説明

合成潤滑油組成物およびその製造方法

潤滑油基油としての用途に適する液体コポリマーを、エチレンおよび少なくとも一種のα−オレフィンを、メタロセン触媒を用いて重合してコポリマーを提供し、次いで前記コポリマーを異性化および水素添加して、液体コポリマーを製造することによって製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレン−α−オレフィンコポリマー、その調製方法およびその潤滑油としての用途に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関などの機械装置は、機械部品を磨耗から保護し、摩擦の減少を促進し、錆を防止するなどのために、潤滑油を用いることを必要とする。実際、今日の自動車エンジンは、極最近の過去におけるより高温で運転するように設計され、これらのより高い運転温度は、より高品質の潤滑油を必要とする。
【0003】
今日設計されたエンジンで使用するための潤滑油に対する要件の一つは、エンジン潤滑油の粘度に対するより高い運転温度の影響を減少するための、より高い粘度指数(VI)に対してのものである。
【0004】
直鎖状α−オレフィン、特にC〜C12直鎖状α−オレフィンを重合することによって製造されたポリα−オレフィン(PAO)は、優れたVIを有し、従って潤滑油基油として有用であることが見出されている。残念ながら、直鎖状α−オレフィンは高価であり、またしばしば供給不十分であり、その結果潤滑油組成物におけるPAOの使用が限定される。従って、PAOより高価でなく、同等以上の特性を有する合成基油に対する必要性が存在する。
【0005】
エチレン、プロピレン、ブテンなどのオレフィンは、比較的低価格で大量に入手可能である。従って、基油をこれらのモノマーから製造することにより、PAOに対する低価格代替物としての可能性がもたらされる。エチレンを、少なくとも3個の炭素原子を有するα−オレフィンと共重合することによって、基油を形成する試みは、完全に満足な生成物を導くことがなかった。典型的には、液体のエチレン/α−オレフィンコポリマーは、不十分な流動点、くもり点を有し、しばしば濁りを有する。
【0006】
従って、依然として、高いVI(例えば約110超)、および良好な低温特性(流動点、くもり点を有し、濁りがないなど)を有する合成基材に対する必要性が存在する。
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,498,809号明細書
【特許文献2】米国特許第6,124,513号明細書
【特許文献3】米国特許第5,885,438号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、一実施形態において、本発明は、潤滑油基油としての用途に適する液体ポリマーを、エチレンおよび少なくとも一種のα−オレフィンから製造する方法であって、
(a)エチレンおよび少なくとも一種のα−オレフィンを、メタロセン触媒系の存在下に、液体コポリマーを製造するのに十分な条件下で重合する工程;
(b)前記液体コポリマーを、酸性異性化触媒の存在下に異性化して、異性化液体コポリマーを製造する工程;および
(c)前記異性化液体コポリマーを、水素添加触媒の存在下に水素添加して、潤滑油基油としての用途に適する異性化液体エチレン−α−オレフィンコポリマーを製造する工程
を含むことを特徴とするエチレン−α−オレフィンコポリマーの形成方法を提供する。
【0009】
本発明に従って製造された新規なコポリマーは、次のように特徴付けられる。
(a)0.1〜85wt%のエチレン単位含有量
(b)15〜99.9wt%のα−オレフィン単位含有量
(c)頭−尾(head to tail)および尾−頭(tail to head)の混合分子構造
(d)約−15℃未満の流動点、および
(e)+20℃以下のくもり点
【0010】
本発明の他の実施形態は、次の説明および実施例から明白になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
一態様においては、本発明は、エチレンおよび少なくとも一種のα−オレフィンから誘導されたコポリマーに関する。これらのコポリマーは、それらを、潤滑油の基油として特に有用にする物理特性を有する。コポリマーが誘導されるα−オレフィンは、炭素原子3〜24個を有してよいが、好都合には、コポリマーは、特に、エチレンおよび炭素原子3および4個を有するα−オレフィンから誘導される。本発明に従って製造されたコポリマーは、潤滑油基油としてのコポリマーの有用性に資する粘度指数(VI)、流動点、およびくもり点を有する。
【0012】
他の態様においては、本発明は、エチレン−α−オレフィンコポリマーの製造方法であって、
エチレンおよび炭素原子3〜24個を有する一種以上のα−オレフィンを、メタロセン触媒系の存在下に重合する工程;
得られたコポリマーを、異性化触媒の存在下に異性化する工程;および
その後、異性化コポリマーを水素添加触媒の存在下に水素添加する工程
を含む製造方法に関する。
【0013】
(a)重合工程
共重合は、バッチまたは連続方式で、溶剤の存在下または非存在下に、メタロセン触媒系を用いて行ってよい。そのような触媒系は、技術的に周知であり、元素周期律表の第IVb族遷移金属化合物(Ti、Zr、Hfなど)およびアルミノキサン共触媒を含む。特に、有用な遷移金属化合物は、例えば特許文献1および特許文献2に記載される。これは、本明細書に引用して含まれる。
【0014】
アルミノキサン共触媒は、メタロセン触媒系の共触媒として典型的に用いられる高分子アルミニウム化合物である。特定の有用な例は、前記された特許文献に記載される。これは、本明細書に引用して含まれる。
【0015】
エチレン/α−オレフィン原料は、エチレンを0.1〜85wt%、および少なくとも一種のα−オレフィン(炭素原子3〜約24個、特に3〜18個を有する)を15〜99.9wt%含む。
【0016】
α−オレフィンの供給源は、何らかの石油化学設備からのもの、または希釈α−オレフィン含有精油所ストリームからのものであってよい。これには、ラフィネート−2からのブテン−1、およびプロピレンが含まれる。最も好ましくは、エチレンと、希釈精油所ストリーム中のブテン−1またはプロピレンとの重合である。
【0017】
前述のように、本発明の方法はメタロセン触媒系を用いる。そのようなメタロセンは、非末端オレフィン、および二番目の炭素で少なくとも一つの水素原子を欠く(例えばイソブチレン)、三番目の炭素で少なくとも二つの水素を欠く(例えばイソペンテン)、または四番目の炭素で少なくとも一つの水素を欠く末端オレフィン(例えば4,4−ジメチルペンテン−1)に対して極めて不活性である。従って、以下に記載されるように、ラフィネート−2などの精油所ストリーム中の多くの成分(例えば2−ブテンおよびイソブチレン)は、本質的には、メタロセン系において非反応性であり、本方法で用いるための適切な希釈剤となる。これらの成分は、原料から分離される必要がない。1,2−ブタジエンなどの他の成分を、二重結合を水素で予め飽和することによって、非反応性にしてよい。
【0018】
溶剤の存在下に行う場合には、反応条件下で不活性ないかなる液体を用いてもよい。適切な溶剤には、パラフィン(ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ノルパー(Norpar)溶剤、アイソパー(Isopar)溶剤等など)、芳香族溶剤(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンおよびそれらの混合物など)が含まれる。通常、好ましい溶剤は、トルエン、およびブタン、イソブタン、または原料中にすでに存在するパラフィンである。
【0019】
重合反応は、分子状水素の実質的非存在下に、温度範囲約0〜約250℃、好ましくは約25〜約200℃、および圧力範囲約7〜約13.79MPa(約1〜約2,000psi)、好ましくは約103〜約6.895MPa(約15〜約1,000psi)で行われる。
【0020】
得られたコポリマーは、臭素価で測定してかなりの不飽和度を有し、また実質的に頭−尾分子構造を有する粘性液体である。これは、エチレン−ブテンコポリマーについて、下記式1によって例示される。
【化1】

【0021】
(b)異性化工程
液体コポリマーは、次に異性化に付される。異性化は、勿論、分子構造の転位をもたらし、水素の実質的不存在下および異性化触媒の存在下に達成される。既知のいかなる酸性異性化触媒を用いてもよい。酸性触媒は、典型的な均一酸触媒(AlCl、BF(第IIIA族ハロゲン化物)、またはこれらの触媒の修飾型など)、または他の典型的なフリーデル−クラフツ触媒(Ti、Fe、Znなどのハロゲン化物など)であってよい。酸性触媒は、第IVB、第VB、第VIBおよび第III族の固体金属、金属酸化物またはそれらの混合物;第IIA〜第VA族の金属酸化物または混合酸化物;または他の混合金属酸化物(WO/ZrO型触媒、固体の天然または合成ゼオライト、層状物質、(シリカ、アルミナ、シリコアルミネート、アルミノホスフェート、アルミニウムシリコホスフェート等の)結晶質または非晶質物質など)であってもよい。これらの固体酸性触媒は、他の第VIII族金属(Pt、Pd、Ni、W等など)を助触媒として含んでいてよい。一般に、プロセス経済性の理由で、およびより良好な生成物品質のために、固体の再生可能な触媒を用いることが好ましい。好ましい触媒には、ZSM−5、ZSM−11、ZSM−20、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−48、ゼオライトベータ、MCM22、MCM49、MCM56、SAPO−11、SAPO−31、ゼオライトX、ゼオライトY、USY、REY、M41SおよびMCM−41、WO/ZrO等が含まれる。固体触媒は、単独で用いてもよく、他の結合剤物質と共押出し成形してもよい。典型的な結合剤物質には、シリカ、アルミナ、シリコアルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、希土類酸化物等が含まれる。固体酸性触媒は、更に、第III族金属(Pt、Pd、Ni、W等)によって修飾されうる。修飾は、結合剤物質との共押出し成形の前または後に行うことができる。時には、金属修飾は活性の向上をもたらし、時にはそれは必要ではない。触媒およびそれらの調製に関する典型的な議論は、特許文献3に見出すことができる。これは、本明細書に引用して含まれる。
【0022】
異性化は、固定床、連続運転、バッチ型運転、または連続撹拌タンク運転で行うことができる。一般に、滞留時間は、反応温度、触媒活性および触媒粒子サイズによって、数秒〜1または2日の範囲である。経済性の理由で、より短い滞留時間を有すること、かつ依然として、向上した特性を与えるのに十分な異性化を達成することが好ましい。通常、滞留時間10分〜20時間が適切である。
【0023】
異性化は、温度範囲約100〜約400℃、好ましくは約125〜約300℃、および圧力約0〜約13.79MPa(約0〜約2,000psi)、好ましくは約35.5kPa(約15psi)(大気圧)〜約6.895MPa(約1,000psi)で行われる。
【0024】
(c)水素添加工程
異性化コポリマーは次に、水素添加触媒の存在下に水素添加に付される。水素添加触媒は当該技術において周知であり、これには、不活性担体(炭素、ケイ藻土、粘土、アルミナ、結晶質多細孔質物質など)上に担持された第III族金属が含まれる。通常用いられる水素添加触媒は、Ni/ケイ藻土、或いはPtまたはPd/アルミナである。
【0025】
水素添加は、温度範囲約100〜約350℃、好ましくは約150〜約250℃、および水素圧約103kPa〜約13.79MPa(約15〜約2,000psi)、好ましくは約138kPa〜約6.895MPa(約20〜約1,000psi)で行われる。一般に、異性化コポリマーは、臭素価2未満を示すように水素添加される。臭素価0.1未満を有する生成物を製造することが望ましいいくつかの特殊な用途においては、より過酷な水素添加条件、またはより活性な触媒が必要なこともある。知られるように、コポリマーに対するより低い臭素価は、典型的には、向上された酸化安定性に対して好都合である。
【0026】
異性化および水素添加されたコポリマーは、頭−尾および尾−頭の混合構造によって特徴付けられる。これは、エチレン−ブテンコポリマーについて、下記式2によって例示される。理解されるように、他のα−オレフィンが重合工程で用いられる場合には、構造中のC基が、そのα−オレフィンに対応するものとなる。
【化2】

この構造において、Rはアルキル基であり、殆どがCH基であるが、いくつかはエチル、n−プロピル、またはイソ−プロピル基であり、ずっと少量である。これらの追加のアルキル基は、異性化工程から生じる。
【0027】
(c)ポリマー生成物
潤滑油基油として有用な異性化コポリマー生成物は、典型的には、数平均分子量約200〜約20,000を有する。分子量分布は、1.01〜4の範囲であり、最も一般的な分布は、1.2〜3.0の範囲である。これらの潤滑油基油は、2×10−6〜5×10−3/秒(2〜5,000cSt)の範囲の100℃粘度を有する。最も一般に用いられる粘度範囲は、3.5×10−6〜1×10−3/秒(3.5〜1,000cSt)である。一般に、生成物はまたVI約100超、典型的には120超、流動点約0℃未満(例えば−15℃未満)およびくもり点約25℃以未満、好ましくは20℃未満を有する。
【実施例】
【0028】
実施例1
この実施例は、本発明の共重合工程を示す。
【0029】
この実施例においては、ポリマーグレードのエチレン、ポリマーグレードの1−ブテンおよびポリマーグレードのイソブタン溶剤を、モレキュラーシーブによる精製およびトリ−t−ブチルアルミニウム50ppmを注入することによる処理の後、200ガロン反応器中に充填した。エチレン、1−ブテンおよびイソ−ブタンの供給速度は、それぞれ26、54および128kg/時(58、120、および283ポンド/時)であった。トルエン中に、ジメチルシリルビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド5×10−6g−モル/リットルおよびメチルアルミノキサン(モル比1/400Zr/Al)を含む触媒溶液を、反応器中に13.5mL/分で充填した。反応器を、温度98〜101℃(209〜214゜F)、圧力2.00〜2.07MPa(290〜300psi)および平均滞留時間1時間で保持した。粗反応生成物を、反応器から連続的に排出し、0.4wt%水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、続いて水洗した。イソブタン溶剤を除去するために揮発性物質を除去し、66℃/30kPa(150゜F/5psig)で軽度ストリッピングし、次いで140℃/1ミリTorrで深度ストリッピングすることにより、粘性液体生成物を得た。この粘性液体を更なる実験に用いた。
【0030】
実施例2〜5
これらの実施例は、本発明の異性化および水素添加工程、並びにそれにより達成された上昇した分岐性を示す。
【0031】
実施例2においては、実施例1で調製された粘性液体100gを、粉末白金(0.6wt%)修飾ZSM48触媒2gと混合し、窒素雰囲気下で260℃に16時間加熱した。次いで、触媒をろ過して除いた。次いで、ろ過物を50%ニッケル/ケイ藻土触媒2gと混合し、H圧5.52MPa(800psi)下で200℃に16時間加熱した。水素仕上げされた粘性液体を、触媒から分離した後、150℃、<1ミリTorrの減圧で2時間蒸留して、いかなるライトエンド(通常3%未満)も除去した。
【0032】
実施例3〜5においては、それぞれ275℃、300℃および320℃で異性化が行われたことを除いて、実施例2の手順に従った。
【0033】
実施例2〜5に対する最終潤滑油生成物の特性を、下記表1に列記する。
【0034】
比較例1
この比較例は、異性化なしのコポリマーの水素添加は、不適切なくもり点を有する生成物をもたらすことを示す。
【0035】
比較例においては、残留粘性液体の試料100gを、2wt%Ni/ケイ藻土触媒を用いて、200℃、H圧5.52〜8.274MPa(800〜1200psi)で8時間水素仕上げした。仕上げ潤滑油基材は、エチレン44wt%を含み、次の特性を有する。即ち、100℃Kv=1.499×10−4/秒(149.9cSt)、40℃Kv=2.4184×10−3/秒(2418.4cSt)、VI=164、流動点=−24℃、くもり点=+45℃である。この物質の特性を下記表1に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
実施例6
この実施例は、更に、本発明の方法を例証する。
【0038】
この実施例においては、実施例1で調製された粘性液体の試料を、高圧シリンジポンプから2mL/時で、白金修飾ZSM48触媒2gを含む固定床マイクロリアクターに供給し、285℃に加熱し、5.52MPa(800psi)に加圧した。次いで流出物を、水素ガス8.33mL/時と共に、50wt%ニッケル/ケイ藻土触媒4gを含む第二の固定床反応器(250℃および5.52MPa(800psi))に供給した。反応器系からの最終生成物を48時間毎に収集した。次いで、液体粗生成物を、150℃/<1ミリTorrの減圧で2時間蒸留して、ライトエンドを除去した。通常、潤滑油収率は非常に高い>95%であり、収集される留出物は5wt%未満であった。潤滑油生成物の特性および組成を表2に要約した。これらのデータは、Pt−ZSM48を用いる処理によって、試料のくもり点が42℃から15℃未満に低下したことを示した。
【0039】
【表2】

【0040】
実施例7
二塩化ジルコニウム55mg、メチルアルミノキサン0.4gおよびトルエン50gからなる触媒溶液を含む600mLオートクレーブに、1−ブテン60wt%および2−ブテン40wt%を含む混合ブテン原料を100mL/時、水素を20.5mL/分およびエチレンを24g/時で充填することにより、エチレン−ブテンコポリマーを調製し、これを20℃の水浴中で冷却した。原料を3時間後に停止した。30℃での反応の2時間後に、水およびアルミナでクエンチして反応を停止した。触媒およびいかなる固形物も、ろ過によって除去した。粘性液体生成物を、140℃/0.1ミリTorrで2時間蒸留して単離して、いかなるライトエンドも除去した。この流体を水素添加して、いかなる不飽和分も除去した。水素添加後、流体は次の特性を有した。即ち、100℃Kv=1.192×10−5/秒(11.92cSt)、40℃Kv=7.281×10−5/秒(72.81cSt)および流動点=−22℃であった。対照的に、未水素添加コポリマーを、2wt%Pt−ZSM48触媒により275℃で処理し、次いで実施例2と同様の方法で水素添加した場合には、得られた流体は次の特性を有した。即ち、100℃Kv=1.497×10−5/秒(14.97cSt)、40℃Kv=1.098×10−4/秒(109.8cSt)および流動点=−45℃であった。このデータは、ゼオライト処理後のコポリマーは、実質的に向上された流動点を有し、濁りがないことを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑油基油としての用途に適するエチレン−α−オレフィンコポリマーを形成する方法であって、
(a)エチレンおよび少なくとも一種のα−オレフィンを含むオレフィン原料を、メタロセン触媒系の存在下に、液体コポリマーを製造するのに十分な条件下で重合する工程;
(b)前記液体コポリマーを、酸性異性化触媒の存在下に異性化して、異性化液体コポリマーを製造する工程;および
(c)前記異性化液体コポリマーを、水素添加触媒の存在下に水素添加して、潤滑油基油としての用途に適するエチレン−α−オレフィンコポリマーを製造する工程
を含むことを特徴とするエチレン−α−オレフィンコポリマーの形成方法。
【請求項2】
前記原料は、エチレンを0.1〜85wt%および少なくとも一種のα−オレフィンを15〜99.9wt%含むことを特徴とする請求項1に記載のエチレン−α−オレフィンコポリマーの形成方法。
【請求項3】
前記α−オレフィンは、3〜24個の炭素原子を有することを特徴とする請求項2に記載のエチレン−α−オレフィンコポリマーの形成方法。
【請求項4】
前記重合は、0〜250℃の温度範囲で、分子状水素の実質的非存在下に、7kPa(1psi)〜13.79MPa(2,000psi)の圧力範囲で行われることを特徴とする請求項2に記載のエチレン−α−オレフィンコポリマーの形成方法。
【請求項5】
前記異性化は、分子状水素の実質的非存在下に、100〜400℃の温度および7kPa(1psi)〜13.79MPa(2,000psi)の圧力で行われることを特徴とする請求項4に記載のエチレン−α−オレフィンコポリマーの形成方法。
【請求項6】
前記水素添加は、100〜350℃の温度範囲および103kPa(15psi)〜13.79MPa(2,000psi)の圧力で行われることを特徴とする請求項4に記載のエチレン−α−オレフィンコポリマーの形成方法。
【請求項7】
前記α−オレフィンは、3または4個の炭素原子を有することを特徴とする請求項6に記載のエチレン−α−オレフィンコポリマーの形成方法。
【請求項8】
前記オレフィン原料は、前記重合条件下で実質的に不活性な更なるオレフィンを含むことを特徴とする請求項6に記載のエチレン−α−オレフィンコポリマーの形成方法。
【請求項9】
前記水素添加は、前記コポリマーが2未満の臭素価を有するのに十分な条件下で行われることを特徴とする請求項6に記載のエチレン−α−オレフィンコポリマーの形成方法。
【請求項10】
(a)0.1〜85wt%のエチレン単位含有量;
(b)15〜99.9wt%のα−オレフィン単位含有量;
(c)頭−尾および尾−頭の混合分子構造;
(d)−15℃未満の流動点;および
(e)20℃以下のくもり点
を含むことを特徴とするエチレン−α−オレフィンコポリマー。
【請求項11】
前記α−オレフィン単位は、3〜24個の炭素原子を有する少なくとも一種のα−オレフィンを含むことを特徴とする請求項10に記載のエチレン−α−オレフィンコポリマー。
【請求項12】
前記α−オレフィン単位は、3または4個の炭素原子を有することを特徴とする請求項10に記載のエチレン−α−オレフィンコポリマー。
【請求項13】
2未満の臭素価を有することを特徴とする請求項11または12に記載のエチレン−α−オレフィンコポリマー。

【公表番号】特表2006−503973(P2006−503973A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−501891(P2005−501891)
【出願日】平成15年10月22日(2003.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2003/033487
【国際公開番号】WO2004/039850
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(390023630)エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー (442)
【氏名又は名称原語表記】EXXON RESEARCH AND ENGINEERING COMPANY
【Fターム(参考)】