説明

吐出器及び吐出器付き容器

【課題】未使用状態を強固に維持できる吐出器及び吐出器付き容器を提供する。
【解決手段】
容器の頸部22に螺合する内キャップ(A)と内キャップに取り付けられるポンプ(B)とポンプの頂部に取り付けられる押下ヘッド(C)と押下ヘッドの押し下げを阻止するストッパ(D)と内キャップ及びストッパを覆う外キャップ(E)から構成される吐出器であって、
外キャップ(E)は、内キャップを覆う本体部とストッパを覆うカバー部から構成され、
内キャップ(A)と外キャップ(B)の本体部分との間には内キャップを容器に締め込む方向に機能するラチェット機構が設けられ、該ラチェット機構は内キャップが容器に螺着終了状態では逆転方向の回転が空転状態となる用に設定されており、
外キャップ(E)のカバー部は切り離し可能であって、該カバー部の切り離し後にストッパ(D)が取り外しが可能となる構成されていること
を特徴とする吐出器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に収容された液体をポンプにて吐出させる吐出器及び吐出器付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
容器に収容された液体をポンプによる作用にて押下ヘッドの吐出孔から吐出させる構造を備えた吐出器が特許文献1(特開2009-131807号公報)等に数多く提案されている。また、未使用状態において、押下ヘッドを押し下げることができないようにし、未使用状態での押下ヘッドからの液体の吐出を防止する構造も提案されており、例えば、特許文献2(特開2001−180774号公報)等がある。この従来例においては、未使用状態において、キャップ(ストッパー)を取り外したり押下ヘッドを引き抜いたり等して、容器内の液体を取り出した後に、未使用状態に復帰できないようにする配慮等は特にされていない。
特許文献2(特開2001−180774号公報)に開示されたポンプ付き容器用ストッパーは、容器本体と、この容器本体の口金部に気密に取り付けられ、容器本体の内部に収容された液状の内容物を放出させるためのポンプ機構を有するキャップ部と、このキャップ部の上端に取り付けられたポンプ部とを備えるポンプ付き容器において、キャップに着脱可能に嵌合させてポンプ機構の動作を禁止するものであり、未使用状態においてストッパーを取り外してからポンプ部を押し下げて液体を吐出させた後、このストッパーを再度取り付けることが可能であるため、未使用状態において容器内の液体を抜き取り等されるおそれがあるといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−131807号公報
【特許文献2】特開2001−180774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
未使用状態を強固に維持できる吐出器及び吐出器付き容器を提供する。
特に、未使用状態におけるストッパの取り外しを防止できる構成の吐出器を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、液体が収容された容器の頸部に取り付けられた内キャップと、上方から付勢された状態で下方に移動可能に挿通されたステムの少なくとも一部を内キャップの連通孔より上方に突出させて取り付けられたポンプと、このポンプのステムの上端に設けられた押下ヘッドとを備えた構成の吐出器であって、未使用状態において、少なくとも外キャップのカバー部を取り除く等してストッパを取り外さない限り、押下ヘッドを押し下げることによる液体の吐出ができない構成としたものである。この吐出器を取り付けた容器は未使用状態を維持でき、中途開封ができず、確実に安全に展示しユーザーへ届けることができる。押下ヘッドの方向と吸い上げチューブの位置関係を特定できるので、装着された吐出器を外すことなく残量を僅少化することができる。
【0006】
本発明の主な解決手段は次のとおりである。
1.容器の頸部に螺合する内キャップ(A)と内キャップに取り付けられるポンプ(B)とポンプの頂部に取り付けられる押下ヘッド(C)と押下ヘッドの押し下げを阻止するストッパ(D)と内キャップ及びストッパを覆う外キャップ(E)から構成される吐出器であって、
外キャップ(E)は、内キャップを覆う本体部とストッパを覆うカバー部から構成され、
内キャップ(A)と外キャップ(B)の本体部分との間には内キャップを容器に締め込む方向に機能するラチェット機構が設けられ、該ラチェット機構は内キャップが容器に螺着終了状態では逆転方向の回転が空転状態に設定されており、
外キャップ(E)のカバー部は切り離し可能であって、該カバー部の切り離し後にストッパ(D)が取り外し可能に構成されていること
を特徴とする吐出器。
2.外キャップ(E)は、押下ヘッドを通過させて内キャップに被冠して装着するものであって、外キャップ本体は押下ヘッドを通過できる筒状体であり、外キャップのカバー部には押下ヘッド通過用の切欠部が形成されており、
外キャップ(E)のカバー部と本体部との間に周方向に亘ってカバー部を切り離し可能にする脆弱部が設けられており
切欠部の締め込み方向側に折り曲げ片が設けられ、
内キャップに完全に外キャップが装着された状態で、外キャップ下縁が内キャップ下縁より下方となる構成とされている、
ことを特徴とする1.記載の吐出器。
3.内キャップ(A)には、容器に装着した状態において、容器側と係合して逆転抵抗となるロック機構を構成する一方のロック部材が設けられ、
ラチェット機構は、内キャップを取り付ける方向へ回転させた場合の係合トルクが、ロック機構を生成する側係合トルクより大きく、かつ、内キャップを取り外す方向へ回転させた場合の係合トルクが、ロックを解除する側係合トルクより小さく設定されている、
ことを特徴とする1.または2.記載の吐出器。
4.外キャップ本体が内周面下部に係合リブが形成されていることを特徴とする3.記載の吐出器
5.内キャップ(A)は、押下ヘッド下部まで延出された多角形の突出鞘筒部を有し、
押下ヘッドは、前記内キャップの突出鞘筒部が嵌入される多角形の嵌入凹部を有し、
押下ヘッドの方向は多角形の合わせ面によって規制されることを特徴とする1.〜4.のいずれかに記載の吐出器。
6.押下ヘッド(C)は、ポンプのステムの上部に挿入されて装着されており、
ステム上部にはリング状に凸状部が形成されて挿入された押下ヘッドの密着及び抜け止め機構が形成されており、
未使用状態で押下ヘッドを引き抜いた場合に、再装着しようとする際にステムは押し下げられても、ストッパによって押し込みが妨害されて再装着が完成できない構成とされていることを特徴する5.記載の吐出器。
7.内キャップの突出鞘筒部の上端部にストッパの上方への抜けを防止する抜け止めリブが設けられていることを特徴とする5.又は6.に記載の吐出器。
8.ストッパ(D)は、多角形であって、内キャップの突出鞘筒部に着脱自在に装着されていることを特徴とした4.〜8.のいずれかに記載の吐出器。
9.1.〜8.のいずれかに記載の吐出器を容器の頸部に螺合装着したことを特徴とする吐出器付き容器。
10.容器頸部に形成されたネジ部の終端より下側に内キャップの側のロック機構と係合する他方のロック部材を設けたことを特徴とする9.記載の吐出器付き容器。
11.ロック機構は、締め付け側方向の接触面が緩いテーパであって、逆転係合面は急なテーパが形成される突起によって形成されていることを特徴とする9.又は10.記載の吐出器付き容器。
12.透明容器であることを特徴とする9.〜11.のいずれかに記載の吐出器付き容器。
13.液体化粧料収納用の容器であることを特徴とする9.〜12.のいずれかに記載の吐出器付き容器。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、上述したような構成を備えることによって、以下のような本発明に特有の効果を奏するものである。
1.本発明の吐出器は、不正使用を防止する機能を高めることができる。この吐出器を装着した化粧溶液などを安全且つ確実にユーザーに届けることができる。
2.未使用状態で押下ヘッドの下部に装着されているストッパが外キャップのカバー部にて覆われているので、外キャップのカバーを取り除かない限り、ストッパを解除することはできない。そして、外キャップと内キャップを嵌合させることにより、外キャップを内キャップから外すことができない構造を実現した。
3.この吐出器を容器に装着した状態では、容器から脱着できない構造としてあるので、吐出器全体を取り外すことができない。したがって、未使用状態の維持機能を向上させることができ、開封後も異種物質の混入を防止することができる。
4.押下ヘッドと内キャップの天壁部との間に取り外し可能に取り付けられたストッパが外キャップのカバー部にて覆われており、この外キャップの本体部を内キャップに外嵌合した状態が外キャップの係合部による内キャップへの係合によって保持され、容器の頸部からの内キャップの取り外しを防止する取り外し防止手段が内キャップと外キャップとの間に設けられている。このため、内キャップと外キャップの嵌合により、内キャップから外キャップを取り外すことができず、少なくとも外キャップのカバー部を取り除く等して、ストッパを取り外し可能な状態にし、このストッパを押下ヘッドと内キャップの天壁部との間から取り外さなければ、押下ヘッドを押し下げて、容器に収容されている液体を吐出孔から吐出できない。特に、外キャップのカバー部を取り除く等して、ストッパを取り外し可能な状態にした場合には、この外キャップのカバー部を取り除く等する前の状態に戻すことが不可能であるから、未使用状態におけるストッパの取り外しおよび外キャップの取り外しを確実に防止でき、未使用状態における容器内からの液体の抜き出しを確実に防止できるとともに、未使用状態の保持を確実にできる。
5.容器の頸部に内キャップを螺合させる際、内キャップは外キャップに覆われているため、内キャップに直接トルクを伝えることができず、外キャップにかけたトルクがラチェット機構を通じて、内キャップに及ぼされることになる。容器の頸部に内キャップを螺合させる方向へ外キャップを回転させた場合は、ラチェット機構によって内キャップと外キャップとが係合して、この外キャップとともに内キャップが回転するため、容器の頸部に内キャップをより確実に取り付ける操作が可能であるが、容器の頸部への内キャップの螺合を解除させる方向へ外キャップを回転させる場合は、内キャップと外キャップとがラチェット機構によって係合せず、外キャップが空回りする。よって、外キャップを内キャップから取り外す等しなければ、この内キャップを容器の頸部から取り外すことができないため、未使用状態の保持をより確実にできる。
6.外キャップのカバー部を外キャップの本体部から引き離すことによって、この外キャップのカバー部が脆弱部に沿って切り離されるため、ストッパが取り外し可能な状態となる。よって、このストッパを取り外すことにより、押下ノズルを押し下げることができる状態となり、容器に収容された液体を吐出できる状態となる。この結果、未使用状態において外キャップを脆弱部に沿って切り離した後に、この外キャップを切り離す前の状態に戻すことができなくなるため、未使用状態の保持をより確実にできるとともに、一旦使用状態にした後の未使用状態への復帰を確実に防止できる。
7.容器の頸部と内キャップとの間にロック機構を設け、容器の頸部に内キャップを取り付ける方向へ回転させた場合のラチェット機構の係合トルクが、この容器の頸部に内キャップを取り付けた際のロック機構の係合トルクより大きく、かつ容器の頸部から内キャップを取り外す方向へ回転させた場合のラチェット機構の係合トルクが、このロック機構に抗して内キャップを容器の頸部から取り外す際の解除トルクより小さいことにより、容器の頸部に内キャップを螺合させる方向へ外キャップを回転させた場合に、ラチェット機構にて内キャップと外キャップとが係合することによって、この外キャップとともに内キャップを回転でき、容器の頸部と内キャップとをロック機構にて係合させることができるとともに、容器の頸部に内キャップをロック機構なしで取り付けた場合に比べ、この容器の頸部から内キャップが取り外しにくくなる。したがって、ラチェット機構による内キャップの取り外し防止に加え、ラチェット機構による取り付け方向の係合トルクと取り外し方向の係合トルクとロック機構による係合トルクと解除トルクとのトルクバランスによって、容器の頸部22からの内キャップの取り外しをより確実に防止できる。
8.ストッパは、内キャップの鞘筒上辺に設けられた抜け止めリブの下方に位置し、かつ外キャップのカバーによって覆われているので、押下ヘッドを引き抜いても、ストッパが上方へ引き出されることは防止できる。したがって、ポンプのステムの上端から押下ヘッドを取り外した状態においても、外キャップのカバー部を除去しない限りは、抜け止めリブが邪魔していてストッパを上方へ抜くことができないから、押下ヘッドを取り外してから再度押下ヘッドを取り付けて、この押下ヘッドを押し下げ可能にすることを確実に防止でき、未使用状態の保持をより確実にできる。
9.連通孔より上方に突出したステムの少なくとも一部を覆う突出鞘筒部の外周面と、この突出鞘筒部が嵌入される押下ヘッドの嵌入凹部の内周面とのそれぞれを、径方向断面多角形状に形成することにより、押下ヘッドの向きを位置決めすることが可能になる。このため、この押下ヘッドの向きを位置決めすることによって、容器に方向性を持たせることができ、外キャップの組み付け工程が容易となる。また、嵌入部について、部材の樹脂の弾性変形により、押下ヘッドのノズルの方向を変えることができ、その位置で固定することができるので、残量液と吸い上げチューブの位置を特定することができるので、内溶液を使い切ることが可能となる。また、正面および背面を決定できるから、ラベル等の貼り付け位置を特定できるとともに、複数の容器を陳列等した際にすべての押下ヘッドの向きを一方向に容易に揃えることができる。
10.連通孔より上方に突出したステムの少なくとも一部が突出鞘筒部39にて覆われ、この突出鞘筒部に抜け止めリブが設けられストッパが取り付けられている。このため、押下ヘッドを取り外してステムの上端から容器に収容された液体を引き抜く等した後に、このステムの上端に押下ヘッドを再度取り付けようとした場合に、このステムの上端が内キャップの突出鞘筒部内に入り込み、このステムの上端に再度押下ノズルを取り付けることができなくなり、未使用状態に戻すことができなくなるため、未使用状態の保持をより確実にできるとともに、押下ノズルを取り外して容器から液体を取り出した後の未使用状態への復帰をより確実に防止できる。
11.吐出器を装着した容器は、開封前には未使用状態を維持でき、開封後は異物を混入することが困難であり、残量を僅少化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施例の吐出器を容器に取り付けた未使用状態を示す図であり、(a)は一部を切り欠いた側面図を示し、(b)は吐出器の上面図を示す。
【図2】一実施例の容器を示す図であり、(a)は一部を切り欠いた側面図を示し、(b)は上面図を示す。
【図3】一実施例の内キャップを示す図であり、(a)は底面図を示し (b)は側面図を示し、(c)は上面図を示し、(d)は断面図を示す。
【図4】一実施例のポンプの側面図を示す。
【図5】一実施例の押下ヘッドを示す図であり、(a)は一部を切り欠いた側面図を示し、(b)は上面概略図を示す。
【図6】一実施例のストッパの上面図を示す。
【図7】一実施例の外キャップを示す図であり、(a)は底面図を示し、(b)は側面図を示し、(c)は上面図を示し、(d)は断面図を示す。
【図8】一実施例のポンプに内キャップを取り付けた状態の一部を切り欠いた側面図を示す。
【図9】一実施例のポンプに押下ヘッドを取り付ける状態の一部を切り欠いた側面図を示す。
【図10】一実施例のポンプにストッパを取り付けた状態の一部を切り欠いた側面図を示す。
【図11】一実施例のポンプに外キャップを取り付けた状態の一部を切り欠いた側面図を示す。
【図12】吐出器の組み立て例を示す図。
【図13】突出器付き容器の組み立て例を示す図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、液体が収容された容器の頸部に取り付けられ、この容器の口部に連通する連通孔が設けられた天壁部、およびこの天壁部の周縁を覆い容器の頸部に螺合される筒状の周壁部を有する内キャップと、この内キャップの連通孔に挿通されて取り付けられ、上方から付勢された状態で下方に移動可能に挿通されたステムの少なくとも一部を連通孔より上方に突出させたポンプと、このポンプのステムの上端に設けられ、吐出孔が形成されたノズル部を有する押下ヘッドと、を備えた吐出器であって、押下ヘッドの押し下げを阻止するストッパが押下ヘッドと内キャップの天壁部との間に介在されて取り外し可能に取り付けられており、このストッパを覆うカバー部と、内キャップに外嵌合される筒状の本体部と、この本体部を内キャップに外嵌合させた際にこの内キャップに係合される係合部とを有する外キャップを備えている。外キャップのカバー部には、押下ヘッド側から外キャップを取り付ける際に、この押下ヘッドのノズル部によるカバー部への接触を回避させる切欠部が設けられ、内キャップと外キャップとの間には、容器の頸部からの内キャップの取り外しを防止する取り外し防止手段が設けられている。外キャップと内キャップを嵌合させることにより、内キャップから外キャップを取り外すことができず、少なくとも外キャップのカバー部を取り除く等して、ストッパを取り外し可能な状態にし、このストッパを押下ヘッドと内キャップの天壁部との間から取り外さなければ、押下ヘッドを押し下げて、容器に収容されている液体を吐出できない。特に、外キャップのカバー部を取り除く等して、ストッパを取り外し可能な状態にした場合には、外キャップのカバー部を取り除く等する前の未使用状態に戻すことができない。
本発明の吐出器は、容器の頸部に内キャップを螺合させる方向へ相対的に回転させた場合に、内キャップと外キャップとが係合し、外キャップとともに内キャップが回転するため、容器の頸部に内キャップをより確実に取り付けることができるのに対し、容器の頸部への内キャップの螺合を解除させる方向へ相対的に回転の場合には、内キャップと外キャップとが係合せず、外キャップが空回りする。よって、外キャップを内キャップから取り外す等しなければ、この内キャップを容器の頸部から取り外すことができない。外キャップの係止部を外キャップの本体部から引き離して、脆弱部に沿って外キャップを切り離すことによって、この外キャップのカバー部を内キャップから取り外すことができ、ストッパが取り外し可能な状態となる。この状態で、ストッパを取り外すことにより、押下ノズルを押し下げることができる状態となり、容器に収容された液体を吐出できる状態となるから、未使用状態において外キャップを脆弱部に沿って切り離した後に、この外キャップを切り離す前の状態に戻すことができない。
【0010】
本発明の吐出器は、容器の頸部に内キャップを取り付けた際に係合するロック機構が容器の頸部と内キャップとの間に設けられており、容器の頸部に内キャップを取り付ける方向へ回転させた場合のラチェット機構の係合トルクが、ロック機構の係合トルクより大きく、かつこのロック機構に抗して内キャップを容器の頸部から取り外す際の解除トルクより小さく設定されている。容器の頸部に内キャップを螺合させる方向へ外キャップを回転させた場合に、ラチェット機構にて内キャップと外キャップとが係合することにより、この外キャップとともに内キャップを回転でき、容器の頸部と内キャップとをロック機構にて係合させることができる。容器の頸部に内キャップを係合させる場合に比べ、この容器の頸部から内キャップが取り外しにくくなるから、ラチェット機構による内キャップの取り外し防止に加え、ロック機構による係合トルクと解除トルクとのトルクバランスによって、容器の頸部からの内キャップの取り外しがより確実に防止される。
本発明の吐出器の押下ヘッドには内キャップの突出鞘筒の先端側を収納する凹部が形成されている。この収納によって生ずる両者の関係に自由回動を阻止する抵抗手段を講ずることにより、両者の位置関係を規定することができ、ノズルの方向などを特定することができる。その手段として、6角形以上の多角形の組み合わせ、双方に縦リブを形成するなど、押下ヘッドを回動させた場合に接触して両者が干渉抵抗を生ずる機構を設けることができる。この干渉抵抗は一般の人が強めに力を加えることにより克服する程度に設定し、使用時の利便性も確保する設定とする。
多角形を例にして説明する。本発明の吐出器は、連通孔より上方に突出したステムの少なくとも一部を覆う突出鞘筒部の外周面と、この突出鞘筒部が嵌入される嵌入凹部の内周面とのそれぞれが径方向断面多角形状に形成されている。押下ヘッドの向きを位置決めでき、容器に収容された液体をより確実に残すことなく吐出できるとともに、容器に方向性を持たせることができるから、例えば、ラベル等の貼り付け位置を特定でき、複数の容器を陳列等した際にすべての押下ヘッドの向きを一方向に容易に揃えることが可能となる。ここで、これら突出鞘筒部の外周面および嵌入凹部の内周面は、所定の力を加えた場合に押下ヘッドが周方向に回転できるように、径方向断面六角形以上の多角形が好ましく、径方向断面八角形がより好ましい。また、ポンプのステムの上端から押下ヘッドを取り外した状態においても、外キャップのカバー部によってストッパの取り外しができず、抜け止めリブによってストッパを上方へ抜くことができないから、押下ヘッドを取り外してからストッパを取り外した後に再度押下ヘッドを取り付けて、この押下ヘッドを押し下げ可能にできない。
本発明の吐出器は、連通孔より上方に突出したステムの少なくとも一部を覆う筒状の突出鞘筒部に抜け止めリブが設けられ、この突出鞘筒部にストッパが取り付けられるため、押下ヘッドを取り外してステムの上端から容器に収容された液体を引き抜く等した後に、ステムの上端に押下ヘッドを再度取り付けようとした場合に、このステムの上端が内キャップの突出鞘筒部内に入り込むから、このステムの上端に再度押下ノズルを取り付けることができなくなり、未使用状態に戻すことができない。なお、内キャップの突出鞘筒部にストッパを取り付けているが、この突出鞘筒部が形成されておらず、ポンプのステムが露出等されて覆われていない場合には、このステムにストッパを取り付ける構造とすることもできる。
【0011】
1.容器
容器は、収容される液体の用途や用量によって、その大きさを適宜決定することができる。この容器には、例えば化粧品等の液体が収容されており、この容器内に液体を収容させたり取り出したりするための口部が上端部に設けられている。容器は残量が見えるように一部あるいは全体が透明となっていることが好ましい。収容されている液体はポンプの下端に取り付けられたチューブから吸い出される。
【0012】
2.内キャップ
内キャップは、容器の頸部に螺合する雌ネジが設けられ、中央部にはポンプを装着する連通孔が設けられている。また、内キャップは、上方に延出してステムを覆う鞘状の筒体を形成することができる。
内キャップは、容器の頸部に取り付けられ、天壁部には容器の口部に連通する連通孔が設けられている。容器の頸部に螺着する筒状の周壁部が設けられている。また、内キャップの天壁部と押下ヘッドとの間の部分に、筒状の突出鞘筒部が設けられている。この突出鞘筒部の外周面には、ポンプのステムから押下ヘッドを取り外した状態でのストッパの上方への抜けを防止する抜け止めリブを設けることができる。この突出鞘筒部の外周面は、断面多角形状に形成することができる。なお、内キャップと容器の頸部との間に、この容器の頸部に内キャップを取り付けた際に係合するロック機構を設けることもできる。このロック機構としては、容器の頸部に内キャップを取り付ける際の係合トルクが、このロック機構に抗して内キャップを容器の頸部から取り外す際の解除トルクより小さくなるように設定することが好ましい。
【0013】
3.ポンプ
ポンプは、内キャップの連通孔に挿通されて取り付けられ、上方から付勢によって下方に移動可能に挿通されたステムの一部を連通孔より上方に突出させている。なお、このステムのうちの、連通孔より上方に突出した少なくとも一部は、内キャップの突出鞘筒部にて覆われている。ステムの上端に押下ヘッドが装着される。
【0014】
4.押下ヘッド
押下ヘッドは、吐出孔が形成されたノズル部を有し、ポンプのステムの上端に密着状態に装着されている。内キャップの突出鞘筒部に当接する場合は、押下ヘッドを押し下げた際に内キャップの突出鞘筒部が嵌入する嵌入凹部が形成される。
【0015】
5.ストッパ
ストッパは、押下ヘッドの押し下げを阻止し未使用状態を保持するためのものであり、未使用状態において押下ヘッドと内キャップの天壁部との間に取り外し可能に装着される。ストッパはステムあるいは内キャップの突出鞘筒部を覆う縦方向に切欠きが形成された筒形であって、切欠き部を通過させることにより着脱することができる。内キャップに突出鞘筒部が形成されている場合は、該突出鞘筒部の外周面に取り外し可能に取り付けられる。突出鞘筒部が多角形状である場合は、ストッパ断面内周面を断面多角形状に形成する。多角形によって、ストッパの回動が規制される。なお、使用する際に、ストッパは取り外される。
【0016】
6.外キャップ
外キャップは、ストッパを覆うカバー部と、内キャップに外嵌合される筒状の本体部と、この本体部を内キャップに外嵌合させた際にこの内キャップに係合される係合部とを有している。カバー部には、押下ヘッド側から外キャップを取り付ける際に、この押下ヘッドのノズル部によるカバー部への接触を回避させる切欠部が設けられている。外キャップと内キャップとの間には、容器の頸部からの内キャップの取り外しを防止する取り外し防止手段が設けられている。この取り外し防止手段は、好ましくはラチェット機構であって、容器の頸部に内キャップを螺合させる方向への回転の場合に、内キャップと外キャップとを係合させて外キャップとともに内キャップを回転操作可能にする。一方、容器の頸部への装着後は、内キャップの螺合を解除させる方向への相対的な回転の場合には、このラチェット機構は係合が解除されて外キャップが空回りする構成とする。ラチェット機構の係合トルクは、容器の頸部に内キャップを取り付ける際のロック機構の係合トルクより大きく設定される。このロック機構に抗して内キャップを容器の頸部から取り外す際には、ラチェットが整合せずロックに解除トルクが働くことはない。
カバー部は、使用時に本体部から切り離されて、ストッパにアクセスできる様にされている。カバー部と本体部との間に周方向に亘って脆弱部を形成し、該脆弱部から切り離しができる構成とする。
カバー部に設けられた切欠部の側辺に折り曲げ片が設けられ、カバー部の切り離しの際の指掛け部や摘みとして形成することができる。
【0017】
7.組み立て方法
内キャップの連通孔に装着したポンプのステムの上端に押下ヘッドを装着する。この後、この押下ヘッドと内キャップの天壁部との間にストッパを取り付けて、押下ヘッドを押し下げることができないようにする。内キャップに突出鞘筒部が形成されている場合は、突出鞘筒部の外面にストッパを装着する。このとき、押下ヘッドには、内キャップの突出鞘筒部に設けた抜け止めリブを嵌入凹部に収容してストッパの上方への抜けが困難とされる。
次いで、外キャップを内キャップに被冠する。外キャップのカバー部に設けられた切り込みによって、押下ヘッドのノズルを通過させて、この外キャップの本体部を内キャップに外嵌合させるとともに、この外キャップと内キャップの間にラチェット機構が形成されるように係合させる。さらに、ポンプの下端に吸い出し用のチューブを取り付け、液体が所定量収容された容器の口部に、ポンプの下端側を挿入していき、外キャップを回転させて、容器の頸部に内キャップの周壁部を螺合させるとともに、これら容器の頸部と内キャップとをロック機構にて係合させて未使用状態の吐出器とする。
【0018】
8.使用方法
未使用状態の吐出器を、押下ヘッドの押し下げによって液体を吐出させる通常の使用状態にする場合には、外キャップのカバー部を脆弱部に沿って切り離して取り除く。このとき、この外キャップのカバー部が取り除かれたことにより、ストッパが取り外し可能な状態となる。そして、このストッパを取り外すことによって、押下ヘッドを押し下げることができる状態となり、容器に収容された液体を吐出できる状態となる。このように、通常の使用においては、外キャップのカバーを除去しない限りストッパを外すことができない機構となっている。
しかしながら、力ずくによって、未使用状態で吐出器の押下ヘッドを引っ張る等して、この押下ヘッドをポンプのステムの上端から無理矢理取り外して、容器に収容された液体をポンプのステムの上端から取り出すことも可能であるが、押下ヘッドをステムの上端から取り外した後、この押下ヘッドをステムの上端に再度取り付けようとすると、このステムの上端が内キャップの突出鞘筒部内に入り込んでしまうため、この押下ノズルをステムの上端に再度取り付けることができず、未使用状態に戻すことができない。なお、ステムと押下ヘッドは液漏れがないようにシールされた状態に密着状体で装着されるので、押下ヘッドの装着はステムを押し下げて固定した状態で行う必要がある。
内キャップを容器の頸部から取り外して、この容器の口部から容器内の液体を取り出そうとした場合には、この内キャップに外嵌合されて外キャップが取り付けられているため、直接内キャップを操作することができない。この外キャップを介して容器の頸部への内キャップの螺合を解除させる方向に、内キャップを回転しようとすると、これら内キャップと外キャップとの間に設けられたラチェット機構によって、外キャップが内キャップに係合できず外キャップが空回りする状態となり、内キャップを容器の頸部から外すことができない。
なお、外キャップを介して容器の口部に内キャップを取り付ける方向に、この内キャップを回転する場合には、これら内キャップと外キャップとがラチェット機構にて係合した状態となって、この外キャップとともに内キャップが回転し、容器の頸部に内キャップをより確実に螺合させて取り付けることができる。
本発明の容器は、化粧料用容器、医療用容器など、不正使用あるいは開封後に異物混入を防止する容器に適している。
【実施例】
【0019】
図1〜図11に本発明の一実施例を示す。具体的な容器の形状は、特にこれに限定されるものではない。
図1は、一実施例の吐出器を容器に取り付けた未使用状態を示す図であり、(a)は一部を切り欠いた側面図を示し、(b)は吐出器の上面図を示す。
図2は、一実施例の容器を示す図であり、(a)は一部を切り欠いた側面図を示し、(b)は上面図を示す。
図3は、一実施例の内キャップを示す図であり、(a)は底面図を示し、 (b)は側面図を示し、(c)は上面図を示し、 (d)は断面図を示す。
図4は、一実施例のポンプの側面図を示す。
図5は、一実施例の押下ヘッドを示す図であり、(a)は一部を切り欠いた側面図を示し、(b)は上面概略図を示す。
図6は、一実施例のストッパの上面図を示す。
図7は、一実施例の外キャップを示す図であり、(a)は底面図を示し、 (b)は側面図を示し、(c)は上面図を示し、 (d)は断面図を示す。
図8は、一実施例のポンプに内キャップを取り付けた状態の一部を切り欠いた側面図を示す。
図9は、一実施例のポンプに押下ヘッドを取り付ける状態の一部を切り欠いた側面図を示す。
図10は、一実施例のポンプにストッパを取り付けた状態の一部を切り欠いた側面図を示す。
図11は、一実施例のポンプに外キャップを取り付けた状態の一部を切り欠いた側面図を示す。
【0020】
図1(a)および図1(b)には、本発明の一実施例の吐出器1を容器2に取り付けた未使用状態(密封状態、いわゆるバージン状態)の密閉容器11が示されており、容器2に取り付けられる内キャップ3、内キャップ3に挿通されて取り付けられるポンプ4、ポンプ4の上端に設けられた押下ヘッド5、押下ヘッド5の押し下げを阻止するストッパ6、およびストッパ6を覆って内キャップ3に外嵌合される外キャップ7から構成されている。ここで、吐出器1は、いわゆるプライミング式吐出器であって、例えば乳液や化粧水等の液体Lをポンプ4の作用にて吐出させるものである。ポンプ4の下端には図示していないが、容器底面まで伸びるチューブが取り付けられている。
【0021】
<容器>
容器2は、例えば、合成樹脂やガラス等の比較的硬質な素材にて形成されたボトルであって、図2(a)および図2(b)に示すように、上下方向に軸方向を有する有底略円筒状の容器本体としてのボトル本体21を有し、このボトル本体21の上端部が縮径されて円筒状の頸部22が設けられ、この頸部22の上端部に口部23が設けられている。頸部22の外周面22aに雄ねじ24が形成されている。この雄ねじ24より下側の外周面22aには、この外周面22aの径方向に突出した環状の係止リブ25が周方向に亘って設けられている。この係止リブ25の上側に位置する上面25aには、一対の係止片26が設けられている。これら一対の係止片26は、口部23の中心を基準とした点対称な位置に設けられており、この口部23の径方向に沿って相対する方向に突出している。また、これら各係止片26は、口部23の径方向に沿って設けられた第1の片である中心片26aと、この中心片26aから離間されこの中心片26aに対して平行に設けられた第2の片である側片26bとから構成されている。ここで、この側片26bの中心片26aに面する側には、基端部がテーパ状に形成された傾斜面26cが形成されている。
【0022】
<内キャップ>
内キャップ3は、例えばポリプロピレン(polypropylene:PP)等の容器2よりも比較的軟質な素材にて形成されており、図3(a)〜図3(d)に示すように、円状の連通孔31aが中心に設けられた円環状の天壁部としての上面部31、および上面部31の周縁を覆って下方に突出した円筒状の周壁部としての周面部32を有している。この周面部32の内周面32aの上側には、容器2の頸部22の外周面22aに設けられた雄ねじ24に螺合可能な雌螺旋としての雌ねじ33が設けられている。この雌ねじ33より上側の内周面32aには、断面凹溝状の係止凹部34が内周面32aの周方向に亘って設けられている。さらに、この雌ねじ33より下側の内周面32aには、容器2の口部23に内キャップ3を取り付けた際に、この容器2の頸部22に設けられた係止片26に係止されロック機構35の一方を構成する係止ラチェット36が設けられている。この係止ラチェット36は、容器2の係止片26とにてロック機構35を構成している。また、係止ラチェット36は、図3(a)に示すように、周面部32の内周面32aの周方向に亘って設けられており、容器2の雄ねじ24に内キャップ3の雌ねじ33を螺合させる方向、例えば図3(a)中の時計回り方向に面する側の面が徐々に突出するテーパ状の傾斜面36aとされ、容器2の雄ねじ24への螺合を解除させる方向、例えば図3(a)中の反時計回り方向に面する側の面が垂直面36bとされた複数のラチェット歯36cが、内周面32aの周方向に沿って等間隔に離間されて設けられて構成されている。よって、これらラチェット歯36cは、容器2の雄ねじ24に内キャップ3の雌ねじ33を螺合させ、この容器2の係止片26をいずれかのラチェット歯36cに係合させる際の、このラチェット歯36cの傾斜面36aを係止片26の中心片26aが乗り越えるために必要なトルク、すなわち係合トルクAが、これらラチェット歯36cの垂直面36bに抗して反転防止ロック係合が解除されるように内キャップ3を回転させ、このラチェット歯36cの垂直面36bを容器2の係止片26の中心片26aが乗り越えて、容器2の口部23から取り外すことができるようになるためのトルク、すなわち解除トルクBよりも、小さくなるように設定されている。ここで、ロック機構35による係合トルクAは、例えば20N・cmと設定されており、このロック機構35の解除トルクBは、例えば80N・cmと設定されている。
【0023】
また、内キャップ3の周面部32の外周面32bの上側が縮径されて、この外周面32bの幅方向の中間位置に膨らみ部32cが形成されており、この膨らみ部32cより上側の縮径された外周面32bの上端部に、締め込み・取り外し防止手段としての内キャップ締め込みラチェット機構37の一方を構成する内キャップ側ラチェット部材38が形成されている。この内キャップ側ラチェット部材38は、図3(b)および図3(c)に示すように、外周面32bの周方向に亘って設けられている。図示された例では、傾斜面38cと垂直面38bが連続した三角形の波形が周方向に連続して多数形成されている。この垂直面38cと外キャップ側に設けられた部材の係合面が当接してラチェット係合が形成される。本実施例では、時計回りが螺合方向であるので、平面視である図3(c)では、傾斜の登り方向は反時計回りに形成されている。この内キャップ側ラチェット部材は、外キャップに設けられた部材と係合して、外キャップの締め込み方向への操作によって、係合し、反対方向への回動操作によって係合が解かれる内キャップ締め込みラチェット機構37の構造となっている。
内キャップ側ラチェット部材38の上側には、この内キャップ側ラチェット部材より内側に位置する円筒状の縮径部32dが設けられており、この縮径部32dの上側に上面部31が設けられている。この上面部31には、連通孔31aから上方に突出しているステムの外周を覆う突出鞘筒部39が設けられている。この突出鞘筒部39は、周面部32より縮径されて形成されており、この突出鞘筒部39の外周面39aおよび内周面39bのそれぞれは、図3(c)に示すように、径方向断面多角形状、例えば径方向断面正八角形状に形成されている。さらに、突出鞘筒部39の外周面39aの上端部および下端部には、抜け止めリブ39cが周方向に亘って環状にそれぞれ設けられている。これら抜け止めリブ39cは、ストッパ6の軸方向の幅寸法ほど離間された位置にそれぞれ設けられており、突出鞘筒部39の外周面39aから径方向に突出して設けられている。
【0024】
<ポンプ>
ポンプ4は、容器2内からチューブを介して移送される液体Lを吐出するためのものであって、図4に示すように、シリンダ部としてのポンプ本体41の上端から内管としてのステム42の上端側の一部を突出させて構成されている。このポンプ4は、図1(a)に示すように、内キャップ3の連通孔31aに挿通されて取り付けられており、内蔵ばね機構(図示せず)によって上方から付勢された状態で下方に移動可能にポンプ本体41に下端側が挿通されたステム42の少なくとも一部、すなわち上端側を内キャップ3の連通孔31aより上方に突出させて、この内キャップ3の突出鞘筒部39によって覆われた状態に取り付けられている。ポンプ本体41の下端には、容器2に収容された液体Lをより残すことなく吐出させるためのチューブ状の吸い込みチューブ(図示せず)が取り付けられ、このポンプ本体41の上端側には、このポンプ本体41の径方向に突出した円環状の取付リブ43が設けられている。この取付リブ43は、ポンプ4の上側に内キャップ3を取り付けた際に、この内キャップ3の周面部32内に挿入され、この内キャップ3の係止凹部34に係止されて位置決め固定させて保持させるものである。また、ステム42のポンプ本体41の上端から突出している部分が、内キャップ3の突出筒部にて覆われる円筒状の軸状部44として形成されており、この軸状部44の上端側には、この軸状部44より径小な円筒状のヘッド取付部45が設けられている。このヘッド取付部45の外周面45aには、この外周面45aの周方向に亘って設けられたリング状、すなわち環状の膨出部としての凸状部45bが一体的に設けられている。この凸状部45bは、所定の間隔を介して外周面45aの上端側および下端側のそれぞれに平行に設けられ、押圧ヘッドとシールされて密着状態に嵌合する。
【0025】
<押下ヘッド>
押下ヘッド5は、例えばポリプロピレン(polypropylene:PP)等の素材にて形成されており、図1に示すように、ポンプ4のステム42の上端に密着挿嵌される。押下ヘッド5は、図5(a)および図5(b)に示すように、外殻体51とノズル55から構成されている。
外殻部51は、上端を構成する頂壁部52と、頂壁部52の周縁から下方に突出し外殻部51の周面を構成する略円筒状の周壁部としての周面部53とを有している。この周面部53の内周面53aは、内キャップ3の突出鞘筒部39が嵌合され、この突出鞘筒部39の周方向への回転が規制されるように、径方向断面多角形状、例えば径方向断面正八角形状に形成されている。ここで、この周面部53および内キャップ3の突出鞘筒部39は、これら周面部53の内周面53aおよび突出鞘筒部39の外周面39aのそれぞれが径方向断面正八角形状であることから、押下ヘッド5と内キャップ3とを相対的に周方向に回転させようとした場合に、ある程度の力を入れることによって、これら周面部53の内周面53aおよび突出鞘筒部39の外周面39aの各角部が乗り越えられ、周方向への回転規制が解除されるように構成されている。
そして、周面部53の内側には円筒状の装着筒部54が同心状に設けられており、この装着筒部54は、この装着筒部54の上端側が頂壁部52の下面52aに連結されて取り付けられている。よって、装着筒部54と周面部53との間には、下方に向けて開口した円筒状の嵌入凹部54aが設けられている。この嵌入凹部54aは、外周面が径方向断面製八角形状に形成され、内周面が径方向断面円形状に形成されている。
また、外殻部51の周面部53には、この周面部53の径方向に向けて突出した細長円筒状のノズル部55が設けられており、ノズル部55の先端部には円形の吐出孔55aが開口されている。吐出孔55aは、ノズル部55を介して装着筒部54の内側に連通しており、ポンプ4にて容器2内から移送される液体Lを外部へ吐出させるための開口部である。
【0026】
<ストッパ>
ストッパ6は、例えばポリプロピレン(polypropylene:PP)等の素材にて形成され、図1に示すように、押下ヘッド5と内キャップ3の上面部31との間に介在して位置する、内キャップ3の突出鞘筒部39に取り外し可能に取り付けられている。すなわち、このストッパ6は、押下ヘッド3の押し下げを阻止する押下ロックとしての頸部カーラーであって、図6に示すように、突出鞘筒部39に外嵌合させて取り付けることができるように、内周面61aおよび外周面61bのそれぞれが径方向断面多角形状、例えば径方向断面八角形状に形成されている。さらに、ストッパ61は、内キャップ3の突出鞘筒部39の抜け止めリブ39c間に取り付けられており、上側に位置する抜け止めリブ39cによるストッパ61の上側縁の係止によって、ポンプ4のステム42から押下ヘッド5を取り外した状態における、このストッパ6の上方への抜けが防止されている。
具体的に、ストッパ6は、一部が拡開された径方向断面八角形状である略筒状の本体部61を有しており、この本体部61の周面の一部が開口されて挿通開口62が設けられて略C字状に形成されている。この挿通開口62は、本体部61の径方向断面八角形のうちの二辺が取り除かれた形状に形成されており、本体部61の中心を基準として約90°の角度に開口されている。さらに、挿通開口62の両側縁には、これら両側縁を通過する径方向に向けて突出した案内リブ63がそれぞれ設けられている。これら案内リブ63は、内キャップ3の突出鞘筒部39にストッパ6を取り付ける際に、この突出鞘筒部39にて各案内リブ63が押され、ストッパ6の挿通開口62をより容易に弾性変形させて拡開させ、このストッパ6の本体部61への突出鞘筒部39の嵌合を容易にさせるとともに、この突出鞘筒部39からストッパ6を取り外す際において、これら案内リブ63を押すことによってストッパ6の挿通開口62が容易に弾性変形されて拡開され、このストッパ6の突出鞘筒部39からの取り外しを容易にさせるものである。
【0027】
<外キャップ>
外キャップは、内キャップに被冠する本体部とストッパを覆うカバー部から構成されている。外キャップ7は、例えばポリプロピレン(polypropylene:PP)等の素材にて形成されており、密閉容器11の未使用状態を保持するとともに、この未使用状態への復帰を防止するための外バージンキャップであって、図1に示すように、容器2の口部23に取り付けられた内キャップ3を覆い、この内キャップ3の突出鞘筒部39に取り付けられたストッパ6の取り外しを防止するものである。
具体的に、外キャップ7は、図7(a)〜図7(d)に示す。(a)は底面図、(b)側面図、(c)は平面図、(d)は中央縦断面図であって、図示は奥側内面が表現されている。内キャップ3の周面部32に外嵌合される本体部としての略円筒状のキャップ本体71を備えており、キャップ本体71の上側に内キャップ3の突出鞘筒部39を覆う挿通孔71aが開口されている。また、キャップ本体71の周面を構成する周壁部としての周面部71bの内周面71cの中間部には、内キャップ3に外嵌合させた際に、この内キャップ3の膨らみ部32cに押圧されて密着する拡幅凹部71dが、内周面71cの周方向に亘って設けられている。
また、拡幅凹部71dより上側の内周面71cには、内キャップ3に外嵌合させた際に、この内キャップ3の内キャップ側ラチェット部材38に係合される外キャップ側ラチェット部材72が、この内周面71cの周方向に亘って設けられている。この外キャップ側ラチェット部材72は、内キャップ3の内キャップ側締め込みラチェット部材38とにより、ラチェット機構37を形成して、締め込み方向に機能するものである。図7(a)および図7(d)に示すように、形成されている垂直面を有する三角形状のラチェット歯と内キャップに設けられているラチェット部材38の垂直面38bが当接してラチェット係合するように形成される。この外キャップに設けられるラチェット部材は、傾斜面72aと垂直面72bによって形成される三角形状の波形が内周面71cの周方向に亘って多数設けられている。三角形状は内キャップのラチェット部材の上方から係合する向きに形成されている。すなわち垂直面72bが内キャップの38bに当接して係合して螺合方向に力が機能する構造に形成されている。ちなみに、螺合を解く方向に外キャップを回動させた場合は、傾斜面72aは、内キャップの傾斜面38aが接触して、係合トルクが小さくなりラチェット係合が解除される。
すなわち、外キャップ側ラチェット部材72は、外キャップ7のキャップ本体71を内キャップ3の周面部32に外嵌合させて、内キャップ側ラチェット部材38に係合させることにより、容器2の雄ねじ24に対する内キャップ3の雌ねじ33による螺合の解除、すなわち取り外しを防止する。
具体的に、内キャップ3側のラチェット部材38の垂直面38bと外キャップ7の外キャップ側ラチェット部材72のラチェット歯72cの垂直面72bとが当接して、例えば50N・cmのラチェット係合力としての係合トルクCで係合し、この外キャップ7の回動操作が内キャップ3を回転して、容器2の雄ねじ24への内キャップ3の雌ねじ33の螺合を進める。これに対して螺合を解除させる方向に向けて外キャップ7を回転させた場合に、これら内キャップ3の内キャップ側ラチェット部材38の各ラチェット歯38cの傾斜面38aと外キャップ7の外キャップ側ラチェット部材72の各ラチェット歯72cの傾斜面72aとが当接して係合せず、例えば20N・cmの空転トルクDにて、外キャップ7を空回りさせる。なお、図7及び図3に例示したラチェット歯38c及び72cは、傾斜面38a、72aと垂直面38b、72bと表されているが、締め込み方向のトルクと逆方向のトルクが所期の設定が得られるように両面の傾斜角度を設計することができる。
係合トルクの強さの関係は、内キャップが螺合終端部において形成される逆転ロック防止機構の生成力よりも大きく、逆転ロック生成後のロック強さよりも小さく形成される。これによって、外キャップを回動して内キャップを操作して、吐出器を容器頸部に装着した後は、外キャップを逆転しても、内キャップは回動せず、吐出器が容器から外れることはない。
さらに、外キャップ側ラチェット部材72より上側の内周面71cの上端部には、内キャップ3の縮径部32dの上端縁が嵌合する嵌合段部73が、内周面71cの周方向に亘って設けられている。また、内周面71cの下端部には、内キャップ3の周面部32に外嵌合させた際に、この内キャップ3の周面部32の下端縁に係合する係合部としての係合リブ74が設けられている。この係合リブ74は、外キャップ7を内キャップ3に外嵌合させて取り付けた状態において、この外キャップ7の上下方向の抜けを防止する食い切り嵌合部である。
具体的に、係合リブ74は、キャップ本体71の内周面71cの周方向に亘って設けられており、上側が径方向に沿った垂直面74aに形成され、下側が下方に向けて徐々に縮径するテーパ状の傾斜面74bに形成されている。また、係止リブ74より上側の内周面71cには、キャップ本体71の軸方向に沿って突出した細長状の複数の保持リブ75が設けられている。保持リブ75は、内キャップの膨らみ部32に圧接して密着する機能を果たす。これら保持リブ75は、内周面71cの周方向に等間隔に離間されて設けられており、この内周面71cの軸方向における中間位置までに亘って設けられている。
【0028】
一方、外キャップ7のキャップ本体71の上側には、略円筒状のカバー部としての被覆筒部76が同心状に延出されて突設されている。この被覆筒部76は、キャップ本体71の周面部32より縮径されて形成されており、外キャップ7のキャップ本体71を内キャップ3の周面部32に外嵌合させて取り付けた際に、この内キャップ3の突出鞘筒部39に取り付けられたストッパ6の周囲を覆い、このストッパ6を突出鞘筒部39から取り外すことができないようにするものであって、キャップ本体71の挿通孔71aに連通して設けられている。そして、この被覆筒部76の周面部76bには、この周面部76bの一部が縦方向に切り欠かれた切欠部としての開放部76cが形成されている。この開放部76cは、押下ヘッド5が取り付けられている側から外キャップ7を内キャップ3に取り付ける際に、この押下ヘッド5のノズル部55が被覆筒部76に接触して通過できなくなることを防止するもので、この押下ヘッド5のノズル部55の外径寸法の約2倍の幅寸法に形成されている。すなわち、この開放部76cは、押下ヘッド5のノズル部55が挿入されるようにした状態で、外キャップ7の下端側を押下ヘッド5のノズル部55側から挿通させた場合に、この押下ヘッド5のノズル部55による被覆筒部76の周面部76aへの接触が回避され、この外キャップ7を内キャップ3に取り付け可能にする。
また、開放部76cの対向する一対の側片部76dのうちの、内外キャップのラチェット部材38とラチェット部材72が係合する側に位置する側片部76dには、折り曲げ片77が設けられている。この折り曲げ片77は、側片部76dの先端が径方向に湾曲されてから折り曲げられて外側に延出されて形成された片状の摘み片である。すなわち、折り曲げ片77は、この折り曲げ片77を摘んで把持して径方向に引っ張りつつ周方向に引っ張ることによって、外キャップ7のキャップ本体71から被覆筒部76を容易に切り離すことができるようにするための操作部であって、使用状態において破棄されるものである。さらに、折り曲げ片77が設けられている側のキャップ本体71と被覆筒部76との間には、開放部76cの折り曲げ片77が設けられている側の側片部76dに連続した溝状のスリット77aが設けられている。スリット77aは、折り曲げ片77を把持してキャップ本体71から被覆筒部76を切り離す際に、これらキャップ本体71と被覆筒部76との間に容易に湾曲させることができるものである。また、キャップ本体71と被覆筒部76との間には、このスリットから連続するミシン目などの脆弱部77bが形成されている。折り曲げ片77を外側に折り曲げた力がスリット77aからスムーズに脆弱部77bに伝えられて、このキャップ本体71からの被覆筒部76の周方向に沿った切り離しを容易にできる。なお、スリットは、必ずしも必要はなく、脆弱部のみでも良い。
外キャップ7は、この外キャップ7を覆う外側のキャップ本体71の周面部71bの上端縁より上側が上抜き金型(図示せず)とされ、この周面部71bの上端縁より下側が下抜き金型(図示せず)とされ、この外キャップ7の内側が縮径可能な縮径金型(図示せず)とすることによって成型できるように構成されている。
【0029】
<未使用状態の装着関係>
本一実施例の吐出器1を容器2に取り付けた未使用状態における係合関係について説明する。未使用状態(バージン状態)においては、図1に示すように、容器2の口部23にポンプ4のポンプ本体41の下端側が挿入されて取り付けられており、このポンプ本体41の上端側は、内キャップ3の下端側から挿入されて取り付けられている。このとき、このポンプ本体41の取付リブ43が、内キャップ3の係止凹部34に係止され位置決め固定されているとともに、このポンプ本体41の上端から突出しているステム42の軸状部44が内キャップ3の突出鞘筒部39に挿通されて覆われ、このステム42のヘッド取付部45が内キャップ3の突出鞘筒部39より上方に突出した状態とされている。また、内キャップ3の周面部32の雌ねじ33が容器2の雄ねじ24に螺合されて取り付けられており、この容器2の各係止片26の中心片26aが内キャップ3の係止ラチェット36のいずれかのラチェット歯36cに係止されてロック機構35にてロックされている。そして、ポンプ4のステム42のヘッド取付部45が押下ヘッド5の装着筒部54に嵌合されて、このステム42の上端に押下ヘッド5が取り付けられている。このとき、この押下ヘッド5の周面部53と装着筒部54との間の嵌入凹部54aに内キャップ3の突出鞘筒部39の上端側が挿入され上下方向に摺動可能とされている。
さらに、内キャップ3の突出鞘筒部39の抜け止めリブ39c間にストッパ6が取り付けられており、押下ヘッド3の押し下げが阻止されている。このストッパ6は、このストッパ6の本体部61内に内キャップ3の突出鞘筒部39が挿通された状態に嵌合されて取り付けられている。そして、内キャップ3の周面部32に外キャップ7のキャップ本体71が外嵌合されて取り付けられている。このとき、この外キャップ71の嵌合段部73に内キャップ3の縮径部32dの上端縁が嵌合されているとともに、この外キャップ7の拡幅凹部71dに内キャップ3の膨らみ部32cが密着し、さらに外キャップ7の係合リブ74が内キャップ3の周面部32の下端縁に係合して、この内キャップ3が抜け止め保持されている。また、内キャップ3のラチェット部材38の各ラチェット歯38cの傾斜面38aと外キャップ7のラチェット部材72の各ラチェット歯72cの傾斜面72aとが当接するように噛み合わされて係合されている。そして、この外キャップ7の被覆筒部76によって、内キャップ3の突出鞘筒部39に取り付けられたストッパ6が略周方向に亘って覆われて、このストッパ6を取り外すことができないようにカバーされているととともに、この外キャップ7の被覆筒部76の開放部76cに押下ヘッド5のノズル部55が挿通されて取り付けられている。
【0030】
図12にしたがって、吐出器1の組み立て工程を説明する。
図12(a)において、内キャップ3とポンプ4を準備し、(b)において、ポンプ4の上方から内キャップ3を挿入して固定し、(c)において押下ヘッド5をステムに載せ、内キャップの突出鞘筒39の上縁を押下ヘッドの下方に設けられた嵌入凹部に挿入したのち、押下ヘッド5を下方に押し込むことによって、ステムを下限まで押し下げた状態でさらに押し込むことによりステムの上端をヘッドのステム挿入孔に挿管する。(d)においてストッパ6を押下ヘッド下方に突出鞘筒部39を覆うように装着する。これによって、押下ヘッドの押し下げはできなくなる。(e)において外キャップ7を準備する。(f)において、内径の大きな外キャップ本体71を押下ヘッドのノズルから挿通し、径の細い被覆筒部76では下方部76cの開放空間にノズルを臨ませて通過させて内キャップ3に被冠させて、吐出器1の組み立てを完了する。
【0031】
図13にしたがって、吐出器1と容器2の組み立て工程を説明する。
ボトル容器本体21と口頚部を備えた容器2と吐出器1を準備する。吐出器1のポンプ本体41を容器2の口部23に挿入し、内キャップの雌ネジを容器の頸部に設けた雄ねじ22に当接する。この状態から、外キャップ7を締め込み方向に回転して、ラチェットを介して内キャップを操作し、内キャップの雌ネジと容器頸部の雄ねじに螺着する。螺合回転終点において、逆転防止のロックが完成する。外キャップの下縁は係止リブ25に係合して上方への移動が阻止される。外キャップと内キャップに形成されるラチェット機構は、締め込み回動方向が係合し、逆転方向が空転となる構成とされる。ラチェットの係合強さは、内キャップと容器頸部の間に形成される逆転防止ロック機構のロック生成強さよりも大きく設定される。空転方向の強さではこの逆転防止ロックを破壊するほどの強さを発揮することはない。
【0032】
本一実施例の吐出器の組み立て方法についてさらに詳細に説明する。図8に示すように、図4に示すポンプ4の上端側に内キャップ3の下端側が外嵌合されるように、この内キャップ3の連通孔31aにポンプ4の上端側を挿通させ、この内キャップ3の係止凹部34にポンプ4のポンプ本体41の取付リブ43を係止させて位置決め固定させる。このとき、この内キャップ3の突出鞘筒部39によってポンプ4のステム42の軸状部44が周方向に亘って覆われ、このステム42のヘッド取付部45が内キャップ3の突出鞘筒部39より上方へ突出した状態となる。この状態から、図9に示すように、ポンプ4のステム42のヘッド取付部45に押下ヘッド5の装着筒部54が内嵌合されるように、このポンプ4のステム42の上端側にステム挿入孔56に位置合わせして押下ヘッド5を押し付ける。このとき、このポンプ4のステム42が内蔵ばね機構の弾性力に抗して内キャップ3の突出鞘筒部39内へと入り込んでいき、この内キャップ3の突出鞘筒部39が押下ヘッド5の嵌入凹部54aに嵌合されて摺動案内されるが、さらに、このステム42のヘッド取付部45が押下ヘッド5の装着筒部54に内嵌合されて取り付けられる位置まで、この押下ヘッド5をステム42の上端部に押し付けて、このステム42の上端に押下ヘッド5を取り付ける。この後、この押下ヘッド5を押し下げ操作し、ポンプ4による液体Lの吐出量およびリーク等を確認する。
そして、押下ヘッド5を押し下げ操作していない状態、すなわち内キャップ3の突出鞘筒部39が押下ヘッド5の嵌入凹部54aにほぼ嵌入されていない状態で、図10に示すように、この内キャップ3の突出鞘筒部39の横方向からストッパ6を外嵌合させて、この突出鞘筒部39の抜け止めリブ39c間にストッパ6を取り付けて、この押下ヘッド5を押し下げ操作できないようにする。このとき、内キャップ3の突出鞘筒部39に設けられた上側の抜け止めリブ39cによって、ストッパ6の上方への抜けが防止された状態となる。なお、このストッパ6の軸方向を突出鞘筒部39の軸方向に沿わせ、このストッパ6の一対の案内リブ63間に突出鞘筒部39を当接させた状態で、このストッパ6を突出鞘筒部39に押し付けることによって、このストッパ6の本体部61が弾性変形して挿通開口62が拡開され、このストッパ6の本体部61内に突出鞘筒部39が嵌合されて取り付けられる。
この状態から、押下ヘッド5のノズル部55が外キャップ7の被覆筒部76の開放部76cに入り込み、この押下ヘッド5のノズル部55による被覆筒部76の周面部76bへの接触が回避されるように外キャップ7の開放部76cを所定の角度、例えば22.5°下方に向けて傾けた状態とし、この外キャップ7のキャップ本体71の下端側を押下ヘッド5のノズル部55から嵌合させていく。このとき、図1(b)に示すように、この外キャップ7の被覆筒部76の開放部76cに押下ヘッド5のノズル部55を嵌入させて入り込ませながら、この外キャップ7のキャップ本体71が内キャップ3の周面部32に外嵌合されるように、この外キャップ7を徐々に回転させて垂直にしながら、この外キャップ7のキャップ本体71を内キャップ3の周面部32に外嵌合させるとともに、この外キャップ7の係合リブ74を内キャップ3の周面部32の下端縁に係合させて抜け止め保持させて打栓する。このとき、この外キャップ71の嵌合段部73に内キャップ3の縮径部32dの上端縁が嵌合され、この外キャップ7の拡幅凹部71dに内キャップ3の膨らみ部32cが密着して係止され、さらに、この内キャップ3のラチェット部材38の各ラチェット歯38cの傾斜面38aと外キャップ7のラチェット部材72の各ラチェット歯72cの傾斜面72aとが噛み合わされて係合される。また、この外キャップ7の被覆筒部76によって、内キャップ3の突出鞘筒部39に取り付けられたストッパ6が略周方向に亘って覆われ、このストッパ6を取り外すことができないようにカバーされる。
さらにこの状態から、液体Lが所定量充填されて収容された容器2の口部23に、ポンプ4のポンプ本体41の下端側を挿入していき、この容器2の頸部22に内キャップ3を外嵌合させてから、外キャップ7を回転させて、この内キャップ3の雌ねじ33を容器2の雄ねじ24に螺合させていき、この内キャップ3の係止ラチェット36のいずれかのラチェット歯36cに容器2の各係止片26の中心片26aを係合させてロック機構35にてロックさせて、図1(a)に示す未使用状態の密閉容器11とする。このとき、内キャップ3のラチェット部材38と外キャップ7のラチェット部材72とにて構成されたラチェット機構37によって、外キャップ7を介して内キャップ3の雌ねじ33と容器2の雄ねじ24との螺合を解除させる方向への回転ができないようにされ、この内キャップ3の容器2の口部23からの取り外しが防止されている。
【0033】
<使用時>
本一実施例の吐出器1の使用方法について説明する。図1(a)および図1(b)に示す未使用状態の密閉容器11の吐出器1を、押下ヘッド5の押し下げ操作によって、この押下ヘッド5の吐出孔55aから液体Lを所定量ずつ吐出させることができる通常の使用状態にする場合には、外キャップ7の折り曲げ片77に指等を掛けて摘む等して、この折り曲げ片77を外キャップ7のキャップ本体71から引き離していき、この外キャップ7の被覆筒部76を脆弱部77bに沿って周方向に切り離し、この被覆筒部76を外キャップ7のキャップ本体71から取り除く。このとき、外キャップ7の被覆筒部76がキャップ本体71から取り除かれたことによって、ストッパ6を内キャップ3の突出鞘筒部39から径方向に取り外すことができる状態となり、このストッパ6を取り外す方向に案内リブ63を押す等することによって、このストッパ6の本体部61が弾性変形して挿通開口62が拡開され、このストッパ6が内キャップ3の突出鞘筒部39から取り外される。この結果、このストッパ6が内キャップ3の突出鞘筒部39から取り外されたことにより、押下ヘッド5を押し下げ操作できる状態となり、この押下ヘッド5を押し下げ操作することによって、容器2に収容された液体Lをポンプ4による汲み上げ動作によって所定量ずつ押下ヘッド5の吐出孔55aから吐出させて使用できる状態となる。
【0034】
<未使用下における押圧ヘッドの再装着防止>
未使用状態の密閉容器11の吐出器1から押下ヘッド5を引っ張る等して、この押下ヘッド5をポンプ4のステム42の上端から強引に取り外すことによって、この押下ヘッド5が取り付けられたステム42の上端から液体Lを取り出すことも想定される。ただし、この場合においては、押下ヘッド5をステム42の上端から取り外した後、この押下ヘッド5をステム42の上端に押し付けて再度取り付けようとすると、このステム42が内蔵ばね機構の弾性力に抗して内キャップ3の突出鞘筒部39内へ入り込んでしまい、この押下ヘッド5をステム42の上端に取り付けることができる位置までステム42を押し下げる前に、押下ヘッド5の周面部53の下端がストッパ6の本体部61の上端に接触してしまい、この押下ヘッド5をさらに押し下げることができなくなるため、この押下ヘッド5をステム42の上端に再度取り付けることができず、未使用状態に戻すことができない。さらに、押下ヘッド5をステム42の上端から取り外した場合においては、内キャップ3の突出鞘筒部39に設けた上側の抜け止めリブ39cによって、この突出鞘筒部39に取り付けられたストッパ6を上方へ抜くことができないから、このストッパ6を抜いてからステム42の上端に押下ヘッド5を再度取り付け、この押下ヘッド5を押し下げ操作できる状態にすることもできない。
【0035】
<未使用下における内キャップの取り外し防止>
未使用状態の密閉容器11の吐出器1の内キャップ3を容器2の口部23から取り外し、この容器2の口部23から容器2内の液体Lを取り出そうとした場合には、この内キャップ3に外嵌合されて外キャップ7が取り付けられているため、この外キャップ7を介して容器2の雄ねじ24に対する内キャップ3の雌ねじ33の螺合を解除させる方向に内キャップ3を回転しなければならず、この場合には、内キャップ3のラチェット部材38の各ラチェット歯36cの傾斜面36aと外キャップ7のラチェット部材72の各ラチェット歯72cの傾斜面72aとが当接し、これらラチェット38部材の各ラチェット歯36cと外キャップ7のラチェット部材72の各ラチェット歯72cとが係合せず、外キャップ7が空回りする状態となるから、内キャップ3を容器2の口部23から外すことができない。これに対し、外キャップ7を介して容器2の雄ねじ24に内キャップ3の雌ねじ33を螺合させる方向に内キャップ3を回転させる場合には、この内キャップ3のラチェット部材38の各ラチェット歯36cの垂直面36bと外キャップ7のラチェット部材72の各ラチェット歯72cの垂直面72bとが当接し、両部材のラチェット歯が係合した状態となるから、この外キャップ7とともに内キャップ3を回転でき、容器2の口部23に内キャップ3をより確実に螺合させて取り付けることができる。
【0036】
<バージン維持機能>
本一実施例は、吐出器1の押下ヘッド5の押し下げ操作を防止するストッパ6が内キャップ3の突出鞘筒部39に取り付けられ、このストッパ6が外キャップ7の被覆筒部76にて覆われており、この外キャップ7のキャップ本体71を内キャップ3の周面部32に外嵌合させた状態が、この外キャップ7の係合リブ74による内キャップ3の周面部32の下端縁への係合によって抜け止め保持され、かつ内キャップ3と外キャップ7との間に形成したラチェット機構37によって、容器2の口部23からの内キャップ3の取り外しが防止されている。このため、未使用状態においては、内キャップ3から外キャップ7を取り外すことができず、少なくとも外キャップ7の被覆筒部76を取り除く等して、ストッパ6を取り外し可能な状態にし、このストッパ6を内キャップ3の突出鞘筒部39から取り外さなければ、押下ヘッド5を押し下げ操作して、容器2に収容されている液体Lを押下ヘッド5の吐出孔55aから吐出させることができない。このとき、外キャップ7の被覆筒部76を取り除く等して、ストッパ6を取り外し可能な状態にした場合には、この外キャップ7の被覆筒部76を取り除く等する前の未使用状態に戻すことができないから、未使用状態におけるストッパ6の取り外し、および内キャップ3の取り外しを確実に防止でき、未使用状態における容器2からの液体の抜き出し、いわゆる試し使用を確実に防止できるとともに、未使用状態の保持を確実にできる。
特に、内キャップ3と外キャップ7との間に形成したラチェット機構37が、外キャップ7を介して容器2の雄ねじ24に内キャップ3の雌ねじ33を螺合させる方向に内キャップ3を回転させる場合に、内キャップ3のラチェット部材38の各ラチェット歯36cの垂直面36bと外キャップ7のラチェット部材72の各ラチェット歯72cの垂直面72bとが当接し、両者の各ラチェット歯が係合した状態となり、この外キャップ7とともに内キャップ3を回転でき、容器2の頸部22に内キャップ3をより確実に螺合させて取り付ける操作を可能にする。一方、このラチェット機構37は、外キャップ7を介して容器2の雄ねじ24に対する内キャップ3の雌ねじ33の螺合を解除させる方向に内キャップ3を回転する場合には、内キャップ3のラチェット部材38の各ラチェット歯38cの傾斜面38aと外キャップ7のラチェット部材72の各ラチェット歯72cの傾斜面72aとが当接し、これら各ラチェット歯が係合しない状態となり、外キャップ7を空回りさせる。このため、外キャップ7を介して内キャップ3を容器2の口部23から取り外すことができず、この外キャップ7を内キャップ3から取り外す等しなければ、この内キャップ3の雌ねじ33による容器2の雄ねじ24への螺合を解除させて、この内キャップ3を容器2の口部23から取り外すことができない。
【0037】
また、未使用状態の密閉容器11の外キャップ7のストッパカバーである被覆筒部76を脆弱部77bに沿って切り離した後は、この外キャップ7を切り離す前の未使用状態に戻すことができなくなるため、未使用状態の密閉容器11の保持をより確実にできるとともに、一旦使用状態にした後の未使用状態への復帰を確実に防止できる。
さらに、容器2の頸部22に設けた係止片26と内キャップ3の係止ラチェット36とにてロック機構35を形成し、容器2の雄ねじ23に内キャップ3の雌ねじ33を螺合させる方向へ回転させた場合における外キャップ7と内キャップ3との間のラチェット機構37による係合トルクCを、容器2の雄ねじ23に内キャップ3の雌ねじ33を螺合させる際のロック機構35の係合トルクAより大きく設定されており、ラチェット機構37の非係合トルクは、このロック機構35に抗して内キャップ3の雌ねじ33による容器2の雄ねじ24への螺合を解除させる際の解除トルクBより小さく設定される。容器2の雄ねじ24に内キャップ3の雌ねじ33を螺合させる方向へ外キャップ7を回転させた場合に、この外キャップ7とともに内キャップ3を回転でき、容器2の係止片26と内キャップ3の係止ラチェット36とを係合させてロック機構35にてロックさせて抜け止め保持できる。また同時に、容器2の雄ねじ24に内キャップ3の雌ねじ33を螺合させて、この容器2の係止片26を内キャップ3の係止ラチェット36に係合させてロック機構35にてロックさせる場合に比べ、この容器2の雄ねじ24に対する内キャップ3の雌ねじ33の螺合を解除させて、この内キャップ3を容器2の口部23から取り外しにくくできる。したがって、トルクバランスによって、容器2の口部23からの内キャップ3の取り外しをより確実に防止できる。
【0038】
<残量僅少化、ノズル方向規定>
また、内キャップ3の突出鞘筒部39の外周面39aおよび押下ヘッド5の周面部53の内周面53aのそれぞれを、径方向断面八角形状に形成したことにより、押下ヘッド5の取り付け向きを位置決めすることが可能になる。このため、この押下ヘッド5の取り付け向きを位置決めすることによって、容器2に方向性を持たせることができ、容器2の正面および背面等を決定できるから、この容器2へのラベル等の貼り付け位置を特定できるとともに、複数の容器2を陳列等した際にすべての押下ヘッド5の向きを一方向に容易に揃えることができ、これら容器2を陳列等した際の美観を向上できる。また同時に、これら内キャップ3の突出鞘筒部39の外周面39a、および押下ヘッド5の周面部53の内周面53aのそれぞれを、径方向断面八角形状に形成したことにより、突出鞘筒部39と嵌入凹部54aとの嵌合によって、小さな力を加えただけでは押下ヘッド5を周方向に回転できず、ある程度の大きな力を加えた場合にのみ突出鞘筒部39と嵌入凹部54aとの嵌合がずれて押下ヘッド5を周方向に回転できるから、ポンプ4のポンプ本体41の下端に取り付けられる吸い込みチューブの位置に対応させて押上ヘッド5の取り付け向きを調整することによって、容器2に収容されている液体Lをより確実に残すことなく吐出させることができ、使用状態における吐出器1の使い勝手を向上できる。また、ストッパ6の本体部61の内周面61aを径方向断面八角形状としたことにより、このストッパ6を内キャップ3の突出鞘筒部39に嵌合させて取り付けた場合に周方向が位置決めされ、このストッパ6の周方向への回転を防止できる。なお、内キャップ3の突出鞘筒部39の外周面39a、および押下ヘッド5の周面部53の内周面53aとしては、所定の力を加えた場合に突出鞘筒部39と嵌入凹部54aとの嵌合がずれて押下ヘッド5を周方向に回転できるようにするため、径方向断面六角形以上の多角形に形成することが好ましい。
【0039】
さらに、内キャップ3の突出鞘筒部39に設けられた抜け止めリブ39cによって、ポンプ4のステム42の上端から押下ヘッド5を取り外した状態における、ストッパ6の上方への抜きが防止されるため、このポンプ4のステム42の上端から押下ヘッド5を取り外した状態においても、外キャップ7の被覆筒部76によるカバーによってストッパ6を横方向に取り外すことができず、抜け止めリブ39cによってストッパ6を上方へ抜くことができないから、押下ヘッド5をステム4の上端から取り外してからストッパ6を取り外した後に再度押下ヘッド5を取り付けて、この押下ヘッド5を押し下げ可能にすることを確実に防止でき、密閉容器11の未使用状態の保持をより確実にできる。
また、ポンプ4のステム42の軸状部44が突出鞘筒部39にて覆われており、この突出鞘筒部39にストッパ6が取り付けられているため、押下ヘッド5をステム42の上端から取り外し、このステム42の上端から容器2に収容された液体Lを引き抜く等して試し使用等した後に、このステム42の上端に押下ヘッド5を再度取り付けようとした場合に、このステム42の上端が内キャップ3の突出鞘筒部39内に入り込み、押下ヘッド5をステム42の上端に取り付けることができる位置までステム42を押し下げる前に、押下ヘッド5の周面部53の下端がストッパ6の本体部61の上端に接触してしまい、この押下ヘッド5をさらに押し下げることができず、この押下ヘッド5をステム42の上端に再度取り付けることができないから、再度未使用状態に戻すことができない。このとき、押下ヘッド5をステム42の上端から取り外した場合には、内キャップ3の突出鞘筒部39に設けた上側の抜け止めリブ39cによって、この突出鞘筒部39に取り付けられたストッパ6を上方へ抜くことができないから、このストッパ6を上方に抜いてからステム42の上端に押下ヘッド5を再度取り付け、この押下ヘッド5を押し下げ操作できる状態にすることもできない。したがって、密閉容器11の未使用状態の保持をより確実にできるとともに、押下ノズル5を取り外して容器2から液体Lを取り出した後の未使用状態への復帰を確実に防止できる。
【0040】
さらに、ポンプ4のステム42のヘッド取付部45の外周面45aに環状の凸状部45bを一体的に設け、この凸状部45bにてヘッド取付部45による押下ヘッド5の装着筒部54への嵌合を抜け止め保持しつつシールする構成としたことにより、ステム42のヘッド取付部45にOリング等の別部材を取り付けて抜け止め保持する構造に比べ、部品点数を少なくでき、構成を簡略化できるとともに、ステム42のヘッド取付部45に押上ヘッド5を取り付けて組み立てた際に凸状部45aが削れたり潰れたり等して変形するため、このヘッド取付部45から押下ヘッド5を一旦取り外した後、この押下ヘッド5をヘッド取付部45に再度取り付けた際に、この押下ヘッド5が凸状部45aにて抜け止め保持されにくくなり、この押下ヘッド5をステム42の上端から取り外すことによる容器2内の液体Lの試し使用をより確実に防止できる。そして、ポンプを自由に脱着できないので、ポンプを取り外して異物を混入することもできない。
また、外キャップ7を覆う外側のキャップ本体71の周面部71bの上端縁より上側を上抜き金型(図示せず)とし、この周面部71bの上端縁より下側を下抜き金型(図示せず)とし、この外キャップ7の内側を縮径可能な縮径金型(図示せず)とすることによって、この外キャップ7を計3つの金型の組み合わせによって成形できるから、この外キャップ7の金型構成を簡単にでき、この外キャップ7の製造が容易にできる。
【符号の説明】
【0041】
1 吐出器
11 密閉容器

2 容器
21 ボトル本体
22 頸部
22a 外周面
23 口部
24 雄ねじ
25 係止リブ
25a 上面
26 係止片
26a 中心片
26b 側片
26c 傾斜面

3 内キャップ
31 上面部
31a 連通孔
32 周面部
32a 内周面
32b 外周面
32c 膨らみ部
32d 縮径部
33 雌ねじ
34 係止凹部
35 ロック機構
36 係止ラチェット
36a 傾斜面
36b 垂直面
36c ラチェット歯
37 内キャップ締め込みラチェット機構
38 ラチェット部材
38a 傾斜面
38b 垂直面
38c ラチェット歯
39 突出鞘筒部
39a 外周面
39b 内周面
39c 抜け止めリブ

4 ポンプ
41 ポンプ本体
42 ステム
43 取付リブ
44 軸状部
45 ヘッド取付部
45a 外周面
45b 凸状部

5 押下ヘッド
51 外殻部
52 頂壁部
52a 下面
53 周面部
53a 内周面
54 装着筒部
54a 嵌入凹部
55 ノズル部
55a 吐出孔
56 ステム挿入孔

6 ストッパ
61 本体部
61a 内周面
61b 外周面
62 挿通開口
63 案内リブ

7 外キャップ
71 キャップ本体
71a 挿通孔
71b 周面部
71c 内周面
71d 拡幅凹部
72 ラチェット部材
72a 傾斜面
72b 垂直面
72c ラチェット歯
73 嵌合段部
74 係合リブ
74a 垂直面
74b 傾斜面
75 保持リブ
76 被覆筒部
76a 内周面
76b 周面部
76c 開放部
76d 側片部
77 折り曲げ片
77a スリット
77b 脆弱部
77c 連結リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の頸部に螺合する内キャップ(A)と内キャップに取り付けられるポンプ(B)とポンプの頂部に取り付けられる押下ヘッド(C)と押下ヘッドの押し下げを阻止するストッパ(D)と内キャップ及びストッパを覆う外キャップ(E)から構成される吐出器であって、
外キャップ(E)は、内キャップを覆う本体部とストッパを覆うカバー部から構成され、
内キャップ(A)と外キャップ(B)の本体部分との間には内キャップを容器に締め込む方向に機能するラチェット機構が設けられ、該ラチェット機構は内キャップが容器に螺着終了状態では逆転方向の回転が空転状態に設定されており、
外キャップ(E)のカバー部は切り離し可能であって、該カバー部の切り離し後にストッパ(D)が取り外し可能に構成されていること
を特徴とする吐出器。

【請求項2】
外キャップ(E)は、押下ヘッドを通過させて内キャップに被冠して装着するものであって、外キャップ本体は押下ヘッドを通過できる筒状体であり、外キャップのカバー部には押下ヘッド通過用の切欠部が形成されており、
外キャップ(E)のカバー部と本体部との間に周方向に亘ってカバー部を切り離し可能にする脆弱部が設けられており
切欠部の締め込み方向側に折り曲げ片が設けられ、
内キャップに完全に外キャップが装着された状態で、外キャップ下縁が内キャップ下縁より下方となる構成とされている、
ことを特徴とする請求項1記載の吐出器。
【請求項3】
内キャップ(A)には、容器に装着した状態において、容器側と係合して逆転抵抗となるロック機構を構成する一方のロック部材が設けられ、
ラチェット機構は、内キャップを取り付ける方向へ回転させた場合の係合トルクが、ロック機構を生成する側係合トルクより大きく、かつ、内キャップを取り外す方向へ回転させた場合の係合トルクが、ロックを解除する側係合トルクより小さく設定されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の吐出器。
【請求項4】
外キャップ本体が内周面下部に係合リブが形成されていることを特徴とする請求項3記載の吐出器
【請求項5】
内キャップ(A)は、押下ヘッド下部まで延出された多角形の突出鞘筒部を有し、
押下ヘッドは、前記内キャップの突出鞘筒部が嵌入される多角形の嵌入凹部を有し、
押下ヘッドの方向は多角形の合わせ面によって規制される
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の吐出器。
【請求項6】
押下ヘッド(C)は、ポンプのステムの上部に挿入されて装着されており、
ステム上部にはリング状に凸状部が形成されて挿入された押下ヘッドの密着及び抜け止め機構が形成されており、
未使用状態で押下ヘッドを引き抜いた場合に、再装着しようとする際にステムは押し下げられても、ストッパによって押し込みが妨害されて再装着が完成できない構成とされていること
を特徴する請求項5記載の吐出器。
【請求項7】
内キャップの突出鞘筒部の上端部にストッパの上方への抜けを防止する抜け止めリブが設けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の吐出器。
【請求項8】
ストッパ(D)は、多角形であって、内キャップの突出鞘筒部に着脱自在に装着されていることを特徴とした請求項4〜8のいずれかに記載の吐出器。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の吐出器を容器の頸部に螺合装着したことを特徴とする吐出器付き容器。
【請求項10】
容器頸部に形成されたネジ部の終端より下側に内キャップの側のロック機構と係合する他方のロック部材を設けたことを特徴とする請求項9記載の吐出器付き容器。
【請求項11】
ロック機構は、締め付け側方向の接触面が緩いテーパであって、逆転係合面は急なテーパが形成される突起によって形成されていることを特徴とする請求項9又は10記載の吐出器付き容器。
【請求項12】
透明容器であることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の吐出器付き容器。
【請求項13】
液体化粧料収納用の容器であることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の吐出器付き容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−184086(P2011−184086A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53583(P2010−53583)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(593106918)株式会社ファンケル (310)
【Fターム(参考)】