説明

吊り下げ式揮散剤用容器

【課題】2つの部材をフックと共に機能に併せた材料で構成し組み付けも容易な吊り下げ式揮散剤用容器を提供する。
【解決手段】2つの部材3,4を向かい合せてなる容器本体2の内側に防虫剤S1の収納空間R1が形成され、フック5によって吊り下げ可能な吊り下げ式防虫剤用容器1である。第1部材3はフランジ部3aで取り囲まれた内側に第2部材4との合せ側に開口して防虫剤S1を配置する凹部3n1と、合せ側に開口して防虫剤S1の効能を表示するインジケータS2を配置する凹部3n2とが形成されたものであり、部材4は部材3のフランジ部3aと向かい合わされフランジ部4aとして形作られており、上下に配置されたフランジ部4a1,4a2の合せ側にそれぞれ互いに向かい合うように横方向に延在して、部材3の上側のフランジ部3a1及び下側のフランジ部3a2を横方向から挿し込み可能にしつつ、フランジ部3a1,3a2を摺動可能に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防虫剤等の揮散剤を収納する容器本体をフックによって吊り下げ保持される吊り下げ式揮散剤用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
吊り下げ式揮散剤用容器としては、例えば、防虫剤を収納するものがあるが、防虫剤の含有成分によっては、容器本体を構成する材料に吸収されるため、有効成分が減少することが知られており、これを改善する方法としては、例えば、有効成分の吸収を阻止する材料を用いて揮散剤用容器を形成するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3872195号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、吊り下げ式揮散剤用容器は、ハンガーパイプ等に引っ掛ける必要があるため、フックの部分は比較的柔軟であることが好ましい。また、容器本体もその内側に防虫剤を収納するため、2つの部材を向かい合わせて形成しているが、2つの部材は、ヒンジを介して連結されている。このため、ヒンジのような可動部分についても柔軟性が求められる。
【0005】
しかしながら、フックを部材に一体に設けたり、2つの部材をヒンジ等で連結した場合、使用される材料が、揮散剤との関係で要求される性能(例えば、揮散剤成分に対する吸着性)と、フックの機能との関係で要求される性能(例えば、柔軟性)とが同時に実現できないものの場合に不利である。
【0006】
また、2つの部材を連結することで向かい合わせて嵌め合わせる場合には、その輪郭に沿った嵌め込みにより容器本体を形成する必要があるため、その組み付け作業も煩雑である。
【0007】
本発明の目的とするところは、2つの部材を別体で構成することで、2つの部材をフックと共に機能に併せた材料で構成することできて、その組み付けも容易な、新規な吊り下げ式揮散剤用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、2つの部材を向かい合せに合せてなる容器本体の内側に、揮散剤の収納空間が形成され、フックによって吊り下げ可能な吊り下げ式揮散剤用容器において、一方の部材は、その外縁部がフランジ部として形作られており、当該フランジ部で取り囲まれた内側に、他方の部材との合せ側に開口して揮散剤を配置する凹部と、当該合せ側に開口して揮散剤の効能を表示するインジケータを配置する凹部とが形成されたものであり、他方の部材は、その外縁部が一方の部材のフランジ部と向かい合わせに合さるフランジ部として形作られており、上下に配置された当該フランジ部の合せ側にそれぞれ、互いに向かい合うように横方向に延在して、一方の部材の上側のフランジ部及び下側のフランジ部を横方向から挿し込み可能にしつつ当該フランジ部を摺動可能に保持するレール溝を有し、かつ、フックが一体に設けられたものであることを特徴とするものである。
【0009】
本発明によれば、2つの部材が別体で構成されるため、互いをそれぞれ、異材質で構成することができる。この場合、揮散剤及びインジケータを配置する側の部材をポリエステル系樹脂で構成し、フックを設けた部材をポリオレフィン系樹脂で構成することができる。更に、この場合、揮散剤及びインジケータを配置する側の部材をポリエチレンテレフタレートで構成し、フックを設けた部材をポリプロピレン又はポリエチレンで構成することができる。
【0010】
本発明に係る、揮散剤としては、例えば、防虫剤、芳香剤、消臭剤や防黴剤などが挙げられる。
【0011】
また、本発明では、レール溝と、当該レール溝に摺動保持されるフランジ部とに、互いに引っ掛かって係止される抜け止め部を設けることが好ましい。更に、本発明に従えば、2つの部材のいずれか一方に、他方の部材の横方向側に位置する外縁と接触して2つの部材を位置合せするためのストッパ部を設けることができる。
【0012】
また、揮散剤及びインジケータの少なくとも一方は、凹部の輪郭に沿って間隔を空けて複数のリブを設け、当該リブに取り囲まれる領域に嵌合保持することができる。
【0013】
なお、本発明は、少なくとも一方の部材を、揮散剤及びインジケータを配置する凹部を有する収納体としているが、他方の部材については、凹部を設けることなく蓋体として構成できることは勿論、一方の部材と同様、揮散剤及びインジケータを配置可能な凹部を有する収納体とすることもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、2つの部材を、揮散剤とインジケータを配置した部材と、フックを有する部材と分けて別体で構成したことで、2つの部材を機能に併せた材料で構成することできる。また、一方の部材を他方の部材の横方向からレール溝に沿って向かい合わせに挿入してスライド(移動)するだけの簡単な作業で容器本体を形成できるため、2つの部材の組み付け作業も容易になる。更に、他方の部材にはフックが一体に設けられているので、フックを組み付ける作業が不要となる分、組み付けが更に容易になる。
【0015】
従って、本発明によれば、2つの部材をフックと共に機能に併せた材料で構成することできて、その組み付けも容易な、新規な吊り下げ式揮散剤用容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明である、吊り下げ式揮散剤用容器の一形態である、吊り下げ式防虫剤用容器を示す正面図である。
【図2】(a)は図1のA−A断面図であり、(b)は図1のB−B断面図である。
【図3】同形態に係る、第1の部材を示す正面図である。
【図4】(a)は図3のC−C断面図であり、(b)はD−D断面図である。
【図5】(a)は図3の領域Zを裏面側から示す要部拡大図であり、(b)は図3のE−E断面図である。
【図6】同形態に係る、第2の部材を示す正面図である。
【図7】(a)は図6のF−F断面図であり、(b)はG−G断面図である。
【図8】同形態において、第1部材を横スライドさせて第2部材に組み付ける工程を示す組付図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の一形態である、吊り下げ式防虫剤用容器を詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一形態である、吊り下げ式防虫剤用容器1を示し、符号2は、容器本体である。容器本体2は、同図に示すように、その外観形状が横長の矩形であって、第1の部材(以下、「第1部材」)3と第2の部材(以下、「第2部材」)4とを向かい合せに合せることで形成される。
【0019】
詳細には、第1部材3は、図3に示すように、その外縁部がフランジ部3aとして形作られている。フランジ部3aで取り囲まれた内側には、図4(a)に示すように、第2部材4との合せ面3f側に開口して防虫剤シートS1を配置する凹部3n1が形成されている。また、凹部3n1を形作る膨出壁3b1には、凹部3n1を外界に通じさせるための複数の開口部A1が形成されている。
【0020】
凹部3n1は、その輪郭(周方向)に沿って間隔を空けて複数の保持リブ3rが形成されている。保持リブ3rはそれぞれ、図5(a)に示すように、凹部3n1を形作る膨出壁3b1と一体に設けられている。防虫剤シートS1は、複数の保持リブ3rで取り囲まれた領域内に圧入嵌合させることによって、凹部3n1内に固定保持されている。
【0021】
更に詳細には、保持リブ3rは、防虫剤シートS1の外周縁を保持する先端縁3r1が、同図に示すように先細りした形状をなしている。これにより、保持リブ3rは、防虫剤シートS1の外周縁との接触面積を抑えつつ、防虫剤シートS1を固定保持することができる。
【0022】
加えて、保持リブ3rには、防虫剤シートS1の表面を保持する座面3r2が設けられている。座面3r2は、凹部3n1の深さ方向に対して防虫剤シートS1を位置決めする。これにより、防虫剤シートS1は、凹部3n1に対して膨出壁3b1と接触することなく配置される。
【0023】
更に、フランジ部3aは、図3に示すように、拡大領域部Xを有する。拡大領域部Xは、図2(b)に示すように、防虫剤シートS1の効能を表示するインジケータシートS2の収納部7を構成する。拡大領域部Xには、図4(b)に示すように、第2部材4との合せ面3f側に開口してインジケータシートS2を配置する凹部3n2が形成されている。また、凹部3n2を形作る膨出壁3b2には、凹部3n2を外界に通じさせる開口部A2が形成されている。インジケータシートS2も防虫剤シートS1と同様、保持リブ3rにより、凹部3n2内に固定保持されている。なお、凹部3n2は、上側のフランジ部3a1に形成されているが、凹部3n1と繋げることで、1つの凹部とすることもできる。
【0024】
一方、第2部材4も、図6に示すように、その外縁部が第1部材3のフランジ部3aと向かい合わせに合さるフランジ部4aとして形作られている。フランジ部4aで取り囲まれた内側には、図7に示すように、第1部材3との合せ面4f側に開口して防虫剤シートS1を配置可能な凹部4n1が形成されている。凹部4n1は、図2(a)に示すように、第1部材3の凹部3n1との間に、防虫剤シートS1の収納空間R1を形成する。
【0025】
凹部4n1は、第1部材3の凹部3n1に配置された防虫剤シートS1との間に隙間を形成する。これにより、防虫剤シートS1が凹部4n1を形作る膨出壁4b1に接触することを防止する。なお、凹部4n1は、第1部材3の凹部3n1が、この凹部3n1に配置された防虫剤シートS1を合せ面から突出させない深さである場合は省略することができる。
【0026】
また、膨出壁4b1にも、凹部4n1を外界に通じさせるための複数の開口部A1が形成されている。これにより、収納空間R1に配置された防虫剤シートS1の有効成分は、第1部材3及び第2部材4のそれぞれの開口部A1から外界に揮散させることができる。
【0027】
更に、上下に配置されたフランジ部4aの合せ面4f側にはそれぞれ、図6等に示すように、横方向に延在するレール溝4gが設けられている。レール溝4gは、図7等に示すように、互いに向かい合うL字形の案内部4cによって、合せ面4fとの間に形成される。案内部4cは、合せ面4fから突出して当該合せ面4fの輪郭を描くように延在するリブ4c1と、当該リブ4c1の先端に繋がる側壁4c2からなる。これにより、レール溝4gは、第1部材3の上側のフランジ部3a1及び下側のフランジ部3a2を横方向から挿し込み可能にしつつ当該フランジ部3a1及び3a2を摺動可能に保持することができる。
【0028】
即ち、第1部材3は、後述のとおり、図8に示すように、レール溝4gに沿って向かい合わせに挿し込んでスライドさせることで、図1に示すように、第2部材4に組み付けることができる。
【0029】
更に、第2部材4には、フランジ部4a1と一体に、フック5が設けられている。フック5は、第2部材4の上端に連結されるフック本体5aと、このフック本体5aの背側に輪郭に沿って形成された補強リブ5bからなる。更に、フランジ4a1は、図6に示すように、拡大領域部Yを有する。拡大領域部Yは、フック5をハンガーパイプ等に引っ掛けるための開口側と反対側の背側部分まで拡大し、図2(b)に示すように、第1部材3の拡大領域部Xと共に、インジケータ収納部7を構成する。即ち、拡大領域部Yは、凹部3n2との間に、インジケータシートS2の収納空間R2を形成する。これにより、インジケータシートS2の収納空間R2は、図8に示すように、第1部材3を横方向からレール溝4gに沿ってスライドさせて第2部材4に組み付けることで、フック5に隣接した容器本体2の上側の位置に形成される。
【0030】
なお、本形態では、リブ4c1を、フック5の背側部分(補強リブ5b)側で開放するように形成する。この場合、第1部材3を横方向からスライドさせて組み付けるときにフック5と干渉することを回避できる。但し、収納空間R2のレイアウトは、容器本体2の合せ面に沿った輪郭位置であれば適宜、変更することができる。このため、第1部材3をスライドさせる方向は、収納空間R2のレイアウトに応じてフック5の開放側からでもよい。
【0031】
このように、本発明は、2つの部材3,4を、防虫剤シートS1とインジケータシートS2を配置した第1部材3と、フック5を有する第2部材4と分けて別体で構成したことで、2つの部材3,4を機能に併せた材料で構成することできる。また、第1部材3を第2部材4の横方向からレール溝4gに沿って向かい合わせに挿入してスライドするだけの簡単な作業で容器本体2を形成できるため、2つの部材3,4の組み付け作業も容易になる。更に、第2部材4にはフック5が一体に設けられているので、フック5を組み付ける作業が不要となる分、組み付けが更に容易になる。
【0032】
従って、本発明によれば、2つの部材3,4をフック5と共に機能に併せた材料で構成することできて、その組み付けも容易な、新規な吊り下げ式防虫剤用容器1を提供することができる。
【0033】
また、2つの部材3,4をそれぞれ、異材質で構成すれば、上述のように、2つの部材3,4にそれぞれ、材質に応じた異なる機能を与えることができる。
【0034】
例えば、防虫剤が常温揮散性ピレスロイドを含有するものである場合、第1部材3をポリプロピレン樹脂(以下、「PP樹脂」)やポリエチレン樹脂(以下、「PE樹脂」)で構成すると、その有効成分が第1部材3に吸収されてしまうため、防虫効果を長期に渡って持続させることができない(特許文献1[0005]参照)。
【0035】
そこで、防虫剤シートS1が配置される第1部材3を、常温揮散性ピレスロイドを吸収し難いポリエチレンテレフタレート樹脂(以下、「PET樹脂」)等のポリエステル系樹脂で構成すれば、防虫剤シートS1の有効成分が減少し難く、防虫効果を長期に渡って持続させることができる。
【0036】
また、インジケータシートS2には、防虫剤シートS1と同様の有効成分(常温揮散性ピレスロイド)を含ませることで、常温揮散性ピレスロイドの揮散に従って、色彩を異ならせたり、「おしまい」等の文字を浮き出させて、防虫効果が失われていることを表示するように構成されているが、第1部材3をPET樹脂で構成すれば、その有効成分が第1部材3に吸着されることなく、実際の防虫効果が失われるタイミングと、それを警告表示するタイミングにずれを生じ難く、適正なタイミングでの警告表示に有効である。
【0037】
一方、第2部材4をポリエステル系樹脂で構成すると、PET樹脂等の硬度の高い材料を選択することになるので、フック5をハンガーパイプ等に引っ掛け難く、使い勝手がよくない。そこで、第2部材4を、比較的柔軟な材料であるポリプロピレン樹脂(以下、「PP樹脂」)やポリエチレン樹脂(以下、「PE樹脂」)等のポリオレフィン系樹脂で構成すれば、フック5をハンガーパイプ等に引っ掛け易く、使い勝手がよい。
【0038】
本発明によれば、揮散剤として、防虫剤以外にも、芳香剤、消臭剤や防黴剤などを採用することができるが、上述したところからも明らかなように、本発明は、揮散剤が防虫剤であるときに特に有効である。また、本形態の如く、インジケータシートS2をフック5と共に配置すれば、箪笥に収納したときも、衣服で見えなくなることなく、インジケータシートS2の表示を視認できる。
【0039】
また、本形態では、図1の拡大図に示すように、第1部材3のフランジ部3a2と、このフランジ部3a2を摺動可能に保持するレール溝4gとに、互いに引っ掛かって係止される抜け止め部6a,6bが設けられている。抜け止め部6aは、フランジ部3a2に設けられた突起部であり、抜け止め部6bは、リブ4c1を分断させて形成された欠損部である。
【0040】
詳細には、抜け止め部6aは、突起部を形作る側縁のうち、第1部材3を第2部材4に挿し込んでスライドさせるときの後方に位置する側縁6a1であり、抜け止め部6bは、欠損部を形作る側縁のうち、第1部材3を第2部材4に挿し込んでスライドさせるときの前方に位置する側縁6b1である。
【0041】
この場合、第1部材3を第2部材4に挿し込んでスライドさせて、所定量だけスライドすると、図1に示すように、抜け止め部6aが抜け止め部6bに嵌まり込む。これにより、第2部材4に組み付けた後、第1部材3を引き出そうしても、抜け止め部6aの側縁6a1が抜け止め部6bの側縁6b1に引っ掛かって係止されることで、第1部材3を容易に引き出すことができなくなる。
【0042】
また、本形態では、抜け止め部6aは、第1部材3を第2部材4に挿し込んでスライドさせる際の進行方向に向かって裾野を広げる傾斜面6a2を有する。これにより、抜け止め部6aは、第1部材3を第2部材4に挿し込んで組み付けるとき、リブ4c1の内側面(溝底面)4g1に対して比較的小さな抵抗でスライドできる。
【0043】
なお、抜け止め部6aをリブ4c1に設け、抜け止め部6bをフランジ部3a2に設けることもできる。本発明によれば、また、抜け止め部6a,6bは、フランジ部3a1側に設けることもできる。
【0044】
更に、本形態では、第2部材4に設けたリブ4c1のうち、横方向側の端部に位置するリブ4c1の内側面(溝底面)4g1が第1部材3の横方向側に位置する外縁3e1と接触して2つの部材3,4を位置合せするためのストッパ部7を構成している。なお、ストッパ部7は、第1部材3に設けることもできる。この場合、第1部材3における外縁3e1と対向する位置の外縁3e2に、第2部材4に向かって突出するリブ等を設け、当該リブ等が第2部材4の外縁4e2と接触することで2つの部材3,4を位置合せするためのストッパ部とすることもできる。
【0045】
上述したところは、本発明の一形態を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。例えば、本形態では、レール溝4gは、容器本体2の合せ面に沿った輪郭で形作られているリブ4c1を利用して構成されていることで、リブ4c1そのものも案内として、第1部材3のスライド操作をスムースなものとしているが、リブ4c1そのものは、互いに独立して上下方向に配置されたものとすることができる。また、レール溝4gは、上下に設けることができる構成であれば、案内部4cのみでもよい。更に、本形態の各構成中に採用される要素は、適宜、転用等を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、揮散剤を収納する容器本体をフックによって吊り下げ保持される吊り下げ式揮散剤用容器であれば、様々なものに採用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 吊り下げ式防虫剤用容器
2 容器本体
3 第1部材(第1の部材)
3a フランジ部
3a1 上側フランジ部
3a2 下側フランジ部
3n1 防虫剤シート配置用の凹部
3n2 インジケータシート配置用の凹部
3r 保持リブ
3r1 先端縁
3r2 座面
4 第2部材(第2の部材)
4a フランジ部
4c 案内部
4c1 リブ
4c2 側壁
4g レール溝
4n1 防虫剤シート配置用の凹部
5 フック
6 抜け止め部
6a 抜け止め部(突起部)
6b 抜け止め部(欠損部)
1 防虫剤シート
2 インジケータシート
X 拡大領域部(第1部材側)
Y 拡大領域部(第2部材側)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの部材を向かい合せに合せてなる容器本体の内側に、揮散剤の収納空間が形成され、フックによって吊り下げ可能な吊り下げ式揮散剤用容器において、
一方の部材は、その外縁部がフランジ部として形作られており、当該フランジ部で取り囲まれた内側に、他方の部材との合せ側に開口して揮散剤を配置する凹部と、当該合せ側に開口して揮散剤の効能を表示するインジケータを配置する凹部とが形成されたものであり、
他方の部材は、その外縁部が一方の部材のフランジ部と向かい合わせに合さるフランジ部として形作られており、上下に配置された当該フランジ部の合せ側にそれぞれ、互いに向かい合うように横方向に延在して、一方の部材の上側のフランジ部及び下側のフランジ部を横方向から挿し込み可能にしつつ当該フランジ部を摺動可能に保持するレール溝を有し、かつ、フックが一体に設けられたものであることを特徴とする吊り下げ式揮散剤用容器。
【請求項2】
請求項1において、2つの部材がそれぞれ、異材質で構成されていることを特徴とする、吊り下げ式揮散剤用容器。
【請求項3】
請求項2において、前記一方の部材がポリエステル系樹脂で構成されていると共に、前記他方の部材がポリオレフィン系樹脂で構成されていることを特徴とする、吊り下げ式揮散剤用容器。
【請求項4】
請求項5において、前記一方の部材がポリエチレンテレフタレートで構成されていると共に、前記他方の部材がポリプロピレン又はポリエチレンで構成されていることを特徴とする、吊り下げ式揮散剤用容器。
【請求項5】
請求項1乃至5のいずれか1項において、揮散剤が防虫剤であることを特徴とする、吊り下げ式揮散剤用容器。
【請求項6】
請求項1乃至6のいずれか1項において、レール溝と、当該レール溝に摺動保持される前記一方の部材のフランジ部とに、互いに引っ掛かって係止される抜け止め部を設けたことを特徴とする吊り下げ式揮散剤用容器。
【請求項7】
請求項1乃至7のいずれか1項において、揮散剤及びインジケータの少なくとも一方は、凹部の輪郭に沿って間隔を空けて複数のリブを設け、当該リブに取り囲まれる領域に嵌合保持されることを特徴とする吊り下げ式揮散剤用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−157262(P2012−157262A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18145(P2011−18145)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】