説明

可逆的アセチル化によるタンパク質活性の調節方法

本発明は、SIRT3の最初の細胞性アセチル化基質タンパク質であって、ミトコンドリアマトリックスタンパク質である、アセチル-CoAシンセターゼ2(AceCS2)を開示する。AceCS2は、酵素の活性部位中のリジン642(Lys642)で可逆的にアセチル化される。ミトコンドリアサーチュインSIRT3はAceCS2と相互作用しかつインビトロおよびインビボの両方においてLys642を脱アセチル化する。SIRT3によるAceCS2の脱アセチル化は、AceCS2のアセチル-CoAシンセターゼ活性を活性化する。したがって、哺乳類サーチュインは、可逆的リジンアセチル化を介して代謝酵素の活性を直接制御する。AceCS2のアセチル化状態または活性の調整剤は、II型糖尿病、高コレステロール血症、高脂血症、および肥満などの、病理学的状態の処置に有用である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、SIRT3ポリペプチドのレベルまたはデアセチラーゼ活性を増加させる薬剤を同定するための方法:
(a)SIRT3ポリペプチドおよびアセチル-CoAシンセターゼ2(AceCS2)ポリペプチドを発現する細胞と候補薬剤とを接触させる工程;ならびに
(b)該細胞内のアセチル化AceCS2のレベルに対する候補薬剤の効果がある場合、該効果を決定する工程。
【請求項2】
工程(b)が、アセチル化AceCS2に特異的な抗体を用いる免疫学的アッセイを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
細胞が哺乳類細胞である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
哺乳類細胞が、心臓細胞、筋肉細胞、および脳細胞からなる群より選択される、請求項3記載の方法。
【請求項5】
哺乳類細胞がヒト細胞である、請求項3記載の方法。
【請求項6】
(c)候補薬剤の構造または配列を同定する工程
をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
以下の工程を含む、SIRT3ポリペプチドのレベルまたはデアセチラーゼ活性を増加させる薬剤を同定するための方法:
(a)NAD+を含むアッセイ混合物中のSIRT3ポリペプチドおよびアセチル化アセチル-CoAシンセターゼ2(AceCS2)ポリペプチドと候補薬剤とを接触させる工程;ならびに
(b)該アッセイ混合物中のアセチル化AceCS2のレベルに対する候補薬剤の効果がある場合、該効果を決定する工程
ここで、候補薬剤で処理されていないアッセイ混合物中のアセチル化AceCS2の第二のレベルと比較したアッセイ混合物中のアセチル化AceCS2の第一のレベルの減少が、SIRT3ポリペプチドのレベルまたはデアセチラーゼ活性を増加させる薬剤を示している。
【請求項8】
アセチル化AceCS2ポリペプチドが14C標識アセチル基を含み、かつ工程(b)が14C標識アセチル基の放出を測定することによって行なわれる、請求項7記載の方法。
【請求項9】
以下の工程を含む、アセチル-CoAシンセターゼ2(AceCS2)ポリペプチドのレベル、アセチル化状態、または活性を調整する薬剤を同定するための方法:
(a)AceCS2ポリペプチドを発現する細胞と候補薬剤とを接触させる工程;および
(b)該細胞内のAceCS2のレベル、アセチル化状態、または活性に対する候補薬剤の効果がある場合、該効果を決定する工程。
【請求項10】
以下の工程を含む、アセチル-CoAシンセターゼ2(AceCS2)ポリペプチドのレベル、アセチル化状態、または活性を調整する薬剤を同定するための方法:
(a)アッセイ混合物中のAceCS2ポリペプチドと候補薬剤とを接触させる工程;および
(b)該アッセイ混合物中のAceCS2のレベル、アセチル化状態、または活性に対する候補薬剤の効果がある場合、該効果を決定する工程。
【請求項11】
請求項1記載の方法によって同定される、生物学的に活性な薬剤。
【請求項12】
請求項9記載の方法によって同定される、生物学的に活性な薬剤。
【請求項13】
アセチル-CoAシンセターゼ2(AceCS2)ポリペプチドのアセチル化状態を調整するための方法であって、AceCS2ポリペプチドを発現する細胞と請求項1記載の方法によって得ることができる薬剤とを接触させる工程を含む、方法。
【請求項14】
アセチル-CoAシンセターゼ2(AceCS2)ポリペプチドのアセチル化状態を調整するための方法であって、AceCS2ポリペプチドを発現する細胞と請求項9記載の方法によって得ることができる薬剤とを接触させる工程を含む、方法。
【請求項15】
SIRT3のレベルまたはデアセチラーゼ活性を増加させる治療的有効量の薬剤を個体に投与する工程を含む、個体における病理学的状態の処置のための方法であって、
SIRT3がAceCS2を脱アセチル化し;
病理学的状態が、上昇したアセテートレベルを特徴とし;かつ
病理学的状態が処置される、方法。
【請求項16】
病理学的状態が、II型糖尿病、高コレステロール血症、高脂血症、および肥満からなる群より選択される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
個体がヒトまたは非ヒト動物である、請求項15記載の方法。
【請求項18】
(i)請求項1記載の方法によって得ることができる薬剤;および
(ii)薬学的に許容される担体
を含む、SIRT3のレベルまたはデアセチラーゼ活性を増加させるための薬学的組成物。
【請求項19】
(i)請求項9記載の方法によって得ることができる薬剤;および
(ii)薬学的に許容される担体
を含む、アセチル-CoAシンセターゼ2(AceCS2)ポリペプチドのレベル、アセチル化状態、または活性を調整するための薬学的組成物。
【請求項20】
(i)請求項1記載の方法によって得ることができる薬剤を含む容器;ならびに
(ii)該薬剤とSIRT3ポリペプチドおよびアセチル-CoAシンセターゼ2(AceCS2)ポリペプチドを発現する細胞とを接触させ、かつ該細胞内のアセチル化AceCS2のレベル、アセチル化状態、または活性に対する該薬剤の効果を決定するための取扱説明書
を含む、SIRT3のレベルまたはデアセチラーゼ活性を増加させるためのキット。
【請求項21】
(i)請求項9記載の方法によって得ることができる薬剤を含む容器;ならびに
(ii)AceCS2ポリペプチドを発現する細胞を接触させ、かつAceCS2のレベル、アセチル化状態、または活性に対する該薬剤の効果を決定するための取扱説明書
を含む、アセチル-CoAシンセターゼ2(AceCS2)ポリペプチドのレベル、アセチル化状態、または活性を調整するためのキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2009−542195(P2009−542195A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515460(P2009−515460)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/013804
【国際公開番号】WO2007/149270
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(508101797)
【Fターム(参考)】