説明

合成樹脂製建具及びその製造方法

【課題】耐衝撃性に優れるとともに、室外に臨む建具に必要な各種の特性にも優れたものを提供する。
【解決手段】塩化ビニル系樹脂を基材とし、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン共重合体樹脂、またはアクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体樹脂を表層部F1a、F1b、F1c、F1d、F2として一体成形により得た、室外に臨む型材を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩化ビニル系樹脂を基材とし、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体樹脂)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン共重合体樹脂)またはACS樹脂(アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体樹脂)を表層部とする合成樹脂製建具及びその製造方法関するものである。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂製の中空窓材として、塩化ビニル系樹脂とオレフィン系樹脂又はアクリル系樹脂とを含んでなる廃材由来のリサイクル樹脂を主成分とする組成物からなる内層と、未使用の塩化ビニル系樹脂又は未使用のアクリル系樹脂を主成分とする組成物からなる外層とにより構成された合成樹脂製窓材が特許文献1によって知られている。
外層に未使用の塩化ビニル系樹脂又は未使用のアクリル系樹脂を使用する理由は、外表面の性状を良化し、光沢の確保や色調を変えることで意匠性を向上させることにある。
外層として特にアクリル系樹脂を使用すると、著しく高い耐候性が得られる。
しかし、本発明者のその後の研究によれば、障子の建て込み時の衝突や、外部から器具の衝突など、衝撃力が部分的に窓材に作用した場合、アクリル系樹脂は衝撃力に対して弱く、しかも、一旦外層に発生した亀裂が内層の塩化ビニル系樹脂基材にも伝播し、全体の強度が極端に低下し、折損のおそれがあることが知見された。
【特許文献1】特許第3420527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の主たる課題は、耐衝撃性に優れるとともに、室外に臨む建具に必要な各種の特性にも優れたものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1項記載の発明>
塩化ビニル系樹脂を基材とし、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン共重合体樹脂、またはアクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体樹脂を表層部として一体成形により得た、室外に臨む型材を有することを特徴とする合成樹脂製建具。
【0005】
(作用効果)
AAS樹脂、AES樹脂及びACS樹脂は、特にAAS樹脂は、塩化ビニル系樹脂基材となじみ性がよい。したがって、一体成形品としたときにおける一体性に優れたものとなる。この一体成形品による建具、特に窓枠または窓障子は、断熱サッシとして断熱性が高いものとなる。
AAS樹脂、AES樹脂又はACS樹脂により形成した表層部は耐衝撃性、特にノッチ付きシャルピー試験での衝撃強さが高いものとなる。したがって、衝撃力が部分的に窓材に作用した場合であっても、表層部に亀裂が生じることは実質的になく、したがって、一旦表層部に発生した亀裂が、塩化ビニル系樹脂基材にも伝播し全体の強度低下を招くことを防止できる。
AAS樹脂、AES樹脂又はACS樹脂は、耐候性がアクリル系樹脂ほど高くはないが、塩化ビニル系樹脂よりはるかに高く、建具として実用上必要な耐候性は確保でき、しかも、光沢性にも優れ(艶あり及び艶なしの両者の製造が可能)、柔軟性や加工性に優れるなどの点から、各種の応用的に設計が可能となる。設計の自由度の向上については後述の実施の形態で説明する。
【0006】
<請求項2項記載の発明>
前記表層部は型材の室外に臨む部位に部分的に設けられている請求項1記載の合成樹脂製建具。
【0007】
(作用効果)
AAS樹脂、AES樹脂又はACS樹脂は、耐候性がアクリル系樹脂ほど高くはないが、塩化ビニル系樹脂よりはるかに高いから、塩化ビニル系樹脂基材の表層部の形成材料として好適である。たとえば室内に面する部位や躯体に面する部位については、耐候性がさほど要求されないので、あえてコスト増の要因となるAAS樹脂などで被覆する必要はない。
【0008】
<請求項3項記載の発明>
前記表層部は、前記基材の凹部を飛び越えて連続して形成されている請求項1または2記載の合成樹脂製建具。
【0009】
(作用効果)
AAS樹脂、AES樹脂又はACS樹脂は、粘性が高いなどの理由により、基材の凹部を飛び越えて連続して形成できる。
【0010】
<請求項4項記載の発明>
障子または網戸の戸車用レール部の実質的に全体又は戸車が接触する部分に前記表層部が形成されている請求項1または2記載の合成樹脂製建具。
【0011】
(作用効果)
障子または網戸の戸車が接触する部分は、衝撃に強いことが必要とされる。たとえば、異物を噛み込んだ状態で障子または網戸を走行させる場合もある。従来のようにアクリル系樹脂を使用すると、耐衝撃性が低いのに対し、耐衝撃性が高いAAS樹脂、AES樹脂又はACS樹脂を使用することで、強度の低下を防止できる。また、網戸の戸車用レール部を形成する場合において、その基材として塩化ビニル系樹脂を使用しさらに表層部を形成しようとすると、割れを防止するために、全体として1.2〜1.5mm程度の厚みが必要となるが、網戸戸車用レール部の実質的に全体をAAS樹脂、AES樹脂又はACS樹脂で成形すると、1.2mm未満でも割れが生じないものとなり、0.8〜1.2mm未満の薄肉のレール部を形成できる。
【0012】
<請求項5項記載の発明>
建具は型材とこれにその外方から挿入して係止される押縁とを有し、前記押縁は前記型材側に少なくとも一対の2つの係止足片を有し、前記型材は前記各係止片が係止される係止受部をそれぞれ有し、前記各係止片の型材への挿入過程で接触する部分に前記表層部が形成されている請求項1または2記載の合成樹脂製建具。
【0013】
(作用効果)
押縁を止め付ける場合、その2つの係止足片をそれぞれ本体側の係止受部に係止する形態は公知である。その係止過程で、本体側の係止受部に小さいながらもある程度の衝撃力が作用する。しかるに、AAS樹脂、AES樹脂又はACS樹脂を使用した場合には、その衝撃力に十分対応し、表層部に亀裂が生じることを防止できる。
【0014】
<請求項6項記載の発明>
前記表層部に、押出成形による凹凸が形成されている請求項1または2記載の合成樹脂製建具。
【0015】
(作用効果)
AAS樹脂、AES樹脂又はACS樹脂は、アクリル系樹脂よりも押出成形性に優れるために、押出成形による凹凸を良好に形成でき、意匠性に優れた型材となる。また、その凹凸に滑り止め機能をもたせることもできる。
【0016】
<請求項7項記載の発明>
前記表層部の厚みは0.1〜1.0mmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の合成樹脂製建具。
【0017】
(作用効果)
アクリル系樹脂を表層部とする場合に比較して、表層部の厚みを0.1〜1.0mmと薄肉化を図ることできる。
【0018】
<請求項8項記載の発明>
前記基材は、塩化ビニル系樹脂製窓枠材の廃材からなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の合成樹脂製建具。
【0019】
(作用効果)
基材が塩化ビニル系樹脂製窓枠材の廃材からなる場合には、表面性状を改善するために表層部の形成が必要となる。AAS樹脂、AES樹脂又はACS樹脂は、塩化ビニル系樹脂との相溶性に優れ(相溶性が悪いと成形品表面に異物や粒状化した状態で残存する)、かつ塩化ビニル系樹脂の諸特性を低下するものではないので、廃棄時において、基材の成形用リサイクル品として使用できる。
【0020】
<請求項9項記載の発明>
塩化ビニル系樹脂を基材とし、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン共重合体樹脂、またはアクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体樹脂を表層部として、室外に臨む型材を一体成形するとともに、前記型材に戸車レールの嵌合凹部を形成し、その嵌合凹部の開口を覆う形態で前記表層部の被覆部分を形成しておき、
前記嵌合凹部の被覆部分を切除し、前記嵌合凹部に前記戸車レールを嵌合することを特徴とする合成樹脂製建具の製造方法。
【0021】
(作用効果)
合成樹脂製建具の場合には、上下左右枠の断面形状を同一化し、隅部相互を溶着して枠組みを図るのが一般的である。この場合において、下枠に障子の戸車レール部を形成すると、上枠にも対応する形状の断面を形成する必要があるが、かかるデザインは採用したくない要望もある。これに対し、AAS樹脂、AES樹脂又はACS樹脂は粘性が高いので、戸車レールの嵌合凹部の開口を覆う形態で、すなわち裏面側に基材がない状態でAAS樹脂、AES樹脂又はACS樹脂による被膜を形成できる。アクリル系樹脂を使用する限り不可能な形態である。
その後の加工段階で、嵌合凹部の被覆部分を切除し、その嵌合凹部に戸車レールを嵌合することができる。上枠については、嵌合凹部を被膜で覆ったままとするので、デザイン的に優れた建具を得るこことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、要すれば、耐衝撃性に優れるとともに、室外に臨む建具に必要な各種の特性にも優れ建具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、表層部の形成材料としてアクリル系樹脂が最適であるとの固定観念を打破し、種々の問題、特に耐衝撃性を解決する目的で、塩化ビニル系樹脂を基材に、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体樹脂)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン共重合体樹脂)またはACS樹脂(アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体樹脂)を表層部として一体成形により得ることで実現した。
【0024】
以下本発明を実施するための最良の形態のいくつかを例示しながらさらに詳説する。
まず、本発明者が行った実験について説明する。国内A社が販売している、バージンの塩化ビニル系樹脂に酸化チタンを混入させて白色とした型材(供試材1)、バージンの塩化ビニル系樹脂の表面部をアクリル系樹脂で被覆してカラー化を図ったもの(供試材2)、リサイクルの塩化ビニル系樹脂にバージンの塩化ビニル系樹脂を被覆して白色とした型材(供試材3)、リサイクル塩化ビニル系樹脂の表面部をアクリル系樹脂で被覆してカラー化を図ったもの(供試材4)、出願人の販売に係るバージンの塩化ビニル系樹脂に酸化チタンを混入させて白色とした型材(供試材5)と、バージンの塩化ビニル系樹脂の表面部をAAS樹脂、AES樹脂及びACS樹脂で被覆してカラー化を図ったもの(供試材6、供試材7、供試材8:本発明例)のそれぞれについて、ノッチ付きシャルピー衝撃試験(JIS K 7111に基づきかつ1号試験片を使用)、引張試験(JIS K 7113)及び曲げ試験(JIS K 7171)を行った。その結果を表1に示す。なお、表面被覆のノッチ付きシャルピー衝撃試験においては、図1に示すように、ノッチを表層部を含む面に形成したものである。
【0025】
【表1】

【0026】
この結果から、アクリル系樹脂被覆の場合、耐シャルピー衝撃及び引張破断伸びの値が被覆を行わない場合に比較して極端に低下する。これに対し、AAS樹脂、AES樹脂又はACS樹脂被覆の場合には、それらの低下は実質的になく、建具としての所要の特性を満足できるものとなる。ここで、さらに注目すべきは、AES樹脂又はACS樹脂に対してAAS樹脂がより特性として優れている点であり、したがって、本発明の表層部としてはAAS樹脂が最適である。
なお、本発明で使用する、AAS樹脂、AES樹脂又はACS樹脂単体のノッチ付きシャルピー衝撃値としては、10KJ/m2以上、より望ましくは15KJ/m2以上である。
AAS樹脂としては、たとえばUMG・ABS社の「ダイヤラック」Eシリーズのものを使用できる。特には、スチレンを50%以上含むものが望ましい。AES樹脂としては、たとえばUMG・ABS社の「ダイヤラック」SEシリーズのものを使用できる。ACS樹脂としては、たとえば旭化成社の「スタイラックACS」を使用できる。
【0027】
<第1の実施の形態>
図2及び図3は、窓の構成例を示し、上下枠1、2に対し、横断面同形の左右縦枠(図示せず)が用意され、隅部相互を溶着して枠組みを図っている。内外障子11、12の上下框に対し、横断面同形の左右縦框(図示せず)が用意され、隅部相互を溶着して枠組みを図っている。
図示の型材は、塩化ビニル系樹脂を基材とし、AAS樹脂を表層部として一体成形(好適には押出成形)により得ることができる。そして、室外に臨む部位にAAS樹脂の表層部が形成されている。いかなる部位を表層部とするかは、必要な耐候性などを勘案して適宜選定できるが、図示例では、上下枠1、2について、それぞれ図示の同一のF1a〜F1d領域としている(同一とするのは上下の型材を兼用するためである。下枠については符号を省略してある。)。図示において、表層部を黒塗りで示している(以下の図面も同様)。内外障子11、12の上下框については、F2、F2領域としている。
ここで注目すべきは、下枠2の障子11、12の戸車走行レールのために、嵌合凹部30が形成され、その嵌合凹部30を飛び越えて連続して被覆部f1が形成されている。型材の成形加工後、工場又は施工現場において、嵌合凹部30の被覆部f1を切除し、露出した嵌合凹部30にたとえばアルミ合金製などの戸車レール31を嵌合することができる。上枠1の嵌合凹部30については、被覆部f1を切除しないでそのままとすることが外見からの見映えなどから好ましい。
【0028】
<第2の実施の形態>
図4に示すように、下枠2の戸車走行レール2Aは、戸車の外面形状に合致させた形状でもよい。AAS樹脂による表層部を、符合F1a〜F1c、及びF2で示してある。
【0029】
<第3の実施の形態>
下枠に網戸戸車レールを形成する場合、図5に示すように、網戸戸車レール2bの実質的に全体をAAS樹脂によって表層部f2を形成することができる。この変形例として、図6及び図7に図示する形態などでもよい。
【0030】
<第4の実施の形態>
表層部において、図8に示すように、凹凸部f3を形成することができる。
【0031】
<第5の実施の形態>
図9に示す窓の水平断面例についてみると、障子の外召し合せ框41及び内召し合せ框42に押縁43、43が設けられている構成のものである。外召し合せ框41及び内召し合せ框42の室外に臨む面に、表層部F3が対応的に同一領域に形成され、押縁43の外面全体に表層部F4が形成されている。
押縁43には、一対の2つの係止足片43a,43aを有し、召し合せ框41または42には、係止足片43a,43aが係止される係止受部41a,41aまたは42a,42aをそれぞれ有している。係止足片43a,43aを召し合せ框41または42の嵌合凹部内に押し込み、係止受部41a,41aまたは42a,42aに係止することで、押縁43の取り付けを図るようにしてある。
図9に示すように、外召し合せ框41及び内召し合せ框42の間隙を塞ぐために、各押縁43、43の表層部を突出成形し、タイト材44、44…とすることができる。このようなタイト材とする例は、建具の他の必要な部位においても可能である。
【0032】
<第6の実施の形態>
図9に示した押縁43の取り付け例において、外召し合せ框41の取り付けの場合を示した図10に示すように、係止受部41a,41aを形成する突部の導入斜面41b及び内側面にまで表層部の形成領域F3とすることが望ましい。かかる係止足片43a,43aの押し込み・係止過程では、本体側の係止受部41a,41aに小さいながらもある程度の衝撃力が作用する。しかるに、AAS樹脂を使用した場合には、その衝撃力に十分対応し、表層部に亀裂が生じることを防止できる。なお、押縁43によって隠れる部分においては、見えないのであるから、表層部を係止足片43a,43aが嵌り込む部分まで延在させて形成しないことも可能であるが、図9の戸当たり縦框をみると判るように、戸当たり縦框と同一の型材で兼用するときには、戸当たり縦框における、係止足片43a,43aが嵌り込む部分は障子を開けたとき外部に露出するから、その部分に表層部を形成するのが望ましいからである。
【0033】
<他の事項>
上記の各実施の形態において使用したAAS樹脂をAES樹脂又はACS樹脂に置き換えた実施の形態も可能である。
本発明に従って、AAS樹脂、AES樹脂又はACS樹脂の表層部を形成する利点は、たとえば下枠の立ち上がり片部にプレス加工などにより水抜き孔を形成する際に加わる衝撃力にも優れた耐亀裂性を発揮する。
表層部は適宜に着色できる。艶ありでも艶消しのいずれでもよい。さらに、木目調、石材調、メタリック調などの表面色調に変化させることができる。基材として使用する塩化ビニル系樹脂に限定されないが、重合度が800〜1500、特に1000〜1050のものが好ましい。
表層部の厚みは、0.1〜1.0mm、特に0.3〜0.5mmが望ましく、薄い厚みで被覆が可能である。基材との全体厚みとしては、1.5〜3.0mm、特に2.0〜2.5mmが望ましい。
型材の成形には公知の押出し成形が望ましく採用できる。通常の押出機、例えば、単軸押出機、二軸、二軸異方向、二軸同方向押出機等を用いて、塩化ビニル系樹脂、及び(AAS樹脂、AES樹脂又はACS樹脂)が押出成形される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】ノッチ付きシャルピー衝撃試験での試験片の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の縦断面図である。
【図3】図2の要部拡大縦断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の縦断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の縦断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の変形例の部分縦断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態の他の変形例の部分縦断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態の縦断面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態の水平断面図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態の水平断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1…上枠、2…下枠、11…外障子、12…内障子、30…嵌合凹部、31…戸車レール、41…外召し合せ框、41a…係止受部、42…内召し合せ框、43…押縁、43a…係止足片。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩化ビニル系樹脂を基材とし、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン共重合体樹脂、またはアクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体樹脂を表層部として一体成形により得た、室外に臨む型材を有することを特徴とする合成樹脂製建具。
【請求項2】
前記表層部は型材の室外に臨む部位に部分的に設けられている請求項1記載の合成樹脂製建具。
【請求項3】
前記表層部は、前記基材の凹部を飛び越えて連続して形成されている請求項1または2記載の合成樹脂製建具。
【請求項4】
障子または網戸の戸車用レール部の実質的に全体又は戸車が接触する部分に前記表層部が形成されている請求項1または2記載の合成樹脂製建具。
【請求項5】
建具は型材とこれにその外方から挿入して係止される押縁とを有し、前記押縁は前記型材側に少なくとも一対の2つの係止足片を有し、前記型材は前記各係止片が係止される係止受部をそれぞれ有し、前記各係止片の型材への挿入過程で接触する部分に前記表層部が形成されている請求項1または2記載の合成樹脂製建具。
【請求項6】
前記表層部に、押出成形による凹凸が形成されている請求項1または2記載の合成樹脂製建具。
【請求項7】
前記表層部の厚みは0.1〜1.0mmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の合成樹脂製建具。
【請求項8】
前記基材は、塩化ビニル系樹脂製窓枠材の廃材からなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の合成樹脂製建具。
【請求項9】
塩化ビニル系樹脂を基材とし、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン共重合体樹脂、またはアクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体樹脂を表層部として、室外に臨む型材を一体成形するとともに、前記型材に戸車レールの嵌合凹部を形成し、その嵌合凹部の開口を覆う形態で前記表層部の被覆部分を形成しておき、
前記嵌合凹部の被覆部分を切除し、前記嵌合凹部に前記戸車レールを嵌合することを特徴とする合成樹脂製建具の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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