説明

商品販売データ処理装置

【課題】レシートが発行される前にそのレシートの印字内容を確認できるようにする。
【解決手段】レシートを印字する前に当該レシートの印字イメージを示すレシート画像を作成し、表示部に表示させる。ここで、確定操作がなされると、この表示部に表示されたレシート画像で示される印字イメージのレシートを印字発行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商取引の明細が印字されたレシートの発行機能を有するPOS(Point Of Sales)端末,電子式キャッシュレジスタ,電子料金秤等の商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、POS端末等の商品販売データ処理装置は、1商取引として売上げる客買上商品の販売データを処理した後、締めキー操作によって商取引の締めが宣言されると、レシートプリンタを動作させて当該商取引の明細が印字されたレシートを発行する機能を有している。
【0003】
この種の商品販売データ処理装置から発行されるレシート1の印字例を図22に示す。一般的に、レシート1の先頭には店名またはロゴマーク2が印字され、続いてメッセージ3が印字される。続いて、取引日付4、取引時刻5、販売商品の品名及び価格6、小計,合計,お預り及びお釣りの各金額7、取引番号8、操作責任者名9等の取引明細データが印字された後、コマーシャル画像10等が印字されて発行される。
【0004】
ここで、メッセージ3やコマーシャル画像10は、商取引とは関係なく販促用の情報として付加される情報であり、予め設定された内容が印字される。例えば従来、客層別に一定期間内でのヒット商品の指標となるデータを商品毎に集計して客層別のヒット商品リストを作成し、商品登録時に指定された客層のヒット商品リストを該当する顧客のレシートに印字するようにして、顧客の購買意欲を高めるようにした技術は、既に知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平07−037164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来の商品販売データ処理装置においては、商取引の明細データが印字されるレシートに、商取引とは関係のない販促用情報等の付加情報を印字させることはできたものの、その印字内容は予め設定された条件により導出される固定の情報であったので、本当にその客にとって適切な付加情報が印字されているのか否かを確かめることができなかった。
【0006】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、レシートが発行される前にそのレシートの印字内容をチェックできる商品販売データ処理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、1商取引として売上げられる商品の販売データを処理し、当該商取引の合計金額を算出して表示部に表示させるとともに、レシートを印字発行する例えばPOS端末等の商品販売データ処理装置において、レシートを印字する前に当該レシートの印字イメージを示すレシート画像を表示部に表示させるレシート画像表示手段と、このレシート画像表示手段により表示部に表示されたレシート画像で示される印字イメージのレシートを印字発行させるレシート発行制御手段とを備えたものである。
【0008】
かかる手段を講じたことにより、レシートが発行される前にそのレシートの印字イメージを示すレシート画像が表示部に表示される。しかる後、例えば所定のキーを操作することによって、このレシート画像で表示される印字イメージのレシートが発行される。
【発明の効果】
【0009】
かかる手段を講じた本発明によれば、レシートが発行される前にそのレシートの印字内容をチェックできる商品販売データ処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、図22に示したレイアウトのレシート1を発行可能なPOS端末に本発明を適用した場合である。
【0011】
図1は本実施の形態におけるPOS端末の外観構成を示す斜視図である。このPOS端末は、筐体11の正面にキーボード12を設け、上面にオペレータ用ディスプレイとしてのタッチパネル13と客用ディスプレイ14とを取り付けている。また、レシートプリンタ15を内蔵しており、このプリンタ15で印字されたレシート1を筐体正面側のレシート発行口16から発行するようになっている。
【0012】
キーボード12は、商品の販売点数や預り金額などの数値データを入力するための置数キー、小計の出力を指示する小計キー、1商取引の登録締めを宣言する締めキー等の商取引に関するデータ処理に必要な各種キーを配設したものである。そしてこのキーボード12は、後述するレシート編集モードに入ると、販促メッセージ等の文字データを入力する入力部として機能する。
【0013】
図3は上記POS端末の制御回路構成を示すブロック図である。このPOS端末は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)21を搭載している。そして、このCPU21に、アドレスバス,データバス等のバスライン22を介して、主記憶部を構成するROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24と、電子ジャーナル記憶部25,時計部26,通信コントローラ27,スキャナインターフェイス28,ドロワインターフェイス29,キーボードコントローラ30,表示コントローラ31,タッチパネルコントローラ32及びプリンタコントローラ33の各部とをそれぞれ接続して、POS端末の制御回路を構成している。
【0014】
電子ジャーナル記憶部25は、電子化されたジャーナルデータを蓄積保存する部位で、例えばHDD(Hard Disk Drive)装置によって構成されている。時計部26は、現在の日付及び時刻を計時する部位である。通信コントローラ27は、有線または無線により接続されるPOSサーバとの間のデータ送受信を制御する部位である。スキャナインターフェイス28は、バーコード等を読取るためのスキャナが接続される部位である。なお、スキャナはバーコードリーダに限るものではなく、二次元コードリーダや無線タグリーダ等であってもよい。ドロワインターフェイス29は、釣銭準備金としての現金を収容するためのドロワが接続される部位である。なお、ドロワインターフェイス29の代わりに自動釣銭機のインターフェイスを設け、自動釣銭機から釣銭を自動払出しするようにしてもよい。キーボードコントローラ30は、前記キーボード12から操作キーに対応したキー信号を入力する部位である。表示コントローラ31は、客用ディスプレイ14に対するデータ表示を制御する部位である。タッチパネルコントローラ32は、タッチパネル13を構成する表示部131のデータ表示を制御するとともに、上記表示部131の画面上に設けられたタッチパネルセンサ132の信号を入力する部位である。プリンタコントローラ33は、レシートプリンタ15のレシート印字及び発行動作を制御する部位である。
【0015】
かかる構成のPOS端末は、レシート印字に必要なメモリ領域として、図2に示すように、1商取引として売上げられた各商品のコード,販売点数,販売金額等の商品販売データやその合計金額,預かり金額,釣銭額等の商取引明細データを記憶する取引明細メモリ41、レシートの印字イメージデータが展開されるレシート展開メモリ42、レシートに付加情報として印字されるメッセージのデフォルトデータを記憶するデフォルトメッセージメモリ43、上記メッセージデータを編集するための領域であるメッセージ編集メモリ44、レシートに付加情報として印字されるコマーシャル画像のデフォルトデータを記憶するデフォルトCM画像メモリ45及び上記コマーシャル画像の他のデータを複数記憶可能な可変CM画像メモリ46等をRAM24に形成している。
【0016】
しかして、このPOS端末は、図4の流れ図に示す手順に従いCPU21が1商取引に対するレシートの印字発行を制御するようにプログラムを構成している。
【0017】
キーボード12またはスキャナを介して商品が登録されると、CPU21は、ST(ステップ)1として売上登録処理を実行する。すなわち、キーボード12またはスキャナを介して入力された商品データに基づいて登録商品の販売データを取得し、この商品販売データをタッチパネル13と客用ディスプレイ14に表示させるとともに、取引明細メモリ41に登録処理する。CPU21は、1商取引として売上げる商品が登録される毎に、上記売上登録処理を実行する。これにより、取引明細メモリ41には、1商取引して売上げる各商品の販売データとその合計データとが記憶される。
【0018】
その後、1商取引の締めを宣言する締めキーが操作されると、CPU21は、ST2として決済処理を実行する。すなわち、1商取引として売上げる商品の合計データと、入力された支払データとから商取引を決済させる。例えば、入力された支払いデータが現金の預かり金額データであった場合には、この預かり金額から合計金額を減算して釣銭額を求め、タッチパネル13と客用ディスプレイ14に表示させる。また、合計金額,預かり金額,釣銭額等の支払データを取引明細メモリ41に登録処理する。
【0019】
次に、CPU21は、ST3としてレシートイメージデータの作成処理を実行する。すなわち、取引明細メモリ41に記憶されている商品販売データや支払データに基づいて、当該1商取引の明細が印字されるレシートの印字イメージデータを作成し、レシート展開メモリ42に書き込む。このとき、デフォルトメッセージメモリ43にメッセージのデフォルトデータが記憶されていた場合には、このメッセージがレシートの先頭部分に印字されるように、当該デフォルトデータをレシート展開メモリ42に追加する。また、デフォルトCM画像メモリ45にコマーシャル画像のデフォルトデータが記憶されていた場合には、このコマーシャル画像がレシートの終端部分に印字されるように、当該デフォルトデータをレシート展開メモリ42に追加する。
【0020】
次に、CPU21は、ST4としてレシートイメージ作成処理を実行する。すなわち、レシート展開メモリ42に記憶された印字イメージデータからレシートの印字イメージを示すレシート画像を形成し、このレシート画像を含むレシート編集画面50をタッチパネル13に表示させる(レシート画像表示手段)
レシート編集画面50の一例を図9に示す。図示するように、レシート編集画面50には、レシート画像51とともに、メッセージ編集キー52,メッセージ追加キー53,コマーシャル変更キー54,コマーシャル追加キー55及び確定キー56の各キーイメージが表示されている。これにより、当該POS端末は、レシート編集モードに入る。
【0021】
次に、CPU21は、上記メッセージ編集キー52,メッセージ追加キー53,コマーシャル変更キー54,コマーシャル追加キー55及び確定キー56のうちいずれかのキーがタッチ入力されるのを待機する。
【0022】
ここで、ST5としてメッセージ編集キー52がタッチ入力されたことを検知した場合には、CPU21は、レシート画像51のメッセージデータを変更または削除するためのメッセージ編集処理を実行する(イメージ編集手段)。メッセージ追加キー53がタッチ入力されたことを検知した場合には、CPU21は、レシート画像51にメッセージデータを追加するためのメッセージ追加処理を実行する(イメージ編集手段)。コマーシャル編集キー54がタッチ入力されたことを検知した場合には、CPU21は、レシート画像51のコマーシャル画像データを変更または削除するためのコマーシャル変更処理を実行する(イメージ編集手段)。コマーシャル追加キー55がタッチ入力されたことを検知した場合には、CPU21は、レシート画像51にコマーシャル画像データを追加するためのコマーシャル追加処理を実行する(イメージ編集手段)。
【0023】
そして、上記メッセージ編集処理,メッセージ追加処理,コマーシャル変更処理またはコマーシャル追加処理を実行する毎に、CPU21は、ST4のレシートイメージ表示処理ステップに戻り、レシート展開メモリ42に記憶された印字イメージデータからレシートの印字イメージを示すレシート画像51を再度形成して、このレシート画像51を含むレシート編集画面50をタッチパネル13に表示させる(レシート画像表示手段)。
【0024】
一方、ST9として確定キー56がタッチ入力されたことを検知した場合には、POS端末は、レシート編集モードから抜ける。そしてCPU21は、ST10としてレシート展開メモリ42記憶された印字イメージデータをレシートプリンタ15に出力してレシート印字を行わせ、レシートを発行させる(レシート発行制御手段)。以上で、1商取引に対するレシートの印字発行処理が終了するものとなっている。
【0025】
このように、本実施の形態のPOS端末においては、1商取引として売上げる商品が登録され、続いて締めキーが操作されて当該商取引の締めが宣言されると、オペレータ用ディスプレイであるタッチパネル13に、レシート編集画面50として当該商取引に関するレシートの印字イメージを示すレシート画像51が表示される。その後、レシート編集画面50の確定キー56をタッチ操作することにより、当該レシート画像51に対応したレシートがレシートプリンタ15によって印字され、レシート発行口16から発行される。
【0026】
したがって、POS端末のオペレータ、いわゆるキャッシャは、レシートが発行される前にそのレシートの印字内容をチェックすることができる。その結果、例えば客にとって不適切なメッセージやコマーシャル画像等の付加情報が印字されていた場合には、その部分を黒く塗り潰してから客に渡すなどの対応を容易に取ることができるようになる。
【0027】
次に、上記メッセージ編集処理,メッセージ追加処理,コマーシャル変更処理及びコマーシャル追加処理の処理手順について具体的に説明する。
【0028】
図5はメッセージ編集処理の主要な処理手順を示す流れ図である。レシート編集モードにおいて、レシート編集画面50のメッセージ編集キー52がタッチ操作されると、CPU21は、このメッセージ編集処理を開始する。
【0029】
先ず、ST11としてレシート展開メモリ42に記憶された印字イメージデータからメッセージデータ(図では「お買い上げありがとうございました」)を抽出し、メッセージ編集メモリ44に格納する。次に、CPU21は、ST12として例えば図10に示すレイアウトのメッセージ編集画面60をタッチパネル13に表示させる。このメッセージ編集画面60には、レシート画像51とともに確定キー61及び削除キー62の各キーイメージが表示される。また、メッセージウィンドウ63が開かれ、メッセージ編集メモリ44内のメッセージデータに相当するメッセージが表示される。
【0030】
次に、CPU21は、メッセージデータが入力されるか、確定キー61または削除キー62がタッチ入力されるのを待機する。
ここで、ST13としてキーボード12のキー操作によりメッセージデータが入力された場合には、CPU21は、ST16としてメッセージ編集メモリ44内のメッセージデータを削除し、その代わりにキー入力されたメッセージデータを格納する。これにより、メッセージウィンドウ63内のメッセージもキー入力されたメッセージデータに相当するメッセージに変更される。しかる後、確定キー61がタッチ入力されるのを待機する。
【0031】
また、ST14として削除キー62がタッチ入力された場合には、CPU21は、ST17としてメッセージ編集メモリ44内のメッセージデータを削除する。これにより、メッセージウィンドウ63内のメッセージも消去される。しかる後、確定キー61がタッチ入力されるのを待機する。
【0032】
ST15として確定キー61がタッチ入力された場合には、CPU21は、ST18としてレシート展開メモリ42に記憶されているメッセージデータをメッセージ編集メモリ44の内容に変更する。すなわち、メッセージデータが記憶されていた場合にはレシート展開メモリ42のメッセージデータをその記憶されているメッセージデータに変更し、メッセージデータが削除されていた場合には、レシート展開メモリ42のメッセージデータを削除する。しかる後、ST19として上記メッセージ編集画面60を消去したならば、CPU21は、ST4のレシートイメージ表示処理ステップに戻る。
【0033】
このように、本実施の形態のPOS端末においては、レシート編集画面50のメッセージ編集キー52をタッチ操作することにより、タッチパネル13の画面がメッセージ編集画面60に切り替わる。ここで、キャッシャが代わりのメッセージ(例えば「明日は、商品CCCCがお買い得です。」)をキー入力すると、図11に示すように、メッセージウィンドウ63のメッセージが、デフォルトのメッセージから代わりのメッセージに変更される。次いで、確定キー61をタッチ操作すると、タッチパネル13の画面がレシート編集画面50に戻り、図12に示すように、レシート画像51のメッセージがデフォルトのメッセージ「お買い上げありがとうございます」から代わりのメッセージ「明日は、商品CCCCがお買い得です。」に変更される。その後、確定キー56をタッチ操作すると、メッセージが「明日は、商品CCCCがお買い得です。」に変更されたレシートがレシートプリンタ15によって印字され、レシート発行口16から発行される。
【0034】
また、メッセージ編集画面60において、キャッシャが削除キー62をタッチ操作した場合には、メッセージウィンドウ63のメッセージが削除される。次いで、確定キー61をタッチ操作すると、タッチパネル13の画面がレシート編集画面50に戻り、レシート画像51のメッセージが削除される。その後、確定キー56をタッチ操作すると、メッセージのないレシートがレシートプリンタ15によって印字され、レシート発行口16から発行される。
【0035】
したがってキャッシャは、発行前のレシート印字内容をチェックした結果、メッセージが適切でないと判断した場合には、別のメッセージに変更したレシートや、メッセージを消去したレシートを容易に発行させることができる。例えば、お得意様の客に対しては、デフォルトのメッセージに代えて、特別な販促メッセージをレシートに印字させるという運用を容易に取ることができる。
【0036】
図6はメッセージ追加処理の主要な処理手順を示す流れ図である。レシート編集モードにおいて、レシート編集画面50のメッセージ追加キー53がタッチ操作されると、CPU21は、このメッセージ追加処理を開始する。
【0037】
先ず、ST21として例えば図13に示すレイアウトのメッセージ追加画面70をタッチパネル13に表示させる。このメッセージ追加画面70には、レシート画像51とともに確定キー71及び削除キー72の各キーイメージが表示される。また、メッセージウィンドウ73が開かれ、メッセージ追加位置を示すガイダンス(図では「矢印の位置にメッセージが追加されます」)が表示される。
【0038】
次に、CPU21は、メッセージデータが入力されるか、確定キー71または削除キー72がタッチ入力されるのを待機する。
ここで、ST22としてキーボード12のキー操作によりメッセージデータが入力された場合には、CPU21は、ST25としてこのメッセージデータをメッセージ編集メモリ44に格納する。これにより、メッセージウィンドウ63内にはキー入力されたメッセージが表示される。しかる後、確定キー71または削除キー72がタッチ入力されるのを待機する。
【0039】
また、ST23として削除キー72がタッチ入力された場合には、CPU21は、ST26としてメッセージ編集メモリ44にメッセージデータが格納されているか否かを判断する。そして格納されている場合には、ST27としてこのメッセージデータを削除する。これにより、メッセージウィンドウ63内のメッセージも削除される。しかる後、確定キー61がタッチ入力されるか、次のメッセージが入力されるのを待機する。
【0040】
ST24として確定キー61がタッチ入力された場合には、CPU21は、ST28としてメッセージ編集メモリ44にメッセージデータが格納されているか否かを判断する。そして格納されている場合には、ST29としてレシート展開メモリ42にメッセージ編集メモリ44の内容を追加する。しかる後、ST30として上記メッセージ追加画面70を消去したならば、CPU21は、ST4のレシートイメージ表示処理ステップに戻る。
【0041】
このように、本実施の形態のPOS端末においては、レシート編集画面50のメッセージ追加キー53をタッチ操作することにより、タッチパネル13の画面がメッセージ追加画面70に切り替わる。ここで、キャッシャが新たなメッセージ(例えば「明日は、商品CCCCがお買い得です。」)をキー入力すると、図14に示すように、メッセージウィンドウ73にこの新たなメッセージが表示される。次いで、確定キー61をタッチ操作すると、タッチパネル13の画面がレシート編集画面50に戻り、図15に示すように、レシート画像51のデフォルトメッセージ「お買い上げありがとうございます」に続いて新たなメッセージ「明日は、商品CCCCがお買い得です。」が追加される。その後、確定キー56をタッチ操作すると、この2種類のメッセージが付加されたレシートがレシートプリンタ15によって印字され、レシート発行口16から発行される。
【0042】
したがってキャッシャは、発行前のレシート印字内容をチェックした結果、メッセージが不足していると判断した場合には、新たなメッセージを追加したレシートを容易に発行させることができる。例えば、お得意様の客に対しては、デフォルトのメッセージに加えて、特別な販促メッセージをレシートに印字させるという運用を容易にとることができる。
【0043】
図7はコマーシャル変更処理の主要な処理手順を示す流れ図である。レシート編集モードにおいて、レシート編集画面50のコマーシャル変更キー54がタッチ操作されると、CPU21は、このコマーシャル変更処理を開始する。
【0044】
先ず、ST31として例えば図16に示すレイアウトのコマーシャル変更画面80をタッチパネル13に表示させる。このコマーシャル変更画面80には、レシート画像51とともに確定キー81及び取消キー82の各キーイメージが表示される。また、可変CM画像メモリに記憶されている複数のコマーシャル画像(図では「コマーシャル画像A」,「コマーシャル画像B」,「コマーシャル画像C」の3つ)が表示される。
【0045】
次に、CPU21は、ST32としていずれかのコマーシャル画像が選択されるか、ST33として取消キー82がタッチ操作されるのを待機する。
ここで、いずれかのコマーシャル画像がタッチ操作によって選択された場合には、CPU21は、ST34として他の選択されなかったコマーシャル画像を消去し、選択されたコマーシャル画像を拡大して表示させる。しかる後、ST35として確定キー81がタッチ入力されるか、ST36として取消キー82がタッチ入力されるのを待機する。
【0046】
ここで、確定キー81がタッチ入力された場合には、CPU21は、ST37としてレシート展開メモリ42に記憶されているコマーシャル画像のデータを、選択されたコマーシャル画像のデータに変更する。しかる後、ST38として上記コマーシャル変更画面80を消去したならば、CPU21は、ST4のレシートイメージ表示処理ステップに戻る。
【0047】
なお、ST33またはST36にて取消キー82がタッチ入力された場合には、コマーシャル画像のデータを変更することなくコマーシャル変更画面80を消去して、CPU21は、ST4のレシートイメージ表示処理ステップに戻る。
【0048】
このように、本実施の形態のPOS端末においては、レシート編集画面50のコマーシャル変更キー54をタッチ操作することにより、タッチパネル13の画面がコマーシャル変更画面80に切り替わる。ここで、キャッシャが所望するコマーシャル画像(例えば「コマーシャル画像A」)タッチ操作すると、図17に示すように、この選択されたコマーシャル画像Aが拡大表示される。次いで、確定キー81をタッチ操作すると、タッチパネル13の画面がレシート編集画面50に戻り、図18に示すように、レシート画像51のコマーシャル画像がデフォルトのコマーシャル画像から選択されたコマーシャル画像Aに変更される。その後、確定キー56をタッチ操作すると、コマーシャル画像Aに変更されたレシートがレシートプリンタ15によって印字され、レシート発行口16から発行される。
【0049】
したがってキャッシャは、発行前のレシート印字内容をチェックした結果、コマーシャル画像が適切でないと判断した場合には、別のコマーシャル画像に変更したレシートを容易に発行させることができる。例えば、客層としては40台男性に分類されるが、20台男性向けの商品の方を好みそうな客の場合には、デフォルトとして印字される40歳男性向けのコマーシャル画像に代えて、20台男性向けのコマーシャル画像を印字させることができる。
【0050】
図8はコマーシャル追加処理の主要な処理手順を示す流れ図である。レシート編集モードにおいて、レシート編集画面50のコマーシャル追加キー55がタッチ操作されると、CPU21は、このコマーシャル追加処理を開始する。
【0051】
先ず、ST41として例えば図19に示すレイアウトのコマーシャル追加画面90をタッチパネル13に表示させる。このコマーシャル追加画面90には、レシート画像51とともに確定キー91及び取消キー92の各キーイメージが表示される。また、可変CM画像メモリに記憶されている複数のコマーシャル画像(図では「コマーシャル画像A」,「コマーシャル画像B」,「コマーシャル画像C」の3つ)が表示される。
【0052】
次に、CPU21は、ST42としていずれかのコマーシャル画像が選択されるか、ST43として取消キー92がタッチ操作されるのを待機する。
ここで、いずれかのコマーシャル画像がタッチ操作によって選択された場合には、CPU21は、ST44として他の選択されなかったコマーシャル画像を消去し、選択されたコマーシャル画像を拡大して表示させる。しかる後、ST45として確定キー91がタッチ入力されるか、ST96として取消キー92がタッチ入力されるのを待機する。
【0053】
ここで、確定キー91がタッチ入力された場合には、CPU21は、ST47としてレシート展開メモリ42に記憶されているコマーシャル画像データの後に、選択されたコマーシャル画像データを追加する。しかる後、ST48として上記コマーシャル追加画面90を消去したならば、CPU21は、ST4のレシートイメージ表示処理ステップに戻る。
【0054】
なお、ST43またはST46にて取消キー92がタッチ入力された場合には、コマーシャル画像データを追加することなくコマーシャル追加画面90を消去して、CPU21は、ST4のレシートイメージ表示処理ステップに戻る。
【0055】
このように、本実施の形態のPOS端末においては、レシート編集画面50のコマーシャル追加キー55をタッチ操作することにより、タッチパネル13の画面がコマーシャル追加画面90に切り替わる。ここで、キャッシャが所望するコマーシャル画像(例えば「コマーシャル画像A」)タッチ操作すると、図20に示すように、この選択されたコマーシャル画像Aが拡大表示される。次いで、確定キー91をタッチ操作すると、タッチパネル13の画面がレシート編集画面50に戻り、図21に示すように、レシート画像51のデフォルトのコマーシャル画像の後に、選択されたコマーシャル画像Aが追加される。その後、確定キー56をタッチ操作すると、コマーシャル画像Aが追加されたレシートがレシートプリンタ15によって印字され、レシート発行口16から発行される。
【0056】
したがってキャッシャは、発行前のレシート印字内容をチェックした結果、コマーシャル画像が不足していると判断した場合には、他のコマーシャル画像を追加したレシートを容易に発行させることができる。例えば、客層としては40台男性に分類されるが、20台男性向けの商品の方を好みそうな客の場合には、デフォルトとして印字される40歳男性向けのコマーシャル画像に加えて、20台男性向けのコマーシャル画像を印字させることができる。
【0057】
このように本実施の形態によれば、顧客個人個人に合わせた柔軟な販促メッセージやコマーシャル画像をレシートに印字させることができ、店舗の売上増進を期待できる。
【0058】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
例えば前記実施の形態では、オペレータ用ディスプレイ13をタッチパネルとし、確定キー,削除キー,取消キー等のキーを入力したり所望するコマーシャル画像を選択したりする際に画面をタッチ操作するようにしたが、POS端末にポインティングデバイスを接続し、画面上のポインタを操作することによって各種キーの入力や所望するコマーシャル画像の選択を行うようにしてもよい。
【0059】
また、前記実施の形態では、編集可能なレシートの情報を、メッセージとコマーシャル画像の付加情報としたが、他のレシート印字項目、例えば商取引の明細項目を手動で修正する場合も、別途、レシート画像51のデータ項目を選択する手段を設けることによって、本発明を適用できるものである。
【0060】
また、前記実施の形態では、メッセージとコマーシャル画像のそれぞれについてデフォルトデータを有するとしたが、デフォルトデータを持たず、キャッシャが必要に応じてメッセージやコマーシャル画像をレシートに追加できるようにしてもよい。
【0061】
また、本発明においてレシートとは、POS端末や電子式キャッシュレジスタから印字発行される買上レシートに限定されるものではなく、例えば精肉店などの対面販売で用いられる電子料金秤から印字発行される値付ラベルであってもよい。
【0062】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施の形態であるPOS端末の外観構成を示す斜視図。
【図2】同POS端末のRAMに形成される主要なメモリエリアを示す模式図。
【図3】同POS端末の制御回路構成を示すブロック図。
【図4】同POS端末のレシート印字発行に対するCPUの要部制御手順を示す流れ図。
【図5】図4におけるメッセージ編集処理の要部処理手順を示す流れ図。
【図6】図4におけるメッセージ追加処理の要部処理手順を示す流れ図。
【図7】図4におけるコマーシャル変更処理の要部処理手順を示す流れ図。
【図8】図4におけるコマーシャル追加処理の要部処理手順を示す流れ図。
【図9】レシート編集画面の一例を示す平面図。
【図10】メッセージ編集画面の一例を示す平面図。
【図11】メッセージ編集画面のメッセージ入力時の状態を示す平面図。
【図12】レシート編集画面のメッセージ編集後の状態を示す平面図。
【図13】メッセージ追加画面の一例を示す平面図。
【図14】メッセージ追加画面のメッセージ入力時の状態を示す平面図。
【図15】レシート編集画面のメッセージ追加後の状態を示す平面図。
【図16】コマーシャル変更画面の一例を示す平面図。
【図17】コマーシャル変更画面のコマーシャル画像選択時の状態を示す平面図。
【図18】レシート編集画面のコマーシャル画像変更後の状態を示す平面図。
【図19】コマーシャル追加画面の一例を示す平面図。
【図20】コマーシャル追加画面のコマーシャル画像選択時の状態を示す平面図。
【図21】レシート編集画面のコマーシャル画像追加後の状態を示す平面図。
【図22】一般的なレシート印字例を示す平面図。
【符号の説明】
【0064】
12…キーボード、13…タッチパネル(オペレータ用ディスプレイ)、15…レシートプリンタ、21…CPU、41…取引明細メモリ、42…レシート展開メモリ、43…デフォルトメッセージメモリ、44…メッセージ編集メモリ、45…デフォルトCM画像メモリ、46…可変CM画像メモリ、50…レシート編集画面、60…メッセージ編集画面、70…メッセージ追加画面、80…コマーシャル変更画面、90…コマーシャル追加画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1商取引として売上げられる商品の販売データを処理し、当該商取引の合計金額を算出して表示部に表示させるとともに、レシートを印字発行する商品販売データ処理装置において、
前記レシートを印字する前に当該レシートの印字イメージを示すレシート画像を前記表示部に表示させるレシート画像表示手段と、
このレシート画像表示手段により前記表示部に表示されたレシート画像で示される印字イメージのレシートを印字発行させるレシート発行制御手段と、
を具備したことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記レシート画像表示手段により前記表示部に表示されたレシート画像で示される印字イメージに、入力部からの入力情報に応じて編集を加えるイメージ編集手段をさらに具備し、
前記レシート発行制御手段は、前記イメージ編集手段により印字イメージが編集された場合には編集後の印字イメージに一致するレシートを印字発行させることを特徴とする請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記イメージ編集手段は、商取引とは関係のない付加情報の追加,削除または変更を行う手段であることを特徴とする請求項2記載の商品販売データ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−343940(P2006−343940A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−168244(P2005−168244)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】