説明

可搬式濁水処理装置および可般式濁水処理装置における濁水処理方法

【課題】コンパクトでかつ簡易な構造で可搬性に優れ、洗管作業などの濁水を効果的に処理することができる可搬式濁水処理装置を提供する。
【解決手段】搬送車両の荷台に搭載可能な架台12上に設置されたタンク本体11内に、複数の仕切り壁13,14,15を介して複数の区画と形成し、前部区画21に濁水に凝集剤を供給し攪拌混合する凝集剤混合槽31と、初期凝集槽32とを設け、中間前区画22および中間後区画23にそれぞれ設けられた前後の凝集処理槽33,34を設け、後部区画34に設けられて排水口36を有する沈降排水槽35を設け、仕切り壁のうち、縦仕切り板31bおよび中間仕切り壁14に形成された前後の迂回堰部31c,14aと、前部仕切り壁13および後部仕切り壁15に形成された前後の迂回通水口13a,15aとにより、濁水に凝集剤が混合された処理水を上下方向および幅方向に迂回させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば水道管洗浄後の濁水を処理して下水溝などに排出するための可搬式濁水処理装置および濁水処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば長期間使用した上水道管などには、その内面に水垢や鉄錆、劣化シールコート剤、マンガン(旧浄水場で除去できなかったもので、濁りの要因となる)などが付着しているものがある。このため、このような夾雑物を排水洗管やその他、ピグ工法、TS工法などにより洗管して除去する。この洗浄した後に排出される濁水には、マンガンや夾雑物が多く混入しているため、少なくとも濁度100以下に処理した後でないと、下水溝などに排出することができない。この処理に際して、タンク車などを使用して処理施設に搬送することも考えられるが、処理水の量が多いとコスト高になるため、洗浄現場で濁水を処理する方が望ましい。
【0003】
可搬式の濁水処理装置として、たとえば特許文献1に開示されたものがある。
この処理装置は、沈降分離槽と分離された架台上に、原水槽、緩速攪拌槽、反応槽と移送用のポンプや配管などを搭載したもので、沈降分離槽と分離することで小型軽量化して可搬性を高め、少量の処理水に対応できるように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−119563
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、架台上に原水槽、緩速攪拌槽、反応槽をそれぞれ上下段に独立して立体的に搭載しているため、占有面積は小型化されるものの、高さが高くなり、トラックなど搬送車両の荷台に搭載する場合に、道路の高架制限などに規制されて搬送できなくなるおそれがある。また複数の槽を接続する配管やポンプなどが必要で、装置が複雑になるという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決して、コンパクトでかつ簡易な構造で可搬性に優れ、濁水を効果的に処理することができる可搬式濁水処理装置および可般式濁水処理装置における濁水処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の濁水処理装置は、
搬送車両の荷台に搭載可能なタンク本体と、複数の仕切り壁により前記タンク本体内に前後方向に形成された複数の区画とを具備し、
前記タンク本体内に、前部区画で濁水に凝集剤を供給し攪拌混合する凝集剤混合槽と、中間区画の凝集処理槽と、後部区画で排水口を有する沈降排水槽とを有し、
前記各仕切り壁に、濁水に凝集剤が混合された処理水が上方を超えて通過する迂回堰部と、処理水が下部を通過する迂回通水口とを交互に形成して、処理水を少なくとも上下方向に迂回するように構成されたものである。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の濁水処理装置において、
隣接する仕切り壁にそれぞれ形成された迂回堰部と迂回通水口とを幅方向に位置ずれして形成することにより、処理水を幅方向に迂回させるように構成したものである。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の濁水処理装置において、
前部区画の底部全面にわたって初期凝集槽を形成するとともに、当該初期凝集槽の上部で前部区画の幅方向の一方に寄せて凝集剤混合槽を設置し、
前記凝集剤混合槽の幅方向の他方に処理水を前記初期凝集槽内に落下させる迂回堰部を設けたものである。
【0010】
請求項4記載の可般式濁水処理装置における濁水処理方法は、搬送車両の荷台に搭載可能なタンク本体と、複数の仕切り壁により前記タンク本体内に前後方向に形成された複数の区画とを具備した可般式濁水処理装置を使用して、濁水を処理するに際し、
前記タンク本体内の前部区画に形成された凝集剤混合槽で濁水に凝集剤を供給して攪拌混合し、濁水に凝集剤を混合した処理水を、中間区画に形成された凝集処理槽から後部区画に形成された沈降排水槽に送るとともに凝集物を沈降分離して、前記沈降排水槽から排出し、
前記各槽に送る処理水を、前記仕切り壁に形成された迂回堰部および迂回通水口を介して上下方向に迂回させるものである。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の可般式濁水処理装置における濁水処理方法において、
隣接する仕切り壁に幅方向に位置ずれして形成された迂回堰部と迂回通水口とにより、処理水を幅方向に迂回させるものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1または4記載の発明によれば、車両に荷台に搭載可能なタンク本体内の空間を、仕切り壁により区画して、凝集剤混合槽、凝集処理槽および沈降排水槽を形成し、仕切り壁に形成した迂回堰部と迂回通水口とにより、濁水に凝集剤を混合した処理水を上下方向に迂回させることにより、凝集剤と濁水とを十分に接触させて凝集反応を促進させ、処理水中の夾雑物を効果的に凝集させて沈降分離させることにより、処理水の濁度を効果的に低減させることができる。
【0013】
請求項2または5記載の発明によれば、処理水を上下方向に加えて、幅方向に迂回させることにより、タンク本体内の限られた空間を有効に利用して、凝集剤と処理水との接触時間を増大させ、濁水中の夾雑物を効果的に凝集させ分離することができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、前部区画に形成した初期凝集槽の上段部に、凝集剤混合槽を形成することにより、限られたタンク本体内の空間を有効利用することができ、また凝集剤混合槽の処理水を、迂回堰部を介して初期凝集槽に落下させることで、凝集剤と濁水との混合攪拌作用を効果的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る可搬式濁水処理装置の実施例1を示すタンク本体の縦断面図である。
【図2】タンク本体の平面図である。
【図3】濁水処理装置の処理水の流れを説明するタンク本体の一部切り欠き斜視図である。
【図4】図1に示すA−A断面図である。
【図5】本発明に係る濁水処理装置の実施例2を示し、処理水の流れを説明するタンク本体の一部切り欠き斜視図である。
【図6】タンク本体の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施例1]
以下、本発明の実施例1を図1〜図4に基づいて説明する。
図1,図2に示すように、この可般式の濁水処理装置は、搬送車両により洗管現場に搬送され、水道管路の洗管後に排出されるマンガン含有の濁水を、現場で処理して下水溝などに排水するためのものである。そして搬送車両の荷台に搭載可能な小型のタンク本体11は、たとえば前後の奥行きが約2.0m、幅が約1.5m、高さが約1mで容量が3mのものであり、このタンク本体11は、搬送車両の荷台に搭載可能な架台12上に設置されている。
【0017】
このタンク本体11は、底面板11a、前面板11b、後面板11cおよび左右側面板11d,11eにより、上面が開放された直方体形に形成されている。なお、タンク本体11の開放面は、上面板を設けて閉鎖してもよいし、開閉自在な上蓋を設けてもよい。
【0018】
タンク本体11内には、幅方向の前部仕切り壁13と中間仕切り壁14と後部仕切り壁15とが前後方向に所定間隔をあけて取り付けられ、前部区画21、中間前区画(中間区画)22、中間後区画(中間区画)23および後部区画24の4つの区画が形成されている。そして、前部区画21に凝集剤混合槽31および初期凝集槽32が設けられ、また中間前区画22に前凝集処理槽(凝集処理槽)33が設けられ、中間後区画23に後凝集処理槽(凝集処理槽)34が設けられる。さらに後部区画24に沈降排水槽35が設けられ、この沈降排水槽35の後面板11cに、処理水を排出する排水口36が形成されて、これら排水口3に排水ホース37が接続される。なお、排水口36から排水する処理水は、凝集沈降物を分離した上澄み液であるが、ここでは凝集反応中の濁水と凝集剤の混合液も処理水という。
【0019】
前部区画21には、図3,図4に示すように、下段に配置された初期凝集槽32と、上段右寄りに配置された凝集剤混合槽31が設けられている。凝集剤混合槽31は、底面板11aから高さH1位置で、前面板11b、前部仕切り壁13および右側面板11e間で、右側を左側面板11dから所定間隔L1をあけて混合槽底板31aが取り付けられ、混合槽底板31aの左辺部に、底板11aから所定高さh1まで縦仕切り板31bが立ち上げられてその上端に前迂回堰部31cが形成されている。そして凝集剤混合槽31内でオーバーフローした処理水を、前迂回堰部31cから初期凝集槽32に落下させるように構成されている。
【0020】
なお、この実施例1では、上段右寄りに凝集剤混合槽31を配置したが、上段左寄りに配置して前迂回堰部31cを右側に形成し、初期凝集槽32の右側に落下させてもよく、前迂回堰部31cの設置位置は任意に選択できる。
【0021】
凝集剤混合槽31には、濁水を供給する単数または複数の給水ノズル41が、その吐出方向を凝集剤混合槽31の中心軸を中心とする円弧の接線方向に向くように配置されている。また給水ノズル41の吐出口前方に凝集剤を投下供給する凝集剤供給装置42が設けられており、給水ノズル41から吐出した濁水中に、凝集剤供給装置42から凝集剤を投入するとともに、旋回流を形成して凝集剤と濁水とを効果的に混合攪拌するように構成されている。もちろん、凝集剤混合槽31内に回転式または固定式の混合用攪拌翼を設けてもよい。
【0022】
凝集剤供給装置42は、タンク本体11の右側面板11eに支持部材43を介して設置され、薬剤ホッパ42aの下部に水平方向に伸び先端部に供給口43eが形成された供給筒42bと、供給筒42bの基端部に取り付けられて供給筒43b内に配置された送り用の螺旋部材43cを回転駆動する供給モータ43dとを具備し、供給モータ43dにより螺旋部材43cを回転駆動して、薬剤ホッパ42a内の凝集剤を供給筒42bに沿って定量搬送し、供給口43eから凝集剤を凝集剤混合槽31内に所定量ずつ供給することができる。
【0023】
凝集剤は、たとえば天然の鉱物を主成分として環境負荷が低く安全性の高い中性の無機系の薬剤で、濁水に直接投入して攪拌することにより、濁水に含まれる水垢や鉄錆、劣化シールコート剤、マンガンなどを凝集させ、この凝集物を沈降させて処理水と分離し、濁度を大幅に低下可能なものが使用される。
【0024】
前部仕切り壁13には、左下部で左側面板11dから中間部側に、高さH2(図ではH2=H1)、幅W2の前迂回通水口13aが形成されている。また中間仕切り壁14には、右側上部で右側面板11eから中間部側に、底面板11aからの高さh3、幅W3の後迂回堰部14aが形成されている。したがって、初期凝集槽32から前迂回通水口13aを介して前凝集処理槽33に流入した処理水は、左底部から右上部に流動して迂回され、後迂回堰部14aから後凝集処理槽34に送り出される。
【0025】
後部仕切り壁15には、左側下部で左側面板11dから中間部側に、高さH4、幅W4の後迂回通水口15aが形成されている。またタンク本体11から処理水を排出する複数の排水口36は、後面板11cの右側上部で高さH5の位置に形成され、凝集された沈降物を含まない状態で処理水を排出するように構成されている。したがって、前凝集処理槽33から後迂回堰部14aを介して後凝集処理槽34に流入した処理水は、右上部から左底部に流動して迂回し、後迂回通水口15aから沈降排水槽35に送り出される。さらに沈降排水槽35に流入した処理水は、左底部から右上部に迂回して凝集物を沈降させ、凝集物をほとんど含まない処理水が排水口36から排出される。
【0026】
38A〜38Eは、凝集剤混合槽31、初期凝集槽32、前凝集処理槽33、後凝集処理槽34および沈降排水槽35の底部にそれぞれ設けられ沈降凝集物を排出するための凝集物排出口で、凝集物排出口38A〜38Eにはそれぞれ開閉バルブが設けられている。
【0027】
上記構成において、上水道管の洗浄現場で、たとえば毎分1.5mで排出される洗浄後の濁水の処理手順を説明する。
給水ノズル41から濁水を凝集剤混合槽31内に吐出して旋回流を形成するとともに、この旋回流中に、凝集剤供給装置42から凝集剤を投入して混合攪拌し、凝集剤と濁水とを混合接触させ、濁水に含まれる水垢や鉄錆、劣化シールコート剤、マンガンなどを凝集させ、その一部が底部に滞留される。そして処理水が凝集剤混合槽31をオーバーフローして前迂回堰部31cから初期凝集槽32に落下される。
【0028】
初期凝集槽32では、処理水が前迂回堰部31cから初期凝集槽32に落下されることにより、凝集剤と濁水の混合攪拌がさらに効果的に進み凝集反応が促進される。そして前部仕切り壁13の前迂回通水口13aから前凝集処理槽33に送り出される。
【0029】
前凝集処理槽33では、処理水が前迂回通水口13aから中間仕切り壁14の後迂回堰部14aに、左下部から右上部に迂回して流動されることにより、滞留時間を増加させて前凝集処理槽33内における凝集剤と濁水の接触時間が増大され凝集反応を促進させる。そして、後迂回堰部14aをオーバーフローした処理水が後凝集処理槽34に送り出され、前凝集処理槽33内で凝集された凝集物の一部が底部に滞留される。
【0030】
後凝集処理槽34では、処理水が後迂回堰部14aから後部仕切り壁15の後迂回通水口15aに、右上部から左下部に迂回して流動されることにより、滞留時間を増加させて後凝集処理槽34内における凝集剤と濁水の接触時間が増大され凝集反応を促進させる。そして、後迂回通水口15aを通過した処理水が沈降排水槽35に送り出され、後凝集処理槽34内で凝集された凝集物の一部が底部に滞留される。
【0031】
沈降排水槽35では、処理水が後前迂回通水口15aから後面板11cの排水口36に、左下部から右上部に流動させ、滞留時間を増加させて凝集物の沈降を促進させるとともに、処理水を穏やかに流動させて凝集物の同伴を防止しつつ、上澄みで凝集物をほとんど含まない処理水を排水口36から排水ホース37を介して下水溝などに排出する。
【0032】
洗浄が終了すると、凝集物排出口38A〜38Eの開閉バルブを順次あけて各槽31〜35から残存処理水と共に凝集物を排出する。さらに残存した凝集物を手で排出し、タンク本体11内を洗浄する。
【0033】
上記実施例1によれば、8時間の一時断水時間内で洗管作業をする場合において、毎分1.5mで排出されて濁度の大きいマンガンを含む濁度600程度の濁水を、濁度20程度まで処理して排出することができ、濁度100以下の下水排出基準を十分に下回ることができた。
【0034】
また、搬送車両の荷台に搭載して搬送可能な小型のタンク本体11を使用して、凝集剤混合槽31で洗管作業時に排出される濁水に凝集剤を均一に投入して処理水を攪拌するとともに、凝集剤混合槽31から初期凝集槽32、前凝集処理槽33、後凝集処理槽34および沈降排水槽35を通過する間に、処理水を上下方向および左右方向に迂回させて混合を促進させて反応時間を長くすることで、濁水と凝集剤との十分な接触と、効率のよい凝集反応を実現させ、凝集物の沈降分離を図ることができ、簡単な構造で、かつ低コストで濁水を処理することができる。
【0035】
さらに、前部区画21では、下段の底部に初期凝集槽32を形成し、上段で幅方向の一方(右側)に寄せて凝集剤混合槽31を設けることにより、限られたタンク本体11内の空間を有効利用することができる。また凝集剤混合槽31からオーバーフローした処理水を、縦仕切り板31bの前迂回堰部31cから初期凝集槽32に落下させることにより、濁水と凝集剤との攪拌混合を効果的に促進させることができる。
【0036】
なお、ここで毎分1.5mで排出される濁水の処理するタンク本体11の構造を説明したが、排出濁水量が大きい場合には、タンク本体11の容量を拡大することにより、容易に対応することができる。
【0037】
[実施例2]
本発明に係る濁水処理装置の実施例2を、図5および図6を参照して説明する。先の実施例1では、上下方向および幅方向に処理水を迂回させて凝集剤と濁水との凝集反応を促進させたが、実施例2では、処理水を上下方向にのみ迂回させるもので、実施例1と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
前部仕切り壁13に形成された前迂回通水口13b、中間仕切り壁14に形成された後迂回堰部14b、および後部仕切り壁15に形成された後迂回通水口15bをそれぞれタンク本体11の全幅にわたって形成している。
【0039】
これにより、凝集剤混合槽31から前迂通水口13bを介して落下された処理水を、初期凝集槽32から前凝集処理槽33、後凝集処理槽34を介して上下方向に迂回させつつ沈降排水槽35に流送することにより、凝集剤と濁水との混合と接触時間を増大させて凝集反応を促進させることができる。
【0040】
実施例2によれば、凝集剤混合槽31から初期凝集槽32、前凝集処理槽33、後凝集処理槽34および沈降排水槽35を通過する間に、処理水を上下方向に迂回させて流動させることで、濁水と凝集剤との十分な接触時間を確保して効果的に凝集反応をおこさせ、処理水から凝集物の沈降分離を図ることができ、簡単な構造で、かつ低コストで濁水を処理することができる。
【符号の説明】
【0041】
11 タンク本体
11b 前面板
11c 後面板
11d 左側面板
11e 右側面板
12 架台
13 前部仕切り壁
13a 前迂回通水口
13b 前迂回通水口
14 中間仕切り壁
14a 後迂回堰部
14b 後迂回堰部
15 後部仕切り壁
15a 後迂回通水口
15b 後迂回通水口
21 前部区画
22 中間前区画
23 中間後区画
24 後部区画
31 凝集剤混合槽
31b 縦仕切り板
31c 前迂回堰部
32 初期凝集槽
33 前凝集処理槽
34 後凝集処理槽
35 沈降排水槽
36 排水口
38A〜38E 凝集物排出口
41 給水ノズル
42 凝集剤供給装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送車両の荷台に搭載可能なタンク本体と、複数の仕切り壁により前記タンク本体内に前後方向に形成された複数の区画とを具備し、
前記タンク本体内に、前部区画で濁水に凝集剤を供給し攪拌混合する凝集剤混合槽と、中間区画の凝集処理槽と、後部区画で排水口を有する沈降排水槽とを有し、
前記各仕切り壁に、濁水に凝集剤が混合された処理水が上方を超えて通過する迂回堰部と、処理水が下部を通過する迂回通水口とを交互に形成して、処理水を少なくとも上下方向に迂回するように構成された
ことを特徴とする可般式濁水処理装置。
【請求項2】
隣接する仕切り壁にそれぞれ形成された迂回堰部と迂回通水口とを幅方向に位置ずれして形成することにより、処理水を幅方向に迂回させるように構成した
ことを特徴とする請求項1記載の可般式濁水処理装置。
【請求項3】
前部区画の底部全面にわたって初期凝集槽を形成するとともに、当該初期凝集槽の上部で前部区画の幅方向の一方に寄せて凝集剤混合槽を設置し、
前記凝集剤混合槽の幅方向の他方に処理水を前記初期凝集槽内に落下させる迂回堰部を設けた
ことを特徴とする請求項1または2記載の可般式濁水処理装置。
【請求項4】
搬送車両の荷台に搭載可能なタンク本体と、複数の仕切り壁により前記タンク本体内に前後方向に形成された複数の区画とを具備した可般式濁水処理装置を使用して、濁水を処理するに際し、
前記タンク本体内の前部区画に形成された凝集剤混合槽で濁水に凝集剤を供給して攪拌混合し、濁水に凝集剤を混合した処理水を、中間区画に形成された凝集処理槽から後部区画に形成された沈降排水槽に送るとともに凝集物を沈降分離して、前記沈降排水槽から排出し、
前記各槽に送る処理水を、前記仕切り壁に形成された迂回堰部および迂回通水口を介して上下方向に迂回させる
ことを特徴とする可般式濁水処理装置における濁水処理方法。
【請求項5】
隣接する仕切り壁に幅方向に位置ずれして形成された迂回堰部と迂回通水口とにより、処理水を幅方向に迂回させる
ことを特徴とする請求項4記載の可般式濁水処理装置における濁水処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−86181(P2012−86181A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236011(P2010−236011)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】