説明

同期電動機

【課題】電力ロスの一層の低減を図ることができる同期電動機を提供することを課題とする。
【解決手段】 出力軸11に、永久磁石12を備える回転子13を設け、この回転子13を固定子16で囲い、この固定子16に巻いた固定子巻線15に通電することで回転子13を回転させる同期電動機10であって、固定子16をインナーケース18で囲い、このインナーケース18をモータケース21で囲い、このモータケース21とインナーケース18との間の第1空間部31に冷媒を流すようにした。更に、固定子ケース17とインナーケース18との間の第2空間部36に冷却油を流し、冷却効果を一層高めることもできる。
【効果】固定子巻線を効率的に冷却することで、同期電動機の省エネルギー化を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同期電動機に関し、特に冷却効果を高めた同期電動機に関する。
【背景技術】
【0002】
電動機として、誘導電動機が広く使用されているが、回転速度の精度が求められる場合には、例えば同期電動機が採用される(例えば、特許文献1(図1)参照。)。
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図8は従来の同期電動機の基本構成を説明する図であり、同期電動機100では、出力軸101に、永久磁石102を備える回転子103を設け、この回転子103を固定子104で囲う。固定子104は、円筒フレーム105の内面に設けられ、円筒フレーム105の外面には複数の冷却用のフィン106が形成されている。
【0004】
固定子104に巻いた固定子巻線107に通電することにより、回転子103を回転させる。固定子巻線107は通電により発熱する。この熱は、円筒フレーム105の外周面から大気へ放出される。フィン106を設けることで、大気への放熱を促すことができる。
【0005】
フィン106による放熱には限界があるため、固定子巻線107の温度は必然的に上昇する。固定子巻線107は銅線であり、銅は高温になると電気抵抗が増加する。すなわち、固定子巻線107が高温になると、電力ロスが増加する。
【0006】
同期電動機の高出力化、省エネルギー化が求められる中、電力ロスの低減が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−45873公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、電力ロスの一層の低減を図ることができる同期電動機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、出力軸に、永久磁石を備える回転子を設け、この回転子を固定子で囲い、この固定子に巻いた固定子巻線に通電することで前記回転子を回転させる同期電動機において、
前記固定子をインナーケースで囲い、このインナーケースをモータケースで囲い、このモータケースと前記インナーケースとの間に、冷媒を流すようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、出力軸に、永久磁石を備える回転子を設け、この回転子を固定子で囲い、この固定子に巻いた固定子巻線に通電することで前記回転子を回転させる同期電動機において、
前記固定子を支える固定子ケースと、この固定子ケースを囲う前記インナーケースとの間に、冷却油を流すようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、インナーケースからモータケースに向かって冷却フィンを延ばしたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明では、冷却フィンは鋳造品であり、冷却フィンで冷却管を鋳ぐるみ、この冷却管に冷媒を流すようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明では、固定子は、リング部と、このリング部から出力軸に向かって延び固定子巻線が巻かれるティース部と、このティース部に巻かれる固定子巻線と、からなり、リング部の径方向幅は、ティース部の突出長さを下回らない幅に設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、固定子をインナーケースで囲い、このインナーケースをモータケースで囲い、このモータケースとインナーケースとの間に、冷媒を流すようにした。
固定子を囲うインナーケースの外側を冷媒が流れるため、この冷媒によって、発熱する固定子巻線を含むインナーケースの内部全体を冷却することができる。冷媒による冷却であるため、空冷に比べて格段に冷却効率を上げることができる。
固定子巻線が効率的に冷却されるため、固定子巻線の電気抵抗を低減することができる。結果、電力ロスを低減することができる。
【0015】
したがって、本発明によれば、固定子巻線を効率的に冷却することで電力ロスを低減でき、更なる省エネルギー化を実現できる同期電動機が提供される。
【0016】
請求項2に係る発明では、固定子を支える固定子ケースと、この固定子ケースを囲うインナーケースとの間に、冷却油を流すようにした。
固定子を支える固定子ケースの外側を冷却油が流れるため、この冷却油によって、発熱する固定子巻線を含む固定ケースの内部全体を冷却することができる。冷却油による冷却であるため、空冷に比べて格段に冷却効率を上げることができる。
固定子巻線が効率的に冷却されるため、固定子巻線の電気抵抗を低減することができる。結果、電力ロスを低減することができる。
【0017】
したがって、本発明によれば、固定子巻線を効率的に冷却することで電力ロスを低減でき、更なる省エネルギー化を実現できる同期電動機が提供される。
【0018】
請求項3に係る発明では、インナーケースからモータケースに向かって冷却フィンを延ばした。
冷媒の通る空間(インナーケースとモータケースとの間)に冷却フィンが存在するので、表面積の大きな冷却フィンと、冷媒との間で、良好に熱交換を行うことができる。したがって、固定子巻線に対する冷却性能を更に高めることができる。
【0019】
請求項4に係る発明では、冷却フィンは鋳造品であり、冷却フィンで冷却管を鋳ぐるみ、この冷却管に冷媒を流すようにした。
モータケースとインナーケースとの間を流れる冷媒の冷却作用に加え、冷却管を流れる冷媒の冷却作用によっても、固定子巻線が冷却される。結果、固定子巻線に対する冷却効果を一層高めることができる。
【0020】
請求項5に係る発明では、固定子のリング部の径方向幅を、ティース部の突出長さを下回らない幅に設定した。
【0021】
一般に、同期電動機では、電動機の小型化を図るため、リング部の径方向幅をティース部の突出長さと同等又は突出長さより小さくし、固定子の外径寸法を小さくすることが行われる。
しかし、固定子の外径寸法を小さくすると、固定子中の磁束密度が上がるため、いわゆる鉄損が大きくなる。
【0022】
この点、本発明では、固定子の外径寸法を大きく確保したので、鉄損を低減することができる。結果、電動機の効率が上がるため、電動機の更なる省エネルギー化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る実施例1の同期電動機の分解図である。
【図2】同期電動機の断面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】図2の4部拡大図である。
【図5】図3の5−5線断面図である。
【図6】同期電動機の好適な使用例を説明する図である。
【図7】実施例2の同期電動機の断面図である。
【図8】従来の同期電動機の基本構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例1】
【0025】
先ず、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、同期電動機10は、出力軸11に設けられ永久磁石12を備える回転子13と、固定子巻線15が巻かれ回転子13を囲う固定子16と、この固定子16を囲うように支える固定子ケース17と、この固定子ケース17を囲うインナーケース18と、このインナーケース18を囲うモータケース21とからなる。
【0026】
永久磁石12は、平板状を呈しており、回転子13の内部に複数(この例では6個)埋め込まれる。複数の永久磁石12は、回転子13の円周方向に等間隔に並ぶように配置されている。
【0027】
固定子16は、固定子ケース17に嵌るリング部22と、このリング部22から固定子16の中心に向けて延びる多数のティース部23と、このティース部23に巻かれる固定子巻線15とからなる。多数のティース部23は、リング部22の円周方向に所定のピッチで等間隔に並ぶように配置されている。
【0028】
インナーケース18は、例えばダイカストで製造される鋳造品である。インナーケース18の外面に、放射状に延びる多数の冷却フィン25が設けられている。なお、インナーケース18の材質は、熱伝導性の高いアルミニウム合金が望ましい。
【0029】
冷却フィン25は、表面積が大きく確保されるように、基部が太く、先端に行くに従って先細る形状に成形される。多数の冷却フィン25、25の基部に、出力軸11の軸方向と平行に延びる冷却管26、27が設けられている。冷却管26、27は、例えばステンレス管であり、インナーケース18を鋳造する際に、冷却フィン25、25の基部に鋳ぐるまれる。
鋳ぐるむと、冷却管26、27と冷却フィン25とが密着するため、伝熱性能を高めることができる。
【0030】
図2に示すように、インナーケース18とモータケース21との間に、第1空間部31が形成される。この第1空間部31は、インナーケース18の外表面全体を囲う。そして、第1空間部31には冷媒が流される。なお、冷媒には、水や二酸化炭素など、任意の熱媒体が使用可能である。
【0031】
同期電動機10の長手方向の構成を図3に基づいて説明する。
図3に示すように、出力軸11は、固定子ケース17に軸受32、32を介して回転自在に支持されている。回転子13は、円板状のけい素鋼板からなる回転子プレート33を出力軸11の軸方向に積層してなる。永久磁石12は、積層された多数の回転子プレート33を出力軸11の軸方向に貫通するように延びる。
【0032】
固定子16は、円環状のけい素鋼板からなる固定子プレート35を出力軸11の軸方向に積層してなる。多数の固定子プレート35の外周縁は、固定子ケース17の内面に取付けられている。
【0033】
固定子ケース17とインナーケース18との間に、所定の隙間で絶縁性向上のために第2空間部36が形成される。第2空間部36の軸方向の両端は、スペーサリング37、37で密閉されている。スペーサリング37、37は、固定子ケース17とインナーケース18との間に複数のボルト38で締結される。
【0034】
モータケース21は、複数のボルト38でインナーケース18に締結される。モータケース21の下部に、第1空間部31へ冷媒を導入する導入管41が設けられている。モータケース21の上部に、第1空間部31から冷媒を外部へ導出する導出管42が設けられている。モータケース21はモータベース28で支えられる。なお、モータケース21の材質は、丈夫な鋳鉄が望ましい。
【0035】
次に、固定子16のリング部及びティース部の寸法について説明する。
図4に示すように、固定子16のリング部22の径方向幅Wは、ティース部23の突出長さLを下回らない幅に設定されている。リング部22の径方向幅Wを大きくすることで、リング部22における磁束密度を低く抑える。
【0036】
続いて、冷却管の配管例を説明する。
図5に示すように、例えば、隣合う冷却管26、27を、出力軸(図3、符号11)の出力側にて管継手43で接続する。冷却管26、27のうちの一方の冷却管26を導入用とし、他方の冷却管27を導出用とする。多数の管継手43を用いることで多数の冷却管26、27を全体として蛇管のように構成することができる。この場合、最も導入側の冷却管26の端部から冷媒を導入し、最も導出側の冷却管27の端部から冷媒を排出すれば、冷媒の経路を簡素化することができる。
【0037】
電動機外部から冷却管26へ冷媒を導入し(矢印(1))、冷却フィン25を冷却する。そして、管継手43にて冷却管26から冷却管27へ冷媒を流入させる(矢印(2))。そして、冷却管27に冷媒を流すことで、隣接する冷却フィン25を冷却し、外部に導出する(矢印(3))。
【0038】
以上に述べた同期電動機10の作用を次に述べる。
図3に示すように、冷媒を導入管41から第1空間部31へ導入し、インナーケース18に収納された固定子巻線15をインナーケース18の外側から冷媒で冷却する。そして、冷媒を導出管42から外部へ導出する。冷媒による冷却であるため、空冷に比べて格段に冷却効率を上げることができる。
【0039】
したがって、固定子巻線15を効率的に冷却することができ、電力ロスを低減できる。結果、同期電動機10の更なる省エネルギー化を実現することができる。
【0040】
また、第1空間部31に冷却フィン25が存在するので、表面積の大きな冷却フィン25と、冷媒との間で、良好に熱交換を行うことができる。したがって、固定子巻線15に対する冷却性能を更に高めることができる。
【0041】
また、インナーケース18をアルミニウム合金などの熱伝導性の高い材質で構成することにより、冷媒と冷却フィン25との熱交換をより良好に行うことができる。
【0042】
さらに、冷却管26、27に冷媒を流すことで、第1空間部31を流れる冷媒の冷却作用に加え、冷却管26、27を流れる冷媒の冷却作用によっても、固定子巻線15が冷却される。結果、固定子巻線15に対する冷却効果を一層高めることができる。
【0043】
加えて、リング部の径方向幅(図4、符号W)を、ティース部の突出長さ(図4、符号L)を下回らない幅に設定したので、固定子16の外径寸法を大きく確保することができる。
【0044】
一般に、同期電動機では、電動機の小型化を図るため、リング部の径方向幅をティース部の突出長さと同等又は突出長さより小さくし、固定子の外径寸法を小さくすることが行われる。
しかし、固定子の外径寸法を小さくすると、固定子中の磁束密度が上がるため、いわゆる鉄損が大きくなる。
【0045】
この点、本実施例では、固定子16の外径寸法を大きく確保したので、鉄損を低減することができる。結果、同期電動機10の効率が上がるため、同期電動機10の更なる省エネルギー化を実現することができる。
【0046】
続いて、本発明の同期電動機の好適な使用例について説明する。
図6に示すように、同期電動機10を冷凍機51の駆動源(例えば、冷凍圧縮機(コンプレッサ)の駆動源)として使用した。
【0047】
冷却設備50は、冷凍機51と、この冷凍機51の駆動源である同期電動機10と、冷凍機51で冷却した低温冷媒を加圧して熱負荷52へ送り、熱負荷52で暖められた高温冷媒を冷凍機51へ戻す冷媒ポンプ53とからなる。なお、冷媒には、水や二酸化炭素など、任意の熱媒体が使用可能である。
【0048】
このような冷却設備50は、製氷工場や大型の建物に付属する大規模空調設備に好適である。また、冷凍コンテナや冷凍コンテナ車、冷凍コンテナ船にも適用可能であり、用途は任意である。
【0049】
冷凍機51と冷媒ポンプ53とは、冷媒導出管55で接続される。冷媒ポンプ53と熱負荷52とは、冷媒供給管56で接続される。熱負荷52と冷凍機51とは、冷媒導入管57で接続される。
【0050】
冷媒供給管56に、第1流入管58及び第2流入管61が接続される。第1流入管58は、同期電動機10の導入管(図3、符号41)に接続されており、第1空間部(図3、符号31)と連通している。一方、第2流入管61は、同期電動機10の冷却管(図5、符号26)に接続される。
【0051】
同期電動機10の導出管(図3、符号42)と冷媒導入管57とは、第1流出管62で接続される。同期電動機10の冷却管(図5、符号27)と第1流出管62の中間部とは、第2流出管63で接続される。
【0052】
以上に述べた冷却設備50の作用について説明する。
冷凍機51で冷却した低温冷媒を、冷媒ポンプ53により冷媒導出管55及び冷媒供給管56を介して熱負荷52に送る(矢印(4))。このとき、冷媒供給管56に流入した低温冷媒の一部を、第1流入管58及び第2流入管61のそれぞれに分流させる(矢印(5)、(6))。
【0053】
第1流入管58に分流した低温冷媒を同期電動機10の第1空間部(図3、符号31)に流入させ、この低温冷媒で、冷却フィン(図3、符号25)及びインナーケース(図3、符号18)の内部全体を冷却する。一方、第2流入管61に分流した低温冷媒を同期電動機10の冷却管(図3、符号26)に流入させ、この低温冷媒で冷却フィン(図3、符号25)の内部を冷却する。
【0054】
そして、第1空間部(図3、符号31)で熱を吸収した高温冷媒を、第1流出管62を介して冷媒導入管57へ送る(矢印(7))。また、冷却管(図3、符号27)で熱を吸収した高温冷媒を、第2流出管63から第1流出管62へ合流させ(矢印(8))、冷媒導入管57へ送る。すると、熱負荷52を冷却した高温冷媒と同期電動機10を冷却した高温冷媒とが合流する。合流した高温冷媒を冷凍機51に戻し(矢印(9))、同期電動機10の動力によって再度冷却する。
【0055】
この例によれば、低温の冷媒で同期電動機10を冷却させることができるので、固定子巻線(図3、符号15)をより効果的に冷却することができる。結果、電力ロスを一層低減でき、省エネルギー効果の高い冷却設備50が提供される。
【0056】
また、同期電動機10は、冷凍機の51の動力源であると共に、この動力で冷却した冷媒によって電動機内部を冷やす自己冷却機能を備える。よって、同期電動機10を冷却するために冷却手段を別途必要としない。したがって、同期電動機10とは別に冷却手段を設けた設備に比べ、一層の省エネルギー化を図ることができる。
【実施例2】
【0057】
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
図7に示すように、同期電動機10Bは、同期電動機(図3、符号10)の構成において、固定子ケース17とインナーケース18との間に形成される第2空間部36に、絶縁性を有する冷却油を流すようにした。なお、図3と同一の構成については、同一の符号を流用して詳細な説明は省略する。
【0058】
第2空間部36の下部に、油導入管65が設けられ、第2空間部36の上部に、油導出管66が設けられる。油導入管65は、油流入管67を介してオイルクーラ68に接続される。油導出管66は、油流出管71を介してオイルクーラ68に接続される。油流出管71にオイルポンプ72が設置される。オイルクーラ68は、給水管73を介して供給配管75に接続されると共に、排水管76を介して排出配管77に接続される。
【0059】
オイルクーラ68では、供給配管75から供給された低温の冷却水で、冷却油を常時冷やす。そして、オイルクーラ68で熱を吸収した高温の冷却水を、排水管76を介して排出配管77へ排出する。
【0060】
以上に述べた同期電動機10Bの作用を次に述べる。
オイルクーラ68で冷却された冷却油は、油流入管67から第2空間部36へ送られ、固定子ケース17を囲うように第2空間部36を流れる。固定子ケース17の外側を冷却油が流れるため、この冷却油によって、発熱する固定子巻線15を含む固定子ケース17の内部全体を冷却することができる。
【0061】
オイルクーラ68には、第2空間部36から油流出管71を介して高温の冷却油が送られる。オイルクーラ68にて高温の冷却油を冷却した後、この冷却した冷却油を第2空間部36へ油流入管67を介して再度送る。そして、冷却油で固定子ケース17の内部全体を冷却する。
【0062】
以上のように、第2空間部36を流れる冷却油の作用によって、固定子巻線15を効率的に冷却することができ、電力ロスを低減できる。結果、同期電動機10の更なる省エネルギー化を実現することができる。
なお、第2空間部36に冷却油を流すと共に第1空間部31に冷媒を流し、冷却効果を高めることもできる。
【0063】
尚、本発明の同期電動機は、実施の形態では冷凍機に適用したが、送液ポンプや送風機などにも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の同期電動機は、省エネルギー化が望まれる産業用設備や産業用装置に好適である。
【符号の説明】
【0065】
10…同期電動機、10B…同期電動機、11…出力軸、12…永久磁石、13…回転子、15…固定子巻線、16…固定子、17…固定子ケース、18…インナーケース、21…モータケース、22…リング部、23…ティース部、25…冷却フィン、26…冷却管、27…冷却管、31…第1空間部(モータケースとインナーケースとの間)、36…第2空間部(固定子ケースとインナーケースとの間)、W…リング部の径方向幅、L…ティース部の突出長さ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力軸に、永久磁石を備える回転子を設け、この回転子を固定子で囲い、この固定子に巻いた固定子巻線に通電することで前記回転子を回転させる同期電動機において、
前記固定子をインナーケースで囲い、このインナーケースをモータケースで囲い、このモータケースと前記インナーケースとの間に、冷媒を流すようにしたことを特徴とする同期電動機。
【請求項2】
出力軸に、永久磁石を備える回転子を設け、この回転子を固定子で囲い、この固定子に巻いた固定子巻線に通電することで前記回転子を回転させる同期電動機において、
前記固定子を支える固定子ケースと、この固定子ケースを囲う前記インナーケースとの間に、冷却油を流すようにしたことを特徴とする同期電動機。
【請求項3】
前記インナーケースから前記モータケースに向かって冷却フィンを延ばしたことを特徴とする請求項1記載の同期電動機。
【請求項4】
前記冷却フィンは鋳造品であり、前記冷却フィンで冷却管を鋳ぐるみ、この冷却管に冷媒を流すようにしたことを特徴とする請求項3記載の同期電動機。
【請求項5】
前記固定子は、リング部と、このリング部から前記出力軸に向かって延び前記固定子巻線が巻かれるティース部と、このティース部に巻かれる前記固定子巻線と、からなり、
前記リング部の径方向幅は、前記ティース部の突出長さを下回らない幅に設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の同期電動機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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