説明

可変速式動く歩道

【課題】 可変速式歩道の構造を大幅に簡素化して、製作費及び保守費を低減するとともに、搬送速度の調節を容易に行うことができ、簡素な構成で搬送速度のアップも可能な可変速式動く歩道を提供する。
【解決手段】 駆動プーリ1及び従動プーリ2に小幅な大小2種の異径周面1a、2a、1b、2bを軸方向に沿って交互に形成し、大径周面1a、2aに複数の小幅な加速ベルト群4を張架し、小径周面1b、2bに複数の小幅な減速ベルト群5を張架し、歩道の乗降口周辺では減速ベルト群5を加速ベルト群4より高い位置に水平に配置して減速域L1、L2の歩道面を形成させ、歩道の中央部では加速ベルト群4を減速ベルト群5より高い位置に水平に配置して加速域Hの歩道面を形成させるベルト位置変位手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗降口付近と中央部とで搬送速度を変えることができ、中央部付近で搬送速度を上げることにより搬送効率を向上できる可変速式の動く歩道に関し、可変速式歩道の構造を大幅に簡素化して、製作費及び保守費を低減するとともに、搬送速度の調節を容易に行うことができ、搬送速度のアップも可能な可変速式動く歩道に関する。
【背景技術】
【0002】
従来動く歩道は、一般に乗降時の安全を確保するために分速30〜40mで運転される。歩行者の移動速度は毎分70〜80mであるから動く歩道の速度は決して満足できるものとは言えない。一方従来移動距離が100mから2kmほどの範囲で適当な輸送能力をもつ交通手段が存在しなかった。
【0003】
このニーズに対処できるのが可変速式の動く歩道であり、可変速式動く歩道は、乗り込み時は従来の動く歩道と同じ分速40mであるが、その後スムーズに加速して分速120mほどに増速することができる。降り口の手前では徐々に減速し最終的には乗り口と同じ速度になる。また中間駆動装置を追加していくことにより、移動距離を延長することが可能になる。
【0004】
従来の可変速式動く歩道として、例えば特許文献1(特開2003−221179号公報)に開示された可変速式動く歩道は、環状に配置される2本のレールと、歩行者が搭乗できかつレールに沿って時計廻りに周回する平板状の多数のパレットと、隣接するパレットを連結するチェーンと、パレットをレールの延長方向へ移動させ得るスクリューロッドと、利用者がパレットに乗り込む位置に設けた乗り口ステップと、利用者がパレットから降りる位置に設けた降り口ステップ等を備えたものである。
【0005】
この装置においては、スクリューロッドを回動させることにより、パレットを移動させるように構成されているが、スクリューロッドのねじ溝のピッチが、パレットの減速域では狭い間隔に、パレットの加速域では広い間隔に設定されており、パレットの移動速度をスクリューロッドの回転数とピッチで調節するようにしている。
パレットは、それぞれのパレットの後端部が後方に隣接する他のパレットの前端部に摺動可能に重なり合うことができるように構成されており、これにより、隣接するパレットの相対的な近接離反が許容され、減速域ではパレットの重なり代が増大し、高速域ではパレットの重なり代をなくすことによって、パレットの減速域、等速域及び高速域を形成している。
【0006】
【特許文献1】特開2003−221179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながらかかる構成のパレット可変速機構では、構成部品が多く、複雑で大掛かりな装置構成となってしまい、設備費が高価になるとともに、パレットの重なり部の隙間にごみなどが入りやすく、ごみの除去等メンテナンスに人手を要し、また減速域でパレットが重なり合う領域は人の乗り込み禁止領域とせざるを得ず、そのため輸送効率が向上しないという問題がある。
【0008】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、可変速式歩道の構造を大幅に簡素化して、製作費及び保守費を低減するとともに、搬送速度の調節を容易に行うことができ、簡素な構成で搬送速度のアップも可能な可変速式動く歩道を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するため、本発明の構成は、歩道面の幅以上の軸長を有し回転軸を互い平行となる方向に向けて軸支持された駆動プーリ及び従動プーリと、これらプーリ間に張架され歩道面を形成する無端ベルトとからなる動く歩道において、前記駆動プーリ及び従動プーリに大小2種の異径周面を軸方向に沿って小区間ごとに交互に形成し、前記無端ベルトを前記小区間に対応する幅ごとに長手方向に分割したベルト群で構成し、前記ベルト群のうち第1のベルト群を前記駆動プーリ及び従動プーリの大径周面に張架するとともに、第2のベルト群を前記駆動プーリ及び従動プーリの小径周面に張架し、歩道面の乗降口周辺では前記第2ベルト群を前記第1ベルト群より高い位置に配置して減速域の歩道面を形成させるとともに、歩道の中央部では第1ベルト群を第2ベルト群より高い位置に配置して加速域の歩道面を形成させるベルト位置変位手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明においては、前記駆動プーリを例えば電動モータ等の駆動手段で回動させ、前記駆動プーリ及び従動プーリに張架した前記第1又は第2ベルト群で動く歩道面を形成する。その際前記ベルト位置変位手段によって、乗降口周辺では、前記駆動プーリ及び従動プーリに形成された小径周面に張架したことにより駆動プーリの同一回転速度下において大径周面に巻回された第1ベルト群よりも移動速度が小さい第2ベルト群を第1のベルト群より高い位置に水平に配置して減速域の歩道面を形成する。
【0011】
また歩道面の中央部においては、前記ベルト位置変位手段によって、前記駆動プーリ及び従動プーリの大径周面に張架したことにより駆動プーリの同一回転速度下においては第2ベルト群よりも移動速度が大きい第1ベルト群を第2のベルト群より高い位置に水平に配置して加速域の歩道面を形成させるようにする。
歩道の乗降口から中央部に移る途中で減速域から加速域に入れ替わる境界が存在し、その境界では、第1のベルト群が第2のベルト群より上方に浮上することにより、速度域が入れ替わる。また出口付近において加速域から減速域に入れ替わる境界に来ると、逆に第2のベルト群が第1のベルト群より上方に浮上する。
【0012】
本発明において、好ましくは、前記ベルト位置変位手段が、単一の支軸に軸方向に沿って大小2種の異径ローラを交互に取り付けてなる位置決めローラを前記駆動プーリ及び従動プーリ間の適宜位置に設け、前記第2ベルト群を前記位置決めローラの大径ロール群に支持させるとともに、前記第1ベルト群を前記位置決めローラの小径ローラ群に支持させて減速域の歩道面を形成し、前記第1ベルト群を前記位置決めローラの大径ローラ群に支持させるとともに、前記第2ベルト群を前記位置決めローラの小径ローラ群に支持させて加速域の歩道面を形成させてなるようにする。
【0013】
また好ましくは、前記構成に加えて、前記大径ローラ群と前記小径ローラとを相互に独立回転可能に前記支軸に取り付け、これによって前記第1ベルト群及び第2ベルト群間の設定された移動速度からの微妙なズレを吸収することができる。
また好ましくは、前記ベルト群と前記ローラ群との両接触面を互いに嵌合する凹凸、例えばV字型等の凹凸面を有する嵌め合い構造とする。これによってベルト片がローラの周面に固定され、ローラ周面から外れることがなくなる。
なお各ベルト片の幅は、人又は物が歩道面に乗って安定した状態で支承できる幅、例えば5〜10mm等に設定する必要がある。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、駆動プーリ及び従動プーリに大小2種の異径周面を軸方向に沿って小区間ごとに交互に形成し、前記無端ベルトを前記小区間に対応する幅ごとに長手方向に分割したベルト群で構成し、前記ベルト群のうち第1のベルト群を前記駆動プーリ及び従動プーリの大径周面に張架するとともに、第2のベルト群を前記駆動プーリ及び従動プーリの小径周面に張架し、歩道面の乗降口周辺では前記第2ベルト群を前記第1ベルト群より高い位置に配置して減速域の歩道面を形成させるとともに、歩道の中央部では第1ベルト群を第2ベルト群より高い位置に配置して加速域の歩道面を形成させるベルト位置変位手段を備えたことにより、従来の可変速式歩道の構造を大幅に簡素化することができ、これによって製作費及び保守費を低減することができるとともに、駆動プーリ及び従動プーリに形成された大小2種の異形周面の径寸法を変えることにより、減速域又は加速域の搬送速度の調節を容易に行うことができ、また搬送速度の増加も可能となり、移動時間の短縮が可能となる。
【0015】
また歩道面を構成するベルト群や位置決めローラを構成するローラ群は、単純な構造を有する同一形状の部品であり、これらを多数製作することで、製作コストを低減することができる。また前述の従来装置では、減速域を乗降口のみにしか設置できないが、本発明によれば、位置決めローラの配置のしかたを変えることによって、加速域及び減速域を任意の区域に設定することができる。
【0016】
また好ましくは、前記ベルト位置変位手段が、単一の支軸に軸方向に沿って大小2種の異径ローラを交互に取り付けてなる位置決めローラを前記駆動プーリ及び従動プーリ間の適宜位置に設け、前記第2ベルト群を前記位置決めローラの大径ロール群に支持させるとともに、前記第1ベルト群を前記位置決めローラの小径ローラ群に支持させて減速域の歩道面を形成し、前記第1ベルト群を前記位置決めローラの大径ローラ群に支持させるとともに、前記第2ベルト群を前記位置決めローラの小径ローラ群に支持させて加速域の歩道面を形成させてなることにより、減速域及び加速域を簡素な構成で所望の設定域に容易に構築することができる。
【0017】
また好ましくは、前記構成に加えて、前記大径ローラ群と前記小径ローラとを相互に独立回転可能に前記支軸に取り付け、これによって前記第1ベルト群及び第2ベルト群の設定された移動速度からの微妙なズレを吸収することができる。
また前記ベルト群と前記ローラ群との接触面において両接触面を互いに嵌合する凹凸を有する嵌め合い構造としたことにより、ベルト群が確実にローラの周面保持され、ローラの周面から外れることがなくなる。このため第1ベルト群又は第2ベルト群間の間隔を常に同一間隔とすることができ、第1ベルト群又は第2ベルト群によって形成される搬送面によって人又は物の支承を支障なく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、本発明装置の第1実施例に係る全体構成図、図2は、前記第1実施例の部分平面図、図3は、前記第1実施例において、(a)が加速域、(b)が減速域の位置決めローラの横断面図、図4及び図5は、前記第1実施例において、各ベルト群を構成するリンクの形状を示す斜視図である。
【0019】
本発明装置の第1実施例を示す図1において、1は、動く歩道の乗降口付近に配置された駆動プーリで、その回転軸1cが駆動モータ3によって回転駆動される。2は、駆動プーリ1に張架された無端ベルトにて回転軸2cを中心に回転される従動プーリである。4は、駆動プーリ1及び従動プーリ2の大径周面1aに張架された金属製の加速ベルト群、5は、駆動プーリ1及び従動プーリ2の小径周面1bに張架された金属製の減速ベルト群である。加速ベルト群4及び減速ベルト群5は、駆動プーリ1から、中継ローラ6、位置決めローラ7〜11、及び中継ローラ12を経て従動プーリ2に巻回されている。13は、動く歩道の入口に設置されるプラットフォームで、ここから人あるいは物が動く歩道上に乗る足場となる。また14は動く歩道の出口に設置されるプラットフォームである。
【0020】
図2は、駆動プーリ1及び従動プーリ2の部分を示し、図において、駆動プーリ1は、基台21上に設置され、小幅な大小2種の異径周面1a及び1bが軸方向に沿って交互に形成され、大径周面1aには加速ベルト群4が張架され、小径周面1bには減速ベルト群5が張架されている。
一方従動プーリ2は、基台22上に設置され、同様に小幅な大小2種の異径周面2a及び2bが軸方向に沿って交互に形成され、大径周面2aには加速ベルト群4が張架され、小径周面2bには減速ベルト群5が張架されている。なお駆動プーリ1の大径周面1a及び小径周面1bは一体に形成され、同一回転速度で回転するが、従動プーリ2の大径周面2a及び小径周面2bは、一方が軸に対してベアリング等を介して取り付けられることにより、互いに独立に回転するように構成され、加速ベルト群4及び減速ベルト群5の間で生ずる微妙な速度差を吸収可能にしている。
【0021】
図3は、(a)は図1のIIIa−IIIa矢視横断面図で、(b)は図1のIIIb−IIIb矢視横断面図である。図3の(a)において、減速ベルト群5が大径ローラ31上方面に巻回され、加速ベルト群4が小径ローラ32の下方面に巻回されている。これによって減速ベルト群5が加速ベルト群4より上方に支持されて、減速域L1における水平な歩道面aを構成している。
また図3の(b)において、加速ベルト群4が大径ローラ35の上方面に巻回され、減速ベルト群5が小径ローラ36の下方面に張架されている。これによって加速ベルト群4が減速ベルト群5より上方に支持されて、加速域Hにおける水平な歩道面bを構成している。
【0022】
なお位置決めローラ7又は8において、大径ローラ31、35及び小径ローラ32、36は、それらの支軸33又は37に対してベアリング34又は38を介して取り付けられている。これによって大径ローラ31、35及び小径ローラ32、36は、加速ベルト群4又は減速ベルト群5の摩擦力により、加速ベルト群4又は減速ベルト群5の移動速度に応じて任意の回転速度で回動可能になっている。また各ベルト群4、5とローラ群31、32、35、36との接触面は、V字型の凹凸を有する嵌合面39及び40となっており、各ベルトがローラ周面から外れるのを防止しているとともに、各ベルト間の間隔を常に均等に保持している。
なお大径ローラ31、35及び小径ローラ32、36は、一方が支軸33又は37に固定されて支軸33、37とともに回動し、他方が支軸33、37対してベアリングを介して取り付けられるようにしてもよい。
【0023】
かかる第1実施例の装置において、まず入口プラットフォーム13に隣接する減速域L1においては、図3(a)に示すように、位置決めローラ7により減速ベルト群5が加速ベルト群4より上方に支持されて水平な歩道面aを形成する。
次に歩道の中央部に位置する加速域Hでは、図3(b)に示すように、加速ベルト群4が減速ベルト群5より上方に支持されて、水平な歩道面bを形成する。
次に出口プラットフォーム14に近づくと、位置決めローラ11により、再び図3(a)に示すように、減速ベルト群5が加速ベルト群4より上方に支持されて水平な歩道面aを形成する。なお図1においては、加速ベルト群4及び減速ベルト群5の搬送方向の勾配がかなり大きく図示されているが、実際の装置におけるこれらベルト群の搬送方向の勾配は極めて小さいものである。
【0024】
したがって第1実施例によれば、入口プラットフォーム13に隣接する領域及び出口プラットフォーム14に隣接する領域に減速域L1及び減速域L2を形成し、歩道の中央部に加速域を形成することができる。減速域L1と加速域Hとの境界では、減速ベルト群4と加速ベルト群5との高さ方向位置関係が逆転し、歩道上に乗った人又は物の支持面が減速ベルト群4から加速ベルト群5に入れ替わる。加速域Hと減速域L2との境界ではこの逆になる。
【0025】
図4は、各ベルト群4及び5を構成するリンク41が図1には図示されていない支持ローラ42を通るところを示す斜視図であり、リンク41は、各面が平坦な平面からなる直方体をなしており、また図5に示すように、ヒンジ部41aで互いに回動可能に結合され、各ローラに巻回可能になっている。また加速ベルト群4又は減速ベル群5を構成するリンク41の平坦な上面41bが水平に並ぶことにより、平坦な歩道面を形成する。
【0026】
このように第1実施例の装置よれば、従来の可変速式歩道の構造を大幅に簡素化することができ、これによって製作費及び保守費を低減することができるとともに、駆動プーリ1の回転数以外に、駆動プーリ1及び従動プーリ2に形成された大小2種の異形周面の径寸法を変えることにより、減速域又は加速域の搬送速度の調節を容易に行うことができ、また搬送速度の増加も容易であり、これにより移動時間の短縮が可能となる。
【0027】
また歩道面を構成するベルト群4及び5や位置決めローラ7〜11を構成するローラ群は、単純な構造を有する同一形状の部品であり、これらを多数製作することで、製作コストを低減できる。また従来の装置では、減速域を入口及び出口の乗降口のみにしか設置できないが、本実施例の装置によれば、位置決めローラの高さ方向位置を変えるだけで、加速域及び減速域を任意の区域に設定することができる。
【0028】
また加速ベルト群4及び減速ベルト群5とローラ群31、32、35、36との接触面をV字型の嵌め合い面39、40としたことにより、ベルト片4、5が確実にローラの周面に保持され、ローラの周面から外れることがなくなる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明によれば、簡素な構成により可変速式動く歩道を構成でき、また減速域及び加速域を任意の領域に形成できるという長所があり、またベルトコンベアと類似した機能を有するので、人だけでなく、物(野菜、果物、車など)も搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明装置の第1実施例に係る全体構成図である。
【図2】前記第1実施例の駆動プーリ1及び従動プーリ2の部分を示す部分平面図である。
【図3】(a)は図のIIIa−IIIa矢視横断面図、(b)は図1のIIIb−IIIb矢視横断面図である。
【図4】前記第1実施例のベルト群を構成するリンクの形状を示す斜視図である。
【図5】前記第1実施例のベルト片を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1 駆動プーリ
1a、2a 大径周面
1b、2b 小径周面
1c、2c 回転軸
2 従動プーリ
3 駆動モータ
4 加速ベルト群
5 減速ベルト群
6、12 中継ローラ
7、8、9、10、11 位置決めローラ
13 入口プラットフォーム
14 出口プラットフォーム
21、22 基台
31、35 大径ローラ
32、36 小径ローラ
33、37 支軸
34、38 ベアリング
39、40 V字型嵌合面
41 リンク
41a ヒンジ部
a、b 歩道面
H 加速域
L1、L2 減速域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩道面の幅以上の軸長を有し、回転軸を互い平行となる方向に向けて軸支持された駆動プーリ及び従動プーリと、これらプーリ間に張架され歩道面を形成する無端ベルトとからなる動く歩道において、前記駆動プーリ及び従動プーリに大小2種の異径周面を軸方向に沿って小区間ごとに交互に形成し、前記無端ベルトを前記小区間に対応する幅ごとに長手方向に分割したベルト群で構成し、前記ベルト群のうち第1のベルト群を前記駆動プーリ及び従動プーリの大径周面に張架するとともに、第2のベルト群を前記駆動プーリ及び従動プーリの小径周面に張架し、歩道面の乗降口周辺では前記第2ベルト群を前記第1ベルト群より高い位置に配置して減速域の歩道面を形成させるとともに、歩道の中央部では第1ベルト群を第2ベルト群より高い位置に配置して加速域の歩道面を形成させるベルト位置変位手段を備えたことを特徴とする可変速式動く歩道。
【請求項2】
前記ベルト位置変位手段が、単一の支軸に軸方向に沿って大小2種の異径ローラを交互に取り付けてなる位置決めローラを前記駆動プーリ及び従動プーリ間の適宜位置に設け、前記第2ベルト群を前記位置決めローラの大径ロール群に支持させるとともに、前記第1ベルト群を前記位置決めローラの小径ローラ群に支持させて減速域の歩道面を形成し、前記第1ベルト群を前記位置決めローラの大径ローラ群に支持させるとともに、前記第2ベルト群を前記位置決めローラの小径ローラ群に支持させて加速域の歩道面を形成させてなることを特徴とする請求項1記載の可変速式動く歩道。
【請求項3】
前記大径ローラ群と前記小径ローラとを相互に独立回転可能に前記支軸に取り付けたことを特徴とする請求項2記載の可変速式動く歩道。
【請求項4】
前記ベルト片と前記ローラ群との接触面を互いに嵌合する凹凸を有する嵌め合い構造としたことを特徴とする請求項2記載の可変速式動く歩道。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−232458(P2006−232458A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−48069(P2005−48069)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】