説明

可変屈折力光学系

物体と最終像との間に中間像を形成する複合可変屈折力光学系において、液体レンズセルが使用される。物体と中間実像との間に、第1の可変屈折力光学部品が位置付けられる。第1の可変屈折力光学部品は、中間実像の倍率を変えるために、屈折率を変化させる。中間実像と最終像との間に、第2の可変屈折力光学部品が位置付けられる。第2の可変屈折力光学部品は、最終像の倍率を変えるために、屈折率を変化させる。第1及び第2の可変屈折力光学部品の少なくとも一方は、光軸上において静止しており、異なる屈折特性を持つ少なくとも2つの液体と、これら2つの液体の間の少なくとも1つの可変形状接触表面とを含み、この接触表面の形状の変化は、光学系における屈折力の変化を生じさせる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願)
本出願は、参照によって本明細書に全体を組み込まれて本明細書の一部を構成している2009年4月10日出願の米国仮出願第61/168,523号の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、可変屈折力光学系に関する。
【0003】
ズームレンズの設計には、その設計に使用されるレンズを複数の群に分けるものがある。1つの群は、主としてズームに使用され、第2の群は、主として像を焦点の合った状態に維持するために使用され、第3の群は、主として像面を静止した状態に維持するために使用される。鮮明な像を形成するために、第4の群も使用されえる。焦点合わせのための群は、ズームレンズの焦点を、その他の焦点距離に合わせなおす必要なく任意の焦点距離位置に合わせるように調整されえる。ズームのための群(すなわち「バリエータ」)は、ズームの最中に大幅な倍率変化を引き起こす。像面を安定化させるレンズ群は、倍率を提供するためにも使用されえる。
【0004】
ズームレンズの持つ望ましい特徴には、高いズーム比や、広い視野角がある。レンズ系のズーム範囲の拡大に伴って、一般に、長さ及び重量も増加する。携帯電話又はオートフォーカスカメラなどの消費者製品は、多くの場合、小型で且つ軽量であり、ゆえに、これらの製品に含まれるズームレンズは、サイズ及び重量による制約を受ける。更に、レンズ系の焦点距離範囲の拡大に伴って、一般に、通常は広視野ズーム位置における焦点合わせの問題も増加する。
【0005】
(発明の概要)
液体レンズセルは、レンズ室内に2つ又は3つ以上の液体を含む。液体は、接触し、例えば電気的ノードなどによって可変な表面を形成する。流体は例えば、1つ若しくは2つ以上のガス、1つ若しくは2つ以上の液体、又は1つ若しくは2つ以上の固体と1つ若しくは2つ以上の液体との混合であってよい。1つ又は2つ以上の移動レンズ群を液体レンズセルで置き換えることによって、光路の構成に対する更なる選択肢が得られる。液体セルは、これらの特性を活かすべく、複合ズームレンズ系において使用することができる。オートフォーカスカメラ及び携帯電話カメラの多くは、長いレンズのための広い空間を有さない。フォールディングすなわち放射軸のフォールディングと併せた液体セルの使用は、これらの小型カメラパッケージにおけるズームレンズ系をより良くすることを可能にする。より大型のカメラも、この利益を享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1A〜図1D。6つの液体レンズセルを用いた複合ズームレンズ系の光学図であり、様々なズーム位置を提供するために液体の表面を変化させている。
【図2】図2A〜図2D。5つの液体レンズセルを用いた複合ズームレンズ系の光学図であり、様々なズーム位置を提供するために液体の表面を変化させている。
【図3】図3A〜図3D。5つの液体レンズセルを用いた複合ズームレンズ系の光学図であり、様々なズーム位置を提供するために液体の表面を変化させている。
【図4】図4A〜図4D。4つの液体レンズセルを用いた複合ズームレンズ系の光学図であり、様々なズーム位置を提供するために液体の表面を変化させている。
【図5】図5A〜図5D。3つの液体レンズセルを用いた複合ズームレンズ系の光学図であり、様々なズーム位置を提供するために液体の表面を変化させている。
【図6】図6A〜図6D。3つの液体レンズセルを用いた複合ズームレンズ系の光学図であり、様々なズーム位置を提供するために液体の表面を変化させている。
【図7】図7A〜図7D。2つの液体レンズセルを用いた複合ズームレンズ系の光学図であり、様々なズーム位置を提供するために液体の表面を変化させている。
【図8】図8A〜図8D。1つの移動レンズ群及び2つの液体レンズセルを用いた複合ズームレンズ系の光学図であり、様々なズーム位置を提供するために液体の表面を変化させている。
【図9】ズームレンズを伴うカメラのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の説明では、添付の図面が参照される。本発明の範囲から逸脱することなくその他の構造及び/又は実施形態が用いられてもよいことが理解されるべきである。
【0008】
液体レンズセルは、液体セルの機械的な動きに依存することなく光路を変更することができる。第1及び第2の接触液を含む液体レンズセルは、接触液の間の接触光学表面が、液体レンズセルの光軸を中心に実質的に対称的な可変形状を有するように構成されてよい。複数のレンズ素子が、共通の光軸に沿って整列され、物体側空間から発せられる放射を集めて像側空間へ送るように構成されてよい。液体レンズセルは、共通の光軸に沿って整列された複数のレンズ素子によって形成された光路に挿入されてよい。液体レンズセルの光軸は、共通の光軸に平行であってよい、又は共通の光軸に対して一定の角度であってよい若しくは中心を外されてよい。
【0009】
現時点で考えられる液体レンズ系は、約0.2以上の、好ましくは少なくとも約0.3の、実施形態によっては少なくとも約0.4の、屈折率の差を有する。水は、約1.3の屈折率を有しており、塩の追加によって、約1.48の屈折率に変更されえる。適切な光学オイルは、少なくとも約1.5の屈折率を有すると考えられる。たとえ、例えばより高屈折率のオイルなど、より高屈折率の液体、より低屈折率の液体、又はより高屈折率の液体とより低屈折率の液体とを用いても、屈折力変動の範囲には、限りがある。この限られた屈折力変動の範囲は、可動レンズ群の場合よりも、提供可能な倍率変化が小さいのが通常である。したがって、単純な可変屈折力光学系において、一定の像表面位置を維持しつつズームを提供するためには、倍率変化の大半を1つの可動レンズ群によって提供するとともに、倍率変化の最中における像表面における焦点ぼけの補償の大半を1つの液体セルによって提供することができる。
【0010】
より多くの可動レンズ群、又は液体セル、又はそれらの両方が用いられてもよいことが、留意されるべきである。1つ又は2つ以上の液体セルと併せて使用される1つ又は2つ以上の移動レンズ群の例は、2008年10月6日に出願され、参照によって全体を本明細書に組み込まれ、「Liquid Optics Zoom Lens and Imaging Apparatus(液体光学ズームレンズ及び撮像装置)」と題された、米国特許出願第12/246,224号に記載されている。
【0011】
系において使用されるレンズ素子のサイズ及び特性は、レンズ系の設計にあたって考慮されるべき制約を課す。例えば、1つ又は2つ以上のレンズ素子の直径は、像表面上に形成される像のサイズを制限することがある。可変屈折力光学系などの、可変特性を持つレンズ系の場合は、その光学は、レンズ素子の変動に基づいて変化することがある。したがって、第1のレンズ素子が、第1のズーム構成においてレンズ系に制約を課す一方で、第2のレンズ素子は、第2のズーム構成においてレンズ系に制約を課すことが考えられる。一例として、光ビームのリム光線が、ズーム範囲の一方の極限ではレンズ素子の外縁に近づくのに対して、ズーム範囲のもう一方の極限では同じレンズ素子の外縁からかなりの距離にあることが考えられる。
【0012】
図1A〜1Dは、中間像108及び最終像107を形成する簡略複合可変屈折力光学系の光学図を例示している。例示されるように、絞り109は、レンズのリレー部分内において液体レンズセル104のすぐ後ろに位置付けられている。可変屈折力光学系は、例えば、カメラに使用されてよい。図1Aは、広角位置にあるときのズーム比を例示しており、図1Dは、望遠位置にあるときのズーム比を例示している。
【0013】
図1A〜1Dに例示された可変屈折力光学系は、移動レンズ群を有さない。その代わりに、最終像におけるズーム及び一定焦点は、それぞれ可変表面111,112,113,114,115,116を有する6つの液体レンズセル101,102,103,104,105,106を通じて達成される。液体レンズセル101,102,103,104,105,106における接触光学表面の可変形状を制御するために、制御システムが使用されてよい。
【0014】
液体レンズセルは、それぞれ、制御可能な且つ/又は固定された複数の表面を含みえることを理解されるべきである。一部の実施形態では、液体レンズセルは、2つ又は3つ以上の液体セルの組み合わせを含んでよい。組み合わされたセルの間には、板が配されてよい。板は、設計の必要に応じて設定可能な屈折力を有することができる。液体レンズセルは、外表面上にも板を有してよい。一部の実施形態では、外表面上の板は、屈折力又はフォールディング機能を提供するであろう。板及びその他のレンズ素子は、光学特性の向上を図るために、球面状又は非球面状であることができる。
【0015】
個々のレンズ素子は、ガラス、プラスチック、結晶質、若しくは半導体材料などの、固相材料で構成されてよい、又は水若しくはオイルなどの、液体材料若しくは気体材料を使用して構成されてよい。レンズ素子の間の空間は、1つ又は2つ以上のガスを含んでよい。例えば、標準空気、窒素、又はヘリウムが使用されてよい。或いは、レンズ素子の間の空間は、真空であってよい。本開示において使用される「空気」という表現は、広義で使用されており、1つ若しくは2つ以上のガス、又は真空を含みえることを理解されるべきである。レンズ素子は、紫外線フィルタなどのコーティングを有してよい。
【0016】
液体レンズ内の液体は、固定体積を有してよく、液体レンズセルの外側表面の形状は、固定であってよい。添付の図面では、一部の液体レンズセルは、液体レンズセルの液体の体積の変化及び/又は液体レンズセルの外側表面の形状の変化を示唆するような形で例示されている。これは、表面の頂点が軸方向に移動することも意味する。図は、液体レンズセルの体積又は形状に制約を課すことなくコンピュータソフトウェアによって生成されたものである。添付の図面は、可変屈折力光学系における液体レンズセルの使用の概念を例示しており、使用されえる各種の液体レンズセルに対し、適切な修正がなされえる。
【0017】
図1A〜1Dに例示されたレンズ素子は、中間像108を形成するように配置されている。中間像108の位置及びサイズは、ズーム位置の変化に伴って変化するが、液体レンズセル101と102との間にとどまる。図1A〜1Dは、1つの対物光学群と、そのあとに続くリレー光学群とを例示しているが、より高い倍率を実現するために、複数のリレー光学群が使用されてもよい。高屈折率の流体によって、更なる倍率を実現することができる。
【0018】
1つ又は2つ以上の移動レンズ群を液体レンズセルで置き換えることによって、光路の構成に対する更なる選択肢が得られる。移動レンズ群の液体レンズセルへの置き換えは、更なる設計の可能性を容易にする。例えば、直線状の光学設計は、レンズを所望よりも長くする。移動レンズ群に代わる液体レンズセルの使用は、フォールディングなどの光学素子を使用して放射軸をリダイレクトすること及びレンズの物理的長さを短くすることを容
易にする。レンズを通る光路の全長は、同じにとどまるが、液体レンズセルは、1つ又は2つ以上の方向の長さを短くするフォールディングのための戦略的空間を提供しえる。これは、より小型のカメラパッケージにおいて、より長いレンズ全長が使用されることを可能にする。例えば、オートフォーカスカメラ及び携帯電話カメラの多くは、長いレンズのための広い空間を有さない。フォールディングと併せた液体セルの使用は、これらの小型カメラパッケージにおけるズームレンズ系をより良くすることを可能にする。より大型のカメラも、カメラパッケージの長さを、フォールディングを使用しないレンズ系において必要とされえる長さよりも短くすることによる利益を享受することができる。液体レンズセルの使用は、また、特にレンズ設計の前部に向かって尚且つ特に広視野位置の場合に、より小さい直径を可能にしえる。比較的小さい前部直径と併せたフォールディングの使用は、従来の移動レンズ群ズームレンズ設計と比べて、よりコンパクトで且つ人間工学的に成形されたカメラパッケージを提供しえる。
【0019】
図2A〜2Dは、それぞれ可変表面131,132,133,134,135を有する5つの液体セル121,122,123,124,125を使用した簡略複合可変屈折力光学系の光学図を例示している。絞り129は、リレー光学群内において液体セル123のすぐ後ろに位置付けられている。光学系は、中間像128及び最終像127を形成する。
【0020】
図3A〜3Dは、それぞれ可変表面131,132,133,134,135を有する5つの液体セル121,122,123,124,125を使用した簡略複合可変屈折力光学系の光学図を例示している。この設計は、図2A〜2Dに例示された設計と同様であるが、ただし、絞り129が、対物光学群内に位置付けられている。これは、画質を向上させえるとともに、より小さい直径の液体セルを可能にしえるが、相対照度を低減させる可能性もある。
【0021】
図4A〜4Dは、それぞれ可変表面151,152,153,154を有する4つの液体セル141,142,143,144を使用した簡略複合可変屈折力光学系の光学図を例示している。絞り149は、リレーレンズ群内に位置付けられている。光学系は、中間像148及び最終像147を形成する。
【0022】
図5A〜5Dは、それぞれ可変表面171,172,173を有する3つの液体セル161,162,163を使用した簡略複合可変屈折力光学系の光学図を例示している。絞り169は、リレーレンズ群内に位置付けられている。光学系は、中間像168及び最終像167を形成する。
【0023】
図6A〜6Dは、それぞれ可変表面171,172,173を有する3つの液体セル161,162,163を使用した簡略複合可変屈折力光学系の光学図を例示している。絞り169は、対物レンズ群内に位置付けられている。光学系は、中間像168及び最終像167を形成する。
【0024】
図7A〜7Dは、それぞれ可変表面191,192を有する2つの液体セル181,182を使用した簡略複合可変屈折力光学系の光学図を例示している。絞り189は、対物レンズ群内に位置付けられている。光学系は、中間像188及び最終像187を形成する。
【0025】
図8A〜8Dは、それぞれ可変表面211,212を有する2つの液体セル201,202を使用した簡略複合可変屈折力光学系の光学図を例示している。例示された実施形態は、移動レンズ群203も有している。液体セル201と202の間において、像表面208に中間像が形成される。光学素子の構成は、最終像207を、これよりも前の実施形
態で得られた最終像よりも大きくする。これは、11〜28mm及びそれ以上のセンサなどの、より大型の画像センサの使用を可能にする。移動レンズ群がセンサの近くにおいて使用されるのは、液体セルの直径が、所望の性能を実現するのに十分な大きさではない可能性があるからである。注目すべきは、最終像207が、液体レンズセルの可変表面211,212におけるリム光線よりも大きいことにある。
【0026】
図1〜8に示された各レンズ設計について、米国カリフォルニア州パサディナ所在のOptical Research Associates(オプティカル・リサーチ・アソシエーツ)より市販されているCodeV光学設計ソフトウェアヴァージョン9.70によって作成されたリストが、本明細書の一部として添付され、その全体を参照によって組み込まれる。
【0027】
図9は、ズームレンズ302を伴うカメラ300のブロック図を例示している。図9は、また、レンズ302におけるレンズ群の移動及び動作を制御するレンズ制御モジュール304も例示している。制御モジュール304は、液体レンズセルにおける曲率半径を制御する電子回路構成を含む。各種の焦点位置及びズーム位置についての適切な電子信号レベルは、事前に決定されて、1つ又は2つ以上のルックアップテーブルに配されてよい。或いは、アナログ回路構成、又は回路構成と1つ若しくは2つ以上のルックアップテーブルとの組み合わせによって、適切な信号レベルが生成されてよい。一実施形態では、適切な電子信号レベルを決定するために、多項式が使用される。多項式に沿った点が、1つ又は2つ以上のルックアップテーブルに保存されてよい、又は回路構成によって、多項式が実行されてよい。ルックアップテーブル、多項式、及び/又はその他の回路構成は、ズーム位置、焦点位置、温度、又はその他の条件についての変数を使用することができる。
【0028】
液体間の表面の曲率半径の制御にあたって、熱的効果も検討されてよい。多項式又はルックアップテーブルは、熱的効果に関する追加の変数を含むことができる。
【0029】
制御モジュール304は、特定のズーム設定又は焦点距離に対する事前制御を含むことができる。これらの設定は、ユーザ又はカメラのメーカによって保存されてよい。
【0030】
図9は、更に、外部物体に対応する光学像を受信する画像取り込みモジュール306を例示している。画像は、光軸に沿って、レンズ302内を画像取り込みモジュール306へ伝わる。画像取り込みモジュール306は、フィルム(例えば、フィルムストック若しくは静止画像フィルム)又は電子画像検出技術(例えば、CCDアレイ、CMOSデバイス、若しくはビデオピックアップ回路)などの、様々なフォーマットを使用することができる。光軸は、直線状であってよい、又はフォールディングを含んでよい。
【0031】
画像保存モジュール308は、取り込まれた画像を、例えば、オンボードメモリに、又はフィルム、テープ、若しくはディスクに維持する。一実施形態では、保存媒体は、着脱式である(例えば、フラッシュメモリ、フィルム容器、テープカートリッジ、又はディスク)。
【0032】
画像転送モジュール310は、取り込まれた画像をその他のデバイスに転送することを行う。例えば、画像転送モジュール310は、例えば、USBポート、IEEE 1394マルチメディア接続、Ethernet(登録商標)ポート、Bluetooth(登録商標)ワイヤレス接続、IEEE 802.11ワイヤレス接続、ビデオコンポーネント接続、又はS−Video接続などの、様々な接続のいずれかを使用することができる。
【0033】
カメラ300は、ビデオカメラ、携帯電話カメラ、デジタル写真カメラ、又はフィルムカメラなどの、様々な形で導入することができる。
【0034】
焦点合わせ群及びズーム群における液体セルは、2008年12月3日に出願され、参照によって全体を本明細書に組み込まれ、「Liquid Optics Image Stabilization(液体光学画像安定化)」と題された米国特許出願第12/327,666号に記載されるように、安定化を提供するために使用されてもよい。非移動レンズ群を使用する場合は、2008年12月3日に出願され、参照によって全体を本明細書に組み込まれ、「Liquid Optics with Folds Lens and Imaging Apparatus(フォールディングレンズを伴う液体光学、及び撮像装置)」と題された米国特許出願第12/327,651号に記載されるように、フォールディングが使用されてよい。2008年10月6日に出願され、参照によって全体を本明細書に組み込まれ、「Liquid Optics Zoom Lens and Imaging Apparatus(液体光学ズームレンズ及び撮像装置)」と題された米国特許出願第12/246,224号に記載されるように、1つ又は2つ以上の移動レンズ群が、1つ又は2つ以上の液体セルと併せて使用されてよい。
【0035】
当業者にならば各種の変更及び修正が明らかになることが、留意されるべきである。このような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲に定められた発明の範囲に含まれるものとして理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の最終像を形成するための、共通の光軸上の可変屈折力光学系であって、物体側と、像側と、前記物体と前記最終像との間の少なくとも1つの中間実像とを有し、前記光学系は、
前記物体と中間実像との間に位置付けられた少なくとも1つの第1の可変屈折力光学部品であって、前記中間実像の倍率を変えるために屈折力を変化させる少なくとも1つの第1の可変屈折力光学部品と、
前記中間実像と最終像との間に位置付けられた少なくとも1つの第2の可変屈折力光学部品であって、前記最終像の倍率を変えるために屈折力を変化させる少なくとも1つの第2の可変屈折力光学部品と、
を備え、前記第1及び第2の可変屈折力光学部品の少なくとも一方は、前記光軸上において静止しており、異なる屈折特性を持つ少なくとも2つの液体と、前記2つの液体の間の少なくとも1つの可変形状接触表面とを含み、前記接触表面の形状の変化は、前記光学系における屈折力に変化を生じさせる、可変屈折力光学系。
【請求項2】
請求項1に記載の可変屈折力光学系であって、
前記第1及び第2の可変屈折力光学部品の変化は、ズームを提供する、可変屈折力光学系。
【請求項3】
請求項2に記載の可変屈折力光学系であって、
前記第1及び第2の可変屈折力光学部品の変化は、焦点合わせを提供する、可変屈折力光学系。
【請求項4】
請求項2に記載の可変屈折力光学系であって、
前記第1の可変屈折力光学部品の変化は、焦点合わせを提供する、可変屈折力光学系。
【請求項5】
請求項2に記載の可変屈折力光学系であって、
前記第2の可変屈折力光学部品の変化は、焦点合わせを提供する、可変屈折力光学系。
【請求項6】
請求項1に記載の可変屈折力光学系であって、
前記第1及び第2の可変屈折力光学部品の変化は、ズームと焦点合わせとの組み合わせを提供する、可変屈折力光学系。
【請求項7】
請求項1に記載の可変屈折力光学系であって、
前記物体と前記中間像との間に光学絞りが位置付けられる、可変屈折力光学系。
【請求項8】
請求項1に記載の可変屈折力光学系であって、
前記中間像と前記最終像との間に光学絞りが位置付けられる、可変屈折力光学系。
【請求項9】
請求項1に記載の可変屈折力光学系であって、
前記第1の可変屈折力光学部品は、少なくとも1つの移動レンズ群を含む、可変屈折力光学系。
【請求項10】
請求項1に記載の可変屈折力光学系であって、
前記第2の可変屈折力光学部品は、少なくとも1つの移動レンズ群を含む、可変屈折力光学系。
【請求項11】
請求項1に記載の可変屈折力光学系であって、
前記第2の可変屈折力光学部品は、静止しており、前記可変屈折力光学系は、更に、前
記中間実像と最終像との間に位置付けられた少なくとも1つの移動レンズ群を備える可変屈折力光学系。
【請求項12】
請求項1に記載の可変屈折力光学系であって、
少なくとも1つの光学表面は、非球面形状を有する、可変屈折力光学系。
【請求項13】
請求項7に記載の可変屈折力光学系であって、
可変開口を提供するために、実質的に前記絞りの位置にアイリスが配される、可変屈折力光学系。
【請求項14】
請求項8に記載の可変屈折力光学系であって、
可変開口を提供するために、実質的に前記絞りの位置にアイリスが配される、可変屈折力光学系。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−523585(P2012−523585A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504706(P2012−504706)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/029069
【国際公開番号】WO2010/117731
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(510098065)ブラックアイ オプティクス,エルエルシー (5)
【Fターム(参考)】