説明

吸着材用アクリル系樹脂粒子、および水処理用カラム

【課題】簡単な修飾を施すのみで種々の吸着材として使用することが可能な吸着材用樹脂粒子、及びこの吸着材用樹脂粒子を充填してなる水処理用カラムを提供する。
【解決手段】アミド基を含有する特定式で表される構造単位を有し、平均粒径が100μm〜5000μmであり、多孔質体であることを特徴とする、吸着材用アクリル系樹脂粒子を得、この吸着材用アクリル系樹脂粒子をカラム内に充填する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、吸着材用アクリル系樹脂粒子、および水処理用カラムに関する。
【背景技術】
【0002】
工業の発達や人口の増加により水資源の有効利用が求められている。そのためには、廃水の再利用が非常に重要である。これらを達成するためには水の浄化、すなわち水中から他の物質を分離することが必要である。液体からほかの物質を分離する方法としては、各種の方法が知られており、たとえば膜分離、遠心分離、活性炭吸着、オゾン処理、凝集による浮遊物質の除去などが挙げられる。このような方法によって、水に含まれるリンや窒素などの環境に影響の大きい化学物質を除去したり、水中に分散した油類、クレイなどを除去したりすることができる。
【0003】
また水中に溶解しているイオンを除去する方法としては、膜による分離や、電気的分離、イオン交換、凝集沈殿などが知られている。この中でも特にランニングコストが少なく、汚泥が発生しにくい除去方法であるイオン交換が広く使用されている。例えば、ホウ酸イオンの除去においては、グルカミン型の吸着材が知られており、このようなホウ素吸着材としては、例えば特許文献1に記載のように、親水性であるグリシジルメタクリレートとポリオールのメタクリル酸エステルとからなる架橋型共重合体の基材中に、官能基としてポリヒドロキシルアルキルアミノ基を導入したイオン交換樹脂が提案されている。
【0004】
しかしながら、例えば複数のイオンが共存する廃水の処理では、このような選択的にイオンを吸着する樹脂を複数使用しなくてはならない。廃水の種類は千差万別のため、それぞれの吸着材を最初から合成していたのでは、迅速に顧客ニーズに応えることが難しくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−64128号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、簡単な修飾を施すのみで種々の吸着材として使用することが可能な吸着材用樹脂粒子、及びこの吸着材用樹脂粒子を充填してなる水処理用カラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、(1)式で表される構造単位を有し、平均粒径が100μm〜5000μmであり、多孔質体であることを特徴とする、吸着材用アクリル系樹脂粒子
【化1】

(R:水素又はメチル基、R,R:それぞれ独立に水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下であるアルキル基、R:水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下であるヘテロ元素を含むアルキル基,n:10〜1000000の整数)に関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態におけるホウ素吸着に使用する装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の詳細、並びにその他の特徴及び利点について、実施形態に基づいて説明する。
【0010】
(吸着材用アクリル系樹脂粒子)
本実施形態における吸着材用アクリル系樹脂粒子は、(1)式で示される構造単位を含む樹脂組成物から構成される
【化2】

(R:水素又はメチル基、R,R:それぞれ独立に水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下であるアルキル基、R:水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下であるヘテロ元素を含むアルキル基,n:10〜1000000の整数)。
【0011】
(1)式に示す構造単位から明らかなように、本実施形態の吸着材用アクリル系樹脂粒子は、アクリル酸エステル樹脂のエステル結合部位がアミノ基を有する置換基に変換されており、このアミノ基に対してRで表される水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下のアルキル基が付加している。さらにRに対して水素原子が水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下であるヘテロ元素を含むアルキル基であるR、及びR同様に水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下であるアルキル基であるRで表されるアミノ基が結合した構造を呈している。
【0012】
このように、本実施形態における吸着材用アクリル系樹脂粒子は、(1)式で示すように、構造内にアミノ基(アミド結合)を有するため、親水性が高く、内部まで水が拡散しやすいので、通常使われるポリスチレン担体よりも水処理速度が早くなるという利点を有する。また、特開2003−64128号などのような骨格内にエステル構造などの酸やアルカリに弱い結合を持たないため、耐薬品性に優れるという利点も併せ持つ。 また、制御が難しい禁水反応などを製造工程内に含まず、反応工程を削減することができる。
【0013】
また、上記アミノ基(アミド結合)を有することにより、水処理に供する水中に含まれるイオンがそのままアミノ基(アミド結合)部分に配位結合するようになるので、イオンを吸着して水中から除去することができるようになる。
【0014】
なお、上述した記載から明らかなように、本実施形態における“吸着材用”なる文言は、アクリル系樹脂粒子が吸着材の担体として機能することに加えて、アクリル系樹脂粒子自体が吸着材として機能することを意味している。
【0015】
また、置換基Rにおける“ヘテロ元素”なる文言は、一般に有機化学の分野で使用されている意味と同様であって、炭素および水素以外の元素を意味するものである。
【0016】
重合度を示すnは10以上の整数であり、好ましくは100以上の整数であり、特に好ましくは1万以上の整数である。nが10未満の整数であると、分子量が小さすぎて軟化点が低くなり、室温で粒子状(固体)として存在できないので、上述した作用効果を奏することができなくなる。
【0017】
一方、nの上限は1000000であるが、1000000を超えると、アクリル系樹脂粒子を構成するアクリル酸エステル樹脂の分子量が大きくなり過ぎて、反応性が低下し、以下に説明するような官能基を反応させにくくなってしまう。この結果、アクリル系樹脂粒子による吸着作用が低減してしまう。nが100以上の整数であると、この分子担体で室温で固体として存在することができ、nが1万以上の整数であると、使用に耐えうる強度をもつようになる。
【0018】
また、上記アクリル酸エステル樹脂の分子量は、ポリスチレン換算平均分子量において1万以上が好ましく、さらには20万以上であることが好ましい。1万より小さい分子量だと、親水性の官能基を付加させた場合、水に浸漬すると軟化して使用が困難になる場合がある。また分子量の上限は特にないが好ましくは300万以下がよい。分子量が大きくなればなるほど反応性が低下し、以下に説明するような官能基を反応させにくくなってしまう。この結果、アクリル系樹脂粒子による吸着作用が低減してしまう。
【0019】
ポリスチレン換算分子量の測定方法は、上記アクリル酸エステル樹脂をテトラヒドロフランに溶解し、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で保持時間を測定し、標準物質である分子量が制御されたポリスチレンと比較して、ポリスチレン換算分子量を算出する。
【0020】
また、本実施形態における吸着材用アクリル系樹脂粒子の平均粒径は100μm〜5000μmの範囲であることが必要である。これによって、以下に説明する水処理において、カラムへの充填率の高さと通水のしやすさとを両立させることができる。平均粒径は、レーザー回折法により測定されたものである。具体的には、株式会社島津製作所製のSALD−DS21型測定装置(商品名)などにより測定することができる。平均粒径は、篩い分け法により測定することができる。具体的には、JISZ8901「試験用粉体及び試験用粒子」に従い、目開きが100μmから5000μmの間であるふるいを複数個用いて篩い分けることにより測定することができる。
【0021】
本実施形態の吸着材用アクリル系樹脂粒子は、以下に説明する製造方法等に起因して多孔質となる。この場合の多孔質とは、粒子内部に独立孔又は連続的な孔が空いているものを指す。したがって、本実施形態の吸着材用アクリル系樹脂粒子は、樹脂粒子自体の多孔質形状に起因して、吸着すべき物質が樹脂粒子の孔内に吸着されることにより、当該物質に対して吸着性を示すようになる。
【0022】
一方、このような多孔質の樹脂粒子のかさ密度は0.2g/cm〜0.65g/cmの範囲であることが好ましい。かさ密度とは、一定容量の容器に一定の高さから粉を入れ、容器いっぱいに充填してその重さを測ることにより測定できる。例えば、かさ密度測定器(アズワン,KAM-01)などを用いて測ることができる。かさ密度が0.2g/cmより小さいと、孔の割合が多すぎて粒子の強度を維持することが困難になる。また0.65g/cm以上であると、孔の割合が少なすぎて、表面積が少なくなり、吸着材としての性能が落ちる。
【0023】
上記樹脂粒子の比表面積は1m/g〜300m/gの範囲であることが望ましい。これ以下であると、上述した樹脂粒子の多孔率が減少してしまい、樹脂粒子の多孔質形状に起因して吸着性能が低下してしまう場合がある。また、上記範囲以上であると、樹脂粒子の強度が低くなり、使用していく上で粒状を保つのが困難となる場合がある。
【0024】
本実施形態の吸着材用アクリル系樹脂粒子は、(1)式におけるR及びRの少なくとも一方を、エポキシ基を含有する官能基で置換することができる。特に、R及びRのうち1つ以上が水素原子であれば、エポキシ基の導入が容易となる。エポキシ基は反応性に富み、エポキシ基が開環することによって種々の官能基と反応させることができる。
【0025】
したがって、エポキシ基と反応する第1の官能基及び吸着すべき物質に対して吸着性(反応性)を有する第2の官能基を有する化合物を、上記エポキシ基と反応させることによって、前記化合物は、樹脂粒子のエポキシ基と前記化合物の第1の官能基との反応を通じて、樹脂粒子に対して結合するようになる。この結果、所定の物質に対して吸着性を有する第2の官能基を含む吸着材を提供することができるようになる。換言すれば、樹脂粒子に対して簡単な修飾を施すのみで種々の吸着材を提供することができるようになる。
【0026】
エポキシ基と反応する第1の官能基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、無水カルボキシル基などが挙げられる。したがって、これらの官能基と、吸着すべき物質と反応する第2の官能基の両方を有する化合物を反応させることにより、容易に吸着材を製造することができる。
【0027】
第2の官能基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、アリル基などが挙げられる。なお、第2の官能基は上記化合物中に当初から含まれていなくてもよく、エポキシ基と第1の官能基との反応の結果生成するような官能基であってもよい。
【0028】
このようにエポキシ基を導入することによって、本実施形態の吸着材用アクリル系樹脂粒子は、エポキシ基を介した上記化合物の導入による吸着作用が主となるが、樹脂粒子の被表面積やかさ密度を調節することによって、樹脂粒子の孔内における吸着作用も十分に向上させることができる。但し、アミノ基による吸着物質の配位結合に基づく吸着作用は、主として上記化合物の導入による吸着作用を補助するようにして機能するものである。
【0029】
上述のようにしてエポキシ基を含有する官能基で(1)式におけるR及びRの少なくとも一方を置換するに際しては、上記アクリル酸エステル樹脂に対して、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、4-クロロ-1,2エポキシブタン、4-ブロモ-1,2エポキシブタンを反応させる方法や、塩化アリルや臭化アリルなどアリル化合物を付加させた後酸化を行う方法などを例示することができる。
【0030】
なお、以下に説明するように、所定の物質に対して吸着性(反応性)を有する化合物をエポキシ基の不存在下で吸着材用アクリル系樹脂粒子に付加できる場合は、(1)式におけるR及びRをエポキシ基で置換する必要はない。
【0031】
本実施形態の吸着材用アクリル樹脂粒子は、以下に示すような製造方法に従って製造するものであるため、樹脂粒子を構成する樹脂組成物中には、架橋剤が含まれる場合がある。したがって、本実施形態の吸着材用アクリル樹脂粒子は、(2)式に示すような構造単位を有すると定義することもできる。
【0032】
【化3】

(R:水素又はメチル基、R,R:それぞれ独立に水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下であるアルキル基、R:水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下であるヘテロ元素を含むアルキル基,n:10〜1000000の整数、m:1〜100の整数)とすることができる。
【0033】
(2)式で示す構造単位を有する吸着材用アクリル樹脂粒子は、以下に示すように芳香族ポリビニルモノマーを架橋剤として用いた場合に相当する。
【0034】
(吸着材用アクリル系樹脂粒子の製造)
次に、本実施形態の吸着材用樹脂粒子の製造方法について説明するが、上述した要件を満足する樹脂粒子が得られる限りにおいて、特に限定されるものではない。
【0035】
本実施形態の吸着材用アクリル系樹脂粒子は、アクリル酸エステル樹脂のアミノリシスを行い、続いてそのアミノ基の末端に置換基を導入することによって得られるものである。アミノリシスに用いる化合物は、置換基導入のため、2つ以上のアミノ基を有するアミノ化合物である必要がある。つまり1つのアミノ基はアミノリシスに、もう一方は末端にアミノ基、すなわち官能基R及びRが付加したアミノ基を持たせるためである。
【0036】
アミノリシスに使うアミノ化合物は、例えば、鎖状のアミノ化合物としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、アミノエチル-ピペラジン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N−ジメチルプロピレン−1,3−ジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミンなどが挙げられ、環状のアミノ化合物としてはメンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ジアミノジンクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、キシレンジアミン、メタフェニレンジアミンなどが挙げられる。
【0037】
なお、主として(1)式および(2)式におけるR,Rは、上述したようなアミノリシスに使用するアミノ化合物の種類によって決定されるものである。
【0038】
アクリル酸エステル樹脂は、懸濁重合、乳化重合、塊重合、溶液重合、ソープフリー重合、沈殿重合等の汎用の合成法を用いて得ることができる。
【0039】
アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の非架橋性(メタ)アクリル酸エステル単量体等が挙げられる。これらの中でも特に(メタ)アクリル酸エステル単量体が好適に用いられる。
【0040】
一方、上述のようにして得たアクリル酸エステル樹脂は、その分子量を、例えば1万以上、特には20万以上に増大させるに際して、オレフィンを含む架橋剤を用いて架橋することができる。
【0041】
このようなオレフィンを含む架橋剤としては、目的とするポリマー粒子に応じて架橋しうるポリビニルモノマーが挙げられ、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン等の芳香族ポリビニルモノマー、ジアクリル酸エチレングリコールエステル、ジメタクリル酸エチレングリコールエステル、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジアクリル酸ブチレングリコールエステル、ジメタアクリル酸ブチレングリコールエステル等の脂肪族ポリビニルモノマーなどが挙げられる。これらは2種以上混合して用いてもよい。これらの中でも、芳香族ポリビニルモノマー、特にジビニルベンゼンを用いるのが好ましい。
【0042】
オレフィンを含む架橋剤の使用量は、樹脂粒子の特性に応じて任意の添加量が可能であり、特に限定されるものではないが、通常、全モノマー重量に対し0.5〜90質量%とすることができる。
【0043】
また、上述したモノマーを重合させるに際しては適宜重合開始剤を用いることができる。このような重合開始剤としては、公知の油溶性ラジカル発生剤が用いられ、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、第3級ブチルヒドロキシパーオキシドなどの過酸化物触媒や、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ触媒が挙げられる。重合開始剤の使用量は、通常、モノマー成分に対して、500〜30,000ppm、好ましくは500〜10,000ppmである。
【0044】
さらに、上述したモノマーに対して分散安定剤を用いてもよく、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ゼラチン、デンプンなどの水溶性高分子化合物が挙げられる。分散安定剤の使用量は、通常、モノマー層に対して0.001質量%〜1質量%であることが好ましく、さらには0.01質量%〜0.1質量%であることが好ましい。
【0045】
その他、多孔質化剤として、有機溶媒や無機塩を反応系内に加えてもよい。
【0046】
(吸着材)
所定の物質に対して吸着性を有する化合物は、例えば、上述のように、エポキシ基と反応する第1の官能基及び吸着すべき物質に対して吸着性(反応性)を有する第2の官能基を有する化合物を、樹脂粒子と反応させることによって、前記化合物は、樹脂粒子のエポキシ基と前記化合物の第1の官能基との反応を通じて、樹脂粒子に対して結合するようになる。この結果、所定の物質に対して吸着性を有する第2の官能基を含む吸着材を提供することができるようになる。
【0047】
上記化合物として、分子中に少なくとも1個のアミノ基と2個以上の水酸基を有するアミノポリオール化合物、具体的には、1−デオキシ−1−( メチルアミノ)ソルビトール[通称:N−メチルグルカミン]トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−( ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、3−アミノ−1,2− プロパンジオール、2−アミノ−1,3− プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3− プロパンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2− プロパンジオール、3−ジエチルアミノ−1,2− プロパンジオール等を用いることにより、上記アクリル系樹脂粒子をホウ素吸着材として用いることができる。
【0048】
例えば、N−メチルグルカミン中には二級アミノ基と水酸基とが存在する。この二級アミノ基と水酸基とはどちらもエポキシ基と反応するが、二級アミノ基の方が、反応が早いため、このアミノ基が第1の官能基としてエポキシ基と反応し、その結果、多価水酸基が第2の官能基として生成される。この多価水酸基が水中のホウ酸と結合して吸着し、水中からホウ素を除去することができる。
【0049】
特にエポキシ基を介してN−メチルグルカミンを結合させた上記アクリル系樹脂粒子は、(3)式で示すような構造を呈する。
【化4】

(R:水素又はメチル基、R:独立に水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下であるアルキル基、R、R:水素原子又はN−メチルグルカミン基、n:10〜1000000の整数)
【0050】
一方、本実施形態においては、所定の物質に対して吸着性を有する化合物は、上述したように、エポキシ基を介することなく、直接樹脂粒子のアミノ基と反応させることによって、前記化合物を樹脂粒子に結合させることができ、所定の吸着材を提供することができるようになる。
【0051】
このような化合物としては、環状ラクトンを挙げることができ、具体的には、グルコノラクトン、ガラクノラクトン、マンノンラクトン、グルクロノラクトン、グルクロン酸、ガラクツノロラクトン、マンヌノロラクトンなどを挙げることができる。このような環状ラクトンが結合してなるアルキル系樹脂粒子は、ホウ素吸着材として用いることができる。特にグルコノラクトンを結合させたアルキル系樹脂粒子は、ホウ素に対して高い錯体形成能を有し、ホウ素吸着材として好適に用いることができる。
【0052】
環状ラクトンを結合させた上記アクリル系樹脂粒子は、(4)式で示すような構造を呈する。
【化5】

(R:水素又はメチル基、R:水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下であるアルキル基、R:ポリオール基、n:10〜1000000の整数)
【0053】
特にグルコノラクトンを結合させた上記アクリル系樹脂粒子は、(5)式で示すような構造を呈する。
【化6】

(R:水素又はメチル基、R:水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下であるアルキル基、n:10〜1000000の整数)
【0054】
なお、上述したように、アクリル系樹脂粒子自体もアミノ基(アミド結合)を有するので、水処理に供する水中に含まれるイオンがそのままアミノ基(アミド結合)部分に配位結合するようになり、イオンを吸着して水中から除去することができるようになる。
【0055】
特に、アクリル系樹脂粒子の分子量を十分に大きく、例えば10万程度にすると、上述のようにエポキシ基と反応させた場合においても、二つのアミノ基の内の一方がエポキシ基と反応(すなわち第1の官能基)し、他方のアミノ基は反応せずにそのままの形で残る(第2の官能基)。したがって、このアミノ基に、例えば鉄、カルシウム、ナトリウムなどの金属を結合して吸着することにより、これらの金属を水中より除去することができる。
【0056】
(ホウ素の吸着操作)
次に、実施形態に係わるホウ素の吸着操作について説明する。
【0057】
図1は、本実施形態におけるホウ素吸着に使用する装置の概略構成を示す図である。図1に示すように、本装置においては、上述したホウ素吸着材が充填された吸着手段T1及びT2が並列に配置されるとともに、吸着手段T1及びT2の外方には接触効率促進手段X1及びX2が設けられている。接触効率促進手段X1及びX2は、機械攪拌装置又は非接触の磁気攪拌装置とすることができるが、必須の構成要素ではなく省略してもよい。
【0058】
また、吸着手段T1及びT2には、供給ラインL1、L2及びL4を介して、ホウ素を含む被処理媒体が貯留された被処理媒体貯留タンクW1が設けられており、排出ラインL3、L5及びL6を介して外部に接続されている。さらに、吸着手段T1及びT2には、供給ラインL11及び、L12及びL14を介して、脱着媒体が貯留された脱着媒体貯留タンクD1が接続されており、排出ラインL13、L15及びL16を介して、脱着媒体回収タンクR1が接続されている。
【0059】
なお、吸着手段T1及びT2は、それぞれ上述したようなホウ素吸着材、例えば(1)式で示される構造単位を有する樹脂粒子に対して、エポキシ基を介してN−メチルグルカミンが結合してなるホウ素吸着材が充填されてなるカラムを含んでいる。
【0060】
なお、供給ラインL1、L2、L4、L12及びL14には、それぞれバルブV1、V2、V4、V12及びV14が設けられており、排出ラインL3、L5、L13、L15及びL16には、それぞれバルブV3、V5、V13、V15及びV16が設けられている。また、供給ラインL1及びL11にはポンプP1及びP2が設けられている。さらに、被処理媒体貯留タンクW1、供給ラインL1及び排出ラインL6には、それぞれ濃度測定手段M1、M2及びM3が設けられ、脱着媒体貯留タンクD1、排出ラインL16及び脱着媒体回収タンクR1には、それぞれ濃度測定装置M11、M11及びM13が設けられている。
【0061】
また、上述したバルブ、ポンプの制御及び測定装置における測定値のモニタリングは、制御手段C1によって一括集中管理されている。
【0062】
次に、図1に示す装置を用いたホウ素の吸着操作について説明する。
【0063】
最初に、吸着手段T1及びT2に対して、被処理媒体をタンクW1からポンプP1により供給ラインL1、L2及びL4を通じて吸着手段T1及びT2に供給する。このとき、前記被処理媒体中のホウ素は吸着手段T1及びT2(のカラム中に充填されたホウ素吸着材)に吸着され、吸着後の前記被処理媒体は排出ラインL3、L5及びL6を通じて外部に排出される。
【0064】
この際、必要に応じて接触効率促進手段X1及びX2を駆動させ、吸着手段T1及びT2内に充填されたホウ素吸着材と前記被処理媒体との接触面積を増大させ、吸着手段T1及びT2によるホウ素の吸着効率を向上させることができる。
【0065】
ここで、吸着手段T1及びT2の、供給側に設けた濃度測定手段M2と排出側に設けた濃度測定手段M3により吸着手段T1及びT2の吸着状態を観測する。吸着が順調に行われている場合、濃度測定手段M3により測定されるホウ素の濃度は、濃度測定手段M2で測定されるホウ素の濃度よりも低い値を示す。しかしながら、吸着手段T1及びT2におけるホウ素の吸着が次第に進行するにつれ、供給側及び排出側に配置された濃度測定手段M2及びM3における前記ホウ素の濃度差が減少する。
【0066】
したがって、濃度測定手段M3が予め設定した所定の値に達し、吸着手段T1及びT2によるホウ素の吸着能が飽和に達したと判断した場合は、濃度測定手段M2、M3からの情報に基づき、制御手段C1がポンプP1を一旦停止し、バルブV2、V4を閉め、吸着手段T1及びT2への前記被処理媒体の供給を停止する。
【0067】
なお、図1には図示していないが、前記被処理媒体のpHが変動する場合、あるいはpHが強酸性あるいは強塩基性であって本発明に係る吸着材に適したpH領域を外れている場合には、濃度測定手段M1または/およびM2により前記被処理媒体のpHを測定し、制御手段C1を通じて前記被処理媒体のpHを調整してもよい。
【0068】
吸着手段T1及びT2が飽和に達した後は、脱着媒体貯留タンクD1からポンプP2により供給ラインL12、L14を通じて脱着媒体が吸着手段T1及びT2に供給される。吸着手段T2に吸着されているホウ素は、前記脱着媒体中に溶出(脱着)し、排出ラインL13、L15及びL16を通じて吸着手段T1及びT2の外部に排出され、回収タンクR1に回収される。なお、回収タンクR1に回収することなく、外部に排出するようにすることもできる。また、析出させてホウ素を濾別して回収してもよい。
【0069】
吸着手段T1及びT2から前記脱着媒体によるホウ素の脱着が順調に行われている場合、前記脱着媒体の、排出側に設けた濃度測定装置M12により測定されるホウ素の濃度は、供給側に設けた濃度測定装置M11よりも高い値を示す。しかしながら、吸着手段T1及びT2におけるホウ素の脱着が次第に進行するにつれ、供給側及び排出側に配置された濃度測定手段M11及びM12における前記ホウ素の濃度差が減少する。
【0070】
したがって、濃度測定手段M12が予め設定した所定の値に達し、前記脱着媒体による吸着手段T1及びT2によるホウ素の脱着能が飽和に達したと判断した場合は、濃度測定手段M11、M12からの情報に基づき、制御手段C1がポンプP2を一旦停止し、バルブV12、V14を閉め、吸着手段T1及びT2に対する前記被処理媒体の供給を停止する。
【0071】
以上のようにして、吸着手段T1及びT2からのホウ素の脱着が完了した後は、再び被処理媒体貯留タンクW1から前記被処理媒体を供給し、ホウ素を吸着して前記被処理媒体中のホウ素を低減させることができる。
【0072】
なお、濃度測定装置M13は、脱着媒体回収タンクR1中のホウ素の濃度を必要に応じて適宜測定するように構成されている。
【0073】
また、上記例では、吸着手段T1及びT2に対して同時にホウ素を吸着させるとともに、ホウ素を脱着させるようにしているが、吸着手段T1及びT2でこれらの操作を交互に行うこともできる。例えば、吸着手段T1で最初にホウ素の吸着を行い、吸着能が飽和に達した後、吸着手段T1に対して上述のようなホウ素の脱着を行うとともに、同時に吸着手段T2でホウ素の吸着を行うようにすることもできる。
【0074】
この場合、図1に示す装置においては、吸着手段T1又はT2のいずれかにおいて常にホウ素の吸着を行うことができるので、連続運転が可能となる。
【0075】
上記脱着媒体としては、pH1〜5程度の希塩酸水溶液または希硫酸水溶液等の酸性溶媒を用いることができる。また、前記脱着溶媒の量は、吸着手段T1及びT2の容積の2倍以上10倍以下であることが好ましい。2倍よりも小さいと、ホウ素の脱着を十分効率良く実施することができない場合があり、10倍よりも大きいと薬剤コストが高くなって、非効率的である。
【実施例】
【0076】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
【0077】
(実施例1)
{樹脂粒子の合成}
アクリル酸メチルとジビニルベンゼン(架橋剤)とを、トルエン、塩化ナトリウム及びポリビニルアルコール(分散剤)の存在下でアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として水中で懸濁重合を行った。これにより、平均粒径400μmの球状粒子を得た。なお、懸濁重合は水中において、80℃で8時間実施した。
【0078】
このアクリル系樹脂1gをエチレンジアミン50ml中で110℃に加熱し、アミノリシスを行った。ろ過、洗浄を行った後、得られた樹脂1gとエピクロロヒドリン10mlを10wt%NaOH水溶液90ml中に投入した。25℃で攪拌しながら、60mlのエピクロロヒドリンを添加し、6時間反応させた。反応後、ろ過し、十分水で洗浄させて樹脂粒子を得た。
【0079】
{吸着材の合成}
得られた反応物1gとN−メチルグルカミン2gとを、メタノール100ml中に投入し、60℃で6時間反応させた。反応後に、水とメタノールとで洗浄し、乾燥させて吸着材を得た。
【0080】
(実施例2)
アクリル系樹脂の架橋剤をジビニルベンゼンから1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジンに変えたこと以外は実施例1と同様に一連の合成を行った。
【0081】
(実施例3)
アクリル系樹脂の合成に用いるアミノ化合物をエチレンジアミンからジエチレントリアミンに変えたこと以外は実施例1と同様に一連の合成を行った。
【0082】
(実施例4)
アクリル系樹脂の合成に用いるアミノ化合物をエチレンジアミンからトリス(2-アミノエチル)アミンに変えたこと以外は実施例1と同様に一連の合成を行った。
【0083】
(実施例5)
アクリル系樹脂の合成に用いるアミノポリオールをN−メチルグルカミンからトリス(2−アミノエチル)アミンに変えたこと以外は実施例1と同様に一連の合成を行った。
【0084】
(実施例6)
実施例1と同様にしてアクリル系樹脂粒子を得、このアクリル系樹脂1gをエチレンジアミン50ml中で110℃に加熱し、アミノリシスを行った。ろ過、洗浄を行った後、グルコノ−γ−ラクトンをメタノール中で反応させた。反応後に、水とメタノールとで洗浄し、乾燥させて吸着材を得た。
【0085】
(実施例7)
実施例1と同様にしてアクリル系樹脂粒子を得、このアクリル系樹脂1gをジエチレントリアミン50ml中で110℃に加熱し、アミノリシスを行った。ろ過、洗浄を行った後、グルコノ−γ−ラクトンをメタノール中で反応させた。反応後に、水とメタノールとで洗浄し、乾燥させて吸着材を得た。
【0086】
(実施例8)
実施例6と同様にしてアクリル系樹脂粒子を得るとともにアミノリシスを行い、その後、L-マンノノ-1,4-ラクトンをメタノール中で反応させた。反応後に、水とメタノールとで洗浄し、乾燥させて吸着材を得た。
【0087】
(実施例9)
実施例6と同様にしてアクリル系樹脂粒子を得るとともにアミノリシスを行い、その後、D-リキソノ-1,4-ラクトンをメタノール中で反応させた。反応後に、水とメタノールとで洗浄し、乾燥させて吸着材を得た。
【0088】
(比較例1)
市販のホウ素吸着性樹脂であるIRA743(オルガノ社製、ホウ素吸着材)を用いた。
【0089】
(比較例2)
グリシジルメタクリレートをモノマーとして懸濁重合により平均粒子径500μmの粒状樹脂を得た。得られた反応物1gとN-メチルグルカミン2gとを、メタノール100ml中に投入し、60℃で6時間反応させた。反応後に、水とメタノールとで洗浄し、乾燥させて吸着材を得た。
【0090】
(比較例3)
アクリル系樹脂の粒径を平均50μmにして合成したこと以外は実施例1と同様に一連の合成を行った。
【0091】
[吸着試験]
上述のようにして得たホウ素吸着性樹脂を用いて、吸着性能の試験を行った。
ホウ素吸着試験は、ホウ砂十水和物(Na・10HO)88.2 mgを500mlの純水に溶解し、20ppm Bの濃度にして試験の溶液を調整した。この溶液50mlにホウ素吸着樹脂を50mg加え、ミキサーで回転速度16rpmにして撹拌した。30分後と2時間後の被処理水のホウ素濃度をICP発光分析装置にて測定を行い、残留ホウ素濃度から単位あたりのホウ素吸着量(単位:mg−B/g)を計算した。結果を表1に示す。
【0092】
[脱離・再生試験]
pH1の硫酸水溶液中に吸着試験を行った吸着材を加え、1時間攪拌したその後、吸着材をろ過、純水で洗浄し、0.5NのNaOH水溶液で30分攪拌して吸着材に吸着したホウ素を脱離し、吸着材を再生した。
【0093】
[再利用試験]
上述のようにホウ素濃度20ppmに調整した試験液50mlに対し、再生した吸着材50mgを入れ、2時間攪拌させた。吸着材を水中から取り出し、ICPを用いて分析した。
【0094】
[耐酸・耐アルカリ試験]
耐酸・耐アルカリ性を調べるため、pH1の硫酸に24時間、80℃で樹脂を浸漬し、続いて0.5NのNaOH水溶液に80℃、24時間浸漬して上述の吸着試験を行った。この試験は酸・アルカリに対する劣化の加速試験に相当する。
【0095】
[カラム通水試験]
合成した吸着材を100mlのポリプロピレン製カラムに充填した。20ppmのホウ素を含有する試験液を一時間当たり600ml通水した。
【0096】
実施例1〜4及び比較例1〜3で得た吸着材に対して上述の試験をおこなった。カラム通水試験は、通水状態は通水が良好であれば○、不良であれば×でそれぞれ示した。
【0097】
【表1】

【0098】
実施例及び比較例から明らかなように、本発明に従って得た吸着材は、ホウ素吸着性に優れるとともに、脱離・再生を行い、再度ホウ素吸着に供した場合においても高いホウ素吸着性を保持していることが判明した。また、耐酸性・アルカリに優れることが判明した。
【0099】
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)式で表される構造単位を有し、平均粒径が100μm〜5000μmであり、多孔質体であることを特徴とする、吸着材用アクリル系樹脂粒子
【化1】

(R:水素又はメチル基、R,R:それぞれ独立に水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下であるアルキル基、R:水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下であるヘテロ元素を含むアルキル基,n:10〜1000000の整数)。
【請求項2】
(2)式で表される主骨格を有し、平均粒径が100μm〜5000μmであり、多孔質体であることを特徴とする、吸着材用アクリル系樹脂粒子
【化2】

(R:水素又はメチル基、R,R:それぞれ独立に水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下であるアルキル基、R:水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下であるヘテロ元素を含むアルキル基,n:10〜1000000の整数、m:1〜100の整数)。
【請求項3】
(1)式におけるR及びRの少なくとも一方は、エポキシ基を含有する官能基で置換されたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸着材用アクリル系樹脂粒子。
【請求項4】
前記エポキシ基に対してアミノポリオール基を反応させることにより、前記吸着材用アクリル系樹脂粒子をホウ素吸着材として使用することを特徴とする、請求項4に記載の吸着材用アクリル系樹脂粒子。
【請求項5】
(3)式で表される主骨格を有し、平均粒径が100μm〜5000μmであり、多孔質体であることを特徴とする、吸着材用アクリル系樹脂粒子
【化3】

(R:水素又はメチル基、R:独立に水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下であるアルキル基、R、R:水素原子又はN−メチルグルカミン基、n:10〜1000000の整数)。
【請求項6】
前記吸着材用アクリル系樹脂粒子のアミノ基に対してグルコノラクトンを反応させることにより、前記吸着材用アクリル系樹脂粒子をホウ素吸着材として使用することを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸着材用アクリル系樹脂粒子。
【請求項7】
(4)式で表される主骨格を有し、平均粒径が100μm〜5000μmであり、多孔質体であることを特徴とする、吸着材用アクリル系樹脂粒子
【化4】

(R:水素又はメチル基、R:水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下であるアルキル基、R:ポリオール基、n:10〜1000000の整数)。
【請求項8】
(5)式で表される主骨格を有し、平均粒径が100μm〜5000μmであり、多孔質体であることを特徴とする、吸着材用アクリル系樹脂粒子
【化5】

(R:水素又はメチル基、R:水素原子又は置換、非置換の分岐状若しくは環状の、炭素数が15以下であるアルキル基、n:10〜1000000の整数)。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一に記載の吸着材用アクリル系樹脂粒子を充填したことを特徴とする、水処理用カラム。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2011−212672(P2011−212672A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54569(P2011−54569)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】