説明

向上されたルーメン維持を有する石英メタルハライドランプ

本発明は、内側空間(13)を定義付ける外側密封エンベロープ(15)、及び充填空間を有する(31)、内側空間(13)において配置される発光管(30)を有する、石英メタルハライドランプ(10)に係る。化学充填は、充填空間(31)において配置される。化学充填は、ハロゲン化ナトリウム及びハロゲン化ランタノイドを有する。ハロゲン化ランタノイドは、ヨウ化ユーロピウム、臭化ユーロピウム、ヨウ化プラセオジム、臭化プラセオジム、ヨウ化イッテルビウム、臭化イッテルビウム、及びそれらの組合せを有する群から選択される。ハロゲン化ランタノイドは、化学充填の2乃至6重量パーセントである。電極(21,22)は、充填空間(31)内に部分的に配置される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に石英メタルハライドランプに係り、より特には、向上されたルーメン維持を有する石英メタルハライドランプに係る。
【背景技術】
【0002】
ナトリウム及びスカンジウム化学を有する石英メタルハライドランプは、効果的な白色光及び長い寿命を与え、工業、小売業、及び屋外照明の市場において好まれるランプとなってきている。しかしながら、かかるランプのルーメン維持は、改良が必要である。ルーメン出力は、ランプの寿命と共に低下し、より多くのランプ又はより早い交換が求められる。石英メタルハライドランプが古くなると、発光管内の高温によってタングステンは、電極から放電ベッセル又は発光管の壁上へと蒸発し、壁を黒化する。この電極の弱体化によってもたらされる高温は、石英ハライドランプにとって重要な劣化の要因である。
【0003】
石英メタルハライドランプに対するルーメン維持は、百(100)時間の稼働後のランプの光出力に対するY時間の稼働後の光出力のパーセントでの比率として定義付けられる。石英メタルハライドランプは、Y時間でX%の平均ルーメン維持に対して評定される。市販されている石英メタルハライドランプに対する典型的な寿命末期比は、定格光の60%乃至40%である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、石英メタルハライドランプに向上されたルーメン維持を与える、ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、内側空間を定義付ける外側密封エンベロープ、及び、充填空間を有する、内側空間において配置される発光管を有する、石英メタルハライドランプを与える。化学充填は、充填空間において配置される。化学充填は、ハロゲン化ナトリウム及びハロゲン化ランタノイドを有し、ハロゲン化ランタノイドは、ヨウ化ユーロピウム、臭化ユーロピウム、ヨウ化プラセオジウム、臭化プラセオジウム、ヨウ化イッテルビウム、臭化イッテルビウム、及びそれらの組合せを有する群から選択される。ハロゲン化ランタノイドは、化学充填の2乃至6重量パーセントである。電極は、充填空間内に部分的に配置される。
【0006】
本発明の第2の態様は、内側空間を定義付ける外側密封エンベロープ及び内側空間において配置される発光管を有する、石英メタルハライドランプを与える。発光管は、充填空間、及び充填空間において配置される化学充填を有する。化学充填は、水銀、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化ランタノイド、及びハロゲン化スカンジウムを有する。開始希ガス(start−up rare gas)は、充填空間において配置され、電極は、開始希ガスと接触して発光管において位置付けられる。ハロゲン化ランタノイドは、ヨウ化セリウム、臭化セリウム、ヨウ化ユーロピウム、臭化ユーロピウム、ヨウ化プラセオジウム、臭化プラセオジウム、ヨウ化イッテルビウム、臭化イッテルビウム、及びその組合せを有する群から選択される。ハロゲン化ナトリウムは、化学充填の77重量パーセントより大きい。
【0007】
本発明の第3の態様は、内側空間を定義付ける外側密封エンベロープ及び内側空間において配置される発光管を有する、石英メタルハライドランプを与える。発光管は、化学充填を有する充填空間、及び充填空間において配置される化学充填を有する。化学充填は、水銀、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化ランタノイド、ハロゲン化インジウム、ハロゲン化タリウムを有する。ハロゲン化ランタノイドは、ヨウ化セリウム、臭化セリウム、ヨウ化ユーロピウム、臭化ユーロピウム、ヨウ化プラセオジム、臭化プラセオジム、ヨウ化イッテルビウム、臭化イッテルビウム、それらの組合せを有する群から選択される。ハロゲン化ランタノイドは、化学充填の2乃至6重量パーセントである、
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の前述の及び他の形式、特性、及び利点は、添付の図面を参照する以下の現在望ましい実施例の詳細な説明から更に明らかとなる。詳細な説明及び図面は、本発明の単なる例証であり、制限的なものではなく、本発明の範囲は、添付の請求項及び同等のものによって定義付けられる。
【0009】
図1は、本発明に従った石英メタルハライドランプの前面図である。石英メタルハライドランプ10は、内側空間13を定義付ける外側密封エンベロープ15を有し、放電ベッセル又は発光管30は、内側空間13において配置され、充填空間31を有する。発光管30は、充填空間31を封入するシリンダである。化学充填は、発光管30の充填空間31において配置され、電極21及び22は、閉じられた発光管30の対向する端部において充填空間31内に部分的に配置される。電極21及び電極22は、所定のギャップDを有する発光管30の閉鎖端部によって適所に保持され、発光管30内にアークを生成するよう動作可能である。
【0010】
化学充填は、発光管30の充填空間31へと置かれ、開始希ガスは、化学充填によって占められていない充填空間31を充填する。電極21及び電極22が所定のギャップDを有して適所に保持され、発光管30の端部は、充填空間31内の開始希ガス及び化学充填を封入するよう密封される。
【0011】
電極21は、電流リードスルー(current lead−through)35及び36に対して接続される。補助開始プローブ37及びスイッチ38は、ランプの開始を促進するよう与えられる。2つのゲッタ40及び41は、外側密封エンベロープ15内でガス混入物を吸収する。発光管30は、金属ストラップ42及び43を有してフレーム上に取り付けられる。電流コンダクタ45は、コンダクタ20を介して電流リードスルー33及び34に対して接続される。ワイヤ23,電流コンダクタ24,45,46及び47、ステム48、並びに発光管30は、外側密封エンベロープ15において収容され、発光管30を内側空間13において位置決めするよう構造を与える。一実施例では、真空は、発光管30と外側密封エンベロープ15との間の内側空間13において存在する。他の実施例では、大気圧範囲0.1乃至0.7におけるニトロゲンは、発光管30と外側密封エンベロープ15との間の内側空間13において存在する。電流コンダクタ46及び47は、ランプキャップ16に対して接続される。電流コンダクタ47は、キャップシェル17に対して接続され、コンダクタ46は、キャップアイレット18に対して接続される。
【0012】
交流(AC)は、ランプキャップ16に対して供給され、電極21,22に対して流れ、電極21,22間でアークを生成する。電極21,22間のアークは、開始希ガスの原子及び分子をイオン化し、化学充填は蒸発して放射性となる。故に、石英メタルハライドランプ10は、電流が発光管30内でアークを生成する際、光を作る。
【0013】
典型的には、発光管30は、溶融石英を有して作られ、電極21,22は、タングステンを有して作られる。一実施例では、電極21及び電極22は、トリウムがタングステン電極において有されるトリエーテッドタングステンから作られる。一実施例では、外側密封エンベロープ15は、多種のガラス材料を有して作られる。一実施例では、石英メタルハライドランプ10の定格出力は、25ワットより大きいか同等、あるいは、2000ワットより小さいか同等である。
【0014】
図示される構造は、典型的なものであり、本発明の範囲を制限するよう意図されない。本発明の利点及び有利点は、化学充填が以下に説明される通り発光管30内で封入される際、いかなる石英メタルハライドランプ10の構造に対しても達成され得る。
【0015】
発光管30において配置される化学充填は、化学充填の2重量%乃至6重量%の重量パーセントを有する少なくとも1つのハロゲン化ランタノイド、及び少なくとも1つのハロゲン化ナトリウムを有する。水銀は、化学充填において有される。開始希ガスはまた、発光管30において配置される。開始希ガスは、Ar,Xe,Ne,及びKrの群から選択され得る。
【0016】
一実施例では、発光管30において配置される化学充填は、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化スカンジウム、ハロゲン化インジウム、ハロゲン化タリウム、及びその組合せと組み合わせて、化学充填の2重量%乃至6重量%の重量パーセントを有するハロゲン化ランタノイドを少なくとも1つ有する。一実施例では、ハロゲン化ランタノイドは、ヨウ化セリウム(CeI)及び臭化セリウム(CeBr)、ヨウ化ユーロピウム(EuI)、臭化ユーロピウム(EuBr)、ヨウ化プラセオジウム(PrI)、臭化プラセオジウム(PrBr)、ヨウ化イッテルビウム(YbI)、臭化イッテルビウム(YbBr)、及びその組合せを有する群から選択される。一実施例では、ハロゲン化ランタノイドは、3wt%乃至5wt%の重量パーセントを有する。
【0017】
ハロゲン化ランタノイドは、電極21,22の温度を低減させる。仕事関数は、エネルギの大きさを有する量(a quantity with dimensions of energy)であり、所定の温度における固体の熱電子放出を確定する。セリウム、ユーロピウム、イッテルビウム、及びプラセオジウムの仕事関数は低く、電極21,22の温度を低減する。これは結果として、電極21,22からのタングステンの蒸発の低減、及び壁の黒化の低減をもたらし、ルーメン維持を向上させる。セリウム、ユーロピウム、イッテルビウム、及びプラセオジウムの仕事関数は、夫々、2.7eV,2.54eV,2.59eV、及び2.8eV,である。
【0018】
電極21,22がトリエーテッドタングステン電極である実施例に対して、化学充填は、ヨウ化トリウム(ThI)を更に有し得る。一実施例では、該ThIは、化学充填の1wt%乃至4wt%の重量パーセントを有する。他の実施例では、ThIは、2wt%乃至3wt%の重量パーセントを有する。
【0019】
長周期寿命試験は、NaI−ScIと混合されるCeIを有する化学充填を有するトリエーテッドタングステン電極を有する石英メタルハライドランプのルーメン維持要因を評価するよう、実行される。試験ランプ1は、2%のトリエーテッドタングステン電極、及びNaI−ScIと混合される3wt%のCeIの化学充填を有する。モルパーセントでは、試験ランプ1は、93.8モル%のNaI、5.0モル%のScI、及び1.2モル%のCeIを有した。試験ランプ2は、1%のトリエーテッドタングステン電極、及び、NaI−ScIと混合される2.4wt%のCeIを有する化学充填を有した。モルパーセントでは、試験ランプ2は、95.7モル%のNaI、3.5モル%のScI、及び0.8モル%のCeIを有した。表1は、試験ランプ及び基準ランプに対する化学充填の詳細を示す。CeIが化学充填において有された石英メタルハライド試験ランプはまた、化学充填に対して加えられる少量のスカンジウムを有した。十分な水銀量は、開始希ガスがイオン化される後、発光管30内でアークを維持するよう、化学充填に対して加えられる。試験ランプ及び基準ランプは全て、アルゴン開始希ガスを有した。
【0020】
【表1】

【0021】
試験ランプ及び基準ランプは、図1中に示される構造であった。全てのランプは、一定ワット量自動変圧器バラスト上の垂直方向ベースアップ位置において古くされた。光出力は、多種の試験間隔において光度計を有して測定された。光度計は、相関性がある色温度、ルーメン/ワットにおける有効性、及び、石英メタルハライド試験ランプ及び基準ランプの光出力に関連付けられる他のパラメータを与えた。
【0022】
図2は、従来の石英メタルハライドランプに対する本発明の第1の実施例の石英メタルハライドランプの平均ルーメン維持における変化のグラフである。図2中に示される通り、NaI−ScI及び3wt%のCeIを有する試験1の4つのランプ(表1中の横列1)は、基準1のランプ(表1中の横列2)より平均ルーメン維持を有した。3500時間の作動後、NaI−ScI及び3wt%のCeIを有する試験1のランプは、82.4wt%のルーメン維持を有した。これは、3500時間における基準1のランプの68.4%のルーメン維持より14%高かった。NaI−ScI及び3wt%のCeIを有する試験1のランプは、基準1のランプより短いグローからアークまでの100時間作動後の遷移計測を有した。100時間での光出力の色特性及び光出力は、試験1のランプ及び基準1のランプに対してと同様であった。時間と共におきるランプ電圧の上昇及び色のシフトは、試験1のランプ及び基準1のランプに対してと同様であった。
【0023】
図3は、従来の石英メタルハライドランプに対する本発明の第2の実施例の石英メタルハライドランプの平均ルーメン維持における変化のグラフである。図3中に示される通り、NaI−ScI及び2.4wt%のCeIを有する試験2の5つのランプ(表1中の横列3)は、基準2のランプ(表1中の横列4)より高い平均ルーメン維持を有した。3500時間の作動後、NaI−ScI及び2.4wt%のCeIを有する試験2のランプは、78.2のルーメン維持を有した。これは、3500時間における基準2のランプの65.4%のルーメン維持より12.8%高かった。NaI−ScI及び2.4wt%のCeIを有する試験2のランプは、基準2のランプより短いグローからアークまでの100時間作動後の遷移計測を有した。100時間での光出力の色特性及び光出力は、試験2のランプ及び基準2のランプに対してと同様であった。時間と共に起きるランプ電圧の上昇及び色のシフトは、試験2のランプ及び基準2のランプに対してと同様であった。
【0024】
かかる実験は、石英メタルハライドランプ10のルーメン維持が、化学充填において2wt%乃至6wt%のCeIを有することによって向上された。当業者は、トリエーテッド及び非トリエーテッドタングステン電極21,22のいずれに対しても、ルーメン維持における同様の向上が以下に説明される化学充填の実施例を有して得られ得る、ことを十分理解する。以下に説明される実施例では、ハロゲン化されたナトリウム、ランタノイド、スカンジウム、リチウム、インジウム、及びタリウムは、化学基内の化合物及び要素の多種の組合せにおいて使用され得る。
【0025】
一実施例では、トリエーテッドタングステン電極21,22を有する石英メタルハライドランプ10のルーメン維持は、ハロゲン化ナトリウムが化学充填の75%より大きいNaI−ScIの化学充填において2wt%乃至6wt%のCeIを含有することで、向上される。ハロゲン化ナトリウムが化学充填の75%より大きいNaI−ScIの化学充填において2wt%乃至6wt%のCeIを加えることはまた、非トリエーテッドタングステン電極21,22を有する石英メタルハライドランプ10のルーメン維持も向上する。他の実施例では、2wt%乃至6wt%のCeIは、CeI、EuI、EuBr、PrI、PrBr、YbI、及び/又はYbBrのうち1つ又はそれ以上と置き換えられる。
【0026】
一実施例では、化学充填は、ハロゲン化ナトリウム及びハロゲン化ランタノイドを有する。ハロゲン化ランタノイドは、EuI、EuBr、PrI、PrBr、YbI、及び/又はYbBrのうち1つ又はそれ以上であり、化学充填の2wt%乃至6wt%である。他の実施例では、化学充填は、ハロゲン化ナトリウム及びハロゲン化ランタノイドを有する。ハロゲン化ランタノイドは、EuI、EuBr、PrI、PrBr、YbI、及び/又はYbBrのうち1つ又はそれ以上であり、化学充填の3wt%乃至5wt%である。
【0027】
一実施例では、化学充填は、ハロゲン化ナトリウム、及びCeI、EuI、EuBr、PrI、PrBr、YbI、及び/又はYbBrのうち1つ又はそれ以上を有するハロゲン化ランタノイドを有する。ハロゲン化ランタノイドは、化学充填の2wt%乃至5.4wt%である。一実施例では、化学充填は、ハロゲン化ナトリウム、及びCeBr、EuI、EuBr、PrI、PrBr、YbI、及び/又はYbBrのうち1つ又はそれ以上を有するハロゲン化ランタノイドを有する。ハロゲン化ランタノイドは、化学充填の2wt%乃至4wt%である。他の実施例では、化学充填は、ハロゲン化ナトリウム、及びCeBr、EuI、EuBr、PrI、PrBr、YbI、及び/又はYbBrのうち1つ又はそれ以上を有するハロゲン化ランタノイドを有する。ハロゲン化ランタノイドは、化学充填の2wt%乃至6wt%であり、ハロゲン化ナトリウムは、化学充填の77wt%より大きい。
【0028】
一実施例では、2wt%乃至6wt%の1つ又はそれ以上のEuI、EuBr、PrI、PrBr、YbI、及び/又はYbBrは、ハロゲン化ナトリウム及びハロゲン化スカンジウムを有する化学充填に対して加えられる。他の実施例では、2wt%乃至6wt%の1つ又はそれ以上のEuI、EuBr、PrI、PrBr、YbI、及び/又はYbBrは、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化スカンジウム、及びハロゲン化リチウムを有する化学充填に対して加えられる。更に他の実施例では、化学充填は、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化スカンジウム、及びハロゲン化リチウムを有する(NaI−ScI−LiI)。
【0029】
一実施例では、2wt%乃至6wt%の1つ又はそれ以上のEuI、EuBr、PrI、PrBr、YbI、及び/又はYbBrは、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化インジウム、及びハロゲン化タリウムを有する化学充填に対して加えられる。
【0030】
一実施例では、化学充填は、化学充填の77wt%より大きいハロゲン化ナトリウム、並びに、水銀、ハロゲン化スカンジウム、及びCeI、CeBr、EuI、EuBr、PrI、PrBr、YbI、及び/又はYbBrのうち1つ又はそれ以上を有する。一実施例では、化学充填は、化学充填の77wt%より大きいハロゲン化ナトリウム、並びに、水銀、ハロゲン化スカンジウム、及びCeI、CeBr、EuI、EuBr、PrI、PrBr、YbI、及び/又はYbBrのうち1つ又はそれ以上を有する。
【0031】
一実施例では、化学充填は、水銀、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化インジウム、及びハロゲン化タリウム、並びに、CeI、CeBr、EuI、EuBr、PrI、PrBr、YbI、及びYbBrから選択された1つ又はそれ以上のハロゲン化ランタノイドを有する。この実施例では、ハロゲン化ランタノイドは、化学充填の2乃至6wt%である。一実施例では、化学充填は、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化インジウム、及びハロゲン化タリウム(NaI−InI−TlI)を有する。
【0032】
一実施例では、3wt%乃至5wt%の1つ又はそれ以上のCeI、CeBr、EuI、EuBr、PrI、PrBr、YbI、及び/又はYbBrは、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化インジウム、及びハロゲン化タリウムを有する化学充填に対して加えられる。
【0033】
当業者は、追加的な要素及び化合物が所望の結果をもたらすよう化学充填に対して加えられ得る、ことを十分理解する。1wt%乃至4wt%のThIは、数千時間であるランプの作動寿命にわたって十分なトリウムがあることを確実にするよう、上述された化学充填のいずれかに対して加えられ得る。一実施例では、1wt%乃至4wt%のThIは、電極21,22がトリエーテッドタングステン電極である場合にのみ、上述された化学充填に対して加えられる。水銀はまた、石英メタルハライドランプ10の開始を支援するよう上述された化学充填に対して加えられ得る。
【0034】
本願中に示された本発明の実施例は、現時点では望ましいと考えられるが、多種の変更及び修正は、本発明の趣旨及び範囲を逸脱せずに行われ得る。本発明の範囲は、添付の請求項において示され、同等の意味及び範囲内にある全ての変更は、該請求項中に含有されると意図される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に従って作られた石英メタルハライドランプの前面図である。
【図2】従来の石英メタルハライドランプに対する本発明の第1の実施例の石英メタルハライドランプの平均的なルーメン維持における変化のグラフである。
【図3】従来の石英メタルハライドランプに対する本発明の第2の実施例の石英メタルハライドランプの平均的ルーメン維持における変化のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石英メタルハライドランプであって:
内側空間を定義付ける外側密封エンベロープと;
充填空間を有する、前記内側空間において配置される発光管と;
ハロゲン化ナトリウムとハロゲン化ランタノイドとを有する、前記充填空間において配置される化学充填と;
前記充填空間内に部分的に配置される電極と;
を有し、
前記ハロゲン化ランタノイドは、ヨウ化ユーロピウムと、臭化ユーロピウムと、ヨウ化プラセオジムと、臭化プラセオジムと、ヨウ化イッテルビウムと、臭化イッテルビウムと、それらの組合せとを有する群から選択され、
前記ハロゲン化ランタノイドは、前記化学充填の2乃至6重量パーセントである、
石英メタルハライドランプ。
【請求項2】
ヨウ化セリウムは、前記ハロゲン化ランタノイドの群の1つであり、
前記ハロゲン化ランタノイドは、前記化学充填の2乃至5.4重量パーセントである、
請求項1記載の石英メタルハライドランプ。
【請求項3】
ヨウ化セリウムは、前記ハロゲン化ランタノイドの群の1つであり、
前記ハロゲン化ランタノイドは、前記化学充填の2乃至6重量パーセントであり、前記ハロゲン化ナトリウムは、前記化学充填の75重量パーセントより大きい、
請求項1記載の石英メタルハライドランプ。
【請求項4】
臭化セリウムは、前記ハロゲン化ランタノイドの群の1つであり、
前記ハロゲン化ランタノイドは、前記化学充填の2乃至4.0重量パーセントである、
請求項1記載の石英メタルハライドランプ。
【請求項5】
臭化セリウムは、前記ハロゲン化ランタノイドの群の1つであり、
前記ハロゲン化ランタノイドは、前記化学充填の2乃至6重量パーセントであり、前記ハロゲン化ナトリウムは、前記化学充填の77重量パーセントより大きい、
請求項1記載の石英メタルハライドランプ。
【請求項6】
前記化学充填は更に、ハロゲン化スカンジウムを有する、
請求項1記載の石英メタルハライドランプ。
【請求項7】
前記化学充填は更に、ハロゲン化スカンジウムとハロゲン化リチウムとを有する、
請求項1記載の石英メタルハライドランプ。
【請求項8】
前記化学充填は更に、ハロゲン化インジウムとハロゲン化タリウムとを有する、
請求項1記載の石英メタルハライドランプ。
【請求項9】
前記電極は、トリエーテッドタングステン電極であり、前記化学充填は更に、ヨウ化トリウムを有する、
請求項1記載の石英メタルハライドランプ。
【請求項10】
前記ヨウ化トリウムは、前記化学充填の1乃至4重量パーセントである、
請求項9記載の石英メタルハライドランプ。
【請求項11】
前記化学充填は更に、水銀を有する、
請求項1記載の石英メタルハライドランプ。
【請求項12】
前記電極と接触して前記充填空間内に配置される開始希ガス、を更に有する、
請求項1記載の石英メタルハライドランプ。
【請求項13】
前記開始希ガスは、Ar,Xe,Ne,及びKrを有する群から選択される、
請求項12記載の石英メタルハライドランプ。
【請求項14】
前記ハロゲン化ランタノイドは、前記化学充填の3乃至5重量パーセントである、
請求項1記載の石英メタルハライドランプ。
【請求項15】
前記石英メタルハライドランプの定格出力は、25ワットより大きいか同等であり、2000ワットより小さいか同等である、
請求項1記載の石英メタルハライドランプ。
【請求項16】
石英メタルハライドランプであって:
内側空間を定義付ける外側密封エンベロープと;
充填空間を有する、前記内側空間において配置される発光管と;
水銀と、ハロゲン化ナトリウムと、ハロゲン化ランタノイドと、ハロゲン化スカンジウムとを有する、前記充填空間において配置される化学充填と;
前記充填空間において配置される開始希ガスと;
前記開始希ガスと直接接触する前記発光管において位置付けられる電極と;
を有し、
前記ハロゲン化ランタノイドは、ヨウ化セリウムと、臭化セリウムと、ヨウ化ユーロピウムと、臭化ユーロピウムと、ヨウ化プラセオジムと、臭化プラセオジムと、ヨウ化イッテルビウムと、臭化イッテルビウムと、それらの組合せとを有する群から選択され、
前記ハロゲン化ナトリウムは、前記化学充填の77重量パーセントより大きい、
石英メタルハライドランプ。
【請求項17】
前記化学充填は更に、ハロゲン化リチウムを有する、
請求項16記載の石英メタルハライドランプ。
【請求項18】
前記電極は、トリエーテッドタングステン電極であり、前記化学充填は更に、ヨウ化トリウムを有する、
請求項16記載の石英メタルハライドランプ。
【請求項19】
前記ヨウ化トリウムは、前記化学充填の1乃至4重量パーセントである、
請求項18記載の石英メタルハライドランプ。
【請求項20】
石英メタルハライドランプであって:
内側空間を定義付ける外側密封エンベロープと;
充填空間を有する、前記内側空間において配置される発光管と;
水銀と、ハロゲン化ナトリウムと、ハロゲン化ランタノイドと、ハロゲン化インジウムと、ハロゲン化タリウムとを有する、前記充填空間において配置される化学充填と;
前記充填空間において配置される開始希ガスと;
前記開始希ガスと直接接触する前記発光管において位置付けられる電極と;
を有し、
前記ハロゲン化ランタノイドは、ヨウ化セリウムと、臭化セリウムと、ヨウ化ユーロピウムと、臭化ユーロピウムと、ヨウ化プラセオジムと、臭化プラセオジムと、ヨウ化イッテルビウムと、臭化イッテルビウムと、それらの組合せとを有する群から選択され、
前記ハロゲン化ランタノイドは、前記化学充填の2乃至6重量パーセントである、
石英メタルハライドランプ。
【請求項21】
前記電極は、トリエーテッドタングステン電極であり、前記化学充填は更に、ヨウ化トリウムを有する、
請求項20記載の石英メタルハライドランプ。
【請求項22】
前記ヨウ化トリウムは、前記化学充填の1乃至4重量パーセントである、
請求項21記載の石英メタルハライドランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−519412(P2008−519412A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539682(P2007−539682)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【国際出願番号】PCT/IB2005/053577
【国際公開番号】WO2006/048830
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】