説明

可変トラック幅記録補償

可変トラック幅を有する記憶媒体を提供する方法及び装置。多くの形態に見られるように、データ記憶媒体はモータにより回転させられる。書込みトランスデューサは、その回転の間、記憶媒体に同心データトラックを書込むように使用される。トラックには、媒体の回転速度を選択的に変化させることにより形成される可変トラック幅が備わっている。可変トラック幅は、与えられた適用における要求に応じて、段階的及び/又は急激である。トラック幅の段階的変化は、回転アクチュエータのピボット移動経路に沿って書込まれたトラックをエミュレートした線形移動経路を有するリニアアクチュエータにより使用される。トラック幅の急激な変化は、異なる特定のトラック幅を有するトラックの異なる区域に使用される。トラックは、電子ビーム記録装置(EBR)を用いて、一定書込みビーム出力レベルで書込まれる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
データ記憶装置は、一般的に、高速で効率よい手法で、データを保存及び/又は取得するために動作する。いくつかの記憶装置は、媒体に設定されたトラックを用いたデータ転送動作を実行するために、半径方向に動作可能なトランスデューサによりアクセスされる回転可能記憶媒体を利用している。
【0002】
トランスデューサは、多くの場合、媒体の最外周に隣接して配置されたアクチュエータにより支持される。アクチュエータの異なる形態は、リニアアクチュエータ、ピボット(回転)アクチュエータを含め知られている。媒体はデータを様々な形式、例えば、光学的(例えば、光学ディスク)、磁気的(例えば、ハードディスクドライブ)に保存することができる。媒体は、予め記録されていても記録可能(一回又は多数回のいずれか)でもよい。
【0003】
媒体表面の様々なトラックの構成は、通常媒体又は装置の製造時において決定される。トラックは、一連の別々の同心状の輪として、又は媒体の半径方向に交差して伸びる連続する螺旋として設定されていてもよい。媒体の構造によって、媒体のデータ記憶容量を更に増やすために、多重記録層が採用されてもよい。通常、利用者データコンテンツ及びオーバーヘッドサーボデータの両方は、それぞれのトラックに沿って間欠的に記憶される。利用者データコンテンツ(例えば、プログラム、ビデオ、オーディオ等)は、ホストデバイスに出力されるが、サーボデータは、閉ループ追跡情報をデータトランスデューサを位置決めするサーボシステムに提供する。
【0004】
トラック幅は、与えられたトラックに沿って保存される情報の全体の半径方向幅を表す。トラック間隔は、あるトラックの中心から隣のトラックまでの半径方向距離を表す。トラック幅はトラック間隔と関連することが理解されるでしょう。これらの値は、隣り合うトラックの間に介在するバッファ領域がなければ一致する。記憶媒体は、古くから多くの場合、一貫したトラック幅(そして一貫したトラック間隔)で提供されていた。すなわち、トラック幅/間隔は、媒体表面に渡って変化なく、むしろ、実質的に一定に維持されていた。
【発明の概要】
【0005】
本発明のいくつかの形態は、概して、様々なトラック幅を有する記憶媒体を提供する方法及び装置に示される。
【0006】
いくつかの形態に見られるように、データ記憶媒体はモータにより回転させられる。該回転の間、書込みトランスデューサは、記憶媒体に同心データトラックを書込むために使用され、該トラックは、媒体の回転速度を選択的に変化させることにより形成される様々なトラック幅を有する。
【0007】
トラック幅は、与えられた適用における要求に応じて、段階的又は急激であってもよい。トラック幅の段階的変化は、回転アクチュエータのピボット移動経路をエミュレートするために利用される。トラック幅の急激な変化は、異なる特定のトラック幅を有するトラックの異なる区域を提供するために利用される。
【0008】
様々な形態におけるこれらの又は他の視点は、関連図面とともに以下の詳細な議論から理解されるでしょう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、典型的なデータ記憶媒体を示している。
【図2】図2は、図1の媒体におけるいくつかの隣接するトラックを示している。
【図3】図3は、媒体の選択されたトラックに沿って記録された典型的なパターンを示している。
【図4】図4は、記憶媒体へデータを書込むように、及び記憶媒体からのデータを読込むように構成されたデータ記憶システムのブロック図である。
【図5A】図5Aは、異なる動作設定下における図4のシステムによる、記憶媒体に記録される異なる特性形状を示している。
【図5B】図5Bは、異なる動作設定下における図4のシステムによる、記憶媒体に記録される異なる特性形状を示している。
【図5C】図5Cは、異なる動作設定下における図4のシステムによる、記憶媒体に記録される異なる特性形状を示している。
【図6A】図6Aは、いくつかの形態に基づき、スティッチ処理を用いて媒体の複数回転に渡って書込まれた異なる複合的な特性形状を示している。
【図6B】図6Bは、いくつかの形態に基づき、スティッチ処理を用いて媒体の複数回転に渡って書込まれた異なる複合的な特性形状を示している。
【図7A】図7Aは、他の典型的な複合的な特性形状を示している。
【図7B】図7Bは、他の典型的な複合的な特性形状を示している。
【図8】図8は、可変トラック幅記録ルーチンのフローチャートである。
【図9A】図9Aは、図8のルーチンに従って、媒体の回転速度を調整することにより、どのように異なるトラック幅が形成されるかを示している。
【図9B】図9Bは、図8のルーチンに従って、媒体の回転速度を調整することにより、どのように異なるトラック幅が形成されるかを示している。
【図10】図10は、リニアアクチュエータを表している。
【図11】図11は、ピボット(回転)アクチュエータを示している。
【図12】図12は、ピボット移動経路に適合した、トラック幅に段階的変化のある媒体上の可変トラック幅を示している。
【図13】図13は、異なるトラック幅及び/又は間隔を有する異なる区域に適合した、トラック幅に急激な変化のある媒体上の可変トラック幅を示している。
【図14】図14は、典型的な電子ビーム記録装置の機能ブロック図を示している。
【図15】図15は、図14の信号生成ブロックを示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の様々の形態は、概して、記憶媒体へのデータの記録に示される。データは、可変トラック幅の円周方向に伸びるトラックとして配置される。いくつかの形態では、媒体の半径方向拡張の少なくとも一部に渡って連続的なトラックが、半径方向の幅において連続的に増えたり減ったりするように、可変トラック幅は段階的である。他の形態では、可変トラック幅は、トラック幅の急激な変化を提供し、これにより異なる区域は、異なるトラック幅/距離を有する。可変トラック幅は、異なる回転の通過に渡って媒体の回転速度を変えることにより形成される。
【0011】
図1は、典型的な回転データ記憶媒体100の上面図である。この好適な形態では、媒体は、ハードディスクドライブ(HDD)で使用されるタイプにあるような、磁気記録ディスクとして特徴付けられ、データは磁束遷移を変える形式で媒体に書込まれる。他の形態では、媒体は、ブルーレイディスク(BD)やデジタル多用途ディスク(DVD)のような、データが光反射率のレベルを変化させるマークの形態で媒体に記録される光学ディスクの形態を採用する。
【0012】
データは、媒体の最も内側の径(ID)から最も外側の径(OD)まで伸びる記録面102上で媒体100上に配置される。記録面102は、多くの同心トラックを備え、そのうちのひとつは104で示されている。トラックは、中心軸105に対し周囲に(斜めに)伸び、連続する離散同心の輪、又はIDからODに伸びる連続的な螺旋の一部として配置されることができる。
【0013】
図2は、図1の記録面102から、3つの典型的なトラック106、108及び110を表している。これらのトラックは、それぞれトラックN、N+1及びN+2で示されている。トラック106、108及び110のそれぞれは、概して半径方向幅又は距離に相当する対応トラック幅(TW)を有し、それぞれのトラックは、媒体100で、中心軸105と交わる半径方向に広がっている。
【0014】
トラックには、更に、概して一のトラックの中心から隣のトラックの中心の半径方向距離に相当する対応トラック距離(TP)が与えられる。小さな介在空間(S)は隣り合うトラックの間に示されている。つまり以下のようになる。
【0015】
TP=TW+S (1)
【0016】
すべての場合において、TPは、TWに比例するということが示される。Sが0に近づくに従って、TPはTWに近づく(すなわち、S=0であればTP=TW)。一般的に、介在空間Sが隣り合うトラック間に必要である程度は、データの媒体への保存のされ方しだいである。例えば、磁気トラックは隣合うことが(重なり合うことさえも)でき、この場合、トラック幅への言及はトラック距離と同義である。一方で、光学ディスクは、パターンの光学検知での符号間干渉を避けるため、多くの場合、トラックそれぞれの側にいくらかの「ホワイトスペース」を必要とするため、Sはゼロでなく、TPはTWより大きい。
【0017】
明確化のために、以後最初にトラック幅について言及する。しかしながら、前述の定義に基づいてトラック距離に関しても同様のことがいえるのも理解されるでしょう。
【0018】
図3は、図1のトラック104に記録され、交番磁界領域(特性形状)の磁気パターンとして特徴付けられた典型的パターン112を示している。符号114で示されるような、パターンに沿った暗い「黒」領域は、垂直記録環境のページ内へのような選択された方向での第1磁界領域配列を構成する。符号116で示されるような、隣り合う「黒」領域の間の「白」領域は、ページの外側の方向に延びるような反対の第2磁界領域配列を構成する。
【0019】
他の領域配置は、トラックに沿って対向する方向に延びる平行な磁気領域を含み、すぐに利用されることができる。パターン112は、交互に入れ替わる反射率である反射マークとスペース(ピットとランド)の光学パターンのように、代替可能ないくつかのトランスデュース(変換)可能な他のパターンを示していることが分かるでしょう。マークは矩形であるが、これは特に必要ではなく、例えば楕円のような他の形状も使用することができる。データは、隣接する特性形状間の変化に関連して保存される。読込みトランスデューサは、ある特性形状から次の特性形状へ磁束変化又は光学変化を検知することができる。
【0020】
図4は、図1の記憶媒体100へデータを書込み、記憶媒体100からデータを読み込むように構成されたデータ記憶システム120の機能ブロック表示である。データを書込みは、図3で典型的に示されたようにパターンの形成をもたらす。データの読込みは、特性形状の境界でのパルス変化入射にともなう時変リードバック信号の生成となる。
【0021】
データ記憶システム120の最上位制御は、コントローラ122により提供される。データチャネル124は、ホスト装置(不図示)と読込み/書込み(R/W)トランスデューサ130の間のデータ経路を提供する。記憶媒体100に関するトランスデューサ130の半径方向動作は、アクチュエータ132を介して実現される。トランスデューサの位置の閉ループサーボ制御は、半径方向移動回路134により提供される。半径方向移動回路134は、サーボ回路とも参照される。
【0022】
媒体100は、選択された操作速度で、速度制御ブロック138により制御されるモータ136を介して回転させられる。いくつかの形態では、モータ136は、モータ136の回転速度が、トランスデューサ130の半径方向位置に関わらず、名目上一定(例えば、毎分回転数10,000、RPM)であるように、一定の角速度(CAV)で回転する。他の形態では、モータ136は、モータ136の回転速度が、トランスデューサ130の半径方向位置に関して変化するように、一定線速度(CLV)で媒体100を回転させる。
【0023】
当業者には分かるように、CAV記録の使用は、シンボル(例えば、図3の114のようなマーク)に、半径方向に関して変化する物理的長さを与える。例えば、CAV記録の使用は、媒体のOD近くのトラックに配置される場合に長く、媒体のID近くのトラックに配置された場合に短いという既知のシンボルサイズ(例えば、3T。ここで、Tはチャンネルクロック)を提供するでしょう。よく知られた区域限定記録(ZBR)技術は、要求の通り、一定のデータ密度(即ち、トラック毎のチャネルビットが同数)を有する媒体の同心区域を提供するのに利用でき、したがって、データ記憶密度を増加させる。
【0024】
CLV記録は、媒体110のどこに配置されるとしても、名目上同じサイズ(長さと幅)のシンボルを提供する。CLVは、概して、トランスデューサ130がODに向って移動するにつれて、モータ136が減速する原因となると共に、トランスデューサ130がIDに向って移動するにつれて、モータ136が加速する原因となる。いくつかのここで述べられる形態は、CLV及びCAV環境の両方を含めて多くの異なる環境で有益に利用できるでしょう。
【0025】
いくつかの形態では、トランスデューサ130が電子ビーム記録装置(EBR)を構成することが考えられる。当業者には分かるように、EBRは極めてすばらしい照射特性を提供することができる。これらの特性は、トラック、事前に記録されるユーザコンテンツデータ、続いて媒体に記録されるユーザーデータのセクター位置を決定するATIPタイプ情報等の設定を容易にするサーボ特性を含むことができる。
【0026】
いくつかの形態では、媒体100には、最初に反応物質のブランク層が提供され、ブランク層は、引き続き、媒体に特性形状を与えるためにEBRに照射される。しかしながら、それに限られず、その代わりにEBR(又は、他のトランスデューサ)は、複製ディスクの一群に特性形状を与えるための後続処理がなされることとなっているマスターディスクのフォトレジスト層へ照射するように構成することもできる。
【0027】
図5A〜5Cは、概して、異なる動作条件において達成できる特徴の違い示す図である。図5Aは、いわゆる基準条件下で、即ち、媒体100が基準である1倍速(率)で回転され、書込みトランスデューサ130が基準である1倍出力で動作されるもとで、図4のシステム124により媒体100に書込まれる第1の特性形状140を表している。
【0028】
これらの基準値は正規化され、与えられた適用における要求に応じて変化する。参考のために、CLV記録が、1倍率がディスクにおけるいくつかの選択される線速度に対応するように適用されることが考えられる。1倍出力レベルは、書込みトランスデューサに適用される(により出力される)、媒体が特性形状を形成するのに十分ないくつかの値に対応する。
【0029】
引き続き図5Aにおいて、周波数変調記録ビーム信号142は、実質的に、矩形パルス144を含む。このパルス144は、基準動作条件(1倍速度、1倍出力)における記録される特性形状140の長さと幅を設定するのに十分な持続時間を提供している。
このパルス144は、書込みトランスデューサ130に提供され、書込みトランスデューサ130は、関連する記録ビーム応答146に出力パルス148を提供する。パルス144は、一般的にどのくらいの長さビームをオンにするか決定する、即ち、高論理レベルはビームを動作させ、低論理レベルはビームを停止する。
【0030】
書込みトランスデューサ130の応答時に、いくらかの待ち時間応答が含まれているであろうことを考える。すなわち、オンとオフでの記録ビームの強度は瞬間的というより、むしろ出力パルス148の傾斜のある前縁150及び後縁152により示される時間的変化に従っている。ビームの強度は、区分154により示されるように横ばいであり、記録ビーム制御パルス144がローに変化するまで、この強度に維持される。この点で記録ビーム出力パルス148の後縁152が始まり、 記録ビーム信号を安定状態のオフ値に戻す。
【0031】
媒体100が、記録感度閾値特性を有していることについて考える。この特性は、多くの方法で明らかにすることができるが、概して、記録特性形状が媒体に形成される前に達成されるべき最小出力レベルに対応する。この出力レベルは、閾値点線159により表される。
【0032】
これらの条件の下、記録ビームの出力レベルが閾値159を越えないならば、概して媒体に特性形状は形成されない。同様に、特性形状140の長さ及び幅は、図5Aで示したように、閾値線159を越える記録ビーム出力パルス148の部分に比例する。
【0033】
図5Bは、システム124の他の動作条件を示しており、ここでは第1変形例(変形例1)として参照される。この第1変形例では、媒体の回転速度が基準の1倍値に維持され、書込みトランスデューサ130の出力が、図5Aのそれを越える2倍に増やしている。これは、パルス164を有するビーム変調制御信号162により形成される第2特性形状を提供する。比較のために、図5Bの信号162及びパルス164は、図5Aにおける信号142及びパルス144と名目上一致している。
【0034】
図5Bの記録信号162及びパルス164は、対応する出力パルス168を有するビーム出力166を与える。出力パルス168は、(図5Aと同じ)媒体感度閾値158より上の、実質的に高い大きさを達成し、特性形状140の幅と比較して、より大きい幅とより大きい長さの両方を有する特性形状160を提供する。この点において、図5Bのパルス162は、図5Aの特性形状140と全体長さが同じで、より幅広の図5Bの特性形状160を提供するように、制御量により持続時間を短くすることができる。
【0035】
図5Cは、2倍出力と2倍速度レベルが共に採用された第2変形例(変形例2)の下で形成された、他の代替的な特性形状170を示している。パルス174を有する変調信号172が前と同様に印加される(これらのパルスは、図5A−5Bの記録信号/パルスと名目上一致している)。記録ビームは出力パルス178を有する応答176を提供する。図5Cの2倍出力/2倍速度における記録特性形状170は、図5Aの基準1倍出力/1倍速度の下で書込まれた特性形状140と名目上、幅と長さにおいて同じであることを示しておく。これは単に説明のためでり、異なるシステムが異なる結果を提供していてもよい。
【0036】
全体として、出力と速度の2要素のうちの一つにおける大幅な相違は、関連する記録形状特性において大幅な違いをもたらすということが一般に考えられる。例えば、基準特性サイズを超える大きな特性形状は、記録出力が上がる(例えば、1倍から1.1倍等)か、媒体速度が減る(例えば、1倍から0.909倍)かのときに得られると考えられる。分かるように、書込み出力を増加させることは、一般的に、感度閾値を越えた滞留時間をより長くする。ここに開示されているように、似たような優位性は、与えられた書込み出力で回転率を遅くすることにより得られ、これも感度閾値を越えた滞留時間をより長くする。与えられた回転速度でのトラックに沿った方向の書込みビームの継続的な偏りは、与えられた回転速度に関し滞留時間を増やす又は減らすためにも使用される。
【0037】
図6Aは、4つの独立した特性形状182、184、186及び188からなる複合特性形状180を示している。独立した特性形状は、示されているように、それぞれ異なる媒体の回転R1−R4の間に形成される。図6Aでは、それぞれの特性形状182、184、186及び188は同じ正規化された大きさ(幅と長さの両方)であり、すべてが所望の幅と長さの寸法である統合的複合特性形状180を形成するためにまとめられる。例えば、複合特性形状は、図3の選択された符号114に対応するでしょう。
【0038】
参考のために、複合特性形状180は、第1特性形状182を書込むために媒体の最初の所望の半径に書込みトランスデューサ130を位置決めすることにより、媒体100に書込まれる、ということを考える。この最初の所望の半径は、R1として識別される。媒体100は、書込みトランスデューサ130を、特性形状180が書込まれる媒体上の角度位置に合わせ、(図5A−5Cでの142、162、172のような)適切な記録信号が書込みトランスデューサ130に供給される。この結果、第1特性形状182を記録するための媒体への出力供給となる。
【0039】
媒体の次の回転のために、書込みトランスデューサは、半径方向に次の半径R2まで前進し、適切な時間において、次の記録信号が第2特性形状184を生成するために印加される。これらのステップは、半径R3及びR4で特性形状186及び188を書込むために繰り返される。媒体速度、記録出力及び記録信号は、特性形状182、184、186及び188のそれぞれにおいて一定に保たれることについて注意すべきである。
【0040】
図6Bは、全部で5つの連続した回転R1−R5上に形成される別の複合特性形状190を示す図である。この複合特性形状190は、図6Aの特性形状180の長さと幅寸法が名目上一致する全体長さと幅寸法を有している。しかしながら、複合特性形状180とは違って、複合特性形状190は、異なるサイズの特性形状で形成されている、すなわち、(図6Aと同じ)2つのより大きな特性形状182、184と、3つのより小さな特性形状192、194及び196である。
【0041】
より小さな特性形状192、194及び196は、それぞれの回転の間で、特性形状182、184の書込みに使用される値と比較して、速度が増加した及び/又は記録出力減少した、いずれかの時間の間に書込まれる。図6Bは、所望の単一の又は複合的な特性形状を生成するために、いくつもの個別のサイズの特性形状が媒体に書込み可能であることを示している。図6A及び6Bの複合特性形状が、同じサイズのトラック幅TWのそれぞれに提供されるが、一方で、単一の又は複合的な特性形状は、実質的に所望のトラック幅の要求を満たすために生成される。
【0042】
図7Aは、いくつかの単一の特性形状200、202、204、206及び208から形成される複合特性形状198を示している。特性形状200−206は第1の均一の幅を有し、特性形状208は、第2のより大きな幅を有している。特性形状は、実質的に(点線の外形により表される)楕円形状と一致するように、個別に調整される。より大きな解像度は、より多くの数のより小さなサイズの単一の特性形状を用いることにより達成され得るでしょう。いくつもの特性形状も、たった一つの特性形状(即ち、シンボルが一回転上に書込まれ、複数の通過からまとめられない)を含めて望み通り使用できるでしょう。いくつもの異なる特性形状の形状、例えば、矩形、楕円等でも望み通り形成できるでしょう。
【0043】
図7Bは、隣合うトラックに配置された特性形状210、212を示している。これらの特性形状は、共通の幅及び長さを有する2つの基本特性形状214及び216をそれぞれ提供する。(斜線で示された)可変長さ特性形状218A、218Bは、異なる幅を有することで提供される。これらの可変長さ特性形状218A−Bは、トラックが段階的にトラック幅を変化させるようにすることを許容する。
【0044】
レーザービーム記録装置(LBRs)のような、いくつかのタイプの書込みシステムでは、異なる出力(照射量)レベルを印加するように構成されることができる。しかしながら、電子ビーム記録装置(EBRs)のいくつかのタイプのような、他のタイプの書込みシステムでは、出力レベルを簡単に変える能力を有していない。そこで、図8は、可変トラック幅記録ルーチン220のフローチャートを示しており、概して、ビーム出力レベルのオンザフライ変更が利用できない又は実用的でない環境における図1の100のような記憶媒体上のトラックを設定する本発明のいくつかの形態において、例示されたステップは実行される。
【0045】
ステップ222において、(符号130のような)記録トランスデューサの記録出力レベルが最初に選択される。限られる必要はないが、一定書込み出力は、ルーチン220の全体で、書込みトランスデューサのために使用されるということが考えられる。従って、特性形状のサイズの変化は、媒体の回転速度の変化、及び名目上の一定書込み出力レベルである基準値を用いる間の入力記憶信号の形状と持続時間の変化により影響される。媒体の最初の回転速度もステップ222で選択される。書込み動作の間の速度は、基準値CAV又はCLV書込みプロファイルに従っていてもよい。
【0046】
書込みトランスデューサは、次にステップS224において、記憶媒体へ第1特性形状を書込むために使用される。この第1特性形状は、図3、5A−5C及び6A−6Bに示されるようなどのような適切な特性形状であってもよい。本議論のために、この第1特性形状は、第1半径方向位置R2に書込まれる、図6Bの特性形状184を含むと考える。
【0047】
一度、第1特性形状が書込まれると、ルーチンは、書込みトランスデューサが、新しい半径方向位置(この場合にはΔR=R3−R2であるR3)に、可変で選択可能な半径方向距離ΔRだけ、半径方向に進むというステップ226を通過する。要求の通り、媒体の回転速度は、ステップ228において同様に、初期速度V1から2番目の速度V2にΔVの値だけ調整される。ΔV値は、ΔRに関連して選択され、ΔV=V2−V1を構成する。
【0048】
第2特性形状は次に、ステップ230において、ΔR及びΔV値を用いて、書込まれる。本議論の目的のために、この第2特性形状は、図6Bのより小さな特性形状192を含むものとして考える。図8のルーチン220は、隣り合う2つの特性形状のみの書込みを示しているが、ルーチンは、すべての望まれる特性形状の媒体への書込みが要求される一連の回数と同じ数だけ戻って行われることが分かるでしょう。特性形状は、図6A〜6Bに概略的に示されるように、複数の特性形状が大きな特性形状を形成するために共に隣接されて、複合特性形状とすることができる。その代わりに、特性形状は、図3に概略的に示されるように、個別に所望のトラック幅で広がる単一の特性形状とすることもできる。
【0049】
図6Bの第2特性形状192は、図6Bの第1特性形状184より小さいため、前述の議論でのステップ208のΔV値は、一般的に1.1倍等の回転速度の増加を構成するでしょう(例えば、V2=(1.1)(V1))。第2特性形状が第1特性形状より大きいという調整を含む他の調整は即座に行われる。
【0050】
図9A及び9Bは、図8のルーチンにより書込まれる異なる特性形状を示している。媒体は、書込みトランスデューサに関係する選択された方向に、モータにより、矢印232で示される第1回転速度Xで回転される。媒体に保存するために、データ内容を示す記録信号234が提供される。記録信号234は、空間を介した3つのパルス235、236及び237を含む。パルス235は、極めて短い持続時間の三角パルスである。
【0051】
記録ビーム照射範囲は、238、239及び240に表される。照射範囲は、(別に表わされていないが)ビーム変調信号を用いたパルス235、236及び237の応答により生成され、媒体が書込みトランスデューサに隣接して回転するために、書込みビームが衝突する媒体における面積的広がりを表している。
【0052】
他のビームの衝突パターンも考えられるが、この場合、ビームの活性化により、一般的に楕円範囲である媒体の選択範囲に照射される。ビームは、継続的にONをしてもよいし、極めて高い周波数でパルスを発してもよい。媒体が回転するので、ビームが照射される領域は、細長くなる。照射範囲238は、照射領域の最小量を示し、照射範囲239及び240は複数重ねられた照射領域として示されている。
【0053】
記録ビーム強度レベルは242で表されている。レベルは図5A−5Cで前に議論した強度レベルと同様であり、媒体へ印加され照射されるビームの照射量を示している。照射量Dは、一般的に以下のように表される。
【0054】
D=K(PT/V) (2)
【0055】
ここで、Pは、書込みビームの出力レベルを表し、Tは、ビームが媒体に衝突する持続時間であり、Vは媒体の速度であり、Kは定数である。
【0056】
ビーム強度レベル242は、最小(MIN)レベル244と最大(MAX)レベル246との間に延びている。閾値(T)レベル248は、前述した媒体感度閾値に対応している。この閾値より低い照射量レベルは、特性形状の記録という結果をもたらさないか、さもなくば、媒体を改変する。いくつかのタイプの媒体はこの閾値を有しない、又は実質的にMINレベル244である閾値を有することが考えられる。データを変換する読取りビームの衝突を利用する、いくつかの記録可能光媒体にとって、存在するデータに不注意に上書きされないように、リードバック信号がこの閾値より低く維持されることを保証するように注意が払われてもよい。
【0057】
記録ビーム照射範囲238により規定されるビーム強度は、媒体への特性形状を書込むのに不十分であることがわかるでしょう。一方で、ビーム照射範囲239、240により規定されるビーム強度は、特性形状250、252を書込むのに十分である。特性形状250、252は、ビーム強度レベル242が感度閾値248より上である滞留時間に関連して規定される長さを有している。特性形状250、252は、閾値248より上のビーム強度レベル242の関連強さに関係して規定される幅を有している。
【0058】
図9Bは、同じ媒体における他の記録動作を示している。図9Bにおいて、すべてのパラメータは、媒体の回転速度が減っていることを除き、図9Aと同じである。矢印254は、図9Bの媒体の速度が図9Aのそれの半分であるように、0.5倍の速度での媒体回転方向を示している。速度の他のいくつかの増減では、それらのそれぞれの値となる結果をもたらす、よって、50%の速度減少の使用は、単に説明のためでありこれに限られない。
【0059】
既に述べたように、データパルス235、236及び237は、結果として照射範囲238、239及び240となる。照射範囲の領域サイズは、図9A及び図9Bの両方で同じである。媒体は半分の速さで回るだけであるため、図9Bの照射ビームの滞留時間は、図9Aのそれの2倍の長さであろう。これは、ビーム強度レベル256により示されるように、媒体に対するビームの著しくより大きな強度を提供する。最初の照射範囲238の強度は、まだ媒体に特性形状を形成するのには不十分である。しかしながら、照射範囲239及び240は、それぞれ特性形状258、260を形成する。特性形状258、260は共に、特性形状250、252より、(トラックに沿った方向に)長く、(トラックを横切る方向に)広い。
【0060】
図9A−9Bの異なる特性形状のサイズは、異なるアクチュエータ形状を用いて書込まれたデータを補償するために用いることができる。図10は、トランスデューサ264を支えるリニアアクチュエータ262を表している。アクチュエータ262は、線形ボイスコイルモータ(VCM)かコイル266を有する同様の配置と、永久磁石270を備える磁石アセンブリ268を利用する。コイル266への電流印加は、磁石アセンブリ268の磁界に関連しコイルの線形動作を引き起こし、線形移動経路272に沿って媒体の半径を横切るトランスデューサ264の線形移動となる。
【0061】
図11は、媒体100に隣接するトランスデューサ276を支える回転アクチュエータ274を示している。トランスデューサ276は、ピボット軸280についてのアクチュエータ274の回転により媒体100を横切る回転(ピボット移動)経路278に沿って動かされる。アクチュエータ274の回転は、VCMコイル282への電流印加により誘導され、対応する(不図示の)磁気回路と相互に作用する。
【0062】
図11のトランスデューサ276によりとられるピボット移動経路278は、図12に示されるようなトラック幅における段階的変化を与えることができる。図12は、記憶媒体を半径方向に横切って延びる同心トラックの簡単化された表現である。トラック284は最も内側の径(ID)近くに配置され、トラック286は最も外側の径(OD)の最も近くに配置され、トラック288は媒体記録領域の中央部分近くに配置される。
【0063】
トラック282、284は最も小さいトラック幅、トラック288は最も大きいトラック幅を有していることが分かるでしょう。トラック幅は、段階的にそれぞれIDおよびODから、半径方向移動形状278に関し、記録領域の中央部分へ向って大きくなっている。これは、少なくとも一部において、これらの異なる位置における媒体におけるトランスデューサ276のそれぞれのスキュー角が原因となっている。
【0064】
したがって、いくつかの形態では、図10に示されるようにリニアアクチュエータに固定された書込みトランスデューサは、図11に示されるような回転アクチュエータを有する読取り(又は読取り/書込み)システムにおける後の使用のための可変幅トラックを提供するように構成されることができる。すなわち、ここに記載されているように、可変トラック幅調整の利用を通じて、リニアアクチュエータは、データが回転アクチュエータを利用して普通に書込まれるとき生成されるデータパターンをエミュレートすることができる。同様に、可変トラック幅調整は、第1移動形状とは異なる第2移動形状にしたがって配列されたデータを有する媒体を提供するために、第1移動形状を有する第1回転アクチュエータにより利用されることができる。トラック幅調整は、線形トラック幅パターンをエミュレートするために、回転アクチュエータにより、利用されることもできる。
【0065】
区域限定トラック幅を有する記憶媒体を提供するのが望ましい場合もある。例えば、媒体が、異なるトラック幅及び/又は距離を有する異なる区域を有するブルーレイディスク(BD)として特徴付けられていてもよい。図13は、それぞれが第1の、相対的に小さいトラック幅であるトラック290を有するトラック第1区域(区域1)のある区域限定記憶媒体の一部を示している。トラック第2区域(区域2)は、第2の相対的に大きいトラック幅であるトラック292を有する。図8のルーチンは、回転又はリニアアクチュエータのいずれを有する記憶媒体でもこのような区域限定トラックを提供し即座に適用されることができることが分かるでしょう。
【0066】
図14は、媒体へデータパターンを書込む、前述の形態のように使用される電子ビーム記録装置(EBR)の機能ブロック図を示している。当業者には理解されているように、EBRは、電子の流れを備える書込みビームを生成するために動作する。書込みビームは、関連媒体にパターンを書込むために、その関連媒体に衝突する。ビームの媒体との相互作用は、磁気的、化学的、染料反応等である。他の形式の書込みビームも考えられる、したがって、図14のEBR300は単に説明のためのものであり、これに限られない。
【0067】
ビーム源302は、(点線304で示される)書込みビームを生成する。書込みビーム304は、上側レンズアセンブリ304、隣接する偏光板アセンブリ308、及び下側レンズアセンブリ310を通過し、媒体100に衝突する。偏光板アセンブリ308は、トラックの長さに沿ったX、トラックを横切る半径方向のYのそれぞれX及びY方向に沿ってビーム304の制御された偏光を与える。
【0068】
偏光板アセンブリ308は、ビーム経路の両サイドに配置されたそれぞれ一対の平行板として配置されることができる。経路312及び314のX偏光及びY偏光信号により示されるように、制御された電圧信号の印加は、書込みビームの軸方向経路の制御された偏光を与える。示されていないが、所望の量のビーム偏光が、与えられた所望の入力に応答して得られることを保証するために、閉ループ検出機構が採用されることもできる。
【0069】
X及びY偏光信号は、信号生成ブロック316により生成される。信号生成ブロック316も、上述したように、書込みビームを変調(オン/オフ)するために、経路318を介してビーム源302に提供される書込みビーム変調信号を生成する。信号生成器316は、更に、媒体を横切るヘッドアッセンブリビーム源を直線的に前進させるための、サーボ制御信号を経路320を介してリニアアクチュエータ322に提供する。
【0070】
モータ324の回転速度は、モータ制御回路326により与えられる。いくつかの形態においては、モータ制御回路326は、経路328に示されるように、信号生成器316に対して、一回転に一度の指標信号を提供することができる。媒体の所望の回転速度を示す速度変調信号は、信号生成器316で生成され、経路330を介してモータ制御回路326に提供される。制御部332は、EBR300の最上位制御を提供する。
【0071】
可変トラック距離特性を書込む信号生成器316の例示的動作が図15に示されている。いくつかの形態では、信号生成器316は、適切な書込みビーム及び速度変調信号を生成するために、書込まれるべき特定データパターン(経路334)、ビーム源302の半径方向位置(経路336)及び所望のトラック幅(経路338)を含むいくつかの信号を利用する。
【0072】
媒体の特定半径位置に、特定の所望のトラック幅で、与えられたシンボル長さを書込むことについては、多くの要素についての考察、例えばシンボルの関係長さ(例えば、3T、14T等)や、その特性形状を書込むためにどれくらいの回数の通過を必要とするか、それぞれの通過においてどんな半径方向の調整をすべきか、それぞれの通過においてどんな回転速度が使用されるべきか、結果の特性形状が所望のX及びYの寸法を有することを補償するために、時間に合わせて書込みビーム変調にどのような調整をすべきか、そして、書込み出力が調整可能な場合には、どんな書込み出力レベルが書込みビームにより印加されるべきか等を必要とする。要求の通り、ルックアップテーブル340は、適切な書込みビームと所望のトラック幅(及び/又はトラック距離)のための速度変調信号を生成するために、読み出すことができる補償値を保存して生成されていてもよい。補償値は、計算されるか、又は経験的に決定されることができる。
【0073】
特定の半径方向位置における選択されたトラック幅での与えられたシンボル長さを書込むための複数の可能な解が存在するかもしれません。多数の可能な解が存在する場合に、他の要素は、どの解でより効率的に書込まれるのかのような、パラメータ的なシステムの構成方法の決定に影響を与えるかもしれない。
【0074】
いくつかの形態では、記録トラック幅(及び/又は距離)が、ある回転から次の回転で変化するとき、信号生成器316は最初の回転から2番目の回転でトラック幅の変化及び方向を測定してもよい。記録出力は、両回転において一定に維持され、回転速度は、測定されたトラック幅(及び/又は距離)の変化及び方向に関する補償値を用いて、最初の回転と比較した2番目の回転で調整されるでしょう。
【0075】
必要速度調整は一回転毎になされ、ある与えられた通過では、その通過の間に書込まれるすべての特性形状は、媒体の同じ回転速度において書込まれる。これには限られる必要はない。他の形態において、モータ及びモータ制御回路の応答及び制御能力にもよるが、与えられたトラックに沿って、第1特性形状は第1速度で書込まれ、第2特性形状は異なる第2回転速度で書込まれるように、媒体の回転速度の調整は与えられた回転の間になされる。例えば、同じトラックに沿った同じ通過の間に、図9Aの特性形状250及び図9Bの特性形状258を書込むのが望ましい。
【0076】
前述の議論に鑑みて、ここで開示された様々な形態は、多くの利益を提供することができることが分かるでしょう。実質的な、角度の半径方向の大きさ(例えば長さと幅)を含む、いくつかの所望の寸法の特性形状は、速度及び/又は書込み出力の調整によりすぐに得られるでしょう。これに限られないが、ワンス・アラウンド信号、分離クロックトラックの使用等を含み、多くの適した技術は、必要な閉ループ速度制御を提供するのに役立つでしょう。
【0077】
特性形状は、一半径方向(例えば、ODからID又はその逆)に書込まれるように示されていたが、その必要はありません。例えば、いくつかの形態では、間隙を介した特性形状が最初に書込まれ、それに続けて、それらの間に介在特性形状を書込むこともできます。これらの及び様々の他の変形や代替について、当業者は、前述の議論を考慮すれば、即座に思いつくことでしょう。複合特性形状は、スティッチ処理の使用を通じて隣接するように示された(例えば、図6A−6Bにのように、個別の特性形状は、より大きな特性形状を形成するためにまとめられる)。トリミング処理は、付加的又は代替的に採用されることが考えられるでしょう。
【0078】
トリミング処理の間、第1特性形状は第1の通過の間に書込まれ、第2特性形状に伴う次の通過の間、第1特性形状の半径方向幅の一部は、第1特性形状の実効サイズを減少させるために、上書きされるでしょう。これは、光学的領域より磁気的領域を書込む時に実行するのがより適している。例えば、第1特性形状は、第1磁気方向とともに書込まれ、次に、反対の第2磁気方向を有する第2特性形状を用いてトリムされる。このようなトリミングは、ここに述べられたような様々な特性形状の幅に用いられることもできる。
【0079】
いくつかの形態では、記憶媒体100は、ディスクドライブに組み込まれるような磁気ディスクやDVD又はBD読取り装置により再生されることのできる携帯用光ディスクのような、記録可能記憶媒体を構成する。他の形態では、記憶媒体100は、多くの複製コピーが継続して生産されるマスター基板である。例えば、マスター基板は、個々のディスクドライブに組み込まれる多数の個々のディスクに磁気領域パターンを複製するために、パターニング/プリントシステムで利用されることができる。マスター基板は、代替的に、梱包されて販売される複製された光ディスクを形成するために、射出成形処理で継続的に使用される一連のスタンパを形成するのに使用される。
【0080】
本発明の多くの形態のたくさんの特徴及び長所を、発明の様々の形態での構成及び機能の詳細と共に記載したが、この詳細な記載は説明のためにのみされたものであり、添付のクレームに表現される語句の広く一般的な意味に示される意味が及ぶ限りの本発明の本質の範囲内で、詳細、特に部分の配置や構成の内容において変更が可能である、ことが理解されるでしょう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ記憶媒体と組み合わされたモータにより前記データ記憶媒体を回転させる工程と、
前記回転の間に、前記記憶媒体に同心データトラックを書込むために、書込みトランスデューサを使用する工程と、を備え、
前記トラックは、前記媒体の回転速度を選択的に変化させることにより形成される可変トラック幅を有している、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記使用する工程は、
前記媒体が第1回転速度で回転し、前記書込みトランスデューサが第1半径方向位置に位置している間で、前記媒体の最初の回転の間に前記媒体に第1特性形状を書込む工程と、
前記媒体が異なる第2回転速度で回転し、前記書込みトランスデューサが第2半径方向位置に位置している間で、前記媒体の2番目の回転の間に前記媒体に第2特性形状を書込む工程と、を備えることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記第1特性形状及び前記第2特性形状は、選択されたトラックに沿って選択された半径方向幅を有する複合特性形状を形成するために接触隣接してまとまられる、ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、
前記第1特性形状は、第1トラック幅の第1同心トラックに配置され、前記第2特性形状は、異なる第2トラック幅の隣り合う第2同心トラックに配置され、
前記第2トラック幅は、前記第2回転速度と前記第1回転速度との間の違いに関係して形成される、ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記使用する工程は、
第1の回転から第2の回転へのトラック幅の違いと方向を決定する工程と、
書込みトランスデューサの記録出力レベルを一定値に維持する間に、第1回転速度における前記第1の回転の間に第1特性形状を、異なる第2回転速度における第2の回転の間に第2特性形状を書込む工程と、
前記第2回転速度は、前記トラック幅の違いと方向に関連して選択された間隔分だけ、第1回転速度から異なる、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記書込みトランスデューサは、前記媒体を横切る線形移動経路に沿って、半径方向に前記書込みトランスデューサを前進させるリニアアクチュエータによって支持され、
前記使用する工程は、
少なくとも前記トラックの一部が、前記媒体の最も内側の径又は最も外側の径の選択された半径方向に、あるトラックから次のトラックのトラック幅が続けて増加するトラック幅を有するように、前記媒体を横切るピボット移動経路に対応する可変トラック幅を有する前記記憶媒体に、データの同心トラックを書込む工程、を備える、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
前記使用する工程により処理された前記データ記憶ディスクに適合するトラック配置を有する第2データ記憶ディスクを形成する工程と、
前記第2データ記憶ディスクを前記ピボット移動経路を有する回転アクチュエータに隣接させて組み込む工程と、を更に備える方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記使用する工程は、第1トラック幅を有する選択されたトラックに、複合特性形状を形成するために、前記媒体の異なる回転速度で書込まれた複数の隣接する書込み特性形状をまとめる工程を備える、ことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
前記使用する工程は、前記第1トラック幅とは異なる第2トラック幅を有する、隣接する第2の選択されたトラックに、第2の複合特性形状を形成するために、前記媒体の異なる回転速度で書込まれた第2の複数の隣接する書込み特性形状をまとめる工程を更に備える、ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記書込みトランスデューサは、電子ビーム記録装置(EBR)のビーム源として特徴を有し、
前記EBRは、前記媒体の回転速度の変化により形成される異なるトラック幅を有する前記記憶媒体に同心データトラックを書込む、ことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法に従って形成されたデータ記憶媒体。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記データ記憶媒体は、マスター基板として特徴付けられ、
前記マスター基板から一群の複製された媒体を生成する工程を更に備える、ことを特徴とする方法。
【請求項13】
データ記憶媒体を回転させるように適合されたモータと、
前記データ記憶媒体を横切って半径方向に前進し、前記媒体に特性形状を書込むために書込みビームを印加するように適合された書込みトランスデューサと、
前記書込みトランスデューサが、前記モータによる前記媒体の回転の間、前記記憶媒体へ同心データトラックを書込むように指示し、可変トラック幅を有する前記トラックを提供するために、異なる回転において選択的に前記媒体の回転速度を変更する制御回路と、を備える装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、
前記制御回路は、前記記憶媒体のための所望のトラック幅分布に関連した、前記書込みトランスデューサの書込みビームを変調する書込みビーム変調信号と、前記モータの回転速度を変調する速度変調信号とを生成する、ことを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項13に記載の装置であって、
前記書込みトランスデューサは、前記媒体が第1回転速度で回転し、前記書込みトランスデューサが第1半径方向位置に位置している間で、前記媒体の最初の回転の間に前記媒体に第1特性形状を書込み、
前記書込みトランスデューサは、前記媒体が異なる第2回転速度で回転し、前記書込みトランスデューサが第2半径方向位置に位置している間で、前記媒体の2番目の回転の間に前記媒体に第2特性形状を書込む、ことを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、
前記第1特性形状及び前記第2特性形状は、選択されたトラックに沿って選択された半径方向幅を有する複合特性形状を形成するために接触隣接してまとまられる、ことを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項15に記載の装置であって、
前記第1特性形状は、第1トラック幅の第1同心トラックに配置され、前記第2特性形状は、異なる第2トラック幅の隣り合う第2同心トラックに配置され、
前記第2トラック幅は、前記第2回転速度と前記第1回転速度との間の違いに関係して形成される、ことを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項13に記載の装置であって、前記制御回路は、
第1の回転から第2の回転へのトラック幅の違いと方向を決定し、
書込みトランスデューサの記録出力レベルを一定値に維持する間に、第1回転速度における前記第1の回転の間に第1特性形状を、異なる第2回転速度における第2の回転の間に第2特性形状を書込みを前記トランスデューサに指示し、
前記第2回転速度は、前記トラック幅の違いと方向に関連して選択された間隔分だけ、第1回転速度から異なる、ことを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項13に記載の装置であって、
前記媒体を横切る線形移動経路に沿って、半径方向に前記書込みトランスデューサを前進させるリニアアクチュエータと、
少なくとも前記トラックの一部が、前記媒体の最も内側の径又は最も外側の径の選択された半径方向に、あるトラックから次のトラックのトラック幅が続けて増加するトラック幅を有するように、前記媒体を横切るピボット移動経路に対応する可変トラック幅を有する前記記憶媒体に、データの同心トラックの書込みを指示する前記制御回路と、
適合している前記ピボット移動経路と、を更に備えることを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項13に記載の装置であって、
書込みトランスデューサは、電子ビーム記録装置(EBR)のビーム源として特徴を有し、
EBRは、前記媒体の回転速度の変化により形成される異なるトラック幅を有する前記記憶媒体に同心データトラックを書込む、ことを特徴とする装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2012−511222(P2012−511222A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539748(P2011−539748)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/066825
【国際公開番号】WO2010/065892
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(500404007)ダグ カーソン アンド アソシエーツ,インク. (10)
【Fターム(参考)】