説明

合成石油スルホネートの製造方法

【課題】スルホン化アルキル化芳香族炭化水素の製造方法を提供する。
【解決手段】下記の工程を含む合成石油スルホネートの製造方法:(a)少なくとも一種の芳香族化合物を炭素原子数約8〜約100のオレフィン類から選ばれたオレフィン混合物と、酸性イオン液体触媒の存在下で反応させて、1,2,4−三置換芳香族化合物または1,2,3−三置換芳香族化合物またはそれらの混合物を少なくとも約50質量%含有する生成物を得る工程、(b)工程(a)の生成物を、空気で希釈した三酸化硫黄と反応させる工程、そして(c)工程(b)の生成物を、アルカリ又はアルカリ土類金属水酸化物で中和する工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香族化合物を、酸性イオン液体の存在下で、炭素原子数約8〜約100のオレフィン類から選ばれたオレフィン混合物でアルキル化する方法により製造されるアルキル化芳香族化合物を、スルホン化することによって誘導される合成石油スルホネートの製造方法に関するものである。これらのスルホネート類は、原油増進回収法用界面活性剤として優れた性能を示す。
【背景技術】
【0002】
芳香族炭化水素のアルキル化の触媒として、種々のルイス酸又はブレンステッド酸触媒を用いることはよく知られている。代表的な市販触媒としては、リン酸/けいそう土、ハロゲン化アルミニウム、三フッ化ホウ素、塩化アンチモン、塩化第二スズ、塩化亜鉛、ポリ(フッ化水素)オニウム、およびフッ化水素を挙げることができる。プロピレンのような低分子量オレフィン類によるアルキル化は、液相でも気相でも実施することができる。C16+オレフィンのような高級オレフィン類によるアルキル化では、液相で通常はフッ化水素を存在させてアルキル化が行われる。高級オレフィン類によるベンゼンのアルキル化は特に難しく、フッ化水素処理を必要とする。そのような方法は特許文献1に開示されていて、それも如何なる目的であれ参照内容として本明細書の記載とする。
【0003】
フッ化水素のような酸の使用は、極めて腐食させやすく、従って特別な取扱いおよび装置を必要とする。また、これらの酸の使用が環境問題に影響を及ぼす可能性もある。別の問題は、これらの酸の使用が厳密な化学組成という点ではあまり望ましい制御を与えないことにある。
【0004】
特許文献2には、(a)式:RnMX3-n(ただし、RはC1−C6アルキル基であり、Mはアルミニウムまたはガリウムであり、Xはハロゲン原子であり、そしてnは0、1または2である)の化合物と、(b)炭化水素置換イミダゾリウムハライドまたは炭化水素置換ピリジニウムハライド(ただし、イミダゾリウムハライド中の該炭化水素置換基のうちの少なくとも1個は、炭素原子数1〜18のアルキル基である)とを含むイオン液体の存在下で、芳香族炭化水素をオレフィンと反応させることにより、芳香族炭化水素をアルキル化する方法が開示されている。
【0005】
特許文献3には、線状アルキルベンゼンの生成に使用することができる、金属ハロゲン化物とアルキル含有アミンハロゲン化水素塩の混合物を含む低温溶融イオン液体組成物が開示されている。
【0006】
特許文献4には、金属ハロゲン化物とアルキル含有アミンハロゲン化水素塩の混合物を含む低温溶融イオン液体組成物が開示され、アルキル化、アリール化及び重合反応の触媒や溶媒として、あるいは蓄電池の電解質として有用であると記載されている。
【0007】
特許文献5には、イオン液体が触媒作用する化学反応に使用するための、イオン液体触媒の現場生成に関する方法が開示されている。現場で生成した液体触媒は、例えばベンゼン又はフェノール反応体のアルキル化、オレフィンのオリゴマー化、またはパラフィンのアルキル化を含む、イオン液体が触媒作用する種々の化学反応に適用できる。最も好ましいアルキル化反応では、該発明は、触媒として低温で液体であって現場で生成する組成物を用いた、好適なアルキル化試薬(例えば、C4−C14などのC2−C20オレフィン、または同様の鎖長のハロゲン化アルカン)による、芳香族分子の触媒アルキル化に関する。
【0008】
【特許文献1】米国特許第4503277号明細書、ハイムズ(Himes)、「芳香族炭化水素アルキル化法におけるHF再生(HF Regeneration in Aromatic Hydrocarbon Alkylation Process)」
【特許文献2】米国特許第5994602号明細書、アブダル−サダ(Abdul-Sada)、外
【特許文献3】米国特許第5824832号明細書、シェリフ(Sherif)、外
【特許文献4】米国特許第5731101号明細書、シェリフ(Sherif)、外
【特許文献5】国際公開第98/50153号パンフレット、スタイチェン(Steichen)、外
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、芳香族化合物を、酸性イオン液体触媒の存在下で、炭素原子数約8〜約100のオレフィン類から選ばれたオレフィン混合物でアルキル化する方法により製造されるアルキル化芳香族化合物を、スルホン化することによって誘導される合成石油スルホネートの製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
最も広義の態様では、下記の工程を含む合成石油スルホネートの製造方法にある:
(a)少なくとも一種の芳香族化合物を炭素原子数約8〜約100のオレフィン類から選ばれたオレフィン混合物と、酸性イオン液体触媒の存在下で反応させて、1,2,4−三置換芳香族化合物または1,2,3−三置換芳香族化合物またはそれらの混合物を少なくとも約50質量%含有する生成物を得る工程、
(b)工程(a)の生成物を、空気で希釈した三酸化硫黄と反応させる工程、そして、
(c)工程(b)の生成物を、アルカリ又はアルカリ土類金属水酸化物で中和する工程。
【0011】
従って、本発明は、スルホン化アルキル化芳香族炭化水素の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0012】
驚くべきことには、o−キシレンなど芳香族化合物のアルキル化を、炭素範囲が約C12−約C30+のノルマルアルファオレフィン類を含むオレフィン類から選ばれたオレフィン混合物を用いて、触媒再循環条件下で約300時間の全製造時間で実施できることを発見した。先行技術とは違って、本発明の方法では反応速度が低下したという証拠は何も無かった(すなわち、触媒失活は無かった)。
これらのスルホネート類は、原油増進回収法用界面活性剤として優れた性能を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明には様々な変更や代替形態が可能であるが、本明細書では本発明の特定の態様について詳細に記述する。だが、本明細書における特定の態様の記述は、本発明を開示する特定の形態に限定しようとするものではなく、むしろ反対に、添付した特許請求の範囲で規定した本発明の真意および範囲内に入る全ての変更形、等価形および代替形を包含することを意図していることを理解されたい。
【0014】
[定義]
オレフィン類−「オレフィン類」は、数多くの方法によって得られた、炭素−炭素二重結合を1つ以上持つ不飽和脂肪族炭化水素の部類を意味する。二重結合を1つ含むものはモノアルケンと呼ばれ、二重結合が2つあるものはジエン、アルキルジエンまたはジオレフィンと呼ばれる。アルファオレフィンはとりわけ反応し易い、というのは二重結合が第一炭素と第二炭素の間にあるからである。例としては1−オクテンおよび1−オクタデセンがあり、これらは生分解性が中位の界面活性剤の出発点として使用されている。線状オレフィンも分枝オレフィンもオレフィン類の定義に含まれる。
【0015】
線状オレフィン類−「線状オレフィン類」としては、ノルマルアルファオレフィンおよび線状アルファオレフィンが挙げられ、鎖に炭素−炭素二重結合が少なくとも1つ存在する直鎖で分枝していない炭化水素であるオレフィン類を意味する。
【0016】
二重結合異性化線状オレフィン類−「二重結合異性化線状オレフィン類」は、炭素−炭素二重結合が末端にない(すなわち、二重結合が鎖の第一炭素と第二炭素の間に位置していない)オレフィンを、5%より多く含む線状オレフィンの部類を意味する。
【0017】
部分的に分枝した線状オレフィン類−「部分分枝線状オレフィン類」は、二重結合を含む直鎖当り1個未満のアルキル分枝を含み、かつアルキル分枝がメチル又はそれ以上の基であってよい線状オレフィンの部類を意味する。部分分枝線状オレフィン類には二重結合異性化オレフィンも含まれる。
【0018】
分枝オレフィン類−「分枝オレフィン類」は、二重結合を含む線状直鎖当り1個以上のアルキル分枝を含み、かつアルキル分枝がメチル又はそれ以上の基であってよいオレフィンの部類を意味する。
【0019】
12−C30+ノルマルアルファオレフィン類−この用語の定義は、蒸留又は他の分別法によって炭素数12未満のものが取り除かれたノルマルアルファオレフィンの画分である。
【0020】
本発明の一態様は、少なくとも一種の芳香族化合物を炭素原子数約8〜約100のオレフィン類から選ばれたオレフィン混合物と、酸性イオン液体触媒の存在下で反応させて、1,2,4−三置換芳香族化合物または1,2,3−三置換芳香族化合物またはそれらの混合物を少なくとも約50質量%含有する生成物を得る方法である。
【0021】
[芳香族化合物]
本発明のアルキル化反応には、少なくとも一種の芳香族化合物または芳香族化合物の混合物を使用することができる。少なくとも一種の芳香族化合物又は芳香族化合物混合物は、単環式芳香族炭化水素のうちの少なくとも一種、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クメンまたはそれらの混合物からなることが好ましい。また、少なくとも一種の芳香族化合物又は芳香族化合物混合物は、ナフタレンのような二環式及び多環式芳香族化合物から構成されていてもよい。より好ましくは、少なくとも一種の芳香族化合物又は芳香族化合物混合物はキシレンであり、異性体全て(すなわち、メタ−、オルト−及びパラ−)、キシレン異性化のラフィネートおよびそれらの混合物が含まれる。最も好ましくは、少なくとも一種の芳香族化合物はオルト−キシレンである。
【0022】
(芳香族化合物源)
本発明に用いられる少なくとも一種の芳香族化合物又は芳香族化合物の混合物は、当該分野でよく知られている方法により製造される。
【0023】
[オレフィン類]
(オレフィン源)
本発明に用いられるオレフィン類は、線状であっても、異性化線状であっても、分枝していても、あるいは部分分枝した線状であってもよい。オレフィンは、線状オレフィンの混合物でも、異性化線状オレフィンの混合物でも、分枝オレフィンの混合物でも、部分分枝線状の混合物でも、あるいはこれらのうち何れかの混合物でもよい。
【0024】
オレフィン類は、様々な原料から誘導することができる。そのような原料としては、ノルマルアルファオレフィン類、線状アルファオレフィン類、異性化線状アルファオレフィン類、二量化及びオリゴマー化オレフィン類、およびオレフィンメタセシスから誘導されたオレフィン類を挙げることができる。オレフィンを誘導することができる別の原料は、石油ワックスまたはフィッシャー・トロプシュ・ワックスの分解によるものである。フィッシャー・トロプシュ・ワックスは分解前に水素化処理されていてもよい。他の市販原料としては、パラフィンの脱水素およびエチレンや他のオレフィンのオリゴマー化、およびメタノール−オレフィン法(メタノール分解装置)等から誘導されたオレフィン類が挙げられる。
【0025】
また、オレフィン類は、次のような基が酸性イオン液体触媒と反応しない限り、ヒドロキシ基、カルボン酸基およびヘテロ原子など他の官能基で置換されていてもよい。
【0026】
オレフィン混合物は、炭素数が炭素原子約8個〜炭素原子約100個の範囲にあるオレフィン類から選ばれる。オレフィン混合物は、好ましくは炭素数が炭素原子約10〜約80個、より好ましくは炭素原子約14〜約60個の範囲にあるオレフィン類から選ばれる。
【0027】
別の態様では、オレフィン混合物は、炭素原子約8〜約100個を含む線状アルファオレフィン類又は異性化オレフィン類から選ばれることが好ましい。より好ましくは、オレフィン混合物は、炭素原子約10〜約80個を含む線状アルファオレフィン類又は異性化オレフィン類から選ばれる。最も好ましくは、オレフィン混合物は、炭素原子約14〜約60個を含む線状アルファオレフィン類又は異性化オレフィン類から選ばれる。
【0028】
また、好ましい態様ではオレフィン混合物は、C12−C20が約40乃至約90%、C32−C58が約4%乃至約15%を占める炭素原子分布を有する。より好ましくは、炭素原子分布はC12−C20が約50乃至約80%、C32−C58が約4%乃至約15%を占める。
【0029】
分枝オレフィンの混合物は、C3又はそれ以上のモノオレフィン類から誘導することができるポリオレフィン(すなわち、プロピレンオリゴマー、ブチレンオリゴマーまたはコオリゴマー等)から選ばれることが好ましい。好ましくは、分枝オレフィンの混合物は、プロピレンオリゴマーまたはブチレンオリゴマーまたはそれらの混合物の何れかである。
【0030】
(ノルマルアルファオレフィン類)
アルキル化反応に使用することができる線状オレフィンの混合物は、分子当り炭素原子数約8〜約100のオレフィン類から選ばれたノルマルアルファオレフィンの混合物であることが好ましい。より好ましくは、ノルマルアルファオレフィン混合物は、分子当り炭素原子数約10〜約80のオレフィン類から選ばれる。最も好ましくは、ノルマルアルファオレフィン混合物は、分子当り炭素原子数約12〜約60のオレフィン類から選ばれる。特に好ましい範囲は約14〜約60である。
【0031】
本発明の一態様では、ノルマルアルファオレフィン類は、二種類の酸性触媒のうちの少なくとも一種、固体でも液体でも、を用いて異性化される。固体触媒は、少なくとも一種の金属酸化物を有し、平均孔径が5.5オングストローム未満であることが好ましい。より好ましくは、固体触媒は一次元の細孔組織を持つ分子ふるいであり、例えばSM−3、MAPO−11、SAPO−11、SSZ−32、ZSM−23、MAPO−39、SAPO−39、ZSM−22、またはSSZ−20である。異性化に使用できる他の可能な酸性固体触媒としては、ZSM−35、SUZ−4、NU−23、NU−87、および天然又は合成フェリエライトを挙げることができる。これらの分子ふるいは、当該分野で公知であり、ローズマリー・ゾスタク(Rosemarie Szostak)著、「分子ふるい便覧(Handbook of Molecular Sieves)」(ニューヨーク、バン・ノストランド・ラインホールド(Van Nostrand Reinhold)、1992年)にも記述されていて、それも如何なる目的であれ参照内容として本明細書の記載とする。使用することができる異性化触媒の液体種は、ペンタカルボニル鉄(Fe(CO)5)である。
【0032】
ノルマルアルファオレフィン類の異性化法は、バッチ式でも連続式でも実施することができる。工程温度は約50℃乃至約250℃の範囲であってよい。バッチ式では用いられる代表的な方法は、撹拌しながら所望の反応温度に加熱できるオートクレーブ又はガラスフラスコである。連続法は固定床法で最も効率良く実施される。固定床法の空間速度は、0.1乃至10毎時質量空間速度又はそれ以上の範囲にあってよい。
【0033】
固定床法では、異性化触媒を反応器に充填し、少なくとも150℃の温度で、減圧でまたは乾燥した不活性ガスを流しながら活性化又は乾燥する。活性化させた後、異性化触媒の温度を所望の反応温度に調節し、そしてオレフィン流を反応器に導入する。部分分枝した異性化オレフィンを含む反応器からの流出液を収集する。得られた部分分枝異性化オレフィンは、所望のオレフィン分布と分枝度を得るために非異性化オレフィンおよび条件を選択したのとは異なった、オレフィン分布(すなわち、アルファオレフィン、ベータオレフィン;内部オレフィン、三置換オレフィン、およびビニリデンオレフィン)と分枝含量を有する。
【0034】
[酸性イオン液体触媒]
酸性イオン液体触媒は、錯体を生成させる二つの成分から構成される。触媒の第一成分は一般に、ハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、ハロゲン化ガリウムおよびハロゲン化アルキルガリウムからなる群より選ばれた化合物を含んでいる。第一成分として特に好ましいのは、ハロゲン化アルミニウムまたはハロゲン化アルキルアルミニウムである。とりわけ三塩化アルミニウムは、本発明の実施に使用できる触媒を製造するための第一成分として用いることができる。
【0035】
イオン液体触媒を作る第二成分は、有機塩または塩の混合物である。これらの塩の特徴は、一般式:Q+-(ただし、Q+はアンモニウム、ホスホニウム又はスルホニウムカチオンであり、そしてA-は負の荷電イオン、例えばCl-、Br-、ClO4-、NO3-、BF4-、BCL4-、PF6-、SbF6-、AlCl4-、ArF6-、TaF6-、CuCl2-、FeCl3-、SO3CF3-、SO37-、および3−硫黄トリオキシフェニルである)にある。第二成分として用いるのに好ましいのは、一個以上の炭素原子数約1〜約9のアルキル部を含むハロゲン化第四級アンモニウム、例えばトリメチルアミン塩酸塩、メチルトリブチルアンモニウム、および1−ブチルピリジニウム、または炭化水素置換イミダゾリウムハライド、例えば1−エチル−3−メチル−イミダゾリウムクロリドである。
【0036】
第一成分の存在が、イオン液体にルイス酸特性を与えることになる。一般に、第一成分対第二成分のモル比が大きくなるほど、イオン液体混合物の酸度も大きくなる。酸性イオン液体触媒の第一成分および第二成分としてそれぞれ、三塩化アルミニウムとトリメチルアミン塩酸塩を用いるとき、約1:1より大きく約2:1までのモル比で存在することが好ましい。
【0037】
アルキル化法はバッチ法でも連続法でも実施することができる。連続法で用いてもバッチ法で用いても、酸性イオン液体触媒を再循環させることができる。
【0038】
[アルキル化芳香族化合物の製造方法]
本発明の一態様では、芳香族化合物又は芳香族化合物の混合物とオレフィン化合物の混合物とからなる炭化水素供給物、および酸性イオン液体触媒を、撹拌し続けている反応域に充填することによりアルキル化法を実施する。オレフィンから芳香族アルキレートへの実質的な変換(すなわち、少なくとも80モル%のオレフィンが達していること)を可能にするほど充分な時間、得られた混合物をアルキル化条件の下でアルキル化域に保持する。所望の時間の後、アルキル化域から反応混合物を取り出し、そして液−液分離器に送って炭化水素生成物を酸性イオン液体触媒から分離する。酸性イオン液体触媒は閉ループサイクルで反応器に再循環させる。炭化水素生成物を更に処理して、余分な未反応芳香族化合物と任意にオレフィン化合物を所望のアルキレート生成物から取り除く。余分な芳香族化合物も反応器に再循環させる。
【0039】
反応器域ではいろいろな種類の反応器構成を使用することができる。これらとしては、以下に限定されるものではないが、バッチ式及び連続式撹拌タンク形反応器、反応器上昇管構成、沸騰床反応器、および当該分野でよく知られている他の反応器構成を挙げることができる。そのような多くの反応器が当該分野の熟練者には知られていてアルキル化反応に適している。アルキル化反応では撹拌が重要であるが、じゃま板付き又は無しの回転羽根車、静的混合機、上昇管内での動的混合、あるいは当該分野でよく知られているその他任意の撹拌装置により供することができる。
【0040】
アルキル化法は、約0℃乃至約100℃の温度で実施することができる。供給成分の実質部分が液相に留るほど充分な圧力の下でこの方法を実施する。一般に、供給物および生成物を液相に維持するには0乃至150psigの圧力で充分である。
【0041】
反応器内での滞留時間は、オレフィンの実質部分をアルキレート生成物に変換できるほど充分な時間である。要する時間は約30秒乃至約30分である。もっと厳密な滞留時間は、当該分野の熟練者がバッチ式撹拌タンク形反応器を用いてアルキル化法の反応速度を測定することにより求めることができる。
【0042】
少なくとも一種の芳香族化合物又は芳香族化合物の混合物とオレフィン混合物とを、別々に反応域に注入してもよいし、あるいは注入に先立って混合してもよい。単一反応域も複数反応域も使用することができて、芳香族化合物とオレフィン混合物を反応域の一箇所、数箇所又は全箇所に注入できる。反応域を同じ工程条件で維持する必要はない。
【0043】
アルキル化法における炭化水素供給物は、芳香族化合物の混合物と混合オレフィンとからなり、芳香族化合物とオレフィンのモル比は、約0.5:1乃至約50:1又はそれ以上である。芳香族化合物とオレフィンのモル比が>1.0である場合には、過剰量の芳香族化合物が存在する。過剰な芳香族化合物を使用して反応速度を高め、そして生成物選択性を改善することが好ましい。過剰な芳香族化合物を使用したときには、反応器流出液中の余分な未反応芳香族を例えば蒸留により分離して、反応器に再循環させることができる。
【0044】
本発明の一態様は、閉ループ触媒再循環を含む連続法である。芳香族化合物(類)又は芳香族化合物の混合物とオレフィン(類)混合物とからなる炭化水素供給物を、連続的に充填してポンプで反応器に注入する。あるいは、芳香族化合物(類)とオレフィン(類)混合物を、別々の管路より充填してポンプで別の管路に通してもよい。該方法の開始時点で、新鮮な酸性イオン液体触媒を充填してポンプで反応器に注入する。供給充填物中の実質量のオレフィン混合物が反応して芳香族アルキレート化合物になるためには、炭化水素供給物と酸性イオン液体触媒を、アルキル化工程条件の下で撹拌しながら充分な時間をかけて反応器内に維持する。反応器内の圧力を背圧弁で維持する。反応器からの流出液を、管路を経て背圧弁に通し、分離器に送る。分離器では、不混和性の炭化水素と酸性イオン液体触媒が二相に分離する。酸性イオン液体触媒は炭化水素相よりも密度が高いので、酸性イオン液体触媒は分離器の底部に沈殿する。管路および分離器の底部を満たすほど充分な容量の酸性イオン液体触媒が得られたら、管路を通る新鮮な触媒流を止めて、「使用した」又は「再循環」触媒を、分離器から管路を経て反応器に戻す。この方法の大部分をこのように触媒再循環条件の下で操作して、この条件下では新鮮な触媒を全く添加しないか、あるいは少量の補給触媒だけを添加する。芳香族アルキレート化合物と余分な未反応芳香族を含む炭化水素生成物流を、管路を経て生成物分離部に充填する。生成物分離部では、三置換アルキル化芳香族化合物を残したまま、余分な芳香族化合物を留去して反応器に戻す。
【0045】
[三置換アルキル化芳香族化合物]
特許請求に係る本発明の生成物は、三置換アルキル化芳香族化合物である。得られた生成物は、1,2,4−三置換芳香族化合物または1,2,3−三置換芳香族化合物またはそれらの混合物を、少なくとも約50質量%含有していることが好ましい。得られた生成物は、1,2,4−三置換芳香族化合物または1,2,3−三置換芳香族化合物またはそれらの混合物を、より好ましくは少なくとも約80質量%、更に好ましくは少なくとも約95質量%含有している。最も好ましくは得られた生成物は、1,2,4−三置換芳香族化合物または1,2,3−三置換芳香族化合物またはそれらの混合物を、少なくとも約98質量%含有している。
【0046】
また、1,2,4−三置換芳香族と1,2,3−三置換芳香族との比は、少なくとも50:50であることが好ましい。より好ましくは、この比は少なくとも80:20である。更に好ましくは、この比は少なくとも95:5である。そして最も好ましくは、この比は少なくとも98:2である。
【0047】
文献には、触媒として塩化アルミニウムと塩化水素の混合物を用いた、オルト、メタ及びパラ−キシレンからパラ−キシレンヘの異性化及び不均化の結果として、多少の1,3,5−トリメチルベンゼンが生成物混合物に生じるとの報告がある。コリンズ(Collins)、外著、アプライド・カタリシス(Applied Catalysis)、1983年、第7号、p.272−288を参照されたい。この著者らは、1,3,5−トリメチルベンゼンが塩化アルミニウムとπ錯体を形成し、その結果、塩化アルミニウム触媒の触媒活性が低下することも報告している。
【0048】
この先行技術を考慮すると、クロロアルミン酸塩イオン液体触媒(すなわち、触媒成分としてAlCl3を含むようなイオン液体)による芳香族アルキル化反応過程で、1,3,5−トリアルキルベンゼンが生成することが予測される。つまり、先行技術によれば、クロロアルミン酸塩イオン液体触媒を用いたキシレンの芳香族アルキル化過程で、キシレンの不均化および得られたトリメチルベンゼンの異性化によって、1,3,5−トリメチルベンゼンの生成が予測される。引用した先行技術に示されているから、当該分野の熟練者であれば、キシレンのアルキル化条件下では、1,3,5−トリアルキルベンゼンとのπ錯体が生成して触媒失活を招くことになると予測するはずである。
【0049】
対照的に、本発明では、クロロアルミン酸塩イオン液体触媒を含む酸性イオン液体の存在下で、o−キシレンなどの芳香族化合物をオレフィン混合物でアルキル化すると、予測し得ない結果が生じた。驚くべきことには、o−キシレンなど芳香族化合物のアルキル化を、炭素範囲が約C12−約C30+のノルマルアルファオレフィン類を含むオレフィン類から選ばれたオレフィン混合物を用いて、触媒再循環条件下で約300時間の全製造時間で実施できることを発見した。先行技術とは違って、本発明の方法では反応速度が低下したという証拠は何も無かった(すなわち、触媒失活は無かった)。
【0050】
[アルキル芳香族スルホネートの製造]
本発明の一態様では、上述した方法により製造した生成物(すなわち、アルキル化オルトキシレン:1,2,4−三置換アルキルベンゼン芳香族、1,2,3−三置換アルキルベンゼン、およびそれらの混合物)を、更に反応させてスルホネートにする。
【0051】
[スルホン化]
アルキルオルトキシレンなどアルキル芳香族のスルホン化はその後、ある意味で当該分野の熟練者であれば知悉している任意の方法により実施することができる。スルホン化反応は一般に、約55℃に維持した連続落下膜式チューブ形反応器で行う。アルキルオルトキシレンを、空気で希釈した三酸化硫黄、硫酸、クロロスルホン酸またはスルファミド酸と一緒に反応器に入れ、それによりアルキルオルトキシレンスルホン酸が生成する。好ましくは、空気で希釈した三酸化硫黄でアルキルオルトキシレンをスルホン化する。三酸化硫黄とアルキレートとの充填モル比を、約0.8〜1.1:1に維持する。
【0052】
[アルキル芳香族スルホン酸の中和]
アルキルオルトキシレンスルホン酸などアルキル芳香族スルホン酸の中和は、当該分野の熟練者であれば知悉している任意の方法により連続法でもバッチ法でも実施して、アルキル芳香族スルホネートを生成させることができる。一般には、アルキル芳香族スルホン酸をアルカリ又はアルカリ土類金属源で中和する。好ましくは、アルカリ土類金属水酸化物、例えばこれらに限定されるものではないが、水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウムでアルキル芳香族スルホン酸を中和する。
【0053】
その他の態様も当該分野の熟練者には明らかであろう。
【0054】
以下の実施例は、本発明の特定の態様を説明するために提示するのであって、決して本発明の範囲を限定するものとみなすべきではない。
【実施例】
【0055】
[実施例1] メチルトリブチルアンモニウムクロロアルミン酸塩イオン液体触媒の製造
無水三塩化アルミニウムおよびメチルトリブチルアンモニウムクロリドを、減圧下、100℃で一晩乾燥した。
【0056】
乾燥室内でイオン液体触媒の製造を実施した。メチルトリブチルアンモニウムクロリド550.6グラムを、磁気撹拌子を備えたビーカーに入れた。無水塩化アルミニウム622.7グラムを第二のビーカーに入れた。磁気撹拌子を作動させながら、メチルトリブチルアンモニウムクロリドのビーカーに少量の固体塩化アルミニウムを穏やかに加えた。塩化アルミニウムを添加するにつれて、発熱が起こり、反応混合物は「ペースト状」になり始め、そののち一部が液体になり始めた。塩化アルミニウムの添加速度を遅くして、ビーカーの温度上昇を緩和した。塩化アルミニウムを更に添加すると、液体が更に生じて、実際に反応混合物は自由に動き出した。三塩化アルミニウムの全量を添加した後、反応混合物を周囲温度まで放冷し、そして一晩撹拌した。翌朝、反応混合物を130℃で乾燥したガラスろ過器でろ過した。ろ過した最終イオン液体触媒を窒素中でガラスびんに保管した。
【0057】
[実施例2] C12−C30+ノルマルアルファオレフィンによるオルト−キシレンのアルキル化
オレフィン混合物によるオルト−キシレン(すなわち、o−キシレン)の芳香族アルキル化を、プロセス装置にて実施した。
【0058】
アルキル化供給原料を、o−キシレンとC12−C30+ノルマルアルファオレフィンの混合物(キシレン/オレフィンのモル比=5.0)から構成した。この供給物を作るのに用いたオレフィンは、市販のC12+ノルマルアルファオレフィン(nao)留分であった。C12−C30+nao混合物は、C12−C20オレフィン79質量%およびC32−C58オレフィン4質量%を含有していた。アルキル化供給混合物を作る前に、蒸留により最も低い沸点で20質量%のオレフィンを取り除いた。供給混合物を4A分子ふるいで乾燥し、そして使用の間は乾燥窒素中で保管した。アルファオレフィンがろう状であるので、アルキル化供給混合物を撹拌しながら50℃に加熱して、全オレフィンを溶液で維持した。o−キシレンも4A分子ふるいで乾燥し、使用の間は乾燥窒素中で保管した。
【0059】
実施例1のイオン液体触媒300mLとo−キシレン400mLの混合物を調製し、そして使用の間は乾燥窒素中で保管した。
【0060】
触媒実施を開始するために、o−キシレンをポンプで公称速度およそ120g/時で反応器に注ぎ、背圧調節器に通して液−液分離器に、そして最終的に炭化水素生成物溜めに注いだ。反応器を600RPMで撹拌しながら40℃に加熱した。圧力を背圧調節器により約50psigに上げた。温度と圧力が満たされたら、イオン液体触媒/o−キシレン混合物をポンプで公称速度毎時20グラムで反応器に注いだ。同時に、o−キシレン流を止めて、アルキル化供給混合物をポンプでおよそ120g/時で反応器に注いだ。充分な量の触媒が、液−液分離器の底部および触媒ポンプの入口に至る触媒再循環管路に貯まったら、新鮮な触媒流を止めて、再循環触媒流を同じ公称触媒流速度で開始した。この時点が実施開始を表した。
【0061】
実施の間、生成物試料を二通りのやり方で採集した。第一に、背圧調節器から導かれた管路に位置する試料弁から、少量の試料を定期的に得た。第二に、大量の液体生成物を、12時間の操作で各々交換する大きな生成物缶に集めた。生成物をガスクロマトグラフィで分析し、そして生成物のガスクロマトグラムにおけるオレフィンの消失から転化率を測定した。
【0062】
実施の間、ポンプの保全のため、あるいはアルキル化供給物の新しい容器を追加するために、触媒操作を時折停止した。操作を保全のために一時停止した時間を含めないで全部で297時間、装置を閉触媒再循環ループで稼働させて芳香族アルキレートを製造した。
【0063】
実施の全過程を通して、炭化水素生成物試料は全てオレフィン転化率>99%を示し、再循環条件の下で酸性イオン液体触媒が安定であることが示された。
【0064】
[実施例3] C12-30+ノルマルアルファオレフィンによるo−キシレンのバッチ式イオン液体アルキル化
櫂形機械撹拌機、滴下漏斗および還流冷却器が取り付けられ、窒素で満たされた乾いた3リットルガラス反応器に、1当量のトリメチルアンモニウム塩酸塩と2当量の塩化アルミニウムとの反応により製造したイオン液体36.6mL(約42グラム又は0.12モル)を加えた。22℃のイオン液体に、C12-30+ノルマルアルファオレフィン(nao)の混合物を撹拌しながら18分かけて滴下した。C12−C30+naoの混合物は、C12−C20nao75質量%およびC32−C58nao5質量%を含有していた。反応混合物の温度は78℃まで上昇した。反応物を更に2時間撹拌し、その時点で混合物の温度は24℃に下がっていた。イオン液体触媒を分離漏斗にて反応混合物から分離し、そして有機層を冷水で3回洗った。次に、有機層を無水MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして未反応o−キシレンを減圧蒸留により取り除いて、3−アルキル−o−キシレン(1,2,3−三置換異性体)およそ1.6質量%と、4−アルキル−o−キシレン(1,2,4−三置換異性体)98.4質量%とからなる黄色液体を得た。
【0065】
[実施例4] C14-30+ノルマルアルファオレフィンによるo−キシレンのバッチ式イオン液体アルキル化
機械撹拌機、温度計、水冷冷却器、液体添加漏斗を備え、乾燥窒素ガスでシールされた乾いた250mL三つ口丸底ガラスフラスコに、イオン液体5.1グラム(メチルトリブチルアンモニウムクロロアルミン酸塩およそ10ミリモル)を加えた後、o−キシレン20グラム(189ミリモル)を加えた。これに、o−キシレン80グラム(755ミリモル)に溶解したC14-30+ノルマルアルファオレフィン(nao)の混合物50グラム(およそ186ミリモル)を、撹拌しながら15分かけて滴下した。オレフィン混合物は、C12−C20nao71質量%およびC32−C58nao5質量%を含有していた。反応混合物の温度は、20℃から53℃に上昇したが、撹拌しながら放冷して31℃になった。反応混合物を分離漏斗に移し、そしてイオン液体触媒を有機混合物から分離した。次に、有機混合物をおよそ50mLの水で2回洗い、無水MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして余分なo−キシレンを回転蒸発器にて減圧蒸留により取り除いて、3−アルキル−o−キシレン(1,2,3−三置換異性体)およそ1.3質量%と、4−アルキル−o−キシレン(1,2,4−三置換異性体)98.7質量%とからなる黄色油を得た。
【0066】
[実施例5] C12-30+o−キシレンアルキレートのスルホン化
上記実施例2、3及び4で製造したものと同様のC12-30+o−キシレンアルキレートを、下記の条件を用いて、チューブ形反応器(およそ長さ2メートル、内径1cm)内で、下降流式で三酸化硫黄(SO3)と空気を同時に流すことによりスルホン化した。
【0067】
反応器温度: 65℃
アルキレート供給物温度: 65℃
空気流: 192L/時
SO2流: 18L/時
アルキレート供給物流: 4.6グラム/分
充填モル比(アルキレート:SO3) 0.94:1
【0068】
酸素と二酸化硫黄(SO2)の混合物を、酸化バナジウム(V25)を含む触媒炉に通してSO3を発生させた。
【0069】
これらの条件の下で生成した粗製C12-30+o−キシレンスルホン酸は、次のような性状を示した:スルホネートとしてCa3.95質量%、およびH2SO40.82質量%。
【0070】
本発明の真意および範囲から逸脱することなく本発明の変更や変形を成すことができるが、添付した特許請求の範囲に示したような限定しか課されないことを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の工程を含む合成石油スルホネートの製造方法:
(a)少なくとも一種の芳香族化合物を炭素原子数約8〜約100のオレフィン類から選ばれたオレフィン混合物と、酸性イオン液体触媒の存在下で反応させて、1,2,4−三置換芳香族化合物または1,2,3−三置換芳香族化合物またはそれらの混合物を少なくとも約50質量%含有する生成物を得る工程、
(b)工程(a)の生成物を、空気で希釈した三酸化硫黄と反応させる工程、そして、
(c)工程(b)の生成物を、アルカリ又はアルカリ土類金属水酸化物で中和する工程。
【請求項2】
少なくとも一種の芳香族化合物が、未置換芳香族化合物、一置換芳香族化合物および二置換芳香族化合物から選ばれる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
未置換芳香族化合物、一置換芳香族化合物および二置換芳香族化合物が、ベンゼン、トルエン、メタ−キシレン、パラ−キシレン、オルト−キシレンおよびそれらの混合物から選ばれる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも二置換芳香族化合物が、メタ−キシレン、パラ−キシレン、オルト−キシレンおよびそれらの混合物から選ばれる請求項3に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも一種の二置換芳香族化合物がオルト−キシレンである請求項4に記載の方法。
【請求項6】
オレフィン混合物が、線状オレフィンの混合物、線状異性化オレフィンの混合物、分枝オレフィンの混合物、部分分枝オレフィンの混合物、またはそれらの混合物である請求項5に記載の方法。
【請求項7】
オレフィン混合物が線状オレフィンの混合物である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
線状オレフィンの混合物がノルマルアルファオレフィンの混合物である請求項7に記載の方法。
【請求項9】
線状オレフィンの混合物が、石油ワックスまたはフィッシャー・トロプシュ・ワックスの分解から誘導されたオレフィン類を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
フィッシャー・トロプシュ・ワックスが分解操作前に水素化処理されている請求項9に記載の方法。
【請求項11】
オレフィン混合物が炭素原子数約8〜炭素原子数約100を含む請求項6に記載の方法。
【請求項12】
オレフィン混合物が、炭素原子数約8〜100を含む線状アルファオレフィン類または異性化オレフィン類から誘導されたものである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
オレフィン混合物が、炭素原子数約10〜約80を含む線状アルファオレフィン類または異性化オレフィン類から誘導されたものである請求項12に記載の方法。
【請求項14】
オレフィン混合物が、炭素原子数約14〜約60を含む線状アルファオレフィン類または異性化オレフィン類から誘導されたものである請求項13に記載の方法。
【請求項15】
線状オレフィンの混合物が、オレフィンメタセシスから誘導された線状内部オレフィンの混合物である請求項7に記載の方法。
【請求項16】
オレフィン混合物が分枝オレフィンの混合物である請求項1に記載の方法。
【請求項17】
分枝オレフィンの混合物が、C3又はそれ以上のモノオレフィン類から誘導されたポリオレフィン化合物を含んでいる請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ポリオレフィン化合物がポリプロピレンまたはポリブチレンの何れかである請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ポリオレフィン化合物がポリプロピレンである請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ポリオレフィン化合物がポリブチレンである請求項19に記載の方法。
【請求項21】
酸性イオン液体触媒が第一成分と第二成分とからなり、該第一成分が、ハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、ハロゲン化ガリウムおよびハロゲン化アルキルガリウムからなる群より選ばれた化合物を含み、そして該第二成分が、アンモニウム塩、ホスホニウム塩またはスルホニウム塩から選ばれた塩を含む請求項1に記載の方法。
【請求項22】
第一成分が、ハロゲン化アルミニウムまたはハロゲン化アルキルアルミニウムである請求項21に記載の方法。
【請求項23】
第一成分が三塩化アルミニウムである請求項22に記載の方法。
【請求項24】
該第二成分が、炭化水素置換アンモニウムハライド、炭化水素置換イミダゾリウムハライド、炭化水素置換ピリジニウムハライド、アルキレン置換ピリジニウムジハライドまたは炭化水素置換ホスホニウムハライドのうちの一種以上から選ばれる請求項23に記載の方法。
【請求項25】
第二成分が、1個以上の炭素原子数約1〜約9のアルキル部を含むアルキル置換アンモニウムハライドである請求項24に記載の方法。
【請求項26】
第二成分が少なくともトリメチルアミン塩酸塩を含んでいる請求項25に記載の方法。
【請求項27】
第二成分がアルキル置換イミダゾリウムハライドである請求項26に記載の方法。
【請求項28】
第二成分が少なくとも1−エチル−3−メチル−イミダゾリウムクロリドを含んでいる請求項27に記載の方法。
【請求項29】
酸性イオン液体触媒を再循環させる請求項28に記載の方法。
【請求項30】
反応を連続法で行う請求項1に記載の方法。
【請求項31】
請求項1に記載の方法により製造された合成石油スルホネート。

【公表番号】特表2009−521443(P2009−521443A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547349(P2008−547349)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/047892
【国際公開番号】WO2007/075404
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(598037547)シェブロン・オロナイト・カンパニー・エルエルシー (135)
【Fターム(参考)】