説明

噴霧器及び吸上げ部材

【課題】錘を吸上げチューブの先端部に容易に取り付けることができる噴霧器用の吸上げ部材を提供する。
【解決手段】 吸上げ部材は、噴霧器2の噴射ヘッド8に接続され可撓性を有する吸上げチューブ10と、吸上げチューブ10の先端部に設けられた錘14と、を備える。錘14には、吸上げチューブ10の先端部12が挿通される挿通孔26が設けられ、錘14の一端部には、挿通孔26の径方向内方に突出する係止突部が設けられ、吸上げチューブ10の先端部12が挿通孔26に挿通されると、複数の係止突部は吸上げチューブ10の先端部12に係止される。複数の係止突部は、複数の第1係止突部32Aaと、複数の第1係止突部32Aaよりも挿通孔26の径方向内方への突出量が大きい複数の第2係止突部32Abと、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば水や消毒液、洗浄液などの液体を噴霧するための噴霧器及びこれに用いられる吸上げ部材に関し、更に詳しくは、容器本体が倒立された使用状態でも液体を噴霧することができる噴霧器及びこれに用いられる吸上げ部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば水や消毒液、洗浄液などの液体を噴霧するための噴霧器が用いられている(例えば、特許文献1参照)。この噴霧器は、液体を収容するための容器本体と、容器本体の開口部に装着された噴霧ヘッドと、噴霧ヘッドから容器本体の内部に延びる可撓性を有する吸上げチューブと、吸上げチューブの先端部に設けられた錘と、を備えている。吸上げチューブは熱可塑性を有する樹脂材料、例えばポリエチレンから形成され、蛇腹状に構成されている。錘は例えばステンレスなどの金属材料から形成され、この錘には、吸上げチューブの先端部が挿通される挿通孔が設けられている。
【0003】
噴霧ヘッドが上側になるようにして容器本体が正立された通常の使用状態では、錘の自重により吸上げチューブの先端部が容器本体の底部に溜まった液体に浸漬され、これにより容器本体内の液体が吸上げチューブを通して噴霧ヘッドに向けて吸上げられ、噴霧ヘッドより液体が噴霧される。また、噴霧ヘッドが下側になるようにして容器本体が倒立された使用状態では、錘の自重により吸上げチューブが湾曲されてその先端部が容器本体の噴霧ヘッド側に溜まった液体に浸漬され、これにより上述したのと同様に容器本体内の液体が吸上げチューブを通して吸上げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−7712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような従来の噴霧器では、錘は吸上げチューブの先端部に次のようにして取り付けられる。錘の挿通孔に吸上げチューブの円筒状の先端部を挿通して錘の一端部より突出させ、かかる状態にて、吸上げチューブの先端部に熱加工を施すことによりこの先端部を熱変形させて拡径させる。これにより錘の一端部から突出された吸上げチューブの先端部の外径が挿通孔の直径よりも大きくなり、錘が吸上げチューブの先端部より外れるのが防止される。しかしながら、このように吸上げチューブの先端部に熱加工を施すのは大変面倒であり、錘を吸上げチューブの先端部に容易に取り付けることができないという問題がある。
【0006】
また、錘は、変質し難い材料として一般的にステンレスから形成されているので、錘の材料コストが高くなり、それ故に、噴霧器の製造コストが上昇してしまうという問題がある。噴霧器の製造コストを低減するために、錘をステンレスに代えて例えばポリプロピレンなどの安価な樹脂材料から形成する方法が考えられるが、樹脂製の錘の比重は金属製の錘の比重よりも小さくなってしまう。それ故に、容器本体が倒立された使用状態において吸上げチューブが充分に湾曲されず、吸上げチューブの先端部が容器本体内の液体に浸漬されなくなり、液体を噴霧ヘッドより噴霧することができないという問題がある。また、一般に、容器本体、噴霧ヘッド及び吸上げチューブはプラスチックから形成され、錘はステンレスから形成されているので、錘が吸上げチューブの先端部に取り付けられた状態では、環境問題の観点から、不要になった噴霧器を廃プラスチックとして廃棄処分することができないという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、錘を吸上げチューブの先端部に容易に取り付けることができる噴霧器及び噴霧器用吸上げ部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の吸上げ部材は、液体を収容するための容器本体と、前記容器本体の開口部に装着された噴霧ヘッドと、を備える噴霧器において用いられる吸上げ部材であって、前記噴霧ヘッドに接続されて前記噴霧ヘッドから前記容器本体の内部に延びる可撓性を有する吸上げチューブと、前記吸上げチューブの先端部に設けられた錘と、を備え、前記錘には、前記吸上げチューブの先端部が挿通される挿通孔が設けられ、前記錘の一端部には、前記挿通孔の径方向内方に突出する係止突部が設けられ、前記吸上げチューブの先端部が前記挿通孔に挿通されると、前記複数の係止突部は前記吸上げチューブの先端部に係止され、前記複数の係止突部は、複数の第1係止突部と、前記複数の第1係止突部よりも前記挿通孔の径方向内方への突出量が大きい複数の第2係止突部と、を有していることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載の吸上げ部材では、前記複数の係止突部の各々は、前記錘の他端部から一端部に向けて前記挿通孔の径方向内方へテーパ状に傾斜していることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載の吸上げ部材では、前記吸上げチューブの先端部は、前記錘の一端部から4.0〜6.0mm外部に突出されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項4に記載の噴霧器は、液体を収容するための容器本体と、前記容器本体の開口部に装着された噴霧ヘッドと、請求項1〜3の何れかに記載の吸上げ部材と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に記載の吸上げ部材によれば、複数の装着部の各々の内面には、挿通孔の径方向内方に突出する係止突部が設けられているので、吸上げチューブの先端部が挿通孔に挿入されると、吸上げチューブの先端部は複数の係止突部により係止され、これにより錘が吸上げチューブの先端部より外れるのが防止される。従って、錘の挿通孔に吸上げチューブの先端部を挿通するという比較的簡単な作業でもって、錘を吸上げチューブの先端部に容易に且つ確実に取り付けることができる。また、複数の係止突部は、複数の第1係止突部と、複数の第1係止突部よりも挿通孔の径方向内方への突出量が大きい複数の第2係止突部と、を有しているので、外径の比較的大きい吸上げチューブの先端部を錘の挿通孔に挿通すると、複数の第1係止突部及び複数の第2係止突部が吸上げチューブの先端部に係止され、また外径の比較的小さい吸上げチューブの先端部を挿通孔に挿通すると、複数の第2係止突部が吸上げチューブの先端部に係止される。従って、種々の外径を有する吸上げチューブの先端部を錘の挿通孔に挿通することができ、汎用性を高めることができる。
【0013】
また、本発明の請求項2に記載の吸上げ部材によれば、複数の係止突部の各々は、錘の他端部から一端部に向けて挿通孔の径方向内方へテーパ状に傾斜しているので、吸上げチューブの先端部を錘の他端部側から挿通孔に挿通する際に、複数の係止突部が邪魔になることが無く、これにより吸上げチューブの先端部を挿通孔に容易に挿通することができる。また、吸上げチューブの先端部が挿通孔に挿通された状態では、複数の係止突部が吸上げチューブの先端部に食い込むようにして係止されるようになり、これにより錘が吸上げチューブの先端部より外れるのを確実に防止することができる。
【0014】
また、本発明の請求項3に記載の吸上げ部材によれば、吸上げチューブの先端部は、錘の一端部から4.0〜6.0mm外部に突出されるので、吸上げチューブの先端部が容器本体内の液体に浸漬された際に、錘の一端部が容器本体の内面に衝突することが少なくなり、容器本体が破損するのを防止することができる。
【0015】
また、本発明の請求項4に記載の噴霧器によれば、請求項1〜3の何れかに記載の吸上げ部材を備えるので、上述したのと同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態による噴霧器を示す概略要部断面図である。
【図2】図1の容器本体が倒立された使用状態での噴霧器を示す概略要部断面図である。
【図3】図1の錘を示す概略斜視図である。
【図4】図3の錘の挿通孔に吸上げチューブの先端部が挿通された状態を示す概略断面図である。
【図5】図4中のA−A線による錘及び吸上げチューブの先端部の概略断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態による噴霧器の錘及び吸上げチューブの先端部を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う噴霧器の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態による噴霧器を示す概略要部断面図であり、図2は、図1の容器本体が倒立された使用状態での噴霧器を示す概略要部断面図であり、図3は、図1の錘を示す概略斜視図であり、図4は、図3の錘の挿通孔に吸上げチューブの先端部が挿通された状態を示す概略断面図であり、図5は、図4中のA−A線による錘及び吸上げチューブの先端部の概略断面図である。
【0018】
図1を参照して、図示の噴霧器2は、例えば水や洗浄液、消毒液などの液体を収容するための容器本体4と、容器本体4の開口部6に装着された噴霧ヘッド8と、噴霧ヘッド8から容器本体4の内部に延びる可撓性を有する吸上げチューブ10と、吸上げチューブ10の先端部12に設けられた錘14と、を備えている。以下、これら各構成要素について詳細に説明する。
【0019】
容器本体4の上端部には開口部6が設けられ、この開口部6には、取付キャップ16を介して噴霧ヘッド8が着脱自在に装着されている。噴霧ヘッド8は、ヘッド本体18と、ヘッド本体18に内蔵されたポンプ(図示せず)と、ポンプを手動で駆動させるためのトリガハンドル20と、ポンプから吐出された液体を外部に噴霧するためのノズル22と、を備えている。
【0020】
吸上げチューブ10は、可撓性を有する樹脂材料、例えばポリエチレンなどから形成されている。この吸上げチューブ10の中間部は蛇腹状に構成され、その先端部12及び基端部24はそれぞれ円筒状に構成されており、かく構成されることにより、吸上げチューブ10は蛇腹状中間部において充分な可撓性を有するようになる。また、吸上げチューブ10の基端部24は、噴霧ヘッド8のポンプに接続されている。
【0021】
錘14は筒状に構成され、吸上げチューブ10の先端部12が挿通される挿通孔26が設けられている。錘14の一端部には、その軸方向(図4において上下方向)に延びる複数のスリット28が挿通孔26の周方向に間隔を置いて設けられ、これら複数のスリット28により、錘14の一端部には、短冊状の複数の装着部30が挿通孔26の周方向に間隔を置いて形成されている。これら複数の装着部30の各々の内面には、挿通孔26の径方向内方に突出する係止突部32が設けられている。この係止突部32は、挿通孔26の径方向内方に三角形状に突出され、錘14の他端部から一端部に向けて挿通孔26の径方向内方へテーパ状に傾斜している(図4参照)。従って、吸上げチューブ10の先端部12を錘14の他端部側より挿通孔26に挿通させる際に、複数の係止突部32が邪魔になることが無く、吸上げチューブ10の先端部12を錘14の挿通孔26に容易に挿通させることができる。また、複数の装着部30の各々の内側部には、装着部30の先端部から係止突部32の一端部まで延びる凹部34が形成されている。
【0022】
複数の装着部30は、図4において二点鎖線で示す縮径状態と、図4において実線で示す拡径状態との間を弾性変形可能に構成されている。従って、吸上げチューブ10の先端部12が錘14の他端部側より図4中の矢印Pで示す方向に挿通孔26に挿通されると、複数の装着部30が吸上げチューブ10の先端部12によって外側に押し拡げられることにより縮径状態から拡径状態に弾性変形され、これにより複数の装着部30はその弾性復元力によって吸上げチューブ10の先端部12を外側から内側に向けて押圧するようになる。このように押圧されると、複数の係止突部32の各一端部は吸上げチューブ10の先端部12に食い込むようにして係止され(図4及び図5参照)、これにより錘14は吸上げチューブ10の先端部12に確実に取り付けられる。従って、吸上げチューブ10の先端部12を錘14の挿通孔26に挿通するという比較的簡単な作業でもって、錘14を吸上げチューブ10の先端部12に容易に且つ確実に取り付けることができる。
【0023】
上述のように錘14が吸上げチューブ10の先端部12に取り付けられると、錘14の他端部が吸上げチューブ10の蛇腹状の部位36に当接されて位置決めされ、吸上げチューブ10の先端部12は、錘14の一端部から距離L(例えば、約5.0mm)だけ外部に突出される。なお、この距離Lは、4.0〜6.0mmに設定することが好ましく、かく構成することにより、吸上げチューブ10の先端部12が容器本体4内の液体に浸漬された際に、錘14の一端部が容器本体4の内面に衝突することが少なくなり、容器本体4内の液体を確実に吸上げることができるとともに、容器本体4が破損するのを防止することができる。
【0024】
また、本実施形態では、この錘14は、35重量%のフェライト(金属材料を構成する)の粉末と、65重量%のポリプロピレン(樹脂材料を構成する)とから形成されており、例えば2軸押出成型機により成型される。このように形成されているので、この錘14の比重は約2.7となり、ポリプロピレンのみから形成された錘の比重(例えば、約0.9)よりも大きくなる。
【0025】
なお、この錘14に関し、錘14中のフェライトの構成比率を大きくすると、錘14の比重が増大する一方、錘14自体がもろくなってその強度が低下する。また、錘14中のポリプロピレンの構成比率を大きくすると、錘14の強度が高まる一方、錘14の比重が低下してしまい、吸上げチューブ10の先端部12を容器本体4内の液体に確実に浸漬させることができない。このようなことから、錘14の強度を低下させることなく、且つ錘14の比重を一定に保持するために、錘14は、60〜70重量%の樹脂材料と、40〜30重量%の金属材料の粉末とから形成されるのが好ましい。この時、錘14は、63〜67重量%の樹脂材料と37〜33重量%の金属材料の粉末とから形成されるのがより好ましく、特に、65重量%の樹脂材料と35重量%の金属材料とから形成されるのが最も好ましい。
【0026】
上述した噴霧器2の使用方法について説明すると、次の通りである。噴霧ヘッド8が上側になるようにして容器本体4が正立された通常の使用状態(図1参照)では、吸上げチューブ10は、錘14の自重により噴霧ヘッド8から下方に延びるようになり、これにより吸上げチューブ10の先端部12は容器本体4の底部38に溜まった液体に浸漬される。トリガハンドル20を操作すると、ポンプの作用によって容器本体4内の液体が吸上げチューブ10の先端部12より吸上げられ、この吸上げられた液体は吸上げチューブ10を通してポンプに吸い込まれ、ポンプに吸い込まれた液体はノズル22より外部に噴霧される。
【0027】
また、噴霧ヘッド8が下側になるようにして容器本体4が倒立された使用状態(図2参照)では、吸上げチューブ10は、錘14の自重により蛇腹状中間部にて逆U字状に湾曲されるようになる。上述したように、錘14は35重量%のフェライトの粉末と、65重量%のポリプロピレンとから形成されているので、錘14の比重がポリプロピレンのみから形成された錘の比重よりも大きくなり、これにより錘14の自重により吸上げチューブ10を大きく湾曲させることができ、吸上げチューブ10の先端部12を容器本体4の噴霧ヘッド8側に溜まった液体に確実に浸漬させることができる。従って、上述した通常の使用状態の場合と同様に、トリガハンドル20を操作すると、容器本体4内の液体が吸上げチューブ10の先端部12より吸上げられ、この吸上げられた液体がノズル22より外部に噴霧される。
【0028】
なお、本実施形態では、容器本体4を正立又は倒立させて使用する場合について説明したが、容器本体4を斜めに傾けて使用する、あるいは容器本体4を横向きにして使用する場合でも、上述したのと同様の作用効果が達成される。
【0029】
次に、図6を参照して、噴霧器の他の実施形態について説明する。図6は、本発明の他の実施形態による噴霧器の錘及び吸上げチューブの先端部を示す概略断面図である。この他の実施形態において、上述した実施形態の構成要素と実質上同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0030】
図6において、この他の実施形態の噴霧器では、複数の装着部30Aaの内面には、複数の第1係止突部32Aaが設けられ、また残りの複数の装着部30Abの内面には、複数の第1係止突部32Aaよりも挿通孔26Aの径方向内方への突出量が大きい複数の第2係止突部32Abが設けられており、これら複数の第1係止突部32Aa及び複数の第2係止突部32Abは周方向に間隔を置いて交互に配設されている。
【0031】
外径が比較的小さい吸上げチューブ10Aaの先端部12Aa(図6において二点鎖線で示す)が錘14Aの挿通孔26Aに挿通されると、複数の装着部30Abが外側に押し拡げられて縮径状態から拡径状態に弾性変形され、これにより複数の第2係止突部32Abが吸上げチューブ10Aaの先端部12Aaに弾性的に係止する。また、外径が比較的大きい吸上げチューブ10Abの先端部12Ab(図6において一点鎖線で示す)が錘14Aの挿通孔26Aに挿通されると、複数の装着部30Aa及び複数の装着部30Abがそれぞれ外側に押し拡げられて縮径状態から拡径状態に弾性変形され、これにより複数の第1係止突部32Aa及び複数の第2係止突部32Abが吸上げチューブ10Abの先端部12Abに弾性的に係止する。
【0032】
従って、本実施形態の噴霧器では、種々の外径を有する吸上げチューブ10Aa,10Abの先端部12Aa,12Abを錘14Aの挿通孔26Aに挿通させることができ、汎用性を高めることができる。
【0033】
なお、本実施形態では、複数の第1係止突部32Aa及び複数の第2係止突部32Abを設けるように構成したが、例えば次のように構成してもよい。即ち、複数の第1係止突部32Aaと、複数の第1係止突部32Aaよりも挿通孔26Aの径方向内方への突出量が大きい複数の第2係止突部32Abと、複数の第2係止突部32Abよりも挿通孔26Aの径方向内方への突出量が更に大きい複数の第3係止突部(図示せず)とを設けるように構成してもよい。
【0034】
以上、本発明に従う噴霧器の種々の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0035】
例えば、上記各実施形態では、錘14(14A)を形成する樹脂材料をポリプロピレン、金属材料をフェライトから構成したが、これに限られず、例えば樹脂材料をポリエチレン、あるいはスチロールやアクリロニトリルスチレン、ナイロン、ABSなどの熱可塑性樹脂から構成し、金属材料をタングステンやモリブデンなどから構成してもよく、このように構成した場合であっても、上述したのと同様の作用効果が達成される。
【符号の説明】
【0036】
2 噴霧器
4 容器本体
6 開口部
8 噴霧ヘッド
10,10Aa,10Ab 吸上げチューブ
12,12Aa,12Ab 先端部
14,14A 錘
26,26A 挿通孔
28 スリット
30,30Aa,30Ab 装着部
32 係止突部
32Aa 第1係止突部
32Ab 第2係止突部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容するための容器本体と、前記容器本体の開口部に装着された噴霧ヘッドと、 を備える噴霧器において用いられる吸上げ部材であって、
前記噴霧ヘッドに接続されて前記噴霧ヘッドから前記容器本体の内部に延びる可撓性を有する吸上げチューブと、前記吸上げチューブの先端部に設けられた錘と、を備え、
前記錘には、前記吸上げチューブの先端部が挿通される挿通孔が設けられ、前記錘の一端部には、前記挿通孔の径方向内方に突出する係止突部が設けられ、前記吸上げチューブの先端部が前記挿通孔に挿通されると、前記複数の係止突部は前記吸上げチューブの先端部に係止され、
前記複数の係止突部は、複数の第1係止突部と、前記複数の第1係止突部よりも前記挿通孔の径方向内方への突出量が大きい複数の第2係止突部と、を有していることを特徴とする吸上げ部材。
【請求項2】
前記複数の係止突部の各々は、前記錘の他端部から一端部に向けて前記挿通孔の径方向内方へテーパ状に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の吸上げ部材。
【請求項3】
前記吸上げチューブの先端部は、前記錘の一端部から4.0〜6.0mm外部に突出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸上げ部材。
【請求項4】
液体を収容するための容器本体と、前記容器本体の開口部に装着された噴霧ヘッドと、 請求項1〜3の何れかに記載の吸上げ部材と、を備えることを特徴とする噴霧器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−78763(P2013−78763A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−272950(P2012−272950)
【出願日】平成24年12月14日(2012.12.14)
【分割の表示】特願2007−236451(P2007−236451)の分割
【原出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(598112730)株式会社アサヒテックコーポレーション (6)
【Fターム(参考)】