説明

含水系潤滑油組成物

【課題】含水系潤滑油の長期の使用に亘り、そのメンテナンスを軽減することを可能とする、pH変化の少ない、又は動粘度の低下の少ない優れた性状安定性を有する含水系潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムから選ばれる1種以上の水酸化アルカリ化合物、及び1質量%水溶液の25℃でのpHが10.5〜13であるアルカリ性化合物を含んでなる、25℃でのpHが8〜12である含水系潤滑油組成物にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長期に亘り良好な性状安定性を示す含水系潤滑油組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
油圧装置は産業界に広く取り入れられ、生産性の向上に貢献している。これらの油圧装置には油圧作動油が動力伝達媒体として使用されているが、高温の熱源付近や電気スパークが生じる機器の近くなどでは、防災への配慮から水−グリコール系作動液を始めとした各種の含水系作動油が用いられている。
作動液には、熱やせん断に対して液性状の変化が少なく、長期に亘り性状を適正な範囲に保ち、その性能を維持し続けることが望まれている。
水−グリコール系作動液は優れた性能を有するが、その性能を維持するために濃縮液の補充等により、液のpH、動粘度や予備アルカリ度(JIS K2234)等の液の性状を管理しながら使用することが一般的である。このため、水−グリコール系作動液の使用においては、そのメンテナンス・性能維持に手間、コストがかかることが課題とされ、液の長寿命化による労力の低減が求められている。
【0003】
含水系潤滑油の性能向上技術としては、例えば、特定構造のポリオキシアルキレングリコールジエーテル化合物、特定構造のポリオキシアルキレングリコールモノエーテル化合物、特定構造のポリオキシプロピレングリコールモノエーテル化合物及び特定構造の脂肪酸塩を含有する含水系作動液組成物(特許文献1参照)、グリセロールボレートと塩基との中和生成物を含有する水−グリコール系難燃性作動液(特許文献2参照)、特定構造の水溶性ポリエーテルを含有する水−グリコール系難燃性作動液(特許文献3参照)などが挙げられるが、これらの発明は潤滑性や耐摩耗性能等の持続に主眼がおかれたものである。
【0004】
【特許文献1】特許第3233490号公報
【特許文献2】特許第2646308号公報
【特許文献3】特開平7−23391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の状況に鑑みてなされたものであり、含水系潤滑油の長期の使用に亘り、そのメンテナンスを軽減することを可能とする、pH変化の少ない、又は動粘度の低下の少ない優れた性状安定性を有する含水系潤滑油組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムから選ばれる1種以上の水酸化アルカリ化合物、及び1質量%水溶液の25℃でのpHが10.5〜13であるアルカリ性化合物を配合し、含水系潤滑油組成物の25℃でのpHを特定の範囲にすることにより、含水系潤滑油組成物の性状安定性が向上することを見出し、本発明による長寿命の含水系潤滑油組成物を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムから選ばれる1種以上の水酸化アルカリ化合物、及び1質量%水溶液の25℃でのpHが10.5〜13であるアルカリ性化合物を含んで成る、25℃でのpHが8〜12であることを特徴とする含水系潤滑油組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記含水系潤滑油組成物において、含水系潤滑油組成物の25℃でのpHが9.5〜11の範囲である含水系潤滑油組成物を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、上記含水系潤滑油組成物において、アルカリ性化合物の1質量%水溶液の25℃でのpHが11〜12である含水系潤滑油組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記含水系潤滑油組成物において、アルカリ性化合物が、アルカノールアミン類、アルキルアミン類又はアルキルオキシアルキルアミン類である含水系潤滑油組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記含水系潤滑油組成物において、さらに、水溶性ポリオキシアルキレンポリオールを含む含水系潤滑油組成物を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、上記含水系潤滑油組成物において、水溶性ポリオキシアルキレンポリオールが、エチレンオキサイド単独重合体、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、又は多価アルコールにエチレンオキサイド単独重合体、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体もしくはエチレンオキサイドと他のアルキレンオキサイドとの共重合体を付加して得られる化合物である含水系潤滑油組成物を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、上記含水系潤滑油組成物において、水溶性ポリオキシアルキレンポリオールが、エチレンオキサイド単独重合体又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダムもしくはブロック共重合体である含水系潤滑油組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記含水系潤滑油組成物において、アルカリ性化合物の含有量が0.03〜2.0質量%である含水系潤滑油組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記含水系潤滑油組成物において、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムから選ばれる1種以上の水酸化アルカリ化合物の含有量が0.05〜0.5質量%である含水系潤滑油組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の含水系潤滑油組成物は、pH変化の少ない、又は動粘度の低下の少ない、性状安定性に優れ、長期の使用に亘りそのメンテナンスを軽減することができる。なお、含水系潤滑油組成物として、前記の水グリコール系作動液以外に、W/Oエマルション型およびO/Wエマルション型作動液、圧延油、鍛造油、引抜き油、切削油などにも同様の効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の含水系潤滑油組成物には、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムから選ばれる1種以上の水酸化アルカリ化合物が含まれる。
この水酸化アルカリ化合物は、水酸化カリウム単独であってもよいし、水酸化ナトリウム単独であってもよいし、又は両者を併用してもよいが、水酸化カリウムが好ましい。
【0013】
水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムから選ばれる1種以上の水酸化アルカリ化合物の含有量は、含水系潤滑油組成物のpHが8〜12になる範囲であれば、特に制限されないが、含水系潤滑油組成物全量に対して通常は0.05〜0.5質量%が好ましく、0.07〜0.25質量%が特に好ましい。この水酸化アルカリ化合物の含有量が少ない場合には、発明の効果が充分に発揮され難いことがあり、この水酸化アルカリ化合物の含有量が多い場合には含水系潤滑油組成物のpHが高くなり、含水系潤滑油組成物の耐摩耗性、金属腐食性等に悪影響を与える可能性がある。
【0014】
本発明の含水系潤滑油組成物における他の必須成分であるアルカリ性化合物は、1質量%水溶液の25℃にした時のpHが10.5〜13であればよく、好ましくは11〜12である。
1質量%水溶液の25℃でのpHが10.5〜13であるアルカリ性化合物の具体例としては、例えばモノエタノールアミン(1質量%水溶液の25℃でのpH=11.4)、ジエタノールアミン(同10.9)、ジイソプロパノールアミン(同11.3)、N,N−ジメチルエタールアミン(同10.8)、N,N−ジエチルエタノールアミン(同11.4)、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン(同11.3)、N−メチルエタノールアミン(同11.5)、3−アミノ−1−プロパノール(同11.6)、1−アミノ−2−プロパノール(同11.4)、2−アミノ−2−メチル−1プロパノール(同11.3)、N−エチルエタノールアミン(同11.6)、N−エチルジエタノールアミン(同10.9)、N−n−ブチルエタノールアミン(同11.5)などのアルカノールアミン類;ジメチルアミノプロピルアミン(同11.7)などのアルキルアミン類;3−メトキシプロピルアミン(同11.6)、3−エトキシプロピルアミン(同11.6)、3−ブトキシプロピルアミン(同11.5)などのアルキルオキシアルキルアミン類;モルホリン(同10.8);ピペラジン(同11.2)、ヒドロキシピペラジン(同11.0)、2−メチルピペラジン(同11.5)などのピペラジン類などが挙げられる。
【0015】
これらのうち、アルカノールアミン類、アルキルアミン類、アルキルオキシアルキルアミン類などが好ましく、アルカノールアミン類がより好ましい。また、アルカノールアミン類のうち、モノアルカノールアミンがさらに好ましく、窒素原子にアルキル基の置換基を有しないモノアルカノールアミンが特に好ましい。
このアルカリ性化合物の含有量は、含水系潤滑油組成物のpHが8〜12になる範囲であれば特に制限ないが、含水系潤滑油組成物全量に対して好ましくは0.03〜2.0質量%であり、さらに好ましくは0.05〜1.0質量%であり、特に好ましくは0.2〜0.9質量%である。アルカリ性化合物の含有量が少ない場合には、充分な効果を得ることができないことがあり、またアルカリ性化合物の含有量が多い場合には含有量に見合う効果が得難い。
【0016】
本発明の含水系潤滑油組成物は、種々の含水系潤滑油に適用できるが、水−グリコール系作動液に好適に適用できる。
水−グリコール系作動液等の含水系潤滑油は液中に水分を含む。水の含有量は、30〜50質量%が好ましい。水−グリコール系作動液に含まれるグリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジヘキシレングリコールなどのグリコール類およびこれらグリコール類のモノアルキルエーテルが挙げられる。これらのグリコール類は1種単独で用いても良いし、2種以上を混合使用してもよい。通常はプロピレングリコール又はジプロピレングリコールを用いることが好ましい。グリコール類の含有量は、20〜60質量%が好ましく、特に好ましくは25〜50質量%である。
【0017】
本発明の含水系潤滑油組成物においては、通常含水系潤滑油に用いられる成分として増粘剤、潤滑剤、金属不活性化剤、液相あるいは気相防錆剤、pH調整剤、消泡剤、着色剤、及びその他任意の添加剤を必要に応じて適宜配合することができる。
本発明の含水系潤滑油組成物においては、組成物の粘度を調整するために増粘剤を配合することが好ましい。含水系潤滑油組成物の40℃動粘度は19.8〜74.8mm/secであることが好ましく、28.8〜50.6mm/secであることが特に好ましい。
【0018】
増粘剤としては、水溶性のポリオキシアルキレンポリオールまたはそのアルキルエーテル誘導体などの水溶性ポリオキシアルキレンポリオール類を使用することができる。
水溶性のポリオキシアルキレンポリオール類の具体例としては、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレントリオール、ポリオキシアルキレングリコールモノエーテル、ポリオキシアルキレングリコールジエーテル等が挙げられる。
より具体的には、水溶性のエチレンオキサイド(以下、EOということがある。)単独重合体、EOとプロピレンオキサイド(以下、POということがある。)の共重合体、多価アルコールにEO単独重合体、EOとPOとの共重合体又はEOと他のアルキレンオキサイド(例えば1,2−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、及び/又はα−オレフィンオキサイドなど)との共重合体を付加して得られる化合物、もしくはそれらのアルキルエーテル誘導体が挙げられる。
【0019】
このアルキルエーテル誘導体中のアルキルエーテル基におけるアルキル基の炭素数は、1〜4が好ましく、1〜3が特に好ましい。また、上記の多価アルコールに付加する重合体としては、EOとPOとの共重合体が好ましい。
EOとPOとの共重合体、EOと他のアルキレンオキサイドの共重合体、又は多価アルコールに付加する重合体としてEOとPOとの共重合体若しくはEOと他のアルキレンオキサイドとの共重合体を用いる場合には、EO/POのモル比又はEO/他のアルキレンオキサイドのモル比が25/75〜80/20であることが望ましい。EOのモル比が少な過ぎると含水系潤滑油組成物への溶解性が不足する場合がある。また、EOとPOとの共重合体、EOと他のアルキレンオキサイド共重合体の付加様式は、ランダム付加であってもブロック付加であってもよい。
これらのうち、EO単独重合体、EOとPOとの共重合体が好ましい。
【0020】
水溶性のポリオキシアルキレンポリオール類の重量平均分子量は3,000〜20,000の範囲が好ましく、5,000〜18,000の範囲がより好ましい。重量平均分子量が3,000より低い場合には、本来の目的である増粘効果が小さく配合量を増やす必要が生じる恐れがあることから、相対的にグリコール類の配合比が少なくなり、系の溶解性が変わるため好ましくない。また、重量平均分子量が20,000を超えると、増粘剤の熱やせん断に対する安定性が損なわれる恐れがあり、また増粘剤が分解した際の性状変化が大きくなることから好ましくない。
増粘剤の含有量は、含水系潤滑油組成物全量に対して5〜40質量%が好ましく、特に好ましくは10〜30質量%である。
【0021】
潤滑剤としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸、芳香族脂肪酸、ダイマー酸などが挙げられる。これらの脂肪酸は1種単独で用いても良いし、2種以上を混合使用してもよい。
潤滑剤の含有量は、含水系潤滑油組成物全量に対して0.5〜2質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.5質量%である。
【0022】
金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾールおよびそれらのアルカリ金属塩又はアミン塩などのベンゾトリアゾール系化合物、メルカプトベンゾチアゾールおよびそのアルカリ金属塩などが挙げられる。これらの金属不活性化剤は1種単独で用いても良いし、2種以上を混合使用しても良い。金属不活性化剤の含有量は、含水系潤滑油組成物全量に対して0.001〜1.0質量%が好ましく、特に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
【0023】
本発明における必須成分である1質量%水溶液の25℃でのpHが10.5〜13であるアルカリ性化合物は、それ自体が気相および液相防錆性を備えるものもあるが、必要に応じてさらに液相あるいは気相防錆剤として、メチルモルホリン、エチルモルホリン等のアルキルモルホリン類やトリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等の有機アミン類、カルボン酸アルカリ金属塩等を含有させることが可能である。これらの液相あるいは気相防錆剤は1種単独で用いても良いし、2種以上を混合使用してもよい。気相あるいは液相防錆剤の含有量は、1質量%水溶液の25℃でのpHが10.5〜13であるアルカリ性化合物を含めた配合量として、含水系潤滑油組成物全量に対して好ましくは0.03〜2.0質量%であり、さらに好ましくは0.05〜1.0質量%である。
【0024】
pH調整剤としては、1質量%水溶液の25℃でのpHが10.5〜13であるアルカリ性化合物及び水酸化カリウム、水酸化ナトリウムに加え、上記の気相防錆剤および液相防錆剤、またはそれ以外から選ばれるアルカリ成分などが挙げられる。
本発明の含水系潤滑油組成物の25℃でのpHは、8〜12の範囲であり、好ましくは9.5〜11の範囲である。pHが低すぎると液中に存在する潤滑剤の溶解性が不足し、スラッジ化する恐れがある。また、pHが高すぎると含水系潤滑油組成物の耐摩耗性能の低下を生じる場合がある。
消泡剤としては、シリコーン化合物の乳化物などが、着色剤としてはアルコール系着色剤、金属系着色剤などが挙げられる。
【実施例】
【0025】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明をする。なお、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
(作動液の評価)
実施例及び比較例の作動液の性状安定性について、油圧ポンプ(油研工業社製PV−2R1‐25)を用いて下記条件により寿命の評価を行った。試験液のpHの変化および40℃動粘度の変化により優劣を判断するものとし、変化量が少ないほど作動液の性状安定性が優れる。
設定圧力:23.5MPa、
試験温度:60℃、
試験時間:500Hr、
油量:30L。
【0026】
(実施例1〜8)
表1に示された成分を、表1に示された配合量で25℃でのpHが10.0、40℃動粘度が48mm/secになる様に混合して作動液を調製した。その調製された作動液を用いて上記試験により、評価した。その評価結果を表1に示す。
【0027】
(比較例1〜4)
表2に示された成分を、表2に示された配合量で25℃でのpHが10.0、40℃動粘度が48mm/secになる様に混合して作動液を調製した。その調製された作動液を用いて上記試験により、評価した。その評価結果を表2に示す。
【0028】
なお、表1〜2において、アルカリ性化合物の1質量%水溶液の25℃でのpHは以下に示すものであり、増粘剤、金属不活性化剤、潤滑剤は以下に示すものである。
アルカリ性化合物の1質量%水溶液の25℃でのpHは、モノエタノールアミンが11.4であり、3−アミノ−1−プロパノールが11.6であり、モルホリンが10.8であり、ジエタノールアミンが10.9であり、エチルモルホリンが10.2である。
増粘剤はポリオキシエチレン/オキシプロピレングリコールで、EO/POのモル比は75/25のランダム共重合体、重量平均分子量が15,000のものである。
金属不活性化剤はトリルトリアゾールであり、潤滑剤はヤシ脂肪酸である。
【0029】
【表1】

表中「バランス」とは、配合量の総計が100質量%になる数値の意である。
【0030】
【表2】

表中「バランス」とは、配合量の総計が100質量%になる数値の意である。
表1に示した結果のとおり、本発明による全ての実施例において優れた性状安定性を示した。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の含水系潤滑油組成物はpH変化又は動粘度変化を長期間抑えることができ、含水系潤滑油組成物のメンテナンスに要する労力を軽減することができるので、含水系潤滑油の分野において、極めて有用である。





【特許請求の範囲】
【請求項1】
水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムから選ばれる1種以上の水酸化アルカリ化合物、及び1質量%水溶液の25℃でのpHが10.5〜13であるアルカリ性化合物を含んで成る、25℃でのpHが8〜12であることを特徴とする含水系潤滑油組成物。
【請求項2】
含水系潤滑油組成物の25℃でのpHが9.5〜11の範囲である請求項1に記載の含水系潤滑油組成物。
【請求項3】
アルカリ性化合物の1質量%水溶液の25℃でのpHが11〜12である請求項1又は2に記載の含水系潤滑油組成物。
【請求項4】
アルカリ性化合物が、アルカノールアミン類、アルキルアミン類又はアルキルオキシアルキルアミン類である請求項1〜3のいずれかに記載の含水系潤滑油組成物。
【請求項5】
さらに、水溶性ポリオキシアルキレンポリオールを含む請求項1〜4のいずれかに記載の含水系潤滑油組成物。
【請求項6】
水溶性ポリオキシアルキレンポリオールが、エチレンオキサイド単独重合体、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、又は多価アルコールにエチレンオキサイド単独重合体、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体もしくはエチレンオキサイドと他のアルキレンオキサイドとの共重合体を付加して得られる化合物である請求項5に記載の含水系潤滑油組成物。
【請求項7】
水溶性ポリオキシアルキレンポリオールが、エチレンオキサイド単独重合体又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのランダムもしくはブロック共重合体である請求項6に記載の含水系潤滑油組成物。
【請求項8】
アルカリ性化合物の含有量が0.03〜2.0質量%である請求項1〜7のいずれかに記載の含水系潤滑油組成物。
【請求項9】
水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムから選ばれる1種以上の水酸化アルカリ化合物の含有量が0.05〜0.5質量%である請求項1〜8に記載の含水系潤滑油組成物。

【公開番号】特開2007−246684(P2007−246684A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−72081(P2006−72081)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(398053147)コスモ石油ルブリカンツ株式会社 (123)
【Fターム(参考)】