説明

可撓性フィルム回路基板、その製造方法および可撓性フィルム回路基板製造管理システム

【課題】枚葉の可撓性フィルム基板上に形成された回路パターンの製造履歴を枚葉基板が繋ぎ合わされて長尺フィルム化された後においても容易に追跡できる可撓性フィルム回路基板およびその製造方法を提供する。さらには、既存技術では、数十m以上を単位とした製造履歴追跡しかできないが、本発明により1m以下のきめ細かい単位で製造履歴を追跡することができる。
【解決手段】回路パターンが形成された可撓性フィルム回路基板に、回路パターンが形成されていない領域の所定箇所に識別標識を書き入れるとともに、管理システムに登録して製造条件、検査条件、検査結果などを製品と照合可能な状態で記録、管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子等を搭載する電子回路基板に用いられるフィルム回路基板の製造方法、その製造装置および製造管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス製品の軽量化、小型化に伴い、プリント回路基板のパターニングの高精度化が求められている。可撓性フィルム基板は、曲げることができるために三次元配線ができ、エレクトロニクス製品の小型化に適していることから需要が拡大している。
【0003】
液晶ディスプレイパネルへのIC接続に用いられるCOF(Chip on Flex)技術は、比較的細幅の長尺ポリイミドフィルム基板を加工することで樹脂基板としては最高の微細パターンを得ることができるが、微細化の進展に関しては限界に近づきつつある。
【0004】
微細化にはライン幅やライン間のスペース幅で表される指標と基板上のパターンの位置で表される指標がある。ライン幅やスペース幅に関しては、さらに微細化する方策があるが、後者の指標である位置精度は、回路基板とICなどの電子部品を接合する際の電極パッドと回路基板パターンとの位置合わせに係わり、ICの多ピン化の進展に従い、要求される精度に対応することが厳しくなってきている。
【0005】
これに対して、近年、可撓性フィルム基板を補強板に貼り合わせ、寸法精度を維持することで、非常に微細な回路パターンを形成することが提案されている(特許文献1参照)。可撓性フィルム基板は、回路パターンが形成後、補強板から剥がされて使用される。前記提案は、主に枚葉型補強板を用いており、回路パターンが形成された可撓性フィルム基板も枚葉である。一方、現行のCOF技術においては、電子部品接続、テスト、LCDパネルとの接続など、回路パターンが形成された可撓性フィルム基板の取り扱いは、枚葉と長尺の両方のケースがあるが、長尺フィルムをリール・ツー・リールで取り扱うケースが多い。このため、枚葉の可撓性フィルム基板上に回路パターンを形成した後、これらを繋ぎ合わせて長尺フィルム化することが提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
生産管理、品質管理の点から、製造履歴を追跡可能にすることが求められている。既存の長尺フィルム形態の可撓性フィルム回路基板では、リールに巻かれた数十mの長さを一括りとして製造履歴と紐付けされている。また、その紐付けは、ラベルにて行われているため、工程に投入し、巻き出し、巻き取りされるたびにラベルを発行して貼り付けたり、ラベル札を取り付けたりする必要があり、ミスが起きる可能性があった。また、生産性を高めるために1リールに納められる可撓性フィルム回路基板の延長要請があり、追跡可能な製造単位が大まかになる問題がある。
【特許文献1】国際公開第03/009657号パンフレット(第2頁)
【特許文献2】特開2006−295143号公報(第1〜27頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、枚葉の可撓性フィルム基板上に形成された回路パターンの製造履歴を枚葉基板が繋ぎ合わされて長尺フィルム化された後においても容易に追跡できる可撓性フィルム回路基板およびその製造方法を提供することにある。さらには、既存技術では、数十m以上を単位とした製造履歴追跡しかできないが、本発明によると1m以下のきめ細かい単位で製造履歴を追跡することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明は、以下の構成からなる。
(1)回路パターンが形成された可撓性フィルム回路基板であって、回路パターンが形成されない領域に識別標識が付されていることを特徴とする可撓性フィルム回路基板。
(2)該識別標識が付された可撓性フィルム回路基板が、短冊状可撓性フィルム回路基板を繋ぎ合わせて長尺化したものであり、かつ、該短冊状可撓性フィルム回路基板毎に互いに異なる識別標識が付されてなることを特徴とする(1)記載の可撓性フィルム回路基板。
(3)スプロケットホールを有する搬送用領域を基板幅方向端に備えた可撓性フィルム回路基板であって、該搬送用領域に識別標識が付されていることを特徴とする(1)記載の可撓性フィルム回路基板。
(4)識別標識が、回路パターンと同じ材料、かつ同じ層構成からなることを特徴とする(1)記載の可撓性フィルム回路基板。
(5)可撓性フィルム回路基板の製造方法であって、回路パターンが形成されない領域の所定箇所に識別標識を付することを特徴とする可撓性フィルム回路基板の製造方法。
(6)該識別標識が書き入れられた可撓性フィルム回路基板が、短冊状可撓性フィルム回路基板を繋ぎ合わせて長尺化したものであり、かつ、該短冊状可撓性フィルム回路基板に互いに異なる識別標識を付することを特徴とする(5)記載の可撓性フィルム回路基板の製造方法。
(7)該可撓性フィルム回路基板幅方向端の搬送用領域にスプロケットホールを形成する可撓性フィルム回路基板の製造方法であって、該搬送用領域に識別標識を付することを特徴とする(5)記載の可撓性フィルム回路基板の製造方法。
(8)識別標識が、回路パターンと同じ材料、かつ同じ層構成からなることを特徴とする(5)記載の可撓性フィルム回路基板の製造方法。
(9)識別標識が、可撓性フィルム回路基板が剥離可能な有機物層を介して補強板に貼り合わされている状態で付されることを特徴とする(5)記載の可撓性フィルム回路基板の製造方法。
(10)(1)〜(4)のいずれかに記載の可撓性フィルム回路基板の製造管理システムであって、回路パターンが形成されない領域の所定箇所に識別標識を付するとともに中央管理装置に該識別標識を登録し、各製造工程および各検査工程の履歴を該識別標識に対応させて該中央管理装置に記憶させるようにしたことを特徴とする可撓性フィルム回路基板製造管理システム。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、短冊状の枚葉可撓性フィルム基板を複数連結して長尺のフィルム回路基板にした際に、個々の短冊状枚葉可撓性フィルム基板上に形成された回路パターンの製造履歴を追跡することができる。さらに、既存技術では、数十m以上を単位とした製造履歴追跡しかできないが、本発明によると1m以下のきめ細かい単位で製造履歴を追跡することができ、きめ細かい製造管理を実現することができる。短冊状の枚葉可撓性フィルム回路基板が1枚の大板枚葉基板上に複数本形成され、これを剥離して複数連結して長尺フィルム回路基板を製造する場合、短冊状の枚葉可撓性フィルム回路基板の繋ぎ方によっては、非常に複雑な履歴管理が要求されるが、短冊状枚葉可撓性フィルム回路基板それぞれに個別の識別標識を付け、製造履歴データベースと紐付けすることで対応が容易になり、特に本発明は効果が大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の可撓性フィルム回路基板は、少なくとも片面に回路パターンが形成されている。
可撓性フィルム基板としては、プラスチックフィルムを使用する。例えば、ポリカーボネート、ポリエーテルサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、液晶ポリマーなどのフィルムを採用することができる。中でもポリイミドフィルムは、耐熱性に優れるとともに耐薬品性にも優れているので好適に採用される。また、低誘電損失など電気的特性が優れている点や低吸湿性の点で、液晶ポリマーが好適に採用される。可撓性のガラス繊維補強樹脂板を採用することも可能である。また、これらのフィルムが積層されていてもよい。
上記ガラス繊維補強樹脂板の樹脂としては、例えば、エポキシ、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテル、マレイミド(共)重合樹脂、ポリアミド、ポリイミドなどが挙げられる。
可撓性フィルム基板の厚さは、軽量化、小型化、あるいは微細なビアホール形成のためには薄い方が好ましく、一方、機械的強度を確保するためや平坦性を維持するためには厚い方が好ましい点から、4μmから125μmの範囲が好ましい。
【0011】
可撓性フィルム基板上に形成される回路パターンは、抵抗値が小さい銅膜を主体として形成されていることが好ましく、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法など公知の技術が採用できる。さらに、はんだ接合のための錫めっき、金めっきを施したり、金属膜保護のためのソルダーレジスト膜を形成することも適宜実施できる。
【0012】
本発明の態様の一例を図1〜4を用いて説明する。
図1の可撓性フィルム1、2上に回路パターン3が形成される。可撓性フィルム回路基板の幅方向端の搬送用領域にはスプロケットホール4が設けられており、スプロケットホールの機械的強度を増強し搬送を滑らかにするために、回路パターンを形成する金属膜と同じ材料と層構成の補強パターン5が設けられている。本発明は、回路パターンが形成されない領域の所定箇所に識別標識を設けることができるが、回路パターンに依らず同じ位置に識別標識を形成できる点で、補強パターン5に、識別標識6を設けることが好ましい。識別標識6を付する場合、フォトリソグラフィー、レーザー加工、あるいは機械的にパンチングする等の種々の方法が使用できる。中でも、フォトリソグラフィーまたはレーザー加工によって識別標識6を付することが、コストの面で特に好ましい。同じ位置に識別標識を設けることは、識別標識の書き込み読み取り装置の位置も一定にすることができ、製造管理や装置を簡便にすることができる。識別標識としては、一次元または二次元のバーコードや記号や文字を採用することができる。なかでも二次元バーコードはコンパクトでかつ情報量が大きく、また、電子データとの変換が容易である点で好ましい。図1に識別標識である二次元バーコードを例示した。
【0013】
本発明は、短冊状の枚葉可撓性フィルム基板を連結して長尺フィルム基板にした場合に短冊毎に製造履歴を追跡可能にする。すなわち、短冊状の枚葉可撓性フィルム基板毎に異なる識別標識を記入することで、製造履歴データベースとの照合を可能にする。図2に可撓性フィルム1と2を繋ぎ合わせた様子の1例を断面にて示した。可撓性フィルムは接着剤7を介して接着される。
【0014】
図3に識別標識6部分を拡大して示した。金属膜の補強パターンの一部を形成されないようにしたり、除去したりすることで識別標識を作製する。搬送用領域に金属膜の補強パターンが設けられない場合は、図4のように識別標識状に金属膜を形成する。
【0015】
識別標識は短冊状の枚葉可撓性フィルムに少なくとも1カ所設けられる。
本発明は、当初から長尺状態である可撓性フィルムの製造履歴管理にも有効であり、この場合は、製造工程履歴を記録したい最短長さに従って、識別標識を設ければよい。
【0016】
可撓性フィルム回路基板製造管理システムの一例について図5を使って説明する。可撓性フィルム回路基板製造は複数の製造工程と検査工程からなる。識別標識形成は、可撓性フィルム回路基板製造の上流工程であるほど管理範囲が拡がり好ましいが、仕掛かり品が露光またはレーザー加工ができる層構成であることとを合わせて最適な工程が選ばれる。識別標識は中央管理装置(サーバー)10で生成、登録され、露光またはレーザー加工手段で書き込まれる。各工程には識別標識の読み取り装置が設置されており、加工または検査される製品と製造条件、検査条件、検査結果とを紐付けしてPC11を介して中央管理装置に記録を残していく。中央管理装置上の記録を引き出して不良製品について、不良であることを示すマーキングを施すこともできる。製品出荷の段階では、識別標識は製品数量、リール毎の収率などの算出やそれらを記載したラベルの出力などにも使用することができる。本システムによると、製造工程で異常条件が現れた場合や検査結果が異常である場合に、識別標識を読み取って次工程に投入しないように管理することもできる。
【0017】
本発明の回路基板の製造方法を以下に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
補強板である厚さ1.1mmのソーダライムガラスに、スピンコーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、スクリーン印刷などを用いて、剥離可能な有機物を塗布する。間欠的に送られてくる枚葉基板に均一に塗布するためには、ダイコーターの使用が好ましい。剥離可能な有機物を塗布後、加熱乾燥や真空乾燥などにより乾燥し、厚みが2μmの剥離可能な有機物層を得る。塗布した剥離可能な有機物層上に、離型フィルム(ポリエステルフィルム上にシリコーン樹脂層を設けた)からなる空気遮断用フィルムを貼り合わせて1週間、室温で放置する。この期間は、熟成と呼ばれ、剥離可能な有機物の架橋が進行して、徐々に粘着力が低下する。放置期間や保管温度は、所望の粘着力が得られるように選択される。空気遮断用フィルムを貼り合わせる代わりに、窒素雰囲気中や真空中で保管することもできる。剥離可能な有機物を長尺フィルム基体に塗布、乾燥後、補強板に転写することも可能である。
【0018】
次に、可撓性フィルム基板である厚さ38μmのプラスチックフィルムを準備する。ガラス基板上の空気遮断用フィルムを剥がして、プラスチックフィルムをガラス基板に貼り合わせる。プラスチックフィルムの片面または両面に金属膜(貼り合わせ面においては回路パターンであってもよい)があらかじめ形成されていても良い。プラスチックフィルムは、あらかじめ所定の大きさのカットシートにしておいて貼り付けても良いし、長尺ロールから巻きだしながら、貼り付けと切断をしてもよい。
【0019】
次に、プラスチックフィルムの貼り合わせ面とは反対側の面に回路パターンを形成する。
プラスチックフィルムの貼り合わせ面とは反対側の面に1〜10μmの厚さの金属膜が設けられている場合には、サブトラクティブ法によって回路パターン、搬送領域の補強パターンおよび搬送領域の識別標識を形成する。すなわち、金属膜上にフォトレジスト膜を塗布、乾燥し、回路パターンおよび補強パターンをフォトマスクを介して露光する。識別標識部分は、レーザー露光機などのプログラマブルな露光機を用いて個別のパターンを露光する。露光パターンを現像し、金属膜の露出部分をエッチングして、回路パターン、補強パターンおよび識別標識を形成する。その後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0020】
セミアディティブ法を用いる場合は、プラスチックフィルムの貼り合わせ面とは反対側の面に0.05〜1μmの厚さの金属膜を全面に設けておき、該金属膜上にフォトレジスト膜を塗布、乾燥し、回路パターンおよび補強パターンをフォトマスクを介して露光する。識別標識部分は、レーザー露光機などのプログラマブルな露光機を用いて個別のパターンを露光する。露光パターンを現像し、金属膜の露出部分に電気めっきにて金属膜を析出させ、回路パターン、補強パターンおよび識別標識を形成する。その後、フォトレジスト膜を剥離し、めっきで形成した金属パターンをマスクにして最初に設けておいた金属膜をエッチングする。プログラマブルな露光機を用いて識別標識パターンを露光することに代えて、0.05〜1μmの厚さの金属膜をレーザーで部分的に除去し、その後、電気めっきすることによってレーザーで除去した部分だけに金属がないパターンを形成することもできる。
【0021】
フルアディティブ法を用いる場合は、プラスチックフィルムの貼り合わせ面とは反対側の面にパラジウム、ニッケルやクロムなどの触媒付与処理をし、乾燥する。ここで言う触媒とは、そのままではメッキ成長の核としては働かないが、活性化処理をすることでメッキ成長の核となるものである。次いで、フォトレジスト膜を塗布、乾燥し、回路パターンおよび補強パターンをフォトマスクを介して露光する。識別標識部分は、レーザー露光機などのプログラマブルな露光機を用いて個別のパターンを露光する。露光パターンを現像し、露出部分の触媒を活性化処理をしてから、無電解めっき液に浸漬し、金属膜を析出させ、回路パターン、補強パターンおよび識別標識を形成する。プログラマブルな露光機を用いて識別標識パターンを露光することに代えて、触媒をレーザーで部分的に除去し、その後、無電解めっきすることによってレーザーで除去した部分だけに金属がないパターンを形成することもできる。
【0022】
本発明は、セミアディティブ法またはフルアディティブ法に特に適している。すなわち、フォトレジストへ微細なパターンを露光すると露光パターンに合わせて、忠実にめっき膜が形成される。サブトラクティブ法では等方性エッチングに依り、微細なパターン加工には限界がある。また、レーザー加工で識別標識を形成する場合では、書き込みする対象が薄い金属膜か触媒層であるために、レーザー加工速度を大きくでき生産性が高まる上に、細かい加工をして情報量を多くしたり冗長度を高めて確実性を増すことができる。金属膜や触媒層が薄いことは、飛散するスミア量が少ないことも好ましい効果である。したがって、識別標識を形成する際の金属膜の厚さは、0.05〜0.2μmの厚さであることが好ましい。
【0023】
上述のようにサブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法のいずれにおいても識別標識は回路パターン形成工程を通過して回路パターンと同じ材料と同じ層構成からなっているため、識別標識を形成するために追加する工程は露光機またはレーザー加工機だけで製造コスト負担を小さくすることができる。サブトラクティブ法、セミアディティブ法における識別標識、回路パターンの層構成は、表面めっき層/低抵抗金属層/接着改良層/可撓性フィルム基板である。また、フルアディティブ法における識別標識、回路パターンの層構成は、表面めっき層/低抵抗金属層/触媒層/可撓性フィルム基板である。回路パターンには外部接続にあずからない箇所にソルダーレジストと呼ばれる樹脂層が最表層として形成されるが、識別標識は画像認識を容易にするために、回路パターンの外部接続箇所と同様にソルダーレジストは形成されないことが好ましい。
【0024】
識別標識は、中央管理装置にて生成され、書き込み装置によって製品に書き込まれる。識別標識は、可撓性フィルム基板が剥離可能な有機物層を介して補強板に貼り合わされている状態で書き込まれることが好ましい。すなわち、剛性があり平坦な補強板に可撓性フィルム基板が貼り合わせられていることにより、露光やレーザー加工の焦点距離制御や位置制御が容易で正確なパターンが形成できる。また、大型の補強板を用いて1枚の可撓性フィルム回路基板から複数条の一定長さの可撓性フィルム回路基板を切り出す場合は、繋ぎ合わせる順を記録し、製品情報として利用できるよう可撓性フィルム基板が剥離可能な有機物層を介して補強板に貼り合わされている状態で識別標識を書き込むことが好ましい。回路パターン加工の早い段階で識別標識を付与する点でも可撓性フィルム基板が剥離可能な有機物層を介して補強板に貼り合わされている状態で書き込みをすることが好ましい。
回路パターンの加工の早い段階での識別標識の付与の点では、フォトレジストへの識別標識露光よりも金属薄膜へのレーザー加工の方が上流工程で識別標識が利用可能であるので好ましい。
【0025】
回路パターンを形成する金属膜は、抵抗値が低い点で銅であることが好ましい。また、サブトラクティブ法、セミアディティブ法においては、銅膜とプラスチックフィルムとの接着強度を大きくするために、ニッケル、クロム、チタンおよびこれらの合金から選ばれた薄膜を銅膜とプラスチックフィルムとの間に形成することが好ましい。
【0026】
必要に応じて、上記のように形成した金属膜パターン上に、金、ニッケル、錫などのめっきを施す。さらに、必要に応じて、金属パターン上にソルダーレジスト層を形成する。ソルダーレジストとしては、感光性のソルダーレジストや熱硬化性のソルダーレジストが好ましい。
【0027】
ソーダライムガラスに固定された可撓性フィルム回路基板の長さ方向の一端に、図2に示した接着剤7を塗布し乾燥した後、ソーダライムガラスから可撓性フィルム回路基板を剥離する。2枚の短冊状可撓性フィルム回路基板を接着剤7を介して連結することを繰り返し、長尺の可撓性フィルム回路基板を得る。2枚の短冊状可撓性フィルム回路基板を連結するときの位置合わせは、あらかじめ作製しておいたアライメントマークを利用した画像認識やスプロケットホールとピンを利用する方法を採用することができる。
【0028】
パンチング装置やレーザー加工装置を用いて、長尺の可撓性フィルム基板にスプロケットホールを穴開けする。スプロケットホール穴開けする方法は、ソーダライムガラスから可撓性フィルム回路基板を剥がす前であれば、レーザー加工で、ソーダライムガラスから可撓性フィルム回路基板を剥がした後であれば、金型によるパンチ加工でもレーザー加工でも採用することができる。
【0029】
本発明で採用できる枚葉補強板としては、ソーダライムガラス、ホウケイ酸系ガラス、石英ガラスなどの無機ガラス類、アルミナ、窒化シリコン、ジルコニアなどのセラミックス、ステンレススチール、インバー合金、チタンなどの金属やガラス繊維補強樹脂を有する板など、線膨張係数や吸湿膨張係数が小さいものが好ましい。その中でも、適当な可撓性が得られやすい点で、無機ガラスと金属板が好ましい。さらに、耐熱性、耐薬品性に優れている点、大面積で表面平滑性が高く基板が安価に入手しやすい点、塑性変形しにくい点、搬送装置などとの接触によりパーティクルを発生しにくい点、絶縁体で電解めっきによる析出がない点、等により、無機ガラス類からなる板が特に好ましい。
【0030】
本発明で採用できる補強板とプラスチックフィルムを貼りあわせるための剥離可能な有機物層としては、例えば、アクリル系またはウレタン系の再剥離剤と呼ばれる粘着剤を挙げることができる。可撓性フィルム基板加工中は十分な接着力があり、剥離時は容易に剥離でき、可撓性フィルム基板に歪みを生じさせないために、弱粘着から中粘着と呼ばれる領域の粘着力のものが好ましい。タック性があるシリコーン樹脂を使用することもできる。また、タック性があるエポキシ系樹脂を使用することも可能である。
【0031】
剥離可能な有機物としては、低温領域で接着力、粘着力が減少するもの、紫外線照射で接着力、粘着力が減少するものや加熱処理で接着力、粘着力が減少するものも好適に用いられる。これらの中でも紫外線照射によるものは、接着力、粘着力の変化が大きく好ましい。紫外線照射で接着力、粘着力が減少するものの例としては、2液架橋型のアクリル系粘着剤が挙げられる。また、低温領域で接着力、粘着力が減少するものの例としては、結晶状態と非結晶状態間を可逆的に変化するアクリル系粘着剤が挙げられ、好ましく使用される。
【0032】
本発明で使用する剥離可能な有機物層の厚みは、薄くなると平面性が悪くなる他、膜厚のむらによる剥離力の強度むらが発生するため、0.1μm以上であることが好ましく、0.3μm以上であることがさらに好ましい。一方、剥離可能な有機物層の厚みが厚くなると有機物層の可撓性フィルム基板への投錨性がよくなるために粘着力が強くなる。従って、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。また剥離可能な有機物層と補強板との粘着力の方が、剥離可能な有機物層と可撓性フィルム基板との粘着力よりも大きいことが好ましい。このように両側の粘着力を制御する方法として、例えば、粘着剤の熟成を利用する方法がある。すなわち、粘着力を強くする側に粘着剤を塗布してから、空気を遮断した状態で所定の期間架橋を進行させることで、粘着力が低下した表面を得ることができる。
【0033】
本発明において補強板と可撓性フィルム基板の剥離力は、剥離可能な有機物層を介して補強板と貼り合わせた1cm幅の可撓性フィルム基板を剥離するときの180°方向ピール強度で測定される。剥離力を測定するときの剥離速度は300mm/分とする。本発明において、上述の剥離角を最適な範囲内に制御するためには、剥離力が0.098N/mから98N/mの範囲であることが好ましい。
本発明の製造方法で得られた回路基板の用途は特に限定されないが、好ましくは電子機器の配線板、ICパッケージ用インターポーザーなどに使用される。
【実施例】
【0034】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】
実施例1
可撓性フィルム基板として、厚さ38μmの長尺ポリイミドフィルム(“カプトン”150EN(商品名)東レデュポン(株)製)を準備した。長尺フィルム対応のリール・ツー・リール方式のスパッタ装置で、ポリイミドフィルム上に厚さ15nmのクロム:ニッケル=5:95(重量比)の合金膜と厚さ150nmの銅膜をこの順に積層した。
補強板として厚さ1.1mm、300×350mmのソーダライムガラスにダイコーターで、紫外線硬化型粘着剤“SKダイン”SW−22(綜研化学(株)製)と硬化剤L45(綜研化学(株)製)を100:3(重量比)で混合したものを塗布し、80℃で2分間乾燥した。乾燥後の剥離可能な有機物層厚みを2μmとした。次いで有機物層に、空気遮断用フィルム(ポリエステルフィルム上に離型容易なシリコーン樹脂層を設けたフィルム)を貼り合わせて1週間放置した。
金属膜を設けたポリイミドフィルムを300×350mmに切り出した。上記空気遮断用フィルムを剥がしてから、剥離可能な有機物層に金属膜を設けたポリイミドフィルムを貼り合わせた。
【0036】
銅膜上にポジ型フォトレジストをスピンコーターで塗布して80℃で10分間乾燥し、厚さ15μmのフォトレジストを形成した。フォトマスクを介してフォトレジストを露光した。フォトマスクは、めっき膜を析出させるところはフォトレジストが現像、除去されるパターンとし、搬送用領域のフォトレジストは除去してめっき膜が析出して補強パターンが形成されるようにした。また、製造履歴管理のための二次元バーコード形成位置は、このとき露光しなかった。次に中央管理装置が生成したバーコードをタイトラー(東レエンジニアリング(株)製)を用いて、フォトレジストに露光した。この後、現像し、不要部分のフォトレジストを除去した。
【0037】
フォトマスクパターンは以下に示す形状とした。回路パターンを基板の300mm方向に48mm間隔で6列配置し、350mm方向に28.5mmピッチで11個並べた。図1に示したように48mmの幅方向端に補強パターン5を配置し、また、補強パターン内のスプロケットホール位置にはめっき膜が析出しないようにした。タイトラーでは、300×350mmの基板毎、さらに、同一基板内の回路パターンの列毎に異なる二次元バーコードを割り振った。
【0038】
次いで、上記銅膜を電極として厚さ8μmの銅膜を硫酸銅めっき液中での電解めっきで形成した。フォトレジストをフォトレジスト剥離液で剥離し、続いて、過酸化水素−硫酸系水溶液によるソフトエッチングにてレジスト層の下にあった銅膜およびクロム−ニッケル合金膜を除去した。クロム−ニッケル合金膜を除去後、二次元バーコードは読み取り可能になり、直前の工程である銅膜およびクロム−ニッケル合金膜除去工程を含めて、製造条件や検査結果を中央管理装置に自動蓄積した。
【0039】
引き続き、銅めっき膜上に、無電解めっきで厚さ0.4μmの錫膜を形成し、回路パターン、補強パターンおよび二次元バーコードを得た。
回路パターン自動検査装置による検査を実施して、二次元バーコードと紐付けして検査結果を中央管理装置に記録した。その後、スクリーン印刷機にて、ソルダーレジストSN-9000(日立化成工業(株)製)を印刷した。
【0040】
ディスペンサーを用いて、350mm方向の製品端部に幅0.6mm、厚さ2μmになるようにポリイミド系接着剤を塗布し、80℃、2分間乾燥した。
YAGレーザーを用いてポリイミドフィルムを48mm幅で314.5mm長さの短冊状に切り分けると同時に、短冊の幅方向両端部に4.75mmピッチで1.981mm角のスプロケットホールを設けた。続いて、ソーダライムガラスから短冊状に切り分けたポリイミドフィルムを剥離した。
【0041】
得られた2枚の短冊状のポリイミドフィルムをスプロケットホールを利用してピンにてアライメントした。すなわち、短冊の長さ方向端部を接着剤を介して1mm幅で重なり合うように位置合わせした。この工程にバーコードリーダーを設置しておき、中央管理装置に記録された工程情報、検査情報に基づき、繋ぎ合わせるべき短冊でない場合は、警報を発するようにした。次いで、350℃に加熱されたツールを10kgfの圧力にて、重なり合わせた部分に押しつけて、ポリイミド系接着剤を溶融、固化して2枚の短冊状ポリイミドフィルムを繋ぎ合わせた。繋がった2枚の短冊状ポリイミドフィルムにさらに、別の短冊状ポリイミドフィルムを同様にして繋ぎ合わせることを繰り返し、長尺の可撓性フィルム回路基板を得た。
【0042】
得られた長尺の可撓性フィルム回路基板を画像認識を利用した自動外観検査装置および電気検査装置に掛け、所定の基準に達しない製品の長尺可撓性フィルム回路基板内位置を中央管理装置に出力した。この情報と回路パターン自動検査装置による検査情報を基にして不良製品マーキングを別装置にて実施した。
【0043】
搬送領域に形成した二次元バーコードは、短冊基板毎に異なっており、履歴管理が短冊状の可撓性フィルム回路基板毎に細かく実施できた。また、製造ラインの主要設備にバーコード読み取り装置を組み込むことで、自社および顧客での投入間違いや納入間違いの可能性を小さくすることができた。
【0044】
実施例2
可撓性フィルム基板として、厚さ38μmの長尺ポリイミドフィルム(“カプトン”150EN(商品名)東レデュポン(株)製)を準備した。長尺フィルム対応のリール・ツー・リール方式のスパッタ装置で、ポリイミドフィルム上に厚さ15nmのクロム:ニッケル=5:95(重量比)の合金膜と厚さ150nmの銅膜をこの順に積層した。
補強板として厚さ1.1mm、300×350mmのソーダライムガラスにダイコーターで、紫外線硬化型粘着剤“SKダイン”SW−22(綜研化学(株)製)と硬化剤L45(綜研化学(株)製)を100:3(重量比)で混合したものを塗布し、80℃で2分間乾燥した。乾燥後の剥離可能な有機物層厚みを2μmとした。次いで有機物層に、空気遮断用フィルム(ポリエステルフィルム上に離型容易なシリコーン樹脂層を設けたフィルム)を貼り合わせて1週間放置した。
金属膜を設けたポリイミドフィルムを300×350mmに切り出した。上記空気遮断用フィルムを剥がしてから、剥離可能な有機物層に金属膜を設けたポリイミドフィルムを貼り合わせた。
【0045】
銅膜上にポジ型フォトレジストをスピンコーターで塗布して80℃で10分間乾燥し、厚さ15μmのフォトレジストを形成した。フォトマスクを介してフォトレジストを露光した。フォトマスクは、めっき膜を析出させるところはフォトレジストが現像、除去されるパターンとし、搬送用領域のフォトレジストは除去してめっき膜が析出して補強パターンおよび二次元バーコードが形成されるようにした。この後、現像し、不要部分のフォトレジストを除去した。フォトレジストが除去された搬送用領域位置の金属膜にYAGレーザーで二次元バーコードを書き入れた。すなわち、めっき膜を析出させない箇所の金属膜をレーザーで焼き飛ばした。中央管理装置で生成した二次元バーコードは、300×350mmの基板毎、さらに、同一基板内の回路パターンの列毎に異なるナンバーとした。レーザー加工後、二次元バーコードは読み取り可能になり、直前の工程であるフォトレジスト形成露光、現像工程を含めて、製造条件や検査結果を中央管理装置に自動蓄積した。
【0046】
フォトマスクパターンは実施例1と同様とした。次いで、上記銅膜を電極として厚さ8μmの銅膜を硫酸銅めっき液中での電解めっきで形成した。フォトレジストをフォトレジスト剥離液で剥離し、続いて、過酸化水素−硫酸系水溶液によるソフトエッチングにてレジスト層の下にあった銅膜およびクロム−ニッケル合金膜を除去した。
【0047】
回路パターン自動検査装置による検査を実施して、二次元バーコードと紐付けして検査結果を中央管理装置に記録した。引き続き、銅めっき膜上に、無電解めっきで厚さ0.4μmの錫膜を形成し、回路パターン、補強パターンおよび二次元バーコードを得た。その後、スクリーン印刷機にて、ソルダーレジストSN-9000(日立化成工業(株)製)を印刷した。
ディスペンサーを用いて、350mm方向の製品端部に幅0.6mm、厚さ2μmになるようにポリイミド系接着剤を塗布し、80℃、2分間乾燥した。
【0048】
YAGレーザーを用いてポリイミドフィルムを48mm幅で314.5mm長さの短冊状に切り分けると同時に、短冊の幅方向両端部に4.75mmピッチで1.981mm角のスプロケットホールを設けた。続いて、ソーダライムガラスから短冊状に切り分けたポリイミドフィルムを剥離した。
得られた2枚の短冊状のポリイミドフィルムをスプロケットホールを利用してピンにてアライメントした。すなわち、短冊の長さ方向端部を接着剤を介して1mm幅で重なり合うように位置合わせした。この工程にバーコードリーダーを設置しておき、中央管理装置に記録された工程情報、検査情報に基づき、繋ぎ合わせるべき短冊でない場合は、警報を発するようにした。
【0049】
次いで、350℃に加熱されたツールを10kgfの圧力にて、重なり合わせた部分に押しつけて、ポリイミド系接着剤を溶融、固化して2枚の短冊状ポリイミドフィルムを繋ぎ合わせた。繋がった2枚の短冊状ポリイミドフィルムにさらに、別の短冊状ポリイミドフィルムを同様にして繋ぎ合わせることを繰り返し、長尺の可撓性フィルム回路基板を得た。
【0050】
得られた長尺の可撓性フィルム回路基板を画像認識を利用した自動外観検査装置および電気検査装置に掛け、所定の基準に達しない製品の長尺可撓性フィルム回路基板内位置を中央管理装置に出力した。この情報と回路パターン自動検査装置による検査情報を基にして不良製品マーキングを別装置にて実施した。
搬送領域に形成した二次元バーコードは、短冊基板毎に異なっており、履歴管理が短冊状の可撓性フィルム回路基板毎に細かく実施できた。また、製造ラインの主要設備にバーコード読み取り装置を組み込むことで、自社および顧客での投入間違いや納入間違いの可能性を小さくすることができた。
【0051】
比較例1
搬送領域に二次元バーコードを書き入れなかったこと以外は、実施例1と同様にして長尺の可撓性フィルム回路基板を得た。製品パターンそのもの以外に他の製品と区分する情報はなく、同一パターンであれば全く区分する情報はないので、認識用のカードを人手で製品に脱着して管理した。また、リール一巻分とした40mよりも細かい履歴管理はできず製造工程の短期間の変動の影響は追跡できなかった。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の可撓性フィルム回路基板の態様の一例を示した概略図。
【図2】可撓性フィルム基板連結の概略図。
【図3】搬送用領域に補強パターンがある場合の、識別標識の態様の一例。
【図4】搬送用領域に補強パターンがない場合の、識別標識の態様の一例。
【図5】本発明の可撓性フィルム回路基板製造管理システムの説明図
【符号の説明】
【0053】
1、2、可撓性フィルム基板
3 回路パターン
4 スプロケットホール
5 スプロケットホール補強パターン
6 識別標識
7 接着剤
8 二次元バーコード
10 中央管理装置
11 PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路パターンが形成された可撓性フィルム回路基板であって、回路パターンが形成されない領域に識別標識が付されていることを特徴とする可撓性フィルム回路基板。
【請求項2】
該識別標識が付された可撓性フィルム回路基板が、短冊状可撓性フィルム回路基板を繋ぎ合わせて長尺化したものであり、かつ、該短冊状可撓性フィルム回路基板毎に互いに異なる識別標識が付されてなることを特徴とする請求項1記載の可撓性フィルム回路基板。
【請求項3】
スプロケットホールを有する搬送用領域を基板幅方向端に備えた可撓性フィルム回路基板であって、該搬送用領域に識別標識が付されていることを特徴とする請求項1記載の可撓性フィルム回路基板。
【請求項4】
識別標識が、回路パターンと同じ材料、かつ同じ層構成からなることを特徴とする請求項1記載の可撓性フィルム回路基板。
【請求項5】
可撓性フィルム回路基板の製造方法であって、回路パターンが形成されない領域の所定箇所に識別標識を付することを特徴とする可撓性フィルム回路基板の製造方法。
【請求項6】
該識別標識が書き入れられた可撓性フィルム回路基板が、短冊状可撓性フィルム回路基板を繋ぎ合わせて長尺化したものであり、かつ、該短冊状可撓性フィルム回路基板に互いに異なる識別標識を付することを特徴とする請求項5記載の可撓性フィルム回路基板の製造方法。
【請求項7】
該可撓性フィルム回路基板幅方向端の搬送用領域にスプロケットホールを形成する可撓性フィルム回路基板の製造方法であって、該搬送用領域に識別標識を付することを特徴とする請求項5記載の可撓性フィルム回路基板の製造方法。
【請求項8】
識別標識が、回路パターンと同じ材料、かつ同じ層構成からなることを特徴とする請求項5記載の可撓性フィルム回路基板の製造方法。
【請求項9】
識別標識が、可撓性フィルム回路基板が剥離可能な有機物層を介して補強板に貼り合わされている状態で付されることを特徴とする請求項5記載の可撓性フィルム回路基板の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜4のいずれかに記載の可撓性フィルム回路基板の製造管理システムであって、回路パターンが形成されない領域の所定箇所に識別標識を付するとともに中央管理装置に該識別標識を登録し、各製造工程および各検査工程の履歴を該識別標識に対応させて該中央管理装置に記憶させるようにしたことを特徴とする可撓性フィルム回路基板製造管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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