説明

同時研磨機

【課題】加工材料の加工時間を低減する。
【解決手段】1つの軸3の中心にある回転面12を研磨するための研磨機で、加工材料スピンドル1、心押し台2、および、2つの研磨スピンドル台6、6′を備えており、軸3が中心軸線を中心として、回転駆動可能に装着されており、その際、これら研磨スピンドル台6、6′が、これら回転面12に対して半径方向に送られ得、多数の個別研磨ディスク13、13′を有する研磨ディスクセット10、10′が設けられており、これら個別研磨ディスクの輪郭が、加工されるべき回転面12に適合されており、その際、研磨スピンドル台6、6′が、軸3の相対して位置している側に設けられており、これら研磨スピンドル台のスピンドル軸線14、14′の方向内において、相対して位置ずれされており、従って、全ての回転面12が同時に加工可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばカム軸またはクランク軸の軸受けまたはジャーナルのような、1つの軸の中心にある回転面を研磨するための同時研磨機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、研磨ディスクセットを有する、クランク軸の多数の軸受部を同時に研磨するための研磨機が公知である。
その際、この研磨ディスクセットに相対して位置して、このクランク軸の他方の側に、個別研磨ディスクが、支持要素座部の研磨のために設けられている。従って、付加的に、1つの支持要素座部が研磨される。
この仕上げの後、この個別研磨ディスクは後退され、且つ、支持要素が当接される。引き続いて、軸受部は、研磨ディスクセットでもって、完成した状態に研磨される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願明細書DE10 2009 024 209 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って本発明の課題は、冒頭に記載した様式の研磨機を発展させることであり、このことでもって、加工材料のための加工時間が従来技術に比して低減される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1の特徴を有する研磨機によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項の対象である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の有利な観点に従い、研磨されるべき回転面は、2つの研磨ディスクセットに分配され、且つ、これら研磨ディスクセットが、軸の相対して位置している側に設けられており、従って、この軸に対して作用する、これら研磨力の法線力成分は、相互に相殺される。
更に、支持要素が設けられており、この支持要素が、研磨の際に、研磨ディスクセットと共に、加工材料へと送られ(zugestellt)、且つ、接線方向において加工材料に対して作用する切削力(Zerspankraefte)が収容される。その際、この支持要素のために、如何なる座部(Sitze)も予研磨される必要は無い。
【0007】
次に、本発明を、実施例に基づいて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の同時研磨機の図である。
【図2】研磨ディスクセットの配設の図である。
【図3】研磨ディスクセットの配設の図である。
【図4】研磨ディスクセットの配設の図である。
【図5】研磨ディスクセットの配設の図である。
【図6】支持要素でもっての配設の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に従う同時研磨機は、加工材料スピンドル1、および、押し台2を、軸(加工材料)3の中心における締付けおよび駆動のために有している。これら軸3の加工のために、2つの、研磨スピンドル台6、6′が設けられている。これら研磨スピンドル台は、機械フレーム7における、水平方向移動台5、5′、および垂直方向移動台4、4′を介して、案内装置8の上を移動可能である。
これら研磨スピンドル台6、6′は、X軸線方向に、反対の方向内において、この軸3へと送られ、従って、この軸3に対して半径方向に作用する、これら研磨力の法線力成分は、相互に相殺される。
Z方向内における、垂直方向移動台4、4′の駆動は、ボールローラスピンドルおよびモータ9を介して行われる。類似して、同様に、加工材料スピンドル1も、モータ9′を介して、位置移動可能に、機械フレームに設けられている。
【0010】
図1内において、軸3として、クランク軸3が図示されている。
このクランク軸は、同時に、2つの研磨ディスクセット10、10′でもって加工される。
これら両方の研磨ディスクセット10、10′は、それぞれに、多数の個別研磨ディスク13から構成されている。従って、全ての、研磨されるべき、中心にある回転面12は、唯一の加工ステップ内において、完成した状態に研磨され得る。
ここで図示されたクランク軸3の場合、中間軸受部、ジャーナル15、および、フランジ外周面16が具体的である。その際、これら個別研磨ディスク13の幅、および、これら個別研磨ディスクの相互の間隔は、このクランク軸の上での、回転面12の間隔および寸法に適合されている。
【0011】
スピンドル軸線14、14′の方向内における、研磨ディスクセット10、10′の互い違いの位置ずれにもかかわらず、この軸3の撓みは、無視可能である。何故ならば、
これら研磨ディスクセット10、10′が、相対して位置している側で、この軸3に対して作用するからである。
同じ効果は、極度に曲げに敏感な軸3のために、更に、加工されるべき回転面12よりも多数の個別研磨ディスク13が設けられていることによって補強され得る。
【0012】
図2は、請求項3に従う配設に関している。ここで、ほぼ軸3の中間において、1つの回転面12において、2つの個別研磨ディスク13、13′が、同時に係合している。
図3は、請求項4に従う配設を示しており、その際、2つの回転面12において、2つの個別研磨ディスク13、13′が、同時に係合している。
【0013】
図4および5内において、カム軸の加工が図示されている。
この図4は、請求項5の特徴に相応しており、その際、軸3の全ての回転面12において、2つの個別研磨ディスク13、13′が、同時に係合している。要するに、図5は、請求項6に従う配設を図示している。
【0014】
図6内において、支持要素17の配設が図示され
ている。
この支持要素は、研磨の際に、個別研磨ディスク13、13′と共に同時に送られ、その際、接線方向において加工材料に対して作用する切削力が相殺される(kompensiert)。これら個別研磨ディスク13,13′が、X軸線方向に、反対の方向内において送られる間、この支持要素17はY方向において送られる。
【符号の説明】
【0015】
1 加工材料スピンドル
2 心押し台
3 軸、加工材料
4、4′ 垂直方向移動台
5、5′ 水平方向移動台
6、6′ 研磨スピンドル台
7 機械フレーム
8 案内装置
9、9′ モータ
10、10′ 研磨ディスクセット
11 軸3の中心軸線
12 回転面
13 個別研磨ディスク
14、14′ スピンドル軸線
15 ジャーナル
16 フランジ外周面
17 支持要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの軸(3)の中心にある回転面(12)を研磨するための研磨機であって、この研磨機が、
加工材料スピンドル(1)、心押し台(2)、および、2つの研磨スピンドル台(6、6′)を備えており、その際、
この軸(3)が、この軸の中心軸線(11)を中心として、回転駆動可能に装着されており、その際、
これら研磨スピンドル台(6、6′)が、これら回転面(12)に対して半径方向に送られ得、および、その際、
これら研磨スピンドル台(6、6′)において、多数の個別研磨ディスク(13、13′)を有する研磨ディスクセット(10、10′)が設けられており、これら個別研磨ディスクの輪郭が、加工されるべき回転面(12)に適合されている、様式の上記研磨機において、
研磨スピンドル台(6、6′)が、軸(3)の相対して位置している側に設けられており、
且つ、これら研磨スピンドル台のスピンドル軸線(14、14′)の方向内において、相対して位置ずれされており、
従って、全ての回転面(12)が同時に加工可能であることを特徴とする研磨機。
【請求項2】
それぞれの回転面(12)は、1つの個別研磨ディスク(13、13′)によって、加工可能であることを特徴とする請求項1に記載の研磨機。
【請求項3】
少なくとも1つの回転面(12)は、2つの個別研磨ディスク(13、13′)によって、同時に加工可能であることを特徴とする請求項1に記載の研磨機。
【請求項4】
少なくとも2つの回転面(12)は、2つの個別研磨ディスク(13、13′)によって、同時に加工可能であることを特徴とする請求項1に記載の研磨機。
【請求項5】
軸(3)の全ての回転面(12)は、2つの個別研磨ディスク(13、13′)によって、同時に加工可能であることを特徴とする請求項1に記載の研磨機。
【請求項6】
連続的な回転面(12)は、互い違いに、相対して位置している個別研磨ディスク(13、13′)によって、加工可能であることを特徴とする請求項1に記載の研磨機。
【請求項7】
クランク軸を加工するための、請求項1から6のいずれか一つに記載の研磨機において、ジャーナル(15)及び/またはフランジ外周面(16)が、個別研磨ディスク(13、13′)によって、加工可能であることを特徴とする研磨機。
【請求項8】
少なくとも1つの支持要素(17)を有する、請求項1から7のいずれか一つに記載の研磨機において、この支持要素(17)が、個別研磨ディスク(13、13′)と共に、加工材料(3)へと送られ得ることを特徴とする研磨機。
【請求項9】
支持要素(17)は、Y軸線方向に送られ得ることを特徴とする請求項8に記載の研磨機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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