説明

合流管継手

【課題】枝体から流出する排水を円滑に合流させるとともに、継手本体に対する合流点の高さを設定した後も、排水枝管に合わせて枝体の角度を容易に調整することが可能な合流管継手を提供する。
【解決手段】上流管接続口5及び下流管接続口6を備える継手本体2と、継手本体2に接続された枝体3とを具備する。枝体3は、排水路7の流下方向に対して平行に配置され下流側の端部に流出口20を備える円筒状の流出部21と、流出部21の上流端側から直角外方向に延出され排水枝管が接続される枝管接続口22を開放端側に備える流入部25とを有する。継手本体2は、枝体3の流出部21が収容される収容凹部8と、収容凹部8に設けられ流出部21を中心に流入部25が180度の範囲で旋回するように、流出部21の流出口20側を回動可能に支持する枝体接続口10とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合流管継手に関し、特に、排水設備に接続された排水枝管を、建物内の排水管に合流させる際に用いられる合流管継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、排水設備に接続された排水枝管を、建物内の排水管に合流させるための管継手として、T形の合流管継手(いわゆる「チーズ」)を用いることが知られている。この合流管継手は、図5(a)に示すように、円筒状の継手本体51と、継手本体51から分岐された枝体55とを備えており、継手本体51の両端の接続口52,53に夫々上流側排水管60及び下流側排水管61(以下、まとめて「排水管60,61」という)を接続し、枝体55の接続口56に排水枝管65を接続することで、排水設備(図示しない)から排出された排水が、継手本体51で合流されるようになっている。なお、建物の床下で配管する場合には、排水管60,61は横引き管となり、継手本体51は横向きに設置される。
【0003】
ところで、上記の合流管継手50では、枝体55は、二つの接続口52,53の間の継手本体51の周壁から、径方向外側(遠心方向)に向かって延出されている。つまり、枝体55を通して継手本体51に合流される排水は、継手本体51の中心に向かって流込むように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の合流管継手50によれば、枝体55が継手本体51と一体で成形されているため、継手本体51を横向きに配置する場合、以下の不具合を有していた。すなわち、図5(b)に示すように、枝体55の延出方向(傾斜角度)が水平方向になるように設置すると、継手本体51に対する合流点Pの位置が継手本体51の中央の高さとなり、これによれば、上流側排水管60から流込む排水の量が継手本体51の容積の半分を超えた際、枝体55側に流込み、排水設備に向かって逆流するおそれがあった。
【0005】
また、逆流に至らなくても、上流側排水管60から流込む排水の量が多い場合には、枝体55から流出する排水が、排水路54を流れる排水の流下方向に対して直角方向に合流するため、枝体55からの流出が阻害され、円滑に排出できなくなる可能性もあった。
【0006】
一方、図5(c)に示すように、合流点Pが排水路54の上部に位置するように継手本体51を配置した場合には、枝体55への流込みを阻止することが可能になるが、これによれば、横引き管に対し枝体55が垂直に立設された状態となるため、枝体55と排水枝管65とを接続するエルボ等の継手70が別途必要になり、全体の構成が複雑になっていた。また、この場合、配管全体の高さが大きくなるため、床下等に設置することが困難となるおそれがあった。
【0007】
このように、従来の合流管継手50によれば、枝体55の角度を考慮して配置した場合には、継手本体51に対する合流点Pの高さが定まることから逆流などが懸念され、一方、合流点Pの高さを考慮して配置した場合には、枝体55の角度が定まることから接続が困難になるおそれがあり、使い勝手の悪いものとなっていた。
【0008】
また、合流管継手50を設置する場合には、まず継手本体51の両端の接続口52,53に排水管60,61を夫々接続し、その後、枝体55の接続口56に排水枝管65を接続することとなるが、継手本体51に排水管60,61を固定した後は、枝体55の角度を変化させることができなくなるため、排水枝管65の接続作業が困難となったり、排水枝管65に大きな負荷が加わったりするおそれがあった。
【0009】
そこで、本発明は、上記の実状に鑑み、枝体から流出する排水を円滑に合流させるとともに、継手本体に対する合流点の高さを設定した後も、排水枝管に合わせて枝体の角度を容易に調整することが可能な合流管継手を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかる合流管継手は、
「上流側の排水管が接続される上流管接続口を一端側に備え、下流側の排水管が接続される下流管接続口を他端側に備え、前記上流管接続口及び前記下流管接続口の間に排水路が形成された継手本体と、
該継手本体に接続され前記排水路に連通する枝体と
を具備し、
前記枝体は、
前記排水路の流下方向に対して平行に配置され、下流側の端部に流出口を備える円筒状の流出部と、
該流出部の上流端側から直角外方向に延出され、排水枝管が接続される枝管接続口を開放端側に備える流入部と、を有し、
前記継手本体は、
前記継手本体の壁面に凹設され、前記枝体の前記流出部が収容される収容凹部と、
該収容凹部に設けられ、前記流出部を中心に前記流入部が所定角度内で旋回するように、前記流出部の前記流出口側を回動可能に支持する枝体接続口と、をさらに有する」
ことを特徴とするものである。
【0011】
ここで、「排水枝管」は、排水設備に繋がれた排水管であり、枝体の枝管接続口に接続される。なお、排水枝管として、互いに外径が異なる複数種類の排水枝管(異径管)が選択的に接続される場合には、いずれの排水枝管に対しても適合できるように、枝管接続口の内径が先端(開放端)に向かって階段状に拡大された形状としてもよい。
【0012】
また、流入部の旋回可能な角度、すなわち「所定角度」の大きさは、特に限定されるものではないが、180度とすることが好ましく、これによれば、継手本体を固定した状態でも、流入部の延出方向(枝体の角度)を、基準角度を中心に180度の範囲内で自在に調整することが可能になる。
【0013】
本発明の合流管継手によれば、継手本体を横向きに配置し、上流側の排水管を上流管接続口に接続し、下流側の排水管を下流管接続口に接続すれば、上流側の排水管から送られた排水を、継手本体の排水路を通して下流側の排水管に送ることが可能になる。また、継手本体から分岐された枝体には、枝管接続口が設けられており、排水設備に繋がれた排水枝管を枝管接続口に接続すれば、排水設備から排出された排水を、枝体を通して継手本体で合流させることが可能になる。
【0014】
特に、排水設備から排出された排水は、収容凹部に収容された枝体の流出部を通り、排水路の流下方向に沿って流れながら、継手本体の排水路に合流する。したがって、枝体から流出する排水は、排水路を流れる排水によって阻害され難くなり、円滑に合流させることが可能になる。
【0015】
また、枝体の流入部は、流出部を回転中心として、所定角度内で旋回可能に支持されているため、継手本体における枝体接続口の位置(すなわち合流点の高さ)に拘らず、枝体の角度を任意に調整することが可能となる。
【0016】
本発明の合流管継手において、
「前記枝体は、前記流出部の上流端側から前記流下方向の反対側に向かって突設された円柱状または円筒状の突出部を有し、
前記継手本体は、前記突出部を回動可能に支持する支持部をさらに備える」
構成とすることができる。
【0017】
ここで、「支持部」は、継手本体と一体で成形してもよく、別部材で構成し継手本体に取付けるようにしてもよい。
【0018】
これによれば、流出部の上流端側には、円柱状または円筒状の突出部が形成されており、継手本体に設けられた支持部によって回動可能に支持されている。つまり、枝体は、両端が回動可能に支持された状態となり、枝体の安定性を高めるとともに、流入部の角度を円滑に変化させることが可能になる。
【発明の効果】
【0019】
このように、本発明によれば、継手本体に対する合流点の高さを設定した後も、排水枝管に合わせて枝体の角度を容易に調整することができる。このため、排水の逆流を防止するとともに、排水枝管の接続のし易さを大幅に高めることができる。また、枝体から流出する排水の流れを阻害することなく、円滑に合流させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)は本実施形態の合流管継手を斜め前から見た斜視図であり、(b)は合流管継手の横断面を斜めから見た断面斜視図である。
【図2】合流管継手を分解して斜め前から見た分解斜視図である。
【図3】合流管継手の使用状態を示す説明図である。
【図4】(a)は他の例の合流管継手を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、(b)は合流管継手の横断面を斜めから見た断面斜視図である。
【図5】従来の合流管継手の使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態である合流管継手1について、図1及び図2に基づき説明する。合流管継手1は、建物の床下等に横設され、排水設備(図示しない)に繋がれた排水枝管65(図3参照)を排水の通路に合流させるものである。合流管継手1は、略円筒状の継手本体2と、継手本体2に接続された枝体3と、枝体3及び継手本体2の接続部分に嵌合されたパッキン4と、から構成されている。以下、各構成について詳細に説明する。
【0022】
継手本体2は、硬質塩化ビニル等の合成樹脂製の部材であり、上流側排水管60(図3参照)が接続される上流管接続口5を一端側に備え、下流側排水管61(図3参照)が接続される下流管接続口6を他端側に備えており、上流管接続口5及び下流管接続口6の間に排水路7が形成されている。また、継手本体2の外周面には、断面半円状の収容凹部8が、排水路7における排水の流下方向に沿って形成されている。つまり、継手本体2における周壁の一部分が排水路7の中心軸に向かって円弧状に窪むことで、排水路7とは区画された収容凹部8が形成されている。
【0023】
この収容凹部8は、後述する枝体3の流出部21を収容するように形成されており、収容凹部8の直径(内径)が、流出部21の直径(外径)と略一致している。つまり、流出部21の約半分が継手本体2の外周面から突出するようになっている。
【0024】
また、継手本体2の外周面には、収容凹部8と直交する断面半円状の窪み部9が形成されている。この窪み部9は、後述する枝体3の流入部25が旋回する際、継手本体2に干渉しないようにしたものであり、収容凹部8と同様、継手本体2における周壁の一部分を円弧状に窪ませることで形成されている。
【0025】
また、収容凹部8の下流側(下流管接続口6側)の端部には、枝体3の流出部21の下流端側を回動可能に支持する枝体接続口10が形成されている。詳しく説明すると、枝体接続口10は、下流端側の収容凹部8を外側から覆い、対向する収容凹部8の内面との協働で円形の挿入孔を形成する半円筒状の回動支持部11を備えている。つまり、回動支持部11の内径は、流出部21の直径(外径)と略一致しており、継手本体2の外周面から突出する流出部21の約半分を外側から支持することで、流出部21を回動可能に支持している。なお、回動支持部11の上流端側は、流出部21が挿入できるように開放されているが、回動支持部11の下流端側は、流出部21から流出する排水が継手本体2の外部に排出されないように塞がれている。
【0026】
また、枝体接続口10は、継手本体2内の排水路7と継手本体2の外部に形成された収容凹部8とを連通する連通孔12を有している。この連通孔12は、収容凹部8における下流側の端部を切欠くことにより形成されており、流出部21から流出する排水を、流下方向を変化させることなく排水路7に合流させることが可能になっている。
【0027】
また、収容凹部8の上流側(上流管接続口5側)の端部には、支持部14が形成されている。この支持部14は、流出部21の上流端側を回動可能に支持するものであり、後述する枝体3の突出部26が嵌挿される挿入孔15が形成されている。なお、支持部14における排水路7内の上流側角部には、切欠部16によって斜面が形成されており、上流側排水管60から排水路7に流込んだ排水が支持部14に当たっても、切欠部16に沿って円滑に流れるようになっている。
【0028】
一方、枝体3は、硬質塩化ビニル等の合成樹脂、特に透明な合成樹脂で形成されており、収容凹部8に収容され下流側の端部に流出口20を備える円筒状の流出部21と、流出部21の上流端側から直角外方向に延出され、排水枝管65(図3参照)が接続される枝管接続口22を開放端側に備える流入部25とから構成され、横断面略L字形の形状を呈している。特に、枝管接続口22は、開放端に向かって内径が漸次拡大するように、直径20mmの排水枝管65に対応した第一接続部23と、直径25mmの排水枝管65に対応した第二接続部24が階段状に形成されている。つまり、排水設備に繋がれた排水枝管65の直径が20mmの場合は、第一接続部23の奥まで挿入すること(図3(b)参照)により枝管接続口22に接続され、一方、排水設備に繋がれた排水枝管65の直径が25mmの場合は、第二接続部24の奥(第一接続部23の手前)まで挿入すること(図3(a)参照)により枝管接続口22に接続されるように構成されている。
【0029】
また、流出部21の外周面には、環状の溝部21aが形成されており、Oリングまたは平パッキンからなるパッキン4が嵌合されている。溝部21aの深さは、パッキン4の厚みよりも浅く、パッキン4の一部が溝部21aから外方向に突出するように、すなわち回動支持部11及び収容凹部8の内面に圧接するようになっている。このようにパッキン4を備えることにより、収容凹部8と流出部21との隙間が水密状態となり排水の漏れが防止される。
【0030】
また、枝体3における流出部21の上流端側の外面には、流出口20と反対の方向に突出する円柱状の突出部26が形成されており、支持部14の挿入孔15に嵌挿されることで、回動可能に支持されるようになっている。なお、回動支持部11と支持部14との間隔(隙間)は、枝体3の流入部25(枝管接続口22を除く部分)の直径よりもわずかに大きく、且つ、その直径に突出部26の高さを加えた長さよりも小さくなっているが、枝体3の流出部21の先端を回動支持部11に対して斜めに引掛けた状態から、支持部14等を弾性変形させながら収容凹部8に押し込むことにより、突出部26を挿入孔15に係止させることが可能である。なお、突出部26を嵌込み易く、且つ外れ難くするために、本例では、突出部26の先端面に、奥に向かって長さが短くなる斜面26aが形成されている。
【0031】
次に、本実施形態の合流管継手1の作用について、図1及び図3に基づき説明する。図1(b)及び図3(a)に示すように、上流側排水管60を上流管接続口5に接続し、下流側排水管61を下流管接続口6に接続すれば、上流側排水管60から送られた排水を、継手本体2の排水路7を通して下流側排水管61に送ることが可能になる。また、排水設備に繋がれた排水枝管65を枝管接続口22に接続すれば、排水設備から排出された排水を、枝体3を通して排水路7に合流させることが可能になる。
【0032】
特に、排水設備から排出された排水は、収容凹部8に収容された枝体3の流出部21を通り、排水路7の流下方向に沿って流れながら、連通孔12で排水路7に合流する。したがって、枝体3から流出する排水は、排水路7を流れる排水、すなわち上流側排水管60から流込む排水によって阻害され難くなり、円滑に合流させることが可能になる。
【0033】
また、枝体3の流入部25は、流出部21を回転中心として、180度の範囲で旋回可能になっているため、継手本体2における枝体接続口10の位置(すなわち合流点の高さ)に拘らず、流入部25の角度を調整することが可能となる。例えば、図3(b)に示すように、排水路7を流れる排水が排水枝管65側に逆流しないように、枝体接続口10(合流点)を継手本体2の上端に位置させた場合でも、流入部25を90度旋回させることで、枝体3における流入部25の延出方向(すなわち角度)を排水枝管65の配置に合わせて水平方向とすることが可能となる。また、継手本体2を上流側排水管60及び下流側排水管61に固定した後でも、流入部25の角度を調整しながら(例えば図3(c)に示すように斜め上方に向けて)排水枝管65を接続することが可能になる。
【0034】
このように、本例の合流管継手1によれば、横向けに配設される合流管継手1に対して、枝体接続口10の高さを設定した後も枝体3の流入部25の角度を容易に調整することができる。このため、排水の逆流を防止するとともに、排水枝管65の接続のし易さを大幅に高めることができる。また、枝体3から流出する排水の流れが阻害され難くなり、円滑に合流させることができる。
【0035】
また、本例の合流管継手1によれば、枝体3は、両端が回動可能に支持されているため、安定して支持されるとともに、流入部25の角度を円滑に変化させることができる。
【0036】
さらに、本例の合流管継手1によれば、枝管接続口22は、開放端に向かって内径が階段状に拡大するように形成されているため、排水枝管65として、外径の異なる二種類のパイプ(直径が20mmのパイプと25mmのパイプ)のいずれが使用される場合でも、共通の枝体3で対応することができる。特に、本例の枝体3は、透明な合成樹脂で形成されているため、直径20mmの排水枝管65が接続される場合に、その排水枝管65が確実に第一接続部23の奥まで挿入されたことを、枝体3の外部から視覚的に確認できる。
【0037】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0038】
すなわち、上記実施形態では、枝体3の外周面に突出部26を形成し、支持部14の挿入孔15に嵌込むことにより、流出部21の上流端側を回動可能に支持するものを示したが、図4に示すように、流出部34の上流端側から流出口35と反対側に同径または径の小さな突出部36を延出させるとともに、継手本体32とは異なる部材で構成された支持部材37を、継手本体32に形成されたスライド案内部38に取り付けることにより、突出部36を回動可能に支持するようにしてもよい。このスライド案内部38は、流下方向に沿ったガイド溝39を内面側に有する一対の壁部40が、収容凹部41を挟むように立設され、支持部材37を上流管接続口42側から挿入させ、ガイド溝39に沿ってスライドさせることが可能となっている。一方、支持部材37は、ガイド溝39に挿入される一対の係止部43と、収容凹部41の外側に位置するとともに回動支持部49と外観形状が略同一である円弧状の覆い部44と、係止部43をガイド溝39に挿入させた際、スライド案内部38の壁面38aに当接し突出部36の位置決めを行うストッパー45とを備え、覆い部44と覆い部44に対向する収容凹部41の内面との協働で突出部36を回動可能に支持している。そして、枝体33の流出部34及び突出部36を収容凹部41に収容させた後、支持部材37を上流管接続口42側からガイド溝39に沿ってスライドさせることにより、突出部36が回動可能に支持されるとともに、枝体33が収容凹部41に沿って左右方向に摺動することが阻止されるようになっている。なお、支持部材37は、ストッパー45を、スライド案内部38の壁面38a及び継手本体32の外周面に接着することにより固定される。ここで、支持部材37が本発明の支持部に相当する。
【0039】
また、上記実施形態では、継手本体2を一体成形したものを示したが、上流側の部分と下流側の部分を夫々別々に成形し、接着剤等で接合させて継手本体を構成してもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、枝体3の枝管接続口22を階段状に形成したもの、すなわち外径が異なる二種類の排水枝管65に適用できるものを示したが、いずれか一方の排水枝管65のみが接続可能な専用の枝管接続口としてもよい。なお、この場合には、排水枝管65の接続状態は容易に把握できるため、枝体3を不透明な素材で形成してもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、回動支持部11の下流側の端面を収容凹部8に対して垂直な平面とするものを示したが、流出口20から流出した排水が排水路7の中心側に向かって円滑に流れるように、回動支持部11の下流側をテーパー状に形成してもよい。
【0042】
さらに、上記実施形態では、排水管60,61を横引き管とし、合流管継手1を横向きに配置するものを示したが、排水管60,61を立て管とし、合流管継手1を縦向きに配置することも可能である。このように使用した場合には、継手本体2は、上流管接続口5が上端、下流管接続口6が下端となり、継手本体2が固定された後も、鉛直な回転軸を中心に枝体3の流入部25を所定角度内で旋回させることができ、排水枝管65の接続作業が容易になる。
【符号の説明】
【0043】
1 合流管継手
2,32 継手本体
3,33 枝体
5 上流管接続口
6 下流管接続口
7 排水路
8,38 収容凹部
10 枝体接続口
14 支持部
20,35 流出口
21,34 流出部
22 枝管接続口
25 流入部
26,36 突出部
37 支持部材(支持部)
60 上流側排水管(上流側の排水管)
61 下流側排水管(下流側の排水管)
65 排水枝管
【先行技術文献】
【特許文献】
【0044】
【特許文献1】特開平6−254029号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側の排水管が接続される上流管接続口を一端側に備え、下流側の排水管が接続される下流管接続口を他端側に備え、前記上流管接続口及び前記下流管接続口の間に排水路が形成された継手本体と、
該継手本体に接続され前記排水路に連通する枝体と
を具備し、
前記枝体は、
前記排水路の流下方向に対して平行に配置され、下流側の端部に流出口を備える円筒状の流出部と、
該流出部の上流端側から直角外方向に延出され、排水枝管が接続される枝管接続口を開放端側に備える流入部と、を有し、
前記継手本体は、
前記継手本体の壁面に凹設され、前記枝体の前記流出部が収容される収容凹部と、
該収容凹部に設けられ、前記流出部を中心に前記流入部が所定角度内で旋回するように、前記流出部の前記流出口側を回動可能に支持する枝体接続口と、をさらに有する
ことを特徴とする合流管継手。
【請求項2】
前記枝体は、前記流出部の上流端側から前記流下方向の反対側に向かって突設された円柱状または円筒状の突出部を有し、
前記継手本体は、前記突出部を回動可能に支持する支持部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の合流管継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−11088(P2013−11088A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143793(P2011−143793)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(591264382)東栄管機株式会社 (5)
【Fターム(参考)】