説明

右旋性モルヒナンの神経保護特性

本発明は神経保護的化合物に関するものである。さらに、本発明はパーキンソン病又はパーキンソン病の症状、アルツハイマー病における学習障害や記憶障害、コカイン、モルヒネ及びメタンフェタミン(methamphetamine)のような麻薬類に対する中毒及び又は依存症を含む多様な神経学的症状を治療することに用いられるモルヒナン化合物に関するものである。また、本発明は前記モルヒナン化合物の医薬剤形に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、神経保護的化合物に関する。より詳細には、本発明は、パーキンソン病又はパーキンソン病の症状、アルツハイマー病における学習障害や記憶障害、コカイン、モルヒネ及びメタンフェタミン(methamphetamine)のような麻薬類に対する中毒及び又は依存症を含む多様な神経学的状態を治療するに用いられるモルヒナン化合物に関する。また本発明は、前記モルヒナン化合物の医薬剤形に関する。
【背景技術】
【0002】
デキストロメトルファン(Dextromethorphan, DM;3−メトキシ−17−メチルモルヒナン)はほぼ40年間鎮咳薬として広く用いられて来た非麻薬性モルヒナン誘導体であって、その神経保護的特性によって注目されてきている(5,9,17〜20,23,24,26,27,33,34,46,50,51)。しかし、子供における毒性報告(43,45);及び高用量のDM摂取と関連したフェンシクリジン(phencyclidine,PCP)類の精神異常反応(8,1244,53)はDMの主要代謝産物であるデキストロルファン(Dextrorphan,DX;3−ヒドロキシ(hydroxy)−17−メチルモルヒナン)に起因するものと見られる(50,51)。神経保護に有効なDMの用量(17−20,50,51)が鎮咳薬の用量より非常に高い。臨床的に、高用量のDMは精神作用を誘発し得る(8,12,19,43−45,53)。さらに、DMはいくつかの国で薬物探索行動を誘発する物質として認識されて来ている(19,43,45)。従来より、DMがコカインによって誘発される精神作用を増強させ(13,25)、DMそのものがマウスにおいて精神障害效果を誘発し得ることが示唆された(12,15,20,24,27)。その上、長期間にわたるDM投与は細胞性免疫反応を攪乱し(16)、これはPCPによって誘発される免疫抑制效果と類似しているということが証明された(19)。過去10年にわたって、DMが神経保護と関連してN−メチル(methyl)−D−アスパラギン酸塩(aspartate)(NMDA)受容体に拮抗作用を有するということを多くの研究者が報告している(5,9,19,20,50)。従って、生体内で(in vivo)DXに変換することなく神経保護的活性を保有するDM類似体は非常に有用であるとみなされている(7,24,27,46,50,51)。
【0003】
最近、ごくわずかな精神作用を有し、抗痙攣作用及び神経保護的特性を有する化合物を開発するために、モルヒナン環構造の3番及び17番位置が置換された一連の化合物が合成された(24)。抗痙攣効果及び神経保護的効果を保持する一方、PCP−類似の行動的副作用(24,39,46)を減少させるため、構造的にDMと類似するが、DXに代謝されないか、またはDMに比べて低い比率でDXに代謝されると予想される一連の3番位置及び17番位置が置換されたモルヒナンが製造された(24)。
【0004】
1−メチル−4−フェニル−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン(MPTP)(3,40)、リポ多糖類(lipopolysaccharide)(LPS)(10,28,40)及びメタンフェタミン(methamphetamine)(MA)(21,22,29)のいずれもげっ歯類、霊長類及びその他の種において黒質線条体のドーパミン作動性ニューロン(nigrostriatal dopaminergic nueron)の変性及び線条体ドーパミン(striatal dopamine)の損失をもたらす(40)。蓄積された証拠はDMが生体内(in vivo)(14,47)及び生体外(in vitro)(33)で抗パーキンソン病作用を発揮することを示している。また、DMの低い治療指数及び精神作用のため臨床有用性が制限されているが、DMはパーキンソン病における運動変動(motor fluctuation)及び運動障害(dyskinesia)と関連したレボドーパ(levodopa)を向上させる。
【0005】
従って、神経生物学産業では実質的に許容されない副作用がなく、他の否定的な心理的效果も発生することなくパーキンソン病の症状を治療できる神経保護的効果を有する薬剤化合物が求められている実情である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は神経保護的化合物又は神経保護的化合物を含む組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、抗パーキンソンに有效な量の3−ヒドロキシモルヒナン(hydoxymorphinan)(HM)、3−ヒドロキシモルヒナン(HM)誘導体又はその生理的に許容されるモルヒナン塩を医薬担体(carrier)又は賦形剤(excipient)とともに含む抗パーキンソン用医薬組成物が提供される。ここで、前記3−ヒドロキシモルヒナン誘導体は3番及び17番位置が置換されたものであって、3−アリルオキシ−17−メチルモルヒナン(AM)、3−シクロプロピルメトキシ−17−メチルモルヒナン(CM)、及び3−メチル−17−メチルモルヒナン(DF)を含むことができるが、これらに限定されない。前記組成物はモルヒナン化合物の混合物を含み得る。特に、本発明は3−ヒドロキシモルヒナンに関するものである。前記組成物は他の神経保護剤又は他の薬理学的に許容される化合物をさらに含むことができる。前記組成物は徐放性製剤(sustained release dosage form)であってもよい。
【0008】
本発明の他の態様によれば、人体に経口投与されるようにデザインされた形態を有するものであって、前記モルヒナン又はその生理学的に許容されるモルヒナン塩を含み、前記モルヒナン又はその塩がパーキンソン病の症状を実質的に軽減させる治療的に有効な量であり、かつ許容されない副作用を誘発させないパーキンソン病治療用単位製剤(unit dosage formulation)が提供される。前記単位製剤はモルヒナン又は生理学的に許容されるモルヒナン塩を封入する消化可能なカプセルを含み得る。また、このような製剤においてモルヒナンの用量は約250mg/日以下であってもよい。
【0009】
本発明のまた他の態様は、パーキンソン病被検者又は動物に抗パーキンソンに有効な量の前記組成物を投与するパーキンソン病又はパーキンソン病の症状治療法が提供される。このような治療法において、前記組成物はモルヒナン化合物の混合物を含む。特に、前記モルヒナン化合物は3−ヒドロキシモルヒナンであることができる。また、前記治療方法において、前記組成物は徐放性製剤であってもよい。さらに、前記組成物はモルヒナン又は生理学的に許容されるモルヒナン塩を封入する消化可能なカプセルを含み得る。また、前記組成物は約250mg/日以下に投与され得る。なお、前記組成物は神経保護剤をさらに含み得る。
【0010】
本発明の別の態様によれば、本発明は被検者に神経保護に有效な量の前記組成物を投与する被検者の黒質(substantia nigra)でのドーパミン生成の減少を抑制する方法が提供される。
【0011】
本発明のまた別の態様によれば、アルツハイマー病に有效な量の3−ヒドロキシモルヒナン(HM)又は3−ヒドロキシモルヒナン(HM)誘導体又はその生理学的に許容されるモルヒナン塩を医薬担体(carrier)又は賦形剤(excipient)とともに含むアルツハイマー病の症状治療又は予防用医薬組成物が提供される。ここで、前記3−ヒドロキシモルヒナン誘導体は3番及び17番位置が置換されたものであって、3−アリルオキシ−17−メチルモルヒナン(AM)、3−シクロプロピルメトキシ−17−メチルモルヒナン(CM)及び3−メチル−17−メチルモルヒナン(DF)モルヒナン誘導体を含むことができるが、これらに限定されない。前記組成物はモルヒナン化合物の混合物を含み得る。特に、本発明は3−ヒドロキシモルヒナンに関するものである。前記組成物は他の神経保護剤又は他の生理学的に許容される化合物をさらに含み得る。前記組成物は徐放性製剤であってもよい。特に、アルツハイマー病と関連した学習障害や記憶障害を治療し得る。この点において、本発明は治療を要する被検者又は動物にアルツハイマー病に有效な量の前記組成物を投与することを含む、アルツハイマー病と関連した学習障害及び記憶障害の治療又は予防方法を提供することである。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、中毒治療に有效な量の3−ヒドロキシモルヒナン(HM)又は3−ヒドロキシモルヒナン(HM)誘導体又はその生理学的に許容されるモルヒナン塩を医薬担体(carrier)又は賦形剤(excipient)とともに含む麻薬中毒症状又は向精神薬中毒症状又は依存症治療用医薬組成物に関するものである。ここで、前記3−ヒドロキシモルヒナン誘導体は3番及び17番位置が置換されたものであって、3−アリルオキシ−17−メチルモルヒナン(AM)、3−シクロプロピルメトキシ−17−メチルモルヒナン(CM)、及び3−メチル−17−メチルモルヒナン(DF)を含むことができるが、これらに限定されない。前記組成物はモルヒナン化合物の混合物を含み得る。特に、本発明は3−ヒドロキシモルヒナンに関するものである。前記組成物は他の神経保護剤又は他の薬理学的に許容される化合物をさらに含み得る。前記組成物は徐放性製剤であってもよい。この点において、本発明は治療を要する被検者又は動物に中毒治療に有效な量の前記組成物を投与することを特徴とする、麻薬中毒治療方法を提供することができる。特に、麻薬はコカイン、モルヒネ又はメタンフェタミンでああるが、これらに限定されない。
【0013】
本発明のまた他の態様によれば、治療を要する被検者又は動物に麻薬依存症治療に有效な量の前記組成物を投与することを含む、麻薬依存症治療法が提供される。特に、麻薬依存症はコカイン、モルヒネ又はメタンフェタミンに対する依存症であるが、これらに限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
まず、本出願で用いられる用語は目的物の単数及び複数を全部含む。一つ以上の追加的な治療剤と「組み合せられた(in combination with)」投与とは、他の治療剤と同時に又は連続して投与されることを意味する。
【0015】
また、「有效な量(effective amount)」とは、有益であるか要求される臨床学的又は生物学的結果を発揮するのに十分な量を意味する。有效な量(effective amount)は1回以上投与され得る。本発明の目的を達成するために、モルヒナン化合物の有效な量は病気の緩和、改善、安定、逆転又は進行を遅らせるのに十分な量を意味する。本発明の好適な実施形態で、「有效な量(effective amount)」とは黒質でのドーパミン生成の減少を抑制できる量、及びパーキンソン病の症状を実質的に軽減させる量と定義される。有效な量(effective amount)の他の形態はアルツハイマー病と関連した学習障害や記憶障害を治療又は予防し得る量を意味する。さらに他の形態での有效量(effective amount)は麻薬中毒症状を治療するのに有効な量であることができ、かかる症状は無痛覚症(analgesia)、多幸症(euphoria)、呼吸困難(respiratory depression)、縮瞳(miosis)、鎮静(sedation)、情動不安(dysphoria)、幻覚(hallucinations)、精神異常(psychosis)、脳卒中(seizure)などを含むが、これらに限定されない。また、有效な量(effective amount)は制限されないが、コカイン、モルヒネ又はメタンフェタミンのような麻薬類に対する依存症を実質的に緩和させるか軽減させるために用いられる量であると言える。また、他の実施形態で、「有效な量(effective amount)」は神経保護に有効なモルヒナン量と定義される。
【0016】
ここで、一つ以上の追加的な治療剤と「組み合せられた(in combination with)」投与とは同時に又は連続して投与されることを意味する。
【0017】
本発明で用いられる用語のうち、治療目的のための「哺乳動物(mammal)」又は「被検者(subject)」とはヒト、犬、猫、馬、羊、豚などのような家畜及び動物園動物、競技用動物、ペットを含む、哺乳類に分類される全ての動物を総称する。好ましくは哺乳動物(mammal)はヒトである。
【0018】
本発明で用いられる用語のうち、「神経保護的(neuroprotective)」治療剤とは、局所貧血(ischemia)、脳卒中(stroke)、痙攣(convulsion)又は外傷(trauma)から脳又は脊髓損傷を防止するために用いられる薬剤又は化学剤を意味する。一部は事前に投与されるが、一部は一定の時間が経過した後でも效果的である。これらは多様なメカニズムにより作用するが、時々直接又は間接的に内因性の興奮性アミノ酸(endogenous excitatory amino acid)によって誘発された損傷を最小化させる。さらに、神経保護的効果は神経変性又は神経毒に対する保護をも含む。さらに、「神経保護的」とは、ニューロンの退行変性を遅らせるか、或いは停止させる介入の意味を含む。神経保護的効果はまた、発症前状態(presymptomatic state)における病気の進行を防ぐ意味で用いられ得る。
【0019】
なお、「パーキンソン病」とは、主に晩年に発生する黒質でのドーパミンの生成減少と関連した慢性進行性神経疾患を意味する。その症状としては前屈姿勢(stooped posture)、静止時振戦(resting tremor)、静止筋肉の弱化、小股歩行(shuffling gait)、言語障害、動き困難及びその結果をもたらす精神機能の鈍化及び認知症(dementia)を含む。
【0020】
モルヒナン類似体(morphinanan alogues)
本発明の神経保護的モルヒナン類似体又は誘導体は3−ヒドロキシモルヒナンの3番及び17番位置が置換されたものであることができる。このような類似体は3番位置が置換された酸素(O)、置換された窒素(N)、ハロゲン、及びエチル、プロピルなどを含むアルキル置換体を含むが、これらに限定されない。それだけでなく17番位置における窒素基(nitrogen group)は色々な基(groups)をもって置換され得る。神経保護用として用いられる本発明の化合物の例は本出願の製造実施例部分だけでなく下記に示す。
【0021】
酸素(O)を保存する3−ヒドロキシモルヒナンからの誘導体の合成
【化1】

3番位置の酸素(O)が置換された化合物
【化2】

1)3−アミノモルヒナン誘導体の合成
【化3】

2)3−ハロゲン−置換されたモルヒナン誘導体の合成
下記反応式3に示すように、3番位置にスズ(tin)誘導体を導入したハロゲン化合物とヒドロキシメチル誘導体との合成は非常に低い収率をもたすことにより、所望する化合物を制限された量の出発物質から得られなかった。
【化4】

3)3−エチルモルヒナン誘導体の合成
3−ハロゲン−置換された化合物は前記2)から得られなかったので、類似の誘導体を得るためにビニル基を3番位置に直接導入した。ビニル基の導入は成功的であり、下記反応式4に示すように幾つかの誘導体が合成された。
【化5】

【化6】

【化7】

【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

モルヒナンとパーキンソン病
蓄積された証拠はデキストロメトルファン(DM)が生体内(in vivo)及び生体外(in vitro)で抗パーキンソン病作用を有することを示す。しかし、DMにより誘発される精神作用が臨床適用を妨げ得ることがよく知られている。右旋性モルヒナンの3−ヒドロキシモルヒナン(HM)、3−アリルオキシ−17−メチルモルヒナン(AM)、3−シクロプロピルメトキシ−17−メチルモルヒナン(CM)及びジメモルファン(DF)は既に合成された(Bioorg Med Chem Lett 2001;11:1651-1654, Behav. Brain Res.2004;151:151:267-276, Br. J. Pharmacol. 2005;144:908-918)。これらはDM又はDMの主要代謝産物であるデキストロルファン(DX)で見られるようなごくわずかな行動的副作用を示した。本発明はパーキンソン病の症状治療やその治療における右旋性モルヒナンの利用に関するものである。DM、HM及びCMは1−メチル−4−フェニル−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン(MPTP)、リポ多糖類(LPS)、又はメタンフェタミン(MA)によって誘発される運動機能低下症(hypokinesia)、ドーパミン及びその代謝産物の線条体濃度の減少、及び黒質チロシンヒドロキシキナーゼ様免疫反応性(TH−IR)の減少を低減させた(attenuate)。AM及びDFはMPTP又はLPSにより誘発された毒性に対して有意的な影響は与えなかったが、MAにより誘発された神経毒性(過温症、運動機能低下症、ドーパミン及びその代謝産物の線条体濃度及び黒質TH−IRにおける減少)を低減させた。
【0022】
マウスにおける右旋性モルヒナンの行動(behavioral)效果及び抗パーキンソン病作用が試験された。行動的副作用のパラメータ(parameter)として、PCPにより誘発された行動プロフィールが試験されたが、このような行動プロフィールは典型的に旋回行動(circling behavior)及び条件付け場所嗜好性(conditioned place preferenc,CPP)として特徴化される(13,27,37)。興味深いことに、限界運動パターン(旋回行動)[marginal locomotor pattern(circling behavior)]は前述したCPPのパターンと類似している(13,27)。DXの作用はPCPの場合と定性的に類似しており、これは従来の研究と一致している(24,27)。
【0023】
DMにより誘発された行動特性がDXに比べて目立たなかったが、DMの精神作用が用量依存的な方法で観察された。より有意的に、モルヒナン環構造の3番(及び17番)位置が置換されたAM、CM、HM、及びDFは神経活性を保持するが、弱い行動的副作用を示した(7,24,27,46)。従来の実験はAM、CM又はDFの抗痙攣/神経保護的効果のメカニズムがPCP部位よりはかえってσ受容体を介して調節される(mediated)ことを示した(7,24,27,46)。PCP部位に対するAM、CM又はDFの非常に低い親和度がPCP部位における作用がモルヒナンの抗痙攣/神経保護的効果のための前提条件ではないかもしれないという証拠を提供する。DM、AM、CM及びDFが抗痙攣効果を示したが、HMはカイニン酸塩(kainate)(24)又は最大電撃(27)に対する反応において何らの抗痙攣効果も示さなかった。つまり、これはHMの薬理学的作用がドーパミン作動系に特異的であるということを示唆する。DMはO−脱メチル化によって急速にPCP−類似化合物であるDXに代謝される(50,51,54)。なお、DXはN−脱メチル化を経てHMとなる。DX及びHMの両方ともグルクロン酸化(glucuronidation)後に排出される。あるいは、DMは最初にN−脱メチル化によって3−メトキシモルヒナンを産み出すように代謝され、それからO−脱メチル化を経てHMとなる(54)。より多くの証拠が収集されなければならないが、このような代謝過程はドーパミン毒性(dopaminergic toxicity)を低減させるのに有用である。3−メトキシモルヒナン及びHMがDMやDXに比べて低いCNS活性を保有すると推測されるが、モルヒナン投与の特異的経路による效果、モルヒナン投薬量の影響、及び生体内におけるグルクロン酸化能が考慮されなければならない(54)。
【0024】
DM及びDXが様々な共通的作用を有しているが、これは受容体結合特性及び生体内薬理学において相異なっている(7,27,34,50)。DMは明確なDM認識部位及びσ−受容体結合部位において高い結合力を示すが、DXで標識された部位に相対的に低い親和度を有する。これに対し、DXは脳でDX及びPCP結合部位に高い親和度を示す反面、DM及びσ部位に対して中間より低い親和度を示す(50)。従って、鎮咳薬勧奨用量より高いDMの用量がDXと関連したPCP−類似の效果を発生させる(1,2)。さらに、DMは混合アゴニスト特性(17,19,20,50,51)を有するが、これは低用量で非競争的NMDA受容体拮抗剤として作用し、高用量で部分的アゴニストとして作用する(20,48,49)。従って、DMはPCP−NMDA−σ受容体複合体と相互作用する(20,48,49,50)。
【0025】
神経保護的効果を保持しながらPCP−類似の行動的副作用を減らすために(24,39)、用意されたDMと構造的に類似しており、DXに代謝されるかDMと比べて低い比率でDXに代謝されると予想される一連の3番位置及び17番位置が置換されたモルヒナンが製造された。エーテルの加水分解副作用及び加水分解速度が考慮された(24)。
【0026】
パーキンソン病において、線条体のドーパミン性脱神経(denervation)は主に無動(akinesia)、低血圧(hypotonia)、振戦(tremor)及び姿勢の不安定(postural instability)のような臨床症状を説明する主要な生化学的障害である(35)。新しいドーパミン作用薬を開発しようとする幾つかの試みにも関わらず、特にドーパミンアゴニストであるレボドーパはパーキンソン病の治療において依然として業界標準(golden standard)として残っている(35)。しかし、その長期間服用は異常動き(abnormal movement)、動揺(fluctuation)、幻覚(hallucination)及び精神異常(psychosis)のような幾つかの副作用を伴う(35,36)。よって、治療的観点で、新しい病態生理学的な接近に基づいた新しい戦略が求められている。従って、レボドーパに抵抗する症状に作用するか神経保護的な医薬が非常に有用である。
【0027】
低親和度NMDA開口チャネル拮抗剤は抗パーキンソン薬剤として良い候補物質になることができるということが示唆されて来た。DMはNMDA受容体チャネルに対してマイクロモルの親和度を含む複合的な薬理学的プロフィールを有する。二回の非旨検(open-label)臨床試験で、DMは小規模のパーキンソン病志願者に有意的な改善を提供することが発見された。それに、相当な動物間多様性に従属してはいるが、DM及びケタミン(ketamine)を注射することによってレセルピンが投与されたマウス(reserpinized mouse)で活性の適切な回復が観察された(47)。
【0028】
ヒトへのNMDA受容体拮抗剤の投与に対する主な反対理由は、これらが許容されない副作用を引き起す恐れがあるためである。これは筋肉弛緩(muscle relaxation)及び運動失調(ataxia)だけでなく精神刺激作用(psychostimulation)と記憶障害(memory impairment)を含む。しかし、理論的観点において、NMDA受容体関連イオンチャネルに対する低い親和度を有する化合物が利用可能な様々なNMDA受容体拮抗剤に最も效果的であり、最も毒性が少ない(32)。NMDA受容体拮抗剤のうち、DMはこのような理論的理想によく符合し、小グループの特発性パーキンソン病被検者に成功的にテストされてきた。
【0029】
初期の報告書はNMDA受容体遮断が霊長類(6)を除いたパーキンソン病にかかったマウス(4)及びラット(30)の運動性を直接的に回復させ得ることを示した。しかし、すべての研究で上記と同じ結果が出ることはないため、この問題は多少論争の余地がある。
【0030】
これに対し、本出願で開示されたHM、AM、CM及びDFのようなデキストロメトルファン類似体はPCP部位と関連したNMDA受容体に対して非常に低い親和度を有する(7,27)。これはPCP部位と関連したNMDAが抗パーキンソン作用に対する前提条件でないことを示唆する。さらに、以前の報告書はDM、DX、HM、AM、CM及びDFがσ受容体に高い親和度を有するリガンドであることを報告している(7,27,46)。なお、σ受容体はグルタミン塩NMDA受容体の機能及びドーパミンの放出を調節するものであると認識される(11)。たとえまだ何も治療的利用に導入されていないが、選択的σ受容体リガンドは神経退行性疾患に対する新種治療剤の提示のために提案されてきた(11)。最近、σ受容体アゴニストがラット及びモルモットの線条体,前頭前皮質(prefrontal cortex)及び側坐核(nucleus accumbens)のスライス(slice)からのNMDAによって刺激された[H]ドーパミンの放出を抑制するということが証明された(2)。それに、σ受容体はドーパミン伝達を促進させる重要な役割をする(31,42)。このような現象はドーパミン合成比の増加と部分的に関連している。理論的制限なしに、たとえNMDA受容体の拮抗作用によるモルヒナンの寄与度が排除され得ないが、モルヒナンの主要メカニズムは少なくとも部分的にσ受容体調節と関連している。
【0031】
本研究の結果はたとえDMが行動的副作用を示すが、MPTP、LPS、及びMAモデルで抗パーキンソン作用に優れた效果を奏するということを示す。もっと重要には、他のモルヒナンはDM又はDXのPCP−類似の行動的副作用を起こさない。しかも、HM及びCMはMPTP、LPS及びMAに対応する有意的な抗パーキンソン病作用を有する。AM及びDFはMA−誘発神経毒性に対して效果的である。MA−誘発ドーパミンの毒性は長い間パーキンソン病の最も重要な動物モデルの一つとして見なされて来た。
【0032】
治療的剤形
モルヒナンとその混合物及び/又は生理学的に許容される塩は経口又は経皮投与されるか又は静脈内、筋肉内、皮下、髄腔内、硬膜外又は脳室内(intracerebro-ventricular)注射によって投与され得る。有効な投薬量は、例えば1日当たり約0.25〜250mgなどのように多様であるが、もちろん実際の量は治療を受ける被検者の状態や環境によって異なる。本技術分野における熟練者ならば周知の如く、活性物質の作用を修正する様々な要素、例えば、被検者の年齢、体重、性別、食餌療法及び患者の状態、投与時期、投与速度や経路などが主治医によって考慮され得る。与えられた状態下での最適な投薬量は本技術分野における当業者によってここに提供された実験データに照らして典型的な投薬量決定テストを用いて確認され得る。
【0033】
モルヒナン、その混合物及び/又は生理学的に許容される塩を封入する治療組成物は一般的に周知かつ慣例によって、少なくとも一つの生理学的に許容される成分とともに剤形化され得る。よって、モルヒナン、その混合物及び/又は生理学的に許容される塩は液体、粉剤、エリキシル剤(elixir)、注射液剤などに剤形化され得る。経口用剤形化はモルヒナン、その混合物及び/又は生理学的に許容される塩が炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリンのような非活性固体希釈剤と混合された硬質ゼラチンカプセル剤に剤形化されるか、或いはモルヒナン、その混合物及び/又は生理学的に許容される塩が液体パラフィンやオリーブ油のような油性媒体と混合された軟質ゼラチンカプセル剤に剤形化され得る。
【0034】
水性懸濁液は生理学的に許容される賦形剤と混合されたモルヒナン、その混合物及び/又は生理学的に許容される塩を含み得る。このような賦形剤は例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴムなどの懸濁剤;自然発生的なリン脂質のような(例えば、レシチン)分粉剤や湿潤剤、又はステアリン酸ポリオキシエチレンのような脂肪酸とアルカリ性オキシドとの縮合物、ヘプタデカエチレン−オキシセタノールのように長鎖脂肪族アルコールとエチレンオキシドとの縮合物、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートのようなヘキシトール及び脂肪酸から抽出された部分エステル(partial ester)とエチレンオキシドとの縮合物、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートのようなヘキシトール無水物及び脂肪酸から抽出された部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物などであってもよい。また、このような水性懸濁液は少なくとも一つのエチル−or−n−プロピル−p−ヒドロキシ安息香酸のような防腐剤、着色剤、香味料、及びスクロース、サッカリン、又はシクラミン酸ナトリウムやシクラミン酸カルシウムのような甘味料を各々少なくとも一つずつ含み得る。
【0035】
水の添加による水性懸濁液の製剤に適宜な、分散可能な粉剤及び顆粒剤は分粉剤や湿潤剤、懸濁剤及び少なくとも一つの防腐剤と混合されたモルヒナン、その混合物及び/又は生理学的に許容される塩を提供する。適当な分粉剤や湿潤剤、懸濁剤は前述のように例示された。例えば、甘味料、香味料、着色剤のような追加的賦形剤も含まれ得る。シロップ剤及びエリキシル剤は甘味料、例えば、グリセロール、ソルビトール或いはスクロースと共に剤形化され得る。また、このような剤形は鎮痛剤、防腐剤及び香味料及び着色料をも含み得る。
【0036】
モルヒナン、その混合物及び/又は生理学的に許容される塩は、例えば、本発明の参考文献に含まれている米国特許第4,788,055;4,816,264;4,828,836;4,834,965;4,834,985;4,996,047;5,071,646;及び5,133,974で開示されたように周知の様々な種類の徐放性製剤に有利に提供される。
【0037】
モルヒナン、その混合物及び/又は生理学的に許容される塩をパーキンソン病の症状の治療や治療に有用な他の周知の薬理活性剤の投薬前或いは同時に、又は投薬後に投薬することも本発明の範囲に属する。このような薬理活性剤は他の神経保護剤を含み得るが、これに限定されない。
【0038】
神経保護剤は不可逆的損傷から脳の虚血性ニューロン(ischemic neuron)を保存するために試みる。他の神経保護剤は潜在的に血流の戻りと関連した損傷を抑制する。たとえ脳への血流の戻りは一般的に向上した治療成績と関連するが、再かん流(reperfusion)は追加的な脳損傷の原因となる。戻る血液は小血管を閉塞し、毒性物質を放出する白血球を含んでいる。局所貧血は興奮性アミノ酸受容体の過多活性化、細胞内カルシウムの蓄積、及び細胞損傷を起こす他の毒性物質の放出を誘発する。神経保護剤は興奮性神経伝達物質の放出を抑制することによって、細胞に対する局所貧血の悪影響を減少させる。
【0039】
最も一般的に研究された神経保護剤はN−メチル−D−アスパラギン酸塩(NMDA)受容体を遮断する。他の非(non)−NMDA受容体とチャネルを調節することも興奮性神経伝達物質の放出を減少させ得る。内皮における細胞間接着分子(ICAM)を遮断できる単クローン抗体のような抗接着抗体(antiadhesion antibody)は、血管壁に白血球の粘着を抑制するのに用いられる。抗−ICAM抗体が再かん流関連損傷の初期段階を遮断するように見られるので、神経機能を維持する有望なメカニズムを提供する。他の神経保護剤は細胞膜の安定化を誘発する。例えば、CDP−コリンの外因性形態(exogenous form)は細胞膜の生合成に用いられ、遊離基の形成を減少させる。基本的な線維芽細胞増殖因子である神経治療剤も用いられることができる。
【0040】
指針(instruction)
本発明はまたパーキンソン病やパーキンソン病の症状、アルツハイマー病の学習及び記憶障害、コカイン、モルヒネ、及びメタンフェタミンのような麻薬に対する中毒症状や依存症を含む多様な神経学的状態を治療する際に、本発明のモルヒナンを用いる指針に関するものである。かかる指針は永続的形態でも臨時的な書式でもよい。指針は書面形態となっているが、教科書、プロトコルブック、カタログ、インターネットウェブ部位など、その方式に制限されない。かかる指針はモルヒナンの販売及び使用に関連しているが、これらに制限されない。指針は肉眼で見られる限り、陰極線管、LCD、LEDなどのコンピュータスクリーンを介して表示されることも可能である。指針はまた前述した多様な症状を治療するキットの一部や音響/映像媒体の形態でもよい。
【0041】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、これらは本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲を制限しない。実際に、添付図面及び後術する説明により本発明の特許請求の範囲のカテゴリ内で当該分野における当業者にとって多様に修正を加えることができるのは明らかである。
【実施例】
【0042】
実施例1:製造実施例
製造実施例1.1
3−ヒドロキシ−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナン(化2)及び3−O−(t−ブチルオキシカルボニル)−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナンの製造(化3
【化8】

3−ヒドロキシ−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナン(200mg、0.62mmol)が含まれている乾燥(dry)ジクロロメタン(3.0mL)溶液にトリエチルアミン(250μL、1.83mmol)とジブチルオキシカルボニルエーテル(BocO)(190mg、0.88mmol)とを順次添加した後、前記混合物を室温で攪拌した。2時間後減圧下で溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで残渣を精製して化合物2(168mg、79%)と化合物3(43mg、16%)とを得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.04〜7.08(3H,m);3.73(2H,m);3.68(1H,m);3.08(2H,m);2.15(1H,m);1.83(2H,m);1.50〜1.70(8H,m);1.40(9H,s)(化2),δ7.05〜6.83(3H,m);4.30(0.50H,br)4.00(0.50H,br);3.85(0.50H,m);3.68(0.50H,m);3.05〜3.25(1H,m);2.50〜2.70(2H,m);1.65〜1.80(5H,br);1.57(9H,s);1.49(9H,s);1.15〜1.30(6H,m)(化3).
【0043】
製造実施例1.2
3−O−プロパルギル−N−(t−ブチルオキシルカルボニル)モルヒナンの製造(化4)
【化9】

【0044】
化2で表される化合物が含まれている乾燥(dry)DMF溶液に炭酸カリウムと臭化プロパルギルとを順次添加した後、前記混合物を60℃で還流させた。18時間後、前記混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液を添加した後、EtOAc(3mL×3)で前記混合物を抽出した。結合有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して20mg(収率82%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.04〜6.89(3H,m);4.70(2H,s);4.33(0.5H,br);4.18(0.5H,m);3.90(0.5H,d);3.73(0.5H,d);3.15〜3.07(1H,m);2.59(1H,s);2.30(1H,br);1.83(2H,m);1.60(2H,m);1.44〜1.47(9H,s);1.15〜1.30(8H,m).
製造実施例1.3
3−(2−プロピニル)オキシモルヒナン・塩酸の製造(化5)
【化10】

【0045】
化4で表される化合物が含まれている乾燥(dry)DCM溶液に1,4−ジオキサンの4N塩酸溶液を添加した後、前記混合物を室温で6時間攪拌した。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を蒸発させた。18mg(収率96%)の白色固体が得られた。:H NMR(300MHz,CDOD)δ7.04〜6.89(3H,m);4.75(2H,s);4.33(0.5H,br);4.18(0.5H,m);3.90(0.5H,d);3.73(0.5H,d);3.15〜3.07(1H,m);2.59(1H,s);2.30(1H,br);1.83(2H,m);1.60(2H,m);1.15〜1.30(8H,m).
【0046】
製造実施例1.3
3−(2−プロピニル)オキシ−N−(1−シクロプロピル)メチルモルヒナンの製造(化6)
【化11】

【0047】
化5で表される化合物(6mg、0.017mmol)が含まれている乾燥DMF(0.5mL)溶液に炭酸カリウム(6.6mg、0.048mmol)と臭化シクロプロピルメチル(4.0μL、0.04mmol)とを順次添加した後、前記混合物を60℃で還流させた。6時間後、飽和塩化ナトリウム水溶液(2ml)を添加し、DCM(3mL×2)で前記混合物を抽出した。結合有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して4.5mg(収率79%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.00〜6.76(3H,m);4.70(2H,s);3.18(2H,br);2.75(2H,m);2.68(1H,m);2.48(1H,d);2.35(2H,m);1.56(2H,m);1.53(1H,br);1.44(2H,m);1.25〜1.40(6H,m);.0.95(1H,m);0.58(2H,s);0.25(2H,m).
【0048】
製造実施例1.4
3−(2−プロピニル)オキシ−N−アリルモルヒナンの製造(化7)
【化12】

【0049】
化5で表される化合物(6mg、0.017mmol)が含まれている乾燥(dry)DMF(0.5mL)溶液に炭酸カリウム(6.6mg、0.048mmol)と臭化アリル(3.1μL、0.036mmol)とを順次添加した後、前記混合物を室温で還流させた。2時間後、前記混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液(2ml)を添加し、DCM(2mL×2)で前記混合物を抽出した。結合有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して5.1mg(収率91%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ6.73〜7.09(3H,m);5.90(1H,m);5.14〜5.20(2H,m);4.64(2H,m);3.17(2H,m);2.94(2H,m);2.85(1H,m);2.55(1H,d);2.53(2H,m);2.00(2H,t);1.63(2H,br);1.20〜1.48(6H,m).
【0050】
製造実施例1.5
3−(2−プロピニル)オキシ−N−ベンジルモルヒナンの製造(化8)
【化13】

【0051】
前記化5で表される化合物(6mg、0.016mmol)が含まれている乾燥DMF(0.50mL)溶液に炭酸カリウム(6.6mg、0.048mmol)と臭化ベンジル(5.8μL、0.048mmol)とを順次添加した後、前記混合物を60℃で還流させた。3時間後、前記混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液(2ml)を添加した後、EtOAc(3mL×3)で前記混合物を抽出した。結合有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して5.0mg(収率84%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ6.73〜7.49(8H,m);5.30(2H,s);3.68(2H,br);3.05(2H,m);2.83(1H,br);2.55(1H,br);2.35(1H,m);2.23(1H,m);1.80(1H,m);1.13〜1.60(10H,m).
【0052】
製造実施例1.6
3−メタンスルホニルオキシ−N−(t−ブチルオキシルカルボニル)モルヒナンの製造(化9)
【化14】

【0053】
前記化2で表される化合物(26mg、0.076mmol)が含まれている乾燥DCM(3.0mL)溶液にトリエチルアミン(32μL、0.23mmol)と塩化メタンスルホニル(7.6μL、0.098mmol)とを添加した後、前記混合物を60℃で還流させた。30分後、前記混合物を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して30mg(収率94%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.04〜6.89(3H,m);4.33(0.5H,br);4.18(0.5H,m);3.90(0.5H,d);3.73(0.5H,d);3.20(3H,s);3.15〜3.07(1H,m);2.60(1H,m);2.55(1H,m);2.30(1H,m);1.73(2H,m);1.60(2H,br);1.44〜1.47(9H,s);1.15〜1.30(8H,m).
【0054】
製造実施例1.7
3−メタンスルホニルオキシモルヒナン・塩酸の製造(化10)
【化15】

【0055】
前記化9で表される化合物(27mg、0.019mmol)が含まれている乾燥DCM(1mL)溶液に含4N塩酸1,4−ジオキサン溶液(200μL)を添加した後、前記混合物を室温で12時間攪拌した。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を蒸発させて25mg(収率96%)の白色固体を得た。
【0056】
製造実施例1.8
3−メタンスルホニルオキシ−N−(メタンスルホニル)モルヒナンの製造(化11)
【化16】

【0057】
前記化10で表される化合物(7mg、0.020mmol)が含まれている乾燥DCM(1.0mL)溶液にトリエチルアミン(32μL、0.23mmol)と塩化メタンスルホニル(7.6μL、0.098mmol)とを添加した後、前記混合物を60℃で還流させた。2時間後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して7.5mg(収率94%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.2〜6.90(3H,m);4.03(1H,br);3.68(1H,m);3.30(2H,m);3.23(3H,s);2.82(3H,m);2.75(3H,s);2.60(1H,m);2.35(1H,m);1.68〜1.80(4H,m);1.25〜1.60(6H,m);1.15〜1.20(2H,m).
【0058】
製造実施例1.9
3−メタンスルホニルオキシ−N−アリルモルヒナンの製造(化12)
【化17】

【0059】
前記化10で表される化合物(7mg、0.020mmol)が含まれている乾燥DMF(0.5mL)溶液に炭酸カリウム(6.6mg、0.048mmol)と臭化アリル(3.0μL、0.036mmol)とを順次添加した後、前記混合物を室温で還流させた。6時間後、前記混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液(2ml)を添加した後、DCM(2mL×4)で前記混合物を抽出した。結合有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して5.0mg(収率70%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ6.85〜7.19(3H,m);5.90(1H,br);5.14〜5.20(2H,m);3.14(2H,m);3.07(3H,s);2.80(2H,m);2.40(2H,m);2.35(1H,d);1.60〜1.90(4H,m);1.20〜1.48(8H,m).
【0060】
製造実施例1.10
3−メタンスルホニルオキシ−N−アリルモルヒナンの製造(化13)
【化18】

【0061】
前記化10で表される化合物(7mg、0.020mmol)が含まれている乾燥DMF(0.5mL)溶液に炭酸カリウム(6.6mg、0.048mmol)と臭化シクロプロピルメチル(4.0μL、0.04mmol)とを順次添加した後、前記混合物を60℃で還流させた。6時間後、前記混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液(2ml)を添加した後、DCM(3mL×2)で前記混合物を抽出した。結合有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して5.5mg(収率78%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ6.85〜7.19(3H,m);3.07(3H,s);2.80(2H,m);2.40〜2.60(2H,m);2.20(2H,m);2.10(2H,s);1.700(2H,br);1.20〜1.48(8H,m);0.80(2H,m);0.40(2H,m).
【0062】
製造実施例1.11
3−メタンスルホニルオキシ−N−ベンジルモルヒナンの製造(化14)
【化19】

【0063】
前記化5で表される化合物(7mg、0.020mmol)が含まれている乾燥DMF(0.50mL)溶液に炭酸カリウム(6.6mg、0.048mmol)と臭化ベンジル(5.8μL、0.048mmol)とを順次添加した後、前記混合物を60℃で還流させた。12時間後、前記混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液(2ml)を添加した後、EtOAc(3mL×3)で前記混合物を抽出した。結合有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して5.9mg(収率74%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ6.73〜7.49(8H,m);3.68(2H,m);3.05(3H,s);2.88(2H,m);2.65(1H,m);2.30(1H,m);2.13(1H,m);2.00(2H,m);1.80(1H,m);1.73(2H,m);1.40〜1.70(6H,m);1.15〜1.33(2H,m).
【0064】
製造実施例1.12
3−ベンジルオキシ−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナンの製造(化15)
【化20】

【0065】
3−ヒドロキシ−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナン(20mg、0.058mmol)が含まれている乾燥DMF(0.3mL)溶液に炭酸カリウム(17mg、0.12mmol)と臭化ベンジル(10μL、0.087mmol)とを順次添加した後、前記混合物を60℃で還流させた。5時間後、前記混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液(2ml)を添加した後、EtOAc(3mL×3)で前記混合物を抽出した。結合有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して22mg(収率88%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.46−7.34(5H,m);7.00(1H,m);6.91(1H,m);6.80(1H,m);5.04(2H,m);4.37(0.55H,br);4.18(0.45H,br);3.73(1H,m);3.06(1H,m);2.65(2H,m);2.32(1H,m);1.63.1.08(19H,m).
【0066】
製造実施例1.13
3−ベンジルオキシモルヒナン・塩酸の製造(化16)
【化21】

【0067】
前記化15で表される化合物(22mg、0.051mmol)が含まれている乾燥THF(70μL)溶液に含4N塩酸1,4−ジオキサン溶液(110μL)を添加した後、前記混合物を室温で2時間攪拌させた。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を蒸発させた。粗生成物を単純に粉砕して18mg(収率97%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.43−7.28(5H,m);7.12(1H,br);6.88(2H,br);5.04(2H,m);3.29(2H,br);2.90(1H,br);2.33(2H,br);1.67−1.10(11H,m).
【0068】
製造実施例1.14
3−ベンジルオキシ−N−(1−シクロプロピル)メチルモルヒナン(化17)
【化22】

【0069】
前記化16で表される化合物(6mg、0.016mmol)が含まれている乾燥DMF(0.16mL)溶液に炭酸カリウム(6.6mg、0.048mmol)と臭化シクロプロピルメチル(2.3μL、0.024mmol)とを順次添加した後、前記混合物を50℃で還流させた。3時間後、前記混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液(2ml)を添加した後、EtOAc(3mL×3)で前記混合物を抽出した。結合有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して4.5mg(収率72%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.43−7.26(5H,m);6.99(1H,m);6.86(1H,m);6.75(1H,m);5.01(2H,m);3.07(1H,br);2.90(1H,m);2.67−2.45(3H,m);2.32−2.28(2H,m);1.98(1H,m);1.81−1.25(10H,m);0.86(1H,br);0.49(2H,br);0.09(2H,br).
【0070】
製造実施例1.15
3−ベンジルオキシ−N−アリルモルヒナンの製造(化18)
【化23】

前記化16で表される化合物(6mg、0.016mmol)が含まれている乾燥DMF(0.16mL)溶液に炭酸カリウム(6.6mg、0.048mmol)と臭化アリル(2.1μL、0.024mmol)とを順次添加した後、前記混合物を50℃で還流させた。3時間後、前記混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液(2ml)を添加した後、EtOAc(3mL×3)で前記混合物を抽出した。結合有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して5.1mg(収率85%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.46−7.30(5H,m);7.05(1H,m);6.89(1H,m);6.80(1H,m);5.88(1H,br);5.24−5.15(2H,m);5.03(2H,m);3.19(2H,br);2.94(2H,br);2.59(2H,m);2.30(1H,m);2.04(2H,br);1.83−1.13(9H,m).
【0071】
製造実施例1.16
3−ベンジルオキシ−N−ベンジルモルヒナンの製造(化19)
【化24】

【0072】
前記化16で表される化合物(6mg、0.016mmol)が含まれている乾燥DMF(0.16mL)溶液に炭酸カリウム(6.6mg、0.048mmol)と臭化ベンジル(2.9μL、0.024mmol)とを順次添加した後、前記混合物を50℃で還流させた。3時間後、前記混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液(2ml)を添加した後、EtOAc(3mL×3)で前記混合物を抽出した。結合有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して6.2mg(収率91%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.43−7.23(10H,m);6.87(1H,m);6.86(1H,m);6.77(1H,m);5.01(2H,m);3.73−3.58(2H,m);2.99(1H,m);2.83(1H,br);2.62−2.56(1H,m);2.43(1H,m);2.28(1H,m);2.12(1H,m);1.85−1.14(10H,m).
【0073】
製造実施例1.17
3−ベンジルオキシ−N−(メタンスルホニル)モルヒナンの製造(化20)
【化25】

【0074】
前記化16で表される化合物(6mg、0.016mmol)が含まれている乾燥ジクロロメタン(0.16mL)溶液にトリエチルアミン(6.7μL、0.048mmol)と塩化メタンスルホニル(1.9μL、0.024mmol)とを順次添加した後、前記混合物を室温で2時間攪拌した。前記混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液(2ml)を添加した後、EtOAc(3mL×3)で前記混合物を抽出した。結合有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して5.7mg(収率87%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.44−7.25(5H,m);7.04(1H,m);6.89(1H,m);6.83(1H,m);5.05(2H,m);4.09(1H,m);3.70(1H,m);3.38−2.78(6H,m);2.28(1H,m);1.82−1.12(10H,m).
【0075】
製造実施例1.18
3−ベンジルオキシ−N−(p−トルエンスルホニル)モルヒナンの製造(化21)
【化26】

【0076】
前記化16で表される化合物(6mg、0.016mmol)が含まれている乾燥ジクロロメタン(0.16mL)溶液にトリエチルアミン(6.7μL、0.048mmol)とp−塩化トルエンスルホニル(4.6mg、0.024mmol)とを順次混合した後、前記混合物を室温で2時間攪拌した。前記混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液(2ml)を添加した後、EtOAc(3mL×3)で前記混合物を抽出した。結合有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して7.2mg(収率92%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.71−7.68(2H,m);7.43−7.26(7H,m);6.84(2H,m);6.75(1H,m);5.00(2H,m);4.12(1H,m);3.59(1H,m);2.89(1H,m);2.67(1H,m);2.46(4H,m);2.26(1H,m);1.74−1.09(10H,m).
【0077】
製造実施例1.19
3−(4−ブロモベンジルオキシ)−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナンの製造(化22)
【化27】

【0078】
3−ヒドロキシ−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナン(20mg、0.058mmol)が含まれている乾燥DMF(0.3mL)溶液に炭酸カリウム(17mg、0.12mmol)と臭化p−ブロモベンジル(22mg、0.087mmol)とを順次添加した後、前記混合物を60℃で還流させた。5時間後、前記混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液(2ml)を添加した後、EtOAc(3mL×3)で前記混合物を抽出した。結合有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して26mg(収率86%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.55−7.50(2H,m);7.36−7.25(2H,m);7.00(1H,m);6.87(1H,m);6.77(1H,m);5.00(2H,m);4.37(0.59H,br);4.18(0.41H,br);3.75−3.72(1H,m);3.06(1H,m);2.67−2.61(2H,m);2.30(1H,m);1.65.1.07(19H,m).
【0079】
製造実施例1.20
3−(4−ブロモベンジルオキシ)モルヒナン・塩酸の製造(化23)
【化28】

【0080】
前記化22で表される化合物(26mg、0.050mmol)が含まれている乾燥THF(90μL)溶液に含4N塩酸1,4−ジオキサン溶液(130μL)を添加した後、室温で2時間攪拌させた。出発物質がTLC上で見えなくなった後、減圧下で溶媒を除去した。粗生成物を単純に粉砕して18mg(収率96%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDOD)δ7.57−7.51(2H,m);7.41−7.35(2H,m);7.17(1H,m);6.92(2H,m);5.07(2H,m);3.26−3.10(2H,m);2.95−2.81(1H,m);2.78(1H,m);2.36(1H,m);1.73−1.19(11H,m).
【0081】
製造実施例1.21
3−(4−ブロモベンジルオキシ)−N−(1−シクロプロピル)メチルモルヒナンの製造(化24)
【化29】

前記化23で表される化合物23(6mg、0.016mmol)が含まれている乾燥DMF(0.16mL)溶液に炭酸カリウム(6.6mg、0.048mmol)と臭化シクロプロピルメチル(2.3μL、0.024mmol)とを順次添加した後、前記混合物を50℃で還流させた。3時間後、前記混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液(2ml)を添加した後、EtOAc(3mL×3)で前記混合物を抽出した。結合有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して5.7mg(収率74%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.51−7.33(2H,m);7.30−7.26(2H,m);7.01(1H,m);6.84(1H,m);6.73(1H,m);4.98(2H,m);3.21(1H,br);2.95−2.85(1H,m);2.73−2.51(3H,m);2.32(2H,m);1.98−1.23(11H,m);0.75(1H,br);0.52(2H,br);0.12(2H,br).
【0082】
製造実施例1.22
3−(p−ブロモベンジルオキシ)−N−アリルモルヒナンの製造(化25)
【化30】

前記化23で表される化合物(6mg、0.016mmol)が含まれている乾燥DMF(0.16mL)溶液に炭酸カリウム(6.6mg、0.048mmol)と臭化アリル(2.1μL、0.024mmol)とを順次添加した後、前記混合物を50℃で還流させた。3時間後、前記混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液(2ml)を添加した後、EtOAc(3mL×3)で前記混合物を抽出した。結合有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して6.3mg(収率87%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.54−7.36(2H,m);7.31−7.25(2H,m);7.00(1H,m);6.82(1H,m);6.75(1H,m);5.79(1H,br);5.28−5.13(2H,m);5.01(2H,m);3.21(2H,br);2.90(2H,br);2.62(2H,m);2.27(1H,m);2.06(2H,br);1.85−1.21(9H,m).
【0083】
製造実施例1.23
3−ヒドロキシ−N−(ベンジルオキシカルボニル)モルヒナンの製造(化26)
【化31】

【0084】
3−ヒドロキシモルヒナン(20mg、0.061mmol)とトリエチルアミン(26μL、0.183mmol)とが攪拌された乾燥ジクロロメタン(0.3mL)溶液にクロロギ酸ベンジル(10.5μL、0.073mmol)を0℃で添加した。前記混合物を2時間攪拌し、前記混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液(2ml)を添加した後、EtOAc(3mL×3)で前記混合物を抽出した。結合有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して12mg(収率51%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.3〜7.5(5H,m)6.9(1H,t);6.8(1H,d);6.6(1H,t);5.1(2H,s);4.3(1H,dd);3.9(1H,m);3.1(1H,m);2.7(2H,m);2.3(1H,d);1.0〜1.8(10H,m).
【0085】
製造実施例1.24
3−ベンジルオキシカルボニルオキシ−N−(ベンジルオキシカルボニル)モルヒナンの製造(化27)
【化32】

【0086】
3−ヒドロキシモルヒナン(5mg、0.015mmol)とトリエチルアミン(13μL、0.091mmol)とが攪拌された乾燥ジクロロメタン(0.3mL)溶液にクロロギ酸ベンジル(5.2μL、0.036mmol)を0℃で添加した。前記反応混合物を室温で2時間攪拌した。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して6.3mg(収率80%)の標題化合物を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.3〜7.6(10H,m);7.0(2H,m);6.9(1H,m);5.3(2H,s);5.1(2H,s);4.3(1H,dd);3.9(1H,m);3.1(1H,m);2.7(2H,d);2.3(1H,m);1.0〜1.8(10H,m).
【0087】
製造実施例1.25
3−アニリノカルボニルオキシ−N−フェニルウリドモルヒナンの製造(化28)
【化33】

【0088】
3−ヒドロキシモルヒナン(5mg、0.015mmol)とトリエチルアミン(8.3μL、0.060mmol)とが攪拌された乾燥ジクロロメタン(0.3mL)溶液にイソシアン酸フェニル(5μL、0.046mmol)を添加した後、前記混合物を0℃で1時間攪拌した。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して6.5mg(収率88%)の標題化合物を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.4(2H,d);7.2(6H,m);7.0(6H,m);6.3(1H,s);4.4(1H,s);3.5(1H,d.d.);3.1(1H,d.d.);2.8(2H,m);2.3(1H,m);1.0〜1.9(10H,m).
【0089】
製造実施例1.26
3−アニリノカルボニルオキシ−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナンの製造(化29)
【化34】

【0090】
3−ヒドロキシ−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナン(9mg、0.026mmol)とトリエチルアミン(10μL、0.04mmol)とが攪拌された乾燥ジクロロメタン(0.3mL)溶液にイソシアン酸フェニル(4μL、0.045mmol)を添加した後、前記混合物を1時間攪拌した。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して11mg(収率90%)の標題化合物を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.4(2H,d);7.3(2H,t);7.1(3H,m);6.9(2H,m);4.3(1H,m);3.8(1H,m);3.1(1H,d.d.);2.4〜2.8(2H,m);2.3(1H,m);1.3(9H,s);1.0〜1.7(10H,m).
【0091】
製造実施例1.27
3−アニリノカルボニルオキシモルヒナン・塩酸の製造(化30)
【化35】

【0092】
3−O−フェニルカルバモイル−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナンD−4(10mg、0.051mmol)が含まれている乾燥ジクロロメタン(0.5mL)溶液に含4N塩酸1,4−ジオキサン溶液(120μL)を添加した後、前記混合物を室温で2時間攪拌した。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を濃縮した。粗生成物を単純に粉砕して9mg(収率96%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDOD)δ7.5(2H,d);7.3(3H,m);7.1(1H,d);7.0(2H,m);3.9(1H,m);3.0〜3.4(3H,m);2.8(1H,m);2.5(1H,m);1.0〜1.9(10H,m).
【0093】
製造実施例1.28
N−Boc−3−ピバロイルオキシモルヒナンの製造(化31)
【化36】

【化37】

【0094】
N−Boc−3−ヒドロキシモルヒナン(化2)(20mg、0.058mmol)とトリエチルアミン(9μL、0.064mmol)とが含まれている乾燥ジクロロメタン(1mL)溶液に塩化ピバロイル(8μL、0.064mmol)を0℃で徐々に添加した後、前記混合物を1時間攪拌させた。溶媒は減圧下で除去された。粗生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5:1 n−ヘキサン/EtOAc)で精製し、無色のオイル(23mg、収率92%)を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)0.9〜1.7(m,29H);2.34(d,J=9.9Hz,1H);2.52〜2.73(m,2H);3.09〜3.17(m,1H);3.73〜3.84(m,1H);6.83〜6.87(m,1H);6.95(s,1H);7.09〜7.12(m,1H).
【0095】
製造実施例1.29
N−(1−シクロプロピル)メチル−3−ピバロイルオキシモルヒナンの製造(化33)
【化38】

【0096】
N−Boc−3−ピバロイルオキシモルヒナン(5mg、0.012mmol)が含まれている乾燥ジクロロメタン(0.2mL)溶液に4M塩酸ジオキサン溶液(0.5ml)を添加して0℃で2時間攪拌した。溶媒は減圧下で蒸発された。CHCN(0.5ml)で3−ピバロイルオキシモルヒナンの粗製塩酸塩(化32)を溶解した後、これに(ブロモメチル)シクロプロパン(2μL、0.020mmol)とTEA(9μL、0.064mmol)とを0℃で徐々に添加した。10時間攪拌した後、前記反応混合物を減圧下で濃縮した。前記粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(95:5 ジクロロメタン/メタノール)で精製し、無色のオイル(3mg、収率65%)を得た:H NMR(300MHz,CDCl)0.43〜1.58(m,24H);2.35〜2.52(m,2H);2.69〜2.73(m,1H);2.90〜2.96(m,2H);3.16〜3.35(m,2H);3.91(s,1H);6.92〜6.96(m,1H);6.99(s,1H);7.17(d,J=8.2Hz,1H).
【0097】
製造実施例1.30
N−ベンジル−3−ピバロイルオキシモルヒナンの製造(化34)
【化39】

【0098】
前記化31で表される化合物(5mg、0.012mmol)が含まれている乾燥ジクロロメタン(0.2mL)溶液に4M塩酸ジオキサン溶液(0.5ml)を添加した後、前記混合物を0℃で2時間攪拌した。溶媒は減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(0.5ml)で前記アミン粗製塩(化32)を溶解した後、これに臭化ベンジル(2μL、0.020mmol)とTEA(9μL、0.064mmol)とを0℃で徐々に添加した。4時間攪拌した後、前記反応混合物を減圧下で濃縮した。前記粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3:1 n−ヘキサン/EtOAc)で精製し、無色のオイル(4mg、収率80%)を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)0.91〜1.74(m,18H);1.89(m,J=12.6Hz,1H);2.07〜2.21(m,1H),2.29〜2.48(m,2H);2.63〜2.69(m,1H);2.87(s,1H);3.09(d,J=18.3Hz,1H);3.68(dd,J=13.4Hz,2H);6.82〜6.93(m,2H);7.15(d,J=8.3Hz,1H);7.25〜7.38(m,5H).
【0099】
製造実施例1.31
N−(2−プロピニル)−3−ピバロイルオキシモルヒナンの製造(化35)
【化40】

【0100】
前記化31で表される化合物(5mg、0.012mmol)が含まれている乾燥ジクロロメタン(0.2mL)溶液に4M塩酸ジオキサン溶液(0.5ml)を添加した後、前記混合物を0℃で2時間攪拌した。溶媒は減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(0.5ml)で前記アミン粗製塩(化32)を溶解した後、前記混合物に80重量%の臭化プロパルギルが含まれたトルエン溶液(2μL、0.020mmol)とTEA(9μL、0.064mmol)とを0℃で徐々に添加した。4時間攪拌した後、前記反応混合物を減圧下で濃縮した。前記粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:1 n−ヘキサン/EtOAc)で精製し、無色のオイル(3mg、収率68%)を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)1.15〜1.87(m,20H);2.14〜2.31(m,2H);2.67〜2.74(m,2H);3.02(d,J=18.6Hz,1H);3.12〜3.14(m,1H);3.36〜3.39(m,2H);6.81〜6.93(m,2H);7.16(d,J=8.2Hz,1H).
【0101】
製造実施例1.32
N−メタンスルホニル−3−ピバロイルオキシモルヒナンの製造(化36)
【化41】

【0102】
前記化31で表される化合物(5mg、0.012mmol)が含まれている乾燥ジクロロメタン(0.2mL)溶液に4M塩酸ジオキサン溶液(0.5ml)を添加して0℃で2時間攪拌した。溶媒は減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(0.5ml)で前記アミン粗製塩(化32)を溶解した後、塩化メタンスルホニル(2μL、0.030mmol)とTEA(9μL、0.064mmol)とを0℃で徐々に添加した。1時間攪拌した後、前記反応混合物を減圧下で濃縮した。前記粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3:1 n−ヘキサン/EtOAc)で精製し、無色のオイル(3mg、収率82%)を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)1.08〜1.87(m,20H);2.36(d,J=12.4Hz,1H);2.77〜2.92(m,5H);3.51〜3.54(m,1H);4.10〜4.15(m,1H);6.86〜6.96(m,2H);7.13(d,J=8.3Hz,1H).
【0103】
製造実施例1.33
3−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)モルヒナンの製造(化38)
【化42】

【0104】
前記化2で表される化合物(200mg、0.58mmol)とTEA(0.32ml,2.32mmol)とが含まれている乾燥ジクロロメタン(5mL)溶液にPhNTf(414mg、1.16mmol)を0℃で徐々に添加した。前記反応混合物を室温まで昇温させて6時間攪拌した。前記溶液をジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下でろ過して化37の粗生成物を得た。化37の粗製化合物が含まれている乾燥ジクロロメタン(1mL)溶液に4M塩酸ジオキサン溶液(5ml)を添加した後、前記混合物を室温で5時間攪拌した。溶媒は真空下で除去された。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(90:5:5 ジクロロメタン/メタノール/TEA)で粗アミン塩を精製し、淡黄色のオイル(184mg、収率85%)を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)0.96〜2.04(m,12H);2.27〜3.18(m,4H);3.45(s,1H);7.07〜7.15(m,2H);7.22(s,1H).
【0105】
製造実施例1.34
N−ベンジル−3−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)モルヒナンの製造(化39)
【化43】

【0106】
前記化38で表される化合物(50mg、0.13mmol)とTEA(74μL、0.53mmol)とが含まれている乾燥ジクロロメタン(2mL)溶液に臭化ベンジル(32μL、0.27mmol)を0℃で徐々に添加した後、5時間攪拌した。溶媒は減圧下で除去された。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(90:5 ジクロロメタン/メタノール)で前記粗生成物を精製し、無色のオイル(51mg、収率84%)を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)1.05〜1.72(m,9H);1.74〜1.85(m,1H);1.90〜1.94(m,1H);1.96〜2.05(m,1H);2.31(d,J=13.0Hz,1H);2.48〜2.52(m,1H);2.88〜2.91(m,1H);3.12(d,J=18.6Hz,1H);3.67(dd,J=13.4Hz,2H);7.03〜7.38(m,8H).
【0107】
製造実施例1.35
N−(1−シクロプロピル)メチル−3−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)モルヒナンの製造(化40)
【化44】

【0108】
前記化38で表される化合物(50mg、0.13mmol)とTEA(74μL、0.53mmol)とが含まれている乾燥ジクロロメタン(2mL)溶液に(ブロモメチル)シクロプロパン(25μL、0.26mmol)を0℃で徐々に添加した後、前記混合物を5時間攪拌した。溶媒は減圧下で溶媒を除去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(95:5 ジクロロメタン/メタノール)で前記粗生成物を精製し、白色固体(43mg、収率77%)を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)0.19〜2.10(m,17H);2.31(d,J=13.8Hz,1H);2.47〜2.59(m,2H);2.78〜2.88(m,2H);3.30(s,1H);7.02〜7.06(m,1H);7.13〜7.20(m,2H).
【0109】
製造実施例1.36
化41で表される化合物の製造
【化45】

【0110】
丸底フラスコにPd(OAc)(1mg、0.0045mmol)、(S)−(−)−BINAP(3mg、0.0045mmol)とCSCO(22mg、0.069mmol)とを満たし、アルゴンで洗い流した洗い流した(flush)。N−(1−シクロプロピル)メチル−3−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)モルヒナン(化40)(20mg、0.046mmol)とDMF(1ml)との混合液にベンゾフェノンイミン(benzophenone imine)(13mg、0.069mmol)を添加した。前記混合物を80℃で12時間加熱した後、室温で2時間2N塩酸溶液(3ml)で処理した。溶媒は減圧下で除去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(95:5:5 ジクロロメタン/メタノール/TEA)で前記粗生成物を精製し、白色固体(10mg、収率73%)を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)0.15〜3.24(m,25H);6.62〜6.65(m,1H);6.75(d,J=2.2Hz,1H);6.94(d,J=8.2Hz,1H).
【0111】
製造実施例1.37
化42で表される化合物の製造
【化46】

【0112】
前記化41で表される化合物(5mg、0.017mol)とTEA(7μL、0.051mmol)とが含まれている乾燥ジクロロメタン(1mL)溶液に塩化4−ニトロベンゼンスルホニル(7mg、0.034mmol)を0℃で徐々に添加した後、前記混合物を1時間攪拌した。溶媒は減圧下で除去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(95:5 ジクロロメタン/メタノール)で前記粗生成物を精製し、無色のオイル(6mg、収率83%)を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)0.19〜0.63(m,8H);0.96〜2.11(m,13H);2.55〜3.53(m,6H);6.83〜6.87(m,2H);7.10(d,J=8.3Hz,1H);8.10(d,J=8.7Hz,2H);8.38(d,J=8.7Hz,2H).
【0113】
製造実施例1.38
化43で表される化合物の製造
【化47】

【0114】
丸底フラスコにPd(OAc)(1mg、0.0045mmol)、(S)−(−)−BINAP(3mg、0.0045mmol)とCSCO(22mg、0.069mmol)とを満たし、アルゴンで洗い流した(flush)。トリフラート(化39)(20mg、0.046mmol)とDMF(1ml)との混合液にベンゾフェノンイミン(benzophenoneimine)(13mg、0.069mmol)を添加した。前記混合物を80℃で12時間加熱した後、室温で2時間2N塩酸水溶液(3ml)で処理した。溶媒は減圧下で除去した。前記粗生成物とTEA(17μL、0.127mmol)とが含まれている乾燥ジクロロメタン(1mL)溶液に塩化4−ニトロベンゼンスルホニル(8mg、0.041mmol)を0℃で徐々に添加した後、1時間攪拌した。溶媒は減圧下で濃縮された。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(2:1 n−ヘキサン/EtOAc)で前記粗生成物を精製し、無色のオイル(6mg、収率83%)を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)0.89〜2.06(m,12H);2.46〜2.701(m,2H);2.87(s,1H);3.06(d,J=18.6Hz,1H);3.54〜4.10(m,2H);6.76(s,1H);6.83〜6.86(m,1H);7.12(d,J=8.4Hz,1H);8.04(d,J=8.8Hz,2H).
【0115】
製造実施例1.39
3−ビニル−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナンの製造(化44)
【化48】

【0116】
3−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナン(化37)(18mg、0.039mmol)とが攪拌された乾燥1,4−ジオキサン(0.8mL)溶液にトリブチル(ビニル)スズ(17μL、0.059mmol)、LiCl(17.3μL、0.117mmol)、Pd(PPh(17.3μL、0.174mmol)及び少量の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール結晶を添加した。その結果得られた懸濁液は加熱還流した。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して8mg(収率59%)の標題化合物を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.25〜7.32(2H,m)7.05(1H,d);6.62(1H,d.d.);5.78(1H,d);5.20(1H,d);4.30(1H,m);3.55〜4.80(1H,m);3.10(1H,m);2.30〜2.65(2H,m);2,05(1H,m);1.23(9H,s);1.00〜1.80(10H,m).
【0117】
製造実施例1.40
3−エチル−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナンの製造(化45)
【化49】

【0118】
3−ビニル−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナン(化44)(10mg、0.028mmol)が含まれている乾燥メタノール(1mL)溶液にPd/C(4mg)を添加し、バルーンに入っている水素ガスをフラスコに満たした。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して7mg(収率70%)の標題化合物を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.06〜7.36(3H,m);4.37(0.5H,s);4.19(0.5H,s);3.88(1H,dd);3.11(1H,m);2.63(2H,m);2.59(2H,m);2.44(1H,m);1.60〜1.80(4H,m);1.40〜1.60(9H,d);0.90〜1.40(9H,m).
【0119】
製造実施例1.41
3−エチルモルヒナン・塩酸の製造(化46)
【化50】

【0120】
3−エチル−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナン(化45)(6mg、0.017mmol)が攪拌された乾燥DCM(1mL)溶液に含4N塩酸1,4−ジオキサン溶液(300μL)を添加した後、前記混合物を室温で4時間攪拌した。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を蒸発させた。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.13〜7.46(3H,m);3.27(2H,m);3.19(2H,s);2.88(1H,m);2.81(1H,m);2.58(2H,m);1.10〜1.80(13H,m).
【0121】
製造実施例1.42
3−エチル−N−アリルモルヒナンの製造(化47)
【化51】

【0122】
3−エチルモルヒナン・塩酸(化46)(3mg、0.01mmol)が攪拌された乾燥DMF(0.6mL)溶液に炭酸カリウム(5mg、0.036mmol)と臭化アリル(5.0μL、0.060mmol)とを順次添加した後、前記混合物を還流させた。2時間後、前記混合物を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過して濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して〜2mgの白色固体を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ6.89〜7.16(3H,m);5.80(1H,d);5.16〜5.30(2H,m);4.00〜4.30(1H,dd);3.68(2H,t);3.66(1H,m);3.15(1H,br);2.68(2H,m);2.50(2H,m);2.38(1H,m);1.10〜1.70(13H,m).
【0123】
製造実施例1.43
3−(1’,2’−ジヒドロキシエチル)−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナンの製造(化48)
【化52】

【0124】
3−ビニル−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナン(化44)(10.5mg、0.03mmol)が攪拌されたアセトン:水=2:1溶液(0.3ml)にN−メチルモルホリン−N−オキシド(10μL、水中50重量%)及び四酸化オスミウム(一滴)を順次添加した後、前記混合物を室温で2時間攪拌した。出発物質がTLC上で見えなくなった後、前記混合物に酢酸エチル(2ml)と硫酸ナトリウム水溶液(2ml)を流れ込んだ後、有機層を分離した後、硫酸マグネシウムで乾燥して濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製して10mg(収率87%)の標題化合物を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.29〜7.36(1H,m);7.17〜7.10(2H,m);4.79(1H,d);4.37(0.55H,br);4.19(0.45H,br);3.77〜3.66(3H,m);3.11(1H,m);2.72〜2.41(4H,m);2.03(1H,m);1.71〜1.04(19H,m).
【0125】
製造実施例1.44
3−フェニルカルバモイルオキシ−N−(3−クロロプロピル)モルヒナンの製造(化49)
【化53】

【0126】
3−フェニルカルバモイルオキシモルヒナン・塩酸(化30)(2.8mg、0.007mmol)が攪拌された乾燥DMF(0.15mL)溶液に炭酸カリウム(5.4mg、0.021mmol)と1−ブロモ−3−クロロプロパン(1.9μL、0.042mmol)とを順次添加した後、前記混合物を50℃で攪拌した。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して2.1mg(収率70%)の標題化合物を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.35(4H,m);7.10(2H,m);6.85(1H,d);6.75(1H,d.d.);6.28(1H,s);4.38(1H,m);4.10(2H,t);3.80(2H,t);3.65(1H,m);3.14(1H,d.d.);2.83(2H,m);2.37(1H,m);2.25(2H,m);1.00〜1.80(10H,m).
【0127】
製造実施例1.45
3−フェニルカルバモイルオキシ−N−(メタンスルホニル)モルヒナンの製造(化50)
【化54】

【0128】
3−O−フェニルカルバモイルオキシモルヒナン・塩酸(化30)(2.8mg、0.007mmol)とトリエチルアミン(5.4μL、0.042mmol)とが攪拌された乾燥ジクロロメタン(0.3mL)溶液に塩化メタンスルホニル(1.5μL、0.021mmol)を添加した後、前記混合物を室温で攪拌した。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して2.1mg(収率70%)の標題化合物を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.48(2H,d);7.31(2H,t);7.15(3H,m);7.04(1H,m);6.90(1H,s);4.11(1H,m);3.55(1H,m);3.18(1H,m);2.93(3H,s);2.84(2H,m);2.30(1H,d);1.00〜1.80(10H,m).
【0129】
製造実施例1.46
3−フェニルカルバモイルオキシ−N−アセチルモルヒナンの製造(化51)
【化55】

【0130】
3−O−フェニルカルバモイルオキシモルヒナン・塩酸(化30)(2.8mg、0.007mmol)とトリエチルアミン(5.4μL、0.042mmol)とが攪拌された乾燥ジクロロメタン(0.3mL)溶液に塩化アセチル(1.4μL、0.021mmol)を添加した後、前記混合物を室温で攪拌した。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して2mg(収率70%)の標題化合物を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.45(2H,d);7.30(2H,t);7.15(3H,m);7.03(2H,m);4.95(1H,m);3.55(1H,m);3.15(1H,m);2.90(1H,m);2.75(1H,m);2.30(1H,m);2.05(3H,s);1.00〜1.80(10H,m).
【0131】
製造実施例1.47
3−(3−クロロプロピルオキシ)−N−(ベンジルオキシカルボニル)モルヒナンの製造(化52)
【化56】

【0132】
3−ヒドロキシ−N−(ベンジルオキシカルボニル)モルヒナン(化26)(3.6mg、0.009mmol)が攪拌された乾燥DMF(0.16mL)溶液に炭酸カリウム(4mg、0.028mmol)と1−ブロモ−3−クロロプロパン(2.8μL、0.028mmol)とを順次添加した後、前記混合物を50℃で攪拌した。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して3mg(収率70%)の標題化合物を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.30(5H,m);7.00(1H,t);6.83(1H,d);6.70(1H,d.d.);5.10(2H,m);4.30(1H,m);4.05(2H,t);3.90(1H,m);3.79(2H,t);3.05(1H,m);2.75(2H,m);2.30(1H,m);2.15(2H,m);1.00〜1.80(10H,m).
【0133】
製造実施例1.48
3−(3−クロロプロピルオキシ)−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナンの製造(化53)
【化57】

【0134】
3−ヒドロキシ−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナン(20mg、0.058mmol)が攪拌された乾燥DMF(0.3mL)溶液に炭酸カリウム(24mg、0.174mmol)と1−ブロモ−3−クロロプロパン(17.3μL、0.174mmol)とを順次添加した後、前記混合物を50℃で攪拌した。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して18mg(収率74%)の標題化合物を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.05(1H,m);6.83(1H,d);6.75(1H,d.d.);4.28(1H,d);4.05(2H,t);3.90(1H,m);3.83(3H,t);3.15(1H,m);2.60(2H,m);2.30(1H,m);2.15(1H,m);1.30(9H,s);1.00〜1.80(10H,m).
【0135】
製造実施例1.49
3−(3−クロロプロピルオキシ)モルヒナン・塩酸の製造(化54)
【化58】

【0136】
3−(3−クロロプロピルオキシ)−N−(t−ブチルオキシカルボニル)モルヒナン(化53)(17mg、0.04mmol)が攪拌された乾燥ジクロロメタン(1.0mL)溶液に含4N塩酸1,4−ジオキサン溶液(200μL)を添加した後、前記混合物を室温で2時間攪拌した。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を濃縮した。粗生成物を単純に粉砕して14mg(収率97%)の白色固体を得た。:H NMR(300MHz,CDOD)δ7.15(1H,d);6.80〜7.10(2H,m);4.05(2H,t);3.78(2H,t);3.65(2H,m);3.30(1H,m);3.10(2H,m);2.78(1H,m);2.45(1H,m);2.18(2H,m);1.00〜2.00(10H,m).
【0137】
製造実施例1.50
3−(3−クロロプロピルオキシ)−N−(メタンスルホニル)モルヒナンの製造(化55)
【化59】

【0138】
3−(3−クロロプロピルオキシ)モルヒナン・塩酸(化54)(3mg、0.008mmol)とトリエチルアミン(7μL、0.050mmol)とが攪拌された乾燥ジクロロメタン(0.3mL)溶液に塩化メタンスルホニル(2μL、0.025mmol)を添加した後、前記混合物を室温で攪拌した。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して3mg(収率88%)の標題化合物を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.01(1H,m);6.85(1H,d);6.70(1H,d.d);4.05(3H,m);3.78(2H,t);3.56(1H,d.d.);3.15(1H,d.d.);2.90(3H,s);2.83(2H,m);2.32(1H,m);2.20(2H,m);1.00〜1.90(10H,m).
【0139】
製造実施例1.51
3−(3−クロロプロピルオキシ)−N−アセチルモルヒナンの製造(化56)
【化60】

【0140】
3−(3−クロロプロピルオキシ)モルヒナン・塩酸(化54)(3mg、0.008mmol)とトリエチルアミン(7μL、0.050mmol)とが攪拌された乾燥ジクロロメタン(0.3mL)溶液に塩化アセチル(1.8μL、0.025mmol)を添加した後、前記混合物を室温で攪拌した。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を濃縮してカラムクロマトグラフィーで精製して2.5mg(収率82%)の標題化合物を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ6.96(1H,t);6.83(1H,d);6.75(1H,d.d.);4.92(1H,m);4.15(2H,t);3.81(2H,t);3.75(1H,m);3.12(1H,m);2.95(1H,m);2.62(1H,m);2.30(1H,m);2.18(2H,m);2.05(3H,s);1.00〜1.80(10H,m).
【0141】
製造実施例1.52
3−(3−クロロプロピルオキシ)−N−ベンジルモルヒナンの製造(化57)
【化61】

3−(3−クロロプロピルオキシ)モルヒナン・塩酸(化54)(3mg、0.008mmol)が攪拌された乾燥DMF(0.15mL)溶液に炭酸カリウム(7mg、0.024mmol)と臭化ベンジル(2μL、0.032mmol)とを順次添加した後、前記混合物を50℃で攪拌した。出発物質がTLC上で見えなくなった後、溶媒を濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して3mg(収率87%)の標題化合物を得た。:H NMR(300MHz,CDCl)δ7.15〜7.35(5H,m);7.05(1H,d);6.80(1H,s);6.73(1H,d);4.10(2H,t);3.55〜3.85(4H,m);3.05(1H,m);2.80(1H,m);2.56(1H,m);2.40(1H,m);2.00〜2.30(4H,m);1.00〜1.90(10H,m).
【0142】
実験例1:モルヒナンの神経保護的効果
実験例1.1
動物と薬物
すべての動物はヒト治療と実験用動物の使用に関するNIHガイド(実験用動物の治療及び使用のためのNIHガイド、NIH公表番号85−23、1985)によって厳格に扱われた。約30±3g重量のC57BL/6雄性マウス(Bio Genomics, Inc., Charles River Technology、韓国京畿道加平郡)を12:12時間の明暗サイクルで保持し、飼料及び水を自由に摂取するようにした。実験実施前に動物を前記条件下で2週間適応させた。本研究でドーパミン性神経毒としては1−メチル−4−フェニル−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン(MPTP; Sigma, St. Louis, MO)、リポ多糖類(LPS; Sigma Chem., St.Louis, MO)及びメタンフェタミン(MA; NIDA/NIH, USA)を用いた。
【0143】
雄性マウスに7日間連続して毎日MPTP(20mg遊離塩基/kg、皮下注射)を注射した。各々のモルヒナンは最後の3日間(4日目から7日目まで)毎度MPTP注射30分前に投与された。動物を最後のMPTP注射後24時間内に犠牲にした。
【0144】
雄性マウスを抱水クロラール (chloral hydrate)(200mg/kg、腹腔内注射)で麻酔し、小動物用脳定位固定装置(stereotaxic apparatus)に置いた。ブレグマ(bregma)から測定された定位座標を用いて線条体領域(striatal region)にLPSを注入した(FranklinとPaxinos、1997):+0.7mm後部、±1.0側部、−3.4腹部。LPS(PBS2μl用量中の2μg)を2分間にわたって線条体(striatum)の両側面に注射し、注射後2分間注射針をそのまま保持させた。対照群動物にはPBSを線条体に注射した。LPSを線条体内(intrastriatal)に注射する前に、各々のモルヒナンを2回(4時間40分前、40分前)投与した(10,28)。
【0145】
薬物処理を行う間、MAから誘発される過温症と神経毒は周囲温度を低めることによって遮断できるので、マウスを温度調節された(22.0±0.5℃)コロニー室に置き、前記コロニー室は飼料と水を自由に摂取可能にし、12時間/12時間明暗サイクルを有して、ろ過された陽圧換気下で50±5%湿度に調節された。2時間間隔でマウスにMA塩酸塩(7.5mg/kg、腹腔内注射、遊離塩基)を4回注射した(22,29)。各々の処理後、60分間直腸温度(colonic temperature)を記録した。直腸温度は温度計(Thermoscan製, San Diego, CA)を用いて測定された。直腸温度を最後に測定した後、動物を同一の生活空間に復帰させた。最後のMA注射後3日目に、マウスは犠牲になった。最初のMA処理前に4時間40分、及び40分に2回にわけて各々のモルヒナンを投与した。
【0146】
実験例1.2
モルヒナン
すべての溶液は脱イオン化された蒸留水又は生理食塩水を用いて新たに製造された。DM臭化水素酸塩(DM hydrobromide)はシグマケミカル社(St. Louis, MO)から入手した。デキストロルファン(DX)酒石酸塩(tartrate)、3−アリルオキシ−17−メチルモルヒナン(AM)臭化水素酸塩、3−シクロプロピルメトキシ−17−メチルモルヒナン(CM)臭化水素酸塩、3−ヒドロキシモルヒナン(HM)臭化水素酸塩(24)、及びジメモルファン(DF)リン酸塩が合成された(38,41,46)(図1)。各化合物は0.1ml/10g体積で腹腔内(i.p.)注射された。
【0147】
実験例1.3
自発運動(locomotor activity)と運動パターン(locomotor pattern)
7日間一日単回、各化合物(20又は40mg/kg、腹腔内注射/日)をC57BL/6マウスに投与した。各々の薬物の最後の投与後10分から30分間自発運動を測定した。自発運動を測定した後(即ち、最後の薬物注射後40分)、運動パターンを試験するために自動化されたビデオトラッキングシステム(Noldus information Technology製、Wagenin、オランダ)を用いて3分間のモニタリング期間中に「絶対回転角」(absolute turn angular)を分析した。特に、テストボックスの端部における運動円滑化(locomotor faciliation)は限界活性(旋回行動)[marginal activity(circling behavior)]とそれぞれ定義された(13,25,27)。8個のテストボックス(40×40×30cm高さ)がIBMコンピュータによって同時に作動された。動物が実験開始前10分間適応させた各々のテストボックスで運動する間、個体別に研究した。各セッション別の出力物はテストボックスの移動パターンを示した。水平自発運動における動物のcm単位移動距離が分析された(13,25,27)。データは900〜1700時間の間収集及び分析された。
【0148】
実験例1.4
条件付け場所嗜好性(心理的依存)
対照群として、C57BL/6マウスを白色又は黒色区画(white or black compartment)に送る直前に生理食塩水を腹腔内注射した。白色区画に入れる直前に生理食塩水(0.1ml/10g)に溶解された各化合物(20又は40mg/kg、腹腔内注射)をマウスに投与した。
【0149】
1日目に、マウスを5分間テスト装置に予め露出させた。マウスが二つの区画を自由に移動するようにギロチンドア(guillotine door)を上げた。2日目に、各々のマウスがそれぞれ区画で過ごした時間を15分間記録した。3、5、7、9、11及び13日目に、マウスが好まない白色区画に40分間閉じ込める前にそれぞれ薬物を注射した。4、6、8、10及び12日目にマウスが好む黒色区画に40分間閉じ込める前に生理食塩水を注射した。14日目にギロチンドアが上げられた。マウスは初期にトンネルに置かれ、二つの区画でマウスが過ごした時間を15分間記録した。テスト及びテスト前段階における白色区画で過ごした時間の差を数値で計算した(13,27,37)。データは900〜1700時間分析された。
【0150】
実験例1.5
ドーパミンとその代謝産物の決定
脳を迅速に摘出した後、氷上で冠状断面(coronal section)で1mmカットした。精密パスツール・ピペットを用いて線条体をパンチング(punch)して(3,21,22)、−70℃で保管した。DAとその代謝産物である3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)とホモバニリン酸(HVA)とがHPLC−電気化学検出で測定された(3,21,22)。要約すれば、線条体は内部標準(ml当り組織の湿重量10mg)であり、3,4−ジヒドロキシベンジルアミンを含む0.2M過塩素酸(perchloric acid)で均質化された。
ホモジネート(homogenate)を遠心分離した後、上澄液の一定分量(aliquot)20−μlをODS−C18カラムが装着されたHPLCに注入した。移動相(mobile phase)はアセトニトリル(acetonitrile)26ml、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)21ml及びEDTA 50mg/l及びオクチル硫酸ナトリウム(sodium octyl sulfate)200mg/lを含む0.15Mモノクロロ酢酸(monochloroacetic acid)(pH3.0)960mlで構成された。DA、DOPAC及びHVAの量は標準組織サンプルのピーク高さ比(peak height ratio)と比べて決定し、組織の湿重量(wet weight)100mg当りナノグラム(nanogram)で表された。
【0151】
実験例1.6
免疫細胞化学(Immunocytochemistry)
海馬(hippocampus)を含む冠状断面(coronal section)はチロシンヒドロキシラーゼ(tyrosine hydroxylase)(TH)免疫細胞化学で処理された。1次抗体と一晩中培養する前に、冠状断面を15分間0.2%トリトンX−100で、それから4%ヤギ正常血清(goat serum)で20分間下洗い(prewash)を行った。1次抗血清(antiserum)との24時間培養後、冠状断面は1時間の間2次ビオチン化抗血清(1:800希釈)で培養される。冠状断面は各々の培養段階間にPBS(pH7.4)でいつも3回洗浄される。色原体として3,3’−ジアミノベンジジンテトラ塩酸塩を有するアビジン−ビオチン複合法(avidin-biotin complex method)(ABCキット、Vector Laboratories、Inc.製)は免疫反応細胞を視覚化することに用いられた。TH(24−27,49,61)に対する抗体は200倍希釈された。全ての神経集団はイメージ分析システム(Optimas version 6.2;ニューロルシダプログラム−コントラスト補正システムは背景シグナルで標準化することが含まれる)下でアバークロンビー(1)の方法によって補正された。(3,22)
【0152】
実験例1.7
統計
前記データはフィッシャーLSDテスト(Fisher LSD test)、ダンカン(Duncan)の多重テストと繰り返し測定で分散分析法によって分析された。統計的な意味はp<0.05と定義される。
【0153】
結果
実験例1.8
モルヒナン又はフェンシクリジン(PCP)の反復投与による自発運動における変化
行動データは図2〜4に要約される。生理食塩水が注射された動物は基本的な自発運動を示した。DX又はDM(20又は40mg/kg)の反復投与は自発運動を顕著に増加させた。このような效果はDMで処理した動物よりDXで処理した動物で一層著しいことと現われた。DXにより誘発された行動プロフィールはPCPのプロフィールとに匹敵する。AMの処理は自発運動を多少増加させると現れたが、HM、CM又はDF処理による自発運動は生理食塩水で処理したものに匹敵する(図2)。DXは用量依存的方法で限界活性(旋回行動)で著しい増加を誘発させた(DX20又は40mg/kg vs.生理食塩水、p<0.01)。DXにより誘発された行動的影響はPCPの效果と類似している(PCP 2.5mg/kg vs.5.0mg/kg、p<0.05)。これに対し、DMはまた限界活性で著しい増加を誘発させた(DM20又は40mg/kg vs.生理食塩水、p<0.01)。しかし、HM、AM、CM及びDFは生理食塩水グループに比べて限界活性に著しい影響を及ぼさなかった(図2B)。PCPは他のグループで示されたものより非常に強いステレオタイプ(sterotype)(即ち、旋回行動≒限界活性)を発生させた(図2A及び図2B)。
【0154】
生理食塩水で処理された動物は何ら顕著な運動パターンも示さなかった。運動パターンはPCP、DM及びDXで処理した後、顕著に変化された。PCP、DM及びDXは限界活性(旋回行動)を発生させた。その反面、HM、AM、CM及びDFは何ら運動パターンでも著しい限界活性を発生させなかった(図3)。
【0155】
実験例1.9
モルヒナン又はフェンシクリジン(PCP)の反復投与による条件化場所嗜好性(CPP)プロフィールの変化
生理食塩水で処理された動物は何らCPP效果も見せなかった。DX処理された動物は用量依存的方法でCPPを発生させた(DX20又は40mg/kg vs.生理食塩水、p<0.01;DX40mg/kg vs.生理食塩水、p<0.05)、DXと同様にDM処理はまたCPPを発生させた(DM20mg/kg vs.生理食塩水、p<0.05;DX40mg/kg vs.生理食塩水、p<0.01)。最も著しいCPPはPCPに従う(PCP5mg/kg vs.生理食塩水、p<0.001;PCP2.5mg/kg vs.5mg/kg、p<0.01)。一方、HM、CM、AM及びDF処理動物は生理食塩水で処理された動物に比べて何らCPP效果も見せなかった(図4)。
【0156】
実験例1.10
MPTPによって誘発された運動機能低下症(hypokinesia)(自発運動の減少)及びドーパミン損失に対するモルヒナンの效果
MPTPの繰り返し処理(20mg/kg/日×7)は自発運動を顕著に減少させた(生理食塩水+生理食塩水 vs.生理食塩水+MPTP、P<0.01)。CM(生理食塩水+MPTP vs.CM24mg/kg+MPTP、P<0.05)、DM(生理食塩水+MPTP vs.DM12又は24mg+MPTP、P<0.01)又はHM(生理食塩水+MPTP vs.HM12又は24mg/kg+MPTP、P<0.01)の前処理はMPTPによって誘発された自発運動の減少を顕著に防止する(図5A)。これらの行動的影響は運動パターンと一致した(図5B)。しかし、AMやDMはMPTPによって誘発された自発運動低下症(locomotor hypoactivity)に著しい影響は与えられなかった。
【0157】
MPTPで処理されたマウスの線条体におけるDA、DOPAC及びHVA濃度を表1に示す。MPTPが投与されなかった動物では何ら有意差も見つけられなかった。MPTP処理はDA(P<0.01)、DOPAC(P<0.01)及びHVA(P<0.01)を顕著に減少させた。このような減少はDM(24mg/kg;DA;P<0.05、DOPAC;P<0.05、HVA;P<0.05)、HM(24mg/kg)(DA;P<0.01、DOPAC;P<0.01、HVA;P<0.01)又はCM(DA;P<0.05、DOPAC;P<0.05、HVA;P<0.05)の前処理によって顕著に保護された。しかし、AMとDFはMPTPによって誘発されたDA、DOPAC及びHVAにおける減少を変化させなかった。

【表13】

7日連続に毎日MPTP注射(20mg/kg、皮下注射)を受けた雄性マウス。各々のモルヒナンは最後の3日間MPTPの毎注射前30分に投与された。動物は最後のMPTP注射後24時間内に犠牲にした。各々の値は8匹動物の平均±S.E.Mである。P<0.01 vs.生理食塩水+生理食塩水、P<0.05 vs.生理食塩水+MPTP、P<0.01 vs.生理食塩水+MPTP(DMRテストによる分散分析法)。
【0158】
モルヒナンと結合したMPTP処理によるTH−免疫反応(TH−IR)が図6に示される。生理食塩水を投与した各動物は良好なTH−IRを示した。MPTPの処理は相当数のTH−陽性細胞を減少させた。HM(24mg/kg)(P<0.05),DM(24mg/kg)(P<0.05)又はCM(24mg/kg)(P<0.05)の前処理はMPTPによって誘発されたTH−陽性細胞の減少を低減させた。このような結果は線条体におけるDA濃度とMPTP処理によるSN(黒質)におけるTH−IRとが一致することを示す。
【0159】
実験例1.11
リポ多糖類(LPS)によって誘発された運動機能低下症(hypokinesia)(自発運動の減少)及びドーパミン損失に対するモルヒナンの效果
LPS(20μg×2)の両側の線条体注射は自発運動を顕著に減少させた(生理食塩水+生理食塩水 vs.生理食塩水+LPS、P<0.01)。CM(生理食塩水+LPS vs.CM12又は24mg/kg+LPS、P<0.05)、DM(生理食塩水+LPS vs.DM12又は24mg/kg+LPS、P<0.05)、HM(生理食塩水+LPS vs.HM12又は24mg/kg+LPS、P<0.05又はP<0.01)の前処理はLPSによって誘発された自発運動減少を顕著に防止した(図7A)。このような行動的影響はこれらの運動パターンと類似している。しかし、AMやDMはLPSによって誘発された自発運動減少症を低減させるのに效果的でなかった。
【0160】
LPSで処理されたマウスの線条体におけるDA、DOPAC及びHVA濃度を表2に示す。LPSのない動物では何ら有意差も見つけられなかった。LPSの線条体内注射はDA(P<0.01)、DOPAC(P<0.01)及びHVA(P<0.01)を顕著に減少させた。このような減少はDM(24mg/kg;DA;P<0.01、DOPAC;P<0.02、HVA;P<0.02)、HM(24mg/kg)(DA;P<0.01、DOPAC;P<0.01、HVA;P<0.02)又はCM(DA;P<0.05、DOPAC;P<0.05、HVA;P<0.05)の前処理によって顕著に保護された。しかし、AMとDFはLPSによって誘発されたDA、DOPAC及びHVAにおける減少を変化させなかった。
【表14】

線条体領域へのLPS注射はブレグマ(bregma)から測定された定位座標を用いて行われた:+0.7mm後部、±1.0側部、−3.4腹部。LPS(PBS 2μlで2μg)が線条体(striatum)両側面に注射された。各々のモルヒナンはLPS線条体注射4時間40分前と40分前に投与された。マウスはLPS処理後3日目に犠牲になった。各々の値は8匹動物の平均±S.E.M(標準平均誤差)である。P<0.01 vs.生理食塩水+生理食塩水、P<0.05 vs.生理食塩水+MPTP、P<0.01 vs.生理食塩水+MPTP(DMRテストによる分散分析法)。
【0161】
モルヒナンと一緒に又はモルヒナンなしにMPTP処理によるTH−免疫反応(TH−IR)が図8に示される。生理食塩水又はモルヒナンを単独投与した各動物は良好なTH−IRを示した。LPSの処理はTH−陽性細胞を相当に減少させた(P<0.01)。HM(24mg/kg)(P<0.05)、DM(24mg/kg)(P<0.05)又はCM(24mg/kg)(P<0.05)の前処理はLPSによって誘発されたTH−陽性細胞の減少を低減させた。このような結果は線条体におけるDA濃度とLPS処理による黒質の(nigral)TH−IRとが一致することを示す。
【0162】
実験例1.12
メタンフェタミン(MA)によって誘発された過温症(hyperthermia)、運動機能低下症(hypokinesia)及びドーパミン損失に対するモルヒナンの效果
MA処理後ドーパミン性毒性(dopaminergic toxicity)がMAによって誘発された過温症と関連があるということはよく認識されている。MAによって誘発された過温症は本研究で用いられたモルヒナンによって低減される(直腸の温度によって測定、生理食塩水 vs.MA、P<0.01)。HMはMAによって誘発された過温症の低減において5種類のモルヒナン(単独MA vs.DM、AM、CM、DF24mg/kg+MA、P<0.05)の間に最も有効である(単独MA vs.24mg/kgHM+MA、P<0.01)(図10)。
【0163】
MAの最終処理後3日目に(7.5mg/kg×4、2時間間隔)顕著に減少された自発運動が観察された(生理食塩水+生理食塩水 vs.生理食塩水+MPTP、P<0.01)。モルヒナンの前処理はMAによって誘発された自発運動の減少を顕著に防止した(図11A)。これらの行動的影響は運動パターンと一致した(図11B)。HMがMA処理(単独MA vs.DM12及び24mg/kg(P<0.05及びP<0.01)、HM(P<0.05及びP<0.01)、AM(P<0.05)、CM(P<0.05)、及びDF(P<0.05))後に自発運動の減少を防止するのに最も效果的であると表された。DMの薬理学的效果はHMに匹敵する。
【0164】
MAで処理されたマウスの線条体におけるDA、DOPAC及びHVA濃度を表3に示す。MA水準に投与されなかった動物では何ら有意差も見つけられなかった。MA処理はDA(P<0.01)、DOPAC(P<0.01)及びHVA(P<0.01)を顕著に減少させた。このような減少はDM(24mg/kg;DA;P<0.02、DOPAC;P<0.05、HVA;P<0.05)、HM(24mg/kg)(DA;P<0.01、DOPAC;P<0.01、HVA;P<0.02)、AM(24mg/kg;DA;P<0.05、DOPAC;P<0.05、HVA;P<0.05)、CM(DA;P<0.02、DOPAC;P<0.05、HVA;P<0.05)又はDF(24mg/kg;DA;P<0.05、DOPAC;P<0.05、HVA;P<0.05)の前処理によって顕著に保護された。
【表15】

雄性マウスは2時間間隔でMA・HCl(7.5mg/kg、遊離塩基で腹腔内注射)を4回投与された。各々のモルヒナンは最初MA注射4時間40分前、40分前に2回投与された。マウスはMA処理後3日目に犠牲になった。各々の値は8匹の動物の平均±S.E.M(標準平均誤差)である。P<0.01 vs.生理食塩水+生理食塩水、P<0.05 vs.生理食塩水+MA、P<0.02 vs.生理食塩水+MA、P<0.01 vs.生理食塩水+MA(DMRテストによる分散分析法)。
【0165】
モルヒナンと一緒に又はモルヒナンなしにMPTP処理による黒質の(nigral)TH−免疫反応(TH−IR)が図12に示される。生理食塩水又は各々のモルヒナン単独を投与した各動物は良好なTH−IRを示した。MAの処理はTH−陽性細胞を相当に減少させた(P<0.01)。HM(24mg/kg)(P<0.05)、DM(24mg/kg)(P<0.05)、AM(24mg/kg)(P<0.05)、CM(24mg/kg)(P<0.05)、及びDF(24mg/kg)(P<0.05)の前処理はMAによって誘発されたTH−陽性細胞の減少を低減させた。一貫して、このような結果は線条体におけるDA濃度がモルヒナンの存在又は不在下でMA処理による黒質の(nigral)TH−IRと一致することを示す。
【0166】
実験例2
カンナビノイド(cannabinoid)CB1受容体におけるモルヒナンの效果
実験例2.1
HMはカンナビノイドCB1部位に対して高い親和度を有しており、CB1受容体拮抗作用を有している。
最近の研究はカンナビノイドCB1受容体の遮断がパーキンソン病モデルに対して有益な效果を奏することと提案されたので、実験された右旋性モルヒナンの中でドーパミン性損傷に最も有効なモルヒナンである3−ヒドロキシモルヒナン(HM)がカンナビノイドCB1部位に対して高い親和度を示すか否かについて実験された。HMはカンナビノイドCB1部位に高い親和度(Ki=11.5nM)を有しており(図13)、CB1受容体拮抗作用を有している。選択的CB1拮抗剤であるCP55,940(1α,2β−(R)−5α]−(−)−5−(1,1−ジメチル)−2−[5−ヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシプロピル)−シクロヘキシル−フェノール]100nMは約120%までGTPγS結合を刺激する反面、選択的CB1 AM251 100nMはほぼ20%まで結合を抑制した。CP55,940によって誘発されたGTPγS結合における刺激はAM251[N−(ピペリジン−1−イル)−5−(4−ヨードフェニル)−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド]の存在下で低減された。HM100nMは約60%までこのような結合を抑制した。CP55,940誘発で増加された結合はHMの処理によって減少された。従って、HMはCB1拮抗剤であるだけでなくCB1受容体の部分アゴニストである(図14)。
【0167】
実験例2.2
HMはマウスの黒質におけるMPTP誘発で減少されたチロシンヒドロキシラーゼ免疫反応(TH−IR)を低減させる。
MPTP(20mg/kg、腹腔内注射/日×7)の最終処理後1日目にTH−IRの顕著な減少が発見された。かかるTH−IRの減少はAM251の処理によって低減された。AM−251(0.3mg/kg、腹腔内注射)とHM(20mg/kg、腹腔内注射)との結合処理がMPTPによって誘発されたTH−IR損失に対するAM−251単独処理よりも一層效果的であった。このような結合效果はMPTPに対するHM単独效果と同様である。しかし、ACEA(アラキドン酸−2−クロロエチルアミド)(2mg/kg、腹腔内注射)は少なくとも部分的にCB1受容体拮抗剤の役割を果たすHMの神経保護的効果に反対に作用した(図15)。従って、HMの神経保護的効果はCB1アゴニストであるACEAに反対に作用する。
【0168】
実験例2.3
HMはLPSで誘発される致死的な效果を抑制し、マウスの黒質におけるLPSによって誘発されるチロシンヒドロキシラーゼ免疫反応(TH−IR)を低減させる。
いずれの動物もLPS不在下では死ななかった。マウス10匹のうち6匹が両側の線条体内へのLPS注射の2週経過後に、死亡した(一側;2μg×2)。AM−251もACEAもLPSによって誘発された致死性を顕著に変化させなかった。HMが前処理されLPSが処理されたマウスにおいていずれの動物も死ななかった。ACEAはHMによって誘発された保護(非致死的な)效果に反対に作用した。AM−251はLPSによって誘発された致死性を遮断するように見える(図16)。
【0169】
ACEAはLPSによって誘発されたTH−IRにおける減少を変化させなかったが、AM−251はこのような減少を低減させた。HMとAM−251との混合処理はLPSによって誘発されたニューロンの損失を防止するのにより有効であった。このような神経保護的効果はLPSによる損傷に対するHM単独效果に匹敵する。ACEAはLPSによって誘発されたTH−IRにおける損傷に対するHMの保護效果に反対に作用した(図17)。
【0170】
実験例2.4
HMはマウスの黒質におけるメタンフェタミン(MA)によって誘発されたチロシンヒドロキシラーゼ免疫反応性(TH−IR)における損傷を抑制する。
上述した二つの神経毒と同様に、MAによって誘発されたドーパミン性損傷が注目された。ACEAはMAによって誘発されたTH−IRにおける減少を変化させなかったが、AM−251はこのような減少を低減させた。HMとAM−251との混合処理はMAによって誘発されたニューロンの損失を防止するのにより有効であった。このような神経保護的効果はMA毒性に対するHM単独效果に匹敵する。ACEAはMAによって誘発されたTH−IRにおける損傷に対するHMの保護效果に反対に作用した(図18)。
【0171】
実験例2.5
HMはMPTPによって誘発されたマウスの自発運動及び黒質の(nigral)TH−IRにおける減少を抑制することに当たって、レボドーパ、カルビドパ又はカルビドパ+レボドーパよりも一層效果的である。
パーキンソン病被検者治療用処方薬はレボドーパ又はレボドーパ+カルビドパである。従って、HMの神経保護的効果はレボドーパ、カルビドパ又はレボドーパ+カルビドパにおいて比較された。図19に示したように、マウスは連続7日間一日単回でMPTP(20mg/kg、被膜注射)が投与された。自発運動はMPTPの最終処理後60分間行われた。マウスは最終MPTP投与24時間後に犠牲になった。HM(24mg/kg、腹腔内注射)、レボドーパ又はカルビドパ(20mg/kg、経口投与)+レボドーパ(200mg/kg、経口投与)は最初のMPTP投与前に2週間投与された。
【0172】
MPTPは自発運動で相当な減少(P<0.01 vs.生理食塩水処理)を誘発させた。しかし、活性はレボドーパ、カルビドパ又はレボドーパ+カルビドパで増加することと表れた。HMはMPTPによって誘発された運動機能低下症を相当に増加させた(P<0.05 vs.生理食塩水+MPTP)。一貫して、MPTPによって誘発されたTH−IRにおける黒質の損失(nigral loss)(P<0.01 vs.生理食塩水処理)はレボドーパ+カルビドパ(P<0.05 vs.生理食塩水+MPTP)又はHM(P<0.05 vs.生理食塩水+MPTP)の存在下で相当に低減された。このような結果はレボドーパ又はレボドーパ+カルビドパよりもHMがさらに效果的であるということを示唆する(図21)。
【0173】
実験例2.6
HMはマウスにおいてLPSによって誘発された致死的效果、自発運動及び黒質の(nigral)TH−IRにおける減少、及び小グリア細胞(microglial cell)における増殖を抑制することに当たって、レボドーパ、カルビドパ又はカルビドパ+レボドーパよりも一層效果的である。
HMの神経保護的効果がLPSによって誘発されたドーパミン性損傷に対してレボドーパ又はカルビドパ+レボドーパにおいて比較された。実験スケジュールは図22に示されている。LPS(2μg×4/頭)の線条体内注射は高い致死率を発生させた。(LPS投与後2週内に12匹のうち10匹が死亡した。)カルビドパ単独、レボドーパ単独、又はカルビドパ+レボドーパの前処理がLPSによって誘発された致死率を減少させることと見えたが、HMの保護效果はカルビドパ単独、レボドーパ単独、又はカルビドパ+レボドーパよりも最も顕著であった(生理食塩水+LPS vs.HM+LPS、P<0.01、Chi−square test)(図23)。
【0174】
自発運動はLPS処理してから3週後60分間実験された。LPSによって誘発された自発運動における有意的な減少(P<0.01 vs.生理食塩水処理)はレボドーパ(P<0.05)、カルビドパ+レボドーパ(P<0.05)又はHM(P<0.01)によって低減された(図24、図25)。
【0175】
黒質におけるTH−IRはLPSの不在下で全く変わらなかった。LPSによって誘発されたTH−IRにおける損失はカルビドパ(P<0.05)、レボドーパ(P<0.05)、カルビドパ+レボドーパ(P<0.05)、及びHM(P<0.01)の処理によって有意的に低減された。HMはLPSによって誘発されたTH−IRにおける減少を低減させるのに最も效果的である(図26、図27)。
【0176】
F/80様免疫反応度で標識された非常に少ない小グリア細胞の誘導がLPSの不在下で観察された。しかし、生理食塩水で処理されたグループと比べてLPSによって誘発された小グリア細胞増殖が有意的に増加した(P<0.01)。このようなF4/80様免疫反応度はカルビドパ(P<0.05)、レボドーパ(P<0.05)、カルビドパ+レボドーパ(P<0.05)、及びHM(P<0.01)の処理によって有意的に低減された。HMがLPSによって誘発されるF4/80様免疫反応度における増加を低減させるのに最も效果的である(図28、図29)。
【0177】
実験例2.7
HMはマウスにおけるメタンフェタミン(MA)によって誘発される過温症、自発運動の減少、黒質のTH−IRを抑制するのにレボドーパ、カルビドパ又はカルビドパ+レボドーパよりも一層效果的である。
化合物と共に又は化合物なしのMAの実験例は図30に示す。MAの処理(7.5mg/kg、腹腔内注射×2時間間隔で4回)は過温症(P<0.01)を発生させた。レボドーパ、カルビドパ又はカルビドパ+レボドーパの前処理はMAによって誘発される過温症を有意的に低減させた(P<0.01)(図31)。
【0178】
MA注射後3日目に自発運動における有意的な減少はカルビドパ、レボドーパ、カルビドパ+レボドーパ又はHMの処理によって顕著に増加された。HMの效果はレボドーパ又はカルビドパ+レボドーパよりも一層效果的である(図32)。
【0179】
MAによって誘発されたTH−IRにおける黒質消失が有意的に観察された(生理食塩水で処理されたグループ vs.生理食塩水+MA、P<0.01)。このような減少はカルビドパ+レボドーパの処理によって有意的に低減されたが、HMの效果はカルビドパ+レボドーパよりさらに顕著であった(図33)。
【0180】
実験例3:
薬物依存症におけるモルヒナンの效果
薬物依存症における右旋性モルヒナンの有益な效果が決定された。また、コカイン又はメタンフェタミン(MA)によって誘発される行動的副作用に対するモルヒナンの效果が実験された。右旋性モルヒナン、特にデキストロメトルファン(DM)、3−メトキシモルヒナン(MM)、3−ヒドロキシモルヒナン(HM)、3−アリルオキシ−17−メトキシモルヒナン(AM)、3−シクロプロピル−17−メトキシモルヒナン(CM)及びジメモルファン(DF)の自発運動、条件付け場所嗜好性(CPP)又はフォス関連抗原−免疫反応度(FRA−IR)における変化に対する效果がコカイン又はMAの長期投与後に実験された。長期間のコカイン服用(5又は20mg/kg、腹腔内注射/日×7)は自発運動を顕著に増加させた。DM(15又は30mg/kg、腹腔内注射)との混合処理は高用量のコカイン(20mg/kg)によって誘発された過自発運動(hyperlocomotor activity)を低減させた。しかし、DM(30mg/kg)は低用量のコカイン(5mg/kg)によって誘発された自発運動を有意的に増加させた。同様に、MM(15又は30mg/kg)は高用量のコカイン変化によって誘発された自発運動を低減させたが、MMはこのようなモルヒナンが用量反応曲線を左側に移動させることを示唆するとともに、低用量(5mg/kg)のコカインによって誘発された自発運動を変化させなかった。これに対し、他のモルヒナン(HM、AM、CM及びDF)はたとえ高用量のコカインによって誘発された自発運動に対する反応は一定でないが、低用量のコカインによって誘発された自発運動は一貫して低減された。前記4種のモルヒナンは一貫して用量反応曲線を右側に移動させた。これらの行動的影響プロフィールは線条体のFRA−IRの場合と一致する。モルヒナン(特に、HM)はカンナビノイドCB1部位に対して比較的に高い親和度を有し、最近の研究はCB1受容体遮断が薬物依存症の抑制に対する新しい接近を提供すると提案しているため、条件付け場所嗜好性(CPP)及び行動感作を測定することによって、CB1受容体がコカインによって誘発された心理的な依存に対応したHMの薬理作用とどのような相関関係があるかについて実験された。コカインによって誘発されたCPPが有意的に観察された。CB1受容体アゴニストであるACEA(2mg/kg、腹腔内注射)はCPPを発生させた。しかし、HM(20mg/kg)又はCB1受容体拮抗剤であるAM251(0.3mg/kg、腹腔内注射)はいずれもCPPを見せなかった。ACEAはコカインによって誘発されたCPPを変化させなかったが、AM251又はHMはコカインによって誘発されたCPPを低減させた。コカイン(10mg/kg、腹腔内注射)の単回投与の一ヶ月前にコカイン(10mg/kg、腹腔内注射/日×7)で前処理されたマウスは、一回量のコカイン(10mg/kg、腹腔内注射)を投与されたマウスに比べて自発運動が有意的に増加された。これはコカインで誘発される行動感作がこのような実験例で明確に誘導されることを示唆する。HMはコカイン敏感性を有意的に低減させたが、ACEAもAM251もコカイン敏感性を有意的に変化させなかった。
【0181】
長期間のMA(1mg/kg、腹腔内注射/日×7)服用は自発運動を増加させた。DM(20mg/kg、腹腔内注射)との混合服用はMAによって誘発された自発運動を変化させなかった。しかし、DF(20mg/kg、腹腔内注射)、AM(20mg/kg、腹腔内注射)又はCM(20mg/kg、腹腔内注射)はMAによって誘発された自発運動を有意的に低減させた(P<0.05)。このような行動的影響はマウスにおける線条体のFRA−IRプロフィールと同一線上にある。MA(1mg/kg、腹腔内注射×1)の単回投与前の7日間、MA(1mg/kg、腹腔内注射/日×7)前処理は自発運動で有意的な増加を発生させた。これはMAによって行動感作が誘発されることを示す。
【0182】
たとえ、DMはMA敏感性に影響を与えなかったが、各々のモルヒナン(DF、AM、CM又はHM)20mg/kgはMA敏感性を有意的に低減させた(P<0.05)。ACEA(2mg/kg、腹腔内注射)もAM251(0.3mg/kg、腹腔内注射)もMA敏感性に影響を与えなかった。しかし、ACEAはMA敏感性に対するHMの薬理作用を有意的に低減させた反面、AM251はHMの效果に有意的な影響は与えなかった。
【0183】
MAによって誘発されるCPPが注目された。ACEA単独はその自体のCPPを発生させた。(P<0.05 vs.生理食塩水で処理されたグループ)。これに対し、ACEAはMAによって生成されたCPPに影響を与えなかった。しかし、AM251又はHMはMAによって生成されたCPPを有意的に抑制した。ACEAはMAによって生成されたCPPに対応したHMの薬理作用を逆転したが、AM251はHMの效果に有意的な影響を与えなかった。
【0184】
一緒に与えられたモルヒナン類似体、特にDF、AM、CM及びHMはコカイン又はMAに対応する抗−向精神薬潜在力を有する。特に、HMが調節された薬理作用は少なくとも部分的にCB1受容体の遮断を介して行われる。
【0185】
実験例3.1
動物及び処理
すべての動物は実験室動物の人道的な保護のためNIH指針に従って扱われた。約25g重量のC57BL/6雄性マウス(バイオジェノミックス社製、チャールズリバーテクノロジー、韓国京畿道加平郡)は12:12時間、明暗サイクルで保持され、飼料及び水を自由に摂取するようにした。実験実施前に動物を前記条件下で2週間適応させた。すべてのげっ歯類は実験前に薬物や脳卒中の経験がなかった。コカイン(NIDA/NIH、ロックビル(Rockville)、MD)又はメタンフェタミン(MA;NIDA/NIH、ロックビル、MD)は滅菌された生理食塩水で溶解された。
【0186】
実施例3.2
条件付け場所嗜好性(精神的依存症)
対照マウスを白色又は黒色区画(white or black compartment)に入れる前に生理食塩水を腹腔内注射した。マウスを白色区画に入れる前にマウスに生理食塩水に溶解されたコカイン又はMAを直ちに投与した。コカイン単独、MA単独又は前述したモルヒナン(DM、HM、AM、CM又はDF)との結合の效果を試すため、それぞれモルヒナンをコカイン又は生理食塩水注入2時間前に投与した。
【0187】
1日目に、マウスを5分間テスト装置に予め露出させた。マウスが二つの区画を自由に移動するようにギロチンドア(guillotine door)を上げた。
【0188】
2日目に、各々のマウスがそれぞれ区画で過ごした時間を15分間記録した。3、5、7、9、11及び13日目に、マウスが好まない白色区画に20分間閉じ込める前に各々にコカインを注射した。4、6、8、10及び12日目にマウスが好む黒色区画に20分間閉じ込める前に生理食塩水を注射した。14日目にギロチンドアが上げられた。マウスは初期にトンネルに置かれ、二つの区画でマウスが過ごした時間を15分間記録した。テスト及びテスト前の段階における白色区画で過ごした時間の差を数値で計算した。
【0189】
実施例3.3
自発運動
自動化されたビデオトラッキングシステム(Noldus information Technology社製、 Wagenin、 オランダ)を用いて自発運動を測定した。8個のテストボックス(40×40×30cm高さ)がIBMコンピュータによって同時に作動された。動物が実験開始前5分間適応させた各々のテストボックスで運動する間、個体別に研究した。各セッションに対する出力物はテストボックスの移動パターンを示した。水平自発運動における動物のcm単位移動距離が分析された(13,25,27)。データは900時間〜1700時間で収集及び分析された。
【0190】
実施例3.4
フォス関連抗体免疫反(FRA−IR)
線条体内のFRA−IRはコカイン/MA最終注入後18時間で最大濃度に誘導された。従って、コカイン/MA最終注入後18時間で脳を摘出して兔疫細胞化学的分析に用いた。線条体を含む冠状断面(coronal section)はFRA免疫細胞化学用として処理された。1次抗体と一晩中培養する前に、冠状断面を15分間0.2%トリトンX−100で、それから4%ヤギ正常血清(goat serum)で20分間洗浄した。24時間の1次抗血清(antiserum)と培養した後、冠状断面は1時間2次ビオチン化抗血清(1:800希釈)で培養された。冠状断面は各々の培養段階の間にPBS(pH7.4)でいつも3回洗浄された。色原体として3,3’−ジアミノベンジジンテトラ塩酸塩を有するアビジン−ビオチン複合法(avidin-biotin complex method)(ABCキット、Vector Laboratories、Inc.)は免疫反応細胞を視覚化することに用いられた。FRA抗体は最適希釈1:2,000で用いられた。線条体でFRA−IRはポラロイドデジタル顕微鏡カメラを装着したイメージ分析システム(オプチマスバージョン6.2)を用いて計算された。
【0191】
実施例3.5
統計学的分析
有意性は対データを通じたstudentのt−テスト(Student’s t-test)と繰り返し測定による分散分析検証法により分析された。0.05以下の有意水準を比較対象として判定した。
【0192】
実施例3.6
マウスにおけるコカインによって誘発された過渡運動(hyperlocomotion)に対するモルヒナン(DM,MM,AM,CM,HM,なおDF)の效果
生理食塩水単独は自発運動を有意的に変化させなかった。コカイン(5又は10mg/kg)は経時によって自発運動を増加させた。自発運動の増加はコカイン最初投与よりは7番目投与で一層顕著であった。たとえ、DM又はMM(15又は30mg/kg)(コカインの30分前)を用いた処理が高用量のコカインによって誘発された活動亢進を低減させたが(DM又はMMの用量+コカイン20mg/kg vs.コカイン20mg/kg、P<0.05)、DM30mg/kgは低用量のコカイン(5mg/kg、腹腔内注射)によって誘発された自発運動を増加させた。同様に、MM用量は低用量のコカインによって誘発された自発運動に影響を与えなかった。これに対し、他のモルヒナンは一貫して低用量のコカインによって誘発された自発運動を低減させるのに效果的である。つまり、それらは用量反応曲線を右側に移動させるが、これはそれらが抗−精神異常作用を有することを示唆する(図34、図35)。
【0193】
実施例3.7
マウスの線条体におけるコカインによって誘発されたFRA−IRに対するモルヒナン(DM、MM、AM、CM、HM及びDF)の效果
向精神薬によって誘発されたニューロン適応/刺激で重要な転写因子の一つであるFRAはコカイン不在下では殆ど発現されなかった。コカイン(5mg/kg)の長期服用は線条体でFRA−IRを顕著に誘発させた。DMもMMもコカインによって調節されたFRA−IRの誘発に影響を与えなかった。これに対し、コカインによって誘発されたFRA−IRはDF、AM、CM又はHMの処理によって明白に低減された(図36)。
【0194】
実施例3.8
コカインによって誘発されたCCPに対応してHMが調節された薬理作用に対するカンナビノイドCB1受容体アゴニスト(ACEA)又はCB1受容体拮抗剤(AM251)の效果
生理食塩水処理、AM251(0.3mg/kg)処理、HM(20mg/kg)処理された動物はいずれもCPP反応を示さなかった。これに対し、ACEA(2mg/kg)処理された動物はCPP效果を示した(P<0.05 vs.生理食塩水で処理された動物)。コカイン(10mg/kg)は有意的なCPP效果を誘発させた(P<0.01)。ACEAはコカインによるCPP效果を変化させなかった。しかし、AM251又はHMはコカインによって発生されたCPPを有意的に減少させた(P<0.05)。AM251はコカインによって誘発されたCPPに対応するHMの效果に影響を与えなかった。これに対し、ACEAはコカインによって誘発されたCPPに反対に作用するように見える(図37)。
【0195】
実施例3.9
コカインによって誘発された行動感作に対応してHMが調節された薬理作用に対するカンナビノイドCB1受容体アゴニスト(ACEA)又はCB1受容体拮抗剤(AM251)の效果
生理食塩水処理、AM251(0.3mg/kg)処理、ACEA(2mg/kg)処理、HM(20mg/kg)処理された動物はいずれも特異的行動的影響を見せなかった。コカインは有意的な行動感作を誘発させた[コカインが単回投与された動物の自発運動 vs.コカインの単回投与の一ヶ月前にコカイン(10mg/kg/日、腹腔内注射×7)処理された動物の自発運動(P<0.01)]。AM251もHMもコカインによる行動感作を変化させなかった。しかし、HMはコカインによる行動感作を有意的に減少させた(P<0.05)。ACEAもAM251もコカインによって誘発された敏感性に対応したHMの效果を有意的に変化させなかった(図38)。
【0196】
実施例3.10
メタンフェタミン(MA)によって誘発されたマウスの過度運動に対するモルヒナン(DM、DF、AM、又はCM)の效果
生理食塩水単独は自発運動を有意的に変化させなかった。MA(1mg/kg)は経時によって自発運動を増加させた。DM(20mg/kg)(毎MAの30分前)処理はMA(1mg/kg、腹腔内注射/日×7)によって誘発された活動亢進に影響を与えなかった。これに対し、DF、AM又はCMは一貫してMAによって誘発された過渡運動を低減させるのに效果的である。(図39)
【0197】
実施例3.11
マウスの線条体におけるメタンフェタミン(MA)によって誘発されたFRA−IRに対するモルヒナン(DM、DF、AM及びCM)の效果
MAの不在下でFRA−IRの誘発は殆ど観察されなかった。長期間のMA(1mg/kg、腹腔内注射/日×7)服用は線条体でFRA−IRを顕著に誘発させた。DMはMAによって介在されたFRA−IRの誘発に影響を与えなかった。これに対し、MAによって誘発されたFRA−IRはDF、AM、又はCM処理によって明確に低減された(図40)。
【0198】
実施例3.12
メタンフェタミン(MA)によって誘発された行動感作に対応したDM、DF、AM又はCMの效果
生理食塩水で処理された動物はビデオトラッキングシステム上で何ら特異的行動的影響も示さなかった。MAは有意的な行動感作を誘発させた[MAが単回投与された動物の自発運動 vs.MAの単回投与の一週間前にMA(1mg/kg、腹腔内注射/日×7)前処理された動物の自発運動(P<0.05)]。DM(20mg/kg、腹腔内注射)はMAによる行動感作を変化させなかった。しかし、20mg/kgのDF、AM又はCMの投薬量において、MAによって生じた行動感作は相当に減少した(P<0.05)(図41)。
【0199】
実施例3.13
MAによって誘発されたCPPに対応してHMが調節された薬理作用に対するカンナビノイドCB1受容体アゴニスト(ACEA)又はCB1受容体拮抗剤(AM251)の效果
生理食塩水処理、AM251(0.3mg/kg、腹腔内注射)処理、HM(20mg/kg)処理された動物はいずれもCPP反応を示さなかった。これに対し、ACEA(2mg/kg、腹腔内注射)処理された動物はCPP效果を示した(P<0.05 vs.生理食塩水で処理された動物)。MAは有意的なCPP效果を誘発させた(P<0.01)。ACEAはMAによるCPP效果を変化させなかった。しかし、AM251(P<0.05)又はHM(P<0.01)はMAによって発生されたCPPを有意的に減少させた。AM251はMAによって誘発されたCPPに対応するHMの效果に影響を与えなかった。これに対し、ACEAはMAによって誘発されたCPPに対するHMの效果に反対と作用するように見える(図42)。
【0200】
実施例3.14
MAによって誘発された行動感作に対応してHMが調節された薬理作用に対するカンナビノイドCB1受容体アゴニスト(ACEA)又はCB1受容体拮抗剤(AM251)の效果
生理食塩水処理、AM251(0.3mg/kg)処理、ACEA(2mg/kg)処理、HM(20mg/kg)処理された動物はいずれも行動的影響を見せなかった。MAは有意的な行動感作を誘発させた[MAが単回投与された動物の自発運動 vs.MAの単回投与の一ヶ月前にMA(1mg/kg/日、腹腔内注射×7)処理された動物の自発運動(P<0.01)]。AM251もHMもコカインによる行動感作を変化させなかった。しかし、HMはコカインによる行動感作を有意的に減少させた(P<0.05)。たとえ、ACEAはMAによって誘発された行動感作に対するHMの效果に有意的に反転したが、AM251はMA行動感作に影響を与えなかった(図43)。
【0201】
ここに引用されたすべての資料は参照資料として開示されたものである。
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【図面の簡単な説明】
【0202】
【図1】例示的なD型モルヒナン類似体の化学構造式を例示する図である。
【図2】モルヒナン又はフェンシクリジン(PCP)の反復投与による自発運動(locomotor activity)の変化を示す図である。DM=デキストロメトルファン、DX=デキストロルファン、HM=3−ヒドロキシモルヒナン、AM=3−アリルオキシ−17−メチルモルヒナン、CM=3−シクロプロピルメトキシ−17−メチルモルヒナン、DF=ジメモルファン。図2Aにおける、水平自発運動における動物の「cm単位の総移動距離(total distance moved in cm)」は最終投与後30分間測定された。図2Bにおいて、自発運動測定後、「絶対回転角(absolute turn angular)」パラメーターは限界活動(旋回行動)(marginal activity(circling behavior))を試すための自動化ビデオトラッキングシステム(automated video tracking system)を用いて3分間のモニタリング期間中に分析された。各々の値は動物10匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。P<0.05、P<0.01、P<0.001 vs.生理食塩水(saline)、P<0.05 vs.PCP2.5mg/kg(DMRテストによる分散分析検証法)。
【図3】代表的な運動パターン(locomotor pattern)を示す透写図である。A.生理食塩水腹腔内(i.p)注射、B.フェンシクリジン(PCP)5mg/kg、腹腔内(i.p)注射、C.デキストロメトルファン(DM)40mg/kg、腹腔内(i.p)注射、D.デキストロルファン(DX)40mg/kg、腹腔内(i.p)注射、E.3−ヒドロキシ−モルヒナン(HM)40mg/kg、腹腔内(i.p)注射、F.3−アリルオキシ−17−メチルモルヒナン(AM)40mg/kg、腹腔内(i.p)注射、G.3−シクロプロピルメトキシ−17−メチルモルヒナン(CM)40mg/kg、腹腔内(i.p)注射、H.ジメモルファン(DF)40mg/kg、腹腔内(i.p)注射。PCP、DX又はDMを処理した後に限界活動(旋回行動)で有意的な増加があった。
【図4】モルヒナン又はフェンシクリジン(PCP)の反復投与による条件付け場所嗜好性(conditioned place preference, CPP)プロフィール変化を示す図である。DM=デキストロメトルファン、DX=デキストロルファン、HM=3−ヒドロキシモルヒナン、AM=3−アリルオキシ−17−メチルモルヒナン、CM=3−シクロプロピルメトキシ−17−メチルモルヒナン、DF=ジメモルファン。各々の値は動物10匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。P<0.05、P<0.01、P<0.001 vs.生理食塩水、P<0.05 vs.DMの対応量、P<0.05、P<0.01 vs.DXの対応量、P<0.05 vs.PCP2.5mg/kg、hP<0.05 vs.DX20mg/kg。(DMRテストによる分散分析検証法)。
【図5】マウスでMPTPによって誘発された自発運動(locomotor activity)(A)と運動パターン(locomotor pattern)(B)上でモルヒナン類似体の效果を示す図である。各々の値は動物10匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である(A)。P<0.01 vs.生理食塩水+生理食塩水、P<0.01 vs.生理食塩水+MPTP。MPTPで処理された動物において自発運動/運動パターンの有意な減少はHM又はDMの存在下で有意な増加を示している。このような低減(attenuation)はHMで処理した動物でより目立つ。
【図6】図6AはMPTPで処理されたマウスから黒質(SN)ドーパミン作動性ニューロン内にチロシン−ヒドロキシラーゼ免疫反応(TH−IR)におけるモルヒナン類似体(24mg/kg、i.p.)の效果を示す図である。倍率=40x。図6Bで、各々の値は動物5匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。黒質緻密部(SN pars compacta)を通じたTH−陽性ニューロンの総数が計数された。明確に染色された体細胞(soma)を有したTH−陽性ニューロンが同定され(identified)、傾斜型接眼レンズ(graded eyepiece)が装着された顕微鏡を用いて計数された。全ての神経集団はイメージ分析システム(オプチマスバージョン6.2)下でアバークロンビー (Abercrombie)法(1)によってセクション厚さに応じて修正された。P<0.01 vs.生理食塩水+生理食塩水、P<0.05 vs.生理食塩水+MPTP(Fischer LSD test)。
【図7】マウスにおけるLPSによって誘発された自発運動(locomotor activity)(A)と運動パターン(locomotor pattern)(B)上でモルヒナン類似体の效果を示す図である。各々の値は動物10匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である(A)。P<0.01 vs.生理食塩水+生理食塩水、P<0.05 vs.生理食塩水+LPS、P<0.01 vs.生理食塩水+LPS。LPSで処理された動物において自発運動/パターンの有意な減少はHM又はDMの存在下で有意な増加を示している。このような低減(attenuation)はHMで処理した動物でより目立つ。
【図8】8AはLPSで処理されたマウスから黒質(SN)ドーパミン作動性ニューロン内にチロシン−ヒドロキシラーゼのような免疫反応(TH−IR)におけるモルヒナン類似体(24mg/kg、i.p.)の效果を示す図である。倍率=40x。図8Bで、各々の値は動物5匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。黒質緻密部(SN pars compacta)を通じたTH−陽性ニューロンの総数が計数された。明確に染色された体細胞(somata)を有したTH−陽性ニューロンが同定され(identified)、傾斜型接眼レンズ(graded eyepiece)が装着された顕微鏡を用いて計数された。全ての神経集団はイメージ分析システム(オプチマスバージョン6.2)下でアバークロンビー (Abercrombie)法(1)によってセクション厚さ別に修正された。P<0.01 vs.生理食塩水+生理食塩水、P<0.05 vs.生理食塩水+MPTP(Fischer LSD test)。
【図9】メタンフェタミン(MA)研究のための実験スケジュールを示す図である。2時間間隔で4回MA・HCl(7.5mg/kg、i.p.遊離塩基状態)がマウスに注射された。直腸温度(Rectal temperature)は各MA処理後40分に記録された。各々のモルヒナンは最初にMA注射する前に4時間40分と40分に2回投与された。マウスは最終MA注射後3日目に犠牲になった。
【図10】メタンフェタミン(MA)によって誘発された過温症におけるモルヒナンの效果を示す図である。周囲温度22.0±0.5℃で2時間間隔でMA(それぞれ7.5mg/kgずつ4回注射)をマウスの腹腔内に注射した。MA処理(矢印=MA注射)後40分で温度を記録した。HMがMAによって誘発された過温症を減少させるのに最も效果的であった。各々の値は動物12匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。P<0.01 vs.生理食塩水、P<0.05 vs.MA単独、**P<0.01 vs.MA単独(繰り返し測定による分散分析検証法)。
【図11】マウスでメタンフェタミン(MA)によって誘発された自発運動(locomotor activity)(A)と運動パターン(locomotor pattern)(B)上におけるモルヒナン類似体の效果を示す図である。各々の値は動物10匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である(A)。P<0.01 vs.生理食塩水+生理食塩水、P<0.01 vs.生理食塩水+LPS。MAで処理された動物において自発運動/パターンの有意な減少はHM又はDMの存在下で有意な増加を示している。このような低減(attenuation)はHMで処理した動物においてより目立つ。
【図12】12AはLPSで処理されたマウスから黒質(SN)ドーパミン作動性ニューロン内にチロシン−ヒドロキシラーゼのような免疫反応(TH−IR)におけるモルヒナン類似体(24mg/kg、i.p.)の效果を示す図である。倍率=40x。図12Bで、各々の値は動物5匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。黒質緻密部(SN pars compacta)を通じたTH−陽性ニューロンの総数が計数された。明確に染色された体細胞(somata)を有したTH−陽性ニューロンが同定され(identified)、傾斜型接眼レンズ(graded eyepiece)が装着された顕微鏡を用いて計数された。全ての神経集団はイメージ分析システム(optimas version6.2)下でアバークロンビー (Abercrombie)法(1)によってセクション厚さに応じて修正された。P<0.01 vs.生理食塩水+生理食塩水、P<0.05 vs.生理食塩水+MPTP(Fischer LSD test)。
【図13】マウスの大脳皮質膜におけるCB1受容体アゴニスト(receptor agonist)である[3H]CP55,940の特異的結合の置換(displacement)を示す図である。各々の値は3回の独立実験の平均を示す。
【図14】HM(3−ヒドロキシモルヒナン)のCB1拮抗的特性を示す図である。CP=CP55,940、選択的CB1アゴニスト、AM−251=選択的CB1アゴニスト。
【図15】黒質にMPTP最終投与後1週間チロシンヒドロキシラーゼで免疫染色(immunostain)された黒質の代表写真を示す図である。HMの神経保護的効果はCB1アゴニストであるACEAと反対に作用した。CB1アゴニスト又は拮抗剤はすべてのMPTPの投与45分前に投与された。反面、HMはすべてのMPTP(20mg/kg、i.p./日×7)投与30分前に投与された。化合物は7日間最終MPTP処理後に投与された。倍率=40x。
【図16】リポ多糖類(LPS)によって誘発された致死性に対応したHMの作用に対するCB1受容体アゴニストであるACEA又はCB1受容体拮抗剤であるAM−251の效果を示す図である。致死性は両側部の線条体内への注射後に2週後に観察された(一側:2μg×2)。HM(20mg/kg)結合処理はLPSによって誘発された致死性を発生させなかったことが注目すべきである。ACEA(2mg/kg)/AM−251(0.3mg/kg)と共に又はなしにHM(20mg/kg)はLPS後2週間一日単回注射された。ACEA又はAM−251の最初処理はLPS処理後45分に行われ、HMはLPS処理後30分に行われた。
【図17】黒質で最終LPS投与後2週にチロキシンヒドロキシラーゼに免疫染色された黒質の代表写真を示す図である。HMの神経保護的効果はCB1アゴニストであるACEAと反対に作用した。倍率=40x。
【図18】黒質で最終メタンフェタミン(MA)投与後3日にチロキシンヒドロキシラーゼに免疫染色された黒質の代表写真を示す図である。HMの神経保護的効果はCB1アゴニストであるACEAと反対に作用した。化合物はMA注射前後3日間投与された。すべてのACEA(2mg/kg)又はAM−251(0.3mg/kg)処理はHM(20mg/kg)処理15分前に行われた。薬物の最初前処理方法は次の通りである。;ACEA又はAM−251はMA前45分で処理された反面、HMはMA前30分で処理された。動物は最終MA処理後72時間内に犠牲にした。倍率=40x。
【図19】MPTPモデルにおけるカルビドパがあるかないレボドーパに対するHM效果評価のための実験スケジュールを示す図である。
【図20】マウスにおけるMPTPによって誘発された自発運動(A)及び運動パターン(B)に対するカルビドパ、レボドーパ、カルビドパ+レボドーパ及びHMの效果を示す。各々の値は動物10匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。P<0.05 vs.生理食塩水+MPTP、P<0.01 vs.生理食塩水+生理食塩水(DMRテストによる分散分析検証法)。
【図21】MPTPで処理されたマウスの黒質のチロシンヒドロキシラーゼ免疫反応(TH−IR)に対するカルビドパ、レボドーパ、カルビドパ+レボドーパ及びHMの效果を示す図である。各々の値は動物5匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。黒質緻密部を通じるTH−陽性ニューロンの総数が計数された。P<0.01 vs.生理食塩水+生理食塩水、P<0.05 vs.生理食塩水+MPTP(DMRテストによる分散分析検証法)。倍率=40x。
【図22】LPSモデルにおけるカルビドパがあるかないレボドーパに対するHM效果評価のための実験スケジュールを示す図である。
【図23】LPSによって誘発された致死性に対するカルビドパ、レボドーパ、カルビドパ+レボドーパ又はHMの效果を示す図である。致死性はLPS注射後2週に観察された。P<0.01 vs.生理食塩水+LPS(x2−test)。
【図24】マウスにおけるLPSによって誘発された自発運動の低下(hypolocomotion)に対するHM、カルビドパ、レボドーパ、カルビドパ+レボドーパの效果を示す図である。各々の値は動物10匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。P<0.01 vs.生理食塩水+生理食塩水、P<0.05 vs.生理食塩水+LPS、**P<0.01 vs.生理食塩水+LPS(DMRテストによる分散分析検証法)。
【図25】マウスにおけるLPSに対するカルビドパ、レボドーパ、カルビドパ+レボドーパ及びHMの效果に対する代表的運動パターンを示す図である。
【図26】LPSによって誘発されたTH−IRの減少に対するカルビドパ、レボドーパ、カルビドパ+レボドーパ又はHMの效果に対する代表顕微鏡写真を示す図である。倍率=40x。
【図27】LPSで処理されたマウスの黒質のチロシンヒドロキシラーゼ免疫反応(TH−IR)に対するカルビドパ、レボドーパ、カルビドパ+レボドーパ及びHMの效果を示す図である。各々の値は動物10匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。P<0.01 vs.生理食塩水+生理食塩水、P<0.05 vs.生理食塩水+LPS、**P<0.01 vs.生理食塩水+LPS(DMRテストによる分散分析検証法)。
【図28】マウスの黒質におけるF4/80で表された小グリア細胞の誘導に対する代表的顕微鏡写真を示す図である。倍率=40x。
【図29】LPSで処理されたマウスのF4/80免疫反応における黒質の増加に対するカルビドパ、レボドーパ、カルビドパ+レボドーパ及びHMの效果を示す図である。各々の値は動物6匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。P<0.01 vs.生理食塩水+生理食塩水、P<0.05 vs.生理食塩水+LPS、**P<0.01 vs.生理食塩水+LPS(DMRテストによる分散分析検証法)。
【図30】メタンフェタミンモデルでカルビドパがあるかないレボドーパに対するHM效果評価のための実験スケジュールを示す図である。
【図31】MAによって誘発された過温症に対する薬物效果を示す図である。マウスは周辺温度22.0±0.5℃下で2時間間隔でMA注射を投与された。各々の値は動物6匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。P<0.01 vs.生理食塩水、P<0.01 vs.MA単独(繰り返し測定による分散分析検証法)。
【図32】マウスにおけるMAによって誘発された自発運動の低下に対するHM、カルビドパ、レボドーパ、カルビドパ+レボドーパの效果を示す図である。各々の値は動物10匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。P<0.01 vs.生理食塩水+生理食塩水、P<0.05 vs.生理食塩水+LPS、##P<0.01 vs.生理食塩水+LPS(DMRテストによる分散分析検証法)。
【図33】MAで処理されたマウスの黒質におけるチロシンヒドロキシラーゼ免疫反応(TH−IR)に対するカルビドパ、レボドーパ、カルビドパ+レボドーパ及びHMの效果を示す図である。各々の値は動物5匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。黒質緻密部を通じたTH−陽性ニューロンの総数が計数された。P<0.01 vs.生理食塩水+生理食塩水、P<0.05 vs.生理食塩水+MA(DMRテストによる分散分析検証法)。倍率=40x。
【図34】マウスにおけるコカインによって誘発された活動亢進に対するモルヒナンの效果を示す図である。モルヒナン(15及び30mg/kg、i.p.)はコカイン(5及び20mg/kg、i.p.)を投与する30分前に投与された。中心活性(Central activity)とはボックスの中心における比較的非特異的自発運動を意味する。限界活性(Marginal activity)とは旋回行動(circling behaviors)を意味する。すべての処理は7日間行われた。各々の値は動物6匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。P<0.05及び生理食塩水、**P<0.01 vs.生理食塩水、P<0.05又は##P<0.01 vs.生理食塩水+コカインの用量(DMRテストによる分散分析検証法)。
【図35】マウスにおけるコカインによって誘発された活動亢進に対するジメモルファン(DF)の效果を示す図である。DF(20mg/kg、i.p.)はコカイン(5及び20mg/kg、i.p.)を投与する30分前に投与された。すべての処理は7日間行われた。各々の値は動物6匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。P<0.05 vs.生理食塩水、**P<0.01 vs.生理食塩水、P<0.05 vs.対応対照群、##P<0.01 vs.対応対照群(DMRテストによる分散分析検証法)。
【図36】マウス脳の背部の線条体(dorsolateral striatum)におけるフォス−関連抗原免疫反応的ニューロンを示す代表的な顕微鏡写真を示す図である。A:生理食塩水、B:DM(20mg/kg、i.p.)+コカイン(5mg/kg、i.p.)、C:コカイン(5mg/kg、i.p.)、D:DF(20mg/kg、i.p.)+コカイン、E:AM(20mg/kg、i.p.)+コカイン、F:CM(20mg/kg、i.p.)+コカイン。倍率=100X。
【図37】コカインによって誘発された条件付け場所嗜好性に対するHM−介在作用に対するカンナビノイドCB1受容体調節の效果を示す図である。各々の値は動物10匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。P<0.05又は**P<0.01 vs.生理食塩水で処理されたグループ、P<0.05 vs.コカイン、§P<0.05 vs.コカイン+HM(DMRテストによる分散分析検証法)。
【図38】コカインによって誘発された行動感作に対するHM−介在作用に対するカンナビノイドCB1受容体調節の效果を示す図である。各々の値は動物10匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。P<0.05又は**P<0.01 vs.生理食塩水、P<0.05 vs.コカイン単独(DMRテストによる分散分析検証法)。
【図39】マウスにおけるMAによって誘発された活動亢進に対するモルヒナンの效果を示す図である。各々のモルヒナン(20mg/kg、i.p.)はMA(1mg/kg、i.p.)の前30分に投与された。すべての処理は7日間行われた。各々の値は動物6匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。P<0.05 vs.生理食塩水、**P<0.01 vs.生理食塩水、§P<0.05 vs.生理食塩水+MA(DMRテストによる分散分析検証法)。
【図40】マウス脳の背部の線条体(dorsolateral striatum)におけるフォス−関連抗原免疫反応的ニューロンを示す代表的な顕微鏡写真を示す図である。A:生理食塩水、B:MA(1mg/kg、i.p.)、C:DM(20mg/kg、i.p.)+MA、D:DF(20mg/kg、i.p.)+MA、E:AM(20mg/kg、i.p.)+MA、F:CM(20mg/kg、i.p.)+MA。倍率=100X。
【図41】マウスにおけるMAによって誘発された感作に対するモルヒナンの效果を示す図である。モルヒナン(20mg/kg、i.p.)は洗浄期間の最後3日目に投与された。各々の値は動物6匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。P<0.05 vs.生理食塩水+生理食塩水、**P<0.01 vs.生理食塩水+生理食塩水、P<0.05 vs.生理食塩水の対応用量+MA(DMRテストによる分散分析検証法)。
【図42】MAによって誘発された条件付け場所嗜好性に対するHM−介在作用に対するカンナビノイドCB1受容体調節の效果を示す図である。各々の値は動物10匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。P<0.05又は**P<0.01 vs.生理食塩水、P<0.01 vs.MA単独、§P<0.01 vs.MA+HM(DMRテストによる分散分析検証法)。
【図43】MAによって誘発された行動感作に対するHM−介在作用に対するカンナビノイドCB1受容体調節の效果を示す図である。各々の値は動物10匹の平均±標準誤差(S.E.M.)である。P<0.02、**P<0.01 vs.生理食塩水、P<0.05 vs.MA単独、§P<0.01 vs.MA+HM(DMRテストによる分散分析検証法)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経保護のための有效な量の3−ヒドロキシモルヒナン又は3−ヒドロキシモルヒナンの3番及び17番位置が置換されたモルヒナン誘導体又はその生理的に許容される塩を医薬担体又は賦形剤とともに封入することを特徴とする、組成物。
【請求項2】
前記組成物が徐放性製剤であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記3−ヒドロキシモルヒナン又はモルヒナン誘導体をパーキンソン病の症状治療のための有效な量を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記モルヒナン誘導体が3−アリルオキシ−17−メチルモルヒナン(AM)、3−シクロプロピルメトキシ−17−メチルモルヒナン(CM)、又は3−メチル−17−メチルモルヒナン(DF)であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
3−ヒドロキシモルヒナン(HM)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
人体に経口投与されるようにデザインされた形態の前記請求項1の組成物又はその生理学的に許容される塩を含み、前記モルヒナン又はその塩がパーキンソン病の症状を実質的に軽減させる治療的に有效でありかつ許容されない副作用を誘発させない量で含まれていることを特徴とする抗パーキンソン用単位製剤。
【請求項7】
前記モルヒナン又はその生理学的に許容される塩を封入する消化可能なカプセルを含むことを特徴とする、請求項6に記載の単位製剤。
【請求項8】
前記モルヒナンの用量は約250mg/日以下であることを特徴とする請求項7に記載の単位製剤。
【請求項9】
治療を要する被検者又は動物に抗パーキンソンに有效な量の前記請求項1に記載の組成物を投与することを含むことを特徴とする、パーキンソン病の症状治療法。
【請求項10】
前記組成物がモルヒナン誘導体の混合物を含む、請求項9に記載のパーキンソン病の症状治療法。
【請求項11】
前記組成物が3−ヒドロキシモルヒナンを含む、請求項9に記載のパーキンソン病の症状治療法。
【請求項12】
前記組成物が徐放性製剤であることを特徴とする、請求項9に記載のパーキンソン病の症状治療法。
【請求項13】
前記組成物が神経保護剤をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載のパーキンソン病の症状治療法。
【請求項14】
前記組成物がモルヒナン又はその生理学的に許容される塩を封入する消化可能なカプセルを含むことを特徴とする、請求項12に記載のパーキンソン病の症状治療法。
【請求項15】
前記組成物が約250mg/日以下の量で投与されることを特徴とする、請求項9に記載のパーキンソン病の症状治療法。
【請求項16】
被検者に神経保護に有效な量の前記請求項1の組成物を投与することを含むことを被検者の黒質でのドーパミン生成の減少を抑制することを特徴とする、方法。
【請求項17】
中毒治療に有效な量の前記請求項1の組成物を含むことを特徴とする、向精神薬中毒又は依存症治療用医薬組成物。
【請求項18】
前記モルヒナン誘導体が3−アリルオキシ−17−メチルモルヒナン(AM)、3−シクロプロピルメトキシ−17−メチルモルヒナン(CM)、3−メチル−17−メチルモルヒナン(DF)、又はその生理学的に許容される塩であって、医薬担体又は賦形剤とともに含むことを特徴とする、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
治療を要する被検者又は動物に中毒治療に有效な量の前記請求項18の組成物を投与することを含むことを特徴とする、向精神薬中毒治療方法。
【請求項20】
麻薬がコカイン、モルヒネ又はメタンフェタミンであることを特徴とする、請求項19に記載の向精神薬中毒治療方法。
【請求項21】
治療を要する被検者又は動物に依存症治療に有效な量の前記請求項17の組成物を投与することを特徴とする、麻薬依存症治療方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公表番号】特表2007−537241(P2007−537241A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512706(P2007−512706)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【国際出願番号】PCT/IB2005/051582
【国際公開番号】WO2005/110412
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ポラロイド
【出願人】(506379781)グリーン・クロス・コーポレイション (5)
【氏名又は名称原語表記】GREEN CROSS CORP.
【出願人】(507230740)ケイエヌユー−インダストリー・コーオペレイション・ファウンデイション (1)
【氏名又は名称原語表記】KNU−Industry CooperationFoundation
【Fターム(参考)】