説明

吸水性ポリマー粒子の製造方法

吸水性ポリマー粒子の製造方法であって、吸水性ポリマー粒子含有生成物流が渦電流検出器を用いて非フェライト性金属性汚染物質について検査される製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、吸水性ポリマー粒子の製造方法であって、吸水性ポリマー粒子含有生成物流が渦電流検出器を用いて非フェライト性金属性汚染物質について検査する製造方法に関する。
【0002】
吸水性ポリマー粒子の製造は、モノグラフィー"Modern Superabsorbent Polymer Technology",F.L.Buchholz及びA.T.Graham,Wiley−VCH,1998,第71頁〜第103頁の中で記載される。
【0003】
吸水性ポリマーは、おむつ、タンポン、ナプキン及びその他の衛生物品を製造するために使用されるが、農業園芸における保水剤としても使用される。
【0004】
EP1422257A1には、吸水性ポリマー粒子を含有する生成物流から磁気分離器を用いて汚染物質を分離する方法が記載されている。この記載によれば、オーステナイト鋼、例えばSUS304又はSUS316も分離される。この原因は恐らくは、冷間変形により生じる公知の残留磁性であると考えられる。
【0005】
しかしながら磁気分離器を用いて達成可能な分離速度は、特に、より高価値なオーステナイト鋼からの装置部分の使用の場合には不十分である。
【0006】
渦電流原理で構築された金属分離器は例えば木材後処理の際に使用される。渦電流分離器を基礎とする原理は既にUS400,317に記載されている。
【0007】
本発明の課題は、吸水性ポリマー粒子の製造のための改善された方法、特に汚染物質のより高い分離度を提供することである。
【0008】
前記課題は、
a)少なくとも1種のエチレン性不飽和の酸基含有モノマー、これは少なくとも部分的に中和されていることができる、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)場合により1種又は複数種の、a)で挙げたモノマーと共重合可能なエチレン性及び/又はアリル性不飽和モノマー、及び
d)場合により1種又は複数種の水溶性ポリマー
を含有する
モノマー溶液又はモノマー懸濁液の重合による吸水性ポリマー粒子を製造するにあたり、生成物と接触する装置部分が少なくとも部分的に非フェライト性金属材料からなる製造方法において、
吸水性ポリマー粒子を含有する生成物流を渦電流検出器を用いて非フェライト性金属性汚染物質について検査することを特徴とする製造方法により解決された。
【0009】
渦電流検出器は交換する磁性の場を作り出し、これにより金属中に磁場が形成され、この結果渦電流検出器により作り出された磁場に対抗し、これにより当初の交換する磁性の場が測定可能に変更される。
【0010】
渦電流検出器は非フェライト性金属材料、例えば直径3.5mmを有する特殊鋼球からなる試験体を用いて校正されることができる。
【0011】
この生成物流ラインは制限を受けない。適した生成物流ラインは例えば、吸水性ポリマー粒子を空気により又は重力により輸送する管型ラインである。この生成物流ラインの直径は有利には5〜50cm、特に有利には15〜40cm、特にとりわけ有利には20〜35cmである。
【0012】
より高価ではあるがより高価値でもあるオーステナイト材料への傾向は、金属性摩耗が常により少ない残留磁性Brを有することを生じる。通常の磁気分離器を用いてこの汚染物質はまだなお不十分にしか分離できない。
【0013】
したがって、本発明による方法は、生成物と接触する装置部分が、ひいては摩耗により生じる、生成物流の非フェライト性金属性汚染物質が、有利には0.05T未満、特に有利には0.03T未満、特にとりわけ有利には0.02T未満の残留磁性Brを有する場合に有利である。
【0014】
生成物と接触する装置部分のための適した材料は、例えば少なくとも0.08質量%の炭素を有するオーステナイト鋼である。有利にはオーステナイト鋼は鉄、炭素、クロム、ニッケル及び場合によりモリブデンの他に更なる合金成分、有利にはニオブ又はチタンを含有する。
【0015】
この有利な材料は、DIN EN 10020による材料数1.45××を有する材料であり、その際××は0〜99の自然数であることができる。特に有利な材料は、材料数1.4541及び1.4571を有する鋼、特に材料数1.4541を有する鋼である。
【0016】
生成物流中の渦電流検出器のためのアダプターは、無論、非金属性材料、有利にはセラミックからなっている。
【0017】
本発明による方法においては、様々な部位で渦電流検出器を使用できる。しかしながら特に有利であるのは、生成物貯蔵室(Produktsilo)又は充填部の直前の使用である。
【0018】
検出された非フェライト性金属性汚染物質は、例えば生成物ライン中に存在するポイント(Weich)を用いてオフスペック貯蔵室中へと導出されることができる。
【0019】
無論、本発明による方法は、フェライト性金属性汚染物質の検出及び導出をも可能にする。
【0020】
吸水性ポリマー粒子は、モノマー溶液又はモノマー懸濁液の重合により製造される。
【0021】
モノマーa)は、好ましくは水溶性である。すなわち、23℃での水中での溶解度は、一般に少なくとも1g/100g水、好ましくは少なくとも5g/100g水、特に有利には少なくとも25g/100g水、殊に有利には少なくとも50g/100g水である。理想的にはモノマーa)は水と全ての比において混合可能である。
【0022】
適したモノマーa)は例えば、エチレン性不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸である。特に有利なモノマーは、アクリル酸及びメタクリル酸である。さらにアクリル酸が特に有利である。
【0023】
更なる適したモノマーa)は例えばエチレン性不飽和スルホン酸、例えばスチレンスルホン酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)である。
【0024】
モノマーa)の全量におけるアクリル酸及び/又はその塩の割合は、有利に少なくとも50モル%、特に有利に少なくとも90モル%、とりわけ有利に少なくとも95モル%である。
【0025】
このモノマーa)、特にアクリル酸は、好ましくは0.025質量%までのヒドロキノン半エーテルを含有する。有利なヒドロキノン半エーテルは、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)及び/又はトコフェロールである。
【0026】
トコフェロールは、以下の式
【化1】

[式中、R1は、水素又はメチルであり、R2は、水素又はメチルであり、R3は、水素又はメチルであり、かつR4は、水素又は1〜20個の炭素原子を有する酸基を意味する]の化合物と解する。
【0027】
4の有利な基は、アセチル、アスコルビル、スクシニル、ニコチニル及び生理学的に認容性の別のカルボン酸である。前記カルボン酸は、モノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸であってよい。
【0028】
1=R2=R3=メチルであるアルファ−トコフェロール、特にラセミのアルファ−トコフェロールが有利である。R1は、とりわけ有利には、水素又はアセチルである。特に有利に、RRR−アルファ−トコフェロールである。
【0029】
モノマー溶液は、それぞれアクリル酸に対して、有利には高くても130質量ppm、特に有利には高くても70質量ppm、好ましくは少なくとも10質量ppm、特に好ましくは少なくとも30質量ppm、特に約50質量ppmのヒドロキノン半エーテルを含有し、その際、アクリル酸塩は、アクリル酸としてともに考慮される。例えば、このモノマー溶液の製造のために、アクリル酸を相応する含有量のヒドロキノン半エーテルと一緒に使用することができる。
【0030】
架橋剤b)は、有利には、ポリマー網目構造にラジカル共重合されうる少なくとも2個の重合可能な基を有する化合物である。適した架橋剤b)は、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、テトラアリルアンモニウムクロリド、テトラアリルオキシエタン(例えばEP530438A1に記載)、ジアクリレート及びトリアクリレート(例えばEP547847A1、EP559476A1、EP632068A1、WO93/21237A1、WO2003/104299A1、WO2003/104300A1、WO2003/104301A1及びDE10331450A1に記載)、アクリレート基以外にさらに別のエチレン性不飽和基を含有する混合アクリレート(例えばDE10331456A1及びDE10355401A1に記載)、又は架橋剤混合物(例えばDE19543368A1、DE19646484A1、WO90/15830A1及びWO2002/32962A2に記載)である。
【0031】
適切な架橋剤b)は、特にN,N′−メチレンビスアクリルアミド及びN,N′−メチレンビスメタクリルアミド、不飽和モノカルボン酸又はポリカルボン酸とポリオールとのエステル、例えばジアクリラート又はトリアクリラート、例えばブタンジオールジアクリラート又はエチレングリコールジアクリラート、又はブタンジオールジメタクリラート又はエチレングリコールジメタクリラート並びにトリメチロールプロパントリアクリラート及びアリル化合物、例えばアリル(メタ)アクリラート、トリアリルシアヌラート、マレイン酸ジアリルエステル、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン、リン酸のアリルエステル並びにビニルホスホン酸誘導体(例えば、EP−A−0343427中に記載されている)である。更に好適な架橋剤b)は、ペンタエリトリトールジ−、ペンタエリトリトールトリ−及びペンタエリトリトールテトラアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル及びグリセリントリアリルエーテル、ソルビトールをベースとするポリアリルエーテル並びにそのエトキシル化された変型である。本発明による方法の場合に、ポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリラートが使用可能であり、その際、使用されたポリエチレングリコールは100〜1000の分子量を有し、例えばポリエチレングリコール−400−ジアクリレートである。
【0032】
しかしながら、特に有利な架橋剤b)は、3〜20箇所エトキシル化されたグリセリン、3〜20箇所エトキシル化されたトリメチロールプロパン、3〜20箇所エトキシル化されたトリメチロールエタンのジ−及びトリアクリラート、特に、2〜6箇所エトキシル化されたグリセリン又はトリメチロールプロパン、3箇所プロポキシル化されたグリセリン又はトリメチロールプロパン、並びに混合して3箇所エトキシル化又はプロポキシル化されたグリセリン又はトリメチロールプロパン、15箇所エトキシル化されたグリセリン又はトリメチロールプロパン、並びに少なくとも40箇所エトキシル化されたグリセリン、トリメチロールエタン又はトリメチロールプロパンのジ−及びトリアクリラートである。
【0033】
極めて有利な架橋剤b)は、例えばWO2003/104301A1に記載されているような、ジアクリレート又はトリアクリレートを得るためにアクリル酸又はメタクリル酸とエステル化された多重エトキシル化及び/又はプロポキシル化されたグリセリンである。3〜10箇所でエトキシル化されたグリセリンのジ−及び/又はトリアクリレートが特に有利である。特にとりわけ有利には、1〜5箇所エトキシル化及び/又はプロポキシル化されたグリセリンのジアクリレート又はトリアクリラートである。3〜5箇所でエトキシル化及び/又はプロポキシル化されたグリセリンのトリアクリレートが最も有利である。
【0034】
架橋剤b)の量は、そのつどモノマーa)に対して、有利には0.05〜1.5質量%、特に有利には0.1〜1質量%、特にとりわけ有利には0.3〜0.6質量%である。
【0035】
エチレン性不飽和の酸基含有モノマーa)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーc)は、たとえばアクリルアミド、メタクリルアミド、クロトン酸アミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノブチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノネオペンチルアクリレート及びジメチルアミノネオペンチルメタクリレートである。
【0036】
水溶性ポリマーd)としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、デンプン誘導体、ポリグリコール又はポリアクリル酸、好ましくはポリビニルアルコール及びデンプンを使用することができる。
【0037】
好ましい重合抑制剤は、最適な作用のために溶解された酸素を必要とする。従って、このモノマー溶液からは重合前に、不活性化、即ち不活性ガス、有利には窒素を用いた貫流により溶解した酸素が取り除かれることができる。有利には、モノマー溶液の重合前の酸素含有率は、1質量ppm未満に、特に有利には0.5質量ppm未満に低下される。
【0038】
適したポリマーの製造並びにさらに別の適した親水性エチレン性不飽和モノマーa)は、DE−19941423A1、EP686650A1、WO2001/45758A1及びWO2003/104300A1に記載される。
【0039】
適した反応器は、例えばニーダー反応器又はベルト反応器(Bandreaktor)である。ニーダー中では、水性のモノマー溶液又はモノマー懸濁液の重合に際して発生するポリマーゲルが、WO2001/38402A1に記載されているように、例えば反転撹拌棒(gegenlaeufige Ruehrwellen)によって連続的に粉砕される。ベルト上での重合は、例えばDE3825366A1及びUS6,241,928に記載される。重合の際にベルト反応器中で、更なる方法工程、例えば肉挽き機、押出機又はニーダー中で破砕されなくてはならないポリマーゲルが生じる。
【0040】
得られたヒドロゲルの酸基は、一般的には部分的に、好ましくは25〜95mol%、有利には50〜80mol%、特に好ましくは60〜75mol%中和されており、その際、慣用の中和剤、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩又はアルカリ金属炭酸水素塩並びにこれらの混合物を使用することができる。アルカリ金属塩の代わりに、アンモニウム塩を使用することもできる。ナトリウム及びカリウムは、アルカリ金属として特に好ましく、しかしながら殊に好ましいのは水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウム並びにこれらの混合物である。
【0041】
この中和は、有利には、前記モノマーの段階で実施される。通常、中和は、中和剤を水溶液として、溶融物としてか又は好ましくは固体として混合導入することによって行われる。例えば、50質量%を顕著に下回る含水率を有する水酸化ナトリウムが、23℃を上回る融点を有する蝋状の塊として存在していてよい。この場合には、高めた温度でばら材(Sueckgut)又は溶融物として計量供給することが可能である。
【0042】
この中和を、重合後にこのヒドロゲルの段階で実施することも可能である。さらに、40mol%まで、有利に10〜30mol%、特に有利に15〜25mol%の酸基を、重合前に、中和剤の一部を既にモノマー溶液に添加することにより中和し、かつ所望の最終中和度を重合後に初めてヒドロゲルの段階で調節することも可能である。前記ヒドロゲルを少なくとも部分的に重合の後に中和する場合、前記ヒドロゲルは有利に機械的に、例えばミンチャーを用いて粉砕し、その際、中和剤を吹き付けるか、降りかけるか又は注ぎ込み、次いで入念に混合することができる。そのために、得られたゲル材料は、なお数回均質化のために粉砕することができる。
【0043】
次いでヒドロゲルは好ましくはベルト型乾燥機を用いて、残留湿分が好ましくは15質量%より下、特に有利には10質量%より下、とりわけ特に有利には8質量%より下になるまで乾燥させられ、その際含水率が、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)により推奨された試験法Nr.230.2−05"Moisture content"に従って測定される。しかしながら、選択的に、乾燥のために、流動床乾燥機又は加熱されたプローシェアミキサー(Pflugscharmischer)を使用することもできる。特に白色の製品を得るために、このゲルの乾燥の際に蒸発された水の急速な搬出を保証することが有利である。このために、乾燥器温度を最適化すべく空気供給及び空気排出を制御して実施しなくてはならず、それぞれの場合に十分な通気を留意すべきである。当然の事ながら、乾燥は、ゲルの固体含有率が可能な限り高い場合には、それだけ一層簡単であり、かつ製品はそれだけ一層白い。従って、有利に、この乾燥前のゲルの固体含有率は25〜80質量%である。特に、前記乾燥機に窒素又は他の酸化しないガスを通気するのが有利である。しかしながら、選択的に、酸化による黄変現象を回避するために、乾燥の間の酸素分圧だけを簡単に下げることもできる。
【0044】
この後で、乾燥させたヒドロゲルを微粉砕し、そして分級し、その際、微粉砕のために通常、1段階又は複数段階のロールミル、好ましくは2段階又は3段階のロールミル、ピンミル、ハンマーミル又はスイングミルを使用することができる。
【0045】
生成物画分として分離されたポリマー粒子の平均粒度は、好ましくは少なくとも200μm、とりわけ有利には250〜600μm、極めて有利には300〜500μmである。生成物画分の平均粒度は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)によって推奨された試験法Nr.WSP 220.2-05"Partikel size distribution"に従って測定されることができ、その際、篩画分の質量割合が累積的にプロットされ、かつ平均粒度がグラフを用いて決定される。この場合、平均粒度は、累積して50質量%となる目開きの値である。
【0046】
有利には少なくとも150μm、特に有利には少なくとも200μm、特にとりわけ有利には少なくとも250μmの粒径を有する粒子の割合は、有利には少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%、特にとりわけ有利には少なくとも98質量%である。
【0047】
有利には最高で850μm、特に有利には最高で700μm、特にとりわけ有利には最高で600μmの粒径を有する粒子の割合は、有利には少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%、特にとりわけ有利には少なくとも98質量%である。
【0048】
ポリマー粒子は、特性のさらなる改善のために後架橋してよい。適した後架橋剤は、ポリマー粒子の少なくとも2個のカルボキシレート基と共有結合を形成しうる基を含有する化合物である。適した化合物は、例えばアルコキシシリル化合物、ポリアジリジン、ポリアミン、ポリアミドアミン、ジエポキシド又はポリエポキシド(例えばEP83022A2、EP543303A1及びEP937736A2に記載)、二官能性又は多官能性アルコール(例えばDE3314019A1、DE3523617A1及びEP450922A2に記載)、又はβ−ヒドロキシアルキルアミド(例えばDE10204938A1及びUS6,239,230に記載)である。
【0049】
加えて、DE4020780C1の中で環状カーボネートが、DE19807502A1の中で2−オキサゾリドン及びその誘導体、例えば2−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリドンが、DE19807992C1の中でビス−及びポリ−2−オキサゾリジノンが、DE19854573A1の中で2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン及びその誘導体が、DE19854574A1の中でN−アシル−2−オキサゾリドンが、DE10204937A1の中で環状尿素が、DE10334584A1の中で二環状アミドアセタールが、EP1199327A2の中でオキセタン及び環状尿素が、またWO2003/31482A1の中でモルホリン−2,3−ジオン及びその誘導体が適した後架橋剤として記載されている。
【0050】
さらに、DE3713601A1に記載されているような、付加的な重合可能なエチレン性不飽和基を含有する後架橋剤も使用することができる。
【0051】
後架橋剤の量は、そのつどポリマーに対して有利には0.001〜2質量%、特に有利には0.02〜1質量%、特にとりわけ有利には0.05〜0.2質量%である。
【0052】
本発明の有利な一実施態様においては、後架橋の前、間又は後に、後架橋剤の他に更に多価カチオンが粒子表面上に施与される。
【0053】
本発明による方法において使用することができる多価カチオンは例えば二価のカチオン、例えば亜鉛、マグネシウム、カルシウム及びストロンチウムのカチオン、三価のカチオン、例えばアルミニウム、鉄、クロム、希土類及びマンガンのカチオン、四価のカチオン、例えばチタン及びジルコニウムのカチオンである。対イオンとして塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン及びカルボン酸イオン、例えば酢酸イオン及び乳酸イオンが可能である。硫酸アルミニウムが有利である。金属塩以外に、多価カチオンとしてポリアミンも使用することができる。
【0054】
多価カチオンの使用量は、そのつどポリマーに対して、例えば0.001〜1.5質量%、好ましくは0.005〜1質量%、とりわけ有利には0.02〜0.8質量%である。
【0055】
この後架橋は、一般的には、後架橋剤の溶液をヒドロゲル又は乾燥させたポリマー粒子上に吹き付けることにより実施される。この噴霧に引続き、後架橋剤でコーティングしたポリマー粒子を加熱乾燥し、その際、後架橋反応は乾燥前でも乾燥中でも生じうる。
【0056】
架橋剤の溶液の噴霧は、好ましくは、可動式混合装置を有するミキサー、例えばスクリューミキサー、ディスクミキサー、プローシェアミキサー及びブレードミキサー中で実施される。特に有利に、水平型ミキサー、例えばプローシェアミキサー及びブレードミキサー、特にとりわけ有利には垂直型ミキサーである。適したミキサーは、例えばLoedigeミキサー、Bepexミキサー、Nautaミキサー、Processallミキサー及びSchugiミキサーである。
【0057】
この後架橋剤は典型的には水溶液として使用される。非水性溶媒に関する含量を介してポリマー粒子中への後架橋剤の侵入深さが調整されることができる。
【0058】
この加熱乾燥は、好ましくは接触乾燥器、特に好ましくはパドル型乾燥器、殊に好ましくはディスク型乾燥器中で実施する。適した乾燥機は、例えばBepex乾燥機及びNara乾燥機である。さらに、流動床乾燥機も使用することができる。
【0059】
乾燥は、混合機それ自体中で、ジャケットの加熱又は熱風の吹き込みによって行なうことができる。後接続された乾燥機、例えば箱形乾燥機、回転管炉か又は加熱可能なスクリューは、同様に好適である。とりわけ好ましくは、流動層乾燥機中で混合及び乾燥される。
【0060】
有利な乾燥温度は、100〜250℃、有利には120〜220℃、特に有利には130〜210℃、特にとりわけ有利には150〜200℃の範囲内にある。反応ミキサー又は乾燥器中でのこの温度での有利な滞留時間は、有利には少なくとも10分間、特に有利には少なくとも20分間、とりわけ有利には少なくとも30分間であり、通常多くとも60分間である。
【0061】
引き続き、後架橋されたポリマーを、新たに分級してよい。
【0062】
この後架橋されたポリマー粒子は、特性のさらなる改善のためにコーティング又は後湿潤してよい。獲得挙動(Akquisitionsverhalten)並びに透過性(SFC)の改善のための適したコーティングは例えば無機の不活性物質、例えば水不溶性金属塩、有機ポリマー、カチオン性ポリマー並びに二価又は多価の金属カチオンである。粉塵結合のための適したコーティングは例えばポリオールである。ポリマー粒子の不所望な凝結傾向(Verbackungsneigung)に対する適したコーティングは、例えば熱分解シリカ、例えばAerosil(R) 200及び界面活性剤、例えばSpan(R) 20である。
【0063】
本発明による方法により非フェライト性金属性汚染物質について検査した吸水性ポリマー粒子は、好ましくは15質量%より下、特に有利には10質量%より下、とりわけ特に有利には8質量%より下の水含有量を有し、その際この含水率が、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)により推奨された試験法Nr.230.2−05"Moisture content"に従って測定される。
【0064】
本発明による方法により非フェライト性金属性汚染物質について検査した吸水性ポリマー粒子は、一般に少なくとも15g/g、好ましくは少なくとも20g/g、有利には少なくとも22g/g、特に有利には少なくとも24g/g、殊に有利には少なくとも26g/gの遠心分離保持容量(CRC)(Zentrifugenretentionskapazitaet)を有する。吸水性ポリマー粒子の遠心保持容量(CRC)は、通常は60g/g未満である。遠心保持容量(CRC)は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)によって推奨された試験法Nr.241.2−05"Centrifuge retention capacity"に従って測定される。
【0065】
本発明による方法により非フェライト性金属性汚染物質について検査した吸水性ポリマー粒子は、0.7psi(4.83kPa)の圧力下で典型的には少なくとも15g/g、好ましくは少なくとも20g/g、有利には少なくとも22g/g、特に有利には少なくとも24g/g、殊に有利には少なくとも26g/gの吸収を有する。吸水性ポリマー粒子の0.7psi(AUL 0.7psi)の圧力下での吸収は、典型的には35g/gより少ない。この吸収は0.7psi(AUL 0.7psi)の圧力下では、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)により推奨された試験方法 Nr. WSP 242.2-05 "Absorption under pressure"と同様に測定され、その際0.3psi(2.07kPa)の圧力の代わりに、0.7psi(4.83kPa)の圧力が調整される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1種のエチレン性不飽和の酸基含有モノマー、これは少なくとも部分的に中和されていることができる、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)場合により1種又は複数種の、a)で挙げたモノマーと共重合可能なエチレン性及び/又はアリル性不飽和モノマー、及び
d)場合により1種又は複数種の水溶性ポリマー
を含有する
モノマー溶液又はモノマー懸濁液の重合による吸水性ポリマー粒子を製造するにあたり、生成物と接触する装置部分が少なくとも部分的に非フェライト性金属性材料からなる製造方法において、
吸水性ポリマー粒子を含有する生成物流を渦電流検出器を用いて非フェライト性金属性汚染物質について検査することを特徴とする製造方法。
【請求項2】
非フェライト性金属性材料がオーステナイト鋼であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
オーステナイト鋼が最高で0.05Tの残留磁性を有することを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
検査した吸水性ポリマー粒子が15質量%よりも少ない水含有量を有することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
検査した吸水性ポリマー粒子の少なくとも95質量%が少なくとも150μmの粒径を有することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
検査した吸水性ポリマー粒子の少なくとも95質量%が最高で850μmの粒径を有することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
検査した吸水性ポリマー粒子は、少なくとも15g/gの遠心保持容量を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
検査した吸水性ポリマー粒子は、0.7psi(4.83kPa)の圧力下で少なくとも15g/gの吸収を有することを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
渦電流検出器を用いて検出した非フェライト性金属性汚染物質が生成物流から導出されることを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
非フェライト性金属性汚染物質を含有する生成物流が別個の貯蔵室中に逸らされることを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2011−506662(P2011−506662A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537405(P2010−537405)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/067049
【国際公開番号】WO2009/077376
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】