説明

合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法

【課題】
近年における合成繊維の紡糸工程や加工工程での高速化にも対応して、毛羽や糸切れならびに染色斑の発生を充分に防止できる合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法を提供する。
【解決手段】
合成繊維用処理剤として、特定の基油組成物を70重量%以上含有して成るものを用いた。この基油組成物は、A成分として特定のアルキレンオキサイド付加物から選ばれる一つ又は二つ以上を、またB成分として他の特定のアルキレンオキサイド付加物から選ばれる一つ又は二つ以上を、更にC成分としてイオン性界面活性剤から選ばれる一つ又は二つ以上を、そしてD成分として特定の非イオン界面活性剤から選ばれる一つ又は二つ以上を用い、A成分を50〜90重量%、B成分を3〜30重量%、C成分を0.1〜10重量%及びD成分を0.1〜20重量%(合計100重量%)含有して成るものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法に関する。近年、合成繊維の紡糸工程や加工工程においては、高速化が更に一段と進み、これに伴って生産糸の毛羽や糸切れならびに織編物での染色斑がますます発生し易くなっている。かかる毛羽や糸切れ、染色斑の発生を防止するため、合成繊維に付着させる合成繊維用処理剤としてこれらを防止するための機能性向上剤の含有割合を増加させたものを使用することや、合成繊維に対する合成繊維用処理剤の付着量を上げることが行われているが、依然として近年の高速化には充分に対応できていない。本発明は、合成繊維の紡糸工程や加工工程における近年の高速化にも対応して、毛羽や糸切れならびに染色斑の発生を充分に防止できる合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、合成繊維用処理剤として一般に、潤滑剤及び機能性向上剤を含有するものが使用されている。かかる合成繊維用処理剤には、毛羽や糸切れの発生を防止するための機能性向上剤を含有するものも各種が知られている(例えば、特許文献1〜8参照)。ところが、これら従来の合成繊維用処理剤には、近年の高速化された紡糸工程や加工工程において、毛羽や糸切れならびに染色斑の発生を充分に防止できないという問題がある。
【0003】
【特許文献1】特開昭60−9971号公報
【特許文献2】特開平1−298281号公報
【特許文献3】特開平2−47372号公報
【特許文献4】特開昭60−181368号公報
【特許文献5】特開2000−136448号公報
【特許文献6】特開2001−146684号公報
【特許文献7】特開平3−97961号公報
【特許文献8】特開平6−207379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、近年における合成繊維の紡糸工程や加工工程での高速化にも対応して、毛羽や糸切れならびに染色斑の発生を充分に防止できる合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法を提供する処にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
しかして本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、特定の4成分から成る基油組成物を所定割合で含有する合成繊維用処理剤が正しく好適であり、またかかる合成繊維用処理剤を合成繊維に対し所定量付着させることが正しく好適であることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、下記の基油組成物を70重量%以上含有して成ることを特徴とする合成繊維用処理剤に係る。
【0007】
基油組成物:下記のA成分、B成分、C成分及びD成分から成り、且つ該A成分を50〜90重量%、該B成分を3〜30重量%、該C成分を0.1〜10重量%及び該D成分を0.1〜20重量%(合計100重量%)含有して成るもの
【0008】
A成分:下記の条件1〜3を同時に満足するアルキレンオキサイド付加物から選ばれる一つ又は二つ以上
【0009】
条件1:1〜3価の炭素数1〜24の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した数平均分子量1000〜12000のアルキレンオキサイド付加物であること
【0010】
条件2:それを構成する全オキシアルキレン単位の10〜80重量%がオキシエチレン単位であるポリオキシアルキレン基を有するアルキレンオキサイド付加物であること
【0011】
条件3:1価の炭素数6〜10の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物を40重量%以上含有するアルキレンオキサイド付加物であること
【0012】
B成分:1価の炭素数6〜10の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド又は、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量140〜800のアルキレンオキサイド付加物であって、且つそれを構成する全オキシアルキレン単位の30重量%以上がオキシエチレン単位であるポリオキシアルキレン基を有するアルキレンオキサイド付加物から選ばれる一つ又は二つ以上
【0013】
C成分:イオン性界面活性剤から選ばれる一つ又は二つ以上
【0014】
D成分:1価の炭素数11〜24の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量210〜950のエーテル型非イオン界面活性剤、1価の炭素数6〜10の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量900〜2000のエーテル型非イオン界面活性剤、1価の炭素数11〜24の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量150〜2500のエーテル型非イオン界面活性剤、1価の炭素数8〜24の脂肪酸にエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量200〜2000のエステル型非イオン界面活性剤、動植物油脂にエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量700〜10000の非イオン界面活性剤、炭素数8〜24の脂肪族アミンにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量200〜2500のアミノエーテル型非イオン界面活性剤、炭素数8〜24の脂肪族アミドにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量250〜2500のアミドエーテル型非イオン界面活性剤、2〜6価の炭素数2〜6の脂肪族アルコールを炭素数8〜24の脂肪酸で部分エステル化した部分エステル型非イオン界面活性剤及び3〜6価の炭素数3〜6の脂肪族アルコールを炭素数8〜24の脂肪酸で部分エステル化した部分エステルにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量400〜6000のエ−テルエステル型非イオン界面活性剤から選ばれる一つ又は二つ以上
【0015】
また本発明は、本発明に係る合成繊維用処理剤を合成繊維に対し0.1〜3重量%となるよう付着させることを特徴とする合成繊維の処理方法に係る。
【0016】
先ず、本発明に係る合成繊維用処理剤(以下単に本発明の処理剤という)について説明する。本発明の処理剤は、A成分、B成分、C成分及びD成分から成る基油組成物を含有して成るものである。かかる基油組成物を構成する成分のうちでA成分は条件1〜3を同時に満足するアルキレンオキサイド付加物から選ばれる一つ又は二つ以上である。
【0017】
A成分について条件1は、アルキレンオキサイド付加物が、1〜3価の炭素数1〜24の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した数平均分子量1000〜12000のアルキレンオキサイド付加物であることである。かかる条件1において、1〜3価の炭素数1〜24の脂肪族アルコールとしては、1)メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、ヘンエイコシルアルコール、ドコシルアルコール、トリコシルアルコール、テトラコシルアルコール等の1価の直鎖飽和脂肪族アルコール、2)イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、2−メチル−ペンチルアルコール、2−エチル−ヘキシルアルコール、2−プロピル−ヘプチルアルコール、2−ブチル−オクチルアルコール、2−ペンチル−ノニルアルコール、2−ヘキシル−デシルアルコール、2−ヘプチル−ウンデシルアルコール、2−オクチル−ドデシルアルコール、2−ノニル−トリデシルアルコール、2−デシル−テトラデシルアルコール、2−ウンデシル−ペンタデシルアルコール、2−ドデシル−ヘキサデシルアルコール等の1価の分岐飽和脂肪族アルコール、3)10−ウンデセニルアルコール、9c−テトラデセニルアルコール、9c−ヘキサデセニルアルコール、9c−オクタデセニルアルコール、9t−オクタデセニルアルコール、9c,12c−オクタデカジエニルアルコール、9c,12c,15c−オクタデカトリエニルアルコール、9c−エイコセニルアルコール、5,8,11,14−エイコサテトラエニルアルコール、13c−ドコセニルアルコール、13t−ドコセニルアルコール等の1価の直鎖不飽和脂肪族アルコール、4)エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価の脂肪族アルコール、5)グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価の脂肪族アルコール等が挙げられる。
【0018】
また条件1において、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられるが、なかでもエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが好ましい。これらのアルキレンオキサイドは単独で又は混合で使用できる。混合で用いる場合、1〜3価の炭素数1〜24の脂肪族アルコールに対するアルキレンオキサイドの付加形態としては、ランダム付加、ブロック付加、ランダム・ブロック付加が挙げられる。
【0019】
以上説明した条件1を満足するアルキレンオキサイド付加物は、いずれも数平均分子量が1000〜12000のものとするが、1000〜10000のものとするのが好ましい。
【0020】
A成分について条件2は、アルキレンオキサイド付加物が、それを構成する全オキシアルキレン単位の10〜80重量%がオキシエチレン単位であるポリオキシアルキレン基を有するアルキレンオキサイド付加物であることである。
【0021】
A成分について条件3は、アルキレンオキサイド付加物が、1価の炭素数6〜10の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物を40重量%以上含有するアルキレンオキサイド付加物であることである。かかる条件3において、1価の炭素数6〜10の脂肪族アルコールとしては、1)ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール等の直鎖飽和脂肪族アルコール、2)2−メチル−ペンチルアルコール、2−エチル−ヘキシルアルコール、2−プロピル−ヘプチルアルコール等の分岐飽和脂肪族アルコール等が挙げられる。
【0022】
A成分は以上説明した条件1〜3を同時に満足するアルキレンオキサイド付加物から選ばれる一つ又は二つ以上であるが、なかでもかかるA成分としては、下記のE成分及びF成分を合計50重量%以上含有しており、且つ該E成分/該F成分=50/50〜90/10(重量比)の割合で含有するものが好ましい。
E成分:1価の炭素数6〜10の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=35/65〜80/20(重量比)の割合で付加した数平均分子量1000〜12000のアルキレンオキサイド付加物
F成分:1価の炭素数11〜16の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=10/90〜80/20(重量比)の割合で付加した数平均分子量1000〜12000のアルキレンオキサイド付加物
【0023】
前記のE成分において、1価の炭素数6〜10の脂肪族アルコールとしては、1)ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール等の直鎖飽和脂肪族アルコール、2)2−メチル−ペンチルアルコール、2−エチル−ヘキシルアルコール、2−プロピル−ヘプチルアルコール等の分岐飽和脂肪族アルコール等が挙げられる。
【0024】
前記のF成分において、1価の炭素数11〜16の脂肪族アルコールとしては、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、2−プロピル−ヘプチルアルコール、2−ブチル−オクチルアルコール、2−ペンチル−ノニルアルコール、2−ヘキシル−デシルアルコール、9c−テトラデセニルアルコール、9c−ヘキサデセニルアルコール等が挙げられるが、なかでもドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール等の直鎖脂肪族アルコールを70モル%以上含有するものが好ましい。
【0025】
以上説明したA成分としてのアルキレンオキサイド付加物それ自体は、公知の方法で合成できる。これには例えば、脂肪族アルコールに、アルカリ触媒存在下で、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを逐次付加重合反応させる方法が挙げられる。
【0026】
B成分は、1価の炭素数6〜10の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド又は、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド化合物である。1価の炭素数6〜10の脂肪族アルコールとしては、1)ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール等の直鎖飽和脂肪族アルコール、2)イソオクチルアルコール、2−メチル−ペンチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、3,3,5−トリメチル−ヘキシルアルコール、2−メチルオクチルアルコール、2−プロピル−ヘプチルアルコール等の分岐飽和脂肪族アルコール等が挙げられる。B成分としてのアルキレンオキサイド付加物の数平均分子量は、140〜800とするが、200〜700とするのが好ましい。またアルキレンオキサイド付加物のポリオキシアルキレン基を構成する全オキシアルキレン単位中のオキシエチレン単位の割合としては、30重量%以上とするが、50重量%以上とするのが好ましい。脂肪族アルコールへのエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの付加形態は特に制限されない。
【0027】
C成分は、イオン性界面活性剤である。かかるイオン性界面活性剤としては、従来公知のものが使用できる。これには例えば、1)ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の有機スルホン酸塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸エステルナトリウム等の有機硫酸エステル塩、ポリオキシラウリルホスフェートカリウム等の有機リン酸エステル塩、オレイン酸ナトリウムやアルケニルコハク酸カリウム等の有機脂肪酸塩等のアニオン界面活性剤、2)ラウリルトリメチルアンモニウムエトサルフェート等の第4級アンモニウム塩、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン等のカチオン界面活性剤、3)オクチルジメチルアンモニオアセタート、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルアミンオキサイド等の両性界面活性剤が挙げられるが、なかでもアニオン界面活性剤が好ましい。
【0028】
D成分は、特定の非イオン界面活性剤である。かかる非イオン界面活性剤には、1)1価の炭素数11〜24の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量210〜950のエーテル型非イオン界面活性剤、2)1価の炭素数6〜10の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量900〜2000のエーテル型非イオン界面活性剤、3)1価の炭素数11〜24の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量150〜2500のエーテル型非イオン界面活性剤、4)1価の炭素数8〜24の脂肪酸にエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量200〜2000のエステル型非イオン界面活性剤、5)動植物油脂にエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量700〜10000の非イオン界面活性剤、6)炭素数8〜24の脂肪族アミンにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量200〜2500のアミノエーテル型非イオン界面活性剤、7)炭素数8〜24の脂肪族アミドにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量250〜2500のアミドエーテル型非イオン界面活性剤、8)2〜6価の炭素数2〜6の脂肪族アルコールを炭素数8〜24の脂肪酸で部分エステル化した部分エステル型非イオン界面活性剤、9)3〜6価の炭素数3〜6の脂肪族アルコールを炭素数8〜24の脂肪酸で部分エステル化した部分エステルにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量400〜6000のエ−テルエステル型非イオン界面活性剤が含まれる。
【0029】
D成分について、1価の炭素数11〜24の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量210〜950のエーテル型非イオン界面活性剤としては、α−ウンデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、α−ドデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、α−トリデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、α−テトラデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、α−ペンタデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、α−ヘキサデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、α−ヘプタデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、α−オクタデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、α−オクタデセニル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、α−ノナデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、α−エイコシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、α−エイコセニル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、α−ドコシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン等が挙げられる。
【0030】
D成分について、1価の炭素数6〜10の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量900〜2000のエーテル型非イオン界面活性剤としては、α−ヘキシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン、α−オクチル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン、α−ノニル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン、α−デシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン、α−ヘキシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシプロピレン、α−オクチル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシプロピレン、α−ノニル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシプロピレン、α−デシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシプロピレン等が挙げられる。
【0031】
D成分について、1価の炭素数11〜24の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量150〜2500のエーテル型非イオン界面活性剤としては、α−ウンデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン、α−ドデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン、α−トリデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン、α−テトラデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン、α−ペンタデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン、α−ヘキサデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン、α−ヘプタデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン、α−オクタデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン、α−オクタデセニル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン、α−ノナデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン、α−エイコシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン、α−エイコセニル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン、α−ドコシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシエチレン、α−ウンデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシプロピレン、α−ドデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシプロピレン、α−トリデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシプロピレン、α−テトラデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシプロピレン、α−ペンタデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシプロピレン、α−ヘキサデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシプロピレン、α−ヘプタデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシプロピレン、α−オクタデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシプロピレン、α−オクタデセニル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシプロピレン、α−ノナデシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシプロピレン、α−エイコシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシプロピレン、α−エイコセニル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシプロピレン、α−ドコシル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシプロピレン等が挙げられる。
【0032】
D成分について、1価の炭素数8〜24の脂肪酸にエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量200〜2000のエステル型非イオン界面活性剤としては、カプリル酸(ポリオキシエチレン)、ラウリン酸(ポリオキシエチレン)、ミリスチン酸(ポリオキシエチレン)、パルミチン酸(ポリオキシエチレン)、ステアリン酸(ポリオキシエチレン)、オレイン酸(ポリオキシエチレン)、リノール酸(ポリオキシエチレン)、エルカ酸(ポリオキシエチレン)、リシノール酸(ポリオキシエチレン)、リグノセリン酸(ポリオキシエチレン)、カプリル酸(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)、ラウリン酸(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)、ミリスチン酸(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)、パルミチン酸(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)、ステアリン酸(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)、オレイン酸(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)、リノール酸(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)、エルカ酸(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)、リシノール酸(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)、リグノセリン酸(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)、ラウリン酸(ポリオキシプロピレン)、ミリスチン酸(ポリオキシプロピレン)、パルミチン酸(ポリオキシプロピレン)、ステアリン酸(ポリオキシプロピレン)、オレイン酸(ポリオキシプロピレン)等が挙げられる。
【0033】
D成分について、動植物油脂にエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量700〜10000の非イオン界面活性剤としては、1)大豆油、ヒマワリ油、綿実油、ゴマ油、菜種油、米ヌカ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油等の植物油脂のエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物、2)牛脂、豚脂、羊脂等の動物油脂のエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
【0034】
D成分について、炭素数8〜24の脂肪族アミンにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量200〜2500のアミノエーテル型非イオン界面活性剤としては、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)オクチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ノニルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ミリスチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)セチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アラキニルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ジオクチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ジノニルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ジラウリルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ジミリスチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ジセチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ジステアリルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)オクチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ノニルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ラウリルアミン、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)オクチルアミン、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)ノニルアミン、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)ラウリルアミン、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)ミリスチルアミン、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)セチルアミン、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)ステアリルアミン、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)アラキニルアミン、N−(ポリオキシエチレン)ジオクチルアミン、N−(ポリオキシエチレン)ジノニルアミン、N−(ポリオキシエチレン)ジラウリルアミン、N−(ポリオキシエチレン)ジミリスチルアミン、N−(ポリオキシエチレン)ジセチルアミン、N−(ポリオキシエチレン)ジステアリルアミン、N,N−ビス(ポリオキシエチレンポリプロピレン)オクチルアミン、N,N−ビス(ポリオキシエチレンポリプロピレン)ノニルアミン、N,N−ビス(ポリオキシエチレンポリプロピレン)ラウリルアミン、N,N−ビス(ポリオキシエチレンポリプロピレン)ミリスチルアミン、N,N−ビス(ポリオキシエチレンポリプロピレン)セチルアミン、N,N−ビス(ポリオキシエチレンポリプロピレン)ステアリルアミン、N,N−ビス(ポリプロピレン)オクチルアミン、N,N−ビス(ポリプロピレン)ノニルアミン、N,N−ビス(ポリプロピレン)ラウリルアミン、N,N−ビス(ポリプロピレン)ミリスチルアミン、N,N−ビス(ポリプロピレン)セチルアミン、N,N−ビス(ポリプロピレン)ステアリルアミン等が挙げられる。
【0035】
D成分について、炭素数8〜24の脂肪族アミドにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量250〜2500のアミドエーテル型非イオン界面活性剤としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)オクタンアミド、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)ドデカンアミド、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)オクタデカンアミド、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)オクタデセンアミド、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)ドコサンアミド、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)オクタンアミド、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)ドデカンアミド、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)オクタデカンアミド、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)オクタデセンアミド、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)ドコサンアミド、N,N−ビス(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)オクタンアミド、N,N−ビス(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)ドデカンアミド、N,N−ビス(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)オクタデカンアミド、N,N−ビス(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)オクタデセンアミド、N,N−ビス(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン)ドコサンアミド、N,N−ビス(ポリオキシプロピレン)オクタンアミド、N,N−ビス(ポリオキシプロピレン)ドデカンアミド、N,N−ビス(ポリオキシプロピレン)オクタデカンアミド、N,N−ビス(ポリオキシプロピレン)オクタデセンアミド、N,N−ビス(ポリオキシプロピレン)ドコサンアミド等が挙げられる。
【0036】
D成分について、2〜6価の炭素数2〜6の脂肪族アルコールを炭素数8〜24の脂肪酸で部分エステル化した部分エステル型非イオン界面活性剤としては、1)エチレングリコールモノラウラート、エチレングリコールモノパルミタート、エチレングリコールモノオレアート、エチレングリコールベヘナート等の、エチレングリコールの部分エステル、2)プロピレングリコールモノミリスタート、プロピレングリコールモノパルミタート、プロピレングリコールモノステアラート、プロピレングリコールモノオレアート等のプロピレングリコールの部分エステル、3)グリセリンモノラウラート、グリセリンモノパルミタート、グリセリンモノオレアート、グリセリンモノリノレアート、グリセリンジラウラート、グリセリンジオレアート、グリセリンジリノレアート、グリセリンラウラートミリスタート、グリセリンパルミトレアートステアラート等の、グリセリンの部分エステル、4)トリメチロールプロパンモノラウラート、トリメチロールプロパンモノパルミタート、トリメチロールプロパンモノオレアート、トリメチロールプロパンモノベヘナート等の、トリメチロールプロパンの部分エステル、5)ペンタエリスリトールモノミリスタート、ペンタエリスリトールモノミリストレアート、ペンタエリスリトールモノオレアート、ペンタエリスリトールジラウラート、ペンタエリスリトールジリノレアート、ペンタエリスリトールラウラートミリスタート、ペンタエリスリトールトリオレアート、ペンタエリスリトールジラウラートミリスタート、ペンタエリスリトールジパルミトレアートステアラート、ペンタエリスリトールジパルミトレアートオレアート等の、ペンタエリスリトールの部分エステル、6)ジグリセリンモノラウラート、ジグリセリンモノオレアート、ジグリセリンジパルミタート、ジグリセリントリラウラート、ジグリセリンジラウラートミリスタート、ジグリセリンステアラートジパルミトレアート等の、ジグリセリンの部分エステル、7)ソルビタンモノラウラート、ソルビタンモノステアラート、ソルビタンモノオレアート、ソルビタンモノリノレアート、ソルビタンジミリスタート、ソルビタンジパルミタート、ソルビタンジオレアート、ソルビタンパルミトレアート、ソルビタントリパルミタート、ソルビタントリオレアート、ソルビタントリリノレアート、ソルビタンジラウラートミリスタート、ソルビタンジパルミトレアート等の、ソルビタンの部分エステル等、8)トリグリセリンモノラウラート、トリグリセリンモノオレアート、トリグリセリンジオレアート、トリグリセリントリラウラート、トリグリセリントリオレアート、トリグリセリンパルミトレアートジオレアート等の、トリグリセリンの部分エステル、9)テトラグリセリンモノラウラート、テトラグリセリンモノオレアート、テトラグリセリンジオレアート等の、テトラグリセリンの部分エステル、10)ジペンタエリスリトールモノミリスタート、ジペンタエリスリトールモノリノレアート、ジペンタエリスリトールジオレアート等の、ジペンタエリスリトールの部分エステル等が挙げられる。
【0037】
D成分について、3〜6価の炭素数3〜6の脂肪族アルコールを炭素数8〜24の脂肪酸で部分エステル化した部分エステルにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量400〜6000のエ−テルエステル型非イオン界面活性剤としては、グリセリン部分エステル、トリメチロールプロパン部分エステル、ペンタエリスリトール部分エステル、ジグリセリン部分エステル、エチレングリコールジグリセリルエーテル部分エステル、ソルビタン部分エステル、トリグリセリン部分エステル、テトラグリセリン部分エステル、ジペンタエリスリトール部分エステル等の部分エステルのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
【0038】
本発明の処理剤は、以上説明したようなA成分を50〜90重量%、B成分を3〜30重量%、C成分を0.1〜10重量%及びD成分を0.1〜20重量%(合計100重量%)含有する基油組成物を70重量%以上含有して成るものであるが、該A成分を55〜90重量%、該B成分を5〜20重量%、該C成分を0.3〜5重量%及び該D成分を1〜20重量%(合計100重量%)含有する基油組成物を80重量%以上含有して成るものとするのが好ましい。
【0039】
本発明の処理剤は、更に下記のG成分を含有するものとするのが好ましい。
【0040】
G成分:下記の化1で示される脂肪族エステル化合物及び下記の化2で示される脂肪族エステル化合物から選ばれる一つ又は二つ以上


【0041】
【化1】

【0042】
【化2】

【0043】
化1及び化2において、
,R:炭素数8〜18の脂肪族モノアルコールから水素原子を除いた残基
:炭素数8〜18の脂肪族モノカルボン酸から水素原子を除いた残基
:炭素数8〜18の脂肪族モノカルボン酸から水酸基を除いた残基
X:合計1〜10個のオキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位で構成された(ポリ)オキシアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基
【0044】
化1で示される脂肪族エステル化合物において、化1中のRは、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の炭素数8〜18の脂肪族モノアルコールから水素原子を除いた残基である。また化1中のRは、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、イソオクタン酸、イソヘキサデカン酸、イソオクタデカン酸等の炭素数8〜18の脂肪族モノカルボン酸から水素原子を除いた残基である。更に化1中のXは、合計1〜10個のオキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位で構成された(ポリ)オキシアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基である。かかる残基としては、1)1〜10個のオキシエチレン単位で構成された(ポリ)オキシエチレン基を有する(ポリ)エチレングリコールから全ての水酸基を除いた残基、2)1〜10個のオキシプロピレン単位で構成された(ポリ)オキシプロピレン基を有する(ポリ)プロピレングリコールから全ての水酸基を除いた残基、3)合計2〜10個のオキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位で構成された(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン基を有する(ポリ)アルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基が挙げられる。
【0045】
化2で示される脂肪族エステル化合物において、化2中のRは、化1中のRについて前記したことと同じである。また化2中のRは、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、イソオクタン酸、イソヘキサデカン酸、イソオクタデカン酸等の炭素数8〜18の脂肪族モノカルボン酸から水酸基を除いた残基である。
【0046】
以上説明したG成分を含有する場合、本発明の処理剤は、基油組成物100重量部当たり、該G成分を5〜40重量部の割合で含有するものとするが、該G成分を5〜30重量部の割合で含有するものとするのが好ましい。
【0047】
本発明の処理剤は、更に下記のH成分及び/又はI成分を含有するものとするのが好ましい。
【0048】
H成分:ポリオキシアルキレン変性シリコーン及び又はジメチルシリコーン
【0049】
I成分:フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤及びチオエーテル系酸化防止剤から選ばれる一つ又は二つ以上
【0050】
H成分としては、1)ポリオキシアルキレン変性シリコーン、2)ジメチルシリコーン、3)前記1)と2)との混合物が挙げられるが、1)ポリオキシアルキレン変性シリコーンが好ましい。前記1)のポリオキシアルキレン変性シリコーンとしては、それを構成するオキシアルキレン単位がオキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位であるポリオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン変性シリコーンであって、且つ該ポリオキシアルキレン基/シリコーン鎖=25/75〜90/10(重量比)の割合で有するポリオキシアルキレン変性シリコーンが好ましい。かかるポリオキシアルキレン変性シリコーンとしては、1)ポリオキシエチレン変性シリコーン、2)ポリオキシプロピレン変性シリコーン、3)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性シリコーンが挙げられるが、なかでもそれを構成する全オキシアルキレン単位の25重量%以上がオキシエチレン単位であるポリオキシアルキレン基を有するものがより好ましい。以上説明した好ましいポリオキシアルキレン変性シリコーンにおいても、ポリオキシアルキレン基/シリコーン鎖=25/75〜90/10(重量比)の割合で有するものが好ましく、30/70〜85/15(重量比)の割合で有するものがより好ましい。またその数平均分子量は、2500〜50000のものが好ましい。
【0051】
またH成分としてのジメチルシリコーンとしては、30℃における粘度が1×10−6〜1×10−4/sの線状ジメチルシリコーンが好ましい。
【0052】
I成分としては、1)フェノール系酸化防止剤、2)ホスファイト系酸化防止剤、3)チオエーテル系酸化防止剤、4)前記1)〜3)の二つ以上の混合物が挙げられるが、1)フェノール系酸化防止剤が好ましい。
【0053】
I成分としてのフェノール系酸化防止剤としては、いずれも公知の、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−メチレン−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス−(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノール)ブタン、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリス(4−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸等が挙げられる。
【0054】
I成分としてのホスファイト系酸化防止剤としては、いずれも公知の、オクチルジフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、テトラトリデシル−4,4’−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、モノ(ジノニルフェニル)ホスファイト、ジ(p−ノニルフェニル)ホスファイト等が挙げられる。
【0055】
I成分としてのチオエーテル系酸化防止剤としては、いずれも公知の、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート等が挙げられる。
【0056】
以上説明したH成分及び/又はI成分を含有する場合、本発明の処理剤は、基油組成物100重量部当たり、該H成分及び/又は該I成分を合計で0.3〜6重量部の割合で含有するものとするが、該H成分を0.5〜3重量部の割合で含有し、且つ該I成分を0.5〜3重量部の割合で含有するものとするのが好ましい。
【0057】
本発明の処理剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、他の成分を含有することができる。かかる成分としては、乳化調整剤、鉱物油等の潤滑剤、消泡剤、防腐剤、防錆剤等の種々の補助剤が挙げられる。
【0058】
次に、本発明に係る合成繊維の処理方法(以下単に本発明の処理方法という)について説明する。本発明の処理方法は、以上説明したような本発明の処理剤を合成繊維に対し0.1〜3重量%、好ましくは0.3〜1.2重量%となるよう付着させる方法である。本発明の処理剤を合成繊維に付着させる工程としては、紡糸工程、紡糸と延伸とを同時に行なう工程等が挙げられる。また本発明の処理剤を合成繊維に付着させる方法としては、ローラー給油法、計量ポンプを用いたガイド給油法、浸漬給油法、スプレー給油法等が挙げられる。更に本発明の処理剤を合成繊維に付着させる際の形態としては、ニート、有機溶剤溶液、水性液等が挙げられるが、水性液が好ましく、なかでも5〜30重量%の水性液が好ましい。本発明の処理剤の水性液を付着させる場合も、合成繊維に対し本発明の処理剤として0.1〜3重量%、好ましくは0.3〜1.2重量%となるよう付着させる。
【0059】
本発明の処理方法の適用対象となる合成繊維としては、1)ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリ乳酸エステル等のポリエステル系繊維、2)ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系繊維、3)ポリアクリル、モダアクリル等のポリアクリル系繊維、4)ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリウレタン系繊維等が挙げられるが、なかでもポリエステル系繊維又はポリアミド系繊維に適用する場合に本発明の効果の発現が高い。
【発明の効果】
【0060】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、近年における合成繊維の紡糸工程や加工工程での高速化にも対応して、毛羽や糸切れならびに染色斑の発生を充分に防止できるという効果がある。
【0061】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は重量部を、また%は重量%を意味する。
【実施例】
【0062】
試験区分1(合成繊維用処理剤の調製)
・実施例1{合成繊維用処理剤(P−1)の調製}
下記のA成分75部、B成分13部、C成分2部及びD成分10部を均一混合して、基油組成物100部を調製し、これを合成繊維用処理剤(P−1)とした。
A成分:2−エチルヘキシルアルコールにエチレンオキサイド(以下EOという)とプロピレンオキサイド(以下POという)とをEO/PO=40/60(重量比)の割合でランダム状に付加した数平均分子量1000のポリエーテルモノオール/ブチルアルコールにEOとPOとをEO/PO=50/50(重量比)の割合でランダム状に付加した数平均分子量3000のポリエーテルモノオール/ドデシルアルコールにEOとPOとをEO/PO=70/30(重量比)の割合でランダム状に付加した数平均分子量3500のポリエーテルモノオール=40/20/15(重量比)の混合物
B成分:3,5,5−トリメチルヘキシルアルコール1モル当たりEOを5モル付加したアルキレンオキサイド付加物
C成分:デカンスルホン酸カリウム/α−ドデシル−ω−ヒドロキシポリ(オキシエチレン)(オキシエチレン単位の繰り返し数3、以下n=3という)のリン酸エステルカリウム/シス−9−オクタデセン酸カリウム=0.5/1/0.5(重量比)の混合物
D成分:シス−9−オクタデセン酸1モル当たりEOを7モル付加した非イオン界面活性剤/硬化ヒマシ油1モル当たりEOを20モル付加した非イオン界面活性剤=5/5(重量比)の混合物
【0063】
・実施例2〜36及び比較例1〜28{合成繊維用処理剤(P−2)〜(P−36)及び(R−1)〜(R−28)の調製}
実施例1の合成繊維用処理剤(P−1)と同様にして、実施例2〜36の合成繊維用処理剤(P−2)〜(P−36)及び比較例1〜28の合成繊維用処理剤(R−1)〜(R−28)を調製した。以上の各例の合成繊維用理剤の調製に用いた成分の内容を表1〜表8に、また以上の各例で調製した合成繊維用処理剤の内容を表9〜表18にまとめて示した。
【0064】
【表1】

【0065】
表1において、
AOの種類:脂肪族アルコールに付加したアルキレンオキサイドの種類
EO比率:AO中のEOの割合(%)
EO:エチレンオキサイド
PO:プロピレンオキサイド
BO:ブチレンオキサイド









【0066】
【表2】

【0067】
【表3】

【0068】
【表4】

【0069】
表4において、
n:オキシエチレン単位の繰り返し数
m:オキシプロピレン単位の繰り返し数
これらは以下同じ



【0070】
【表5】

【0071】
【表6】

【0072】
【表7】

【0073】
【表8】











【0074】
【表9】














【0075】
【表10】
































【0076】
【表11】














【0077】
【表12】
































【0078】
【表13】












【0079】
【表14】
































【0080】
【表15】









【0081】
【表16】






























【0082】
【表17】















【0083】
【表18】

【0084】
表9〜表18において、
使用量:部
*1:合成繊維用処理剤中の基油組成物の割合(%)
*2:A成分中における1価の炭素数6〜10の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物の割合(%)
*3:A成分中におけるE成分及びF成分の合計割合(%)
*4:E成分/F成分の割合(重量比)
A−1〜A−10,a−1〜a−3:表1に記載したA成分
B−1〜B−4:表2に記載したB成分
C−1〜C−6:表3に記載したC成分
D−1〜D−9:表4に記載したD成分
G−1〜G−2:表5に記載したG成分
H−1〜H−3:表6に記載したH成分
I−1〜I−4:表7に記載したI成分
J−1〜J−3:表8に記載した他成分
【0085】
試験区分2(合成繊維への合成繊維用処理剤の付着、仮撚加工及び評価)
・合成繊維への合成繊維用処理剤の付着
試験区分1で調製した各例の合成繊維用処理剤と希釈水とを均一混合して合成繊維用処理剤の10%水性液とした。固有粘度0.64、酸化チタン含有量0.2%のポリエチレンテレフタレートチップを常法により乾燥した後、エクストルーダーを用いて295℃で紡糸し、口金から吐出して冷却固化した後の走行糸条に、調製した前記の10%水性液を、計量ポンプを用いたガイド給油法にて、走行糸条に対する合成繊維用処理剤としての付着率が表19又は表20記載の付着量となるよう付着させた後、ガイドで集束させ、機械的な延伸を伴うことなく3000m/分の速度で巻き取り、128デシテックス36フィラメントの部分延伸糸を10kg捲きケークとして得た。
【0086】
・仮撚加工
前記で得たケークを用いて、下記のコンタクトヒーター式仮撚機による仮撚加工条件で仮撚加工を行なった。
・コンタクトヒーター式仮撚機による仮撚加工条件:
コンタクトヒーター式仮撚機(帝人製機社製のSDS1200)を使用して、加工速度=700m/分と1000m/分の2条件で、延伸倍率=1.652、施撚方式=3軸デイスク外接式摩擦方式(入り側ガイドデイスク1枚、出側ガイドデイスク1枚、硬質ポリウレタンデイスク4枚)、加撚側ヒーター=長さ2.5mで表面温度210℃、解撚側ヒーター=なし、目標撚り数=3300T/mの条件で、25日間連続運転による仮撚加工を行なった。
【0087】
・毛羽の評価
前記の仮撚加工において、仮撚加工糸を巻き取る前に、毛羽計数装置(東レエンジニアリング社製のDT−105)にて1時間当たりの毛羽数を測定し、次の基準で評価した。結果を表19及び表20にまとめて示した。
AAA:測定された毛羽数が0個
AA:測定された毛羽数が1個未満(但し、0を含まない)
A:測定された毛羽数が1〜2個
B:測定された毛羽数が3〜9個
C:測定された毛羽数が10個以上
【0088】
・糸切れの評価
前記の仮撚加工において、連続運転の25日間に発生した糸切れ回数を1日当たりの回数に換算し、次の基準で評価した。結果を表19及び表20にまとめて示した。
AAA:発生した糸切れ回数が0回
AA:発生した糸切れ回数が0.5回未満(但し、0を含まない)
A:発生した糸切れ回数が0.5〜1回未満
B:発生した糸切れ回数が1〜5回未満
C:発生した糸切れ回数が5回以上
【0089】
・染色性の評価
上記の毛羽を測定した仮撚加工糸を用い、筒編機で直径70mm、長さ1.2mの編地を作製した。作製した編地を、分散染料(日本化薬社製のカヤロンポリエステルブルーEBL−E)を用い、高圧染色法により染色した。染色した編地を、常法にしたがい水洗、還元洗浄及び乾燥した後、直径70mm、長さ1mの鉄製の筒に装着して、編地表面の濃染部分の点数を肉眼で数えるという評価を5回実施し、得られた評価結果から編地1枚当たりの点数に換算し、次の基準で評価した。結果を表19及び表20にまとめて示した。
AAA:濃染部分がない
AA:濃染部分が1点ある
A:濃染部分が2点ある。
B:濃染部分が3〜6点ある。
C:濃染部分が7点以上ある。









【0090】
【表19】















【0091】
【表20】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の基油組成物を70重量%以上含有して成ることを特徴とする合成繊維用処理剤。
基油組成物:下記のA成分、B成分、C成分及びD成分から成り、且つ該A成分を50〜90重量%、該B成分を3〜30重量%、該C成分を0.1〜10重量%及び該D成分を0.1〜20重量%(合計100重量%)含有して成るもの
A成分:下記の条件1〜3を同時に満足するアルキレンオキサイド付加物から選ばれる一つ又は二つ以上
条件1:1〜3価の炭素数1〜24の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した数平均分子量1000〜12000のアルキレンオキサイド付加物であること
条件2:それを構成する全オキシアルキレン単位の10〜80重量%がオキシエチレン単位であるポリオキシアルキレン基を有するアルキレンオキサイド付加物であること
条件3:1価の炭素数6〜10の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド付加物を35重量%以上含有するアルキレンオキサイド付加物であること
B成分:1価の炭素数6〜10の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド又は、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量140〜800のアルキレンオキサイド付加物であって、且つそれを構成する全オキシアルキレン単位の30重量%以上がオキシエチレン単位であるポリオキシアルキレン基を有するアルキレンオキサイド付加物から選ばれる一つ又は二つ以上
C成分:イオン性界面活性剤から選ばれる一つ又は二つ以上
D成分:1価の炭素数11〜24の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量210〜950のエーテル型非イオン界面活性剤、1価の炭素数6〜10の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量900〜2000のエーテル型非イオン界面活性剤、1価の炭素数11〜24の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量150〜2500のエーテル型非イオン界面活性剤、1価の炭素数8〜24の脂肪酸にエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量200〜2000のエステル型非イオン界面活性剤、動植物油脂にエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量700〜10000の非イオン界面活性剤、炭素数8〜24の脂肪族アミンにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量200〜2500のアミノエーテル型非イオン界面活性剤、炭素数8〜24の脂肪族アミドにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量250〜2500のアミドエーテル型非イオン界面活性剤、2〜6価の炭素数2〜6の脂肪族アルコールを炭素数8〜24の脂肪酸で部分エステル化した部分エステル型非イオン界面活性剤及び3〜6価の炭素数3〜6の脂肪族アルコールを炭素数8〜24の脂肪酸で部分エステル化した部分エステルにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加した数平均分子量400〜6000のエ−テルエステル型非イオン界面活性剤から選ばれる一つ又は二つ以上
【請求項2】
基油組成物を80重量%以上含有しており、且つ該基油組成物が、A成分を55〜90重量%、B成分を5〜20重量%、C成分を0.3〜5重量%及びD成分を1〜20重量%(合計100重量%)含有して成るものである請求項1記載の合成繊維用処理剤。
【請求項3】
A成分が、下記のE成分及びF成分を合計50重量%以上含有しており、且つ該E成分/該F成分=50/50〜90/10(重量比)の割合で含有するものである請求項1又は2記載の合成繊維用処理剤。
E成分:1価の炭素数6〜10の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=35/65〜80/20(重量比)の割合で付加した数平均分子量1000〜12000のアルキレンオキサイド付加物
F成分:1価の炭素数11〜16の脂肪族アルコールにエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=10/90〜80/20(重量比)の割合で付加した数平均分子量1000〜12000のアルキレンオキサイド付加物
【請求項4】
更に下記のG成分を含有しており、且つ基油組成物100重量部当たり該G成分を5〜40重量部の割合で含有する請求項1〜3のいずれか一つの項記載の合成繊維用処理剤。
G成分:下記の化1で示される脂肪族エステル化合物及び下記の化2で示される脂肪族エステル化合物から選ばれる一つ又は二つ以上
【化1】

【化2】

(化1及び化2において、
,R:炭素数8〜18の脂肪族モノアルコールから水素原子を除いた残基
:炭素数8〜18の脂肪族モノカルボン酸から水素原子を除いた残基
:炭素数8〜18の脂肪族モノカルボン酸から水酸基を除いた残基
X:合計1〜10個のオキシエチレン単位及び/又はオキシプロピレン単位で構成された(ポリ)オキシアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基)
【請求項5】
更に下記のH成分及び/又はI成分を含有しており、且つ基油組成物100重量部当たり、該H成分及び/又はI成分を合計0.3〜6重量部の割合で含有する請求項1〜4のいずれか一つの項記載の合成繊維用処理剤。
H成分:ポリオキシアルキレン変性シリコーン及び/又はジメチルシリコーン
I成分:フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤及びチオエーテル系酸化防止剤から選ばれる一つ又は二つ以上
【請求項6】
基油組成物100重量部当たり、G成分を5〜30重量部、H成分を0.5〜3重量部及びI成分を0.5〜3重量部の割合で含有する請求項5記載の合成繊維用処理剤。
【請求項7】
H成分が、ポリオキシアルキレン変性シリコーンである請求項5又は6記載の合成繊維用処理剤。
【請求項8】
I成分が、フェノール系酸化防止剤である請求項5〜7のいずれか一つの項記載の合成繊維用処理剤。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一つの項記載の合成繊維用処理剤を合成繊維に対し0.1〜3重量%となるよう付着させることを特徴とする合成繊維の処理方法。
【請求項10】
合成繊維用処理剤を5〜30重量%の水性液となし、該水性液を合成繊維に対し該合成繊維用処理剤として0.1〜3重量%となるよう付着させる請求項9記載の合成繊維の処理方法。
【請求項11】
合成繊維がポリエステル系合成繊維又はポリアミド系合成繊維である請求項9又は10記載の合成繊維の処理方法。

【公開番号】特開2006−152526(P2006−152526A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−239278(P2005−239278)
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(000210654)竹本油脂株式会社 (138)
【Fターム(参考)】