説明

可変容量のバッグ、そのバッグを具備した液体を分配するのに好適な装置、およびその装置に充填するための方法

本発明は液体を収容可能な可変容量の且つ容器の首部を介して該容器内に導入されるようにデザインされたバッグであって、該バッグは1つの閉鎖端と1つの開放端とから成り、該開放端は−30℃〜55℃の温度範囲を超えた範囲において寸法的に安定なバッグ、該バッグを装置に組み込む方法、および前記装置を充填する工程に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は可変容量のバッグに関し、そのバッグは、液体が充填される前に、加圧された外側容器の首部を介して導入されるようにデザインされている。本発明は、本発明のバッグを具備した液体を分配することが可能な装置、およびその装置を充填するための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
多くの産業分野において、特に洗剤、薬品、化粧品、液体、および基本的に洗浄物質を含んだ液体の産業分野において、消毒液および医薬または美容の物質は通常はスプレーの形態で分配され、またはその使用の目的のために追加的に加圧されて分配される。
【0003】
この一例は等浸透圧の海水であり、それは鼻腔の洗浄などに応用されている。
【0004】
そのタイプの装置はすでに公知であり、その特徴は特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4に記載されている。
【0005】
全ての姿勢で使用され得るこれらの装置の場合、上下逆であっても使用可能であり、液体は作動ガスの作用によってではなく、可変容量のバッグまたはポーチの形の容器に与えられた機械適応力の作用によって分配されることが可能であり、その一般的な形は縦方向に折りたたまれた円筒形であり、分配される液体が充填されている。
【0006】
上述の米国特許文献に記載された装置とともに、機械的応力は、加圧して可変容量の容器から液体を分配し、その応力は弾性材料、典型的に特殊な弾性特性を備えたゴムで形成された円筒スリーブによって与えられ、そのスリーブはバッグまたはポーチ形状の容器に収容されており、可変容量の容器が空の場合の直径よりもわずかに大きい直径を有している。
【0007】
したがって、そのスリーブは容器に取り付けられて、分配される流体は加圧されて容器内に導入される。その容器は弾性スリーブの逆作用に対して膨張し、容器にかけられる圧縮力は分配される液体がその中に導入されるときに容器の膨張を伴って増大する。
【0008】
バッグまたはポーチ形状の容器はバルブを操作するための制御部を備え、液体を分配する。アセンブリは従来の容器または噴霧器の産業分野特に化粧品の分野で使用されるタイプの缶内に取り付けられている。
【0009】
非常に強固なこれらの装置は使用者に対して常に完全な満足を提供するが、その内部に使用されている弾性スリーブのゴムのコストのために、そのコストが欠点となっている。
【0010】
このタイプの装置とは別のタイプの装置があり、その装置は、液体が充填されて分配されるようにデザインされた可変容量の容器を備え、バルブを操作して加圧された液体を分配するのに適した制御部も装備しており、その可変容量の容器は外側容器の内部に取り付けられて、20気圧よりも大きい圧力のような高圧に対抗し得る。この外側容器には不活性加圧ガスが充填されており、空の可変容量の容器は所定の位置に置かれ、その後、外側容器を満たした不活性ガスによって可変容量の容器にかけられた圧力に打ち勝つために十分な圧力で導入されることによって、分配される液体が充填される。これによって不活性ガスの圧力をさらに増大する効果を有する。
【0011】
したがって、これらの装置の場合、内部の可変容量の容器に負荷されて、それによって加圧された液体が分配され得る応力は、事実上空気圧である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第4,387,833号明細書
【特許文献2】米国特許第4,423,829号明細書
【特許文献3】米国特許第5,927,551号明細書
【特許文献4】米国特許第4,964,540号明細書
【特許文献5】独国特許第2,304,538号明細書
【特許文献6】米国特許第4,969,577号明細書
【特許文献7】米国特許第5,219,006号明細書
【特許文献8】米国特許第5,505,289号明細書
【特許文献9】米国特許第5,388,716号明細書
【特許文献10】米国特許第6,345,739号明細書
【特許文献11】欧州特許第718 213号明細書
【特許文献12】中国特許第678 614号明細書
【特許文献13】仏国特許第2 882 037号明細書
【特許文献14】仏国特許第0 501 551号明細書
【特許文献15】仏国特許第0 511 614号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
これらの装置は上述の装置ほど成功したものではなく、その理由は、それらが強打されまたは落下された場合に、特に可変容量の容器と加圧された液体が分配され得る操作を行う制御部との結合部における脆弱さのためである。
【0014】
このタイプの装置とは別の装置が、例えば特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、および特許文献12にも記載されている。
【0015】
これらの装置はある欠点を有しており、それは、特に充填方式もしくはその脆弱性に関するものであり、または工業的手段によって生産され得ないことである。
【0016】
特許文献13において、本願出願人は先行技術装置の欠点を有さない装置を記載しており、特に、より脆弱でないものとしている。しかしながら、極端な温度にさらされた場合、その装置はリークに対してより影響を受けやすくなるかもしれない。
【0017】
意外にも且つ予想外に、極端な温度でのこのリークの危険性は可変容量のバッグを使用することによって回避されることが可能であり。そのバッグの開放端は−30〜55℃の温度範囲、好適に−5〜50℃の温度範囲、より好適には10〜40℃の温度範囲を超えた温度範囲において寸法的に安定している。
【課題を解決するための手段】
【0018】
したがって、本発明は可変容量のバッグに関し、そのバッグは液体を収容することが可能で、空の場合に、容器の首部を介して容器内に導入されるようにデザインされている。そのバッグは1つの閉鎖端と1つの開放端とから成り、該開放端は−30℃〜55℃の温度範囲、好適に−5〜50℃の温度範囲、より好適には10〜40℃の温度範囲を超えた範囲において寸法的に安定である。
【0019】
本発明によれば、前記開放端は、−30℃〜55℃の温度範囲、好適に−5〜50℃の温度範囲、より好適には10〜40℃の温度範囲内である限りは“寸法的に安定”であり、前記開放端の膨張率は前記バッグの残りの部分と比較して1.5分の1、好適には2分の1、さらに好適には3分の1である。
【0020】
膨張率はM/mの比である。Mは−30℃〜55℃の温度範囲、好適に−5〜50℃の温度範囲、より好適には10〜40℃の温度範囲内で前記開放端の最大径によって到達する最大値であり、mは−30℃〜55℃の温度範囲、好適に−5〜50℃の温度範囲、より好適には10〜40℃の温度範囲内で前記開放端の最大径によって到達する最小値である。
【0021】
寸法的安定は、前記装置のいかなる温度範囲および/または保存においても、前記可変容量のバッグを組み込んだ装置の液密性を維持する。
【0022】
したがって、前記バッグを組み込んだ加圧された装置は、欧州議会および欧州理事会の規則No.842/2006の要求ならびに米国運輸省の要求に突き当たることになる(CFR 49, Volume 2:49CFR173.306参照)。
【0023】
前記バッグは任意のタイプの外側容器に取り付けられるようにデザインされているので、そこには外側容器に取り付けるための多様な手段が設けられ得る。したがって、特別な一実施形態において、その自由端にはねじが形成されており、前記外側容器の首部にねじ込むことによって外側容器に取り付けられる。この実施形態において、ねじが形成された自由端の少なくとも一部分および全体は、寸法的に安定している。
【0024】
別の実施形態において、前記開放端は外側容器に直接、またはカップを介して圧着されるようにデザインされている。そのカップは、本願出願人が特許文献14、特許文献15および国際特許出願PCT/FR2006/000338号明細書に記載したものであり、その教示内容は参照されることによってここに組み込まれている。この実施形態において、開放端の外壁は、圧着のためにデザインされた少なくとも1つの径方向突起を備えている。
【0025】
別の実施形態において、開放端である自由端は、外側容器に溶接するためにデザインされた少なくとも1つの径方向リングを備えている。
【0026】
バッグが可変容量であるという事実を踏まえると、バッグが形成される材料はこの容量の変化を許容するものでなければならない。
【0027】
したがって、可変容量のバッグは有利にポリエチレンテレフタレート、もしくはポリエチレンナフタレート、または類似の特性を発揮する適切な他の合成素材で形成されている。
【0028】
特に、可変容量のバッグはラミネートで形成されてもよく、それにはラミネートに十分な機械強度を与える少なくとも1つの構成層、特に酸素、窒素および/もしくは二酸化炭素の気体遮断特性を与える別の構成層、ならびに/または分配される液体に対して化学的耐性の特性を与えるさらに別の構成層を具備してもよい。
【0029】
機械強度の良好な特性を与えるのに適した層は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)から成る。
【0030】
気体遮断特性の良好な特性を与えるのに適した層は、例えばナイロン、特にナイロンMXD−6、またはエチレン/ビニルアルコール(またはEVOH)もしくは二酸化珪素で形成されている。
【0031】
化学的耐性の良好な特性を与えるのに適した層も、例えばポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレート(PEN)から成る。
【0032】
したがって、可変容量のバッグはPET/ナイロン/PETまたはPET/ナイロン/PENのラミネートで形成され、すなわち、ポリエチレンテレフタレートの外層、ナイロンの中間層、および分配される液体に接触するようにデザインされたポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートの内層から成る。そのラミネートはPET/EVOH/PETまたはPET/EVOH/PENのラミネートとして形成されてもよい。
【0033】
PET/ナイロン/PETまたはPET/ナイロン/PENのタイプの材料は、透明であるといったさらなる利点を備えることが可能である。これによって、透明性の特性が改良されることを望まれた場合、遮断効果を与える製品のパーセンテージが減少される。例えば、少ないパーセンテージのナイロン(ポリマの総重量の3〜8%)が完全に透明な材料を与える。
【0034】
そのようなラミネートは、Ipswich, MA01938, USA.に所在するKORTEC Inc.社によって改良された技術などを用いて、共押し出し方、または二色成型技術によって生産されることが可能である。
【0035】
例えば蒸着によって、二酸化珪素の層を積層することも想到される。そのように積層された層はきわめて薄く、数ミクロンの厚さのみが計測される。使用される技術は例えばPLASMAXとの品名の下にSIG Corpoplast Inc.社によって改良されたものでああってもよい。
【0036】
そのような層は、共従来の単層材料またはラミネートに押し出しまたは二色成型によって積層され得る。
【0037】
特別な一実施形態において、前記開放端には内部または外部補強カラーが設けられており、カラーは開口端に寸法的安定特性を与え、熱的変動に対して鈍い材料で形成されている。その材料はナイロン−6,6、アセタールコポリマもしくはポリマまたは耐食性金属であり、例えば内側カラーの場合はAISI316である。より正確には、開放端の材料の一部は前記内部または外部補強カラーに置き換えられ、したがって、開放端の全体的な形状および寸法は補強を備えていない実施形態の開放端の全体的な形状および寸法と全く異なっていない。補強カラーと開放端の材料との間の密着した接合を形成するために、工程は以下のように行われるべきである。
【0038】
外部カラーの場合、このカラーはバッグの開放端の外周に配置され、前記カラーの内面は前記開放端の外壁に密接に一致する。この目的のために、補強カラーは、バッグが形成されるモールド型内に配置され、ポリマは前記モールド型内に射出される。
【0039】
内部カラーの場合、該カラーの外形は前記開放端の内形と相補的でなければならない。このカラーはインジェクション成型工程によって(あらかじめ)製造されることが可能であり、インジェクション/ストレッチ−ブロー型内に、機械的ピック・アンド・プレイス(pick-and-place)機構によって配置されなければならない。
【0040】
別の実施形態において、前記バッグの開放端の少なくとも一部は前記バッグの残りの部分と異なった材料で形成されており、この材料は熱的変動に鈍いものである。その材料は、例えばナイロン−6,6またはアセタールコポリマもしくはポリマ、およびそれらと互換性のある材料であり、押し出されたときに、材料が入念に混合されて形成される。この入念な混合を推進するために、2つの構成材料は互いに対向した方向に強制的に押し付けられる。
【0041】
別の実施形態において、前記バッグの開放端は最終的なサイズよりも大きく形成されて、制御された温度および時間の状態の下で熱設定される。そのような工程において、開放端は最終的なサイズよりも大きく形成されて、制御された温度および時間の状態の下で熱処理され、必要であれば改質型内に配置される。この改質型は例えば冷水などの冷却剤の循環が可能な通路を備えた顎を含んでいる。したがって、可変容量のバッグの開放端の最終的な温度は制御され得る。改質型および冷却材の使用は、材料を周囲温度まで容易に冷却することだけでなく、加熱された部品が今後の使用のために必要とされる精密な形状および寸法を有することを確実にすることも意図されている。
【0042】
明らかに、熱処理の状態、すなわち温度と継続時間とは、前記開口部の形状、寸法、および材料に依存する。最終的なサイズよりもどれほど大きくするかも、熱処理の状態と要求される特性に依存する。
【0043】
熱処理は、全体的な厚さを介してよりもむしろ前記端部の面のちょうど最外部に施される。
【0044】
構成部品は最終的なサイズよりも約2〜6%、好適に3〜5%大きく形成される。熱処理の継続時間は約10〜60秒、好適に約20〜50秒、さらに好適には30〜45秒であり、熱処理の温度は約120〜350℃の間、好適に約140〜330℃の間、さらに好適には約150〜290℃の間で行われる。
【0045】
特別な一実施形態において、本発明によるバッグは収容されることを意図された液体を分配するための手段に取り付けられる。前記手段は前記液体を分配するためのバルブを開放するための制御部を具備し、前記手段は好適にスプレー装置である。
【0046】
液体分配システムはキャップまたはカップによってバッグに有利に接続されており、そのキャップまたはカップはアセンブリをバッグが配置される外側容器に取り付けることを可能にしている。
【0047】
本発明は加圧された液体を分配するのに適した装置にも関し、その装置は中間の圧力高さに対抗し、開口または首部を介して本発明による且つ上述の可変容量のバッグが導入されることが可能な容器を具備し、前記バッグは前記液体を収容して分配し、且つバルブを開放して前記液体を分配するための制御部を具備した前記液体分配装置に取り付けられ、前記容器の壁と前記可変容量バッグとの間の前記容器の内容積には十分な圧力の不活性ガスが充填されており、該不活性ガスは前記可変容量バッグに十分な気圧をかけて、前記バルブが制御部によって作動されたときに、前記バッグに収容された液体を分配することを可能とされている。
【0048】
バッグは可変容量であり、空のときに、外側容器の開口部または首部を介して導入されることが可能であり、液体が充填された場合に膨張されることが可能とされている。内部バッグに関して、上記で参照された本願出願人の出願に記載された縦長の折りたたみを備えていることは、特に有利なことである。前記バッグの製造において、その工程は上記で特定された4つの米国特許に記載されており、特に、特許文献1の第3コラム第63行〜第4コラム第16行が採用されてもよい。
【0049】
有利な一実施形態において、前記外側容器は1つのみの開口部を備え、その開口部を介して可変容量のバッグが挿入される。この開口部は前記容器が加圧された不活性ガスで充満されることを可能にしており、その特徴は上記で参照した本願出願人の特許出願に記載されている。
【0050】
本発明による装置の外側容器は加圧された気体を収容することを意図されており、したがって、5バール、好適に8バール、より好適に12バールよりも高い圧力に耐えることが可能でなければならず、20バールよりも高い圧力に耐えるものであってもよい。
【0051】
外側容器はバッグと同一の材料で形成されていてもよい。しかしながら、この材料が分配される液体と接触しないという事実を踏まえると、ポリエチレンテレフタレートとナイロンのような2層ラミネートを使用することも可能である。
【0052】
分配される液体が提供された前記バッグのために使用されることも可能な、化学的耐性を提供する内層を備えていないそのような材料は、他の層を伴って化学的に耐性を持つ。
【0053】
特別な一実施形態において、分配される液体と耐圧性の外側容器とを含んだ可変容量の容器は透明な材料で形成され、使用者は液体を視認することが可能であり、いかなる場合でも装置がどの程度満ちているかまたは空であるかを視認することが可能である。それと同様に、(色、層の分離等の)その外観の変化に導かれる液体の劣化が使用者によって検出され得る。
【0054】
本発明は、本発明による装置を充填するための工程にも関する。液体分配装置に取り付けられたバッグは、外側容器の開口部を介して容器内に導入され、加圧されたガスが容器の壁とバッグとの間に導入され、2つの構成部品は例えば圧着、ねじ込みまたは溶接によって一体にシールされ、内側のバッグはその後バルブを強制することによって充填される。
【0055】
本発明は他の装置にも関し、その装置は好適に同時に使用され、以下に明確に議論されている。
【0056】
本発明のより明確な理解は、添付図に記載された非限定的な実施形態のさらなる記載によって得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1aは本発明によるバッグの実施形態の縦断面を示した図であり、図1bは図1aと異なった容量の本発明によるバッグの実施形態の縦断面を示した図であり、図1cは図1a、1bと異なった容量の本発明によるバッグの実施形態の縦断面を示した図である。
【図2】図2aはねじの固定形式を備えた本発明によるバッグの開放端の実施形態の断面を示した図であり、図2bは溶接のための外側固定リングを備えた本発明によるバッグの開放端の実施形態の断面を示した図である。
【図3】スプレー装置を備えた本発明によるバッグの縦断面を示した図である。
【図4】外部カラーを具備した本発明によるバッグの開放端の縦断面を示した図である。
【図5】内部補強カラーを具備した本発明によるバッグの開放端の縦断面を示した図である。
【図6】バッグの部分と異なった材料で形成された、本発明によるバッグの開放端の縦断面を示した図である。
【図7】液体が充填された状態の本発明による装置の縦断面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1aおよび1bに示されているように、本発明の容器1は可変容量であり、その外側部が突起2aおよび2bとされた開放端2を備えたバッグの形状である。図1aにおいて、バッグは開放された状態で示されており、それは応力が全くかけられていないことを意味している。図1bにおいて、バッグは、吸引または壁3への機械的加圧のいずれかによって真空にされた状態を示している。図1cはバッグが液体4によって満たされ、そこでのバッグの容積は応力が負荷されていない状態よりも大きい。
【0059】
図2aおよび2bは本発明によるバッグの開放端5の異なった2つの実施形態を示した図である。図2aにおいて、開放端5はねじ山6とともに設けられている。図2bにおいて、その開放端には径方向のリング7が設けられている。
【0060】
図3はスプレーシステム9が取り付けられた可変容量容器8を示しており、スプレーシステム9は中空制御ロッド11を操作するプッシュボタン10を具備し、中空制御ロッド11はバッグの内側と制御ロッドのキャビティとの間の連通を与える穴12によって穴があけられている。前記プッシュボタンを貫通することは、チャネル10aが中空制御ロッド11のキャビティに対して整列され、その中空制御ロッド11がスプリングカップ14内に保持されたスプリング13を押圧し、そのカップの自由端14aがバッグの自由端8aの内面に形成された肩部15上に留まることである。それとともに、カップ、スプリングおよび制御ロッドは、前記バッグの開放端8bにねじ込まれたキャップ16によって、所定の位置に保持される。カップ14内は穴14bになっており、分配される液体は穴12に向かって制御ロッド11内を可変容量バッグから移動し得る。開放端8bの外壁は、キャップ16の内側側壁16aに形成されたねじ山と相補的なねじ山を備えている。平坦なシール17は制御ロッド11とバッグ8の自由端8aとの間の漏れを防止しており、バッグ8とキャップ16との間の漏れも防止している。キャップ16は延長部16bを備えており、その直径はバッグの開放端8bに係合された部分16aよりも大きく、その内面はねじ山16cを備えている。このねじ山は外部容器のねじ山と係合するためにデザインされており、そこに前記バッグ8が挿入される。
【0061】
図4は本発明によるバッグの開放端18を示しており、その開放端は補強カラー19が外壁に取り付けられて、その外周は2つの突起19aおよび19bとされている。
【0062】
図5は本発明によるバッグの開放端20が示されており、その開放端は外壁に2つの突起21aおよび21bを備え、内壁は補強カラー22の外形と相補的とされている。
【0063】
図6は本発明によるバッグの別の実施形態の開放端23を示しており、その外壁は2つの突起24aおよび24bを備え、その外壁は2つの異なった材料で形成されている。下部25aにおけるバッグの材料は、(自由端に最も近い)上部25bにおける材料よりも熱的変動に対してより鈍くなっており、中間領域25cでは混合材によって形成されている。この図において、矢印D1およびD2はこれらの材料の射出方向を示している。したがって、バッグの材料はバッグの底から開放端に向かって射出され、熱的変動に対してより鈍い材料は突起24a内に直角方向からD2の方向で射出され、バッグの材料に対して向き合った方向で押し付ける。2つの材料はこれによって領域25cにおいて共に混合される。
【0064】
図7は、汎用の参考品26を持った本発明による装置を示している。この装置は、全体的に円筒形状で上部27aに1つの開口を備えた外側容器27を具備している。上部27aの外壁にはねじが形成されている。図3に示されたように、スプレー装置29を備えたバッグ28は前記容器27の開口部を介して導入される。外側容器はスプレー装置29のキャップにねじ込まれ、延長部30bの内壁には底に対応したねじが形成されている。Oリング31は外側容器27の自由端とキャップ30との間に配置されている。前記バッグ28は液体32で満たされており、外側容器27の内壁とバッグ28との間の空間は加圧されたガスで満たされている。
【0065】
結果的に、採用された特別な実施形態に関わりなく、使用者はこのタイプの装置を所有しており、その特徴は上述の事項より再度説明する必要がないほど明らかである。しかしながら、原則的にその装置は現存する装置よりも多くの利点を備え、特に高信頼性で、非常に強固であり、競合可能なコストであって、使用および保管の極端な状態においてさえも完全に漏れがないということを含んでいる。
【符号の説明】
【0066】
1 ・・・容器(バッグ)
2,18,20 ・・・開放端
2a,2b ・・・突起
3 ・・・壁
4 ・・・液体
8 ・・・可変容量容器
9 ・・・スプレーシステム
10 ・・・プッシュボタン
11 ・・・中空制御ロッド
12 ・・・穴
13 ・・・スプリング
14 ・・・スプリングカップ
15 ・・・肩部
16,30 ・・・キャップ
17 ・・・平坦なシール
19,22 ・・・補強カラー
27 ・・・外側容器
28 ・・・バッグ
29 ・・・スプレー装置
31 ・・・Oリング
【図1a】

【図1b】

【図1c】

【図2a】

【図2b】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容可能な可変容量のバッグ且つ容器の首部を介して該容器内に導入されるようにデザインされたバッグであって、
該バッグは1つの閉鎖端と1つの開放端とから成り、該開放端は−30℃〜55℃の温度範囲を超えた範囲において寸法的に安定であることを特徴とするバッグ。
【請求項2】
−30℃〜55℃の温度範囲において、前記開放端の膨張率は、前記バッグの残りの部分に対して1.5分の1、好適には2分の1、さらに好適には3分の1であることを特徴とする請求項1に記載のバッグ。
【請求項3】
前記開放端の外壁には、ねじ山が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のバッグ。
【請求項4】
前記開放端の外壁は、圧着のためにデザインされた少なくとも1つの径方向突起を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のバッグ。
【請求項5】
前記開放端の外壁は、溶接のためにデザインされた少なくとも1つの側方突起を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のバッグ。
【請求項6】
前記開放端は内部または外部補強カラーの一部を含んでいることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のバッグ。
【請求項7】
前記補強カラーは、バッグの材料よりも熱的変動が鈍い材料で形成されていることを特徴とする請求項6に記載のバッグ。
【請求項8】
前記開放端の少なくとも一部は、バッグの材料よりも熱的変動が鈍い材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のバッグ。
【請求項9】
前記バッグは最終的なサイズよりも大きく形成されて、追加的にモールド成型および冷却される前に熱処理されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のバッグ。
【請求項10】
前記バッグは前記最終的なサイズよりも約2〜6%、好適に3〜5%大きく形成され、前記熱処理は約10〜60秒、好適に約20〜50秒、さらに好適には30〜45秒の時間で行われ、前記熱処理の温度は約120〜350℃の間、好適に約140〜330℃の間、さらに好適には約150〜290℃の間で行われることを特徴とする請求項9に記載のバッグ。
【請求項11】
前記バッグは収容されることを意図された液体を分配するための手段に取り付けられ、該手段はバルブ(V)を開放して前記液体を分配するための制御部(C)を具備し、前記手段は好適にスプレー装置であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のバッグ。
【請求項12】
加圧された液体を分配するのに適した装置であって、
中間の圧力高さに対向し、開口または首部を介して請求項1〜10のいずれか一項に記載の可変容量のバッグが導入されることが可能な容器(4)を具備し、
前記バッグは前記液体を収容して分配し、且つバルブ(V)を開放して前記液体を分配するための制御部(C)を具備した前記液体分配装置に取り付けられ、
前記容器の壁と前記可変容量のバッグとの間の前記容器の内容積には十分な圧力の不活性ガスが充填されており、該不活性ガスは前記可変容量のバッグに十分な気圧をかけて、前記バルブが制御部(C)によって作動されたときに、前記バッグに収容された液体を分配することを可能とされていることを特徴とする装置。
【請求項13】
前記バッグと前記外側容器とは透明な材料で形成されていることを特徴とする請求項12に記載のバッグ。
【請求項14】
液体分配装置に取り付けられたバッグを外側容器の開口部を介して前記概則容器内に導入した、本発明による装置を充填するための方法であって、
加圧ガスが前記容器の壁と前記バッグとの間の空間を介して導入されるステップと、
2つの構成部品が例えば圧着、ねじ込みまたは溶接によって一定とされてシールされるステップと、
その後バルブを強制的に開放することによって内側のバッグには液体が充填されるステップと、を含んでいることを特徴とする方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−513145(P2010−513145A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540826(P2009−540826)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【国際出願番号】PCT/FR2007/052475
【国際公開番号】WO2008/078037
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(509166984)パワー・コンテナー・コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】