説明

同期ワイヤレスイヤホン

【解決手段】音源から受信したオーディオを同期再生する電子音響スピーカデバイスである。ある実施形態では、一一方スピーカは、マスターとしての機能を果たし、他方のスピーカは、スレーブとしての機能を果たす。マスタースピーカは、音源からデジタルオーディオデータを受信し、更に、音源から受信したデジタルオーディオを再生し、マスタースピーカは、デジタルオーディオをスレーブスピーカに再送信する。マスタースピーカは更に、、バッファステータス又はマスタースピーカの再生位置を示すデータのような同期データを、スレーブスピーカに送信する。スレーブスピーカは、マスタースピーカからの同期データを利用して、例えば、そのバッファステータス又は再生位置を調節し、2つのスピーカが同期して(例えば、30ミリ秒以内に)オーディオを再生できるようにする。ある実施形態において、マスタースピーカは、例えばTCP/IP等のコネクション型プロトコルを用いて、バッファリングされたオーディオデータをスレーブスピーカに送信し、例えば、UDP又はICMP等のコネクションレス型プロトコルを同期データ用に用いる。更に、スピーカは、マスター及びスレーブとしての役割を交替できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明者:
ディネスク,ミハエル シー.、住所イリノイ,シャンバーグ
マッツァ ジョセフ、住所イリノイ,ウォーレンビル
クジャンスキー アダム、住所イリノイ,バートレット
ガザ,ブライアン、住所イリノイ,ナバピープル
サガン,マイケル、住所ウィスコンシン,マーシャル
【背景技術】
【0002】
ワイヤレスイヤホン又はワイヤレスヘッドセットが知られている。例えば、引用を以てその全てが本願に組み込まれるPCT出願PCT/US09/39754号は、デジタルオーディオストリーミングを受信し、再生するワイヤレスイヤホンを開示している。ユーザが、彼又は彼女の両耳にワイヤレスイヤホンを装着したときに、デジタルオーディオストリームの再生は、ハース効果を減少又はなくすように同期するのが好ましい。ハース効果は、聴覚的現象のグループに関する心理音響効果の一つであって、先行音効果又は第1波面の法則として知られている。これらの効果は、感知される音の間におけるその他の物理的な差異(例えば、位相の違い)に対する知覚反応と共に、リスナーが、その周辺から来る正確な音の場所を2つの耳で特定する能力に関係している。2つの同一の音(例えば、同じ知覚強度の同一の音波)が、リスナーからの距離が異なる2つの音源から生成される場合、最も近い場所で生成された音が最初に聞こえる(到達する)。これによって、リスナーには、後に到着したものの知覚を抑えるという点で「無意識な知覚抑制(involuntary sensory inhibition)」と表現され得る現象によって、その音は1つの場所から来るという印象が与えられる。ハース効果は、音の到着時間が30から40ミリ秒を超えて異なる場合に生じる。2つの音源の(リスナーに関する)到着時間の差が40ミリ秒を超えて増加すると、それらの音は、違った音として聞こえ始める。これは、リスナーが、一組のイヤホンで音声を聞くときに、望ましい効果ではない。
【発明の概要】
【0003】
ある一般的な態様では、本発明は、音源から受信したオーディオを同期再生するような、イヤホンや他の種類のラウドスピーカ等の電子音響スピーカを対象とする。ある実施形態において、一方のスピーカ(例えば、イヤホン)は、マスターとして機能し、他方のスピーカ(例えば、イヤホン)は、スレーブとして機能する。マスタースピーカは、音源からデジタルオーディオデータを受信し、音源から受信したデジタルオーディオデータを再生し、デジタルオーディオデータをスレーブスピーカに再送信する。マスタースピーカは、マスタースピーカのバッファステータスや再生位置を示すデータのような同期データを送信する。スレーブスピーカが、マスタースピーカからの同期データを用いて、例えば、バッファステータス又は再生位置を調節することで、2つのスピーカは、(例えば、30ミリ秒以内で)オーディオを同期的に再生する。ある実施形態において、マスタースピーカは、例えばTCP/IP等の接続型通信プロトコルを利用し、バッファリングされたオーディオデータをスレーブスピーカに送信し、かつ、同期データのために、例えば、UDP、ICMP、又はその他の高速で低オーバーヘッドのプロトコルのようなコネクションレス型プロトコルを利用する。更に、スピーカは、マスター及びスレーブとしての役割を転換できる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本発明の様々な実施形態が、以下の図面と組み合わせて、例示を目的として、本明細書に記載される。
【図1】図1は、本発明の様々な実施形態に従った一組のワイヤレスイヤホンを図示する。
【図2A】図2Aは、本発明の様々な実施形態に従ったワイヤレスイヤホンの実施形態を図示する。
【図2B】図2Bは、本発明の様々な実施形態に従ったワイヤレスイヤホンの実施形態を図示する。
【図2C】図2Cは、本発明の様々な実施形態に従ったワイヤレスイヤホンの実施形態を図示する。
【図2D】図2Dは、本発明の様々な実施形態に従ったワイヤレスイヤホンの実施形態を図示する。
【図3】図3は、本発明の様々な実施形態に従ったワイヤレスイヤホンのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の様々な実施形態は、同期データを交換する電気音響スピーカデバイスを対象としており、そのスピーカデバイスは、音源から受信したオーディオを同期再生する。本発明の様々な実施形態は、スピーカデバイスとしてのワイヤレスイヤホンについて本明細書に記載されているが、本発明は、それらに限定されるものではなく、イヤホン以外に、その他の様々なタイプのスピーカも、他の実施形態で用いることができると理解されるべきである。さらに、イヤホン(又は他のタイプのスピーカ)は、ワイヤレスである必要はない。
【0006】
図1は、ユーザが、各耳に1つずつ、2つのワイヤレスイヤホンを装着している略図である。本明細書に記載されている様に、イヤホン(10a)(10b)は、ストリーミング又はノンストリーミングのデジタルオーディオ等のデジタルオーディオデータを受信して、同期再生することができる。本発明の様々な実施形態において、動作中、イヤホンの一方はマスターとして機能し、他方は、スレーブとして機能してよい。それらの実施形態において、マスターイヤホン、つまり、本願におけるイヤホン(10a)は、通信リンク(14)を介して、デジタル音源からデジタルオーディオデータを受信する。通信リンク(14)は、ワイヤレス又は有線通信リンクであってよい。次に、マスターイヤホン(10a)は、受信したストリーミングオーディオデータを、ワイヤレス通信リンク(15)を介してスレーブイヤホン(10b)にワイヤレスに送信する。2つのイヤホン(10a)(10b)は、ユーザに対してオーディオをほぼ同期して再生する。例えば、到着時間の差は、40ミリ秒又はそれ未満であるのが好ましく、30ミリ秒又はそれ未満であるのが好ましい。
【0007】
様々な実施形態において、引用によりその全てが本明細書に組み込まれるPCT/US09/39754号のPCT出願に記載されているように、音源(12)は、mp3プレイヤ又はiPodなどデジタルオーディオプレイヤ(DAP)、或いは、ラップトップ又はパーソナルコンピュータなどのような、デジタルオーディオファイル等を記録及び/又は再生するその他の適当なデジタルオーディオ音源であってよく、かつデータ通信リンク(14)を介して、マスターイヤホン(10a)と通信できる。例えば、データ通信リンク(14)がワイヤレスである実施形態では、任意の適切なワイヤレス型通信プロトコルが用いられてよい。ワイヤレスリンク(14)は、Wi−Fi(例えば、IEEE802.11a/b/g/n)通信リンクであることが好ましいが、他の実施形態においては、例えば、WiMAX(IEEE802.16)Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)やUWBなどの様々なワイヤレス通信プロトコルが利用されてよい。例えば、データ通信リンク(14)が有線リンクである実施形態では、イーサネット(登録商標)などの任意の適切な通信プロトコルが利用されてよい。また、音源(12)は、リモートサーバ、例えば、インターネットに接続された(ストリーミング又はノンストリーミング)デジタルオーディオコンテンツ用リモートサーバであってよく、ワイヤレスネットワークのアクセスポイント又は有線接続を介して、マスターイヤホン(10a)と接続してよい。データ通信リンク(14)がワイヤレスである実施形態では、マスターイヤホン(10a)とスレーブイヤホン(10b)の間のワイヤレス通信リンク(15)は、ワイヤレス通信リンク(14)と同じネットワークプロトコルを使用して、マスターイヤホン(10a)からスレーブイヤホン(10b)にオーディオを再送信してよい。
【0008】
ある実施形態では、動作中、イヤホンは、マスターとスレーブとしての役割を切り替えてよい。例えば、何時でもイヤホン(10a)がマスターとして機能し、イヤホン(10b)がスレーブとして機能するようにイヤホン(10a)(10b)がプログラムされるが、その後、イヤホン(10a)がスレーブとして切り替えられて、イヤホン(10b)がマスターとしての機能の役割を担ってもよい。送信する(例えば、マスター)イヤホンは、通常、スレーブイヤホンよりも電力を消費するので、役割を切り替えることにより、2つのイヤホン(10a)(10b)の電源(例えばバッテリー)の消費を等しくする効果がある。
【0009】
どのようにしてオーディオ再生の同期をなし得るかについて、さらに詳細に説明する前に、まず、本発明の様々な実施形態による例示のイヤホン(10a)(10b)について、詳細に説明する。図2A及び図2Bは、イヤホン(10)の異なる2つの実施形態を示す。図2A及び図2Bに示す例に限定される訳ではなく、その他の構成も本発明の範囲内である。図2A及び図2Bで示すように、イヤホン(10)は本体部(20)を有してよい。本体(20)は、イヤホンユーザの外耳道に挿入されるイヤーカナル部分(22)を有してよい。様々な実施形態において、本体部(20)は、ユーザの外耳道内に挿入されない外側部(24)も有してよい。外側部(24)は、イヤーカナル部分(24)の形状を調節するつまみ部(26)又はその他の同様なユーザコントロール(ダイアル、圧力作動スイッチ、レバーなど)を含んでよい。つまり、様々な実施形態において、つまみ部(26)の動作(例えば、回転)により、イヤーカナル部(24)の形状が変化して、例えば、放射状に広げて、ユーザの外耳の全側面にぴたりとフィットするようにされてよい。イヤホン形状が変化するイヤホンに関する更なる詳細は、引用を以て本明細書に全てが組み込まれる、2008年12月31日出願のPCT/US08/88656号、発明の名称「形状調節可能なイヤホン」に記載されている。イヤホン(10)には、本体(20)内に収容されるトランシーバ回路も含んでよい。以下に説明されるトランシーバ回路は、ワイヤレス信号を送受信できる。トランシーバ回路は、イヤホンの外側部(24)及び/又はイヤーカナル部(22)に収納されてよい。
【0010】
図2A及び図2Bに示される例示のイヤホン(10)は、イヤーカナル部(22)の形状を調節するためのつまみ部(26)を備えているが、本願はそれに限定されるものではなく、他の実施形態として、つまみ部(26)以外の様々な手段がイヤーカナル部(22)を調節するために、用いられてよい。さらに、他の実施形態において、イヤホン(10)は、形状変化するイヤーカナル部(22)を備えてなくとも良い。
【0011】
他の実施形態では、図2C及び図2Dの例示の実施形態で示すように、イヤホン(10)は、ハンガーバー(17)を備えてよく、それにより、イヤホン(10)を、ユーザの耳に引っかけるか、又は吊るすことができる。図2Cは、ある実施形態に係るイヤホンの斜視図であり、図2Dは側面図である。例示の実施形態に示すように、イヤホン(10)は、デュアルスピーカエレメント(30)(32)を備えてよい。スピーカエレメント(30)の一方(小さい方)は、リスナーの耳の耳甲介腔内にフィットするような大きさにされ、他方(32)(大きい方)は、そのような大きさにはされない。リスナーは、ハンガーバーを使用して、リスナーの耳にイヤホンを配置してよい。それに関連して、ハンガーバーは、耳介(又は耳翼)の上部の裏にて、ユーザの耳の上側の外側湾曲部分に載る水平部分を有してよい。イヤホンは、刻み付きノブ(knurled knob)を備えており、ユーザはハンガーバーとスピーカエレメントの間の距離を細かく調節できる。それにより、このような実施形態では、更なる調節手段が与えられる。デュアルエレメントの調節可能なイヤホンに関する詳細については、引用によりその全てが本明細書に組み込まれるPCT出願番号PCT/US09/44340号で得られる。
【0012】
図3は、本発明の様々な実施形態によるイヤホン(10a)(10b)の一方のブロック図である。様々な実施形態において、イヤホン(10a)(10b)はマスターとスレーブとしての役割を交換できる様にプログラムされるので、イヤホン(10a)(10b)の構成要素は同じにできる。例示の実施形態では、イヤホン(10)は、トランシーバ回路(100)と、関連する周辺構成要素とを備えている。イヤホン(10)の周辺構成要素は、電源(102)と、1又は複数の音響トランスデューサ(106)(例えば、スピーカ)と、1又は複数のアンテナ(108)とを含む。トランシーバ回路(100)と幾つかの周辺構成要素(例えば、電源(102)と音響トランスデューサ(106))とは、イヤホン(10)の本体部(12)内に収容されてよい(図2A-2D参照)。他の実施形態では、イヤホンは、例えばマイクロフォン等の更なる周辺構成要素を含んでよい。
【0013】
様々な実施形態において、トランシーバ回路(100)は、システム-オン-チップ(SoC)等の1つの集積回路(IC)として実装されてよく、これは、イヤホン(10)の構成要素の小型化に繋がり、イヤホン(10)をイン−イヤーイヤホン(例えば、図2A-2B参照)のような比較的小さなサイズにする必要がある場合に有利になる。しかしながら、他の実施形態において、トランシーバ回路(100)の構成要素は、2又は3以上の別個のICsで、例えば、プロセッサ、メモリやWi−Fiモジュール等の別々のICで実現されてよい。
【0014】
電源(102)は、例えば、充電式又は非充電式のバッテリー(又は複数のバッテリー)であってよい。他の実施形態では、電源(102)は、主電源によって充電される1又は複数のウルトラキャパシタ(スーパーキャパシタと称されることもある)であってよい。電源(102)が充電可能なバッテリセル又はウルトラキャパシタである実施例では、バッテリセル又はウルトラキャパシタは、場合によっては、例えば、イヤホン(10)が、有線又は無線でドッキングステーションに接続されたときなどに、使用のために充電されてよい。ドッキングステーションは、ラップトップコンピュータ又はPC等のコンピュータデバイスに接続されるか、又はそれらの一部とすることができる。再充電可能な電源(102)を充電することに加えて、ドッキングステーションは、イヤホン(10)へ、及び/又はイヤホン(10)から、データのダウンロードを手助けしてよい。他の実施形態では、電源(102)は、米国特許第7,027,311号に記載されているような、RF波で受動的に充電されるコンデンサであってよい。電源(102)は、トランシーバ回路(100)の電源制御モジュール(103)と接続されてよい。電源制御モジュール(103)は、電源(102)を制御し、監視する。
【0015】
音響トランスデューサ(106)は、イヤホン(10)のユーザに音を伝達するスピーカエレメントであってよい。様々な実施形態において、イヤホン(10)は、1又は複数の音響トランスデューサ(106)を備えてよい。複数のトランスデューサを備える実施例では、1つのトランスデューサは、他のトランスデューサよりも大きくてよく、クロスオーバー回路(図示せず)は、より高い周波数を小さい方のトランスデューサに送り、より低い周波数を、大きい方のトランスデューサに送ってよい。デュアルエレメントイヤホンに関する詳細は、Koss Corporationに譲渡された米国特許第5,333,206号に開示されており、引用を以てその全体が本明細書に組み込まれる。
【0016】
マスターイヤホンのケースでは、アンテナ(108)は、ワイヤレス通信リンク(14)を介して、電源(12)からワイヤレスシグナルを受信できる。アンテナ(108)は、ワイヤレス通信リンク(15)を介して、スレーブイヤホン(106)に信号を発することもできる。他の実施形態において、セパレートアンテナが用いられてよい。
【0017】
通信リンク(14)(15)が、Wi−Fiリンクである実施例では、アンテナ(108)と繋がったWi−Fiモジュール(110)のトランスデューサ回路(100)は、特に、アンテナ(108)から送受信される信号を変復調する。Wi−Fiモジュール(110)は、ベースバンドプロセッサ(112)と通信し、それは、イヤホン(10)がWi−Fi(又は他の通信)プロトコルを用いて通信するために必要な他の機能を実行する。
【0018】
ベースバンドプロセッサ(112)は、マイクロプロセッサ(116)及びデジタル信号プロセッサ(DSP)(118)を含むプロセッサユニット(114)と通信できる。マイクロプロセッサ(116)は、トランシーバ回路(100)の様々な構成要素を制御してよい。例えば、DSP(114)は、バンドベースプロセッサ(112)によって受信したデジタルオーディオに対して、ノイズキャンセル及びサウンドイコライゼーションを含む様々な音質向上を実行してよい。プロセッサユニット(114)は、揮発性メモリ部(120)及び不揮発性メモリ部(122)と通信してよい。メモリマネジメントユニット(124)は、プロセッサユニットのメモリユニット(120)(122)へのアクセスを制御できる。揮発性メモリ(120)は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)回路であってよい。不揮発性メモリ回路(122)は、リードオンリーメモリ(ROM)及び/又はフラッシュメモリ回路であってよい。メモリユニット(120)(122)は、プロセッサユニット(114)によって実行されるファームウェアを記憶できる。プロセッサユニット(114)によるファームウェアの実行は、本明細書に記載されている機能を含む、イヤホン(10)に様々な機能を提供してよく、その中には、一組のイヤホンの間でオーディオを同期再生することが含まれる。
【0019】
音響トランスデューサと連結するために、デジタル−アナログコンバータ(DAC)(125)は、プロセッサユニット(114)からのデジタルオーディオをアナログ形式に変換できる。I2Sインターフェイス(126)、或いは、他の適切なシリアル又はパラレルパスインターフェイスが、プロセッサユニット(114)とDAC(125)の間のインターフェイスを提供してよい。
【0020】
トランシーバ回路(100)は、USB又はその他の適切なインターフェイス(130)を含んでよく、イヤホン(10)は、USBケーブル又は他の適切なリンクを介して外部装置と接続できる。
【0021】
マスターとしての機能を担うイヤホン(10a)は、再生の為にデジタルオーディオデータをトランスデューサ(106)に送信する前に、入力デジタルオーディオデータをバッファ(140)にバッファリングできる。バッファ(140)は、図3に示すように、揮発性メモリユニット(120)の一部であってよく、又は、揮発性メモリユニットとは別にされてもよい。様々な実施形態において、数秒分、例えば3秒分又はその他の量のオーディオについて、バイト数で表されるデータが、バッファ(140)でバッファリングされてよく、バッファ(140)は、循環バッファとされてよい。マスターイヤホン(10a)はまた、通信リンク(15)を介してスレーブイヤホン(10b)に入力デジタルオーディオを転送する。スレーブイヤホン(10b)に転送されるデータは、送信用バッファから送信されてよく、当該送信用バッファは、バッファ(140)と同じであるか、又は異なっていてもよい。
【0022】
更に、マスターイヤホン(10a)は、スレーブイヤホン(10b)に同期データを送信できる。同期データには、例えばマスターイヤホン(10b)のバッファ(140)の現在のバイト位置がある。同期データは、スレーブイヤホン(10b)が、マスターイヤホンのデジタルオーディオの再生に、スレーブイヤホンのデジタルオーディオの再生を同期させることを可能にする。同期データは、マスターイヤホン(10a)のバッファ(140)のバッファステータス又は再生位置を示すデータを含んでよい。バッファステータスデータは、例えば、バッファの読み出し及び/又は書き込みのカウント用のインデックスを示すデータを含んでもよい。
【0023】
ある実施形態では、マスターイヤホン(10a)は、コネクション型通信プロトコルを用いて、バッファリングされたオーディオデータを送信し、同期データにはコネクションレス型プロトコルを使用する。例えば、マスターイヤホン(10a)は、TCP/IPプロトコルを用いて、バッファリングされたオーディオデータのデータパケットをスレーブイヤホン(10b)に送信してよい。マスターイヤホン(10a)は、UDPプロトコルを用いて、同期データのデータパケットをスレーブイヤホン(10b)に送信してよい。マスターイヤホン(10a)は、毎0.5秒、1秒、3秒、5秒、10秒、又はその他の間隔で、UDPデータパケットを周期的に送信できる。不揮発性メモリユニット(122)のようなマスターイヤホン(10a)のメモリユニットに記憶されたコード又はファームウェアを用いて、オーディオTCP/IPパケットとUDP同期データパケットをスレーブイヤホン(10b)に送信するように、マスターイヤホン(10a)のプロセッサユニット(114)がプログラムされてもよい。
【0024】
スレーブとして機能する場合、イヤホン(10)は、スレーブイヤホン(10b)の不揮発性メモリユニット(122)に記憶されたコード又はファームウェアに基づいて、マスターイヤホン(10a)から受信したオーディオTCP/IPパケットを、スレーブイヤホン(10b)のバッファ(140)に記憶するようにプログラムされてよい。スレーブイヤホン(10b)が、マスターイヤホン(10a)からUDP同期データを受信すると、スレーブイヤホン(10b)は、バッファ(140)のバッファステータス又は再生位置をアップデート若しくは調節して、マスターイヤホンのバッファステータスと合わせることができる。そのバッファ位置の調節の後、スレーブイヤホン(10b)は、調節されたバッファ位置を用いて、バッファ(140)に記憶され、バッファリングされたオーディオを再生する。
【0025】
マスターイヤホン(10a)からスレーブイヤホン(10b)へのUDPバッファステータスパケットの送信時間は常に一定ではないので、様々な実施形態において、不揮発性メモリユニット(122)に記憶されたコード又はファームウェアを実行することにより、スレーブイヤホン(10b)は、マスターイヤホン(10a)から送られるUDPバッファステータスパケットの受信間の時間間隔をトラッキングしてよい。時間間隔の履歴(又はログ)が、スレーブイヤホン(10b)の不揮発性メモリユニット(120)に記憶されて、プロセッサユニット(114)は、時間間隔の現在の統計値を、絶対平均時間間隔及び移動平均時間間隔を、絶対時間間隔中央値及び移動時間間隔中央値を、又は、絶対標準偏差及び移動標準偏差などを計算して保存してよい。
【0026】
スレーブイヤホン(10b)は、そのバッファステータスをどの程度調節するかを決定するために、時間間隔の統計値を用いてよい。例えば、マスターイヤホン(10a)から送られたあるUDPバッファパケットを受信するのに、UDPバッファステータスパケット間の平均時間間隔よりも大幅に長い時間がかかる場合、スレーブイヤホン(10b)は、UDPバッファステータスパケットがほぼ平均時間間隔で受信される場合のバッファステータスよりも小さくなるように、そのバッファステータスを調節してよい。或いはまた、マスター(10a)からの同期データが、予定又は予期された間隔から大幅に異なる場合には、スレーブイヤホン(10b)は、それを削除してよい。
【0027】
他の実施例では、時間間隔の統計値をトラッキングすることに加えて、スレーブイヤホン(10b)は、バッファに調節をなす毎にその調節をトラッキングし、ログすることができる。そして、スレーブイヤホン(10b)は、マスターイヤホン(10a)から、次に受信されるUDPバッファステータスパケットに基づいて調節するのに必要とされる調節量を推定し、さらに、次のUDPステータスパケットを受信するまでの時間に渡って、そのバッファ位置の調節を行って、マスターイヤホン(10a)から次のUDPバッファステータスパケットを受信する際に必要とされる調節量を減らしてよい。例えば、動作期間にわたって、スレーブイヤホン(10b)がマスターイヤホン(10a)からUDPバッファステータスを受信する毎に、スレーブイヤホン(10b)が、約Nユニット(例えばデータバイト)分、そのバッファ(140)の位置を継続的に調節する必要がある場合には、スレーブイヤホン(10b)は、それを、UDPバッファステータスパケット間の平均x秒で割って計算してよい。N/xポジション毎秒として、バッファ位置を調節することができ、それにより、マスターイヤホン(10a)からの次のUDPバッファステータスパケットが受信された際に、スレーブイヤホン(10b)がバッファ位置を調節するのに必要とされる調節量を減らすことができる。
【0028】
UDPに加えて、適切な任意の低オーバーヘッド通信プロトコルが、マスターからスレーブへ同期データを送信するために使われてよい。例えば、他の実施形態では、UDPバッファステータスパケットをスレーブイヤホン(10b)に送信する代わりに、イヤホン(10)は、インターネット制御通知プログラム(ICMP)メッセージ等のピングメッセージ(ping message)を交換してよい。ICMPメッセージは、例えば「エコーリクエスト(Echo request)」や「エコーリプライ(echo reply)」メッセージなどであってよい。例えば、マスターイヤホン(10a)は、「エコーリクエスト」ICMPメッセージを送信し、スレーブイヤホン(10b)は、「エコーリプライ」ICMPメッセージを、マスターイヤホン(10a)へ返信してよい。スレーブイヤホン(10b)は、ICMPメッセージに基づいて、そのバッファ位置を調節することができ、マスターと同期することができる。他の実施形態において、イヤホンは、マスターについて、メッセージを送信した時とスレーブから応答を受信した時との時間差に基づいて、内部時計の調節量を計算してよい。スレーブは、応答を送信した時とマスターから次のリクエストを受け取った時との時間間隔に基づいて、その内部時計を調節してよい。
【0029】
上述したように、マスターイヤホンとスレーブイヤホンは、動作中、マスターとスレーブとしての役割を交替することができる。ある実施形態では、イヤホンの一方は、電源が入れられるとマスターとして開始するようにプログラムされて、他方のイヤホンは、スレーブとして機能して、例えば、電源が入れられると、IPアドレス等のマスターイヤホン(10a)のアドレスを探してよい。ある実施形態では、イヤホンは、ある所定の動作時間間隔の後で、マスターとスレーブとの間の役割を交替してよい。この実施形態では、所定の時間間隔の後で、スレーブイヤホンはマスターとしての役割を担い、マスターイヤホンはスレーブとしての役割を担ってよい。他の実施形態では、イヤホンユーザの操作が、役割交替をトリガーしてよい。例えば、ユーザが、音源を変更するように一方のイヤホンの操作つまみを操作すると、その利用者の操作つまみの操作に起因して、イヤホンが役割を交替してよい。他の実施形態において、イヤホンは、イヤホン電源(例えばバッテリーユニット)のリアルタイムのバッテリ寿命又はバッテリ電圧をモニタする電気回路を備えてよい。イヤホン(10a)(10b)は、イヤホンのリアルタイムバッテリ寿命の残りに基づいて、役割を交替してよい。イヤホンが役割を交替することを可能にするコード又はファームウェアは、イヤホンの不揮発性メモリユニットに記憶され、プロセッサユニット(114)によって実施されてよい。
【0030】
他の実施形態では、イヤホンを同期させるために、マスターからスレーブへバッファステータスパケットを送信するのではなく、イヤホンは、それらの内部時計を同期して、同期された時計を利用して、共通の予定時間で再生を開始することで、デジタルオーディオの同期再生を実現する。再生が同じ時間で開始される場合には、イヤホンは同期状態を維持し続ける。なぜなら、それらの内部時計は、再生が継続している期間、同期され続けるからである。デジタルオーディオ再生を同期するためには、内部時計の間の時間差が、30ミリ秒、好ましくは500マイクロ秒未満であれば、それらは同期されていると考えられる。
【0031】
時計の同期は、デジタル又はアナログの「ハートビート(heart beat)」無線パルス又は信号を用いて実現されてよく、当該信号は、2つの時計の間の望ましい時間差(好ましくは一桁)よりも高い周期で、外部音源又は一方のイヤホンによって送信される。ある実施形態では、ハートビート信号は、イヤホン間でのオーディオデータを送信するのに用いられるのと同じ無線モジュールによって送信されてよいが、他の実施形態では、各イヤホンは第2の無線モジュールを含んでよい。つまり、1つはハートビート信号用のものであり、もう1つはデジタルオーディオ用とされてよい。ハートビート信号用無線モジュールは、低電力消費の低バンド幅モジュールであり、好ましくはショートレンジである。既に存在しているWi−Fiの実施形態では、マスターイヤホン(10a)は、第2無線モジュールによって提供される第2無線チャネル上のスレーブイヤホン(10b)にハートビート信号を送信してよく、第2無線チャネルは、Wi−Fi無線チャンネルとは異なっている。
【0032】
このように、様々な実施形態において、本願発明は、第1及び第2音響スピーカデバイス(例えば、イヤホン)を備える装置を対象としている。第1音響スピーカデバイスは、第1音響トランスデューサと第1トランシーバとを備え、第1トランシーバは、ワイヤレス信号を送受信する。第2音響スピーカデバイスは、第2音響トランスデューサと第2トランシーバと備えており、第2トランシーバは、ワイヤレス信号を送受信する。第1及び第2スピーカデバイスは、ワイヤレスで通信する。第1音響スピーカデバイスは、(1)デジタルオーディオデータと(2)同期データとを含むデータを、第2音響スピーカデバイスに、ワイヤレスに送信する。デジタルオーディオデータは、コネクション型通信プロトコルを介して送信され、同期データは、コネクションレス型通信プロトコルを介して送信される。
【0033】
様々な実施形態では、コネクション型通信プロトコルを介して送信されるデジタルオーディオデータは、TCP/IPプロトコルデータパケットを含む。コネクション型通信プロトコルを介して送信される同期データは、UDPプロトコルデータパケット又はICMPメッセージを含む。第1音響スピーカデバイスによって、第2音響スピーカデバイスに送信されるデジタルオーディオデータは、第1音響オーディオデバイスの第1バッファでバッファリングされ、第1ワイヤレス通信リンクを介してワイヤレスデジタル音源から受信した受信デジタルオーディオデータを含んでよい。第1音響スピーカデバイスは、第2ワイヤレス通信リンクを介して、第2音響スピーカデバイスにワイヤレス送信してよい。第1ワイヤレス通信リンクは、Wi−Fi通信リンクを含み、第2ワイヤレス通信リンクは、Wi−Fi通信リンクを含んでよい。同期データは、第1音響スピーカデバイスのオーディオ再生データ、又はクロック同期データ(例えば、ハートビート信号)を含んでよい。同期データは、第1音響スピーカデバイスの第1バッファのバッファステータスデータを含んでよい。第2音響スピーカデバイスは、第1音響スピーカデバイスから受信したデジタルオーディオデータをバッファリングするための第2バッファを備えてよい。第1音響スピーカデバイスは、第2音響スピーカデバイスに同期データを周期的に送信してよい。第2音響スピーカデバイスは、第1音響スピーカデバイスからの同期データの受信の間の時間間隔をトラッキングするように構成されてよい。第2音響スピーカデバイスは、第1音響スピーカデバイスからの同期データの受信の間のトラッキングされた時間間隔に基づいて、第2音響スピーカデバイスの第2バッファのステータス調節を計算するように構成されてよい。第1及び第2音響スピーカデバイスは、動作期間の後、第2音響スピーカデバイスが、(1)コネクション型通信プロトコルを介したデジタルオーディオデータ及び(2)コネクションレス型通信プロトコルを介した同期データを、 第1音響スピーカデバイスにワイヤレスで送信するように構成されてよい。
【0034】
他の実施形態において、本願発明は、第1及び第2音響スピーカデバイス(例えばイヤホン)によってオーディオ再生を同期する方法を対象としており、第1及び第2音響スピーカはワイヤレスで通信する。この方法は、(1)デジタルオーディオデータと(2)同期データとを含むデータを、第1音響スピーカデバイスが第2音響スピーカデバイスに送信する工程を含んでよい。
【0035】
様々な実施形態では、この方法は更に、ワイヤレスデジタル音源から第1ワイヤレス通信リンクを介して、第1音響スピーカデバイスがデジタルオーディオデータをワイヤレス受信する工程と、ワイヤレスデジタル音源からのデジタルオーディオデータを、第1音響スピーカデバイスが第1音響スピーカデバイスの第1バッファにバッファリングする工程とを含んでよい。第1音響スピーカデバイスが第2音響スピーカデバイスに送信するデジタルオーディオデータは、第1音響スピーカデバイスの第1バッファにバッファリングされたデジタルオーディオデータを含んでよい。本発明の方法はまた、第1音響スピーカデバイスからの同期データの受信間の時間間隔を、第2音響スピーカデバイスがトラッキングする工程を含んでよい。本発明の方法は、更に、第1音響スピーカデバイスからの同期データの受信間のトラッキングされた時間間隔に基づいて、第2音響スピーカデバイスが、第2音響スピーカデバイスの第2バッファのためのステータス調節を計算する工程を含んでよい。本発明の方法は、動作期間の後、(1)コネクション型通信プロトコルを介したデジタルオーディオデータと、(2)コネクションレス型通信プロトコルを介した同期データとを、第2音響スピーカデバイスが第1音響スピーカデバイスにワイヤレスに送信する工程を含んでよい。
【0036】
本明細書の例は、実施例について、可能性があり、且つ具体的な実施形態を説明することを意図している。それらの例は、当該分野の通常の知識を有する者には、主として説明を目的としていると理解される。それらの例の特有の特徴は、説明されている実施例の範囲を限定することを意図していない。実施例の図及び説明は、実施例を明確に理解するために関係する要素を説明するために簡単化され、一方で、明確化のために他の要素が削除されていることが理解されるべきである。
【0037】
本明細書で開示した様々な実施の形態において、所定の機能を果たすためには、1つの構成要素は、複数の構成要素に置き換えられてもよく、複数の構成要素は、1つの構成要素に置き換えられてもよいそのような置換が有効でない場合を除き、そのような置換は、本発明の実施形態の意図する範囲内である。
【0038】
本明細書では様々な実施形態を説明したが、これらの実施形態に様々な変更、改変、変形を施し、少なくともいくつかの利点をもたらすことが可能であることは、当業者にとって自明であろう。したがって、開示した実施の形態は、ここで述べた実施の形態の範囲から逸脱することなく行われるあらゆるそのような変更、改変、変形を含むことが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1音響トランスデューサと、ワイヤレス信号を送受信をする第1トランシーバとを備える第1音響スピーカデバイスと、
第2音響トランスデューサと、ワイヤレス信号を送受信をする第2トランシーバとを備える第2音響スピーカデバイスとを備えており、
前記第1音響スピーカデバイスと第2音響スピーカデバイスは、ワイヤレスに通信し、
前記第1音響スピーカデバイスは、(1)デジタルオーディオデータと(2)同期データとを含むデータを、前記第2音響スピーカデバイスにワイヤレスに送信し、
前記第1音響スピーカデバイスは、コネクション型通信プロトコルを介して、前記第2音響スピーカへワイヤレスに前記デジタルオーディオデータを送信し、
前記第1音響スピーカデバイスは、コネクションレス型通信プロトコルを介して、前記第2音響スピーカに前記同期データをワイヤレスに送信する装置。
【請求項2】
前記コネクション型通信プロトコルを介して送信される前記デジタルオーディオデータは、TCP/IPプロトコルデータパケットを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コネクション型通信プロトコルを介して送信される前記同期データは、UDPプロトコルデータパケットを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記コネクション型通信プロトコルを介して送信される前記同期データは、ICMPメッセージを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
コネクション型通信プロトコルを介して送信される前記デジタルオーディオデータは、TCP/IPプロトコルデータパケットを含み、
コネクション型通信プロトコルを介して送信される前記同期データは、UDPプロトコルデータパケットを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1音響スピーカデバイスは、第1イヤホンを含み、前記第2音響スピーカデバイスは、第2イヤホンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
第1音響スピーカデバイスによって第2音響スピーカデバイスに送信される前記デジタルオーディオデータは、第1音響オーディオデバイスの第1バッファにバッファリングされて、第1ワイヤレス通信リンクを介してワイヤレスデジタル音源から受信した受信デジタルオーディオデータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1音響スピーカデバイスは、第2ワイヤレス通信リンクを介して、ワイヤレスに前記第2音響スピーカデバイスへ送信する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1ワイヤレス通信リンクは、Wi−Fi通信リンクを含み、前記第2ワイヤレス通信リンクは、Wi−Fi通信リンクを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記同期データは、前記第1音響スピーカデバイスのオーディオ再生データを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記同期データは、クロック同期データを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記クロック同期データは、ハートビート信号を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記同期データは、前記第1音響スピーカデバイスの前記第1バッファのバッファステータスデータを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項14】
前記第2音響スピーカデバイスは、前記第1音響スピーカデバイスから受信した前記デジタルオーディオデータをバッファリングするための第2バッファを備える、請求項7に記載の装置。
【請求項15】
前記第1音響スピーカデバイスは、前記第2音響スピーカデバイスへ前記同期データを周期的に送信する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第2音響スピーカデバイスは、前記第1音響スピーカデバイスからの同期データの受信間の時間間隔をトラッキングするように構成されている、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第2音響スピーカデバイスは、前記第1音響スピーカデバイスからの同期データの受信間のトラッキングされた時間間隔に基づいて、前記第2音響スピーカデバイスの前記第2バッファのステータス調節を計算するように構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第1音響スピーカデバイスと第2音響スピーカデバイスは、動作期間の後、前記第2音響スピーカデバイスが、(1)コネクション型通信プロトコルを介してデジタルオーディオデータを、(2)コネクションレス型通信プロトコルを介して同期データを、前記第1音響スピーカデバイスへワイヤレスに送信するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
ワイヤレスに通信する第1音響スピーカデバイスと第2音響スピーカデバイスとによるオーディオ再生を同期するための方法であって、
(1)デジタルオーディオデータと(2)同期データとを含むデータを、前記第1音響スピーカデバイスが、ワイヤレスに前記第2音響スピーカデバイスへ送信する工程を含んでおり、
前記第1音響スピーカデバイスは、コネクション型通信プロトコルを介して、前記第2音響スピーカへ前記デジタルオーディオデータをワイヤレスに送信し、
前記第1音響スピーカデバイスは、コネクションレス型通信プロトコルを介して、前記第2音響スピーカへ前記同期データをワイヤレスに送信する方法。
【請求項20】
前記コネクション型通信プロトコルを介して送信される前記デジタルオーディオデータは、TCP/IPプロトコルデータパケットを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記コネクション型通信プロトコルを介して送信される前記同期データは、UDPプロトコルデータパケットを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記コネクション型通信プロトコルを介して送信される前記同期データは、ICMPメッセージを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記コネクション型通信プロトコルを介して送信される前記デジタルオーディオデータは、TCP/IPプロトコルデータパケットを含み、
前記コネクション型通信プロトコルを介して送信される前記同期データは、UDPプロトコルデータパケットを含む,請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記第1音響スピーカデバイスは、第1イヤホンを含み、前記第2音響スピーカデバイスは、第2イヤホンを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記第1音響スピーカデバイスが、第1ワイヤレス通信リンクを介して、ワイヤレスデジタル音源からのデジタルオーディオデータをワイヤレスで受信する工程と、
前記第1音響スピーカデバイスが、前記ワイヤレスデジタル音源からの前記デジタルオーディオデータを、前記第1音響スピーカデバイスの第1バッファにバッファリングする工程とを含み、
前記第1音響スピーカデバイスによって、前記第2音響スピーカデバイスへ送信される前記デジタルオーディオデータは、前記第1音響スピーカデバイスの前記第1バッファにバッファリングされるデジタルオーディオデータを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記第1音響スピーカデバイスは、第2ワイヤレス通信リンクを介して、前記第2音響スピーカデバイスへワイヤレスに送信する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のワイヤレス通信リンクは、Wi−Fi通信リンクを含み、前記第2ワイヤレス通信リンクは、Wi−Fi通信リンクを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記同期データは、前記第1音響スピーカデバイスのオーディオ再生データを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記同期データは、クロック同期データを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記クロック同期データは、ハートビート信号を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記同期データは、前記第1音響スピーカデバイスの前記第1バッファのバッファステータスデータを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記第2音響スピーカデバイスは、前記第1音響スピーカデバイスから受信した前記デジタルオーディオデータをバッファリングするための第2バッファを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
前記第1音響スピーカデバイスは、前記第2音響スピーカデバイスへ前記同期データを周期的に送信する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第2音響スピーカデバイスが、前記第1音響スピーカデバイスからの前記同期データの受信間の時間間隔をトラッキングする工程を更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第2音響スピーカデバイスが、前記第1音響スピーカデバイスからの前記同期データの受信間のトラッキングされた時間間隔に基づいて、前記第2音響スピーカデバイスの前記第2バッファのステータス調節を計算する工程を更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
動作期間の後、前記第2音響スピーカデバイスによって、(1)コネクション型通信プロトコルを介してデジタルオーディオデータを、(2)コネクションレス型通信プロトコルを介して同期データを、前記第1音響スピーカデバイスへワイヤレスに送信する工程を更に含む、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−504937(P2013−504937A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528913(P2012−528913)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/048337
【国際公開番号】WO2011/031910
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(506236233)コス コーポレイション (6)
【出願人】(512061722)
【出願人】(512061733)
【出願人】(512061744)
【出願人】(512061755)
【出願人】(512061766)
【Fターム(参考)】