説明

商品コード読取装置及びプログラム

【課題】サービス表示が行われる商品を限定して運用するような場合の読み取り時間の短縮を可能とする。
【解決手段】商品コード読取装置2において、画像データ取込部51は、カメラ20が撮像した画像を取り込む。バーコード読取部52は、取り込まれた画像に含まれるコードシンボルを検出し、コードシンボルに対応したコード情報を読み取る。ラベル読取部53は、取り込まれた画像に含まれるサービス表示を検出し、サービス表示に対応したサービス情報を読み取る。ラベル読取フラグ設定部55は、ラベル読取部53がサービス表示の検出を行う対象となる対象コードシンボルを設定する。CPU50は、読み取られたコードシンボルが対象コードシンボルである場合に、サービス表示の検出をラベル読取部53に行わせる。情報出力部54は、コード情報及びサービス情報の少なくとも一方を、読取情報として出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品コード読取装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等では、商品に添付されたバーコードや二次元コード(例えばQRコード(登録商標))等のコードシンボルをCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等のデジタルカメラによって撮像し、その撮像した画像から検出したコードシンボルを検出して復号することで商品コードを読み取る商品コード読取装置が用いられている。この商品コード読取装置によって読み取り対象となる商品には、値引や割引等のサービスを行うことを示す値引シールが添付されている場合がある。このため、商品コード読取装置では、デジタルカメラによって撮像した画像から値引シールを検出し、その検出結果と商品コードとを販売登録や精算処理を行うための電子レジスターやPOS(Point Of Sale)端末等の情報機器に出力している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の商品コード読取装置では、デジタルカメラによって撮像した画像から値引シールの検出を行うための処理を常に行うこととなる。したがって、値引シールが添付される商品を限定して運用するような場合、例えば生鮮食品などの特定の商品にのみ値引シールを添付する場合には、特定の商品以外の読み取り時にも値引シールの検出を行うための処理が行われることとなり、読み取りに時間がかかることがあった。また、特定の商品以外に誤って値引シールが添付された場合には、意図しない値引シールの検出が行われることがあった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明の実施形態は、画像取込手段と、コード読取手段と、サービス情報読取手段と、設定手段と、制御手段と、出力手段と、を備えることを特徴とする商品コード読取装置である。また、本発明の実施形態は、商品コード読取装置のコンピュータを、画像取込手段と、コード読取手段と、サービス情報読取手段と、設定手段と、制御手段と、出力手段と、として機能させるためのプログラムである。
【0005】
画像取込手段は、撮像手段が撮像した画像を取り込む。コード読取手段は、取り込まれた画像に含まれるコードシンボルを検出し、コードシンボルに対応したコード情報を読み取る。サービス情報読取手段は、取り込まれた画像に含まれるサービス表示を検出し、サービス表示に対応したサービス情報を読み取る。設定手段は、サービス情報読取手段がサービス表示の検出を行う対象となる対象コードシンボルを設定する。制御手段は、コード読取手段により読み取られたコードシンボルが対象コードシンボルである場合に、サービス情報読取手段によるサービス表示の検出を行わせる。出力手段は、コード情報及びサービス情報の少なくとも一方を、読取情報として出力する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、本実施形態にかかる商品コード読取装置を用いたチェックアウトレーンシステムの構成を概略的に示す外観斜視図である。
【図2】図2は、本実施形態にかかる商品コード読取装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、商品とカメラの撮像エリアとの関係の一例を示す図である。
【図4】図4は、ラベル読取フラグを説明する図である。
【図5】図5は、本実施形態にかかる商品コード読取装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、設定用バーコードの一例を示す図である。
【図7】図7は、ラベル読取フラグ設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、桁数設定用バーコードの一例を示す図である。
【図9】図9は、対象バーコードの一例を示す図である。
【図10】図10は、設定終了用バーコードの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、本実施形態にかかる商品コード読取装置及びプログラムを詳細に説明する。
【0008】
図1は、本実施形態にかかる商品コード読取装置2を用いたチェックアウトレーンシステム4の構成を概略的に示す外観斜視図である。図1に示すように、チェックアウトレーンシステム4は、商品を入れた買い物かごを戴置するためのサッカー台1と、サッカー台1の略中央に立設された商品コード読取装置2と、商品コード読取装置2と図示しない伝送路によって相互通信可能に接続されたPOS端末3とを備えている。
【0009】
POS端末3は、客が購入する商品の販売登録を行うものである。図1に示すように、POS端末3には、キーボード31、オペレータ用の表示器32、客用の表示器33、レシート印字等を行うプリンタ34、現金等を収容するためのドロワ35等が設けられている。キーボード31には、商品代金の決済に必要な締めキー等が配設されている。POS端末3は、この種のチェックアウトレーンシステムで標準的に使用されているPOS端末と同様の構成と機能とを備えている。
【0010】
商品コード読取装置2は、商品に貼付されたバーコードまたは二次元コード等のコードシンボル(以下、バーコード)を、オペレータ(ユーザ)が商品を読取窓21にかざした際に読み取って、バーコードが含む商品情報をPOS端末3に出力するための装置である。図1に示すように、商品コード読取装置2は、読取窓21と、キーボード22と、ディスプレイ23と、表示LED24と、ブザー25とを主に備えている。キーボード22は、各種キーによるオペレータの操作を受け付ける。例えば、キーボード22は、バーコードで登録不能な商品の登録を行う場合に、各種キーによる入力を受付ける。ディスプレイ23は、登録された商品の品名や価格等を買い物客に対して表示する。表示LED24は、商品に貼付されたバーコードが読み取られた場合に点灯して、バーコードが読み取られていることをオペレータに報知する。ブザー25は、商品に貼付されたバーコードが読み取られた場合にブザー音を鳴らして、オペレータに報知する。読取窓21が設けられた商品コード読取装置2の内部には、CCDイメージセンサ等のカメラ20(図2参照)が内蔵されている。
【0011】
図2は、本実施形態にかかる商品コード読取装置2の構成を示すブロック図である。商品コード読取装置2は、CPU50(Central Processing Unit)と、ROM42(Read Only Memory)と、RAM43(Random Access Memory)と、通信I/F44と、出力ポート46と、キーボードコントローラ47と、表示コントローラ48と、カメラコントローラ49と、メモリ45とを主に備えており、これらをアドレスバス、データバスなどのバスライン41で接続して構成されている。
【0012】
CPU50は、商品コード読取装置2の動作全体を制御する制御部として機能する。ROM42は、本実施形態にかかるプログラムや、CPU50の動作を制御するその他のプログラム等を記憶している。RAM43は、CPU50がROM42が記憶する各種プログラムを展開する際にワークエリアとして機能するものである。また、RAM43は、カメラ20によって撮像した画像データなどの各種データを格納する。
【0013】
通信I/F44は、バス(図示しない)を介して接続されたPOS端末3(図1参照)とのデータ通信を制御する。出力ポート46は、ブザー25と表示LED24に駆動信号を出力する。キーボードコントローラ47は、キーボード22からキー信号を取り込む。表示コントローラ48は、ディスプレイ23に対するデータ表示を制御する。カメラコントローラ49は、カメラ20の撮像動作を制御する。
【0014】
カメラ20は、商品に付されたバーコードや、値引やポイント付加等のサービスを表示したラベル(サービス表示)などを撮像する。
【0015】
ここで、カメラ20によるバーコードやサービス表示の撮像について説明する。具体的には、商品コード読取装置2により処理される商品とカメラ20の撮像領域との関係を例示して説明する。図3は、商品60とカメラ20の撮像エリア70aとの関係の一例を示す図である。図中2点鎖線で囲った領域は、カメラ20が1フレームで撮像できる領域である撮像エリア70aである。図3に示す商品60には、バーコードラベル61に加えて、サービス表示の一例である値引ラベルL1が貼付されている。
【0016】
バーコードラベル61には、商品名「豚バラうす切り」や、商品価格「200円」や、バーコード62等が表示されている。バーコード62には、商品60の販売データをPOS端末3で登録処理するのに必要な商品情報として、商品コード等の情報が組み込まれている。また、バーコード62の下部には、バーコード62が組み込んでいる商品コード「2101234567890」が数字で表示されている。値引ラベルL1には、商品60に関する値引額を示す文字情報「表示価格より50円引き」が表示されている。
【0017】
尚、サービス表示としては、商品60に付され、商品60の購入時に付与されるサービスに関するサービスを表示しているものであればよい。サービス表示のその他の例としては、商品60の割引率を表示した割引ラベルや、商品60を購入した客に対して、通常のポイント付与数より割増されて付与されるポイント数を表示したポイント割増ラベル等であってもよい。
【0018】
図2に戻り、メモリ45は、不揮発性メモリであり、ラベル読取フラグFを格納している。ラベル読取フラグFは、カメラ20が撮像した画像から上述したサービス表示の検出を行う対象となるバーコード(以下、対象バーコード)を設定したデータである。具体的には、ラベル読取フラグFには、サービス表示の検出を行う対象バーコードに対応した商品コード等のコード情報がサービス表示の検出を行うラベル読取フラグとして設定されている。
【0019】
図4は、ラベル読取フラグFを説明する図である。図4に示すように、ラベル読取フラグFには、サービス表示の検出を行う対象バーコードに対応したコード情報に含まれる所定の桁数部分の数字がラベル読取フラグとして設定される。図示例では、上位3桁部分の「201」の数字、上位7桁部分の「4901234」の数字、JANコードの標準タイプにおける全桁数(13桁)相当の「490123456789」の数字がラベル読取フラグとして設定されている。このように、所定の桁数部分の数字をラベル読取フラグとして設定することで、例えば上位の数桁部分で商品分類などが示されている場合は、商品分類ごとに対象バーコードを設定できる。商品コード読取装置2では、カメラ20が撮像した画像からラベル読取フラグFで設定されたコード情報に関するコードシンボルが検出された場合に、その画像からサービス表示の検出が行われる(詳細は後述する)。
【0020】
図2に戻り、CPU50がプログラムを実行することで実現される、商品コード読取装置2の機能構成について説明する。CPU50は、RAM43に展開されたROM42が記憶するプログラムに従って動作することで、図2に示すように、画像データ取込部51と、バーコード読取部52と、ラベル読取部53と、情報出力部54と、ラベル読取フラグ設定部55として機能する。
【0021】
画像データ取込部51は、カメラコントローラ49に撮像オン信号を出力してカメラ20に撮像動作を開始させる。画像データ取込部51は、撮像動作開始後にカメラ20が撮像した撮像エリア70a内の画像データを取り込んで、RAM43の画像ワークエリアに格納する。
【0022】
バーコード読取部52は、画像データ取込部51により取り込まれた画像に含まれるバーコードを検出する。具体的には、取り込まれた画像からパターンマッチング技術によるバーコードの検出や、所定のファインダパターンから二次元コードの検出などを行う。バーコード読取部52は、検出したバーコードを所定の規則に従ったコード情報(例えばJANコード)に変換することで、検出したバーコードに対応したコード情報を読み取る。例えば、図3の例では、バーコード読取部52によりバーコード62が検出され、そのバーコード62に対応した商品コード「2101234567890」が読み取られることとなる。
【0023】
ラベル読取部53は、画像データ取込部51により取り込まれた画像に含まれるサービス表示を検出し、そのサービス表示に対応したサービス情報を読み取る。具体的には、ラベル読取部53は、ROM42などに予め設定されている、サービス表示を行うラベルの特徴(枠線や形状など)を示す情報をもとに、画像認識技術によりそのラベルを検出する。そして、ラベル読取部53は、検出したラベル位置を中心にOCR(Optical Character Reader)等の文字認識処理を行うことで、ラベルに表示されている値引額、割引率、付与ポイントなどのサービス情報を読み取る。例えば、図3の例では、ラベル読取部53により値引ラベルL1が検出される。次いで、その値引ラベルL1に記載された「50円」「引き」などの文字が認識されて、50円の値引を行うとするサービス情報が読み取られることとなる。なお、上述したラベル読取部53によるサービス表示の検出は、バーコード読取部52により検出されたバーコードがラベル読取フラグFに設定されたバーコードに該当する場合に行われる(詳細は後述する)。
【0024】
情報出力部54は、バーコード読取部52が読み取った商品コード等のコード情報やラベル読取部53が読み取ったサービス情報を通信I/F44を介してPOS端末3へ出力する。なお、情報出力部54は、バーコード読取部52が読み取ったコード情報やラベル読取部53が読み取ったサービス情報の少なくとも一方をPOS端末3へ出力する。これは、商品によっては値引ラベルL1が添付されていないものもあり、バーコード読取部52によるコード情報の読み取りのみが行われる場合もあるためである。
【0025】
ラベル読取フラグ設定部55は、ラベル読取部53がサービス表示の検出を行う対象バーコードを、前述したラベル読取フラグFに設定する。ラベル読取フラグ設定部55は、桁数設定部551と対象バーコード設定部552とを有する。桁数設定部551は、サービス表示の検出を行う対象バーコードに対応したコード情報に含まれる所定の桁数を設定する。対象バーコード設定部552は、対象バーコードに対応したコード情報に含まれる桁数設定部551で設定された桁数部分の数字をラベル読取フラグFに設定する。例えば、桁数設定部551において、上位7桁が桁数として設定され、対象バーコードに対応したコード情報が「490123456789」のJANコードである場合は、上位7桁部分の「4901234」の数字がラベル読取フラグFに設定されることとなる。
【0026】
なお、このラベル読取フラグ設定部55によるラベル読取フラグFの設定は、カメラ20により設定にかかる各種バーコードを撮像し、バーコード読取部52によりそのバーコードから読み取ったコード情報に対応した操作指示をもとに行われる(図7、ラベル読取フラグ設定処理を参照)。したがって、商品コード読取装置2は、設定にかかる各種バーコードをカメラ20に読み取らせることで、対象バーコードの設定を行うことができる。
【0027】
次に、本実施形態にかかる商品コード読取装置2の動作について詳細に説明する。図5は、本実施形態にかかる商品コード読取装置2の動作の一例を示すフローチャートである。
【0028】
図5に示すように、処理が開始されると、画像データ取込部51は、カメラコントローラ49に撮像オン信号を出力してカメラ20による撮像を開始する(S1)。次いで、画像データ取込部51は、カメラ20が撮像した撮像エリア70a内の画像データを取り込んで、RAM43の画像ワークエリアに格納する(S2)。次いで、バーコード読取部52は、画像データ取込部51により取り込まれた画像に含まれるバーコードを検出し、その検出したバーコードに対応したコード情報を読み取るバーコード読取処理を行う(S3)。
【0029】
次いで、CPU50は、S3において読み取ったコード情報をもとに、S3で読み取られたバーコードが対象バーコードの設定を開始するための設定用バーコードであるか否かを判定する(S4)。図6は、設定用バーコードの一例を示す図である。S4では、S3で読み取られたバーコードが図6に示すような設定用バーコードBC1、BC2などであり、設定用バーコードBC1の「00100007」や設定用バーコードBC2の「00100008」のコード情報が読み取られたか否かを判定する。なお、設定用バーコードBC1、BC2に対応したコード情報は予めROM42などに設定されている。
【0030】
ここで、設定用バーコードBC1は、通常のJANコードによる商品コードから対象バーコードの設定を行うことを指定するバーコードである。また、設定用バーコードBC2は、インストアコードによる商品コードから対象バーコードの設定を行うことを指定するバーコードである。インストアコードは、店舗内で用いられるコードであり、特定の数値(例えば「2」)で始まる。店舗内で加工販売される生鮮食品等にインストアコードが使用される。このように、対象バーコードは、通常のJANコードと、インストアコードとを別に設定してよい。
【0031】
設定用バーコードである場合(S4:YES)、ラベル読取フラグ設定部55によりラベル読取フラグ設定処理が行われる(S5)。設定用バーコードでない場合(S4:NO)、CPU50は、S3において読み取ったコード情報をもとに、S3で読み取られたバーコードがラベル読取フラグFによりラベル読取フラグが設定されている対象バーコードであるか否かを判定する(S6)。具体的には、S3において読み取ったコード情報がラベル読取フラグFにより設定されているラベル読取フラグと一致する場合に、対象バーコードであると判定する。なお、ラベル読取フラグとして、所定の桁数部分の数字が設定されている場合は、S3において読み取ったコード情報に含まれる数字の、該当桁数部分に含まれる数字が設定されている数字と一致する場合に、対象バーコードであると判定する。
【0032】
対象バーコードである場合(S6:YES)、ラベル読取部53は、画像データ取込部51により取り込まれた画像に含まれるサービス表示(ラベル)を検出し、その検出したサービス表示に対応したサービス情報を読み取るラベル読取処理を行う(S7)。対象バーコードでない場合(S6:NO)は、上述したラベル読取処理が行われることなく、S8へ処理が進む。
【0033】
次いで、情報出力部54は、バーコード読取部52が読み取った商品コード等のコード情報やラベル読取部53が読み取ったサービス情報などの読取情報を、通信I/F44を介してPOS端末3へ出力する(S8)。
【0034】
次いで、CPU50は、POS端末3から商品登録の終了通知などによる業務終了の有無を判定する(S9)。業務を継続する場合(S9:NO)、CPU50は、S2へ処理を戻して処理を継続させる。業務を終了する場合(S9:YES)、CPU50は、カメラコントローラ49に撮像オフ信号を出力してカメラ20による撮像を終了し(S10)、処理を終了する。
【0035】
以上のように、商品コード読取装置2において、画像データ取込部51は、カメラ20が撮像した画像を取り込む。バーコード読取部52は、取り込まれた画像に含まれるコードシンボルを検出し、コードシンボルに対応したコード情報を読み取る。ラベル読取部53は、取り込まれた画像に含まれるサービス表示を検出し、サービス表示に対応したサービス情報を読み取る。ラベル読取フラグ設定部55は、ラベル読取部53がサービス表示の検出を行う対象となる対象コードシンボルを設定する。CPU50は、読み取られたコードシンボルが対象コードシンボルである場合に、サービス表示の検出をラベル読取部53に行わせる。情報出力部54は、コード情報及びサービス情報の少なくとも一方を、読取情報として出力する。したがって、商品コード読取装置2では、サービス表示が行われる商品を限定し、一部の商品にのみサービス表示を行うように運用する場合、サービス表示を行う商品を予め設定しておくことで、他の商品についてはサービス表示の読み取りが行われなくなることから、読み取り時間の短縮を可能とすることができる。
【0036】
次に、ラベル読取フラグ設定処理(S5)の詳細について説明する。図7は、ラベル読取フラグ設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0037】
図7に示すように、ラベル読取フラグ設定処理が開始されると、桁数設定部551は、カメラ20により桁数設定用のバーコードを撮像し、バーコード読取部52によりそのバーコードからコード情報を読み取る(S51)。図8は、桁数設定用バーコードの一例を示す図である。S51では、図8に示すような1桁設定用の桁数設定用バーコードBC3、3桁設定用の桁数設定用バーコードBC4、13桁設定用の桁数設定用バーコードBC5などを撮像し、そのコード情報を読み取る。例えば、桁数設定用バーコードBC3からは「00100106」がコード情報として読み取られる。
【0038】
次いで、桁数設定部551は、S51で読み取ったコード情報をもとに、対象バーコードを設定する際における桁数の設定を行う(S52)。例えば、図8に例示した桁数設定用バーコードBC3が撮像されて「00100106」のコード情報を読み取っている場合は、上位1桁を桁数として設定する。なお、桁数設定用バーコードBC3、BC4、BC5などに対応したコード情報は予めROM42などに設定されている。S52では、S51で読み取ったコード情報でROM42に設定されているコード情報を参照し、一致するコード情報に対応する桁数が設定される。
【0039】
次いで、対象バーコード設定部552は、ラベル読取部53がサービス表示の検出(ラベル読取)を行う対象バーコードの読み取りを行う(S53)。具体的には、S53では、カメラ20により対象バーコードを撮像し、バーコード読取部52によりその対象バーコードに対応したコード情報を読み取る。図9は、対象バーコードの一例を示す図である。S53では、図9に示すような対象バーコードBC10、BC11などを撮像し、そのコード情報を読み取る。なお、対象バーコードBC10はインストアコードの一例であり、対象バーコードBC11は通常のJANコードの一例である。
【0040】
次いで、対象バーコード設定部552は、対象バーコードに対応したコード情報に含まれる桁数設定部551で設定された桁数部分の数字をラベル読取フラグとしてRAM43にスタックさせる(S54)。例えば、図8に例示した桁数設定用バーコードBC3により上位3桁が桁数として設定され、対象バーコードBC10に対応した「2010153009803」が読み取られた場合は、上位3桁部分の「201」の数字がラベル読取フラグとしてRAM43にスタックされることとなる。
【0041】
次いで、ラベル読取フラグ設定部55は、カメラ20により桁数設定用のバーコードを撮像し、バーコード読取部52によりそのバーコードからコード情報を読み取る、桁数設定用のバーコードの読み取りが行われたか否かを判定する(S55)。桁数設定用のバーコードの読み取りが行われた場合(S55:YES)、ラベル読取フラグ設定部55はS52へ処理を戻す。これにより、オペレータは、桁数設定用のバーコードを再度読み取ることで、設定する桁数を変更することができる。
【0042】
桁数設定用のバーコードの読み取りが行われなかった場合(S55:NO)、ラベル読取フラグ設定部55は、カメラ20により対象バーコードの設定を終了するための設定終了用バーコードを撮像し、バーコード読取部52によりその設定終了用バーコードからコード情報を読み取る、設定終了用バーコードの読み取りが行われたか否かを判定する(S56)。図10は、設定終了用バーコードの一例を示す図である。S56では、図10に示すような設定終了用バーコードBC6を撮像し、その設定終了用バーコードBC6に対応した「00200004」の読み取りが行われたか否かを判定する。なお、設定終了用バーコードBC6に対応した「00200004」などのコード情報は、予めROM42などに設定されている。
【0043】
ROM42の読み取りが行われなかった場合(S56:NO)、CPU50は、S53へ処理を戻し、対象バーコードの読み取りを継続して行う。これにより、ROM42の読み取りが行われるまでは、ラベル読取フラグ設定処理が継続して行われることとなり、複数の対象バーコードを設定する際に、毎回設定用バーコードを読み取らせる必要がない。
【0044】
ROM42の読み取りが行われた場合(S56:YES)、対象バーコード設定部552は、RAM43にスタックされているラベル読取フラグをメモリ45に記憶させて、ラベル読取フラグFの設定を行い(S57)、ラベル読取フラグ設定処理を終了する。これにより、例えばS53、S54が複数回繰り返された場合は、複数の対象バーコードからRAM43に順次スタックされたラベル読取フラグが一括して設定されることとなる。
【0045】
なお、本実施形態では、コードシンボルの一例としてバーコードを例示しているが、二次元コードなどであってもよく、設定用バーコード、桁数設定用バーコード、対象バーコード等の各種バーコードも、各種二次元バーコードであってもよいことは言うまでもない。
【0046】
また、本実施形態の商品コード読取装置2で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態の商品コード読取装置2で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0047】
さらに、本実施形態の商品コード読取装置2で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の商品コード読取装置2で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0048】
本実施形態の商品コード読取装置2で実行されるプログラムは、上述した各部(画像データ取込部51、バーコード読取部52、ラベル読取部53、情報出力部54、ラベル読取フラグ設定部55)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、画像データ取込部51、バーコード読取部52、ラベル読取部53、情報出力部54、ラベル読取フラグ設定部55が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0049】
2 商品コード読取装置
3 POS端末
21 読取窓
42 ROM
43 RAM
44 通信I/F
45 メモリ
49 カメラコントローラ
50 CPU
51 画像データ取込部
52 バーコード読取部
53 ラベル読取部
54 情報出力部
55 ラベル読取フラグ設定部
551 桁数設定部
552 対象バーコード設定部
60 商品
61 バーコードラベル
62 バーコード
70a 撮像エリア
L1 値引ラベル
BC1、BC2 設定用バーコード
BC3〜BC5 桁数設定用バーコード
BC6 設定終了用バーコード
BC10、BC11 対象バーコード
F ラベル読取フラグ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】特開2008−33640公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、
取り込まれた前記画像に含まれるコードシンボルを検出し、当該コードシンボルに対応したコード情報を読み取るコード読取手段と、
前記取り込まれた前記画像に含まれるサービス表示を検出し、当該サービス表示に対応したサービス情報を読み取るサービス情報読取手段と、
前記サービス情報読取手段がサービス表示の検出を行う対象となる対象コードシンボルを設定する設定手段と、
前記コード読取手段により読み取られたコードシンボルが前記対象コードシンボルである場合に、前記サービス情報読取手段によるサービス表示の検出を行わせる制御手段と、
前記コード情報及びサービス情報の少なくとも一方を、読取情報として出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする商品コード読取装置。
【請求項2】
前記設定手段は、前記コード読取手段により読み取られたコード情報に対応した操作指示をもとに、前記対象コードシンボルを設定すること、
を特徴とする請求項1に記載の商品コード読取装置。
【請求項3】
前記設定手段は、前記対象コードシンボルとするコードシンボルを前記コード読取手段が読み取ったコード情報を設定し、
前記制御手段は、前記コード読取手段により読み取られたコードシンボルに対応したコード情報が前記設定手段により設定されたコード情報と一致する場合に、前記サービス情報読取手段によるサービス表示の検出を行わせること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の商品コード読取装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記対象コードシンボルとするコードシンボルを前記コード読取手段が読み取ったコード情報に含まれる数字の所定の桁数部分の数字を設定し、
前記制御手段は、前記コード読取手段により読み取られたコードシンボルに対応したコード情報に含まれる数字の所定の桁数部分の数字が前記設定手段により設定された数字と一致する場合に、前記サービス情報読取手段によるサービス表示の検出を行わせること、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の商品コード読取装置。
【請求項5】
前記設定手段は、前記対象コードシンボルとするコードシンボルを順次前記コード読取手段が読み取った複数のコード情報をもとに、複数の前記対象コードシンボルにかかる設定を一括して行うこと
を特徴とする請求項3又は4に記載の商品コード読取装置。
【請求項6】
商品コード読取装置のコンピュータを、
撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、
取り込まれた前記画像に含まれるコードシンボルを検出し、当該コードシンボルに対応したコード情報を読み取るコード読取手段と、
前記取り込まれた前記画像に含まれるサービス表示を検出し、当該サービス表示に対応したサービス情報を読み取るサービス情報読取手段と、
前記サービス情報読取手段がサービス表示の検出を行う対象となる対象コードシンボルを設定する設定手段と、
前記コード読取手段により読み取られたコードシンボルが前記対象コードシンボルである場合に、前記サービス情報読取手段によるサービス表示の検出を行わせる制御手段と、
前記コード情報及びサービス情報の少なくとも一方を、読取情報として出力する出力手段と、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−22529(P2012−22529A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159982(P2010−159982)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】