリティーが達成されるまで、値xを複数の測定サイクルに渡って評価する。この目的を満たすアルゴリズムは文献で知られている。例えば、複数の測定値の単純な平均を決定してもよい。カルマンフイルタは同様に状態値とその不確実性を評価することができる。
【0028】
上述したように、位相値の測定では測定位相値の2π曖昧性により、式の解も同様に曖昧となる。しかし、この曖昧性は相対的な測定位相値のいわゆる位相接続法により回避できる。
【0029】
図1と図2の実施形態において1次元であるトランスミッタ1の方位は、次の式によって計算できる。
【0030】
【数2】

【0031】
式中、Ωは半径の回転角に対応する。基準として使用する座標系における回転角にΩが対応するよう、Ωを用いて式の結果を適応させることができる。回転に対する座標系によってこの式の記号を選択する。
【0032】
図3ではトランスミッタ1のほかに、選択された座標系において既知の方位を有する基準トランスミッタ6を提供する。この基準トランスミッタ6には直線偏波アンテナ7が備わっている。図1による装置をこの基準トランスミッタを用いて較正して、既知の座標系に対する絶対方位を決定することができる。上述したように、この目的で、レシーバ2がその2つのアンテナ4及び5を介して基準トランスミッタ6の発した送信信号を受信すると、上述のようにレシーバ2の2つのレシーバモジュールに対する測定位相値を決定することができる。これらの2つの測定値は、上の式において基準トランスミッタの既知方位ΩRef=Ωと共に使用される。Ωが決定すれば、位置決定すべき物体の次元における絶対方位がわかる。
【0033】
上述したように、図1から図3による装置を用いて1次元の方位を測定できる。例えば、競技場におけるボールのいわゆる追跡のような限定された空間における可動物体の3次元的位置決定システムを構成するために、上述のレシーバ2のような少なくとも4つのレシーバを、ここではボールである可動物体の動く競技場における異なるポイントに、空間的に分布させるべきである。可動物体に見出すことのできるトランスミッタ1又はその発振器は、レシーバ網の発振器とは同期しないが、4つのレシーバ2は互いに同期する。これは例えば、全てのレシーバ2に接続してクロック発生器からの信号を取得するグラスファイバ回線を介して実行することができる。同期化しないため、TDOA(到達時間差)方法を位置決定に対して適用して、式におけるトランスミッタの既知の送信時間を評価する必要がある−このため少なくとも4つのレシーバが必要である。
【0034】
上述のように、測定位相値をそれぞれの受信した信号に対して決定することができ、それらを用いて距離又は距離の変化並びに回転角度を計算し、トランスミッタ1又は可動物体の空間における3次元的方位を決定することができる。
【0035】
上記実施形態では、トランスミッタ1には1つの直線偏波アンテナ3が備わり、一方レシーバ2には2つの円偏波アンテナ4、5が備わる。しかし、このように記述した測定システムの動作を「逆に」することもできる。すなわち、図4及び図5に示すように、一方が右円偏波アンテナであり、そして他方が左円偏波アンテナである2つの円偏波アンテナ10、11をトランスミッタ8が含むようにすることもできる。既知の偏波面を有するアンテナ12にレシーバ9を接続する。かかるシステムは、各衛星が2つの送信アンテナを有するトランスミッタ8を備える必要がある。例えばGPS又はガリレオ等の衛星ナビゲーションシステムで使用することができる。当然のことではあるが、それぞれのアンテナ10、11に接続する2つのトランスミッタモジュールを有するトランスミッタではなく、2つの連結したトランスミッタを装備してもよい。
【0036】
2つの送信モジュールを介してトランスミッタ8の生成した送信信号は、レシーバ9が識別できるものである必要があるが、これら送信信号が同一のキャリア周波数を使用する場合には、それらの周波数は同じである必要がある、又は両方の送信信号の周波数は密接にカップリングした状態である必要がある。周波数fを有する両送信モジュールに対して共通のクロックソースは使用することができれば、両送信信号に対するキャリア周波数は例えば同一であってもよい。これに相当する場合には、識別できるよう修正を行う間に生成信号を修正して、レシーバ9に2つの信号を認識させる必要がある。例えば、衛星を識別するようGPSにおいて使用されているような直交符号シーケンスとして、送信信号を送ることができる。キャリア周波数は異なっていても密接にカップリングしていれば、密接なカップリングを認識した上でレシーバ9におけるフェージングを修正できることも考えられる。
【0037】
レシーバ9はその直線偏波アンテナ12を介して送信アンテナ10及び11の発した2つの信号を受信し、これらを評価する。このプロセスでは、上述のように両受信信号のキャリア位相を決定し、1つ又は複数の送信信号のフェージングと比較する。この比較において測定位相値ΨRHCP及びΨLHCPを決定する。評価は上述の通りである。
【0038】
図5では、図3に基づき、その方位がわかっている直線偏波アンテナ14を有する基準レシーバ13を備えて絶対方位を決定する。ただしこの基準局13はトランスミッタを含んでおり、該トランスミッタが測定物体を形成するレシーバ9に修正データを送ると、このレシーバにおいてその絶対方位が決定される。
【0039】
レシーバ9を含む可動物体の3次元方位に対する位置決定システムを生成するには、複数のトランスミッタ構成8が必要である。すなわち、レシーバ9がトランスミッタ8と同期しない場合には少なくとも4つのトランスミッタ構成が必要である。
【符号の説明】
【0040】
1、8 トランスミッタ
2、9 レシーバ
3、14 直線偏波アンテナ
4、5、10、11 円偏波アンテナ
6 基準トランスミッタ
13 基準レシーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動物体の距離及び/又は方位を決定する装置であって、前記物体に取り付けられると共に規定周波数を有する少なくとも1つのトランスミッタ(1)と少なくとも1つのレシーバ(2)を含み、
前記装置は、
前記トランスミッタが既知の偏波面を有するアンテナ(3)を有し、前記レシーバ(2)が左円偏波アンテナ及び右円偏波アンテナ(4、5)を有し、
前記レシーバ(2)が評価装置を備える又は評価装置に接続され、前記評価装置が2つの受信した信号から測定位相値を決定し、これを用いて前記トランスミッタ(1)のフェージングを考慮しつつ距離及び/又は方位を計算できること、
を特徴とする装置。
【請求項2】
可動物体の距離及び/又は方位を決定する装置であって、少なくとも1つのトランスミッタ(8)と、前記可動物体に備わる少なくとも1つのレシーバ(9)を含み、
前記装置は、
前記トランスミッタ(8)が左円偏波アンテナ(11)と右円偏波アンテナ(10)を有し、前記アンテナ(10、11)を介して規定周波数を有する各信号を発信でき、前記レシーバ(9)が既知の偏波面を有するアンテナ(12)を有すると共に、評価装置を備える又は評価装置に接続し、前記評価装置が測定位相値を決定すると、これを用いて、前記トランスミッタ(8)のフェージングを考慮しつつ2つの受信した前記信号から距離及び/又は方位を計算できること、
を特徴とする装置。
【請求項3】
絶対距離及び/又は絶対方位を決定するために、既知の方位を有する基準トランスミッタ(6)又は基準レシーバ(13)と既知の偏波面を有するアンテナ(7、14)を備えること、を特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の装置。
【請求項4】
送信した前記信号が、規定周波数を有するキャリアに変調した信号であること、を特徴とする請求項1から3のうちの一項に記載の装置。
【請求項5】
2つの送信した前記信号を前記レシーバ(9)において識別できるように構成すること、を特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項6】
2つの送信した前記信号が、CDMA方法におけるような直交符号シーケンスである又はTDMA方法におけるような送信チャネルを交互に使用するバースト的変調である又は異なるものであって、密接にカップリングしたキャリア周波数であること、を特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記トランスミッタの時間と前記レシーバの時間を相互に同期させること、を特徴とする請求項1から6のうちの一項に記載の装置。
【請求項8】
空間における多次元位置決定システムを形成する円偏波アンテナ(4、5、10、11)を有する複数のレシーバ(2)又はトランスミッタ(8)を提供すること、を特徴とする請求項1から7のうちの一項に記載の装置。
【請求項9】
前記円偏波アンテナをそれぞれ、2つの交差した線状アンテナとして、そして位相シフト手段、好ましくは90°位相シフト手段として構成すること、を特徴とする請求項1から7のうちの一項に記載の装置。
【請求項10】
可動物体の距離及び/又は方位を決定する方法であって、既知の偏波面を有するアンテナ(3)を備える少なくとも1つのトランスミッタ(1)が、少なくとも1つのレシーバ(2)に規定周波数を有する信号を送信し、前記レシーバ(2)が2つの円偏波アンテナ(4、5)を有し、そのうちの一方が左円偏波アンテナ、そして他方が右円偏波アンテナであり、
前記方法は、
前記トランスミッタ(1)のフェージングに対して2つの受信した前記信号のフェージングを決定し、前記フェージングから前記可動物体の距離及び/又は方位を計算すること、
を特徴とする方法。
【請求項11】
少なくとも1つのトランスミッタ(8)が、左円偏波アンテナ(11)と右円偏波アンテナ(10)を介して、既知の偏波面を有するアンテナ(12)を備える少なくとも1つのレシーバ(9)に、規定周波数を有するそれぞれの信号を送信する可動物体の距離及び/又は方位を決定する方法であって、
2つの受信した前記信号のフェージングを、前記トランスミッタ(8)のフェージングに対して決定し、前記フェージングから前記可動物体の距離及び/又は方位を計算すること、
を特徴とする方法。
【請求項12】
2つの送信した前記信号の信号形状を、前記レシーバにおいて識別できるよう選択すること、を特徴とする請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−529174(P2011−529174A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−519091(P2011−519091)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005630
【国際公開番号】WO2010/009906
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(597159765)フラウンホーファーゲゼルシャフト ツール フォルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシユング エー.フアー. (68)
【出願人】(503089685)
【氏名又は名称原語表記】FRIEDRICH−ALEXANDER−UNIVERSITAT ERLANGEN−NURNBERG
【住所又は居所原語表記】SCHLOSSPLATZ 4 91054 ERLANGEN FEDERAL REPUBLIC OF GERMANY
【Fターム(参考)】