説明

可読性評価方法、可読性評価装置及び可読性評価プログラム

【課題】文章の可読性を総合的に且つ定量的に評価する。
【解決手段】対象特定部1は、画像として表示するための文章及びその表示態様を評価対象として特定し、可読性因子取得部2は、所定の複数の可読性因子の各数値を、評価対象から可読性判定値として取得する。評価判定部4は、所定の評価式と可読性因子取得部2が取得した複数の可読性判定値とを用いて、評価対象の可読性評価値を算出し、算出した可読性評価値に基づいて、評価対象の可読性を評価する。表示制御部6は、評価判定部4の評価結果を示す画像を表示部12の画面9に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示する文章の可読性を定量的に評価する可読性評価方法、可読性評価システム及び可読性評価プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
文字情報の表示に関し、ディスプレイ上のフォントデザインの良さを評価するフォント最適化装置や、均一色領域を含む画像の視認性を向上させる画像処理装置や、入力されたデータの表示形態あるいは配置についての視覚的な見やすさを評価するプレゼンテーション資料作成支援システムなどが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−101937号公報
【特許文献2】特開2009−296088号公報
【特許文献3】特開平8−180037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液晶などの画面上に文章を表示してユーザに情報を提供する場合、表示可能な解像度やレイアウト上の制約のため、情報量の増加に応じて可読性が低下する可能性が生じる。可読性とは、視認者にとっての読み易さであり、容易に理解して記憶することができ、速読することができ、且つ長時間連続して読み続けることができる文章ほど、可読性が良好な文章であるといえる。
【0005】
従って、事前に決められた所定の文章を画面上に表示する場合において、表示する文章の形態(文字形状やレイアウトなど)を設計する際に、その可読性を評価して設計に反映させることが望ましい。
【0006】
しかし、上記従来の技術は、フォントデザインやレイアウトによる視認性や快適度を判定して評価するものであり、表示する文章の可読性を評価するものではない。
【0007】
そこで、本発明は、文章の可読性を定量的に評価することが可能な可読性評価方法、可読性評価システム及び可読性評価プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明の第1の態様の可読性評価方法は、画像として表示するための文章及びその表示態様を評価対象として特定する対象特定ステップと、任意の文章及びその表示態様から取得可能な所定の複数の可読性因子の各数値を、上記評価対象から可読性判定値として取得する判定値取得ステップと、上記所定の複数の可読性因子の各数値と可読性評価値との関係を示す所定の評価式と、上記判定値取得ステップで取得した複数の可読性判定値とを用いて、上記評価対象の可読性評価値を算出する評価値算出ステップと、上記評価対象の可読性を、上記評価値算出ステップで算出した可読性評価値に基づいて評価する評価ステップと、を備える。
【0009】
本発明の第1の態様の可読性評価装置は、画像として表示するための文章及びその表示態様を評価対象として特定する対象特定手段と、任意の文章及びその表示態様から取得可能な所定の複数の可読性因子の各数値を、上記評価対象から可読性判定値として取得する判定値取得手段と、上記所定の複数の可読性因子の各数値と可読性評価値との関係を示す所定の評価式と、上記判定値取得手段が取得した複数の可読性判定値とを用いて、上記評価対象の可読性評価値を算出する評価値算出手段と、上記評価対象の可読性を、上記評価値算出手段が算出した可読性評価値に基づいて評価する評価手段と、画面を有する表示手段と、上記評価手段の評価結果を示す画像を上記画面に表示させる表示制御手段と、を備える。
【0010】
本発明の第1の態様の可読性評価プログラムは、コンピュータを、画像として表示するための文章及びその表示態様を評価対象として特定する対象特定手段、任意の文章及びその表示態様から取得可能な所定の複数の可読性因子の各数値を、上記評価対象から可読性判定値として取得する判定値取得手段、上記所定の複数の可読性因子の各数値と可読性評価値との関係を示す所定の評価式と、上記判定値取得手段が取得した複数の可読性判定値とを用いて、上記評価対象の可読性評価値を算出する評価値算出手段、上記評価対象の可読性を、上記評価値算出手段が算出した可読性評価値に基づいて評価する評価手段、及び上記評価手段の評価結果を示す画像を表示手段の画面に表示させる表示制御手段、として機能させるためのプログラムである。
【0011】
上記第1の態様の可撓性評価方法、可撓性評価装置及び可撓性評価プログラムでは、所定の複数の可読性因子の各数値を可撓性判定値として評価対象から取得し、所定の評価式と評価対象から取得した複数の可読性判定値とを用いて評価対象の可読性評価値を算出し、算出した可読性評価値に基づいて評価対象の可読性を評価する。従って、文章全体の可撓性を、複数の可撓性因子から算出した可撓性評価値によって、総合的に且つ定量的に評価することができる。
【0012】
また、評価者の主観的な嗜好に左右される評価を排除することができ、可撓性を客観的に評価することができる。
【0013】
従って、事前に決められた所定の文章を画面上に表示する場合において、表示する文章の形態(文字形状やレイアウトなど)を設計する設計者は、表示する文章の形態の可読性を評価して設計に反映させることができる。
【0014】
本発明の第2の態様の可読性評価方法は、上記第1の態様の方法であって、上記評価ステップは、上記所定の複数の可読性因子の各最適値を含むように該複数の可読性因子毎に予め設定された各推奨範囲に、上記判定値取得ステップで取得した各可読性判定値が含まれるか否かをそれぞれ判定する第1の判定ステップと、予め設定された評価値適正範囲に、上記評価値算出ステップで算出した可読性評価値が含まれるか否かを判定する第2の判定ステップと、を含み、上記判定値取得ステップで取得した全ての可読性判定値が上記各推奨範囲にそれぞれ含まれると上記第1の判定ステップで判定し、且つ上記評価値算出ステップで算出した可読性評価値が上記評価値適正範囲に含まれると上記第2の判定ステップで判定した場合に、上記評価対象の可読性が良好であると評価する。
【0015】
本発明の第2の態様の可読性評価装置は、上記第1の態様の装置であって、上記評価手段は、上記所定の複数の可読性因子の各最適値を含むように該複数の可読性因子毎に予め設定された各推奨範囲に、上記判定値取得手段が取得した各可読性判定値が含まれるか否かをそれぞれ判定する第1の判定処理と、予め設定された評価値適正範囲に、上記評価値算出手段が算出した可読性評価値が含まれるか否かを判定する第2の判定処理とを実行し、上記判定値取得手段が取得した全ての可読性判定値が上記各推奨範囲にそれぞれ含まれると上記第1の判定処理で判定し、且つ上記評価値算出手段が算出した可読性評価値が上記評価値適正範囲に含まれると上記第2の判定処理で判定した場合に、上記評価対象の可読性が良好であると評価する。
【0016】
本発明の第2の態様の可読性評価プログラムは、上記第1の態様のプログラムであって、上記評価手段は、上記所定の複数の可読性因子の各最適値を含むように該複数の可読性因子毎に予め設定された各推奨範囲に、上記判定値取得手段が取得した各可読性判定値が含まれるか否かをそれぞれ判定する第1の判定処理と、予め設定された評価値適正範囲に、上記評価値算出手段が算出した可読性評価値が含まれるか否かを判定する第2の判定処理とを実行し、上記判定値取得手段が取得した全ての可読性判定値が上記各推奨範囲にそれぞれ含まれると上記第1の判定処理で判定し、且つ上記評価値算出手段が算出した可読性評価値が上記評価値適正範囲に含まれると上記第2の判定処理で判定した場合に、上記評価対象の可読性が良好であると評価する。
【0017】
上記第2の態様の可撓性評価方法、可撓性評価装置及び可撓性評価プログラムでは、所定の複数の可読性因子の各数値を可撓性判定値として評価対象から取得し、所定の評価式と評価対象から取得した複数の可読性判定値とを用いて評価対象の可読性評価値を算出し、取得した各可読性判定値がそれぞれ対応する各推奨範囲に含まれ、且つ算出した可読性評価値が評価値適正範囲に含まれる場合に、評価対象の可読性が良好であると評価する。
【0018】
すなわち、複数の可読性因子の数値が全て推奨範囲に含まれ、且つ文章全体の可読性評価値も評価値適正範囲に含まれている場合に、評価対象の可読性が良好であると評価される。
【0019】
従って、評価対象の可撓性をさらに総合的に評価することができ、評価結果の信頼性が向上する。
【0020】
本発明の第3の態様の可読性評価方法は、上記第2の態様の方法であって、上記推奨範囲から外れた可読性判定値が存在すると上記第1判定ステップで判定した場合、上記推奨範囲から外れた可読性判定値の可読性因子が修正対象因子であると決定する第1の修正対象決定ステップと、上記判定値取得ステップで取得した全ての可読性判定値が上記推奨範囲に含まれると上記第1の判定ステップで判定し、且つ上記評価値算出ステップで算出した可読性評価値が上記評価適正範囲から外れていると上記第2の判定ステップで判定した場合、上記各推奨範囲よりも狭く且つ上記各最適値を含むように上記所定の複数の可読性因子毎に予め設定された各最適範囲と、上記判定値取得ステップで取得した各可読性判定値とをそれぞれ比較し、上記最適範囲から外れた可読性判定値の可読性因子が修正対象因子であると決定する第2の修正対象決定ステップと、を備える。
【0021】
本発明の第3の態様の可読性評価装置は、上記第2の態様の装置であって、上記推奨範囲から外れた可読性判定値が存在すると上記評価手段が上記第1の判定処理で判定した場合、上記推奨範囲から外れた可読性判定値の可読性因子が修正対象因子であると決定する第1の修正対象決定処理と、上記判定値取得手段が取得した全ての可読性判定値が上記推奨範囲に含まれると上記第1の判定手段が判定し、且つ上記評価値算出手段が算出した可読性評価値が上記評価適正範囲から外れていると上記第2の判定手段が判定した場合、上記各推奨範囲よりも狭く且つ上記各最適値を含むように上記所定の複数の可読性因子毎に予め設定された各最適範囲と、上記判定値取得手段が取得した各可読性判定値とをそれぞれ比較し、上記最適範囲から外れた可読性判定値の可読性因子が修正対象因子であると決定する第2の修正対象決定処理とを実行する修正対象決定手段を備え、上記表示制御手段は、上記修正対象決定手段が決定した可読性因子を示す画像を上記画面に表示させる。
【0022】
本発明の第3の態様の可読性評価プログラムは、上記第2の態様のプログラムであって、上記コンピュータを、上記推奨範囲から外れた可読性判定値が存在すると上記評価手段が上記第1の判定処理で判定した場合、上記推奨範囲から外れた可読性判定値の可読性因子が修正対象因子であると決定する第1の修正対象決定処理と、上記判定値取得手段が取得した全ての可読性判定値が上記推奨範囲に含まれると上記第1の判定手段が判定し、且つ上記評価値算出手段が算出した可読性評価値が上記評価適正範囲から外れていると上記第2の判定手段が判定した場合、上記各推奨範囲よりも狭く且つ上記各最適値を含むように上記所定の複数の可読性因子毎に予め設定された各最適範囲と、上記判定値取得手段が取得した各可読性判定値とをそれぞれ比較し、上記最適範囲から外れた可読性判定値の可読性因子が修正対象因子であると決定する第2の修正対象決定処理とを実行する修正対象決定手段、としてさらに機能させ、上記表示制御手段は、上記修正対象決定手段が決定した可読性因子を示す画像を上記画面に表示させる。
【0023】
上記第3の態様の可撓性評価方法、可撓性評価装置及び可撓性評価プログラムでは、評価対象の可読性が良好ではないと評価した場合、複数の可読性因子の中の何れが修正対象因子であるかを決定する。
【0024】
従って、文章の表示形態を設計する設計者は、評価対象の可読性が良好ではないと評価された際に、可読性を向上させるために変更を要する可読性因子を容易に知ることができ、設計作業を効率的に行うことができる。
【0025】
本発明の第4の態様の可読性評価方法は、上記第3の態様の方法であって、上記評価対象の可読性因子のうち上記第1又は第2の修正対象決定ステップで決定した修正対象因子の可読性判定値を該修正対象因子の最適値に変更することによって上記評価対象の表示態様を再構築し、再構築した表示態様で上記評価対象の文章を表示手段の画面に表示する修正表示ステップを備える。
【0026】
本発明の第4の態様の可読性評価装置は、上記第3の態様の装置であって、上記評価対象の可読性因子のうち上記第1又は第2の修正対象決定手段が決定した修正対象因子の可読性判定値を該修正対象因子の最適値に変更することによって上記評価対象の表示態様を再構築する再構築手段を備え、上記表示制御手段は、上記再構築手段が再構築した表示態様で上記評価対象の文章を上記画面に表示する。
【0027】
本発明の第4の態様の可読性評価プログラムは、上記第3の態様のプログラムであって、上記コンピュータを、上記評価対象の可読性因子のうち上記第1又は第2の修正対象決定手段が決定した修正対象因子の可読性判定値を該修正対象因子の最適値に変更することによって上記評価対象の表示態様を再構築する再構築手段、としてさらに機能させ、上記表示制御手段は、上記再構築手段が再構築した表示態様で上記評価対象の文章を上記画面に表示する。
【0028】
上記第4の態様の可撓性評価方法、可撓性評価装置及び可撓性評価プログラムでは、評価対象の可読性が良好ではないと評価した場合、修正対象因子を最適値に変更することによって評価対象の表示態様を再構築して画面に表示する。
【0029】
従って、文章の表示形態の設計作業をさらに効率良く行うことができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、文章の可読性を総合的に且つ定量的に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態の可読性評価装置を示すブロック構成図である。
【図2】可読性因子の一例を説明する図である。
【図3】評価実行画像の一例を示す概略図である。
【図4】本実施形態の可読性評価制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の一実施形態の可読性評価装置(以下、評価装置と称する)10について、図1〜図3を参照して説明する。
【0033】
評価装置10は、画面上(例えば、車両に搭載される車載表示器の画面上)に画像として表示される所定の文章を評価対象としてその可読性を評価するものであり、評価対象の表示形態(文字形状やレイアウトなど)を設計する設計者などのユーザに好適に使用される。
【0034】
図1に示すように、評価装置10は、処理ユニット11と表示部12と入力部13とを備える。処理ユニット11は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などの処理部15、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶部14、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などを備えた汎用のPC(Personal Computer)によって構成される。処理部15は、記憶部14に記憶された可読性評価プログラムに従って可読性評価処理を実行する。この可読性評価処理において、処理部15は、対象特定部(対象特定手段)1、可読性因子取得部(判定値取得手段)2、評価判定部(評価値算出手段、評価手段、修正対象決定手段)4、修正処理部(再構築手段)5及び表示制御部(表示制御手段)6として機能する。
【0035】
記憶部14には、評価基準データベース3が記憶されている。また、記憶部14には、文章データを記憶する領域、自動修正された文章データを記憶する領域、及び評価結果を記憶する領域などが設定されている。各文章データには、後述するように、文字を特定するデータの他、文字表示に関する様々なデータ(例えば、フォントの種別、文字の大きさ、文字幅、文字高、文字間隔、行間距離、1行の文字数、文字色、背景色など)が含まれる。
【0036】
表示部12は、液晶ディスプレイ等の画面9を有し、表示手段として機能する。
【0037】
表示制御部6は、可読性評価処理の実行中において、図3に示すような評価実行画像30を画面9に表示する。評価実行画像30は、可読性の評価対象(複数の文字からなる文章)がユーザから指定された表示形態で表示される評価対象表示欄31と、判定ボタン32、自動修正ボタン33及び出力ボタン34を示す画像と、可読性の評価結果及び修正対象因子が表示される結果表示欄35とを含む。各ボタン32,33,34の表示は、入力を許容するアクティブな態様と入力を拒絶する非アクティブな態様とに適宜切り替わる。
【0038】
入力部13は、キーボードとマウス(ともに図示省略)によって構成される。ユーザがキーボードに対して文字情報の入力操作や各種指示の入力操作を行うことにより、文字を特定する文字指示信号や、文章の表示に関する表示態様指示信号などが処理部15に入力される。これら文字指示信号及び表示態様指示信号によって、例えばテキストファイル形式の文章データが規定されて記憶部14に記憶される。テキストファイルは、表示形態を規定する因子データ(後述する文字スタイルパラメータ、文字レイアウトパラメータ、視認性パラメータ)を含む。表示制御部6は、最新に記憶されたテキストファイルを画像データに変換して評価対象表示欄31に表示する。テキストファイルに含まれる因子データは、ユーザからの所定のマウス操作又はキーボード操作によって変更される。ユーザからの因子データの変更指示に応じて、評価対象表示欄31に表示された文字(文章)の表示が変更して表示され、変更後のテキストファイルが記憶部14に更新して記憶される。なお、変更されたテキストファイルは、時系列で順次記憶されてもよい。
【0039】
処理部15は、上記テキストファイルに代えて、画像データ(例えば、他の記憶媒体に記憶された画像データ)を文章データとして取得することも可能である。画像データは、ユーザからの所定のマウス操作又はキーボード操作キーボードによって処理部15に取り込まれ、評価対象表示欄31に表示される。取り込まれた画像データは、記憶部14に記憶されるとともに、画像処理によってテキスト変換され、テキストファイルとしても記憶部14に記憶される。なお、テキスト変換によってテキストファイルに反映されない表示態様に関するパラメータについては、画像データから取得してテキストファイルに含める。
【0040】
ユーザがマウス操作によりアクティブなボタン32,33,34にカーソルを合わせ、マウスボタンをクリック(ボタンを押下)することによって、そのボタン32,33,34に対応した実行指示が評価装置10に入力される。なお、マウスに代えて又は加えて、キーボードの所定の複数のキーに、判定ボタン、自動修正ボタン及び出力ボタンをそれぞれ割り当ててもよい。
【0041】
記憶部14にテキストファイル又は画像データが記憶されると、表示制御部6は、判定ボタン32を非アクティブな態様からアクティブな態様に切り替える。また、表示制御部6は、判定ボタン32の押下によって後述する評価処理が実行された後に、自動修正ボタン33及び出力ボタン34を非アクティブな態様からアクティブな態様に切り替える。
【0042】
対象特定部1は、判定ボタン32が押下されたときに、記憶部14に記憶された最新の文章データ(テキストファイル又は画像データ)を評価対象として特定し、記憶部14に設定された評価対象のための記憶領域に、評価対象の文章データを記憶する。
【0043】
可読性因子取得部2は、対象特定部1が特定した評価対象の文章データの複数の可読性因子(可読性パラメータ)のうち、判定対象として予め選択された可読性因子(以下、特定可読性因子と称する)の数値を、可読性判定値として取得する。可読性因子は、文字スタイルパラメータ(文字高、文字幅、縦横比、空間周波数)、文字レイアウトパラメータ(文字間距離、行間距離、行数、1行の文字数、改行位置)、内容パラメータ(全体文字数、連続漢字数、連続仮名文字数)、視認性パラメータ(文字色、背景色、コントラスト)を含む。これらのパラメータが文章の可読性に影響する因子であることは実験によって確認されている。なお、図2には、可読性因子の一部(文字高、文字幅、文字間距離、及び行間距離)が図示されている。
【0044】
文章データがテキストファイルの場合、上記可読性因子のうち、文字高、文字幅、縦横比、文字間距離、及び行間距離の各数値は、文章データから直接取得される。空間周波数の数値は、評価対象表示欄31に表示される画像データから所定の演算に従って算出される。改行位置、全体文字数、連続漢字数、連続仮名文字数は、文章データから計測(計数)される。文字色、背景色、及びコントラストは、各設定と数値との対応関係(例えばテーブル)が予め設定され、その対応関係に従った数値が取得される。また、文章データが画像データの場合、上記可読性因子は、画像データから画像処理によって計測又は算出され、或いは画像データから変換されたテキストファイルから取得される。
【0045】
評価基準データベース3には、可読性判定値の最適値と最適範囲と推奨範囲とが、それぞれ可読性因子毎に予め設定され記憶されている。同一の可撓性因子に対して、最適範囲は、最適値を含む所定の範囲が設定され、推奨範囲は、最適範囲を含む所定の範囲(最適範囲よりも広い範囲)が設定される。最適値とは、可読性に最も適する数値である。最適値、最適範囲及び推奨範囲の設定は、JIS(工業標準調査会)の規格や公知文献や実験結果などから得られる知見に基づいて設定される。
【0046】
また、評価基準データベース3には、後述する評価式に従って算出される可読性評価値の評価値適正範囲が予め設定され記憶されている。この評価値適正範囲も、JIS(工業標準調査会)の規格や公知文献や実験結果などから得られる知見に基づいて設定される。
【0047】
評価判定部4は、評価対象の可読性を評価する評価処理を実行する。評価処理は、第1の判定処理と第2の判定処理と修正対象特定処理とを含む。
【0048】
第1の判定処理では、可読性因子取得部2が取得した可読性判定値が評価基準データベース3に記憶された推奨範囲に含まれるか否かを、各可読性因子毎に判定する。
【0049】
第2の判定処理では、上記特定可読性因子の各数値(可読性判定値)と可読性評価値との関係を示す所定の評価式と、可読性因子取得部2が取得した複数の可読性判定値とを用いて、評価対象の可読性評価値を算出し、算出した可撓性評価値が評価基準データベース3に記憶された評価値適正範囲に含まれるか否かを判定する。
【0050】
評価式は、例えば、サンプル文章の特定可読性因子の各数値を変更した場合の可読性を、数値化した可読性評価値によって評価する実験を行い、その実験結果に基づき、複数の特定可読性因子を説明変数とし、可読性評価値を目的変数とした重回帰分析によって得られる重回帰式(次式(1))である。このように求めた重回帰式(1)のx,x,・・・xに各特定可読性因子の数値(可読性評価値)を代入することによって、可読性評価値(y)が算出される。なお、aは定数であり、a,a,・・・amは偏回帰係数である。
【0051】
y=a+a+a+・・・+a・・式(1)
【0052】
第1の判定処理において全ての可読性判定値が推奨範囲に含まれると判定し、第2の判定処理において可撓性評価値が評価値適正範囲に含まれると判定した場合、評価判定部4は、評価対象の可読性が良好であると評価する。一方、第1の判定処理において可読性判定値の少なくとも1つが推奨範囲に含まれないと判定した場合、或いは第2の判定処理において可撓性評価値が評価値適正範囲に含まれないと判定した場合、評価判定部4は、評価対象の可読性が良好ではないと評価する。
【0053】
修正対象特定処理は、評価対象の可読性が良好ではないと判定した場合に、可読性を良くするために修正することが望ましい修正対象因子を特定可読性因子の中から特定する処理であり、第1の修正対象決定処理と第2の修正対象決定処理とを含む。第1の修正対象決定処理では、第1の判定処理において推奨範囲から外れていると判定した可読性判定値の可読性因子を修正対象因子と決定する。第2の修正対象決定処理は、第1の判定処理において全ての可読性判定値が推奨範囲に含まれると判定し、且つ第2の判定処理において可読性評価値が評価適正範囲から外れていると判定した場合に、評価基準データベース3に記憶された最適範囲と可読性判定値とを可撓性因子毎にそれぞれ比較し、最適範囲から外れた可読性判定値の可読性因子を修正対象因子と決定する。
【0054】
表示制御部6は、評価判定部4の評価結果を示す画像(例えば、可読性が良好である場合は、「可撓性:良好」の文字、可読性が良好ではない場合は、「可読性:良好ではない」の文字)を、結果表示欄35に表示する。また、評価判定部4が修正対象因子を決定した場合は、その修正対象因子を特定する画像(例えば、修正対象因子が縦横比の場合には、「修正対象因子:縦横比」の文字)を、結果表示欄35に表示する。
【0055】
なお、判定ボタン32が押下されてから判定処理が完了するまでの間は、評価対象表示欄31に表示された文章データに対し、ユーザは、入力部13から入力によって適宜修正を加えることができ、表示制御部6は、評価対象表示欄31の画像に修正を反映させて表示する。但し、判定ボタン32が押下されない限り、対象特定部1は、修正後の文章データを評価対象として特定しない。
【0056】
また、修正処理部5は、評価判定部4が評価処理を完了した後の自動修正ボタン33の押下に応じて、自動修正処理を実行する。自動修正処理では、記憶部14に記憶された評価対象の文章データの可読性因子のうち評価判定部4が決定した修正対象因子の可読性判定値を、評価基準データベース3に記憶された対応する最適値に変更することによって、評価対象の文章データ(表示態様)を再構築し、再構築した文章データを修正文章データとして記憶部14に記憶する。修正処理部5が修正文章データを構築すると、表示制御部6は、修正文章データ(修正テキストファイル)を画像データに変換して評価対象表示欄31に表示する。この場合、表示制御部6は、修正前後の画像データの双方を識別可能に並記した状態で表示してもよく、修正前の画像データに代えて修正後の画像データのみを表示してもよい。なお、処理部15が画像データを取得した場合の自動修正処理の対象は、画像データから変換されたテキストデータである。
【0057】
また、表示制御部6は、評価判定部4が評価処理を完了した後の出力ボタン34の押下、或いは修正処理部5が修正文章データを構築した後の出力ボタン34の押下に応じて、可読性評価の結果を示す結果ファイルを生成して表示する。結果ファイルには、評価実行画像30の結果表示欄35に表示される内容の他、さらに詳細な判定結果が含まれる。例えば、結果ファイルでは、特定可読性因子のそれぞれについて、評価対象の可読性判定値が、推奨範囲、最適値及び最適範囲と比較可能な状態で表示され、また、評価対象の可読性評価値が、評価値適正範囲と比較可能な状態で表示される。また、処理ユニット11は、ユーザからの所定のマウス操作又はキーボード操作に応じて、印刷装置(図示省略)を制御して結果ファイルを印刷させる。なお、結果ファイルは、ユーザが指定した評価対象の文章データや自動修正後の文章データを含んでもよい。
【0058】
次に、ユーザからの指示に従って処理ユニット11が実行する可読性評価処理について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。本例では、ユーザがキーボードを操作して評価対象(テキストファイル)を直接入力する場合について説明する。
【0059】
本処理は、ユーザからの所定の開始指示の入力によって開始される。
【0060】
本処理が開始すると、表示制御部6は、評価実行画像30を画面9に表示する。ユーザがキーボードを操作して評価対象を入力すると、表示制御部6は、評価対象を評価対象表示欄31に表示する(ステップS1)。ユーザは、評価対象表示欄31の表示を見ながら、評価対象の内容や表示形態を変更することができる。
【0061】
評価対象を確定したユーザは、判定ボタン32を押下する。判定ボタン32が押下されると(ステップS2:YES)、対象特定部1は、記憶部14に記憶された最新のテキストファイルを評価対象として特定し、可読性因子取得部2は、対象特定部1が特定したテキストファイルから可読性判定値(特定可読性因子の数値)を取得する(ステップS3)。
【0062】
次に、評価判定部4は、第1及び第2の判定処理を実行する。第1の判定処理では、可読性判定値と評価基準データベース3に記憶された推奨範囲とを比較し、第2の判定処理では、評価対象の可読性評価値を算出し、可読性判定値から算出した可撓性評価値と評価基準データベース3に記憶された評価値適正範囲とを比較する(ステップS4)。
【0063】
第1の判定処理において全ての可読性判定値が推奨範囲に含まれると判定し、第2の判定処理において可撓性評価値が評価値適正範囲に含まれると判定すると、評価判定部4は、評価対象の可読性が良好であると評価し(ステップS5:YES)、ステップS7へ移行する。
【0064】
一方、第1の判定処理において可読性判定値の少なくとも1つが推奨範囲に含まれないと判定し、或いは第2の判定処理において可撓性評価値が評価値適正範囲に含まれないと判定すると、評価判定部4は、評価対象の可読性が良好ではないと評価し(ステップS5:NO)、修正対象特定処理を実行する(ステップS6)。修正対象特定処理では、推奨範囲から外れた可読性判定値の可読性因子を修正対象因子と決定し、或いは、最適範囲から外れた可読性判定値の可読性因子を修正対象因子と決定し、ステップS7へ移行する。
【0065】
ステップS7において、表示制御部6は、評価判定部4の評価結果を示す画像や修正対象因子を示す画像を結果表示欄35に表示する。
【0066】
結果表示欄35の表示内容を見たユーザは、自動修正を行うか否かを判断し、自動修正を行う場合には、自動修正ボタン33を押下する。
【0067】
自動修正ボタン33が押下されると(ステップS8:YES)、修正処理部5は、自動修正処理を実行する。自動修正処理では、記憶部14に記憶された評価対象のテキストファイルの可読性因子のうち評価判定部4が決定した修正対象因子の可読性判定値を、評価基準データベース3に記憶された対応する最適値に変更することによって、評価対象のテキストファイルを再構築し、再構築したテキストファイルを修正テキストファイルとして記憶部14に記憶する。
【0068】
修正処理部5が自動修正処理を完了すると、表示制御部6は、修正テキストファイルを画像データに変換して評価対象表示欄31に表示する(ステップS10)。
【0069】
また、結果表示欄35の表示内容を見たユーザは、自動修正に代えて、手入力によって評価対象のテキストファイルを修正することも可能である。この場合、ユーザは、評価対象表示欄31に表示された文章データに対し、入力部13から入力によって適宜修正を加え、表示制御部6は、評価対象表示欄31の画像に修正を反映させて表示する(ステップS10)。
【0070】
自動修正又は手入力によって修正を行ったユーザが判定ボタン32を再度押下すると(ステップS11:YES)、処理部11は、ステップS3からの処理を再度実行する。すなわち、対象特定部1が、修正後のテキストファイルを評価対象として特定し、可読性因子取得部2が、そのテキストファイルから可読性判定値を取得し(ステップS3)、評価判定部4が、第1及び第2の判定処理を実行し(ステップS4,S5)、その判定結果に応じて修正対象特定処理を実行し(ステップS6)、表示制御部6が、評価判定部4の評価結果を示す画像や修正対象因子を示す画像を結果表示欄35に表示する(ステップS7)。
【0071】
また、ステップS7の処理によって評価結果が表示された状態で、ユーザが判定ボタン32を再度押下せずに出力ボタン34を押下すると(ステップS12:YES)、表示制御部6は、直前(最新)の評価処理の結果を示す結果ファイルを生成して表示し(ステップS13)、処理部15は本処理を終了する。
【0072】
以上説明したように、本実施形態によれば、可読性因子取得部2は、所定の複数の可読性因子の各数値を可撓性判定値として評価対象から取得し、評価判定部4は、所定の評価式と評価対象から取得した複数の可読性判定値とを用いて評価対象の可読性評価値を算出し、取得した各可読性判定値がそれぞれ対応する各推奨範囲に含まれ、且つ算出した可読性評価値が評価値適正範囲に含まれる場合に、評価対象の可読性が良好であると評価する。
【0073】
すなわち、複数の可読性因子の数値が全て推奨範囲に含まれ、且つ文章全体の可読性評価値も評価値適正範囲に含まれている場合に、評価対象の可読性が良好であると評価される。
【0074】
このため、文章全体の可撓性を、複数の可撓性因子から算出した可撓性評価値によって、総合的に且つ定量的に評価することができ、評価結果の信頼性が向上する。
【0075】
また、評価者の主観的な嗜好に左右される評価を排除することができ、可撓性を客観的に評価することができる。
【0076】
従って、事前に決められた所定の文章を画面上に表示する場合において、表示する文章の形態を設計する設計者は、表示する文章の形態の可読性を評価して設計に反映させることができる。
【0077】
また、評価判定部4は、評価対象の可読性が良好ではないと評価した場合、複数の可読性因子の中の何れが修正対象因子であるかを決定し、表示制御部6は、修正対象因子を特定する画像を画面9に表示する。
【0078】
従って、設計者は、評価対象の可読性が良好ではないと評価された際に、可読性を向上させるために変更を要する可読性因子を容易に知ることができ、設計作業を効率的に行うことができる。
【0079】
さらに、修正処理部5は、評価対象の可読性が良好ではないと評価した場合に、修正対象因子を最適値に変更することによって評価対象の表示態様を再構築して画面9に表示するので、文章の表示形態の設計作業をさらに効率良く行うことができる。
【0080】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態には限定されず、他の様々な実施形態を含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、文章の可読性を総合的に且つ定量的に評価する装置として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0082】
1:対象特定部(対象特定手段)
2:可読性因子取得部(判定値取得手段)
3:評価基準データベース
4:評価判定部(評価値算出手段、評価手段、修正対象決定手段)
5:修正処理部(再構築手段)
6:表示制御部(表示制御手段)
9:画面(ディスプレイ)
10:可読性評価装置(評価装置)
11:処理ユニット
12:表示部
13:入力部
14:記憶部
15:処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像として表示するための文章及びその表示態様を評価対象として特定する対象特定ステップと、
任意の文章及びその表示態様から取得可能な所定の複数の可読性因子の各数値を、前記評価対象から可読性判定値として取得する判定値取得ステップと、
前記所定の複数の可読性因子の各数値と可読性評価値との関係を示す所定の評価式と、前記判定値取得ステップで取得した複数の可読性判定値とを用いて、前記評価対象の可読性評価値を算出する評価値算出ステップと、
前記評価対象の可読性を、前記評価値算出ステップで算出した可読性評価値に基づいて評価する評価ステップと、
を備えたことを特徴とする可読性評価方法。
【請求項2】
請求項1に記載の可読性評価方法であって、
前記評価ステップは、前記所定の複数の可読性因子の各最適値を含むように該複数の可読性因子毎に予め設定された各推奨範囲に、前記判定値取得ステップで取得した各可読性判定値が含まれるか否かをそれぞれ判定する第1の判定ステップと、予め設定された評価値適正範囲に、前記評価値算出ステップで算出した可読性評価値が含まれるか否かを判定する第2の判定ステップと、を含み、前記判定値取得ステップで取得した全ての可読性判定値が前記各推奨範囲にそれぞれ含まれると前記第1の判定ステップで判定し、且つ前記評価値算出ステップで算出した可読性評価値が前記評価値適正範囲に含まれると前記第2の判定ステップで判定した場合に、前記評価対象の可読性が良好であると評価する
ことを特徴とする可読性評価方法。
【請求項3】
請求項2に記載の可読性評価方法であって、
前記推奨範囲から外れた可読性判定値が存在すると前記第1判定ステップで判定した場合、前記推奨範囲から外れた可読性判定値の可読性因子が修正対象因子であると決定する第1の修正対象決定ステップと、
前記判定値取得ステップで取得した全ての可読性判定値が前記推奨範囲に含まれると前記第1の判定ステップで判定し、且つ前記評価値算出ステップで算出した可読性評価値が前記評価適正範囲から外れていると前記第2の判定ステップで判定した場合、前記各推奨範囲よりも狭く且つ前記各最適値を含むように前記所定の複数の可読性因子毎に予め設定された各最適範囲と、前記判定値取得ステップで取得した各可読性判定値とをそれぞれ比較し、前記最適範囲から外れた可読性判定値の可読性因子が修正対象因子であると決定する第2の修正対象決定ステップと、を備えた
ことを特徴とする可読性評価方法。
【請求項4】
請求項3に記載の可読性評価方法であって、
前記評価対象の可読性因子のうち前記第1又は第2の修正対象決定ステップで決定した修正対象因子の可読性判定値を該修正対象因子の最適値に変更することによって前記評価対象の表示態様を再構築し、再構築した表示態様で前記評価対象の文章を表示手段の画面に表示する修正表示ステップを備えた
ことを特徴とする可読性評価方法。
【請求項5】
画像として表示するための文章及びその表示態様を評価対象として特定する対象特定手段と、
任意の文章及びその表示態様から取得可能な所定の複数の可読性因子の各数値を、前記評価対象から可読性判定値として取得する判定値取得手段と、
前記所定の複数の可読性因子の各数値と可読性評価値との関係を示す所定の評価式と、前記判定値取得手段が取得した複数の可読性判定値とを用いて、前記評価対象の可読性評価値を算出する評価値算出手段と、
前記評価対象の可読性を、前記評価値算出手段が算出した可読性評価値に基づいて評価する評価手段と、
画面を有する表示手段と、
前記評価手段の評価結果を示す画像を前記画面に表示させる表示制御手段と、を備えた
ことを特徴とする可読性評価装置。
【請求項6】
請求項5に記載の可読性評価装置であって、
前記評価手段は、前記所定の複数の可読性因子の各最適値を含むように該複数の可読性因子毎に予め設定された各推奨範囲に、前記判定値取得手段が取得した各可読性判定値が含まれるか否かをそれぞれ判定する第1の判定処理と、予め設定された評価値適正範囲に、前記評価値算出手段が算出した可読性評価値が含まれるか否かを判定する第2の判定処理とを実行し、前記判定値取得手段が取得した全ての可読性判定値が前記各推奨範囲にそれぞれ含まれると前記第1の判定処理で判定し、且つ前記評価値算出手段が算出した可読性評価値が前記評価値適正範囲に含まれると前記第2の判定処理で判定した場合に、前記評価対象の可読性が良好であると評価する
ことを特徴とする可読性評価装置。
【請求項7】
請求項6に記載の可読性評価装置であって、
前記推奨範囲から外れた可読性判定値が存在すると前記評価手段が前記第1の判定処理で判定した場合、前記推奨範囲から外れた可読性判定値の可読性因子が修正対象因子であると決定する第1の修正対象決定処理と、前記判定値取得手段が取得した全ての可読性判定値が前記推奨範囲に含まれると前記第1の判定手段が判定し、且つ前記評価値算出手段が算出した可読性評価値が前記評価適正範囲から外れていると前記第2の判定手段が判定した場合、前記各推奨範囲よりも狭く且つ前記各最適値を含むように前記所定の複数の可読性因子毎に予め設定された各最適範囲と、前記判定値取得手段が取得した各可読性判定値とをそれぞれ比較し、前記最適範囲から外れた可読性判定値の可読性因子が修正対象因子であると決定する第2の修正対象決定処理とを実行する修正対象決定手段を備え、
前記表示制御手段は、前記修正対象決定手段が決定した可読性因子を示す画像を前記画面に表示させる
ことを特徴とする可読性評価装置。
【請求項8】
請求項7に記載の可読性評価装置であって、
前記評価対象の可読性因子のうち前記第1又は第2の修正対象決定手段が決定した修正対象因子の可読性判定値を該修正対象因子の最適値に変更することによって前記評価対象の表示態様を再構築する再構築手段を備え、
前記表示制御手段は、前記再構築手段が再構築した表示態様で前記評価対象の文章を前記画面に表示する
ことを特徴とする可読性評価装置。
【請求項9】
コンピュータを、
画像として表示するための文章及びその表示態様を評価対象として特定する対象特定手段、
任意の文章及びその表示態様から取得可能な所定の複数の可読性因子の各数値を、前記評価対象から可読性判定値として取得する判定値取得手段、
前記所定の複数の可読性因子の各数値と可読性評価値との関係を示す所定の評価式と、前記判定値取得手段が取得した複数の可読性判定値とを用いて、前記評価対象の可読性評価値を算出する評価値算出手段、
前記評価対象の可読性を、前記評価値算出手段が算出した可読性評価値に基づいて評価する評価手段、及び
前記評価手段の評価結果を示す画像を表示手段の画面に表示させる表示制御手段、
として機能させるための可読性評価プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の可読性評価プログラムであって、
前記評価手段は、前記所定の複数の可読性因子の各最適値を含むように該複数の可読性因子毎に予め設定された各推奨範囲に、前記判定値取得手段が取得した各可読性判定値が含まれるか否かをそれぞれ判定する第1の判定処理と、予め設定された評価値適正範囲に、前記評価値算出手段が算出した可読性評価値が含まれるか否かを判定する第2の判定処理とを実行し、前記判定値取得手段が取得した全ての可読性判定値が前記各推奨範囲にそれぞれ含まれると前記第1の判定処理で判定し、且つ前記評価値算出手段が算出した可読性評価値が前記評価値適正範囲に含まれると前記第2の判定処理で判定した場合に、前記評価対象の可読性が良好であると評価する
ことを特徴とする可読性評価プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の可読性評価プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記推奨範囲から外れた可読性判定値が存在すると前記評価手段が前記第1の判定処理で判定した場合、前記推奨範囲から外れた可読性判定値の可読性因子が修正対象因子であると決定する第1の修正対象決定処理と、前記判定値取得手段が取得した全ての可読性判定値が前記推奨範囲に含まれると前記第1の判定手段が判定し、且つ前記評価値算出手段が算出した可読性評価値が前記評価適正範囲から外れていると前記第2の判定手段が判定した場合、前記各推奨範囲よりも狭く且つ前記各最適値を含むように前記所定の複数の可読性因子毎に予め設定された各最適範囲と、前記判定値取得手段が取得した各可読性判定値とをそれぞれ比較し、前記最適範囲から外れた可読性判定値の可読性因子が修正対象因子であると決定する第2の修正対象決定処理とを実行する修正対象決定手段、
としてさらに機能させ、
前記表示制御手段は、前記修正対象決定手段が決定した可読性因子を示す画像を前記画面に表示させる
ことを特徴とする可読性評価プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の可読性評価プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記評価対象の可読性因子のうち前記第1又は第2の修正対象決定手段が決定した修正対象因子の可読性判定値を該修正対象因子の最適値に変更することによって前記評価対象の表示態様を再構築する再構築手段、
としてさらに機能させ、
前記表示制御手段は、前記再構築手段が再構築した表示態様で前記評価対象の文章を前記画面に表示する
ことを特徴とする可読性評価プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−230652(P2012−230652A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100191(P2011−100191)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】