説明

商品登録システム

【課題】複数のデータコードを読み取ったとしても、複数のデータコードの中から商品に該当する1つのデータコードを選択することを促して商品の正確な単価等の商品情報を取得することである。
【解決手段】商品に付されているデータコードを撮像してデータコードを含む画像データを取得する撮像部と、撮像部の撮像により取得された画像データに基づいてデータコードを解読してそのデコード情報を取得するデコード部と、デコード部により解読されたデータコードが複数有ると判断すると、当該各データコードに基づいて商品の各価格を取得する処理部と、撮影部の撮像により取得された画像データと、処理部により取得した各データコードに対応する各価格とを表示し、各価格のうちいずれか1つの価格を選択可能とするデータコード選択案内部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば商品に付されているバーコード等のデータコードに基づいて商品の価格等を求めて商品の精算処理を行う商品登録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品を販売する店舗には、商品の精算業務を行うための商品登録システムが設置されている。この商品登録システムは、例えばデータコード読取装置を備えたPOS(Point Of Sales:販売時点情報管理)端末と、このPOS端末に対して店内ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して接続された店舗POSサーバとを備える。このうちデータコード読取装置は、商品に付されたデータコード、例えばバーコード又はQRコードを撮像してその画像データを出力するCCDスキャナ等の撮像部を備える。
【0003】
データコード読取装置は、CCDスキャナ等の撮像部の撮像により取得された画像データからデータコードをデコードする。このデコード情報は、POS端末から店舗POSサーバに送信される。この店舗POSサーバは、予め複数の商品の商品名や単価等の商品情報を記憶し、POS端末からデコード情報を受け取ると、このデコード情報に対応する商品の単価等の商品情報を検索し、かつ例えば複数の商品の単価を合計した精算額情報を求めてPOS端末に返信する。POS端末は、店舗POSサーバから返信された精算額情報を例えば液晶ディスプレイ等に表示し、精算処理を行う。
【0004】
店舗では、商品の販売方法として例えば複数の商品を纏めて販売することがある。図6は複数の商品、例えば2つの商品A、Bを纏めて販売するときの一例を示す。これら商品A、Bは、例えばラベル1によって1つの商品Cとして纏められている。ラベル1には、2つの商品A、B分の価格、すなわち商品Cとしての価格等を示すバーコード2が記載されている。このラベル1は、各商品A、Bに記載されている個々の本来の各価格を示す各バーコードを隠すように貼り付けられている。
このような商品Cであれば、データコード読取装置は、CCDスキャナ等の撮像部によって商品Cに付されたバーコード2を撮像し、その画像データからバーコード2をデコードしてそのデコード情報を取得する。これにより、店舗POSサーバは、バーコード2のデコード情報に対応する商品Cの単価等の商品情報を取得することができる。
【0005】
ところが、例えば2つの商品A、Bをラベル1によって1つの商品Cとして纏めて販売する場合、各商品A、Bの纏め方によっては、ラベル1の貼り付け方が悪く、例えば図7に示すように商品Aに付されたバーコード3がラベル1によって隠されなかったり、又図8に示すように2つの商品A、Bに付された各バーコード3、4がラベル1によって隠されないことも生じることが有り得る。
【0006】
このような場合、データコード読取装置は、CCDスキャナ等の撮像部によって商品Cに有る複数のバーコード、例えば図7に示す商品Cでは、商品Cの本来のバーコード2を撮像するとともに、商品Cを形成するための個々の商品A、Bのうち商品Aのバーコード3も撮像してしまう。又、図8に示す商品Cでは、商品Cの本来のバーコード2を撮像するとともに、商品Cを形成するための個々の商品A、Bの各バーコード3、4も撮像してしまう。
【0007】
なお、商品に付された複数のバーコードの読み取りが可能なバーコード読取装置としては例えば特許文献1に開示されている。すなわち、特許文献1は、商品等に付されたバーコードを撮像し、その画像データから商品等に付されているバーコードの個数を認識し、バーコードの個数が1個のときには画像データ中から単一のバーコードを認識して読み取り、複数個のときには画像データ中から複数のバーコードを認識して読み取ることを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−306278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、例えば2つの商品A、Bをラベル1等によって1つの商品Cとして纏めて販売する場合には、販売すべき商品Cに付されたバーコード2のみを読み取り、当該商品Cの単価等の商品情報を取得できればよい。商品Cに付されたバーコード2を読み取るに加えて、商品Cを形成するための個々の商品A、Bの各バーコード3、4をも読み取ってしまうと、販売すべき商品Cの単価等の商品情報を取得することができず、商品Cの正確な単価等の商品情報が取得できなくなる。
【0010】
本発明の目的は、複数のデータコードを読み取ったとしても、複数のデータコードの中から商品に該当する1つのデータコードを選択することを促して商品の正確な単価等の商品情報を取得することが可能な商品登録システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の主要な局面に係る商品登録システムは、商品に付されているデータコードを撮像してデータコードを含む画像データを取得する撮像部と、撮像部の撮像により取得された画像データに基づいてデータコードを解読してそのデコード情報を取得するデコード部と、デコード部により解読されたデータコードが複数有ると判断すると、当該各データコードに基づいて商品の各価格を取得する処理部と、撮影部の撮像により取得された画像データと、処理部により取得した各データコードに対応する各価格とを表示し、各価格のうちいずれか1つの価格を選択可能とするデータコード選択案内部とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るデータコード読取装置を適用したチェックアウトレーンシステムの一実施の形態を示す斜視図。
【図2】同システムにおけるデータコード読取装置及びPOSターミナルの具体的なブロック構成図。
【図3】同システムにおけるデータコード選択案内部によりキャッシャ用表示器に表示されたガイドメッセージの一例を示す図。
【図4】同システムにおけるデータコード読み取りの動作フローチャート。
【図5】同システムにおけるPOSターミナルでの登録処理の動作フローチャート。
【図6】複数の商品を纏めて販売するときの商品の一例を示す図。
【図7】複数の商品を纏めたときの個々に商品に付されたバーコードがラベルによって隠されなかった場合を示す図。
【図8】複数の商品を纏めたときの個々に商品に付されたバーコードがラベルによって隠されなかった場合を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1はデータコード読取装置(スキャナー)を適用したチェックアウトレーンシステム(商品登録システム)の斜視図を示す。サッカー台10上の中央部には、データコード読取装置11が立設されている。又、サッカー台10の内側には、POSシステムを構成する電子キャッシュレジスタから成るPOS端末装置(以下、POSターミナルと称する)12が設置されている。これらデータコード読取装置11とPOSターミナル12とは、図2に示すような通信部Tによって相互通信可能に接続されている。なお、データコード読取装置11とPOSターミナル12とによりPOSターミナル部を構成する。
【0014】
データコード読取装置11には、例えば図6に示すような商品Cに付されたデータコード、例えばバーコード2を読み取るための撮像装置13と、バーコード2を読み取ることによる登録不能な商品の登録を行うための各種キー等が配設されたキーボード14と、買物客に対して登録された例えば商品Cの品名,価格等を表示するためのディスプレイ15等とが設けられている。このうち撮像装置13は、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサを内蔵する。以下、撮像装置13をCCDイメージセンサ13と称する。このCCDイメージセンサ13は、LED等から成る照明装置13aを備える。この照明装置13aは、CCDイメージセンサ13の撮像領域をカバーするように照明光を照射する。
【0015】
POSターミナル12には、キーボード16と、キャッシャに対して商品Cの登録情報や釣銭額等の商品Cの商品情報等を表示するためのキャッシャ用表示器17と、買物客に対して釣銭額等を表示するための買物客用の表示器18と、レシート印字やジャーナル印字等を行うプリンタ19等とが設けられている。キーボード16には、商品代金の決済に必要な締めキー等が配設されている。キャッシャ用表示器17は、キャッシャに対するガイドメッセージ表示用として兼用される。このキャッシャ用表示器17は、例えば液晶ディスプレイから成る。このキャッシャ用表示器17は、液晶ディスプレイ等の表示画面上にタッチパネルを形成されている。このタッチパネルは、例えばキャッシャの指等のタッチを受けると、このタッチ位置に対応するタッチ位置信号を出力する。
【0016】
なお、サッカー台10上のデータコード読取装置11よりも上流側には、買物客が購入しようとする例えば複数の商品Cが入れられた買物かご20が置かれる。又、サッカー台10上のデータコード読取装置11よりも下流側には、商品登録が行われた商品Cを入れるための別の買物かご21が置かれている。
【0017】
POSターミナル12には、例えば店舗内のローカル・エリア・ネットワーク(LAN)22を介してPOSサーバ23が接続されている。このPOSサーバ23は、POSターミナル12との間で商品C等の精算処理に関する情報の授受及び商品C等の精算処理結果の記録を行う。このPOSサーバ23は、例えば店舗で販売する全ての商品Cの価格や商品名等のデータ、さらには値引き等のクーポンのデータを予め格納する商品データベース24を有する。POSサーバ23は、POSターミナル12からLAN22を介して送信されてくるデコード情報を商品データベースに照会し、当該デコード情報に対応する商品Cの価格や商品名等のデータを読み出し、さらに全ての商品Cの各価格を合計して精算額データを求め、この精算額データをLAN22を介してPOSターミナル12に返信する。
【0018】
図2はデータコード読取装置11及びPOSターミナル12の具体的なブロック構成図を示す。データコード読取装置11は、CPU等から成るコンピュータを有し、このコンピュータから発せられる指令によりCCDイメージセンサ13と、画像メモリ25と、画像データ処理部26と、デコード部27と、第1の通信部28とが作動するものとなっている。このうち画像メモリ25には、CCDイメージセンサ13の撮像により取得された画像データが記憶される。
【0019】
画像データ処理部26は、画像メモリ25に記憶された画像データを解析して当該画像データにバーコード2の画像が含まれているか否かを判断し、さらにバーコード2が複数含まれているか否かを判断する。例えば、画像データ処理部26は、図7に示すように複数のバーコード2、3又は図8に示すように複数のバーコード2、3、4が含まれていることを判断すると、これらバーコード2、3、4の画像データ中の位置を検出してその各位置情報を取得する。
【0020】
デコード部27は、画像データ処理部26の解析によって検出された少なくとも1つのバーコード2をデコードし、このデコード情報を取得する。例えばデコード部27は、画像データ処理部26による解析により図8に示すように複数のバーコード2、3、4を検出すると、これらバーコード2、3、4をデコードしてその各デコード情報を取得する。
【0021】
なお、画像データ処理部26は、デコード部27のデコード結果により得られたデコード情報の数によって画像データ中に複数のバーコード2、3、4等が含まれているか否かを判断するようにしてもよい。
【0022】
第1の通信部28は、POSターミナル12の第2の通信部30との間で通信を行うもので、デコード部27により取得された少なくとも1つのデコード情報を通信部Tを通してPOSターミナル12に送信する。例えば第1の通信部28は、画像データ処理部26による解析により図8に示すように複数のバーコード2、3、4を検出すると、これらバーコード2、3、4の各デコード情報をデコード部27から受け取ると共に、これらバーコード2、3、4の各位置情報を画像データ処理部26から受け取り、さらに各デコード情報を取得した対象の画像データを画像データ処理部26から受け取り、各デコード情報と、各バーコード2、3、4の各位置情報と、画像データとを通信部Tを通してPOSターミナル12に送信する。
【0023】
一方、POSターミナル12は、CPU等から成るコンピュータを有し、このコンピュータから発せられる指令によりキャッシャ用表示器17と、商品登録処理部29と、第2の通信部30と、データコード選択案内部31と、警告音発生部32とが作動するものとなっている。
商品登録処理部29は、データコード読取装置11から送信されたデコード情報が1つであれば、当該1つのデコード情報に基づいて商品Cの価格を含む商品情報を求める。具体的に商品登録処理部29は、デコード情報を店舗内のLAN22を介してPOSサーバ23に送る。このPOSサーバ23は、商品登録処理部29から送られてきたデコード情報を商品データベースに照会し、当該デコード情報に対応する商品Cの価格や商品名等の商品情報を読み出し、この商品Cの各価格等の商品情報をLAN22を介して商品登録処理部29に渡す。この商品登録処理部29は、商品Cの各価格や商品名等の商品情報をキャッシャ用表示器17及び買物客用の表示器18に表示する。
【0024】
続いて、複数の商品C等の各デコード情報が順次データコード読取装置11から送信されてくると、商品登録処理部29は、各商品C等に対応する各デコード情報を順次LAN22を介してPOSサーバ23に送る。このPOSサーバ23は、順次、各デコード情報を商品データベースに照会し、各デコード情報に対応する各商品Cの価格や商品名等のデータを順次読み出し、商品登録処理部29に送る。この商品登録処理部29は、各商品C等の各価格を合計して精算額データを求め、この精算額データを第2の通信部30を通してデータコード読取装置11に送る。
第2の通信部30は、データコード読取装置11の第1の通信部28との間で通信を行うもので、商品登録処理部29により取得された商品Cの各価格の商品情報や複数の商品Cの精算額データをデータコード読取装置11に送る。
【0025】
データコード選択案内部31は、データコード読取装置11から複数のバーコード、例えば図8に示すような各バーコード2、3、4の各デコード情報を受けると、複数のデータコード2、3、4が有ることを判断し、これらバーコード2、3、4のうちいずれか1つのバーコード2の選択を促すための報知を行うためのガイドメッセージをキャッシャ用表示器17に表示する。
【0026】
具体的にデータコード選択案内部31は、例えば図8に示すような各バーコード2、3、4に対応する各価格を表示し、これら価格のうちいずれか1つの価格を選択可能とするガイドメッセージをキャッシャ用表示器17に表示する。このガイドメッセージをキャッシャ用表示器17に表示する場合、データコード選択案内部31は、CCDイメージセンサ13の撮像により取得された画像データをキャッシャ用表示器17に表示させると共に、当該画像データ中の例えば各データコード2、3、4に対応する各位置にそれぞれ各価格を表示させる。画像データ中における各データコード2、3、4の各位置は、データコード読取装置11から送られてきた各バーコード2、3、4の各位置情報に基づいて判別可能である。
【0027】
図3はキャッシャ用表示器17に表示されたガイドメッセージGの一例を示す。このガイドメッセージGは、例えば図8に示すように2つの商品A、Bをラベル1によって1つの商品Cとして纏めて販売するときに商品Aに付されたバーコード3がラベル1によって隠されていない場合で、商品Cの本来のバーコード2上に商品Cの本来の価格M1、例えば価格「250円」を表示し、かつ商品Cを形成するための2つの各商品A、Bの各バーコード3、4上にそれぞれ各商品A、Bの各価格M2、M3、例えば各価格「130円」を表示する。
【0028】
この状態に、キャッシャがキャッシャ用表示器17の表示画面上において例えば商品Cの本来の価格「250円」上を指等でタッチすると、キャッシャ用表示器17のタッチパネルは、当該タッチ位置に対応するタッチ位置信号を出力する。このタッチ位置信号は、データコード選択案内部31に渡される。このデータコード選択案内部31は、キャッシャ用表示器17のタッチパネルからのタッチ位置信号に基づいて商品Cの本来の価格「250円」と商品Aの価格「130円」とのうち商品Cの本来の価格「250円」を選択されたことを判断し、この商品Cの本来の価格「250円」を商品登録処理部29に渡す。これにより、商品登録処理部29は、データコード選択案内部31によって選択された商品Cの本来の価格「250円」の登録処理を行う。
【0029】
なお、商品登録処理部29は、キャッシャ用表示器17のタッチパネルから出力されるタッチ位置信号に基づいてキャッシャによって選択された商品Cの価格を認識するようにしてもよい、キャッシャによって選択されたバーコード2等に基づいてPOSサーバ23に問い合わせを行うことにより再度商品Cの価格を認識するようにしてもよい。
【0030】
又、データコード選択案内部31は、キャッシャ用表示器17に例えば各バーコード2、3、4の各価格のうちいずれか1つの価格を選択可能とするガイドメッセージGを表示すると共に、複数のバーコード2、3、4が有ることを知らせる警告音の発生を警告音発生部32に通知する。
【0031】
警告音発生部32は、データコード選択案内部31から複数のバーコード2、3、4が有ることの通知を受けると、複数のバーコード2、3、4が有ることを示す例えば「ブー」等のブザー音等を発生する。又、警告音発生部32は、ブザー音に限らず、複数のバーコード2、3、4が有ることを示すメッセージ、例えば「複数のバーコード有り」等を発生してもよい。
【0032】
次に、上記の如く構成された商品登録システムの商品登録動作について図4に示すデータコード読み取りの動作フローチャートと図5に示すPOSターミナルでの登録処理の動作フローチャートとを参照して説明する。
キャッシャは、例えば図6に示す商品Cに付されたバーコード2をデータコード読取装置11におけるCCDイメージセンサ13に向けて読み取らせて商品登録を行うために、商品Cを買物かご20内から取り出してCCDイメージセンサ13に向け、商品Cのバーコード2の読み取りを確認して別の買物かご21内に入れる。このときCCDイメージセンサ13は、図4に示すステップS1において、商品Cのバーコード2を撮像し、その画像データを出力する。この画像データは、一時、例えば画像メモリ25に記憶される。
次に、画像データ処理部26は、ステップS2において、画像メモリ25に記憶された画像データを読み出し、この画像データを解析して当該画像データにバーコード2の画像が含まれているか否かを判断する。この判断の結果、例えば図6に示す商品Cであれば、ラベル1が各商品A、Bに記載されている個々の本来の各価格を示す各バーコードを隠すように貼り付けられている。これにより、画像データ処理部26は、画像データ中に1つのバーコード2を有することを検出する。
次に、デコード部27は、画像データ処理部26の解析によって検出された1つのバーコード2をデコードし、このデコード情報を取得する。
【0033】
すなわち、画像データ処理部26は、ステップS3において、デコード部27によりデコード結果を受け取り、このデータ結果からバーコード2が存在するか否かを判断する。この判断の結果、画像データ処理部26は、図6に示すような商品Cを撮像した画像データ中からバーコード2を検出しているので、バーコード2が有ることを判断する。
次に、画像データ処理部26は、ステップS4において、図6に示すような商品Cを撮像した画像データ中から検出したバーコード2等が1つであるか否かを判断する。この判断の結果、画像データ処理部26は、図6に示すような商品Cを撮像した画像データ中から1つのバーコード2を検出しているので、1つのバーコード2を検出したことを判断する。
次に、第1の通信部28は、ステップS5に移り、デコード部27により取得された商品Cに付されたバーコード2のデコード情報を通信部Tを通してPOSターミナル12に送信する。
【0034】
一方、POSターミナル12は、図5に示すステップS10において、第2の通信部30を通してデータコード読取装置11からのデコード情報を受け取ると、このデコード情報を商品登録処理部29に渡す。
次に、商品登録処理部29は、ステップS11において、第2の通信部30を通してデータコード読取装置11からデコード情報を受け取ると、ステップS12に移り、デコード情報が複数あるか否かを判断する。ここでは、商品登録処理部29は、図6に示すような商品Cに付された1つのバーコード2のデコード情報を受け取るので、ステップS12において、1つのバーコード2があると判断する。
【0035】
次に、商品登録処理部29は、ステップS13において、商品Cに付された1つのバーコード2のデコード情報を店舗内のLAN22を介してPOSサーバ23に送る。このPOSサーバ23は、商品登録処理部29から送られてきたデコード情報を商品データベースに照会し、当該デコード情報に対応する商品Cの価格や商品名等の商品情報を読み出し、この商品Cの各価格等の商品情報をLAN22を介して商品登録処理部29に渡す。この商品登録処理部29は、商品Cの各価格や商品名等の商品情報をキャッシャ用表示器17及び買物客用の表示器18に表示する。
【0036】
一方、商品Cが例えば図8に示すようにラベル1が各商品A、Bに記載されている個々の本来の各価格を示す各バーコードが隠されずに貼り付けられ、CCDイメージセンサ13によって商品Cの本来のバーコード2を撮像するとともに、商品Cを形成するための個々の商品A、Bの各バーコード3、4も撮像してしまう場合である。
この場合、CCDイメージセンサ13は、ステップS1において、商品Cの本来のバーコード2を撮像するとともに、商品Cを形成するための個々の商品A、Bの各バーコード3、4も撮像してその画像データを出力する。
【0037】
次に、画像データ処理部26は、ステップS2において、画像メモリ25に記憶された画像データを読み出し、この画像データを解析して当該画像データにバーコード2の画像が含まれているか否かを判断する。この判断の結果、商品Cは、図8に示すようにラベル1によって各商品A、Bに記載されている個々の本来の各価格を示す各バーコードが隠されていないので、画像データ処理部26は、画像データ中に3つのバーコード2、3、4を有することを検出する。
次に、デコード部27は、画像データ処理部26の解析によって検出された3つのバーコード2、3、4をデコードし、これらのデコード情報を取得する。
【0038】
すなわち、画像データ処理部26は、ステップS3において、デコード部27によりデコード結果を受け取り、このデータ結果からバーコード2が存在するか否かを判断する。ここでは画像データ処理部26は、図8に示すような商品Cを撮像した画像データ中から3つのバーコード2、3、4を検出するので、各バーコード2、3、4が有ることを判断する。
次に、画像データ処理部26は、ステップS4において、図8に示すような商品Cを撮像した画像データ中から検出したバーコード2等が1つであるか否かを判断する。この判断の結果、画像データ処理部26は、図8に示すような商品Cを撮像した画像データ中から3つのバーコード2、3、4を検出するので、3つのバーコード2を検出したことを判断する。
【0039】
次に、第1の通信部28は、ステップS6に移り、デコード部27により取得された商品Cに付された3つのバーコード2、3、4の各デコード情報と、各バーコード2、3、4の各位置情報と、画像データとを通信部Tを通してPOSターミナル12に送信する。
【0040】
一方、POSターミナル12は、図5に示すステップS10において、第2の通信部30を通してデータコード読取装置11からの3つのデコード情報を受け取ると、これらデコード情報を商品登録処理部29に渡す。
次に、商品登録処理部29は、ステップS11において、第2の通信部30を通してデータコード読取装置11から各デコード情報を受け取ると、ステップS12に移り、デコード情報が複数あるか否かを判断する。ここでは、商品登録処理部29は、図8に示すような商品Cの3つのバーコード2、3、4の各デコード情報を受け取るので、ステップS12において、3つのバーコード2、3、4があると判断する。このように商品Cについて3つのバーコード2、3、4の各デコード情報があることを判断すると、商品登録処理部29は、この旨の情報をデータコード選択案内部31に渡す。
【0041】
次に、データコード選択案内部31は、ステップS14において、データコード読取装置11から複数のバーコード、例えば図8に示すような各バーコード2、3、4の各デコード情報を受けると、複数のデータコード2、3、4が有ることを判断し、例えば図3に示すような各バーコード2、3、4のうちいずれか1つのバーコード2の選択を促すための報知を行うためのガイドメッセージGをキャッシャ用表示器17に表示する。
これと共に、データコード選択案内部31は、ガイドメッセージGの表示と共に、複数のバーコード2、3、4が有ることを知らせる警告音の発生を警告音発生部32に通知する。これにより、警告音発生部32は、複数のバーコード2、3、4が有ることを示す例えば「ブー」等のブザー音等を発生する。又、警告音発生部32は、ブザー音に限らず、複数のバーコード2、3、4が有ることを示すメッセージ、例えば「複数のバーコード有り」等を発生してもよい。
【0042】
しかるに、データコード選択案内部31は、図3に示すようにCCDイメージセンサ13の撮像により取得された画像データをキャッシャ用表示器17に表示させると共に、当該画像データ中の例えば各データコード2、3、4に対応する各位置にそれぞれ各価格M1、M2、M3を表示させる。価格M1は商品Cの本来の価格「250円」であり、価格M2は商品Cを形成する商品Aの価格「130円」であり、価格M3は商品Cを形成する商品Bの価格「130円」である。なお、画像データ中における各データコード2、3、4の各位置は、データコード読取装置11から送られてきた各バーコード2、3、4の各位置情報に基づいて判別可能である。
なお、各データコード2、3、4に対応する各価格M1、M2、M3の表示位置は、それぞれ各データコード2、3、4上に重ね合わせて表示してもよいし、又は各データコード2、3、4に隣接して表示してもよい。
【0043】
又、画像データ中の各データコード2、3、4に対応する各価格M1、M2、M3は、例えば次のように取得される。すなわち、商品登録処理部29は、各データコード2、3、4の各デコード情報を店舗内のLAN22を介してPOSサーバ23に送る。このPOSサーバ23は、商品登録処理部29から送られてきた各デコード情報を商品データベースに照会し、これらデコード情報に対応する価格や商品名等の商品情報を読み出し、これら価格等の商品情報をLAN22を介して商品登録処理部29に渡す。これにより、商品登録処理部29は、POSサーバ23に送られてきた商品情報から各データコード2、3、4に対応する各価格M1、M2、M3を取得する。
【0044】
次に、データコード選択案内部31は、ステップS15において、キャッシャ用表示器17のタッチパネルから出力されるタッチ位置信号の入力を待つ。すなわち、キャッシャは、図3に示すようなキャッシャ用表示器17の表示画面上に表示されているガイドメッセージGから各価格M1、M2、M3のうち商品Cの本来の価格M1、すなわち価格「250円」を選択するために、キャッシャ用表示器17の表示画面上における商品Cの本来の価格「250円」上を指等でタッチする。
【0045】
キャッシャがキャッシャ用表示器17の表示画面上において例えば商品Cの本来の価格「250円」上を指等でタッチすると、キャッシャ用表示器17のタッチパネルは、ステップS15において、当該タッチ位置に対応するタッチ位置信号を出力する。このタッチ位置信号は、データコード選択案内部31に渡される。
データコード選択案内部31は、ステップS16において、キャッシャ用表示器17のタッチパネルからのタッチ位置信号に基づいて商品Cの本来の価格「250円」が選択されたことを判断し、この商品Cの本来の価格「250円」を商品登録処理部29に渡す。
しかるに、商品登録処理部29は、商品Cの本来の各価格「250円」や商品名等の商品情報をキャッシャ用表示器17及び買物客用の表示器18に表示する。
【0046】
このように上記一実施の形態によれば、CCDイメージセンサ13の撮像により取得された画像データ中にバーコードが複数、例えばバーコード2、3、4が有ることを判断すると、これらバーコード2、3、4のうちいずれか1つのバーコードの選択を促すためのガイドメッセージGを表示する。具体的には、ガイドメッセージGとしてCCDイメージセンサ13の撮像により取得された画像データを表示すると共に、この画像データ中の各データコード2、3、4に対応する各位置にそれぞれ各価格M1(250円)、M2(130円)、M3(130円)を表示する。
【0047】
店舗では、商品の販売方法として例えば図6に示すように複数の商品、例えば2つの商品A、Bを纏めて販売するときがあり、このときに各商品A、Bが例えばラベル1によって1つの商品Cとして纏められていればよいが、各商品A、Bの纏め方によっては、ラベル1の貼り付け方が悪く、例えば図7に示すように商品Aに付されたバーコード3がラベル1によって隠されなかったり、又図8に示すように2つの商品A、Bに付された各バーコード3、4がラベル1によって隠されないことも生じることが有り得る。このような場合、データコード読取装置11のCCDイメージセンサ13によって例えば図8に示すように商品Cの本来のバーコード2と共に、商品Cを形成するための個々の商品A、Bの各バーコード3、4も撮像してしまう。
このように商品Cについて複数のバーコード、例えば3つのバーコード2、3、4を撮像したとしても、ガイドメッセージGを表示することによって各バーコード2、3、4のうちいずれか1つのバーコード、すなわち商品Cの本来のバーコード2の価格M1(250円)を選択できる。
【0048】
ガイドメッセージGは、キャッシャ用表示器17の表示画面上に表示される。すなわち、キャッシャ用表示器17は、通常、キャッシャに対して商品Cの登録情報や釣銭額等の商品Cの商品情報等を表示するもので、キャッシャは、商品Cの登録処理時に常にキャッシャ用表示器17に表示される商品Cの登録情報や釣銭額等の商品Cの商品情報等を見ている。従って、キャッシャは、キャッシャ用表示器17にガイドメッセージGが表示されたことを直ぐに確認できる。これにより、キャッシャは、ガイドメッセージGとして画像データ中に各データコード2、3、4に対応する各位置に各価格M1(250円)、M2(130円)、M3(130円)が表示されたときに、直ちに商品Cの本来のバーコード2の価格M1(250円)を選択でき、商品登録の作業効率を向上できる。
ガイドメッセージGでは、各価格M1(250円)、M2(130円)、M3(130円)を各データコード2、3、4に対応する各位置に表示するので、ガイドメッセージGを目視するだけで、商品Cの本来のバーコード2の価格M1(250円)を選択することができる。
又、ガイドメッセージGの表示と共に、警告音発生部32によって複数のバーコード2、3、4が有ることを示す例えば「ブー」等のブザー音等を発生するので、キャッシャに対して複数のバーコード2、3、4のうちいずれか1つのバーコード2等を選択しなければならないことを促すことができる。
【0049】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、CCDイメージセンサ13の撮像により取得された画像データ中にバーコードが複数、例えば各バーコード2、3、4が有ることを判断するのは、例えば画像データ処理部26によって画像データ中に含まれる各バーコード2、3、4が存在する各領域を検出することによって行ってもよいし、デコード部27によるデード結果からデコード情報の個数が複数あることにより行ってもよい。
【0050】
又、例えば1つの商品Cに対して誤って複数のバーコードが記載された各ラベルが貼り付けられた場合でも、これらバーコードの各価格から商品Cに付された正しいバーコードの価格を選択することにも応用できる。
又、商品に付されたバーコードに限らず、QRコードが付されている場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0051】
A,B,C:商品、1:ラベル、2,3,4:バーコード、10:サッカー台、11:データコード読取装置、12:POS端末装置、T:通信部、13:撮像装置(CCDイメージセンサ)、13a:照明装置、14:キーボード、15:ディスプレイ、16:キーボード、17:キャッシャ用表示器、18:買物客用の表示器、19:プリンタ、20:買物かご、21:別の買物かご、22:ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、23:POSサーバ、24:商品データベース、25:画像メモリ、26:画像データ処理部、27:デコード部、28:第1の通信部、29:商品登録処理部、30:第2の通信部、31:データコード選択案内部、32:警告音発生部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に付されているデータコードを撮像して前記データコードを含む画像データを取得する撮像部と、
前記撮像部の撮像により取得された前記画像データに基づいて前記データコードを解読してそのデコード情報を取得するデコード部と、
前記デコード部により解読された前記データコードが複数有ると判断すると、当該各データコードに基づいて前記商品の各価格を取得する処理部と、
前記撮影部の撮像により取得された前記画像データと、前記処理部により取得した前記各データコードに対応する各価格とを表示し、前記各価格のうちいずれか1つの前記価格を選択可能とするデータコード選択案内部と、
を具備することを特徴とする商品登録システム。
【請求項2】
タッチパネルを表示画面上に有するディスプレイを備え、
前記データコード選択案内部は、前記ディスプレイに表示させた前記各価格に対応する前記表示画面上の部分に対するタッチ操作を受けると、当該タッチ操作を受けた前記価格を選択する、
ことを特徴とする請求項1記載の商品登録システム。
【請求項3】
前記データコード選択案内部は、前記ディスプレイに前記各価格を表示すると共に、複数の前記データコードが有ることを音声により促すことを特徴とする請求項3記載の商品登録システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−225177(P2010−225177A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137727(P2010−137727)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【分割の表示】特願2008−36315(P2008−36315)の分割
【原出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】