説明

吸収剤を含むバリヤー包装

【課題】 乾燥剤を含有する吸収剤を有し、かつ密閉された単位のパッケージを形成する覆い部分を含むバリヤー包装の提供。
【解決手段】 基礎部分(5)に結合されて、製品を含有することができる密閉された単位のパッケージを形成する覆い部分を含むバリヤー包装(1)であって、覆い部分が少なくとも一つの空洞(24)を有すると共に、基礎部分および/または覆い部分が空洞および/または基礎部分に適用された吸収剤材料を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は1998年9月18日出願の米国特許出願第09/156,937号の一部継続出願であり、そしてまたこれは1998年5月29日出願の米国特許出願第09/087,830号の一部継続出願であり、そしてまたこれは1997年3月5日出願の米国特許出願第08/812,315号の一部継続出願であり、そしてまたこれは1996年3月5日出願の米国特許出願第08/611,298号の一部継続出願であり、そしてまたこれは1995年4月出願の米国特許出願第08/424,996号の一部継続出願である。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般に、バリヤー包装の内部に適用された吸収剤の使用に関する。一つの実施形態において、本発明は乾燥剤を含有する吸収剤を有するバリヤー包装に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
錠剤、ピル、またはカプセルなどの固形形態を取る薬物は、時々、薬物の単一投与を保持するように設計された個別に密閉された間仕切りまたはブリスターを有するデイスペンサーにおいて患者に投薬される。こうした包装品は一回につき薬剤の単一投与分のみを扱うことを可能とし、患者の遵守を保証し、錠剤、ピルまたはカプセルの汚染のリスクを最小にする。
【0004】
これらの「ブリスター包装」は、一般に、各層を通した複数の大き目に揃えられた切取り部を持つ第1および第2カードボード層を有する。一般に、複数のブリスターを有するプラスチックの覆い部分は第一カードボード層に対向して配置され、その層の切取り部を通して広がるブリスターと共に第1カードボード層に貼り合わせられ、ピルまたはカプセルはブリスター内に置かれる。一般に、箔層は第2カードボード層に貼り合わされ、次に引き剥がし裏当てが箔から除去されて、箔上の接着性表面が露出される。次に、接着性表面は、一般に第1および第2カードボード層をサンドイッチ状に結合するために用いられ、それによって、ピルをブリスター内に閉じ込め、密閉単位ピル投与包装品を作り上げる。加熱接着剤または融解技術も包装品を密閉するために用いることが可能である。
【0005】
これらの包装品には、小さい子供により開けられることを妨ぐであろう開封操作が含まれているので、それらは子供対策用ストリップ包装の分野においても特に有用である。「ブリスター包装」は、一般に、薬剤を製造しそれらをブリスター包装品に包む医薬品会社、および個人用投薬量を包むためのブリスター包装を用いるより小さな健康管理施設の両方により用いられる。これらの「ブリスター包装」は、未充填のブリスター包装を第三者機関による充填用に提供するビジネスを行う会社によっても製造される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本発明はバリヤー包装に関する。一つの実施形態において、バリヤー包装は、基礎部分に結合されて、密閉された単位のパッケージを形成する覆い部分を含み、(a)前記覆い部分は製品を含有し、かつ取り出すことができる少なくとも一つの空洞を含み、(b)前記基礎部分は、前記空洞が前記基礎部分から外側に向かって延在し、前記基礎部分が前記基礎部分の内部に適用され、かつ前記覆い部分の対応する空洞と同一の広がりをもって位置合わせされている吸収剤材料を含むような覆い部分との関係にある。
【0007】
別の実施形態において、バリヤー包装は、基礎部分に結合されて、密閉された単位のパッケージを形成する覆い部分を含み、(a)前記覆い部分は製品を含有し、かつ取り出すことができる少なくとも一つの空洞を含み、また、前記覆い部分は空洞の内部に適用された吸収剤材料を含む。
【0008】
覆い部分のシール可能部分は基礎部分のシール可能部分上に直接または間接にシールする。覆い部分の空洞は基礎部分の製品支持部の上に上方に向かって広がり、それによって、製品を挿入するための少なくとも一つの空間を形成する。一つの実施形態において、製品は錠剤、カプセル、またはピルなどの形態を取る薬物または薬剤であり得る。
【0009】
別の実施形態において、基礎部分は覆い部分から剥ぎ取るか除去することができ、それによって、空間内の製品をバリヤー包装から取り出すことができる。本発明のなお別の実施形態において、基礎部分は剥ぎ取り可能なアルミニウム材料から成ることが可能であり、覆い部分はポリ塩化ビニル(PVC)から成ることが可能である。別の実施形態において、製品を使用者に見えるようにするために、覆い部分は実質的に透明であってもよい。さらなる実施形態において、本発明の覆い部分のシール可能部は、基礎部分のシール可能部上に直接または間接にヒートシール可能であるかまたは接着剤でシールすることが可能である。なお別の実施形態において、覆い部分の空洞は、空洞に十分な力がかけられたときに反転状態になることができ、その結果、基礎部分の同一の広がりをもった部分に対して十分な反発力を生じ、それにより、使用者が製品を取り出すことができるほど十分に可撓性である材料からなることができる。
【0010】
一つの実施形態において、本発明の吸収剤含有層は乾燥剤を含有する。別の実施形態において、吸収剤含有層は、活性炭、カーボンブラック、ケチャムブラックおよびダイアモンド粉末からなる群から選択される材料を含有する。さらなる実施形態において、吸収剤含有層は、吸収性微小球、BaTiO3、SrTiO3、SiO2、Al23、ZnO、TiO2、MnO、CuO、Sb23、シリカ、酸化カルシウムおよびイオン交換樹脂からなる群から選択される材料を含有する。なお別の実施形態において、吸収剤含有層は2以上のタイプの吸収剤を含む。本発明に適する吸収剤は、望ましい末端用途のために好ましい蒸気またはガスの吸収(例えば、湿分、酸素、二酸化炭素、窒素または他の望ましくないガスまたは蒸気の吸収)を達成するために選択される。
【0011】
なお別の実施形態において、本発明はバリヤー包装の製造方法に関する。この方法は、(a)少なくとも一つの空洞を含む覆い部分を作製し、(b)吸収剤材料を空洞内部に適用し、(c)覆いの空洞内に製品を置き、そして(d)覆い部分のシール可能部を基礎部分のシール可能部にシールし、覆い層の空洞を製品の上方へ延在させ、それによって製品のための密閉された単位のパッケージを形成する工程を含む。
【0012】
本発明のさらに完全な評価およびその多くの付随する利点は、以下の説明を参照し添付図面と合わせて考える場合に容易に理解される。
【0013】
開示されてきた恩恵および改善の中で、本発明の他の目的および利点は、添付図面と一緒に合わせた以下の説明から明らかとなる。図面は本明細書の一部を構成し、本発明の代表的な実施形態を包含すると共に、それらの種々の目的および特徴を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のバリヤー包装の、一つの実施形態の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の詳細な説明
本発明の目的のために、用語「バリヤー包装」は、取り出そうとする製品を含有するために、複数の個別に密閉されたブリスターまたは間仕切り(例えば密閉空洞)を包含する包装品を意味する。こうした「バリヤー包装」は産業界で時々「ブリスター包装」と呼ばれるもので例示される。用語「実質的に不透過性」の層は、一般に、産業界により所期の蒸気またはガスを通さないバリヤーであると考えられる材料から成る層を意味する。例えば、湿分蒸気に対して、材料の蒸気バリヤーは一般にその湿分蒸気透過度(「MVTR」)により測定されると共に、本発明の目的のために、約0.25グラム湿分/mm厚さ/m2表面積/日(ASTMF1249により測定される)未満のMVTRを有する材料は「実質的に不透過性」の材料であると考えられる。用語「実質的に透過性」の層は、一般に、産業界により所期の蒸気またはガスの許容量が材料を通して透過すると考えられる材料から成る層を意味する。例えば、湿分蒸気に対して、約1.0グラム湿分/mm厚さ/m2表面積/日(ASTMF1249により測定される)を超えるMVTRは「実質的に透過性」の材料であると考えられる。用語「結合された」は2部分を直接または間接に一緒に保持することを意味する。適する結合方法には接着(グルーイング)およびヒートシールが挙げられる。本発明の目的のために、バリヤー包装は、両方またはいずれかの部分を1以上の中間層にシールし(例えば貼り合わせる)その後これらの層を他の部分に接合することにより基礎部分に「結合された」覆い部分を有することが可能である。用語「塗布される」としては、被覆される、広げられる(スプレッドされる)、浸漬される、噴霧される、塗装されるおよび付着される、が挙げられる。
【0016】
さて、図面を参照すると、図面における同様の参照番号はいくつかの図面を通して同一の対応部分を示し、さらに詳細には本発明でのバリヤー包装1の一つの実施形態が図3に説明されている。バリヤー包装1は、基礎部分に適用され、かつ覆い部分の対応する空洞と同一の広がりをもって位置合わせされた吸収剤材料を含む基礎部分5を含む。覆い部分20は、中で薬剤または薬物などの製品4がピル、カプセルまたは錠剤の形態を取る広がり部分(すなわち、空洞)24を有する。一つの実施形態において、基礎部分10は剥ぎ取り可能なアルミニウム材料から成ることができるし、覆い部分20はポリ塩化ビニルから成ることが可能である。別の実施形態において、覆いおよび基礎部分、20および10はそれぞれヒートシール性プラスチックであることが可能である。覆い部分10は製品を使用者に見えるようにするために透明であることが可能である。さらなる実施形態において、バリヤー包装1から基礎部分10を分離しそれによって製品4を空洞24内から放出するために、覆い部分20の空洞24は内側に押されて反転状態になるようにすることが可能である。なおさらなる実施形態において、本発明のバリヤー包装は、覆い部分20から基礎部分10を分離してそれによって使用者が製品4を取り出すことができるようなプルタブを有することが可能である。
【0017】
覆い部分20は空洞の中身を清浄な状態に保つ基礎部分10によって覆われる。2枚のシートは各空洞の周りで完全にヒートシールされる。一つの実施形態において、基礎部分10は、望ましくはいくらか柔軟であるべきである覆い部分20に比べて比較的剛性であるべきである。従って、2枚のシートにおける望ましい剛性の程度は、基礎シートにおいて用いられるものよりも覆い部分においてより厚い材料を使用することにより達成することができる。
【0018】
さらなる実施形態において、基礎部分10はアルミニウム箔である。製品の取り出しは、比較的薄くてそれほど堅くない基礎シートに指圧をかけて、含有された製品が箔に対して十分な反力で箔を破ることを強いることにより達成することが可能である。
【0019】
覆い部分が湿分蒸気に対して実質的に不透過性である一つの実施形態において、覆い部分20は、熱成形の前に薄層が約2ミル〜約8ミル厚さのポリ塩化ビニル(PVC)、および、元の厚さの約1/3である約2〜約6ミル、好ましくは約3ミルの厚さに流体圧縮圧延された高密度ポリエチレン(HDPE)などのポリマー材料のシートを含む層状構造を含むことが可能である。ポリマー材料をその元の厚さの1/3に圧延することは、非熱成形性材料を生成する完全な流体圧縮圧延と比較して、得られる層状構造に熱成形性を提供する。次に、シートは接着貼り合わせまたは他の適する貼り合わせ法により積層される。
【0020】
他の適する実質的な湿分蒸気不透過性材料は、(1)PVCおよびクロロトリフルオロエチレンの薄層を含む層状構造、および(2)PVC/ポリ塩化ビニリデン(PVDC)組合せを含むことが可能である。上述の材料の厚さは、その透過率を減少させ、その結果として望ましい不透過性を達成するために、増大させなければならない可能性があることは留意されねばならない。
【0021】
加えて、別の実施形態において、吸収剤材料は相互連結チャネルを有する一体式の組成物であることが可能である。親水性剤(例えば、チャネリング剤)は、造形品の形成において用いられる水不溶性ポリマーと組合せることが可能である。実際、一つの実施形態において、親水性剤がブレンドされた水不溶性ポリマーベースには、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンが挙げられる。
【0022】
一つの実施形態において、吸収剤および親水性剤はポリマーが溶融状態にあるときにまたはポリマーが溶融状態になる前に水不溶性ポリマーに添加され、それにより、吸収剤および親水性剤がブレンドされ、このブレンドが融解相に到達する前に均一に混合されることを保証するために徹底的にポリマーを通して混合されることができる。例えば、こうした技術は吸収剤、親水性剤およびポリマーがすべて粉末である場合に有用である。
【0023】
別の実施形態において、親水性剤およびポリマーは吸収剤を添加する前に混合される。親水性剤は、ポリマーが溶融状態にある前か、またはポリマーが溶融状態にある後かのいずれかに添加される。例えば、吸収剤は吸収剤材料の熱加工の間にポリマーに添加することが可能である。
【0024】
徹底的な配合および加工、続く冷却の後に、親水性剤はポリマーを通して透過性連通経路として作用する相互連絡チャネルを形成する。加えて、吸収剤材料は一体式であり、水不溶性ポリマー、親水性剤および吸収剤は3相系を形成する。
【0025】
本発明の目的のために、用語「相」は、一貫して均質であり、明確な境界を有し、且つ原則として他の相から物理的に分離されている物理的系の部分を意味する。用語「相互連絡チャネル」は、水不溶性ポリマーを貫通し、互いに相互連絡することが可能であるチャネルを意味する。用語「水不溶性ポリマー」は、25℃、大気圧で約0.1%未満の水中の溶解度を有するポリマーを意味する。用語「親水性剤」は、実質的に架橋されておらず、25℃、大気圧で少なくとも約1%の水中の溶解度を有する材料として定義される。適する親水性剤には「チャネリング」剤が挙げられる。用語「一体式組成物」は、2以上の明確な巨視的な層からなるものではない組成物を意味する。さらに、本発明の目的のために、用語「融点」はDSCにより測定される材料の1次転移点として定義される。用語「互いに可溶性でない」は互いに不混和性であることを意味する。
【0026】
一つの実施形態において、本発明の適する親水性剤には、ポリ(エチレングリコール)およびポリ(プロピレングルコール)およびそれらの混合物などのポリグリコールが挙げられる。他の適する材料には、それらが親水性化合物であるので本発明の目的のために適するEVOH、グリセリン、ペンタエリスリトール、PVOH、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンまたはポリ(N−メチルピロリドン)、および、サッカリドをベースとする化合物、例えば,グルコース、果糖およびそれらのアルコール、マンニトール、デキストリンおよび加水分解されたデンプンが挙げられる。
【0027】
別の実施形態において、本発明の適する親水性剤には、加工の間に、溶融混合時に親水性剤がその融点を超えて加熱され、次に冷却するとポリマーから分離して本発明の相互連絡チャネル構造を形成し、そして水不溶性ポリマー、親水性剤および吸収剤の3相系を形成するあらゆる親水性材料が含まれる。
【0028】
種々のタイプの吸収剤は本発明により用いることが可能である。一つの実施形態において、本発明の吸収剤は乾燥剤を含む。
【0029】
比較的微細な粒子サイズを有する吸収剤に関する一つの実施形態において、ポリマー内でのより少ない表面積を示す少量の大きな相互連絡チャネルとは対照的に、ポリマー全体にわたって多量の小さい相互連絡チャネルは製造されるべきである。一つの実施形態において、ポリプロピレン無水マレイン酸などのダイマー剤、またはあらゆる可塑剤は、場合により混合物に添加されてよく、それにより、粘度を下げ、ポリマーおよび親水性剤の混合混和性を上げることが可能である。
【0030】
なお別の実施形態において、乾燥剤は、乾燥剤と親水性剤の間の親和性を生じさせる極性を有するように選択される。こうした極性乾燥剤の例には、一般に水不溶性ポリマーとよりも親水性剤と高い混和性を有するシリカがある。このために、分離過程の間に、相互連絡チャネルがポリマーを通して形成されるときに、乾燥剤がより大きい親和性を有する親水性剤領域に向けて凝集してくると考えられる。このやり方において、親水性剤は、ポリマー構造の外側に位置する湿分とポリマー内部に位置する乾燥剤の間の架橋部として作用することが可能になると理論化される。これは、特に、親水性剤を充填した通路内に結合されている乾燥剤に関して当てはまる。さらなる実施形態において、グリセリンなどの極性可塑剤はさらに混合物に添加され、親水性剤中への乾燥剤の分散または混合を強化することが可能である。親水性剤内で主として濃縮された乾燥剤は伝達親水性剤から湿分を取り上げ、それをその中に保持する。この点で、湿分は相互連絡チャネルを通して素早く吸引され、ポリマー全体にわたって分散されている乾燥性粒子または乾燥剤に供することが可能になる。
【0031】
一つの実施形態において、本発明の水不溶性ポリマーはあらゆる熱可塑性材料であり得る。適する熱可塑性材料の例には、ポリオレフィン、例えば、ポリプロピレンおよびポリエチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−メタクリレートコポリマー、ポリ(塩化ビニル)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ無水物、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリアクリル酸エステル、アクリル、ポリウレタンおよびポリアセタール、またはそれらのコポリマーまたは混合物が挙げられる。
【0032】
一つの実施形態において、水不溶性ポリマーは、光硬化接着剤、エポキシおよび/またはホットメルト接着剤などの接着剤であり得る。エポキシを用いる場合の例として、2成分が所期の硬化時間および温度および結合および剥離強度に基づき選択される。別の例において、紫外線または可視光線により硬化される接着剤が選択され得る。UV/可視光線源はポリマーを数秒の内に硬化するために用いることが可能である。例えば、接着剤は覆いおよび/または基礎部分に塗布され、そして、下流において、接着剤は、その後、ポリマーを硬化させるためにUV/可視光線源にさらされる。
【0033】
別の実施形態において、吸収剤材料にはモレキュラーシーブ、ポリプロピレンおよびポリグリコールなどの乾燥剤が含まれる。種々の成分量は、例えば、約30〜80重量%、または約40〜70重量%または約60重量%の乾燥剤、約20〜40重量%、または約30重量%のポリプロピレン、例えばメルトフロー400を有するエクソン(Exxon)[3505]から入手可能なポリプロピレンホモポリマー、および約5〜20重量%、または10重量%のポリグリコール、例えばダウ(Dow)(15〜200)から入手可能なポリ[エチレンプロピレングリコール]であろう。
【0034】
なお別の吸収剤材料の実施形態において、成分はヘンシェルなどの混合機中で先ずドライ混合され、次に配合機に供給される。例えば、リースツリッツ(Leistritz)2軸スクリュー押出機、またはウエルナー・プフレイダー(Werner Pfleider)混合機を、約140℃〜約170℃での良好な溶融混合を達成するために用いることができる。次に、溶融物は押出されて例えばフィルムを形成するか、または振動コンベア上のドライ空気冷却を用いてペレットに変換するかのいずれかが可能である。チャネルを含有する形成されたペレットは、例えば、次にビーズ、シーブに射出成形されるか、またはポリプロピレンと共射出成形されるかのいずれかが可能である。
【0035】
別の例において、約34.88%(w/w)のポリプロピレン(エクソンケミカル、登録商標名エスコレン、ポリプロピレン3505G)、約11.96%(w/w)のポリ(エチレングリコール)(ダウケミカル、商品名E−4500)、約52.82%(w/w)のモレキュラーシーブ乾燥剤(エルフ・アトケミ(Elf Atochem)、登録商標名シリポライト・モレキュラーシーブ、4オングストローム)および0.34%(w/w)のグレー着色剤のブレンドを十分に混合して均質なブレンドを得た。次に、このブレンドを、16ゾーンにおいて約145℃〜約165℃の範囲の温度、約50lbs/時間の供給速度、約460rpmのスクリュー速度および6インチダイで、リースツリッツ2軸スクリュー押出機に通した。次に、押出された組成物を約85℃〜約92℃の範囲の温度で3ロールホットプレスに通して約4ミルのフィルムを作製した。
【0036】
本発明の一つの実施形態は、吸収剤材料を製造する方法を含む。一つの実施形態において、方法は水不溶性ポリマーおよび親水性剤をブレンドすることを含む。親水性剤のブレンド前または親水性剤のブレンド後のいずれかにおいて、吸収剤が一様にポリマー内に分配されると共に親水性剤がポリマー内に分配されるように、吸収剤をポリマー中に配合する。続いて、組成物を固形化して後、結果として、親水性剤が組成物中に相互連絡チャネルを形成し、それを通して、所期の特性がポリマーを通して組成物内の吸収剤に伝達されることになる。別の実施形態において、親水性剤および吸収剤はすべて徹底的に混合されてドライ粉末形態を取り、次にポリマーブレンドを溶融し、成形により所期の成形品を形成する。相互連絡チャネルは組成物中において形成され、それを通して、所期の特性がポリマーを通して組成物内の吸収剤に伝達される。
【0037】
他の実質的に透過可能な材料には、PVCなどのポリマーのごく薄い(例えば、1ミル以下)層が含まれ得る。実質的に透過可能な層が薄い一つの実施形態において、層は被覆物と考えることが可能である。従って、本発明の目的のために、語句「被覆」および「層」は区別なく用いることが可能である。
【0038】
一つの実施形態において、ポケットまたは空洞の絞り深さは7/8インチ直径円に対して約1/2インチに、面積比で約1:3までの範囲に限定される。(面積比はポケットまたはブリスター13がそこから引き出される当初面積対ポケットまたは空洞の面積の最終面積の比率である)。しかし、絞り深さおよび形状は望ましい製品のサイズおよび形状に合うように変更することが可能である。
【0039】
本発明のバリヤー包装品1の基礎部分および覆い部分に適するプラスチックには、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が挙げられ得るがそれらに限定されない。熱可塑性樹脂は長鎖分子から成る。適する熱可塑性樹脂材料の例には、ポリオレフィン、例えば、ポリプロピレンおよびポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−メタクリレートコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリアクリル酸エステル、アクリル、ポリウレタンおよびポリアセタール、またはそれらの混合物が挙げられる。熱硬化性樹脂は不定の3次元ネットワークを含む。熱硬化性樹脂の例にはエポキシポリウレタンおよびポリエステルが挙げられる。
【0040】
吸収剤が乾燥剤である一つの実施形態において、種々のタイプの乾燥剤は当業界において知られており、本発明により用いることが可能である。一般に、本発明により用いることが可能である乾燥剤には主に3タイプがある。
【0041】
第1のタイプは水を含有する結晶を形成する化学化合物を含む。こうした乾燥剤の例には、水または湿分を吸収し、安定した塩を形成する傾向がある無水塩がある。この湿分との反応において、湿分が保持され、放出を抑制する安定な化合物が形成される。
【0042】
乾燥剤化合物の第2のタイプは反応性であると考えられるものである。これらの化合物は、一般に、水または湿分との化学反応を受け、水が化合して新しい化合物を形成する。これらの新しく形成された化合物は一般に低温で非可逆であり、それらが乾燥剤として再使用され得るように再生されるためには多大の量のエネルギーを必要とする。これらの反応タイプの乾燥剤は、主として溶媒乾燥において使用され、そして湿分が低減された状態に維持されねばならないポリマーへの添加剤として用いられる。これらの反応性タイプの化合物が特に適している一つの用途は、EVOH層が通常ポリプロピレンまたはポリエチレンなどの湿分不透過性材料から成る2つの遮蔽層の間に貼り合わされる多層シートについて、上述した。しかし、前に言及したように、これらのタイプのシートまたはラップは、続いて包装品が熱滅菌性スチームにさらされるレトルト処理過程において滅菌されなければならない食品製品を包装するために用いられる。高温において、外層は湿分がそこを通して通過し、EVOH内部層の酸素バリヤー効果を弱める。持ち込まれた反応性乾燥剤のために、湿分は乾燥剤中に吸収され、EVOH層から離れた所に保持され、それによって、EVOH層がその酸素バリヤー特性を維持することを可能とする。
【0043】
第3のタイプの乾燥剤は物理的吸収を通してそれらの湿分吸収能力を獲得する。吸収過程は湿分を吸引する乾燥剤粒子の微細毛細管形態によって達成される。毛細管の孔サイズおよび毛細管の密度が乾燥剤の吸収特性を決定する。これらの物理的吸収乾燥剤の例には、モレキュラーシーブ、シリカゲル、クレーおよびデンプンが挙げられる。これらのタイプの物理的吸収乾燥剤は不活性でかつ水不溶性であるから、それらは多くの用途に好ましい。他の理由の中でも、これらの無害性の特徴は、乾燥剤同伴ポリマーから形成される容器内に密閉されるか、または少なくともそこにさらされうる食品製品および医薬製品に、特に適合する。適する乾燥剤には、シリカゲル、モレキュラーシーブおよびモンモリリマイトクレーをも含むであろう天然生成クレー化合物が挙げられる。
【0044】
適する吸収剤には、(1)限定されるわけではないが、ニッケル、銅、アルミニウム、シリコン、はんだ、銀、金などの金属および合金、(2)銀めっき銅、銀めっきニッケル、銀メッキガラス微小球などの金属めっき粒状体、(3)BaTiO3、SrTiO3、SiO2、Al23、ZnO、TiO2、MnO、CuO、Sb23、WC、フューズドシリカ、ヒュームドシリカ、非晶質フューズドシリカ、ゾル−ゲルシリカ、ゾル−ゲルチタン酸塩、混合チタン酸塩、イオン交換樹脂、リチウム含有セラミックス、中空ガラス微小球などの無機物、(4)炭素、活性炭、カーボンブラック、ケチャムブラック、ダイアモンド粉末などの炭素系材料、および(5)ポリブタジエン、ポリシロキサンなどのエラストマー、および半金属、セラミックも挙げることが可能である。
【0045】
吸収剤材料中の吸収剤の量が高くなるほど、吸収剤含有部分の吸収能力は大きくなることは信じられる。しかし、より高い吸収剤濃度は、その部分がより脆くなると共に混合物が熱成形、押出または射出成形のいずれに対してもより困難になることがある。そのため、一つの実施形態において、最大の吸収剤装填量は吸収剤材料を基準にして約80重量%であると信じられる。別の実施形態において、乾燥剤装填レベルは吸収剤材料を基準にして10重量%〜20重量%、20重量%〜40重量%および40重量%〜60重量%の範囲にあり得る。
【0046】
一つの実施形態において、吸収剤材料を含有する層を有するバリヤー包装の部分は第1層上に吸収剤材料を配置することにより作製することが可能であり、こうして第2層、すなわち、吸収剤材料層を作製する。次に、第3層を吸収剤含有層の上に配置し、3層を含む複合材料を作製する。別の実施形態において、第2層(すなわち、吸収剤材料層)は材料の連続ウエブの、一つの側の上に配置されるであろう。次に、第3層は吸収剤材料層を有するウエブの側の上に配置されるであろう。次に、作製された3層複合材は、複合材をカレンダー加工しかつ複合材をラミネートするヒートローラー装置などの適する装置を用いて一緒に貼り合わせられるであろう。次いで、覆い部分が複合材を含むなお別の実施形態において、複合材は、次に、個別の空洞(例えば、ブリスター)に成形されるであろう。基礎部分が複合材を含む実施形態において、製品を空洞の中に配置した後に、基礎部分は次に覆い部分の上に配置されて、製品のための密閉された単位を形成するであろう。
【0047】
なお別の実施形態において、吸収剤材料は、(a)この材料を空洞および/または空洞と同一の広がりを持つ基礎部分上に被覆すること、(b)材料を空洞および/または空洞と同一の広がりを持つ基礎部分上に広げる(スプレッドする)こと、(c)材料を空洞および/または空洞と同一の広がりを持つ基礎部分上に滴下すること、(d)材料を空洞および/または空洞と同一の広がりを持つ基礎部分上に噴霧すること、(e)材料を空洞および/または空洞と同一の広がりを持つ基礎部分上に塗装(ペイント)すること、および/または(f)材料を空洞および/または空洞と同一の広がりを持つ基礎部分上に付着させることにより、空洞および基礎部分のいずれかまたは両方に適用することが可能である。吸収剤材料を適用するための適切な装置にはノズルおよびブラシを用いるものが含まれる。
【0048】
吸収剤が乾燥剤である実施形態において、本発明において用いようとする乾燥剤の適する形態には、「そのままの」乾燥剤(例えば、粉末シリカゲルまたは粉末モレキュラーシーブ)、ポリマー中に同伴された乾燥剤、材料に結合された乾燥剤、粉末を一緒に保持するがしかし実質的にその湿分吸収能力を抑制しない材料中に分散した乾燥剤粉末、および乾燥剤製品の他の形態が挙げられる。加えて、乾燥剤の適する形態には、粒子、細片、ビーズ、ディスク、繊維、スラリーおよびフィルムが挙げられる。
【0049】
上述の教示を考慮に入れると、本発明の多数の変更および変化が可能である。従って、本明細書において具体的に開示されたものだけでなく、本明細書に添付した付随の特許請求の範囲内において本発明は格別に保護され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎部分に結合されて、製品を含有することができる密閉された単位のパッケージを形成する覆い部分を含むバリヤー包装であって、
(a)前記覆い部分は少なくとも一つの空洞を含み、前記覆い部分は前記空洞の内部に適用された吸収剤材料を含み、前記吸収剤材料は、一体式組成物を形成するように、少なくとも下記の成分:吸収剤、水不溶性ポリマー及び親水性剤を組み合わせることにより形成され、前記組成物は少なくとも3相を含み、そして相互連絡チャネル中に又は相互連絡チャネルに隣接して吸収剤を有する前記相互連絡チャネルを有し、そして
(b)前記基礎部分は、前記空洞が前記基礎部分から外側に向かって延在しているような覆い部分との関係にある、
バリヤー包装。
【請求項2】
前記ポリマーがエポキシ、光硬化性接着剤、ホットメルト接着剤およびコールドメルト接着剤からなる群から選択される、請求項1に記載のバリヤー包装。
【請求項3】
前記吸収剤がシリカゲルおよびモレキュラーシーブからなる群から選択される乾燥剤である請求項2に記載のバリヤー包装。
【請求項4】
前記吸収剤がシリカゲルおよびモレキュラーシーブからなる群から選択される乾燥剤である請求項1に記載のバリヤー包装。
【請求項5】
基礎部分に結合されて、製品を含有することができる密閉された単位のパッケージを形成する覆い部分を含むバリヤー包装であって、
(a)前記覆い部分は少なくとも一つの空洞を含み、そして
(b)前記基礎部分は、前記基礎部分の内部に適用されかつ前記覆い部分の対応する空洞と同一の広がりをもって位置あわせされている吸収剤材料を含み、そして前記吸収剤材料は、一体式組成物を形成するように、少なくとも下記の成分:吸収剤、水不溶性ポリマー及び親水性剤を組み合わせることにより形成され、前記組成物は少なくとも3相を含み、そして相互連絡チャネル中に又は相互連絡チャネルに隣接して吸収剤を有する前記相互連絡チャネルを有する、
バリヤー包装。
【請求項6】
前記ポリマーがエポキシ、光硬化性接着剤、ホットメルト接着剤およびコールドメルト接着剤からなる群から選択される、請求項5に記載のバリヤー包装。
【請求項7】
前記吸収剤がシリカゲルおよびモレキュラーシーブからなる群から選択される乾燥剤である請求項5に記載のバリヤー包装。
【請求項8】
前記吸収剤が活性炭、カーボンブラック、ケチャムブラックおよびダイアモンド粉末からなる群から選択される乾燥剤である、請求項6に記載のバリヤー包装。
【請求項9】
前記吸収剤が活性炭、カーボンブラック、ケチャムブラックおよびダイアモンド粉末からなる群から選択される請求項1に記載のバリヤー包装。
【請求項10】
前記吸収剤が活性炭、カーボンブラック、ケチャムブラックおよびダイアモンド粉末からなる群から選択される請求項2に記載のバリヤー包装。
【請求項11】
前記吸収剤が活性炭、カーボンブラック、ケチャムブラックおよびダイアモンド粉末からなる群から選択される請求項6に記載のバリヤー包装。
【請求項12】
前記吸収剤が、吸収性微小球、BaTiO3、SrTiO3、SiO2、Al23、ZnO、TiO2、MnO、CuO、Sb23、シリカ、酸化カルシウムおよびイオン交換樹脂からなる群から選択される、請求項1に記載のバリヤー包装。
【請求項13】
前記吸収剤が、吸収性微小球、BaTiO3、SrTiO3、SiO2、Al23、ZnO、TiO2、MnO、CuO、Sb23、シリカ、酸化カルシウムおよびイオン交換樹脂からなる群から選択される、請求項2に記載のバリヤー包装。
【請求項14】
前記吸収剤が、吸収性微小球、BaTiO3、SrTiO3、SiO2、Al23、ZnO、TiO2、MnO、CuO、Sb23、シリカ、酸化カルシウムおよびイオン交換樹脂からなる群から選択される、請求項6に記載のバリヤー包装。

【図1】
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【公開番号】特開2010−168121(P2010−168121A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−68935(P2010−68935)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【分割の表示】特願2001−503355(P2001−503355)の分割
【原出願日】平成12年6月15日(2000.6.15)
【出願人】(501014005)シーエスピー テクノロジーズ,インコーポレイティド (21)
【Fターム(参考)】