説明

同期処理回路及び映像信号処理回路、車載カメラシステム

【課題】 A/D変換用クロック及びD/A変換用クロックを作成するPLL回路についてA/D変換するラインのみで水平同期信号とクロック信号を分周したパルスの比較を行う様にした為、A/D変換のタイミングが変動しなくなり、安定した映像データを取り込むことができる同期処理回路を提供すること。
【解決手段】 2値複合同期信号について複合同期信号の立上りエッジを検出して水平同期信号を分離するXOR1_200及びD-FF1_201と、タイマーにより強制的に水平同期信号を追加するUPCOUNTER1_204及びCOMPARATOR2_202とを備え、UPCOUNTER1_204は1/2H以内に複合同期信号の立上りエッジを検出しても除外する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2値複合同期信号から水平同期信号を分離する同期処理回路、及び同期処理回路を有する映像信号処理回路、並びに映像信号処理回路を有する車載カメラシステムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来の同期信号処理回路においては、2値同期信号のときに選択される第1モノマルチバイブレータを、複合同期信号の立下りエッジでトリガされるリトリガ禁止型で構成したので、2値同期信号の立下りエッジを基準とした水平同期信号を得ている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−103337号公報(第2−12頁、全図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来にあっては、2値複合同期信号について複合同期信号の立下りエッジを検出することにより水平同期信号を作成しているが、2値複合同期信号について複合同期信号の立下りエッジを検出しているため、水平同期信号の立下りエッジは、正確だが、水平同期信号の立上りエッジは、システムのクロックタイミング等の影響であまり正確でない。
この為、水平同期信号の立上りエッジに同期したA/D変換用のクロックを作成するPLL回路について、等価パルス期間で水平同期信号の周期が乱れ、周波数変動が発生し、A/D変換のタイミングがずれD/A変換した映像が乱れるという現象が発生する。
【0004】
OSD回路についても、水平同期信号の立上りエッジに同期して動作する為水平同期信号の立上りエッジが正確でないとスーパーインポーズした文字等の映像が乱れるという現象が発生する。
また、水平同期信号HDOとCSYNCのタイミングについて、立上りエッジは同期している。しかし、立上りエッジ検出を行うと、奇数フィールドの等価パルス発生タイミングで水平同期信号が1パルス抜けるという問題点がある。
【0005】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、水平同期信号の立上りエッジのタイミングを安定化させ、且つ、A/D変換用クロック及びD/A変換用クロックを作成するPLL回路についてA/D変換するラインのみで水平同期信号とクロック信号を分周したパルスの比較を行う様にした為、A/D変換のタイミングが変動しなくなり、安定した映像データを取り込むことができる同期処理回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明では、2値複合同期信号について複合同期信号の立上りエッジを検出して水平同期信号を分離する手段と、タイマーにより強制的に水平同期信号を追加する手段と、タイマーにより1/2H以内に複合同期信号の立上りエッジを検出しても除外する手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
よって、本発明にあっては、複合同期信号の立上りエッジを検出するようにし、A/D変換用クロック及びD/A変換用クロックを作成するPLL回路についてA/D変換するラインのみで水平同期信号とクロック信号を分周したパルスの比較を行う様にした為、A/D変換のタイミングが変動しなくなり、安定した映像データを取り込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の同期処理回路を実現する実施の形態を、実施例1〜実施例3に基づいて説明する。
【実施例1】
【0009】
まず、構成を説明する。(名称と符号を明確に識別するため、以下「 _ 」を使用する)
まず、実施例1の同期処理回路について、図1のシステム図を参照して説明する。
VIDEOAMP1_101は、外部入力されたコンポジットビデオ信号であるCVIDEO_IN信号をA/D102の入力範囲迄増幅する。
【0010】
A/D102は、VIDEOAMP1_101で増幅されたCVIDEO_IN信号100をADCLK105に同期してA/D変換し、このデジタル値を、DATA103を介してフレームメモリ104に記憶させる。
このDATA信号103は、A/D102のA/D変換出力のデジタル値をフレームメモリ104に入力する為の信号線でA/D変換のbit幅分の複数線である。
【0011】
フレームメモリ104は、アドレス生成回路110からのADDRESSなどコントロール信号106による特定のアドレスへA/D102からのA/D変換データ信号であるDATA信号103のデジタル値を順に記憶する。
同期分離回路107は、CVIDEO_IN信号100よりCSYNC信号108を分離する。尚、CSYNC信号108は、CVIDEO_IN信号100の同期信号レベルを反転させた信号とする。
【0012】
同期信号処理回路109は、CSYNC信号108とCLK信号112を入力として、ODD信号113、VD信号114、HD信号115を作成する。
アドレス生成回路110は、CLK信号112、ODD信号113、VD信号114、HD信号115を入力とし、ADCLK信号105、DACLK信号125とフレームメモリ104へのADDRESSなどコントロール信号106を作成する。
PLL回路111は、HD信号115を入力とし、CLK信号112を分周した信号が、HD信号115の立上りエッジに同期したCLK信号112を作成する。また、アドレス生成回路110よりのMASK信号126がONの時、HD信号115とCLK信号112を分周した信号との比較結果の出力を中止する。
【0013】
ここで、CLK信号112は、PLL回路111にHD信号115を入力して、CLK信号112を分周した信号がHD信号115の立上りエッジに同期したCLK信号である。
ODD信号113は、CVIDEO_IN信号100の現在のフィールドが偶数フィールドか奇数フィールドかを示す信号である。
VD信号114は、垂直同期信号でLoレベルの時、垂直同期状態を示す。
HD信号115は、水平同期信号でLoレベルの時、水平同期状態を示す。
設定値0信号116は、CVIDEO_OUT1_信号120の同期信号レベルになるものである。
【0014】
セレクタ117は、CYNC信号108の出力である同期信号出力期間では、設定値0信号116を選択し、これ以外では、フレームメモリ104のデータを選択する。
D/A118では、セレクタ117のデジタル出力をDACLK信号125に同期して、アナログ信号に変換する。
VIDEOAMP2_119は、D/A118の出力をモニタ等の入力に必要なレベル迄増幅する。
ここで、CVIDEO_OUT1信号120は、モニタ等に映像を入力する為の出力信号である。
OSD121は、D/A118の出力に文字情報等をスーパーインポーズし、タイミングを取る為に映像信号と別に複合同期信号を入力する。入力する複合同期信号について、検出したHD信号(水平同期信号)115とVD信号(垂直同期信号)114をXOR124でExclusive-ORした信号を入力する。
【0015】
VIDEOAMP3_122は、OSD121の出力をモニタ等の入力に必要なレベル迄増幅する。
ここで、CVIDEO_OUT2信号123は、モニタ等に映像を入力する為の出力信号である。
XOR124は、同期信号処理回路109で検出したHD信号115とVD信号114をExclusive-ORし、擬似複合同期信号を作成する。
ここで、DACLK信号125は、D/A118のD/A変換するタイミングを取る信号でアドレス生成回路110より作成される。
MASK信号126は、アドレス生成回路110よりPLL回路111に入力して、HD信号115とCLK信号112を分周した信号との比較結果の出力を中止させる信号である。
【0016】
次に、同期信号処理回路109の構成について図2を参照して説明する。
XOR1_200は、CSYNC信号108に対してレベルを反転させ、さらに、VD信号114が垂直同期状態の時、CSYNC信号108のレベルが反転している為、そのまま通過させる。
D-FF1_201は、XOR1_200の出力をクロック入力し、データ入力は、1になっている為、クロックの立上りエッジが入力されるとQ出力に1が出力される。また、COMPARATOR2_202の出力が1の時、リセットされる。
【0017】
COMPARATOR2_202は、UPCOUNTER1_204のカウント値が設定値2を超える時、1が出力される。出力はHD信号115になる。
COMPARATOR4_203は、UPCOUNTER1_204のカウント値が設定値4未満の時、0が出力される。
UPCOUNTER1_204は、CLK信号112をクロック入力し、CLK信号112の立上りエッジが入力されるとカウントアップする。また、OR1_206の出力が1の時、リセットする。(設定値2以上経過後にCSYNC信号108の立下りエッジが入力されるか設定値1に達するまでカウントし、リセットする。)
【0018】
COMPARATOR1_205は、UPCOUNTER1_204のカウント値が設定値1を超える時、1が出力される。
OR1_206は、D-FF1_201出力とCOMPARATOR1_205出力をOR処理する。
【0019】
NOT4_221は、VD信号114を反転する。
D-FF2_207は、COMPARATOR4_203の出力をNOT4_221出力の立上りエッジでサンプリングする。出力は、CSYNC信号108の現在のフィールドが偶数フィールドか奇数フィールドかを示すODD信号113になる。
NOT2_214は、CSYNC信号108を反転する。
AND1_211は、CLK信号112とCSYNC信号108とCOMPARATOR5_213の出力をAND処理する。
【0020】
UPCOUNTER2_212は、AND1_211の出力をクロック入力し、立上りエッジが入力された時、カウントアップする。また、NOT2_214の出力が1の時、DOWNCOUNTER216のカウント値をロードする。(CSYNC信号108が同期状態の時、カウントアップする。)
COMPARATOR5_213は、UPCOUNTER2_212のカウント値が設定値5未満の時、1が出力される。(UPCOUNTER2の最大値リミッタ)
NOT1_210は、CSYNC信号108のレベルを反転する。
NOT3_220は、CLK信号112を反転する。
【0021】
AND2_215は、NOT3_220の出力とNOT1_210の出力及びCOMPARATOR7_217の出力をANDする。
DOWNCOUNTER216は、AND2_215の出力をクロック入力し、立上りエッジが入力された時、カウントダウンする。また、CSYNC信号108が1の時、UPCOUNTER2_212のカウント値をロードする。(CSYNC信号108が非同期状態の時、カウントダウンする。)
【0022】
COMPARATOR7_217は、DOWNCOUNTER216のカウント値が設定値0を超えている時、1が出力される。(DOWNCOUNTER216の最小値リミッタ)
SELECTER218は、CSYNC信号108のレベルが1の時、UPCOUNTER2_212のカウント値を選択し、出力し、CSYNC信号108のレベルが0の時DOWNCOUNTER216のカウント値を選択し、出力する。
COMPARATOR6_219は、SELECTOR218の出力が設定値6を超える時、0が出力される。出力は、VD信号114になる。
【0023】
次にPLL回路111の構成について、図3を参照して説明する。
D-FF1_400は、CLK信号112をUPCOUNTER1_403とCOMPARATOR1_404により分周したパルス信号の立上りエッジが入力された時、データが1の為Q出力は1となる。また、DECORDER402のY3出力によりリセットされる。
D-FF2_401は、HD信号115の立上りエッジが入力された時、データが1の為Q出力は1となる。また、DECORDER402のY3出力によりリセットされる。
【0024】
DECORDER402は、D-FF1_400のQ出力とD-FF2_401のQ出力を入力して2入力4出力にデコードする。
この関係は、D-FF1_400のQ出力:0 1 0 1
【0025】
D-FF2_401のQ出力:0 0 1 1
【0026】
デコード出力Y0:1 0 0 0
【0027】
デコード出力Y1:0 1 0 0
【0028】
デコード出力Y2:0 0 1 0
【0029】
デコード出力Y3:0 0 0 1 となる。
【0030】
NOT1_411は、MASK信号126を反転する。MASK時に0となる。
AND1_407は、DECORDER402のY1出力とNOT1_411出力とをAND処理する。
AND2_408は、DECORDER402のY2出力とNOT1_411出力とをAND処理する。
3stateBuffer1_409は、AND1_407の出力が1の時0を出力し、0の時Openとなる。
3stateBuffer2_410は、AND2_408の出力が1の時1を出力し、0の時Openとなる。
【0031】
LPF405は、3stateBuffer1_409の出力と3stateBuffer2_410の出力とをワイヤードORした信号を入力し、積分処理を行う。
VCO406は、LPF405出力の電圧に比例した周波数のパルスを出力する。出力は、CLK信号112となる。
UPCOUNTER1_403は、CLK信号112の立上りエッジが入力された時、カウントアップする。COMPARATOR1_404の出力が1の時、リセットする。
COMPARATOR1_404は、UPCOUNTER1_403のカウント値と設定値1を比較して、設定値1以上の時1を出力する。
【0032】
次に、アドレス生成回路110の構成について、図4を参照して説明する。
D-FF1_308は、CLK信号112の立上りエッジがCLKに入力された時、Q’の出力がDATA入力されている為Q出力にCLK信号112の立上りエッジがCLKに入力された直後のQ’出力のレベルが出力され、Q’出力には、Q出力の反転したレベルが出力される。
NOT1_309は、CLK信号112のレベルを反転する。
NAND1_310は、NOT1_309の出力とD-FF1_308のQ出力とAND3_313出力とをNANDする。書き込みパルスWRとなる。(CLK信号112を1/2分周し、D-FF1_308のQ出力が1で、CLK信号112が0で、UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値1以上、設定値2未満で、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値3以上、設定値4未満の時、0を出力する。)
【0033】
NAND2_334は、NOT1_309出力とD-FF1_308のQ’出力とAND5_315出力をNANDする。読み出しパルスRDとなる。(CLK信号112を1/2分周し、D-FF1_308のQ’出力が1で、CLK信号112が0で、UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値5以上、設定値6未満で、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値7以上、設定値8未満の時、0を出力する。)
【0034】
NAND3_326は、CLK信号112とAND3_313出力とをNAND処理する。この出力がADCLK105となる。(UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値1以上、設定値2未満で、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値3以上、設定値4未満の時、CLK信号112のレベルを反転し出力する。)
【0035】
NAND4_327は、CLK信号112とAND5_315の出力とをNAND処理する。出力信号は、DACLK125となる。(UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値5以上、設定値6未満で、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値7以上、設定値8未満の時、CLK信号112のレベルを反転し出力する。)
NOT2_328は、HD信号115のレベルを反転する。
UPCOUNTER1_300は、D-FF1_308のQ出力の立上りエッジをカウントアップする。また、NOT2_328の出力が1の時、リセットする。
【0036】
COMPARATOR1_304は、UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値1以上の時、1を出力する。
COMPARATOR2_305は、UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値2未満の時、1を出力する。
AND3_313は、COMPARATOR1_304出力とCOMPARATOR2_305出力及びAND4_314出力とをANDする。(UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値1以上、設定値2未満の時で、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値3以上、設定値4未満の時1を出力する。)
【0037】
COMPARATOR5_316は、UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値5以上の時、1を出力する。
COMPARATOR6_317は、UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値6未満の時、1を出力する。
AND5_315は、COMPARATOR5_316の出力とCOMPARATOR6_317の出力及びAND6_321の出力とをAND処理する。(UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値5以上、設定値6未満で、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値7以上、設定値8未満の時、1を出力する。)
【0038】
NOT5_331は、VD信号114のレベルを反転する。
UPCOUNTER4_303は、HD信号115の立上りエッジをカウントアップする。また、NOT5_331の出力が1の時、リセットする。
COMPARATOR3_306は、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値3以上の時、1を出力する。
COMPARATOR4_307は、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値4未満の時、1を出力する。
【0039】
AND4_314は、COMPARATOR3_306の出力とCOMPARATOR4_307の出力とをANDする。(UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値3以上、設定値4未満の時、1を出力する。)
NOT8_335は、AND4_314の出力レベルを反転する。この出力はMASK信号126となる。
COMPARATOR7_318は、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値7以上の時、1を出力する。
【0040】
COMPARATOR8_319は、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値8未満の時、1を出力する。
AND6_321は、COMPARATOR7_318の出力とCOMPARATOR8_319の出力とをAND処理する。(UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値7以上、設定値8未満の時、1を出力する。)
AND1_311は、D-FF1308のQ出力とAND3_313の出力とをAND処理する。
【0041】
NOT3_329は、HD信号115のレベルを反転する。
UPCOUNTER2_301は、AND1_311出力の立上りエッジをカウントアップする。また、NOT3_329出力が1の時、リセットする。(UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値3以上、設定値4未満で、UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値1以上、設定値2未満の時、D-FF1_308のQ出力の立上りエッジをカウントアップする。書き込みアドレスのA0-Anとなる。)
AND2_312は、HD信号115とAND4_314の出力とをAND処理する。
NOT4_330は、VD信号114のレベルを反転する。
UPCOUNTER3_302は、AND2_312の出力の立上りエッジをカウントアップする。また、NOT4_330の出力が1の時、リセットする。(UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値3以上、設定値4未満の時、HD信号115の立上りエッジをカウントアップする。書き込みアドレスのAn+1-Am+n+1となる。)
【0042】
AND7_324は、D-FF1_308のQ出力とAND5_315出力とをAND処理する。
NOT6_332は、HD信号115レベルを反転する。
UPCOUNTER5_322は、AND7_324の出力の立上りエッジをカウントアップする。NOT6_332の出力が1の時、リセットする。(UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値7以上、設定値8未満で、UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値5以上、設定値6未満の時、D-FF1_308のQ出力の立上りエッジをカウントアップする。読み出しアドレスのA0-Anとなる。)
AND8_325は、HD信号115とAND6_321出力とをAND処理する。
【0043】
NOT7_333は、VD信号114レベルを反転する。
UPCOUNTER6_323は、AND8_325の出力立上りエッジをカウントアップする。また、NOT7_333の出力が1の時、リセットする。(UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値7以上、設定値8未満の時、HD信号115の立上りエッジをカウントアップする。読み出しアドレスのAn+1-Am+n+1となる。)
SELECTOR1_320は、D-FF1308のQ出力が1の時、書き込みアドレスA0-Am+n+1を選択し、0の時、書き込みアドレスA0-Am+n+1を選択する。
【0044】
次に、作用を説明する。
【0045】
[2値複合同期信号の同期処理]
コンポジットビデオ信号であるCVIDEO_IN信号100を入力し、ビデオアンプ(VIDEOAMP1_101)にて、この映像信号を増幅してA/D102に入力し、CLK信号112を分周した信号がHD信号115の立上りエッジに同期したADCLK信号105にてA/D変換して、フレームメモリ104に記憶する。
フレームメモリ104に記憶した映像データを読み出し、CLK信号112を分周した信号がHD信号115の立上りエッジに同期したDACLK信号125にてD/A変換して、VIDEOAMP2_119で増幅してCVIDEOOUT1_120を出力する。
【0046】
D/A変換した映像信号とHD信号114とVD信号115をExclusive-ORし、擬似複合同期信号とを入力してOSD121により文字情報等をスーパーインポーズしてVIDEOAMP3_122で増幅してCVIDEO_OUT2信号123を出力する。
また、CVIDEO_IN信号100は、同期分離回路107により、2値複合同期信号であるCSYNC信号108を分離し、さらに同期信号処理回路109により、HD信号115とVD信号114、ODD信号113を作成する。
この3つの信号とCLK信号112よりアドレス生成回路110にてフレームメモリ104のアドレス等コントロール信号を作成する。
CLK信号112は、PLL回路111にてCLK信号112を分周した信号がHD信号115の立上りエッジに同期した信号を作成する。また、CLK信号112を分周した信号とHD信号115の立上りエッジの比較は、A/D変換を行うラインのみで行う。
【0047】
[同期信号処理回路による処理]
UPCOUNTER1_204は、設定値2を超えた後にCSYNC信号108の立下りエッジが入力されるか設定値1に達するまでカウントアップし、リセットする。
UPCOUNTER2_212は、CSYNC信号108が同期状態の時、設定値5迄カウントアップする。
CSYNC信号108が非同期状態の時、DOWNCOUNTER216のカウント値をロードし続ける。
DOWNCOUNTER216は、CSYNC信号108が非同期状態の時、0になる迄カウントダウンする。
【0048】
CSYNC信号108が同期状態の時、UPCOUNTER2_212のカウント値をロードし続ける。
UPCOUNTER2_212とDOWNCOUNTER216は、半周期ずらしてカウントすることによりハザートを防止する。
HD信号115は、UPCOUNTER1_204のカウント値が設定値2以下の時、0を出力する。
VD信号114は、CSYNC信号108が1(同期状態)の時、UPCOUNTER2_212のカウント値を、0(非同期状態)の時、DOWNCOUNTER216のカウント値を選択し、設定値6未満の時、1を出力する。また、設定値6以上の時、0を出力する。
ODD信号113は、VD信号114の立下りエッジ発生時、UPCOUNTER1_204のカウント値が設定値4未満の時0(奇数フィールド)を出力する。また、設定値4以上の時、1(偶数フィールド)を出力する。
【0049】
[PLL回路による処理]
CLK信号112をUPCOUNTER1_403とCOMPARATOR1_404により分周したパルス信号は、CLK信号112の立上りエッジがUPCOUNTER1_403に入力されるとカウントアップし、設定値1に達するとCOMPARATOR1_404の出力が1となり、UPCOUNTER1_403は、リセットされる。この繰り返しにより、CLK信号112を分周する。
COMPARATOR1_404の出力は、同時にD-FF1_400のCLKに入力され、D-FF1_400のQ出力も1となる。
HD信号115の立上りエッジが入力された時、D-FF2_401のQ出力が1となる。
D-FF1_400のQ出力がD-FF2_401のQ出力より早く1になると、DECORDER402のY1出力が1となる。
【0050】
D-FF2_401のQ出力がD-FF1_400のQ出力より早く1になると、DECORDER402のY2出力が1となる。
D-FF1_400のQ出力とD-FF2_401のQ出力共に1の時、DECORDER402のY3出力が1となり、D-FF1_400のQ出力とD-FF2_401のQ出力が共にリセットされる。
MASK信号126が0の場合、DECORDER402のY1出力が1の時3stateBuffer1_409出力より0が出力され、DECORDER402のY2出力が1の時、3stateBuffer2_410出力より1が出力される。
【0051】
MASK信号126が1の場合、DECORDER402のY1出力又は、Y2出力が1の時でも3stateBuffer1_409出力及び3stateBuffer2_410の出力はOpenになる。
LPF405は、3stateBuffer1_409出力と3stateBuffer2_410出力とをワイヤードORした信号を入力し、積分処理を行い、VCO406は、LPF405出力の電圧に比例した周波数のパルスをCLK信号112として出力する。
【0052】
[アドレス生成回路による処理]
UPCOUNTER1_300は、CLK信号112を1/2分周した出力の立上りエッジをカウントアップする。また、HD信号115が0(同期期間)の時、リセットする。
UPCOUNTER4_303は、HD信号115の立上りエッジをカウントアップする。また、VD信号114が0(同期期間)の時、リセットする。
書き込みパルスWRは、CLK信号112を1/2分周し、D-FF1_308のQ出力が1で、CLK信号112が0で、UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値1以上、設定値2未満で、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値3以上、設定値4未満の時、0を出力する。
読み出しパルスRDは、CLK信号112を1/2分周し、D-FF1_308のQ’出力が1で、CLK信号112が0で、UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値5以上、設定値6未満で、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値7以上、設定値8未満の時、0を出力する。
【0053】
ADCLK105は、UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値1以上、設定値2未満で、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値3以上、設定値4未満の時、CLK信号112のレベルを反転し出力する。
DACLK信号125は、UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値5以上、設定値6未満で、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値7以上、設定値8未満の時、CLK信号112のレベルを反転し出力する。
読み出しアドレスのA0-Anは、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値7以上、設定値8未満で、UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値5以上、設定値6未満の時、D-FF1_308のQ出力の立上りエッジをUPCOUNTER5_322によりカウントアップする。また、HD信号115が0(同期期間)の時、リセットする。
【0054】
読み出しアドレスのAn+1-Am+n+1は、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値7以上、設定値8未満の時、HD信号115の立上りエッジをUPCOUNTER6_323によりカウントアップする。また、VD信号114が0(同期期間)の時、リセットする。
書き込みアドレスのA0-Anは、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値3以上、設定値4未満で、UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値1以上、設定値2未満の時、D-FF1_308のQ出力の立上りエッジをUPCOUNTER2_301によりカウントアップする。また、HD信号115が0(同期期間)の時、リセットする。
書き込みアドレスのAn+1-Am+n+1は、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値3以上、設定値4未満の時、HD信号115の立上りエッジをUPCOUNTER3_302によりカウントアップする。また、VD信号114が0(同期期間)の時、リセットする。
【0055】
最終アドレス出力は、SELECTOR1_320にて、D-FF1_308のQ出力により1の時、書き込みアドレスA0-Am+n+1を選択し、0の時、読み出しアドレスA0-Am+n+1を選択し、さらにODD信号113をAm+n+2として出力する。
MASK信号126は、UPCOUNTER4_303のカウント値が設定値3以上、設定値4未満の時、0を出力する。
【0056】
[同期処理回路の奇数フィールドでのタイミング]
実施例1における同期処理回路109の奇数フィールドでのタイミングを、図5を参照して説明する。
SELECTOR218は、CSYNC信号108が1(同期状態)の時、UPCOUNTER2_212のカウント値を、0(非同期状態)の時、DOWNCOUNTER216のカウント値を選択し、4Hから6Hまでの垂直同期期間の時、CSYNC信号108の1の期間が長い為、カウント値がリミッタの設定値5迄上昇する。また、7H以降は、CSYNC信号108の0の期間が長い為、カウント値が0迄下降する。
VD信号114は、SELECTOR218が垂直同期期間でカウント値が設定値6以上となり垂直同期状態である0を出力する。7H以降は、カウント値が0迄下降する為、設定値6未満となり1を出力する。
【0057】
D-FF1_201(Q)は、D_FF1_201(CLK)の立上りで1を出力する。UPCOUNTER1_204のカウント値が、D_FF1_201(CLK)の立上りが入力されるとクリアされて設定値2以下になる為、0を出力する。
4H時、UPCOUNTER1_204のカウント値が設定値1に達する前にCSYNC信号108の立上りが入力されない為、出力が1にならない。
UPCOUNTER1_204のカウント値が設定値1に達する時、つまりCOMPARATOR1_205出力が1の時にクリアされる。
また、等価パルス(1/2H)の同期信号には、UPCOUNTER1_204のカウント値が設定値2に達しない為、反応しない。
【0058】
COMPARATOR2_202(HD信号115)は、UPCOUNTER1_204のカウント値がクリアされた時、1を出力する。UPCOUNTER1_204のカウント値が設定値2に達した時、0を出力する。
COMPARATOR4_203は、UPCOUNTER1_204のカウント値が設定値4未満の時、0を出力する。4以上の時、1を出力する。
ODD信号113は、VD信号114が立ち下がった時、COMPARATOR4_203の出力が0の時、0を出力する。1の時、1を出力する。
奇数フィールドでは、垂直同期信号の始まりと水平同期信号の始まりが一致する為、0となる。
【0059】
[同期処理回路の偶数フィールドでのタイミング]
実施例1における同期処理回路109の偶数フィールドでのタイミングを、図6を参照して説明する。
偶数フィールドでは、垂直同期信号の始まりと水平同期信号の始まりが1/2Hずれる。この為、D-FF1_201(Q)は、266H時にUPCOUNTER1_204のカウント値が設定値1に達する前にD_FF1_201(CLK)の立上りが入力され、出力が1になる。
【0060】
[PLL回路のタイミング]
実施例1におけるPLL回路111のタイミングを、図7を参照して説明する。
T1において、分周クロック信号の立上りエッジがHD信号115の立上りエッジより早い為、DECORDER402のY1出力が1となる。
次に、HD信号115の立上りエッジにより、DECORDER402のY1からY3出力が1となり、D-FF1_400のQ出力とD-FF2_401のQ出力が共にリセットされ、DECORDER_402のY3出力も0となる。
LPF405入力は、DECORDER402のY1出力が1になると3stateBuffer1_409出力より0が入力され、積分してLPF405の出力電圧は降下する。
【0061】
VCO406は、LPF405の出力電圧の降下により、周波数を低くする。
T2において、分周クロック信号の周波数が低下する為、HD信号115の立上りエッジの方が先となりDECORDER402のY2出力が1となる。
次に、分周クロック信号の立上りエッジにより、DECORDER402のY2からY3出力が1となり、D-FF1_400のQ出力とD-FF2_401のQ出力が共にリセットされ、DECORDER402のY3出力も0となる。
【0062】
LPF405入力は、DECORDER402のY2出力が1となると3stateBuffer2_410出力より1が入力され、積分してLPF405の出力電圧は、上昇する。
VCO406は、LPF405の出力電圧の上昇により、周波数を高くする。
以降、これらの動作を繰り返して、分周クロック信号の立上りエッジがHD信号115の立上りエッジに同期したCLK信号112を作成する。
T3において、MASK信号126が1となり、DECORDER402のY1出力又は、Y2出力が1の時でも3stateBuffer1_409出力及び3stateBuffer2_410出力はOpenになる。
【0063】
[アドレス生成回路のCLKに関するタイミング]
実施例1におけるアドレス生成回路110のCLKに関するタイミングを、図8を参照して説明する。
CLK信号112をD-FF1_308により1/2分周する。D-FF1_308のQ出力が1の時、A/D102によりA/D変換を行い、フレームメモリ104に対して書き込みを行う。
D-FF1_308のQ出力が0の時、フレームメモリ104に対して読み出しを行い、D/A118によりD/A変換を行う。
【0064】
アドレスは、D-FF1_308のQ出力が1の時、書き込みアドレス(Aw)を出力し、0の時、読み出しアドレス(Ar)を出力する。
書き込みパルス(WR)NAND1_310出力は、CLK信号112が0でD-FF1_308のQ出力が1の時、0出力する。
読み出しパルス(RD)NAND2_334出力は、CLK信号112が0でD-FF1_308のQ’出力が1の時、0出力する。
【0065】
[アドレス生成回路のアドレス関係のタイミング]
実施例1におけるアドレス生成回路110のアドレス関係のタイミングを、図9を参照して説明する。
本実施例1は、設定値1と設定値5を同一の値とする。また、設定値2と設定値6も同一の値とする。設定値3と設定値7も同一の値とする。設定値4と設定値8も同一の値とする。
T1にて、HD信号115が0(同期期間)の時、UPCOUNTER1_300とUPCOUNTER2_301及びUPCOUNTER5_322をリセットする。
HD信号115が0から1になる時、UPCOUNTER3_302とUPCOUNTER4_303及びUPCOUNTER6_323がカウントアップする。
【0066】
HD信号115が1の時、UPCOUNTER1_300は、CLK信号112の立上りエッジが入力される毎にカウントアップする。
UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値1以上設定値2未満の間、UPCOUNTER2_301がカウントアップする。
ADCLK105は、UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値1以上設定値2未満の間、CLK信号112の反転信号を出力する。
UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値5以上、設定値6未満の間、UPCOUNER5_322がカウントアップする。
DACLK125は、UPCOUNTER1_300のカウント値が設定値5以上、設定値6未満の間、CLK信号112の反転信号を出力する。
T2にて、HD信号115が0から1になる時、UPCOUNTER3_302がカウントアップする。UPCOUNTER4_303は、設定値4以上の為、カウントアップしない。UPCOUNTER6_323は、設定値8以上の為、カウントアップしない。
【0067】
T3にて、VD信号114が0(同期期間)となりUPCOUNTER3_302とUPCOUNTER4_303及びUPCOUNTER6_323、UPCOUNTER2_301、UPCOUNTER5_322はリセット状態になる。
T4にて、VD信号114が1となる。
T5にて、HD信号115が0から1になる時、UPCOUNTER3_302がカウントアップする。
T6にて、HD信号115が0から1になる時、UPCOUNTER3_302がカウントアップする。
UPCOUNTER4_303は、UPCOUNTER3_302のカウント値が設定値3以上となり、カウントアップする。
UPCOUNTER6_323は、UPCOUNTER3_302のカウント値が設定値7以上となりカウントアップする。
UPCOUNTTER5_322は、UPCOUNTER3_302のカウント値が設定値3以上となりUPCOUNTER1_300のカウント値が設定値5以上、設定値6未満の間、カウントアップする。
UPCOUNTER2_301は、UPCOUNTER3_302のカウント値が設定値3以上となりUPCOUNTER1_300のカウント値が設定値1以上、設定値2未満の間、カウントアップする。
[立上りエッジによる水平同期信号の生成作用]
実施例1では、入力した複合同期信号を同期分離回路107で反転させたものを、同期信号処理回路109のXOR1_200でさらに反転し、その状態で複合同期信号の立上りエッジを検出し、UPCOUNTER1_204で時間をカウントして水平同期信号を強制的に生成する。そのため、水平同期信号は複合同期信号の立上りエッジと良好に同期する。よって、水平同期信号の立上りエッジが正確になり、映像の乱れが防止される。
【0068】
次に効果を説明する。実施例1の同期処理回路及び映像信号処理回路にあっては、次に列挙する効果を有する。
(1)2値複合同期信号について複合同期信号の立上りエッジを検出して水平同期信号を分離するXOR1_200及びD-FF1_201と、タイマーにより強制的に水平同期信号を追加するUPCOUNTER1_204及びCOMPARATOR2_202とを備え、UPCOUNTER1_204は1/2H以内に複合同期信号の立上りエッジを検出しても除外するため、安定した映像データを取り込むことができる。
(2)2値複合同期信号について複合同期信号のレベルによりタイマーをアップカウントするUPCOUNTER2_212及びダウンカウントするDOWNCOUNTER216と、カウント値と設定値6により垂直同期信号を分離するCOMPARATOR6_219とを備えるため、2値複合同期信号の立上りエッジとズレのない垂直同期信号を生成することができる。
【0069】
(3)2値複合同期信号について複合同期信号より分離した垂直同期信号の立下りエッジを検出するD-FF2_207と、2値複合同期信号について複合同期信号より分離した水平同期信号の周期をカウントするUPCOUNTER1_202と、カウント値と設定値4の比較を行うCOMPARATOR4_203とを備え、D-FF2_207は垂直同期信号の立下りエッジを検出時に比較結果により奇数フィールドと偶数フィールドに分離するため、垂直同期信号とズレのない奇数フィールドと偶数フィールドの判定を行うことができる。
(4)水平同期信号の周期時間の最小時間(設定値1)と最大時間(設定値2)を設定し、最後の2値複合同期信号の立上りエッジを検出するD-FF1_201と、最後の立上りエッジを検出してから水平同期信号の周期時間が最小時間(設定値1)に達するのを検知し、最小時間(設定値1)に達すると水平同期信号をON又はローレベルに変更するCOMPARATOR1_205と、最大時間(設定値2)に達するのを検知し、最大時間(設定値2)に達すると水平同期信号をOFF又はハイレベルに変更するCOMPARATOR2_202とを備え、D-FF1_201は最大時間に達する前に再度立上りエッジが入力されると水平同期信号をOFF又はハイレベルに変更するため、安定した映像データを取り込むことができる。
【0070】
(5)同期処理回路109で生成した水平同期信号に対して、A/D変換するラインのみで水平同期信号の立上りエッジとクロック信号の分周したパルスの立上りエッジの比較を行う様にし、前記水平同期信号の立上りエッジに同期したクロック信号を発生させるPLL回路111を備えるため、A/D変換のタイミングが変動しなくなり、より安定した映像データを取り込むことができる。
(6)水平同期信号と垂直同期信号とフィールド判別信号とクロック信号によりフレームメモリの書き込みアドレスと読み出しアドレスを独立に作成するアドレス生成回路110を備えるため、書き込みアドレスと読み出しアドレスを別の制御に使用して、より有用な映像信号処理回路にできる。
(7)水平同期信号と垂直同期信号をExclusive-ORした擬似複合同期信号をOSD121の同期信号入力に入力するようにしたため、OSDのスーパーインポーズした文字等の映像も綺麗に表示できる。
【実施例2】
【0071】
実施例2は、車載カメラの出力をシステムのコンポジットビデオ入力に接続した車載カメラシステムである。
図10に実施例2のシステム図を示す。
傾斜センサ127は、坂道の角度を示す。
A/D128は、傾斜センサ126の出力をA/D変換する。
データ変換129は、A/D128のデジタル出力をアドレス生成130に入力できるデータに変換する。
アドレス生成130は、実施例1のアドレス生成回路110に対してデータ変換129の出力を入力し、設定値3又は設定値7の値を更新する。
【0072】
次に作用を説明する。
[遠方を見やすくする作用]
図11において、傾斜センサ127の出力が0度の時、垂直書き込み開始位置及び垂直読み出し開始位置は、例えば19ライン目から行う。
上り坂の場合、傾斜センサ127の出力は0度より大きくなり、垂直読み出し開始位置を0度の時よりライン数を増やす様に図4の設定値7の値を更新する。設定値3は、19ライン目にする。
下り坂の場合、傾斜センサ127の出力は0度より小さくなり、垂直書き込み開始位置を0度の時よりライン数を増やす様に図4の設定値3の値を更新する。設定値7は、19ライン目にする。
【0073】
次に効果を説明する。実施例2の車載カメラシステムは、実施例1の効果に加えて以下の効果を有する。
(8)映像信号を一時的に記憶するフレームメモリ104を映像信号処理回路に設け、車両の傾斜を検知する傾斜センサ127を設け、傾斜センサ127の出力によりアドレス生成部130がフレームメモリ104の書き込みアドレス及び読み出しアドレスの開始アドレスを変更するため、車両が傾斜する状況に対応して、より遠方を見やすい車載カメラにすることができる。
【実施例3】
【0074】
実施例3は、車載カメラの出力を実施例2のコンポジットビデオ入力に接続した車載カメラシステムである。
図12を参照して構成を説明する。
舵角センサ131は、ハンドルに取り付け、舵角を計測する。計測はデジタルで出力される。
データ変換132は、舵角センサ131のデジタル出力をアドレス生成133に入力できるデータに変換する。
アドレス生成133は、実施例1のアドレス生成回路110に対してデータ変換132の出力を入力し、図4の設定値1又は設定値5の値を更新する。
【0075】
作用を説明する。
図13において、舵角センサ131の出力が0度の時、水平書き込み開始位置及び水平読み出し開始位置は、例えば68ドット目から行う。
右カーブの場合、舵角センサ131の出力は0度より大きくなり、水平書き込み開始位置を0度の時よりドット数を増やす様に図4の設定値1の値を更新する。設定値5は、68ドット目にする。
左カーブの場合、舵角センサ131の出力は0度より小さくなり、水平読み出し開始位置を0度の時よりドット数を増やす様に図4の設定値5の値を更新する。設定値1は、68ドット目にする。
カーブを走行中、車載カメラの映像は、カーブの先を映すのではなくカーブからはずれた車両の前方映像を映すことになる。
よって、舵角センサを追加して舵角センサの出力に合わせて映像の中心を左右に振ることにより遠方が見やすくなる。例えば、右カーブの場合、車載カメラの映像の中心を左にずらす。
【0076】
次に効果を説明する。実施例3の車載カメラシステムでは、実施例1の効果に加えて以下の効果を有する。
(9)映像信号処理回路を車両に設け、映像信号を一時的に記憶するフレームメモリ104を映像信号処理回路に設け、車両のハンドルの操舵角を検出するハンドル舵角センサ131を設け、ハンドル舵角センサ131の出力によりアドレス生成部133がフレームメモリ104の書き込みアドレス及び読み出しアドレスの開始アドレスを変更するため、車両がカーブを走行するような舵角を伴う状況に応じて、より遠方を見やすい車載カメラにすることができる。
【0077】
以上、本発明の同期処理回路を実施例1〜実施例3に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】実施例1の映像信号処理回路のシステム図である。
【図2】実施例1の同期処理回路のブロック図である。
【図3】実施例1のPLL回路のブロック図である。
【図4】実施例1のアドレス生成回路のブロック図である。
【図5】実施例1の同期処理回路の奇数フィールドでのタイミングを示すタイムチャート図である。
【図6】実施例1の同期処理回路の偶数フィールドでのタイミングを示すタイムチャート図である。
【図7】実施例1のPLL回路のタイミングを示すタイムチャート図である。
【図8】実施例1のアドレス生成回路のCLKに関するタイミングを示すタイムチャート図である。
【図9】実施例1のアドレス生成回路のアドレス関係のタイミングを示すタイムチャート図である。
【図10】実施例2の車載カメラシステムの映像信号処理回路のシステム図である。
【図11】実施例2における傾斜角度に対する傾斜センサ出力、垂直読み出し開始位置、垂直書き込み開始位置の関係を示す説明図である。
【図12】実施例3の車載カメラシステムの映像信号処理回路のシステム図である。
【図13】実施例3における舵角に対する舵角センサ出力、水平読み出し開始位置、水平書き込み開始位置の関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0079】
100 CVIDEO_IN信号
101 VIDEOAMP1
102 A/D
103 DATA
104 フレームメモリ
105 ADCLK
106 (ADDRESS等の)コントロール信号
107 同期分離回路
108 CSYNC信号
109 同期信号処理回路
110 アドレス生成回路
111 PLL回路
112 CLK信号
113 ODD信号
114 VD信号
115 HD信号
116 設定値0信号
117 セレクタ
118 D/A
119 VIDEOAMP_2
120 CVIDEO_OUT1信号
121 OSD
122 VIDEOAMP3
123 CVIDEO_OUT2信号
124 XOR
125 DACLK信号
126 MASK信号
127 傾斜センサ
128 A/D
129 データ変換
131 舵角センサ
132 データ変換
200 XOR1
201 D-FF1
202 COMPARATOR2
203 COMPARATOR4
204 UPCOUNTER1
205 COMPARATOR1
206 OR1
207 D-FF2
210 NOT1
211 AND1
212 UPCOUNTER2
213 COMPARATOR5
214 NOT2
215 AND2
216 DOWNCOUNTER
217 COMPARATOR7
218 SERECTER
219 COMPARATOR6
220 NOT3
221 NOT4
300 UPCOUNTER1
301 UPCOUNTER2
302 UPCOUNTER3
303 UPCOUNTER4
304 COMPARATOR1
305 COMPARATOR2
306 COMPARATOR3
307 COMPARATOR4
308 D-FF1
309 NOT1
310 NAND1
311 AND1
312 AND2
313 AND3
314 AND4
315 AND5
316 COMPARATOR5
317 COMPARATOR6
318 COMPARATOR7
319 COMPARATOR8
320 SELECTOR1
321 AND6
322 UPCOUNTER5
323 UPCOUNTER6
324 AND7
325 AND8
326 NAND3
327 NAND4
328 NOT2
329 NOT3
330 NOT4
331 NOT5
332 NOT6
333 NOT7
400 D-FF1
401 D-FF2
403 UPCOUNTER1
404 COMPARATOR1
405 LPF
406 VCO
407 AND1
408 AND2
409 3stateBuffer1
410 3stateBuffer2
411 NOT1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2値複合同期信号について複合同期信号の立上りエッジを検出して水平同期信号を分離する手段と、
タイマーにより強制的に水平同期信号を追加する手段と、
タイマーにより1/2H以内に複合同期信号の立上りエッジを検出しても除外する手段と、
を備えることを特徴とする同期処理回路。
【請求項2】
請求項1に記載の同期処理回路において、
2値複合同期信号について複合同期信号のレベルによりタイマーをアップカウント又はダウンカウントする手段と、
該カウント値と設定値により垂直同期信号を分離する手段とを備えることを特徴とする同期処理回路。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の同期処理回路において、
2値複合同期信号について複合同期信号より分離した垂直同期信号の立下りエッジを検出する手段と、
2値複合同期信号について複合同期信号より分離した水平同期信号の周期をカウントするタイマーと、
該タイマーのカウント値と設定値の比較手段と、
前記垂直同期信号の立下りエッジを検出時に該比較結果により奇数フィールドと偶数フィールドに分離する手段とを備えることを特徴とする同期処理回路。
【請求項4】
水平同期信号の周期時間の最小時間と最大時間を設定する手段と、
最後の2値複合同期信号の立上りエッジを検出する手段と、
最後の立上りエッジを検出してから水平同期信号の周期時間が前記最小時間及び前記最大時間に達するのを検知する手段と、
前記最小時間に達すると水平同期信号をON又はローレベルに変更する手段と、
前記最大時間に達すると水平同期信号をOFF又はハイレベルに変更する手段と、
前記最大時間に達する前に再度立上りエッジが入力されると水平同期信号をOFF又はハイレベルに変更する手段と、
を備えることを特徴とする同期処理回路。
【請求項5】
請求項1〜請求項4に記載の同期処理回路で生成した水平同期信号に対して、A/D変換するラインのみで水平同期信号の立上りエッジとクロック信号の分周したパルスの立上りエッジの比較を行う様にし、前記水平同期信号の立上りエッジに同期したクロック信号を発生させるPLL回路を備えることを特徴とする映像信号処理回路。
【請求項6】
請求項5に記載の映像信号処理回路において、
前記水平同期信号と前記垂直同期信号とフィールド判別信号とクロック信号によりフレームメモリの書き込みアドレスと読み出しアドレスを独立に作成するアドレス発生手段を備えることを特徴とする映像信号処理回路。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の映像信号処理回路において、
前記水平同期信号と前記垂直同期信号をExclusive-ORした擬似複合同期信号をOSDの同期信号入力に入力するようにしたことを特徴とする映像信号処理回路。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の映像信号処理回路を車両に設け、
映像信号を一時的に記憶するフレームメモリを前記映像信号処理回路に設け、
車両の傾斜を検知する傾斜センサを設け、
前記傾斜センサの出力により前記アドレス発生手段が前記フレームメモリの書き込みアドレス及び読み出しアドレスの垂直方向の開始アドレスを変更することを特徴とする車載カメラシステム。
【請求項9】
請求項6又は請求項7に記載の映像信号処理回路を車両に設け、
映像信号を一時的に記憶するフレームメモリを前記映像信号処理回路に設け、
車両のハンドルの操舵角を検出するハンドル舵角センサを設け、
前記ハンドル舵角センサの出力により前記アドレス発生手段が前記フレームメモリの書き込みアドレス及び読み出しアドレスの水平方向の開始アドレスを変更することを特徴とする車載カメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−13630(P2006−13630A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184174(P2004−184174)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】