説明

吐出容器

【課題】再使用性を向上させること。
【解決手段】内容物を収容する収容室11Aを有すると共に、内容物の減少に伴って収容室11Aの容積を縮小させる容器本体2と、容器本体2の口部に装着され、収容室11A内の内容物を吐出する吐出器と、内側容器11と外側容器12との間の空間に空気を導入して上記空間内を加圧する加圧装置4と、を備え、容器本体2には、上記空間内に空気を導入する導入口13Aが形成されており、加圧装置4が、容器本体2が装着される装着筒51と、上記空間内の圧力を検出する検出装置52と、上記空間に空気を供給する供給装置と、供給装置に給電する電源と、を有し、検出装置52が、上記空間内の圧力が所定値を超えると、供給装置と電源とを導通解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
吐出容器として、内容物が収容される収容室を有する容器本体と、容器本体の口部に装着されて収容室内の内容物を吐出するポンプ式の吐出器と、を備え、容器本体の内周面に、内容物が減少して容器本体の内圧が減少することに伴って上方に移動する可動壁部が摺接されているものが知られている。この吐出容器では、収容室の容積を縮小することによって吐出器の下端から内容物を吐出する。
【0003】
このような吐出容器において、内容物の減少に伴って高圧ガスを噴射させて噴射されたガスによって可動壁部を押し上げるガスボンベを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この吐出容器では、容器本体の内圧を高めることにより、吐出器による内容物の吐出を安定させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−036922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような吐出容器においても、以下の課題が残されている。すなわち、ガスボンベから高圧ガスを噴出させることによって収容室を加圧しているため、ガスボンベ内のガスを消費した後にガスボンベを交換する必要がある。そのため、再使用性を向上させることが望まれている。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、再使用性を向上させた吐出容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明の吐出容器は、内容物を収容する収容室を有すると共に、内容物の減少に伴って前記収容室の容積を縮小させる容器本体と、前記容器本体の口部に装着され、前記収容室内の内容物を吐出する吐出器と、前記容器本体内のうち前記収容室の外側の空間に空気を導入して該空間内を加圧する加圧装置と、を備え、前記容器本体には、前記空間内に空気を導入する導入口が形成されており、前記加圧装置が、前記容器本体が装着される装着手段と、前記空間内の圧力を検出する検出手段と、前記空間に空気を供給する供給手段と、前記供給手段に給電する給電手段と、を有し、前記検出手段が、前記空間内の圧力が所定値を超えると、前記供給手段と前記給電手段とを導通解除することを特徴とする。
【0008】
この発明では、供給手段が給電手段から給電されることによって外気を導入口から容器本体のうち収容室の外側の空間に空気を供給し、供給された空気が上記空間内を加圧する。そして、検出手段が上記空間内の圧力が所定値を超えたことを検出すると、給電手段による供給手段への給電を停止し、上記空間に対する加圧を停止する。さらに、内容物を吐出して収容室内の内容物が減少すると、収容室の容積の減少に伴って上記空間内の圧力が下がり、検出手段がその内圧が所定値以下になったことを検出すると、給電手段による供給手段への給電が再開される。そして、上記空間内の圧力が所定値になるまで、再び供給手段から上記空間に空気が供給される。
このように、高圧ガスではない供給手段を用いて外気を供給して収容室を加圧しているので、ガスボンベを交換する必要がなくなり、加圧装置の再使用性が向上する。
【0009】
また、本発明の吐出容器では、前記検出手段が、前記空間と連通するシリンダと、前記シリンダ内に配置された第1端子と、前記シリンダ内で前記第1端子に向けて付勢された状態で配置されると共に前記第1端子に対して離間移動可能に接触する第2端子と、を有し、前記第2端子が、前記空間内の圧力が前記所定値を超えると、この圧力によって前記第1端子から離間してもよい。
この場合では、シリンダが容器本体内のうち収容室の外側の空間と連通していることから、第2端子には、上記空間内の圧力がかかる。そして、上記空間内の圧力が所定値を超えると、この圧力によって、第2端子は、付勢力に抗して第1端子から離間移動する。さらに再度、上記空間内の圧力が所定値以下になると、第2端子は、付勢力によって第1端子に向けて接近移動し、第1端子と接触する。
【0010】
また、本発明の吐出容器では、前記容器本体が、前記内容物を収容すると共に前記内容物の減少に伴ってしぼみ変形する内側容器と、前記内側容器が内装される外側容器と、を有し、前記導入口は、前記外側容器に形成されてもよい。
この場合では、内側容器が内容物の減少に伴ってしぼみ変形するため、例えば可動壁部のように容器本体の内周面に摺接する部材を設けなくてもよいので、部品点数の削減が図れる。また、外側容器に導入口を形成するだけで内側容器と外側容器との間に空気を供給できるため、容器本体の構成が容易になる。
また、容器本体として内部に収容室を形成した二重容器を用いることで、酸化防止などの内容物保護効果を得ることができると共に、付け替え操作(レフィル)も容易となって使い勝手がよい。
【発明の効果】
【0011】
この発明にかかる吐出容器によれば、供給手段が外気を導入口を介して容器本体のうち収容室の外側の空間に供給して収容室を加圧するので、加圧装置の再使用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態における吐出容器を示す側面図である。
【図2】図1の吐出容器の一部を示す軸方向断面図である。
【図3】図1の吐出容器の一部を示す軸方向断面図である。
【図4】図3の分解軸方向断面図である。
【図5】図1の吐出容器の加圧装置を示す下面図である。
【図6】図5の加圧装置を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明における吐出容器の一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0014】
本実施形態における吐出容器1は、図1から図6に示すように、内容物を収容する容器本体2と、容器本体2の口部2Aに装着され、内容物を吐出する吐出口3Aが形成された吐出器3と、容器本体2内に空気を導入して加圧する加圧装置4と、を備えている。
【0015】
容器本体2は、内容物を収容する収容室11Aを形成すると共に内圧の減少に伴ってしぼみ変形する内側容器11と、内側容器11が内装される外側容器12と、を備えており、例えば内側容器11が外側容器12に対して剥離可能に積層されたデラミボトル(積層剥離型容器)となっている。なお、内側容器11と外側容器12との間には、当初から間隙が設けられてもよい。また、容器本体2の口部2Aは、図2に示すように、内側容器11の口部11Bと外側容器12の口部12Aとを積層した構成とされている。
これら内側容器11及び外側容器12は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置する状態で配設されている。以下、この共通軸を中心軸Oと称し、図1から図4において中心軸Oに沿って口部2Aに近接する方向を上方、口部2Aから離間する方向を下方とする。また、中心軸Oに直交する方向を径方向とし、中心軸O回りの方向を周方向とする。
【0016】
外側容器12の下端部には、図3及び図4に示すように、円筒状をなす取付筒部13が下方に向けて突設されており、この取付筒部13の外周面には、容器本体2を加圧装置4の後述する装着筒(装着手段)51に取り付けるための取付部材14が嵌合されている。また、取付筒部13の下端には、内側容器11と外側容器12との間に空気を導入する導入口13Aが形成されている。
取付部材14は、有底円筒状をなしており、この下端部には、円筒状をなす導入筒部15が下方に向けて突設されている。この導入筒部15には、導入口13Aを通って内側容器11と外側容器12との間の空間に連通する導入路15Aが形成されている。また、取付部材14の外周面には、後述する装着筒51に容器本体2を取り付けるための雄ネジ部が形成されている。
【0017】
吐出器3は、図2に示すように、容器本体2の口部2Aに装着される装着キャップ21と、装着キャップ21の内側に配設される吐出シリンダ22と、装着キャップ21に上方付勢状態で貫設された吐出ステム23と、吐出ステム23の上端に設けられた押下ヘッド24と、吐出ステム23を上方に向けて付勢する付勢バネ25と、を備えている。
【0018】
装着キャップ21は、有頂円筒状をなしており、円環状をなす天板部31と、円筒状をなして天板部31の外縁から垂下する外筒部32と、円筒状をなして天板部31の内縁から垂下する内筒部33と、を有する。これら外筒部32及び内筒部33は、中心軸Oを共通軸として容器本体2の口部2Aと同軸上に配置されている。
外筒部32の内周面は、容器本体2の口部2Aの外周面に凹凸嵌合されている。
【0019】
吐出シリンダ22は、上方に向かうにしたがって多段状に拡径する有底円筒状をなしており、下筒部34、上筒部35及びフランジ部36を有する。
下筒部34は、有底円筒状をなしており、下筒部34の底面には、吐出シリンダ22の内側と収容室11Aとを連通させる連通孔34Aが形成されている。
上筒部35は、内径及び外径が下筒部34よりも大径である円筒状をなしており、下筒部34の上端に連設されている。また、上筒部35の内側には、装着キャップ21の内筒部33が嵌合されている。さらに、下筒部34及び上筒部35の接続部分と内筒部33の下端との間には、円環状をなすシール部材37が介在されている。このシール部材37の外周面は、上筒部35の内周面と液密に密接されており、シール部材37の内周面は、吐出ステム23の外周面に液密に密接されている。
フランジ部36は、円環状をなしており、上筒部35の上端からこの全周にわたって径方向外方に向けて突設されている。そして、フランジ部36は、容器本体2の口部2Aの上端に係止されている。
【0020】
吐出ステム23は、上下方向に延在する有底円筒状をなしており、装着キャップ21の内筒部33の内周面に沿って上下方向に摺動可能に挿通されている。吐出ステム23の上端部は、装着キャップ21の天板部31よりも上方に突出しており、吐出ステム23の下端部には、径方向に貫通する複数の貫通孔23Aが周方向に間隔をあけて形成されている。
貫通孔23Aは、シール部材37によって閉塞されており、吐出ステム23の下降に伴って吐出シリンダ22の下筒部34の内側に向けて開放される。これにより、吐出シリンダ22の連通孔34Aと吐出シリンダ22の下筒部34の内側及び貫通孔23Aとを通って吐出ステム23の内側と内側容器11の収容室11Aとが連通される。
また、吐出ステム23の下端部の外周面には、径方向外方に向けて突出する突出部23Bが周方向に間隔をあけて複数形成されている。これら突出部23Bは、吐出ステム23の上下移動時に吐出シリンダ22の下筒部34の内周面と摺接する。
【0021】
押下ヘッド24は、吐出ステム23の上端部に装着されている。この押下ヘッド24には、吐出ステム23の内側と連通する連通路24Aが形成されており、この連通路24Aの一端は、吐出口3Aとなっている。
付勢バネ25は、上下方向に延在するコイルバネであり、吐出シリンダ22の下筒部34の底部と吐出ステム23の突出部23Bとの間に圧縮状態で介装されている。
【0022】
加圧装置4は、図3から図6に示すように、筐体41と、筐体41内に収容された装置本体42と、を備えている。
筐体41は、有底円筒状をなす下側筐体45と、有頂筒状をなす上側筐体46と、を有する。
下側筐体45の上端部の外周面には、上側筐体46を装着するための雄ネジ部が形成されている。
上側筐体46は、容器本体2の底部形状に合わせた椀状をなす天壁部47と、天壁部47の外縁から下方に延設される円筒状の周壁部48と、を有する。
天壁部47の径方向中央部には、装着開口部47Aが形成されており、この装着開口部47Aの縁部から下方に向けて円筒状の内壁部49が垂下している。
周壁部48の上方部分における内径及び外径は、下方に向かうにしたがって径方向外方に向けて漸次拡径しており、周壁部48の下端部の内周面には、下側筐体45の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部が形成されている。
【0023】
装置本体42は、図5及び図6に示すように、容器本体2が装着される装着筒51と、内側容器11と外側容器12との間の空間内の圧力を検出する検出装置(検出手段)52と、上記空間に空気を供給する供給装置(供給手段)53と、装着筒51と供給装置53とを接続する供給管54と、装着筒51と検出装置52とを接続する接続管55と、供給装置53に給電する電源(給電手段)56と、スイッチ57と、を備えている。
【0024】
装着筒51は、筐体41の内壁部49の内側に嵌合されており、有底円筒状をなす筒状部61と、供給管54が接続される第1接続部62と、接続管55が接続される第2接続部63と、を有する。
筒状部61の径方向中央部には、第1及び第2接続部62、63の内側と連通する流通路61Aが形成されており、筒状部61の内周面には、取付部材14の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部が形成されている。これにより、筒状部61に装着された容器本体2の内側容器11と外側容器12との間の空間は、流通路61Aを通って第1及び第2供給管54、55の内側と連通する。
【0025】
供給装置53は、図5に示すように、加圧ポンプ65と、加圧ポンプ65を駆動するモータ66と、を有する。
加圧ポンプ65は、供給管54を介して装着筒51の第1接続部62に接続されており、外部から取り込んだ外気を装着筒51に供給する。これにより、筒状部61に装着された容器本体2の内側容器11と外側容器12との間の空間には、供給管54、装着筒51の流通路61A及び取付部材14の導入口13Aを通って加圧ポンプ65から空気が供給される。
モータ66は、一方の電極が第1接続配線67を介してスイッチの一方の電極に接続されており、他方の電極が第2接続配線68を介して電源56の一方の電極に接続されている。
【0026】
検出装置52は、装置本体42の上段に配設されており、検出シリンダ(シリンダ)71と、検出シリンダ71内に配置された第1及び第2端子72、73と、第2端子73を第1端子72に向けて付勢する付勢部材74と、を有する。
検出シリンダ71は、有底円筒状をなしており、開口している一端部には、接続管55が接続されている。これにより、検出シリンダ71の内圧は、内側容器11と外側容器12との間の空間内の圧力と同等となる。
第1端子72は、検出シリンダ71内で固定して配設されている。また、第1端子72は、第3接続配線75を介してスイッチ57に接続されている。なお、第1端子72は、検出シリンダ71の開口を完全には閉塞していない。
【0027】
第2端子73は、検出シリンダ71内で第1端子72に向けて付勢された状態で配設されており、第1端子72に対して検出シリンダ71の長手方向に沿って離間移動可能に接触している。ここで、容器本体2の内側容器11と外側容器12との間の空間が外側容器12の導入口13A、装着筒51の流通路61A及び接続管55を介して検出シリンダ71と連通しているので、第2端子73には、上記空間内の圧力がかかる。そして、第2端子73は、検出シリンダ71の内周面に沿ってこの検出シリンダ71の長手方向に沿って摺動する摺動部76と、第1端子72に接触する接触部77と、を有する。
【0028】
摺動部76は、円柱状をなす支持部78と、支持部78に被着された気密部79と、を有する。支持部78は、例えば硬質の樹脂材料で形成されている。また、気密部79は、例えば支持部78よりも弾性を有する樹脂材料で形成されており、外周面が検出シリンダ71の内周面と気密に摺接している。
接触部77は、気密部79の頭部に被着されており、第4接続配線80を介して電源56に接続されている。
【0029】
付勢部材74は、検出シリンダ71の長手方向に沿って延在するコイルバネであり、検出シリンダ71の底部と支持部78の底面との間に圧縮状態で介装されている。
電源56は、例えば電池などで構成されている。
スイッチ57は、第1及び第3接続配線67、75の接続を切り替えており、操作部57Aが筐体41から外部に露出している。そして、スイッチ57は、吐出容器1を長時間使用しない場合などに操作される。
【0030】
次に、以上のような構成の吐出容器1による内容物の吐出方法について説明する。
まず、スイッチ57を切り替えて第1及び第3接続配線67、75を導通状態とする。このとき、容器本体2の内側容器11と外側容器12との間の空間は、外側容器12の導入口13A、装着筒51の流通路61A及び接続管55を介して検出シリンダ71と連通している。そのため、上記空間内の圧力は、接続管55を介して第2端子73にかけられる。
【0031】
第2端子73にかかる内側容器11と外側容器12との間の空間内の圧力が所定値以下である場合には、第2端子73は、付勢部材74による付勢力によって第1端子72に対して接触したままとなる。これにより、モータ66は、電源56から給電され、加圧ポンプ65を駆動する。加圧ポンプ65は、外気を供給管54を通って上記空間に供給し、供給された空気は、上記空間内の圧力を上昇させる。
【0032】
加圧ポンプ65が容器本体2の内側容器11と外側容器12との間の空間に空気を供給し続けて上記空間内の圧力が所定値を超えると、第2端子73は、付勢部材74による付勢力に抗して第1端子72から離間するように検出シリンダ71の内周面に沿って摺動する。これにより、モータ66は、電源56からの給電が停止され、加圧ポンプ65を停止する。そして、加圧ポンプ65による上記空間への空気の供給が停止する。なお、第2端子73が第1端子72から離間移動する上記所定値は、容器本体2を装着する前の状態において付勢部材74が第2端子73にかける付勢力を調整することによって調整される。
【0033】
この状態で押下ヘッド24を押し下げると、押下ヘッド24と共に吐出ステム23が下方に移動することによって付勢バネ25が圧縮される。そして、吐出ステム23を下方に移動させると、吐出ステム23の貫通孔23Aがシール部材37よりも下方に移動して径方向外方の開口が開放される。これにより、吐出ステム23の内側と吐出シリンダ22の下筒部34の内側とが連通する。
【0034】
このとき、下筒部34の内側が吐出シリンダ22の連通孔34Aを介して内側容器11の収容室11Aと連通しているので、連通孔34A、下筒部34の内側及び貫通孔23Aを介して収容室11Aと吐出ステム23の内側とが連通した状態となる。また、吐出ステム23の内側が吐出口3Aを介して外部と連通しているので、収容室11Aは、外部に連通される。
これにより、収容室11Aに収容されている内容物は、収容室11Aの内部と内側容器11及び外側容器12の間の空間内の圧力との圧力差によって、吐出シリンダ22の連通孔34Aを通って吐出シリンダ22の下筒部34内に流入し、貫通孔23Aを通って吐出ステム23内に流入する。そして、吐出ステム23内に流入した内容物は、吐出ステム23の上端開口から押下ヘッド24の連通路24Aに流入し、吐出口3Aから外部に吐出される。
【0035】
そして、押下ヘッド24の押し下げを解除すると、付勢バネ25の付勢力によって吐出ステム23が押し上げられ、貫通孔23Aがシール部材37によって閉塞される。これにより、収容室11Aが密封されて収容室11Aの内容物が吐出ステム23内に流入しなくなり、吐出口3Aからの内容物の吐出が停止する。
【0036】
収容室11Aに収容されている内容物が吐出されると、収容室11Aの内容物の減少に伴って収容室11Aの圧力が低下するため、内側容器11は、しぼみ変形する。内側容器11がしぼみ変形すると、内側容器11と外側容器12との間の空間内の圧力が低下する。上記空間内の圧力が所定圧力以下まで低下すると、第2端子73は、付勢部材74の付勢力によって再び第1端子72に向けて接近するように検出シリンダ71の内周面に沿って摺動し、第1端子72と接触する。これにより、上述と同様に、モータ66は、電源56から給電され、加圧ポンプ65を駆動し、加圧ポンプ65は、上記空間に空気を供給し、上記空間内の圧力を上昇させる。
以上のようにして、吐出容器1の内容物を吐出する。
【0037】
以上のような構成の吐出容器1によれば、加圧ポンプ65が外気を取り込んで、外側容器12の導入口13Aを通って内側容器11と外側容器12との間の空間に供給するので、加圧装置4の再使用性が向上する。
また、内側容器11がしぼみ変形することによって収容室11Aの容積を減少させるため、例えば可動壁部などを設けることがなくなり、部品点数の削減が図れる。さらに、外側容器12に導入口13Aを形成するだけで内側容器11と外側容器12との間に空気を供給できるため、容器本体2の構成が容易になる。さらに、二重容器構造の容器本体2を用いることで、酸化防止などの内容物保護効果を得ることができると共に、付け替え操作も容易になる。
【0038】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、容器本体は、取り外し可能に装着筒に取り付けられているが、内容物を消費した場合に内容物が充填されている新たな容器本体と交換されてもよい。また、容器本体を装着筒に取り外し不能に取り付けてもよい。
容器本体は、内側容器及び外側容器を有する二重容器構造となっているが、内容物の減少に伴って内容物を収容する収容室が収縮する構成であれば、容器本体の内周面に沿って摺動する可動壁部を有する構造など、他の構造であってもよい。
容器本体は、装着筒に螺着することによって装着されているが、他の構成で装着されてもよい。
吐出器は、容器本体の口部に外嵌されているが、容器本体の口部に直接的にまたは他の部材を介して間接的に取り外し可能に螺着される構造など、他の構造であってもよい。また、吐出器は、内容物を噴出させる構造であってもよい。
検出装置は、検出シリンダ内に配設された第1及び第2端子によって構成されているが、容器本体のうち収容室の外側の空間の圧力を検出できれば、他の構成であってもよい。
電源は、電池に限られない。
接続管は、装着筒に接続されているが、容器本体のうち収容室の外側の空間と連通していれば、供給管から分岐する構造など、他の構造であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
この発明によれば、再使用性を向上させた吐出容器に関して、産業上の利用可能性が認められる。
【符号の説明】
【0040】
1 吐出容器、2 容器本体、2A 口部、3 吐出器、4 加圧装置、11 内側容器、11A 収容室、12 外側容器、13A 導入口、51 装着筒(装着手段)、52 検出装置(検出手段)、53 供給装置(供給手段)、56 電源(給電手段)、71 検出シリンダ(シリンダ)、72 第1端子、73 第2端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容する収容室を有すると共に、内容物の減少に伴って前記収容室の容積を縮小させる容器本体と、
前記容器本体の口部に装着され、前記収容室内の内容物を吐出する吐出器と、
前記容器本体内のうち前記収容室の外側の空間に空気を導入して該空間内を加圧する加圧装置と、を備え、
前記容器本体には、前記空間内に空気を導入する導入口が形成されており、
前記加圧装置が、前記容器本体が装着される装着手段と、前記空間内の圧力を検出する検出手段と、前記空間に空気を供給する供給手段と、前記供給手段に給電する給電手段と、を有し、
前記検出手段が、前記空間内の圧力が所定値を超えると、前記供給手段と前記給電手段とを導通解除することを特徴とする吐出容器。
【請求項2】
前記検出手段が、前記空間と連通するシリンダと、前記シリンダ内に配置された第1端子と、前記シリンダ内で前記第1端子に向けて付勢された状態で配置されると共に前記第1端子に対して離間移動可能に接触する第2端子と、を有し、
前記第2端子が、前記空間内の圧力が前記所定値を超えると、この圧力によって前記第1端子から離間することを特徴とする請求項1に記載の吐出容器。
【請求項3】
前記容器本体が、前記内容物を収容すると共に前記内容物の減少に伴ってしぼみ変形する内側容器と、前記内側容器が内装される外側容器と、を有し、
前記導入口は、前記外側容器に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の吐出容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−116510(P2012−116510A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266843(P2010−266843)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】