吸着台および球状体搭載装置
【課題】吸着対象体を確実に保持する機能を維持しつつコストの低減を実現し得る吸着台を提供する。
【解決手段】上面81a側に吸気口81hが形成された板状の基体部81と、通気性を有して吸気口81hを覆うように基体部81の上面81a側に配置されるシート体82と、厚み方向に貫通する複数の通気孔83cが形成されると共に一面83aが基体部81の上面81aに対向するようにシート体82を挟んで上面81a側に配置される吸着板83とを備え、吸着板83を上面81a側に配置した状態においてシート体82を介して吸気口81hと通気孔83cとが連通し、吸気口81hから吸気して吸着板83の他面83bに載置された基板400を吸着して保持する。
【解決手段】上面81a側に吸気口81hが形成された板状の基体部81と、通気性を有して吸気口81hを覆うように基体部81の上面81a側に配置されるシート体82と、厚み方向に貫通する複数の通気孔83cが形成されると共に一面83aが基体部81の上面81aに対向するようにシート体82を挟んで上面81a側に配置される吸着板83とを備え、吸着板83を上面81a側に配置した状態においてシート体82を介して吸気口81hと通気孔83cとが連通し、吸気口81hから吸気して吸着板83の他面83bに載置された基板400を吸着して保持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着対象体を吸着して保持する吸着台、およびその吸着台を備えた球状体搭載装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の保持台を備えた装置として、特開2002−254163号公報に開示された半田ボール搭載装置が知られている。この半田ボール搭載装置は、ボール搭載ステージ、ボール吸着ツールおよび反り量測定手段などを備えて構成されている。この半田ボール搭載装置では、半田ボールの搭載に先立ち、反り量測定手段によって基板(BGA基板)の反り量が測定される。次いで、反り量の測定値が規定値以内と判断された基板が、ボール搭載ステージに搬送されて載置される。続いて、ボール搭載ステージに載置された基板の電極上に、ボール吸着ツールによって半田ボールが搭載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−254163号公報(第2−3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の半田ボール搭載装置を含むこの種の半田ボール搭載装置には、改善すべき以下の課題がある。すなわち、上記の半田ボール搭載装置では、ボール搭載ステージに基板を載置して、その状態における半田ボールの電極上に半田ボールを搭載している。一方、近年の基板の高密度化に伴って電極の狭ピッチ化が進んでおり、このような狭ピッチの電極に微小な半田ボールを搭載する際には、ボール搭載ステージに対して基板を正確に位置合わせして確実に固定する必要がある。しかしながら、上記の半田ボール搭載装置では、ボール搭載ステージに固定手段が備えられていないため、位置ずれして、半田ボールを電極に正確に搭載できないおそれがある。
【0005】
上記のような事態を回避するため、発明者は、基板を吸着して確実に保持(固定)可能な吸着台553を既に開発している。この吸着台553は、図17,18に示すように、上面581a側に凹部581bが形成されると共にその凹部581bの底面581cに吸気口581dが形成された基体部581と、通気性を有する多孔質のセラミック材料によって形成されて基体部581の凹部581bに嵌め込まれた吸着板582とを備えて構成されている。この場合、載置された基板の傾斜を回避するため、基体部581の上面581aおよび吸着板582の上面582aを高精度に平坦化させると共に、両面581a,582aの間に段差が生じないように構成する必要がある。このため、この吸着台553を製作する際には、基体部581の凹部581bに吸着板582を嵌め込んで接着剤等を用いて固定した後に、両面581a,582aを研磨している。しかしながら、硬質なセラミック材料で形成された吸着板582を研磨するには長時間を要している。このため、この吸着台553には、製作コストが高騰しており、この点の改善が望まれている。また、長期間の使用によって吸着板582が目詰りしたときには、吸着板582を交換して研磨加工を行う必要があるため、ランニングコストが高騰しているという改善すべき課題も存在する。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、吸着対象体を確実に保持する機能を維持しつつコストの低減を実現し得る吸着台および球状体搭載装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく請求項1記載の吸着台は、吸着対象体を吸着して保持する吸着台であって、上面側に吸気口が形成された板状の基体部と、通気性を有して前記吸気口を覆うように前記基体部の前記上面側に配置されるシート体と、厚み方向に貫通する複数の通気孔が形成されると共に一面が前記上面に対向するように前記シート体を挟んで当該上面側に配置される吸着板とを備え、前記吸着板を前記上面側に配置した状態において前記シート体を介して前記吸気口と前記通気孔とが連通し、前記吸気口から吸気して前記吸着板の他面に載置された前記吸着対象体を吸着して保持する。
【0008】
また、請求項2記載の吸着台は、請求項1記載の吸着台において、前記シート体を嵌め込み可能な凹部が前記基体部の前記上面および前記吸着板の前記一面の少なくとも一方に形成されている。
【0009】
また、請求項3記載の吸着台は、請求項1または2記載の吸着台において、前記吸着板は、導電性材料で形成されている。
【0010】
また、請求項4記載の吸着台は、請求項1または2記載の吸着台において、前記吸着板は、非導電性材料で形成されている。
【0011】
また、請求項5記載の球状体搭載装置は、請求項1から4のいずれかに記載の吸着台と、当該吸着台によって保持されている前記吸着対象体としての搭載対象体に球状体を搭載する搭載部とを備えている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の吸着台および請求項5記載の球状体搭載装置によれば、上面側に吸気口が形成された基体部と、通気性を有して吸気口を覆うように基体部の上面側に配置されるシート体と、複数の通気孔が形成されると共にシート体を挟んで基体部の上面側に配置される吸着板とを備えて吸着台を構成したことにより、硬質で研磨加工に長い時間を必要とするセラミックを用いることなく吸着対象体を確実に吸着して保持することができる。このため、この吸着台および球状体搭載装置によれば、基体部および吸着板を研磨加工の容易な材料で形成することで、基体部の上面、吸着板の一面および吸着板の他面を短時間で研磨することができるため、研磨加工のコストが低減する分、吸着台ひいては球状体搭載装置の製作コストを十分に低減することができる。また、この吸着台および球状体搭載装置によれば、長期間の使用によってシート体が目詰りしたとしても、研磨加工の必要な基体部および吸着板を交換することなく、シート体のみを交換するだけで済むため、ランニングコストを十分に低く抑えることができる。
【0013】
また、請求項2記載の吸着台および請求項5記載の球状体搭載装置によれば、シート体を嵌め込み可能な凹部を基体部の上面および吸着板の一面の少なくとも一方に形成したことにより、基体部の上面と吸着板の一面とを密着させることができるため、両面を高精度に平坦化させることで、吸着板に載置された吸着対象体の傾斜を確実に回避することができる。
【0014】
また、請求項3記載の吸着台および請求項5記載の球状体搭載装置によれば、導電性材料で吸着板を形成したことにより、例えば、裏側に端子が形成されている吸着対象体に対して球状体を搭載する際に、裏側の端子を吸着板を介して基準電位(グランド電位)に接続することで、吸着対象体の帯電を防止することができる。
【0015】
また、請求項4記載の吸着台および請求項5記載の球状体搭載装置によれば、非導電性材料で吸着板を形成したことにより、例えば、吸着対象体の裏側に端子が形成されているときに、端子同士を絶縁しつつその吸着対象体を吸着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】半田ボール搭載装置1の構成を示す構成図である。
【図2】搭載部2の構成を示す断面図である。
【図3】吸着ヘッド11および整列用プレート13の構成を示す断面図である。
【図4】半田ボール搭載装置1の構成を示す平面図である。
【図5】塗布部3および吸着台53の構成を示す構成図である。
【図6】吸着台53の構成を示す第1の分解斜視図である。
【図7】吸着台53の構成を示す第2の分解斜視図である。
【図8】吸着台53の斜視図である。
【図9】半田ボール搭載装置1の動作を説明する第1の説明図である。
【図10】半田ボール搭載装置1の動作を説明する第2の説明図である。
【図11】半田ボール搭載装置1の動作を説明する第3の説明図である。
【図12】半田ボール搭載装置1の動作を説明する第4の説明図である。
【図13】半田ボール搭載装置1の動作を説明する第5の説明図である。
【図14】半田ボール搭載装置1の動作を説明する第6の説明図である。
【図15】半田ボール搭載装置1の動作を説明する第7の説明図である。
【図16】半田ボール搭載装置1の動作を説明する第8の説明図である。
【図17】従来の吸着台553の構成を示す分解斜視図である。
【図18】従来の吸着台553の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、吸着台および球状体搭載装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0018】
最初に、図1に示す半田ボール搭載装置(球状体搭載装置)1の構成について説明する。半田ボール搭載装置1は、同図に示すように、搭載部2、塗布部3、搬送部4、検出部5および制御部6を備えて、球状体の一例としての微小な球状粒体である半田ボール(マイクロボール)300(図3参照)を搭載対象体(および吸着対象体)としての基板400の端子401(図15参照)に搭載(載置)可能に構成されている。この場合、半田ボール300は、直径L1(図3参照)が70μm程度の球状に構成されている。また、半田ボール300は、半田ボール搭載装置1によって基板400の端子401に搭載された後に加熱溶融されることにより、基板400上にボールグリッドアレイ(BGA)を構成する。
【0019】
搭載部2は、基板400の端子401に半田ボール300を搭載する搭載処理を実行する。具体的には、搭載部2は、図1に示すように、吸着ヘッド11、供給部12、整列用プレート13、および移動機構14を備えて構成されている。
【0020】
吸着ヘッド11は、複数の半田ボール300を吸着する吸着処理を実行する。具体的には、吸着ヘッド11は、図2に示すように、一例として、内部に空隙11aが形成された箱状に構成されている。また、図3に示すように、吸着ヘッド11における底壁11bには、底壁11bの外面(以下「吸着面11c」ともいう)に開口すると共に空隙11aと連通する吸気孔11dが、底壁11bの厚み方向に沿って複数(同図では、そのうちの1個のみを図示している)形成されている。なお、吸着面11cにおける吸気孔11dの開口部を、以下「吸気口11e」ともいう。
【0021】
この場合、図3に示すように、吸気孔11d(つまり、吸気口11e)の直径L2は、半田ボール300の直径L1(この例では、70μm)よりも短い40μm程度に規定されている。また、図2に示すように、吸着ヘッド11には、空隙11a内の空気を排気するための排気孔11fが形成されている。この吸着ヘッド11では、空隙11a内の空気の排気によって空隙11a内が負圧状態となり、それに伴って吸気口11eからの吸気が行われることにより、吸着ヘッド11の吸着面11cにおける吸気口11eの縁部に半田ボール300を吸着することが可能となっている(図3参照)。
【0022】
供給部12は、制御部6の制御に従い、吸着ヘッド11に対して半田ボール300を供給する供給処理を実行すると共に、余剰な半田ボール300を吸引して除去する除去処理を実行する。具体的には、供給部12は、図2に示すように、収容容器21、吸着保持部22、吸引部23、および図外の駆動機構を備えて構成されている。収容容器21は、同図に示すように、その内面が断面半円状に湾曲した容器本体21cと、容器本体21cの両側部に配設された2枚の側壁(図示せず)とを備えて、容器本体21cおよび側壁によって形成される収容部21a(同図参照)内に半田ボール300を収容可能に構成されている。また、収容容器21の開口部21b(同図参照)側には、側壁に両端部が支持されたワイパー21dが配設されている。また、側壁には、吸着保持部22を回動可能に支持するためのベアリング(図示せず)が配設されている。この場合、収容容器21は、供給処理の実行時において開口部21bが吸着ヘッド11の吸着面11cに対向するように配置される。
【0023】
吸着保持部22は、全体として直方体状に形成されると共に、図2に示すように、基端部22b側から先端部22aに至る吸気経路22cが内部に形成されて、収容容器21の収容部21a内に収容されている半田ボール300をその先端部22aで吸着して保持可能に構成されている。また、吸着保持部22の先端部22aには、通気性シート22eが取り付けられている。また、吸着保持部22は、基端部22b側に配設された図外の軸および吸気管22dが収容容器21の側壁に配設されたベアリングによって回転可能に支持されることで、収容容器21の開口部21b側において基端部22bを中心として回動可能に配設されている。
【0024】
この場合、吸着保持部22は、図2に示すように、先端部22aが収容容器21の容器本体21cの底部側に対向しているときに、収容容器21の収容部21aに収容されている半田ボール300を先端部22aで吸着して保持する。また、吸着保持部22は、供給処理の実行時において、図13に示すように、半田ボール300を保持している先端部22aが吸着ヘッド11の吸着面11cに対向するように駆動機構によって回動させられる。
【0025】
吸引部23は、図2に示すように、2枚の区画壁23b,23cを備えて構成されて、収容容器21における2枚の側壁と区画壁23b,23cとによって形成される吸引経路23a(同図参照)を介して半田ボール300を吸引可能に構成されている。この場合、この半田ボール搭載装置1では、収容容器21、吸着保持部22および吸引部23が上記のように構成されることで、これらが一体に構成されている(以下、一体化された収容容器21、吸着保持部22および吸引部23を全体として「本体部100」ともいう)。
【0026】
整列用プレート13は、吸着ヘッド11に対して着脱可能に構成されると共に、図3に示すように、吸着ヘッド11の吸着面11cに上面13aが接触するように装着された状態において吸着ヘッド11の吸気口11eに連通する挿通孔13cが形成されている。この場合、同図に示すように、整列用プレート13の厚みL3は、吸気口11eの縁部に吸着された半田ボール300が下面13bから突出しない80μm程度に規定されている。また、挿通孔13cの直径L4は、半田ボール300が通過可能な90μm程度に規定されている。また、整列用プレート13は、本体部100の配置位置の上方の位置に配置されている。
【0027】
移動機構14は、制御部6の制御に従い、整列用プレート13の配置位置(本体部100の配置位置の上方の位置であって、半田ボール300を吸着する吸着処理が実行される吸着位置P1(図4参照)と基板400に半田ボール300を搭載する搭載処理が実行される搭載位置P2(同図参照)との間で吸着ヘッド11を搬送する。
【0028】
塗布部3は、図4に示すように、基板400が供給される供給位置P3と搭載位置P2との間に配設されて基板400の表面にフラックスを塗布する塗布処理を実行する。この場合、塗布部3は、図5に示すように、マスク31、供給機構32およびスキージ33を備えて構成されている。マスク31は、塗布処理が実行される塗布位置P4に基板400搬送されたときに、図外の駆動機構によって基板400の表面側に移動させられて、基板400におけるフラックスの塗布対象部分(具体的には、端子401が形成されている部分)を除く部分を覆う。供給機構32は、塗布位置P4に基板400が搬送されたときに、基板400の表面におけるマスク31によって覆われていない部分(露出部分)にフラックスを供給する。スキージ33は、駆動機構によってマスク31の表面に沿って移動させられることにより、基板400の表面に供給されたフラックスを引き伸ばす。
【0029】
搬送部4は、図4に示すように、供給位置P3と搭載位置P2とを結ぶ搬送経路Rに沿って基板400を搬送する。この場合、搬送部4は、第1搬送機構41、第2搬送機構42および第3搬送機構43を備えて構成され、搬送経路Rを複数(例えば、3つ)に分割した各分割経路(例えば、後述する第1経路R1、第2経路R2および第3経路R3)に沿って、各搬送機構41〜43が基板400をそれぞれ搬送する。
【0030】
第1搬送機構41は、図4に示すように、供給位置P3と引き渡し位置P5(塗布位置P4よりも搭載位置P2側に位置する位置)とを結ぶ第1経路R1(搬送経路Rの一部)に沿って基板400を搬送する第1搬送処理を実行する。具体的には、第1搬送機構41は、ステージ51、レール52、吸着台53および移動機構54を備えて構成されている。ステージ51は、第1経路R1に沿って配設されたレール52上を移動機構54によって移動させられる。
【0031】
吸着台53は、ステージ51の上に固定されて、載置(供給)された吸着対象体としての基板400を吸着して保持可能に構成されている。具体的には、吸着台53は、図5,6に示すように、基体部81、シート体82および吸着板83を備えて構成されている。基体部81は、金属(例えばアルミニウム)によって全体として矩形の板状に形成されて、全体として矩形の板状に形成されている。また、基体部81の上面81a側には、シート体82を嵌め込み可能な矩形の凹部81cが形成されている。また、凹部81cの縁部には、上面81aよりもシート体82の厚み分だけ凹んだ段部81eが形成されている。さらに、凹部81cの底面81dには、シート体82を支持するリブ81fが形成されている。また、基体部81には、基体部81の側面に開口すると共に凹部81cに連通する吸気孔81gが形成されている。なお、凹部81cにおける吸気孔81gの開口部を、以下「吸気口81h」ともいう。
【0032】
シート体82は、一例として、不織布、織布、ポリエチレン、ポリプロピレンおよび紙などで構成された通気性を有する素材によって矩形のシート状に形成されている。この場合、図5,7に示すように、シート体82が基体部81の凹部81cに嵌め込まれる(つまり、基体部81の上面81a側に配置される)ことにより、基体部81の吸気口81hがシート体82によって覆われる。
【0033】
吸着板83は、導電性材料(例えばアルミニウム)によって全体として矩形の板状に形成されている。また、吸着板83は、図7,8に示すように、一面83a(図7における下面)が基体部81の上面81aに対向するようにしてシート体82を挟んで基体部81の上面81a側に配置されて、ねじ84によって基体部81に固定されている。また、吸着板83には、厚み方向に貫通する複数の通気孔83cが形成されている。この場合、各通気孔83cは、基体部81の上面81a側に配置された状態においてシート体82に対向する矩形の領域83d(図6参照)内に形成されている。
【0034】
ここで、この半田ボール搭載装置1のように、狭ピッチの端子401に微小な半田ボール300を搭載する装置においては、基板400が僅かに傾斜しているだけで、半田ボール300を正しい位置に確実に搭載するのが困難となる。このため、この吸着台53では、保持した基板400の傾斜を回避するため、基体部81の上面81aにおける凹部81cの外側の部位(吸着板83の一面83aとの当接部位)、吸着板83の一面83a、および吸着板83の他面83b(同図における上面)が研磨加工によって高精度に平坦化されている。この場合、この吸着台53では、発明者が既に開発している吸着台とは異なり、硬質で研磨加工に長い時間を必要とするセラミックに代えてシート体82を用いると共に、シート体82を挟んで配置された基体部81および吸着板83が研磨加工の容易なアルミニウムで形成されている。このため、この吸着台53および半田ボール搭載装置1では、上記の各面81a,83a,83bを短時間で研磨することができるため、研磨加工のコストが低減する分、吸着台53ひいては半田ボール搭載装置1の製作コストを十分に低減することが可能となっている。
【0035】
ここで、吸着台53は、次のようにして組み立てられる。まず、図6に示すように、基体部81の凹部81cにシート体82を嵌め込む。この際に、凹部81cの縁部に形成されている段部81e、および凹部81cの底面81dに形成されているリブ81fによってシート体82が支持される。また、シート体82によって基体部81における凹部81cの底面81dに開口する吸気孔81gの吸気口81hがシート体82によって覆われる。次いで、シート体82を嵌め込んだ基体部81の上面81aと吸着板83の一面83aとを対向させて、シート体82を挟んだ状態で基体部81の上面81a側に吸着板83を載置する。続いて、図8に示すように、ねじ84を用いて基体部81に対して吸着板83を固定する。以上により吸着台53が完成する。
【0036】
この場合、上記のようにして構成されている吸着台53では、シート体82を介して吸気口81hに連通する通気孔83cからの吸気により、吸着板83の他面83b(図7における上面)に載置された基板400が吸着して保持される。また、この吸着台53では、長期間の使用によってシート体82が目詰りしたとしても、研磨加工の必要な基体部81および吸着板83を交換することなく、シート体82のみを交換するだけで済むため、ランニングコストを十分に低く抑えることが可能となっている。
【0037】
第2搬送機構42は、図4に示すように、引き渡し位置P5と受け渡し位置P6(引き渡し位置P5よりも搭載位置P2側に位置する位置)とを結ぶ第2経路R2(搬送経路Rの一部)に沿って基板400を搬送する第2搬送処理を実行する。具体的には、第2搬送機構42は、同図に示すように、吸着部61および移動機構62を備えて構成されている。吸着部61は、基板400を吸着する。移動機構62は、吸着部61を上下動させると共に、第2経路R2に沿って吸着部61を移動させる。
【0038】
第3搬送機構43は、図4に示すように、受け渡し位置P6と搭載位置P2とを結ぶ第3経路R3(搬送経路Rの一部)に沿って基板400を搬送する第2搬送処理を実行する。具体的には、第3搬送機構43は、ステージ71、レール72、吸着台73、移動機構74および補正機構75を備えて構成されている。ステージ71は、第3経路R3に沿って配設されたレール72上を移動機構74によって移動させられる。吸着台73は、上記した第1搬送機構41の吸着台53と同様に構成されて、上面に載置された基板400を吸着して保持する。補正機構75は、吸着台73の下部に配設されて、吸着台73を上下方向に貫通する中心軸を中心として吸着台73を回動させることにより、検出部5による後述する検出処理の結果に基づいて、吸着台73によって保持されている基板400の位置ずれを補正する補正処理を実行する。
【0039】
検出部5は、第3搬送機構43の吸着台73に保持されている基板400の表面を撮像する図外のカメラを備えて構成されて、図4に示すように、受け渡し位置P6と搭載位置P2との間の所定位置(同図に示す検出位置P7)に配設されている。この場合、検出部5は、基板400の撮像画像を画像解析することにより、基板400を上下方向に貫通する中心軸を中心とする基板400の回転方向の位置ずれを検出する検出処理を実行する。
【0040】
制御部6は、搭載部2、塗布部3、搬送部4および検出部5を制御して、基板400の端子401に半田ボール300を搭載させる。
【0041】
次に、半田ボール搭載装置1を用いて、半田ボール300を基板400の端子401に搭載する工程、およびその際の半田ボール搭載装置1の動作について、図面を参照して説明する。なお、初期状態では、図4に示すように、搬送部4における第1搬送機構41のステージ51が供給位置P3に位置し、搬送部4における第3搬送機構43のステージ71が受け渡し位置P6に位置しているものとする。また、供給位置P3に位置している第1搬送機構41の吸着台53における吸着板83の他面83b(上面)に図外の基板供給装置によって基板400が供給(載置)されるものとする。
【0042】
この半田ボール搭載装置1では、開始操作がされたときに、制御部6が搬送部4の第1搬送機構41に対して第1搬送処理を実行させる。この第1搬送処理では、第1搬送機構41の吸着台53が、供給(載置)された基板400を保持する。具体的には、吸着台53は、吸着板83を基体部81の上面81a側に配置した状態においてシート体82を介して基体部81の吸気口81hと吸着板83の通気孔83cとが連通しており、吸気管を介して基体部81の吸気孔81gに接続されている図外の吸気装置が作動することによって吸気口81hからの吸気が行われ、これによって吸着板83の他面83bに載置された基板400を吸着して保持する。この場合、この吸着台53では、吸着板83が導電性材料によって形成されている。このため、例えば、裏側に端子401が形成されている基板400に対して半田ボール300を搭載する際に、裏側の端子401を吸着板83を介して基準電位(グランド電位)に接続することで、基板400の帯電を防止することが可能となっている。
【0043】
続いて、移動機構54が、図9に示すように、ステージ51を第1経路R1に沿って配設されたレール52上を移動させる。次いで、移動機構54は、ステージ51が塗布位置P4に位置した時点でその移動を停止させる。
【0044】
続いて、制御部6は、塗布部3に対して塗布処理を実行させる。この塗布処理では、塗布部3のマスク31が図外の駆動機構によって基板400の表面側に移動させられる(図5参照)。この際に、基板400における端子401の形成部分を除く部分が覆われる。次いで、塗布部3の供給機構32が基板400における端子401の形成部分(露出部分)にフラックスを供給する。続いて、スキージ33が図外の駆動機構によってマスク31(基板400の表面)に沿って移動させられる。これにより、基板400の表面における端子401の形成部分にフラックスが引き伸ばされて塗布される。
【0045】
次いで、第1搬送機構41の移動機構54が、ステージ51を引き渡し位置P5に向けて移動させ、ステージ51が引き渡し位置P5に位置した時点でその移動を停止させる。これにより、供給位置P3と引き渡し位置P5とを結ぶ第1経路R1に沿って基板400が第1搬送機構41によって搬送される。
【0046】
続いて、制御部6は、搬送部4の第2搬送機構42に対して第2搬送処理を実行させる。この第2搬送処理では、第2搬送機構42の移動機構62が、図10に示すように、引き渡し位置P5の上方に吸着部61を移動させる。次いで、移動機構62は、吸着部61を下降させることにより、第1搬送機構41の吸着台53によって保持されている基板400に対して吸着部61を近接させる。続いて、制御部6が、吸着台53による基板400の吸着を解除させる。これにより、吸着部61によって基板400が吸着されて、基板400が第1搬送機構41から第2搬送機構42に引き渡される。次いで、移動機構62は、吸着部61を上昇させた後に、第2経路R2に沿って吸着部61を移動させて受け渡し位置P6の上方に位置させる。続いて、移動機構62は、吸着部61を下降させることにより、搬送部4における第3搬送機構43の吸着台73の上面に基板400を載置する。これにより、引き渡し位置P5と受け渡し位置P6とを結ぶ第2経路R2に沿って基板400が第2搬送機構42によって搬送される。
【0047】
また、第1搬送機構41の移動機構54は、基板400が第1搬送機構41から第2搬送機構42に引き渡された時点で、図11に示すように、ステージ51を引き渡し位置P5から供給位置P3に移動(初期位置に復帰)させる。
【0048】
次いで、制御部6は、搬送部4の第3搬送機構43に対して第3搬送処理を実行させる。この第3搬送処理では、第3搬送機構43の吸着台73が、第2搬送機構42によって載置された基板400を吸着して保持し、移動機構74が、図11に示すように、ステージ71を第3経路R3に沿って配設されたレール72上を移動させる。続いて、移動機構74は、同図に示すように、ステージ71が検出位置P7に位置した時点でその移動を停止させる。
【0049】
次いで、制御部6は、検出部5に対して検出処理を実行させる。この検出処理では、検出部5は、第3搬送機構43の吸着台73によって保持されている基板400を吸着台73の上方から撮像して、その撮像画像を画像解析することにより、基板400を上下方向に貫通する中心軸を中心とする回転方向の基板400の位置ずれを検出する。
【0050】
続いて、制御部6は、第3搬送機構43の補正機構75に対して補正処理を実行させる。この補正処理では、補正機構75は、検出部5による検出処理の結果に基づき、吸着台73を上下方向に貫通する中心軸を中心として吸着台73を回動させることにより、吸着台73によって保持されている基板400の位置ずれを補正する。
【0051】
次いで、第3搬送機構43の移動機構74が、図12に示すように、ステージ71を搭載位置P2に向けて移動させ、ステージ71が搭載位置P2に位置した時点でその移動を停止させる。これにより、受け渡し位置P6と搭載位置P2とを結ぶ第3経路R3に沿って基板400が第3搬送機構43によって搬送される。
【0052】
一方、制御部6は、例えば、上記の第1搬送処理の開始から所定時間が経過した時点で、搭載部2に対して搭載処理を開始させる。この搭載処理では、移動機構14が、図2に示すように、整列用プレート13の配置位置に吸着ヘッド11を搬送させる。この際に、図3に示すように、吸着ヘッド11における底壁11bの吸着面11cと整列用プレート13の上面13aとが接触する。続いて、制御部6は、吸着ヘッド11に対して吸着処理を実行させると共に、供給部12に対して供給処理および除去処理を実行させる。具体的には、制御部6は、図外の吸気装置を作動させる。これにより、吸着ヘッド11の空隙11a内が負圧状態となって吸気口11eからの吸気が開始される。また、供給部12の吸着保持部22における吸気経路22cからの吸気、および供給部12の吸引部23における吸引経路23aからの吸気が開始される。
【0053】
次いで、吸着保持部22における吸気経路22cからの吸気に伴い、供給部12の収容容器21に収容されている半田ボール300が吸着保持部22の先端部22aに吸着されて保持される。続いて、制御部6は、図外の駆動機構を制御して、吸着保持部22の基端部22bに取り付けられている吸気管22dを回転させることにより、図13に示すように、基端部22bを中心として吸着保持部22を回動させる。この際に、先端部22aに保持されている半田ボール300が吸着保持部22の回動に伴い、収容容器21の開口部21b側に移動させられる。また、開口部21b側に移動させられた半田ボール300の一部が、開口部21b側に配設されているワイパー21dによって払い落とされる。このため、吸着ヘッド11に供給される半田ボール300の量(数)が適正な量に制限される。
【0054】
次いで、制御部6は、吸着保持部22の先端部22aが吸着ヘッド11の吸着面11cに対向した時点(吸着保持部22が180°回動した時点)で、駆動機構を制御して、吸気管22dの回転を停止させる。続いて、制御部6は、駆動機構を制御して、吸着ヘッド11の吸着面11c(整列用プレート13)に向けて本体部100を移動させて、先端部22aを整列用プレート13(吸着面11c)の一端側に近接させる。この際に、整列用プレート13に近接させられた先端部22aに保持されている半田ボール300のうちの整列用プレート13側(上部)に位置している半田ボール300が、吸着ヘッド11の吸気口11eからの吸気に伴う吸引力によって吸着保持部22の吸引力に抗して吸着ヘッド11に引き寄せられて、吸着ヘッド11に供給される。また、供給された半田ボール300の一部が、吸気口11eに引き寄せられて、整列用プレート13の各挿通孔13cを通って吸着ヘッド11の吸着面11cにおける吸気口11eの縁部に吸着される。
【0055】
次いで、制御部6は、駆動機構を制御して、図13に示すように、先端部22aを整列用プレート13に近接させた状態で、本体部100を整列用プレート13(吸着面11c)に沿って整列用プレート13の他端側(同図における右側)に向けて(同図に矢印で示す方向に)移動させる。この際に、上記したように、先端部22aに保持されている半田ボール300のうちの整列用プレート13側に位置している半田ボール300が、吸着ヘッド11の吸引力によって吸着保持部22の吸引力に抗して吸着ヘッド11に引き寄せられて、吸着ヘッド11に供給され、その一部が整列用プレート13の各挿通孔13cを通って吸着ヘッド11の吸着面11cにおける吸気口11eの縁部に吸着される。このようにして、吸着保持部22の先端部22aに保持されている半田ボール300が、吸着保持部22の移動に伴って徐々に(分散されつつ)吸着ヘッド11に供給されると共に、供給された半田ボール300の一部が吸着ヘッド11の吸着面11cにおける各吸気口11eの縁部に1つずつ吸着される。
【0056】
ここで、半田ボール300は、上記したように微小なため、静電気や分子間力による半田ボール300同士が互いに引き合う力が半田ボールの重量に対して相対的に大きくなっている。このため、吸気口11eの縁部に吸着された搭載対象の半田ボール300に、他の余剰な半田ボール300が付着する。この場合、この半田ボール搭載装置1では、上記したように、整列用プレート13の厚みL3が半田ボール300の直径L1よりもやや厚い80μm程度に規定され、挿通孔13cの直径L4が、半田ボール300の直径L1よりもやや大きい90μm程度に規定されている。このため、搭載対象の半田ボール300だけが挿通孔13c内に収容され、余剰な半田ボール300は、その一部分(体積的な一部分)またはその全体が挿通孔13cの下面13bよりも外側(下側)に突出した状態で付着している。また、この半田ボール搭載装置1では、上記したように、先端部22aに保持されている半田ボール300が分散されつつ供給されるため、半田ボール300の過剰な供給が防止されて、余剰な半田ボール300の付着が少なく抑えられている。
【0057】
続いて、制御部6は、駆動機構を制御して、図14に示すように、本体部100を整列用プレート13に沿って(同図に矢印で示す方向に)さらに移動させる。この際に、同図に示すように、吸着保持部22に続いて吸引部23が移動させられて、吸引部23における吸引経路23aからの吸気によって余剰な半田ボール300が吸引される。このため、搭載対象の半田ボール300と余剰な半田ボール300とが互いに強く引き合っていたとしても、余剰な半田ボール300の全てが搭載対象の半田ボール300から強制的に引き離されて吸着ヘッド11または整列用プレート13から確実に除去される。
【0058】
続いて、制御部6は、移動機構14を制御して、吸着ヘッド11が整列用プレート13から離反するように、吸着ヘッド11を移動させる。次いで、制御部6は、移動機構14を制御して、半田ボール300を吸着している吸着ヘッド11を搭載位置P2に搬送させ、続いて、図15に示すように、吸着ヘッド11によって吸着されている半田ボール300が基板400の端子401に塗布されているフラックスに接触するように吸着ヘッド11を基板400に向けて(同図に示す矢印の向きに)移動させる。
【0059】
次いで、制御部6は、吸気装置を制御して、吸着ヘッド11における吸気口11eからの吸気を停止させる。この際に、図16に示すように、吸着ヘッド11による吸着が解除されて、半田ボール300が基板400の端子401に塗布されたフラックスの上に載置される。続いて、制御部6は、移動機構14を制御して、同図に示すように、吸着ヘッド11を上方に向けて(同図に示す矢印の向きに)移動させた後に、初期位置に搬送させる。以上により、基板400における端子401への半田ボール300の搭載が完了する。次いで、半田ボール300の搭載が完了した基板400が、図外の取り出し装置によって第3搬送機構43の吸着台73からストック場所に移動される。続いて、第3搬送機構43の移動機構74が、ステージ71を搭載位置P2から受け渡し位置P6に移動(初期位置に復帰)させる。
【0060】
一方、制御部6は、上記した搭載処理が実行されている間に、次の基板400に対する第1搬送処理を第1搬送機構41に開始させ、次いで、その基板400に対するに塗布処理を塗布部3に実行させる。つまり、この半田ボール搭載装置1では、塗布処理を搭載処理と並行して行うことが可能となっている。このため、第3搬送機構43の吸着台73(ステージ71)が受け渡し位置P6において長時間待機させられることなく、次の基板400が吸着台73に載置される。また、制御部6は、次の基板400に対する第1搬送処理の開始から所定時間が経過した時点で、次の基板400に対する搭載処理(吸着処理、供給処理および除去処理)を搭載部2に開始させる。このため、この半田ボール搭載装置1では、次の基板400が搭載位置P2に搬送されるまでの間に吸着処理、供給処理および除去処理を完了(またはほぼ完了)させることができるため、第3搬送機構43の吸着台73が搭載位置P2において待機する時間を短縮することが可能となっている。したがって、この半田ボール搭載装置1では、1つの基板400当たりの処理時間を十分に短縮することができる結果、生産性を十分に向上させることが可能となっている。以下、制御部6は、搭載部2、塗布部3、搬送部4および検出部5に対して上記の各処理を実行させることにより、基板400に対する半田ボール300の搭載を連続して行う。
【0061】
このように、この吸着台53および半田ボール搭載装置1によれば、上面81a側に吸気口81hが形成された基体部81と、通気性を有して吸気口81hを覆うように基体部81の上面81a側に配置されるシート体82と、複数の通気孔83cが形成されると共にシート体82を挟んで上面81a側に配置される吸着板83とを備えて吸着台53を構成したことにより、硬質で研磨加工に長い時間を必要とするセラミックを用いることなく基板400を確実に吸着して保持することができる。このため、この吸着台53および半田ボール搭載装置1によれば、基体部81および吸着板83を研磨加工の容易なアルミニウムで形成することで、基体部81の上面81a、吸着板83の一面83aおよび吸着板83の他面83bを短時間で研磨することができるため、研磨加工のコストが低減する分、吸着台53ひいては半田ボール搭載装置1の製作コストを十分に低減することができる。また、この吸着台53および半田ボール搭載装置1によれば、長期間の使用によってシート体82が目詰りしたとしても、研磨加工の必要な基体部81および吸着板83を交換することなく、シート体82のみを交換するだけで済むため、ランニングコストを十分に低く抑えることができる。
【0062】
また、この吸着台53および半田ボール搭載装置1によれば、シート体82を嵌め込み可能な凹部81cを基体部81の上面81aに形成したことにより、基体部81の上面81aと吸着板83の一面83aとを密着させることができるため、両面を高精度に平坦化させることで、吸着板83に載置された基板400の傾斜を確実に回避することができる。
【0063】
また、この吸着台53および半田ボール搭載装置1によれば、導電性材料で吸着板83を形成したことにより、例えば、裏側に端子401が形成されている基板400に対して半田ボール300を搭載する際に、裏側の端子401を吸着板83を介して基準電位(グランド電位)に接続することで、基板400の帯電を防止することができる。
【0064】
なお、吸着板83をアルミニウムで形成した例について上記したが、他の金属で形成することもできる。また、金属以外の他の導電性材料(例えば、導電性樹脂)で形成した吸着板83を採用することもできる。さらに、非導電性材料で形成した吸着板83を採用することもできる。この場合、この半田ボール搭載装置1では、基体部81、シート体82および吸着板83によって吸着台53が構成されているため、導電性材料で形成された吸着板83、および非導電性材料で形成された吸着板83のいずれか一方を用いることができる。このため、基板400における端子401同士の絶縁の要否などに応じて、吸着板83を交換することで、各種の基板400に対応させることができる。
【0065】
また、シート体82を嵌め込み可能な凹部81cを基体部81の上面81aにのみ形成した構成例について上記したが、シート体82を嵌め込み可能な凹部を吸着板83の一面83aに形成する構成や、基体部81の上面81aおよび吸着板83の一面83aの双方にこのような凹部を形成する構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0066】
1 半田ボール搭載装置
2 搭載部
53 吸着台
81 基体部
81a 上面
81c 凹部
81h 吸気口
82 シート体
83 吸着板
83a 一面
83b 他面
83c 通気孔
300 半田ボール
400 基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着対象体を吸着して保持する吸着台、およびその吸着台を備えた球状体搭載装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の保持台を備えた装置として、特開2002−254163号公報に開示された半田ボール搭載装置が知られている。この半田ボール搭載装置は、ボール搭載ステージ、ボール吸着ツールおよび反り量測定手段などを備えて構成されている。この半田ボール搭載装置では、半田ボールの搭載に先立ち、反り量測定手段によって基板(BGA基板)の反り量が測定される。次いで、反り量の測定値が規定値以内と判断された基板が、ボール搭載ステージに搬送されて載置される。続いて、ボール搭載ステージに載置された基板の電極上に、ボール吸着ツールによって半田ボールが搭載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−254163号公報(第2−3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の半田ボール搭載装置を含むこの種の半田ボール搭載装置には、改善すべき以下の課題がある。すなわち、上記の半田ボール搭載装置では、ボール搭載ステージに基板を載置して、その状態における半田ボールの電極上に半田ボールを搭載している。一方、近年の基板の高密度化に伴って電極の狭ピッチ化が進んでおり、このような狭ピッチの電極に微小な半田ボールを搭載する際には、ボール搭載ステージに対して基板を正確に位置合わせして確実に固定する必要がある。しかしながら、上記の半田ボール搭載装置では、ボール搭載ステージに固定手段が備えられていないため、位置ずれして、半田ボールを電極に正確に搭載できないおそれがある。
【0005】
上記のような事態を回避するため、発明者は、基板を吸着して確実に保持(固定)可能な吸着台553を既に開発している。この吸着台553は、図17,18に示すように、上面581a側に凹部581bが形成されると共にその凹部581bの底面581cに吸気口581dが形成された基体部581と、通気性を有する多孔質のセラミック材料によって形成されて基体部581の凹部581bに嵌め込まれた吸着板582とを備えて構成されている。この場合、載置された基板の傾斜を回避するため、基体部581の上面581aおよび吸着板582の上面582aを高精度に平坦化させると共に、両面581a,582aの間に段差が生じないように構成する必要がある。このため、この吸着台553を製作する際には、基体部581の凹部581bに吸着板582を嵌め込んで接着剤等を用いて固定した後に、両面581a,582aを研磨している。しかしながら、硬質なセラミック材料で形成された吸着板582を研磨するには長時間を要している。このため、この吸着台553には、製作コストが高騰しており、この点の改善が望まれている。また、長期間の使用によって吸着板582が目詰りしたときには、吸着板582を交換して研磨加工を行う必要があるため、ランニングコストが高騰しているという改善すべき課題も存在する。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、吸着対象体を確実に保持する機能を維持しつつコストの低減を実現し得る吸着台および球状体搭載装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく請求項1記載の吸着台は、吸着対象体を吸着して保持する吸着台であって、上面側に吸気口が形成された板状の基体部と、通気性を有して前記吸気口を覆うように前記基体部の前記上面側に配置されるシート体と、厚み方向に貫通する複数の通気孔が形成されると共に一面が前記上面に対向するように前記シート体を挟んで当該上面側に配置される吸着板とを備え、前記吸着板を前記上面側に配置した状態において前記シート体を介して前記吸気口と前記通気孔とが連通し、前記吸気口から吸気して前記吸着板の他面に載置された前記吸着対象体を吸着して保持する。
【0008】
また、請求項2記載の吸着台は、請求項1記載の吸着台において、前記シート体を嵌め込み可能な凹部が前記基体部の前記上面および前記吸着板の前記一面の少なくとも一方に形成されている。
【0009】
また、請求項3記載の吸着台は、請求項1または2記載の吸着台において、前記吸着板は、導電性材料で形成されている。
【0010】
また、請求項4記載の吸着台は、請求項1または2記載の吸着台において、前記吸着板は、非導電性材料で形成されている。
【0011】
また、請求項5記載の球状体搭載装置は、請求項1から4のいずれかに記載の吸着台と、当該吸着台によって保持されている前記吸着対象体としての搭載対象体に球状体を搭載する搭載部とを備えている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の吸着台および請求項5記載の球状体搭載装置によれば、上面側に吸気口が形成された基体部と、通気性を有して吸気口を覆うように基体部の上面側に配置されるシート体と、複数の通気孔が形成されると共にシート体を挟んで基体部の上面側に配置される吸着板とを備えて吸着台を構成したことにより、硬質で研磨加工に長い時間を必要とするセラミックを用いることなく吸着対象体を確実に吸着して保持することができる。このため、この吸着台および球状体搭載装置によれば、基体部および吸着板を研磨加工の容易な材料で形成することで、基体部の上面、吸着板の一面および吸着板の他面を短時間で研磨することができるため、研磨加工のコストが低減する分、吸着台ひいては球状体搭載装置の製作コストを十分に低減することができる。また、この吸着台および球状体搭載装置によれば、長期間の使用によってシート体が目詰りしたとしても、研磨加工の必要な基体部および吸着板を交換することなく、シート体のみを交換するだけで済むため、ランニングコストを十分に低く抑えることができる。
【0013】
また、請求項2記載の吸着台および請求項5記載の球状体搭載装置によれば、シート体を嵌め込み可能な凹部を基体部の上面および吸着板の一面の少なくとも一方に形成したことにより、基体部の上面と吸着板の一面とを密着させることができるため、両面を高精度に平坦化させることで、吸着板に載置された吸着対象体の傾斜を確実に回避することができる。
【0014】
また、請求項3記載の吸着台および請求項5記載の球状体搭載装置によれば、導電性材料で吸着板を形成したことにより、例えば、裏側に端子が形成されている吸着対象体に対して球状体を搭載する際に、裏側の端子を吸着板を介して基準電位(グランド電位)に接続することで、吸着対象体の帯電を防止することができる。
【0015】
また、請求項4記載の吸着台および請求項5記載の球状体搭載装置によれば、非導電性材料で吸着板を形成したことにより、例えば、吸着対象体の裏側に端子が形成されているときに、端子同士を絶縁しつつその吸着対象体を吸着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】半田ボール搭載装置1の構成を示す構成図である。
【図2】搭載部2の構成を示す断面図である。
【図3】吸着ヘッド11および整列用プレート13の構成を示す断面図である。
【図4】半田ボール搭載装置1の構成を示す平面図である。
【図5】塗布部3および吸着台53の構成を示す構成図である。
【図6】吸着台53の構成を示す第1の分解斜視図である。
【図7】吸着台53の構成を示す第2の分解斜視図である。
【図8】吸着台53の斜視図である。
【図9】半田ボール搭載装置1の動作を説明する第1の説明図である。
【図10】半田ボール搭載装置1の動作を説明する第2の説明図である。
【図11】半田ボール搭載装置1の動作を説明する第3の説明図である。
【図12】半田ボール搭載装置1の動作を説明する第4の説明図である。
【図13】半田ボール搭載装置1の動作を説明する第5の説明図である。
【図14】半田ボール搭載装置1の動作を説明する第6の説明図である。
【図15】半田ボール搭載装置1の動作を説明する第7の説明図である。
【図16】半田ボール搭載装置1の動作を説明する第8の説明図である。
【図17】従来の吸着台553の構成を示す分解斜視図である。
【図18】従来の吸着台553の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、吸着台および球状体搭載装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0018】
最初に、図1に示す半田ボール搭載装置(球状体搭載装置)1の構成について説明する。半田ボール搭載装置1は、同図に示すように、搭載部2、塗布部3、搬送部4、検出部5および制御部6を備えて、球状体の一例としての微小な球状粒体である半田ボール(マイクロボール)300(図3参照)を搭載対象体(および吸着対象体)としての基板400の端子401(図15参照)に搭載(載置)可能に構成されている。この場合、半田ボール300は、直径L1(図3参照)が70μm程度の球状に構成されている。また、半田ボール300は、半田ボール搭載装置1によって基板400の端子401に搭載された後に加熱溶融されることにより、基板400上にボールグリッドアレイ(BGA)を構成する。
【0019】
搭載部2は、基板400の端子401に半田ボール300を搭載する搭載処理を実行する。具体的には、搭載部2は、図1に示すように、吸着ヘッド11、供給部12、整列用プレート13、および移動機構14を備えて構成されている。
【0020】
吸着ヘッド11は、複数の半田ボール300を吸着する吸着処理を実行する。具体的には、吸着ヘッド11は、図2に示すように、一例として、内部に空隙11aが形成された箱状に構成されている。また、図3に示すように、吸着ヘッド11における底壁11bには、底壁11bの外面(以下「吸着面11c」ともいう)に開口すると共に空隙11aと連通する吸気孔11dが、底壁11bの厚み方向に沿って複数(同図では、そのうちの1個のみを図示している)形成されている。なお、吸着面11cにおける吸気孔11dの開口部を、以下「吸気口11e」ともいう。
【0021】
この場合、図3に示すように、吸気孔11d(つまり、吸気口11e)の直径L2は、半田ボール300の直径L1(この例では、70μm)よりも短い40μm程度に規定されている。また、図2に示すように、吸着ヘッド11には、空隙11a内の空気を排気するための排気孔11fが形成されている。この吸着ヘッド11では、空隙11a内の空気の排気によって空隙11a内が負圧状態となり、それに伴って吸気口11eからの吸気が行われることにより、吸着ヘッド11の吸着面11cにおける吸気口11eの縁部に半田ボール300を吸着することが可能となっている(図3参照)。
【0022】
供給部12は、制御部6の制御に従い、吸着ヘッド11に対して半田ボール300を供給する供給処理を実行すると共に、余剰な半田ボール300を吸引して除去する除去処理を実行する。具体的には、供給部12は、図2に示すように、収容容器21、吸着保持部22、吸引部23、および図外の駆動機構を備えて構成されている。収容容器21は、同図に示すように、その内面が断面半円状に湾曲した容器本体21cと、容器本体21cの両側部に配設された2枚の側壁(図示せず)とを備えて、容器本体21cおよび側壁によって形成される収容部21a(同図参照)内に半田ボール300を収容可能に構成されている。また、収容容器21の開口部21b(同図参照)側には、側壁に両端部が支持されたワイパー21dが配設されている。また、側壁には、吸着保持部22を回動可能に支持するためのベアリング(図示せず)が配設されている。この場合、収容容器21は、供給処理の実行時において開口部21bが吸着ヘッド11の吸着面11cに対向するように配置される。
【0023】
吸着保持部22は、全体として直方体状に形成されると共に、図2に示すように、基端部22b側から先端部22aに至る吸気経路22cが内部に形成されて、収容容器21の収容部21a内に収容されている半田ボール300をその先端部22aで吸着して保持可能に構成されている。また、吸着保持部22の先端部22aには、通気性シート22eが取り付けられている。また、吸着保持部22は、基端部22b側に配設された図外の軸および吸気管22dが収容容器21の側壁に配設されたベアリングによって回転可能に支持されることで、収容容器21の開口部21b側において基端部22bを中心として回動可能に配設されている。
【0024】
この場合、吸着保持部22は、図2に示すように、先端部22aが収容容器21の容器本体21cの底部側に対向しているときに、収容容器21の収容部21aに収容されている半田ボール300を先端部22aで吸着して保持する。また、吸着保持部22は、供給処理の実行時において、図13に示すように、半田ボール300を保持している先端部22aが吸着ヘッド11の吸着面11cに対向するように駆動機構によって回動させられる。
【0025】
吸引部23は、図2に示すように、2枚の区画壁23b,23cを備えて構成されて、収容容器21における2枚の側壁と区画壁23b,23cとによって形成される吸引経路23a(同図参照)を介して半田ボール300を吸引可能に構成されている。この場合、この半田ボール搭載装置1では、収容容器21、吸着保持部22および吸引部23が上記のように構成されることで、これらが一体に構成されている(以下、一体化された収容容器21、吸着保持部22および吸引部23を全体として「本体部100」ともいう)。
【0026】
整列用プレート13は、吸着ヘッド11に対して着脱可能に構成されると共に、図3に示すように、吸着ヘッド11の吸着面11cに上面13aが接触するように装着された状態において吸着ヘッド11の吸気口11eに連通する挿通孔13cが形成されている。この場合、同図に示すように、整列用プレート13の厚みL3は、吸気口11eの縁部に吸着された半田ボール300が下面13bから突出しない80μm程度に規定されている。また、挿通孔13cの直径L4は、半田ボール300が通過可能な90μm程度に規定されている。また、整列用プレート13は、本体部100の配置位置の上方の位置に配置されている。
【0027】
移動機構14は、制御部6の制御に従い、整列用プレート13の配置位置(本体部100の配置位置の上方の位置であって、半田ボール300を吸着する吸着処理が実行される吸着位置P1(図4参照)と基板400に半田ボール300を搭載する搭載処理が実行される搭載位置P2(同図参照)との間で吸着ヘッド11を搬送する。
【0028】
塗布部3は、図4に示すように、基板400が供給される供給位置P3と搭載位置P2との間に配設されて基板400の表面にフラックスを塗布する塗布処理を実行する。この場合、塗布部3は、図5に示すように、マスク31、供給機構32およびスキージ33を備えて構成されている。マスク31は、塗布処理が実行される塗布位置P4に基板400搬送されたときに、図外の駆動機構によって基板400の表面側に移動させられて、基板400におけるフラックスの塗布対象部分(具体的には、端子401が形成されている部分)を除く部分を覆う。供給機構32は、塗布位置P4に基板400が搬送されたときに、基板400の表面におけるマスク31によって覆われていない部分(露出部分)にフラックスを供給する。スキージ33は、駆動機構によってマスク31の表面に沿って移動させられることにより、基板400の表面に供給されたフラックスを引き伸ばす。
【0029】
搬送部4は、図4に示すように、供給位置P3と搭載位置P2とを結ぶ搬送経路Rに沿って基板400を搬送する。この場合、搬送部4は、第1搬送機構41、第2搬送機構42および第3搬送機構43を備えて構成され、搬送経路Rを複数(例えば、3つ)に分割した各分割経路(例えば、後述する第1経路R1、第2経路R2および第3経路R3)に沿って、各搬送機構41〜43が基板400をそれぞれ搬送する。
【0030】
第1搬送機構41は、図4に示すように、供給位置P3と引き渡し位置P5(塗布位置P4よりも搭載位置P2側に位置する位置)とを結ぶ第1経路R1(搬送経路Rの一部)に沿って基板400を搬送する第1搬送処理を実行する。具体的には、第1搬送機構41は、ステージ51、レール52、吸着台53および移動機構54を備えて構成されている。ステージ51は、第1経路R1に沿って配設されたレール52上を移動機構54によって移動させられる。
【0031】
吸着台53は、ステージ51の上に固定されて、載置(供給)された吸着対象体としての基板400を吸着して保持可能に構成されている。具体的には、吸着台53は、図5,6に示すように、基体部81、シート体82および吸着板83を備えて構成されている。基体部81は、金属(例えばアルミニウム)によって全体として矩形の板状に形成されて、全体として矩形の板状に形成されている。また、基体部81の上面81a側には、シート体82を嵌め込み可能な矩形の凹部81cが形成されている。また、凹部81cの縁部には、上面81aよりもシート体82の厚み分だけ凹んだ段部81eが形成されている。さらに、凹部81cの底面81dには、シート体82を支持するリブ81fが形成されている。また、基体部81には、基体部81の側面に開口すると共に凹部81cに連通する吸気孔81gが形成されている。なお、凹部81cにおける吸気孔81gの開口部を、以下「吸気口81h」ともいう。
【0032】
シート体82は、一例として、不織布、織布、ポリエチレン、ポリプロピレンおよび紙などで構成された通気性を有する素材によって矩形のシート状に形成されている。この場合、図5,7に示すように、シート体82が基体部81の凹部81cに嵌め込まれる(つまり、基体部81の上面81a側に配置される)ことにより、基体部81の吸気口81hがシート体82によって覆われる。
【0033】
吸着板83は、導電性材料(例えばアルミニウム)によって全体として矩形の板状に形成されている。また、吸着板83は、図7,8に示すように、一面83a(図7における下面)が基体部81の上面81aに対向するようにしてシート体82を挟んで基体部81の上面81a側に配置されて、ねじ84によって基体部81に固定されている。また、吸着板83には、厚み方向に貫通する複数の通気孔83cが形成されている。この場合、各通気孔83cは、基体部81の上面81a側に配置された状態においてシート体82に対向する矩形の領域83d(図6参照)内に形成されている。
【0034】
ここで、この半田ボール搭載装置1のように、狭ピッチの端子401に微小な半田ボール300を搭載する装置においては、基板400が僅かに傾斜しているだけで、半田ボール300を正しい位置に確実に搭載するのが困難となる。このため、この吸着台53では、保持した基板400の傾斜を回避するため、基体部81の上面81aにおける凹部81cの外側の部位(吸着板83の一面83aとの当接部位)、吸着板83の一面83a、および吸着板83の他面83b(同図における上面)が研磨加工によって高精度に平坦化されている。この場合、この吸着台53では、発明者が既に開発している吸着台とは異なり、硬質で研磨加工に長い時間を必要とするセラミックに代えてシート体82を用いると共に、シート体82を挟んで配置された基体部81および吸着板83が研磨加工の容易なアルミニウムで形成されている。このため、この吸着台53および半田ボール搭載装置1では、上記の各面81a,83a,83bを短時間で研磨することができるため、研磨加工のコストが低減する分、吸着台53ひいては半田ボール搭載装置1の製作コストを十分に低減することが可能となっている。
【0035】
ここで、吸着台53は、次のようにして組み立てられる。まず、図6に示すように、基体部81の凹部81cにシート体82を嵌め込む。この際に、凹部81cの縁部に形成されている段部81e、および凹部81cの底面81dに形成されているリブ81fによってシート体82が支持される。また、シート体82によって基体部81における凹部81cの底面81dに開口する吸気孔81gの吸気口81hがシート体82によって覆われる。次いで、シート体82を嵌め込んだ基体部81の上面81aと吸着板83の一面83aとを対向させて、シート体82を挟んだ状態で基体部81の上面81a側に吸着板83を載置する。続いて、図8に示すように、ねじ84を用いて基体部81に対して吸着板83を固定する。以上により吸着台53が完成する。
【0036】
この場合、上記のようにして構成されている吸着台53では、シート体82を介して吸気口81hに連通する通気孔83cからの吸気により、吸着板83の他面83b(図7における上面)に載置された基板400が吸着して保持される。また、この吸着台53では、長期間の使用によってシート体82が目詰りしたとしても、研磨加工の必要な基体部81および吸着板83を交換することなく、シート体82のみを交換するだけで済むため、ランニングコストを十分に低く抑えることが可能となっている。
【0037】
第2搬送機構42は、図4に示すように、引き渡し位置P5と受け渡し位置P6(引き渡し位置P5よりも搭載位置P2側に位置する位置)とを結ぶ第2経路R2(搬送経路Rの一部)に沿って基板400を搬送する第2搬送処理を実行する。具体的には、第2搬送機構42は、同図に示すように、吸着部61および移動機構62を備えて構成されている。吸着部61は、基板400を吸着する。移動機構62は、吸着部61を上下動させると共に、第2経路R2に沿って吸着部61を移動させる。
【0038】
第3搬送機構43は、図4に示すように、受け渡し位置P6と搭載位置P2とを結ぶ第3経路R3(搬送経路Rの一部)に沿って基板400を搬送する第2搬送処理を実行する。具体的には、第3搬送機構43は、ステージ71、レール72、吸着台73、移動機構74および補正機構75を備えて構成されている。ステージ71は、第3経路R3に沿って配設されたレール72上を移動機構74によって移動させられる。吸着台73は、上記した第1搬送機構41の吸着台53と同様に構成されて、上面に載置された基板400を吸着して保持する。補正機構75は、吸着台73の下部に配設されて、吸着台73を上下方向に貫通する中心軸を中心として吸着台73を回動させることにより、検出部5による後述する検出処理の結果に基づいて、吸着台73によって保持されている基板400の位置ずれを補正する補正処理を実行する。
【0039】
検出部5は、第3搬送機構43の吸着台73に保持されている基板400の表面を撮像する図外のカメラを備えて構成されて、図4に示すように、受け渡し位置P6と搭載位置P2との間の所定位置(同図に示す検出位置P7)に配設されている。この場合、検出部5は、基板400の撮像画像を画像解析することにより、基板400を上下方向に貫通する中心軸を中心とする基板400の回転方向の位置ずれを検出する検出処理を実行する。
【0040】
制御部6は、搭載部2、塗布部3、搬送部4および検出部5を制御して、基板400の端子401に半田ボール300を搭載させる。
【0041】
次に、半田ボール搭載装置1を用いて、半田ボール300を基板400の端子401に搭載する工程、およびその際の半田ボール搭載装置1の動作について、図面を参照して説明する。なお、初期状態では、図4に示すように、搬送部4における第1搬送機構41のステージ51が供給位置P3に位置し、搬送部4における第3搬送機構43のステージ71が受け渡し位置P6に位置しているものとする。また、供給位置P3に位置している第1搬送機構41の吸着台53における吸着板83の他面83b(上面)に図外の基板供給装置によって基板400が供給(載置)されるものとする。
【0042】
この半田ボール搭載装置1では、開始操作がされたときに、制御部6が搬送部4の第1搬送機構41に対して第1搬送処理を実行させる。この第1搬送処理では、第1搬送機構41の吸着台53が、供給(載置)された基板400を保持する。具体的には、吸着台53は、吸着板83を基体部81の上面81a側に配置した状態においてシート体82を介して基体部81の吸気口81hと吸着板83の通気孔83cとが連通しており、吸気管を介して基体部81の吸気孔81gに接続されている図外の吸気装置が作動することによって吸気口81hからの吸気が行われ、これによって吸着板83の他面83bに載置された基板400を吸着して保持する。この場合、この吸着台53では、吸着板83が導電性材料によって形成されている。このため、例えば、裏側に端子401が形成されている基板400に対して半田ボール300を搭載する際に、裏側の端子401を吸着板83を介して基準電位(グランド電位)に接続することで、基板400の帯電を防止することが可能となっている。
【0043】
続いて、移動機構54が、図9に示すように、ステージ51を第1経路R1に沿って配設されたレール52上を移動させる。次いで、移動機構54は、ステージ51が塗布位置P4に位置した時点でその移動を停止させる。
【0044】
続いて、制御部6は、塗布部3に対して塗布処理を実行させる。この塗布処理では、塗布部3のマスク31が図外の駆動機構によって基板400の表面側に移動させられる(図5参照)。この際に、基板400における端子401の形成部分を除く部分が覆われる。次いで、塗布部3の供給機構32が基板400における端子401の形成部分(露出部分)にフラックスを供給する。続いて、スキージ33が図外の駆動機構によってマスク31(基板400の表面)に沿って移動させられる。これにより、基板400の表面における端子401の形成部分にフラックスが引き伸ばされて塗布される。
【0045】
次いで、第1搬送機構41の移動機構54が、ステージ51を引き渡し位置P5に向けて移動させ、ステージ51が引き渡し位置P5に位置した時点でその移動を停止させる。これにより、供給位置P3と引き渡し位置P5とを結ぶ第1経路R1に沿って基板400が第1搬送機構41によって搬送される。
【0046】
続いて、制御部6は、搬送部4の第2搬送機構42に対して第2搬送処理を実行させる。この第2搬送処理では、第2搬送機構42の移動機構62が、図10に示すように、引き渡し位置P5の上方に吸着部61を移動させる。次いで、移動機構62は、吸着部61を下降させることにより、第1搬送機構41の吸着台53によって保持されている基板400に対して吸着部61を近接させる。続いて、制御部6が、吸着台53による基板400の吸着を解除させる。これにより、吸着部61によって基板400が吸着されて、基板400が第1搬送機構41から第2搬送機構42に引き渡される。次いで、移動機構62は、吸着部61を上昇させた後に、第2経路R2に沿って吸着部61を移動させて受け渡し位置P6の上方に位置させる。続いて、移動機構62は、吸着部61を下降させることにより、搬送部4における第3搬送機構43の吸着台73の上面に基板400を載置する。これにより、引き渡し位置P5と受け渡し位置P6とを結ぶ第2経路R2に沿って基板400が第2搬送機構42によって搬送される。
【0047】
また、第1搬送機構41の移動機構54は、基板400が第1搬送機構41から第2搬送機構42に引き渡された時点で、図11に示すように、ステージ51を引き渡し位置P5から供給位置P3に移動(初期位置に復帰)させる。
【0048】
次いで、制御部6は、搬送部4の第3搬送機構43に対して第3搬送処理を実行させる。この第3搬送処理では、第3搬送機構43の吸着台73が、第2搬送機構42によって載置された基板400を吸着して保持し、移動機構74が、図11に示すように、ステージ71を第3経路R3に沿って配設されたレール72上を移動させる。続いて、移動機構74は、同図に示すように、ステージ71が検出位置P7に位置した時点でその移動を停止させる。
【0049】
次いで、制御部6は、検出部5に対して検出処理を実行させる。この検出処理では、検出部5は、第3搬送機構43の吸着台73によって保持されている基板400を吸着台73の上方から撮像して、その撮像画像を画像解析することにより、基板400を上下方向に貫通する中心軸を中心とする回転方向の基板400の位置ずれを検出する。
【0050】
続いて、制御部6は、第3搬送機構43の補正機構75に対して補正処理を実行させる。この補正処理では、補正機構75は、検出部5による検出処理の結果に基づき、吸着台73を上下方向に貫通する中心軸を中心として吸着台73を回動させることにより、吸着台73によって保持されている基板400の位置ずれを補正する。
【0051】
次いで、第3搬送機構43の移動機構74が、図12に示すように、ステージ71を搭載位置P2に向けて移動させ、ステージ71が搭載位置P2に位置した時点でその移動を停止させる。これにより、受け渡し位置P6と搭載位置P2とを結ぶ第3経路R3に沿って基板400が第3搬送機構43によって搬送される。
【0052】
一方、制御部6は、例えば、上記の第1搬送処理の開始から所定時間が経過した時点で、搭載部2に対して搭載処理を開始させる。この搭載処理では、移動機構14が、図2に示すように、整列用プレート13の配置位置に吸着ヘッド11を搬送させる。この際に、図3に示すように、吸着ヘッド11における底壁11bの吸着面11cと整列用プレート13の上面13aとが接触する。続いて、制御部6は、吸着ヘッド11に対して吸着処理を実行させると共に、供給部12に対して供給処理および除去処理を実行させる。具体的には、制御部6は、図外の吸気装置を作動させる。これにより、吸着ヘッド11の空隙11a内が負圧状態となって吸気口11eからの吸気が開始される。また、供給部12の吸着保持部22における吸気経路22cからの吸気、および供給部12の吸引部23における吸引経路23aからの吸気が開始される。
【0053】
次いで、吸着保持部22における吸気経路22cからの吸気に伴い、供給部12の収容容器21に収容されている半田ボール300が吸着保持部22の先端部22aに吸着されて保持される。続いて、制御部6は、図外の駆動機構を制御して、吸着保持部22の基端部22bに取り付けられている吸気管22dを回転させることにより、図13に示すように、基端部22bを中心として吸着保持部22を回動させる。この際に、先端部22aに保持されている半田ボール300が吸着保持部22の回動に伴い、収容容器21の開口部21b側に移動させられる。また、開口部21b側に移動させられた半田ボール300の一部が、開口部21b側に配設されているワイパー21dによって払い落とされる。このため、吸着ヘッド11に供給される半田ボール300の量(数)が適正な量に制限される。
【0054】
次いで、制御部6は、吸着保持部22の先端部22aが吸着ヘッド11の吸着面11cに対向した時点(吸着保持部22が180°回動した時点)で、駆動機構を制御して、吸気管22dの回転を停止させる。続いて、制御部6は、駆動機構を制御して、吸着ヘッド11の吸着面11c(整列用プレート13)に向けて本体部100を移動させて、先端部22aを整列用プレート13(吸着面11c)の一端側に近接させる。この際に、整列用プレート13に近接させられた先端部22aに保持されている半田ボール300のうちの整列用プレート13側(上部)に位置している半田ボール300が、吸着ヘッド11の吸気口11eからの吸気に伴う吸引力によって吸着保持部22の吸引力に抗して吸着ヘッド11に引き寄せられて、吸着ヘッド11に供給される。また、供給された半田ボール300の一部が、吸気口11eに引き寄せられて、整列用プレート13の各挿通孔13cを通って吸着ヘッド11の吸着面11cにおける吸気口11eの縁部に吸着される。
【0055】
次いで、制御部6は、駆動機構を制御して、図13に示すように、先端部22aを整列用プレート13に近接させた状態で、本体部100を整列用プレート13(吸着面11c)に沿って整列用プレート13の他端側(同図における右側)に向けて(同図に矢印で示す方向に)移動させる。この際に、上記したように、先端部22aに保持されている半田ボール300のうちの整列用プレート13側に位置している半田ボール300が、吸着ヘッド11の吸引力によって吸着保持部22の吸引力に抗して吸着ヘッド11に引き寄せられて、吸着ヘッド11に供給され、その一部が整列用プレート13の各挿通孔13cを通って吸着ヘッド11の吸着面11cにおける吸気口11eの縁部に吸着される。このようにして、吸着保持部22の先端部22aに保持されている半田ボール300が、吸着保持部22の移動に伴って徐々に(分散されつつ)吸着ヘッド11に供給されると共に、供給された半田ボール300の一部が吸着ヘッド11の吸着面11cにおける各吸気口11eの縁部に1つずつ吸着される。
【0056】
ここで、半田ボール300は、上記したように微小なため、静電気や分子間力による半田ボール300同士が互いに引き合う力が半田ボールの重量に対して相対的に大きくなっている。このため、吸気口11eの縁部に吸着された搭載対象の半田ボール300に、他の余剰な半田ボール300が付着する。この場合、この半田ボール搭載装置1では、上記したように、整列用プレート13の厚みL3が半田ボール300の直径L1よりもやや厚い80μm程度に規定され、挿通孔13cの直径L4が、半田ボール300の直径L1よりもやや大きい90μm程度に規定されている。このため、搭載対象の半田ボール300だけが挿通孔13c内に収容され、余剰な半田ボール300は、その一部分(体積的な一部分)またはその全体が挿通孔13cの下面13bよりも外側(下側)に突出した状態で付着している。また、この半田ボール搭載装置1では、上記したように、先端部22aに保持されている半田ボール300が分散されつつ供給されるため、半田ボール300の過剰な供給が防止されて、余剰な半田ボール300の付着が少なく抑えられている。
【0057】
続いて、制御部6は、駆動機構を制御して、図14に示すように、本体部100を整列用プレート13に沿って(同図に矢印で示す方向に)さらに移動させる。この際に、同図に示すように、吸着保持部22に続いて吸引部23が移動させられて、吸引部23における吸引経路23aからの吸気によって余剰な半田ボール300が吸引される。このため、搭載対象の半田ボール300と余剰な半田ボール300とが互いに強く引き合っていたとしても、余剰な半田ボール300の全てが搭載対象の半田ボール300から強制的に引き離されて吸着ヘッド11または整列用プレート13から確実に除去される。
【0058】
続いて、制御部6は、移動機構14を制御して、吸着ヘッド11が整列用プレート13から離反するように、吸着ヘッド11を移動させる。次いで、制御部6は、移動機構14を制御して、半田ボール300を吸着している吸着ヘッド11を搭載位置P2に搬送させ、続いて、図15に示すように、吸着ヘッド11によって吸着されている半田ボール300が基板400の端子401に塗布されているフラックスに接触するように吸着ヘッド11を基板400に向けて(同図に示す矢印の向きに)移動させる。
【0059】
次いで、制御部6は、吸気装置を制御して、吸着ヘッド11における吸気口11eからの吸気を停止させる。この際に、図16に示すように、吸着ヘッド11による吸着が解除されて、半田ボール300が基板400の端子401に塗布されたフラックスの上に載置される。続いて、制御部6は、移動機構14を制御して、同図に示すように、吸着ヘッド11を上方に向けて(同図に示す矢印の向きに)移動させた後に、初期位置に搬送させる。以上により、基板400における端子401への半田ボール300の搭載が完了する。次いで、半田ボール300の搭載が完了した基板400が、図外の取り出し装置によって第3搬送機構43の吸着台73からストック場所に移動される。続いて、第3搬送機構43の移動機構74が、ステージ71を搭載位置P2から受け渡し位置P6に移動(初期位置に復帰)させる。
【0060】
一方、制御部6は、上記した搭載処理が実行されている間に、次の基板400に対する第1搬送処理を第1搬送機構41に開始させ、次いで、その基板400に対するに塗布処理を塗布部3に実行させる。つまり、この半田ボール搭載装置1では、塗布処理を搭載処理と並行して行うことが可能となっている。このため、第3搬送機構43の吸着台73(ステージ71)が受け渡し位置P6において長時間待機させられることなく、次の基板400が吸着台73に載置される。また、制御部6は、次の基板400に対する第1搬送処理の開始から所定時間が経過した時点で、次の基板400に対する搭載処理(吸着処理、供給処理および除去処理)を搭載部2に開始させる。このため、この半田ボール搭載装置1では、次の基板400が搭載位置P2に搬送されるまでの間に吸着処理、供給処理および除去処理を完了(またはほぼ完了)させることができるため、第3搬送機構43の吸着台73が搭載位置P2において待機する時間を短縮することが可能となっている。したがって、この半田ボール搭載装置1では、1つの基板400当たりの処理時間を十分に短縮することができる結果、生産性を十分に向上させることが可能となっている。以下、制御部6は、搭載部2、塗布部3、搬送部4および検出部5に対して上記の各処理を実行させることにより、基板400に対する半田ボール300の搭載を連続して行う。
【0061】
このように、この吸着台53および半田ボール搭載装置1によれば、上面81a側に吸気口81hが形成された基体部81と、通気性を有して吸気口81hを覆うように基体部81の上面81a側に配置されるシート体82と、複数の通気孔83cが形成されると共にシート体82を挟んで上面81a側に配置される吸着板83とを備えて吸着台53を構成したことにより、硬質で研磨加工に長い時間を必要とするセラミックを用いることなく基板400を確実に吸着して保持することができる。このため、この吸着台53および半田ボール搭載装置1によれば、基体部81および吸着板83を研磨加工の容易なアルミニウムで形成することで、基体部81の上面81a、吸着板83の一面83aおよび吸着板83の他面83bを短時間で研磨することができるため、研磨加工のコストが低減する分、吸着台53ひいては半田ボール搭載装置1の製作コストを十分に低減することができる。また、この吸着台53および半田ボール搭載装置1によれば、長期間の使用によってシート体82が目詰りしたとしても、研磨加工の必要な基体部81および吸着板83を交換することなく、シート体82のみを交換するだけで済むため、ランニングコストを十分に低く抑えることができる。
【0062】
また、この吸着台53および半田ボール搭載装置1によれば、シート体82を嵌め込み可能な凹部81cを基体部81の上面81aに形成したことにより、基体部81の上面81aと吸着板83の一面83aとを密着させることができるため、両面を高精度に平坦化させることで、吸着板83に載置された基板400の傾斜を確実に回避することができる。
【0063】
また、この吸着台53および半田ボール搭載装置1によれば、導電性材料で吸着板83を形成したことにより、例えば、裏側に端子401が形成されている基板400に対して半田ボール300を搭載する際に、裏側の端子401を吸着板83を介して基準電位(グランド電位)に接続することで、基板400の帯電を防止することができる。
【0064】
なお、吸着板83をアルミニウムで形成した例について上記したが、他の金属で形成することもできる。また、金属以外の他の導電性材料(例えば、導電性樹脂)で形成した吸着板83を採用することもできる。さらに、非導電性材料で形成した吸着板83を採用することもできる。この場合、この半田ボール搭載装置1では、基体部81、シート体82および吸着板83によって吸着台53が構成されているため、導電性材料で形成された吸着板83、および非導電性材料で形成された吸着板83のいずれか一方を用いることができる。このため、基板400における端子401同士の絶縁の要否などに応じて、吸着板83を交換することで、各種の基板400に対応させることができる。
【0065】
また、シート体82を嵌め込み可能な凹部81cを基体部81の上面81aにのみ形成した構成例について上記したが、シート体82を嵌め込み可能な凹部を吸着板83の一面83aに形成する構成や、基体部81の上面81aおよび吸着板83の一面83aの双方にこのような凹部を形成する構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0066】
1 半田ボール搭載装置
2 搭載部
53 吸着台
81 基体部
81a 上面
81c 凹部
81h 吸気口
82 シート体
83 吸着板
83a 一面
83b 他面
83c 通気孔
300 半田ボール
400 基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸着対象体を吸着して保持する吸着台であって、
上面側に吸気口が形成された板状の基体部と、通気性を有して前記吸気口を覆うように前記基体部の前記上面側に配置されるシート体と、厚み方向に貫通する複数の通気孔が形成されると共に一面が前記上面に対向するように前記シート体を挟んで当該上面側に配置される吸着板とを備え、前記吸着板を前記上面側に配置した状態において前記シート体を介して前記吸気口と前記通気孔とが連通し、前記吸気口から吸気して前記吸着板の他面に載置された前記吸着対象体を吸着して保持する吸着台。
【請求項2】
前記シート体を嵌め込み可能な凹部が前記基体部の前記上面および前記吸着板の前記一面の少なくとも一方に形成されている請求項1記載の吸着台。
【請求項3】
前記吸着板は、導電性材料で形成されている請求項1または2記載の吸着台。
【請求項4】
前記吸着板は、非導電性材料で形成されている請求項1または2記載の吸着台。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の吸着台と、当該吸着台によって保持されている前記吸着対象体としての搭載対象体に球状体を搭載する搭載部とを備えている球状体搭載装置。
【請求項1】
吸着対象体を吸着して保持する吸着台であって、
上面側に吸気口が形成された板状の基体部と、通気性を有して前記吸気口を覆うように前記基体部の前記上面側に配置されるシート体と、厚み方向に貫通する複数の通気孔が形成されると共に一面が前記上面に対向するように前記シート体を挟んで当該上面側に配置される吸着板とを備え、前記吸着板を前記上面側に配置した状態において前記シート体を介して前記吸気口と前記通気孔とが連通し、前記吸気口から吸気して前記吸着板の他面に載置された前記吸着対象体を吸着して保持する吸着台。
【請求項2】
前記シート体を嵌め込み可能な凹部が前記基体部の前記上面および前記吸着板の前記一面の少なくとも一方に形成されている請求項1記載の吸着台。
【請求項3】
前記吸着板は、導電性材料で形成されている請求項1または2記載の吸着台。
【請求項4】
前記吸着板は、非導電性材料で形成されている請求項1または2記載の吸着台。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の吸着台と、当該吸着台によって保持されている前記吸着対象体としての搭載対象体に球状体を搭載する搭載部とを備えている球状体搭載装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−35160(P2011−35160A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−179818(P2009−179818)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】
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