説明

四級化シリコーンポリマー、グラフト化シリコーンコポリオール、及びジアルキルカチオン性界面活性剤を含むヘアコンディショニング組成物

(a)四級化シリコーンポリマー;(b)グラフト化シリコーンコポリオール;(c)ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を含むカチオン性界面活性剤系;(d)高融点脂肪族化合物;及び(e)水性キャリア、を含むヘアコンディショニング組成物が開示される。本発明は、ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を使用して、コンディショニング組成物に滑らかな感触及び摩擦の減少などの改善されたコンディショニング効果をもたらすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(a)四級化シリコーンポリマー;(b)グラフト化シリコーンコポリオール;(c)ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を含むカチオン性界面活性剤系;(d)高融点脂肪族化合物;及び(e)水性キャリア、を含むヘアコンディショニング組成物に関する。本発明は、ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を使用して、コンディショニング組成物に滑らかな感触及び摩擦の減少などの改善されたコンディショニング効果をもたらす。
【背景技術】
【0002】
ヒトの毛髪は、周囲の環境との接触や頭皮から分泌される皮脂のために汚れてくる。毛髪が汚れると、毛髪は不潔な感触や魅力のない外観を呈するようになる。毛髪が汚れると頻繁に定期的にシャンプーする必要がある。
【0003】
シャンプーは、過剰な汚れや皮脂を除去することによって毛髪を清潔にするものである。しかしながら、シャンプーは、毛髪を濡れた、もつれた、一般には扱いにくい状態にすることがある。毛髪がいったん乾燥すると、毛髪の天然油分、他の天然コンディショニング構成成分及び潤いを与える構成成分が除去されるため、毛髪は、乾燥し、荒れて、光沢のない、又は縮れた状態になることが多い。毛髪は乾燥時に増大したレベルの静電気にさらされる可能性があり、これによって櫛通りが妨げられ、結果として「まとまりのない毛髪」と一般的に称される状態に陥るか、「枝毛」という望ましくない現象の一因となる。更に、毛髪のパーマ、漂白又は染色などの化学処理も毛髪を傷めるとともに、毛髪を乾燥させ、荒れて、光沢のない、傷んだ状態にしてしまう可能性がある。
【0004】
毛髪の状態を整えるために様々な取り組みが開発されてきた。毛髪にコンディショニング効果をもたらす一般的な方法は、カチオン性界面活性剤及びポリマー、高融点脂肪族化合物、低融点の油、シリコーン化合物、及びこれらの混合物のようなコンディショニング剤を使用することによるものである。
【0005】
しかしながら、滑らかな感触及び摩擦の減少などの改善されたコンディショニング効果をもたらすヘアコンディショニング組成物における要望が、いまだに存在している。このようなコンディショニング効果を得るために、様々な取り組みが開発されている。例えば、国際公開第2006/138201号には、四級基と、請求項1に記載のカチオン性界面活性剤、高融点脂肪族化合物、及び水性キャリアを含むゲルマトリックスとを含有するシリコーンポリマーを含むヘアコンディショニング組成物が開示されている。国際公開第2006/138201号には、実施例において、カチオン性界面活性剤がベヘニルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート/ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリドであり、更にSF1488シリコーンコポリオールを含有するヘアコンディショニング組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2006/138201号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、異なるカチオン性界面活性剤を使用するような様々なゲルマトリックスにおいて、摩擦の減少のような改善された効果をもたらすヘアコンディショニング組成物の必要性は残されたままである。
【0008】
更には、このような改善されたコンディショニング効果をもたらしつつ、清浄感をもたらし、及び/又はべたつき/重たい感じの減少をもたらすヘアコンディショニング組成物の必要性も存在している。このような清浄感、及び/又はべたつきの減少に関して、濡れた毛髪及び乾いた毛髪の双方に、このような効果をもたらすヘアコンディショニング組成物の必要性が存在している。濡れた毛髪における清浄感、及び/又はべたつきの減少としては、例えば、簡単に濯げる感じを含む。簡単に濯げる感じとは、例えば、短時間でぬるぬるした感じが減少し、及び/又は毛髪を濯ぎ始めた後に清浄感が増加することである。このようなぬるぬるした感じの減少、及び/又は清浄感の増加は、毛髪に十分な量のコンディショニング剤を付着させたまま、消費者がヘアコンディショニング組成物を濯ぐのを終了する合図となり得る。
【0009】
既存の技術には、本発明の利点及び効果の全てを提供するものはない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下のものを含むヘアコンディショニング組成物に関する。
(a)約200を超えるシロキサン単位を有するシリコーンブロックを含む、約0.1重量%〜約15重量%の、四級基を含有するシリコーンポリマー;
(b)四級化シリコーンポリマーとの混合物におけるグラフト化シリコーンコポリオールが、約1重量%〜約50重量%の範囲内にあるような濃度であるグラフト化シリコーンコポリオール;
(c)組成物の約0.1重量%〜約10重量%の、ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を含むカチオン性界面活性剤系;
(d)組成物の約1重量%〜約20重量%の高融点脂肪族化合物;及び
(e)水性キャリア。
【0011】
本発明は、ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を使用して、コンディショニング組成物に滑らかな感触及び摩擦の減少などの改善されたコンディショニング効果をもたらす。更には、本発明のコンディショニング組成物は、このような改善されたコンディショニング効果をもたらしつつ、清浄感、及び/又はべたつき/重たい感じの減少をもたらす。
【0012】
本発明のこれら及びその他の特徴、態様及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を読むことで、更に理解が深まる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し、明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、以下の記載からよりよく理解されるものと考えられる。
【0014】
本明細書において「含む」とは、最終結果に影響を与えない他の工程及び他の成分を追加できることを意味する。この用語は、「からなる」及び「から本質的になる」という用語を包含する。
【0015】
特に指定しない限り、百分率、割合、及び比率は全て、本発明の組成物の総重量に基づく。提示した成分に関するこのような重量は全て活性物質の濃度に基づいており、したがって市販材料に包含されている可能性があるキャリア又は副生成物を含まない。
【0016】
本明細書において「混合物」とは、物質の単純な組み合わせ及びそれらの組み合わせの結果として生じ得るあらゆる化合物も包含することを意味する。
【0017】
組成物
四級化シリコーンポリマーとともに、特定の濃度でグラフト化シリコーンコポリオールを使用することで、本発明は、ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を使用するコンディショニング組成物において、滑らかな感じ及び摩擦の減少のような改善したコンディショニング効果をもたらすと考えられる。
【0018】
ゲルマトリックスの安定性の観点から、本発明の組成物には、アニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーが実質的に含まれていないのが好ましい。本発明において、「アニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを実質的に含まない」とは、組成物に、アニオン性界面活性剤とアニオン性ポリマーが、合計で1%以下、好ましくは0.5%以下、より好ましくは全体として0%含有されていることを意味する。
【0019】
四級化シリコーンポリマー
本発明の組成物は、四級基を含有するシリコーンポリマーを含む。四級化シリコーンポリマーは、滑らかな感触、摩擦の減少、毛髪の損傷からの保護のような改善したコンディショニング効果をもたらす。特に、四級基は、傷んだ毛髪/染色した毛髪との親和性が良好であり得る。四級化シリコーンポリマーは、組成物の約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約0.2重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.3重量%〜約5重量%、及び更により好ましくは約0.5重量%〜約4重量%で存在する。
【0020】
本発明のシリコーンポリマーは、少なくとも1つのシリコーンブロック、及び四級窒素基を含有する少なくとも1つの非シリコーンブロックから構成され、非シリコーンブロックの数は、シリコーンブロックの数よりも1つ多い。シリコーンポリマーは、以下の一般構造(I)に相当する:
1−B−(A2−B)m−A1
(I)
式中、
Bは、200を超えるシロキサン単位を有するシリコーンブロックであって;
2は、四級窒素基を含有する非シリコーンブロックであって;
1は、四級基を含有し得る末端基であって;
m=0である場合には、A1基は四級基を含有するという条件のもと、mは0以上の整数である。
【0021】
この一般式に相当する構造は、例えば、米国特許第4,833,225号、米国特許出願第2004/0138400号、及び同第2004/0048996号に開示されている。
【0022】
1つの実施形態では、シリコーンポリマーは、以下の構造(II)によって示されることが可能であり、
【0023】
【化1】

式中、
Aは少なくとも1つの四級窒素基を含有する基であって、シリコン−炭素結合によってシリコーンブロックのシリコーン原子と結合し、それぞれのAは、独立して同じであっても異なっていてもよく;
5は、約1〜約22個の炭素原子のアルキル基であって、それぞれのR5は、独立して同じであっても異なっていてもよく;
mは、0以上の整数であって、好ましくは、mは20以下であり、より好ましくは、mは10以下であって;
nは、約200を超える整数であって、好ましくは約250を超え、より好ましくは約300を超え、好ましくは700未満であり、より好ましくは約500未満である。
【0024】
好ましい構造(III)は、メチルとしてR5を有し、
【0025】
【化2】

式中、
Aは少なくとも1つの四級窒素基を含有する基であって、シリコン−炭素結合によってシリコーンブロックのシリコーン原子と結合し、それぞれのAは、独立して同じであっても異なっていてもよく;
mは、0以上の整数であって、好ましくは、mは20未満であり、より好ましくは、mは10未満であって;
及びnは、約200を超える整数であって、好ましくは約250を超え、より好ましくは約300を超え、かつ好ましくは約700未満であり、より好ましくは約500未満である。
【0026】
他の実施形態では、シリコーンポリマーの繰り返し単位(構造(I)における(A2−B)繰り返し単位)は、以下の構造(IV)によって示されることが可能であり、
【0027】
【化3】

式中、
Xは、少なくとも約4個の炭素原子を有する2価の炭化水素ラジカルであって、ヒドロキシル基を含有し、酸素原子で中断されてよく、繰り返し単位における基Xは、同じであっても異なっていてもよく;
Yは、少なくとも約2個の炭素原子を有する2価の炭化水素ラジカルであって、ヒドロキシル基を含有し、1つ以上の酸素原子又は窒素原子、好ましくは1つの酸素原子又は1つの窒素原子で中断されてよく;
1、R2、R3、及びR4は、同じであるか異なっており、水素、又は約1〜約4個の炭素原子を有するアルキル基、又はベンジル基を示し、1つの実施形態では、R1及びR3、又はR2及びR4基は、2つのN+原子と結合する単一のアルキレン基の構成成分であり;
-は、無機又は有機アニオンであり;
nは、約200を超える整数であって、好ましくは約250を超え、より好ましくは約300を超え、かつ好ましくは約700未満であり、より好ましくは約500未満である。
【0028】
他の実施形態では、A1−B−(A2−B)m−A1シリコーンブロックコポリマーは、以下を含有するポリシロキサン化合物として記載され得る:
a)一般構造(V−VIII)を有する少なくとも1つのポリアルキレンオキシド構造単位:
−A−E;
(V)
−E−A−:
(VI)
−A−E−A’−;及び/又は
(VII)
−A’−E−A−
(VIII)
式中、
Aは、−CH2C(O)O−、−CH2CH2C(O)O−、
−CH2CH2CH2C(O)O−、
−OC(O)CH2−、−OC(O)CH2−、−OC(O)CH2CH2−、及び−OC(O)CH2CH2CH2−、からなる群から選択され;
A’は、−CH2C(O)−、−CH2CH2C(O)−、
−CH2CH2CH2C(O)−、
−C(O)CH2−、−C(O)CH2−、−C(O)CH2CH2−、及び−C(O)CH2CH2CH2−、からなる群から選択され;
Eは、−[CH2CH2O]q−[CH2CH(CH3)O]r−、及び、−[OCH(CH3)CH2r−[OCH2CH2q−からなる群から選択されるポリアルキレンオキシド基であって;式中、qは約1〜約200であって;rは約0〜約200であり、
式中、
Aの末端位置の酸素原子は、Eの末端位置の−−CH2−−基に結合し、A’の末端位置のカルボニル炭素原子は、Eの末端位置の酸素原子に結合し、それぞれにエステル基を形成し、及び/又は構造(IX)の少なくとも1つの末端位置のポリアルキレンオキシド構造単位に結合し、
−A−E−R2
(IX)
式中、
A及びEは、上記と同様であり;及び
2はH、直鎖、環状又は分枝状のC1〜C20炭化水素基であって、−−O−−、又は−C(O)−によって中断され、−OHで置換されてよく、アセチレン、オレフィン、又は芳香族であってよく;
b)少なくとも1つのアンモニウム基を含有する少なくとも1つの2価又は3価の有機基;
c)一般構造(X)を有する少なくとも1つのポリシロキサン構造単位
−−K−S−K−−、
(X)
式中、
Sは、以下の構造(XI)と一致し、
【0029】
【化4】

式中、
5は、約1〜約22個の炭素原子のアルキル基又はアリール基であって、それぞれのR5は、独立して同じであっても異なっていてもよく;
nは、約200を超える整数であって、好ましくは約250を超え、より好ましくは約300を超え、かつ好ましくは約700未満であり、より好ましくは約500未満である。
【0030】
いくつかのS基がポリシロキサン化合物中に存在する場合、S基は、同じであっても異なっていてもよい。
【0031】
構造(X)におけるKは、2価又は3価の、直鎖、環状、又は分枝状のC2〜C40の炭化水素基であって、−O−、−NH−、−NR5−、−C(O)−、−C(S)−、
【0032】
【化5】

で中断され、かつOHで置換され;
式中、
5は、構造(XI)において上述で定義される通りであるか、2価のR6基との結合を示し;
式中、
6は、1価又は2価の、直鎖、環状又は分枝状のC1〜C20の炭化水素基であって、−O−、−NH−、−C(O)−、又は−C(S)−で中断され、−OH又は−A−E−R2で置換されてよく、ここで、A、E及びR2は、上述の構造(IX)で定義される通りである。
【0033】
K基は、互いに同一であっても異なっていてもよく、Kが3価の基を示す場合、第3の原子価の飽和が、少なくとも1つのアンモニウム基を含有する上述の有機基との結合によって起こり;
d)アンモニウム基によって生じる電荷の中和のための、少なくとも1つの有機酸基又は無機酸基。
【0034】
より好ましい実施形態は、以下の構造(XII)であり、
【0035】
【化6】

式中、x、y及びzは、それぞれの構成成分のモル分率を示し、したがって、x+y+z=1であり;
a+bは約200未満であり、好ましくは、a+bは約20未満であり、より好ましくはa+bは約10未満であり;
cは約200未満であり、好ましくは、cは約100未満であり、より好ましくはcは約50未満であり;
wは、約200を超える整数であり、好ましくは約250を超え、より好ましくは約300を超え、かつ好ましくは約700未満であり、より好ましくは約500未満であり;
-は、有機又は無機アニオン(例えば、上述の構造における2A-は、ラウレート及びアセテート(1:1のモル比)であってよい)。
【0036】
好ましくは、xは0.6を超える。
【0037】
その他のより好ましい実施形態は、以下の構造(XIII)であり、
【0038】
【化7】

式中、Rは以下の基から選択される:
【0039】
【化8】

式中:
x、y及びzは、それぞれの構成成分のモル分率を示し、x+y+z=1であり;
a+bは、約2〜約20の整数であり;
cは、約0〜約200の整数であり;
wは、約200〜約2000の整数であり、好ましくは約200〜約800、より好ましくは約250〜約600であって;
-は、有機又は無機アニオンである。
【0040】
好ましくは、xは0.6を超える。
【0041】
グラフト化シリコーンコポリオール
本発明の組成物は、グラフト化シリコーンコポリオールを含む。このグラフト化シリコーンコポリオールは、四級化シリコーンポリマーの粘度を減少させることで四級化シリコーンポリマーの分散性を改善し、水性コンディショナーマトリックスにおける四級化シリコーンポリマーを安定化させることもできると考えられる。また、このように分散性が改善されることで、本発明の組成物は、べたつき感の減少を伴った摩擦の減少及び/又は損傷からの保護などの、より優れた乾燥コンディショニング効果をもたらすことができると考えられる。驚くべきことに、四級化シリコーンポリマーと、グラフト化シリコーンコポリオールと、ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を含むカチオン性界面活性剤系とを組み合わせることで、類似の組み合わせと比較して、改善した摩擦減少効果が提供されることが分かった。このような類似の組み合わせとしては、例えば、グラフト化シリコーンコポリオールが、末端保護されたシリコーンコポリオールで置換されている組み合わせ、及びカチオン性界面活性剤系が、ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を実質的に含まないその他の組み合わせである。
【0042】
グラフト化シリコーンコポリオールは、グラフト化シリコーンコポリオールと四級化シリコーンコポリマーとの混合物に対して、グラフト化シリコーンコポリールが、約1重量%〜約50重量%、好ましくは約5重量%〜約40重量%、より好ましくは約10重量%〜30重量%の範囲内にあるような濃度で組成物中に含有される。
【0043】
本明細書で有用なグラフト化シリコーンコポリオールは、ジメチコン骨格のようなシリコーン骨格、並びに、ポリエチレンオキシド及び/又はポリプロピレンオキシド置換体のようなポリオキシアルキレン置換体を有するものである。本明細書で有用なグラフト化シリコーンコポリオールは、好ましくは約5〜約17、より好ましくは約8〜約17、更により好ましくは約8〜約12のHLB値を有する。同じINCI名を有するグラフト化シリコーンコポリオールは、シリコーン部分の分子量及びポリエチレンオキシド又は/及びポリプロピレンオキシド置換体の数に応じて、様々な重量比を有する。
【0044】
非常に好ましい市販のグラフト化ジメチコンコポリオールとしては、例えば、約9〜約12のHLB値を有し、GE社から入手可能な商標名シルソフト(Silsoft)430(INCI名:「PEG/PPG−20/23ジメチコン」)を有するもの;約13〜約17のHLB値を有し、商標名シルソフト(Silsoft)475(INCI名:「PEG23/PPG−6ジメチコン」)を有するもの;約13〜約17のHLB値を有し、商標名シルソフト(Silsoft)880(INCI名:「PEG−12ジメチコン」)を有するもの;約9〜約12のHLB値を有し、商標名シルソフト(Silsoft)440(INCI名:「PEG−20/PPG−23ジメチコン」)を有するもの;ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能な商標名DC5330(INCI名:「PEG−15/PPG−15ジメチコン」)を有するものが挙げられる。これらの中で非常に好ましいのは、約9〜約12のHLB値を有し、GEシリコーン(GE Silicone)社から入手可能な商標名シルソフト(Silsoft)430(INCI名:「PEG/PPG−20/23ジメチコン」)を有するものである。
【0045】
上記の四級化シリコーンポリマー及びグラフト化シリコーンコポリオールは、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物によって形成されるゲルマトリックス中に混和される前に、好ましくは混合され、乳化剤によって乳化される。この予備混合物は、四級化シリコーンポリマー及びグラフト化シリコーンコポリオールの挙動を改善することが可能であり、例えば、安定性を増加させ、粘度を減少させて、他の構成成分とともにより均質化された処方を形成すると考えられる。このような乳化剤は、組成物の、好ましくは0.001重量%〜1.5重量%、より好ましくは0.005重量%〜1.0重量%、更により好ましくは0.01重量%〜0.5重量%の濃度で使用されることができる。このような界面活性剤は、好ましくは非イオン性であり、好ましくは約2〜約15、より好ましくは約3〜約14、更により好ましくは約3〜約10のHLB値を有する。非常に好ましい乳化界面活性剤の市販例には、日光ケミカルズ株式会社(NIKKO Chemicals Co., Ltd.)から商標名ニッコール(NIKKOL)BT−3で供給され、約8のHLB値を有するC12〜C14パレス−3というINCI名の非イオン性界面活性剤がある。
【0046】
カチオン性界面活性剤
本発明の組成物は、ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を含むカチオン性界面活性剤系を含む。カチオン性界面活性剤系は、1つのカチオン性界面活性剤、又は2つ以上のカチオン性界面活性剤の混合物であってよい。好ましくは、カチオン性界面活性剤系は、ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤とモノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤との混合物である。カチオン性界面活性剤系は、簡単に濯げる感じ、レオロジー及び湿潤コンディショニング効果のバランスという観点から、約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約8重量%、より好ましくは約0.8重量%〜約5重量%、更により好ましくは約1.0重量%〜約4重量%の濃度で組成物中に包含される。
【0047】
ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤
本発明のカチオン性界面活性剤系は、ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を含む。ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤と比較して、簡単に濯げる感じをもたらすことができると考えられる。
【0048】
本明細書で有用なジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、5〜30個の炭素原子を有する2つの長アルキル鎖を有するものである。このようなジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤としては、例えば、ジアルキル(14〜18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジヒドロ添加タローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、及びジセチルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。このようなジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤としては、例えば、不斉ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤も含まれる。
【0049】
様々なジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤の中で、不斉ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤が好ましい。不斉ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、対称性ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤と比較して、簡単に濯げる感じをもたらすことができると考えられる。本明細書で有用な不斉ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤には、式(I)を有するものがある:
【0050】
【化9】

式中、R71は、12〜30個の炭素原子のアルキル基、又は、約30個までの炭素原子を有する、芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、R72は、5〜12の炭素原子のアルキル基、又は、約12個までの炭素原子を有する、芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、R73及びR74は、独立して、1〜約4個の炭素原子のアルキル基、又は約4個までの炭素原子を有する、芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、及びX-は、ハロゲンラジカル、酢酸ラジカル、クエン酸ラジカル、乳酸ラジカル、グリコール酸ラジカル、リン酸ラジカル、硝酸ラジカル、スルホン酸ラジカル、硫酸ラジカル、アルキル硫酸ラジカル、及びアルキルスルホン酸ラジカルから選択されるような塩形成アニオンである。アルキル基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル結合、及びアミノ基などのその他の基を含有することが可能である。より長鎖のアルキル基、例えば、炭素数が約12以上のものは、飽和若しくは不飽和、及び/又は直鎖若しくは分枝状であり得る。好ましくは、R71は、12〜30個の炭素原子、好ましくは16〜22個の炭素原子、より好ましくは18〜22個の炭素原子、更により好ましくは18個の炭素原子の非官能化アルキル基から選択され、R72は、5〜12個の炭素原子、より好ましくは6〜10個の炭素原子、更により好ましくは8個の炭素原子の非官能化アルキル基から選択され、R73及びR74は、独立して、CH3、C25、C24OH、及びこれらの混合物から選択され、Xは、Cl、Br、CH3OSO3、C25OSO3、及びこれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、R71は、直鎖の飽和非官能化アルキル基であり、R72は、分枝状の飽和非官能化アルキル基である。更により好ましくは、R72の分枝状基は、1〜4個の炭素原子、更により好ましくは2個の炭素原子の直鎖の飽和アルキル基である。
【0051】
好ましい不斉ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、例えば、商品名「アルクアッド(Arquad)HTL8−MS」としてアクゾ・ノベル(Akzo Nobel)社から入手可能なステアリルエチルヘキシルジモニウムメトサルフェートが挙げられ、次の構造を有する:
【0052】
【化10】

【0053】
モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤
本発明の組成物は、上記のジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤と組み合わせて、モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を含有するのが好ましい。モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、簡単に濯げる感じと湿潤コンディショニング効果との間のバランスの観点から、カチオン性界面活性剤系におけるモノアルキル四級化アンモニウム塩が、好ましくは約50重量%〜約90重量%、より好ましくは約55重量%〜約70重量%の範囲内にあるような濃度で組成物中に包含されることができる。高濃度のジアルキル四級化アンモニウム塩を使用することで、ぬるぬるした感じの減少のような湿潤コンディショニング効果の減少がもたらされる傾向がある一方、低濃度のジアルキル四級化アンモニウム塩を使用することで、簡単に濯げる感じの減少がもたらされる傾向がある。このような場合、ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、好ましくは不斉ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤であり、カチオン性界面活性剤系におけるジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤が、好ましくは約10重量%〜約50重量%、より好ましくは約30重量%〜約45重量%の範囲内であるような濃度で使用される。上記の特定の比率で、モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤と組み合わせて、不斉ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を使用することで、乾燥摩擦の減少がもたらされ得ると考えられる。
【0054】
本明細書で有用なモノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、バランスの取れた湿潤コンディショニング効果をもたらす観点から、12〜22個の炭素原子、好ましくは16〜22個の炭素原子、より好ましくはC18〜22アルキル基を有する1つの長アルキル鎖を有するものである。窒素に結合している残りの基は、独立して、1〜約4個の炭素原子のアルキル基、又は約4個までの炭素原子を有するアルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、又はアルキルアリール基から選択される。このようなモノアルキルカチオン性界面活性剤としては、例えば、モノアルキル四級アンモニウム塩及びモノアルキルアミンが挙げられる。モノアルキル四級アンモニウム塩としては、例えば、非官能化長アルキル鎖を有するもの、及び官能化された長アルキル鎖を有するものであって、例えばエステル結合を有するものが挙げられる。モノアルキルアミンとしては、例えば、モノアルキルアミドアミン及びそれらの塩が挙げられる。
【0055】
より長いアルキル基を有するモノアルキルカチオン性界面活性剤は、毛髪への付着が改善され、したがって、より短いアルキル基を有するカチオン性界面活性剤と比較して、改善されたコンディショニング効果、例えば、乾いた毛髪に改善された柔らかさをもたらすことができると考えられる。このようなカチオン性界面活性剤は、より短いアルキル基を有するカチオン性界面活性剤と比較して、軽減した刺激をもたらすことができるとも考えられる。
【0056】
また、アルキル硫酸塩、例えば、メトサルフェート及びエトサルフェートを塩形成アニオンとして使用することにより、他の塩形成アニオンと比較して、より良好なコンディショニング効果、特に湿潤コンディショニング効果がもたらされることが可能であり得るとも考えられる。
【0057】
本明細書で有用なモノ−長アルキル四級化アンモニウム塩は、次の式(II)で表されるようなものであり:
【0058】
【化11】

式中、R75、R76、R77、及びR78のうちの1つは、12〜30個の炭素原子のアルキル基、又は約30個までの炭素原子を有する、芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、残りのR75、R76、R77、及びR78は、独立して、1〜約4個の炭素原子のアルキル基、又は約4個までの炭素原子を有する、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、X-は、ハロゲンラジカル、(例えば、塩素、臭素)、酢酸ラジカル、クエン酸ラジカル、乳酸ラジカル、グリコール酸ラジカル、リン酸ラジカル、硝酸ラジカル、スルホン酸ラジカル、硫酸ラジカル、アルキル硫酸ラジカル、及びアルキルスルホン酸ラジカルから選択されるような塩形成アニオンである。アルキル基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル及び/又はエステル結合、及びアミノ基のような他の基を含有することができる。より長鎖のアルキル基、例えば、約12個以上の炭素原子であるものは、飽和又は不飽和であることができる。好ましくは、R75、R76、R77、及びR78のうちの1つは、12〜30個の炭素原子、より好ましくは16〜22個の炭素原子、更により好ましくは18〜22個の炭素原子、更により好ましくは、22個の炭素原子のアルキル基から選択され、残りのR75、R76、R77、及びR78は独立して、CH3、C25、C24OH、及びこれらの混合物から選択され、Xは、Cl、Br、CH3OSO3、C25OSO3、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0059】
このようなモノ−長アルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩;ステアリルトリメチルアンモニウム塩;セチルトリメチルアンモニウム塩;及び水素添加タローアルキルトリメチルアンモニウム塩が挙げられる。
【0060】
モノ−アルキルアミンはまた、カチオン性界面活性剤としても好適である。第一級、第二級及び第三級脂肪族アミンが有用である。特に有用なものは、約12〜約22個の炭素のアルキル基を有する第三級アミドアミンである。代表的な第三級アミドアミンには、ステアルアミドプロピルジメチルアミン、ステアルアミドプロピルジエチルアミン、ステアルアミドエチルジエチルアミン、ステアルアミドエチルジメチルアミン、パルミトアミドプロピルジメチルアミン、パルミトアミドプロピルジエチルアミン、パルミトアミドエチルジエチルアミン、パルミトアミドエチルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミン、ジエチルアミノエチルステアルアミドが挙げられる。本発明において有用なアミンは、米国特許第4,275,055号(ナハティガル(Nachtigal)ら)で開示されている。これらのアミンは、L−グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、L−グルタミン酸塩酸塩、マレイン酸及びこれらの混合物、より好ましくはL−グルタミン酸、乳酸、クエン酸のような酸と組み合わせても使用できる。本明細書のアミンは、好ましくは、いかなる酸によっても、アミンと酸のモル比が約1:0.3〜約1:2、より好ましくは約1:0.4〜約1:1で部分的に中和される。
【0061】
高融点脂肪族化合物
本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有し、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。当業者には、本明細書の本項に開示されている化合物が、場合によっては2つ以上の分類に属することができる(例えば、いくつかの脂肪族アルコール誘導体を脂肪酸誘導体として分類することもできる)ことが理解される。しかしながら、既定の分類は、その特定の化合物に対する制限であることを意図しておらず、分類及び命名法の便宜上そのようにしている。更に、当業者は、二重結合の数と位置、及び分枝の長さと位置によっては、特定の所要炭素原子を有する特定の化合物の融点が25℃未満である場合があることも理解するべきである。そのような低融点の化合物は、この項に含まれないものとする。高融点化合物の非限定的な例は、国際化粧品成分辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)第5版(1993年)、及びCTFA化粧品成分ハンドブック(Cosmetic Ingredient Handbook)第2版(1992年)に記載されている。
【0062】
様々な高融点脂肪族化合物のうち、脂肪族アルコールを、本発明の組成物では好ましく使用する。本明細書で有用な脂肪族アルコールは、約14〜約30個の炭素原子、好ましくは約16〜約22個の炭素原子であるものである。これらの脂肪族アルコールは飽和され、直鎖又は分枝鎖アルコールであり得る。好ましい脂肪族アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及び、これらの混合物が挙げられる。
【0063】
高純度の単一化合物の高融点脂肪族化合物が好ましい。純粋なセチルアルコール、ステアリルアルコール、及び、ベヘニルアルコールの群から選択した純粋な脂肪族アルコールの単一化合物が極めて好ましい。本明細書では、「純粋」とは、化合物の純度が少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%であることを意味する。高純度のこれら単一化合物は、消費者が前記組成物をすすぎ落とすときに、毛髪からの優れた濯ぎやすさをもたらす。
【0064】
高融点脂肪族化合物は、改善されたコンディショニング効果、例えば、濡れた毛髪へ塗布している間のぬるぬるした感じ、並びに乾いた毛髪での柔らかさ及びしっとり感をもたらす観点から、組成物の約1重量%〜約20重量%、好ましくは約3重量%〜約10重量%、より好ましくは約4重量%〜約8重量%の濃度で組成物中に包含されている。
【0065】
ゲルマトリックス
本発明の組成物にはゲルマトリックスが含まれている。前記ゲルマトリックスは、カチオン性界面活性剤、高融点脂肪族化合物、及び、水性キャリアから構成されている。
【0066】
前記ゲルマトリックスは、様々なコンディショニング効果、例えば、濡れた毛髪へ塗布している間のぬるぬるした感じ、並びに乾いた毛髪での柔らかさ及びしっとり感をもたらすのに適している。前記ゲルマトリックスをもたらすという観点から、カチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物は、カチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物との重量比が好ましくは約1:1〜約1:10、より好ましくは約1:1〜約1:6の範囲内になるような濃度で含有される。
【0067】
ゲルマトリックスを形成させるには、次の方法によって組成物を調製するのが好ましい。
【0068】
水を、典型的には、少なくとも約70℃、好ましくは約80℃〜約90℃まで加熱する。カチオン性界面活性剤及び前記高融点脂肪族化合物を水と混ぜ合わせて、混合物を形成させる。この混合物の温度を、好ましくは、カチオン性界面活性剤の融解温度及び高融点脂肪族化合物の融解温度の双方よりも高い温度に維持し、混合物全体を均質化させる。固形分が観察されなくなるまで混合した後、混合物を徐々に(例えば、約1℃/分〜約5℃/分の速度で)、60℃より低い温度まで、好ましくは約55℃より低い温度まで冷却する。この徐々に冷却するプロセスの間、約55℃〜約75℃の間で、粘度の顕著な増大が観察される。これが、ゲルマトリックスの形成を示している。高分子量水溶性カチオン性ポリマーを混合物に攪拌しながら約55℃で、又は、冷却の前に、添加することができる。次に、追加成分をゲルマトリックスと混ぜ合わせて、室温まで冷却する。
【0069】
本発明の組成物には、ゲルマトリックスが、ヘアケア組成物の約60重量%〜約99重量%、好ましくは約70重量%〜約95重量%、及び、より好ましくは約80重量%〜約95重量%含まれているのが好ましく、ゲルマトリックスには、シリコーンのような任意成分を添加することができる。上記量のゲルマトリックスを含有する組成物は、典型的には、1分間の持続時間、0.1s−1〜1100s−1のせん断速度のもと、TAAR1000レオメーターによって、26.7℃で測定されるものとして、950s−1において、約40Pa〜約600Pa、好ましくは約50Pa〜約500Pa、及びより好ましくは約70Pa〜約400Paのレオロジーによって特徴付けられる。本発明の組成物は増粘ポリマーを含有することができるが、本発明の組成物は、いずれの増粘ポリマーが存在しても上記のレオロジーを有することができる。
【0070】
水性キャリア
本発明のコンディショニング組成物は水性キャリアを含む。このキャリアの濃度と種は、他の構成成分との適合性、及び当該製品の他の所望の特性に応じて選択される。
【0071】
本発明で有用な前記キャリアには、水、並びに低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液が挙げられる。本明細書で有用な低級アルキルアルコールは、1〜6個の炭素の1価アルコール、より好ましくはエタノール及びイソプロパノールである。本発明で有用な多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
【0072】
好ましくは、水性キャリアは実質的に水である。脱イオン水が好ましくは使用される。ミネラルカチオンを包含する天然供給源からの水もまた、製品の所望の特性に応じて使用することができる。一般的に、本発明の組成物は、水を約20%〜約99%、好ましくは約30%〜約95%、より好ましくは約80%〜約95%含む。
【0073】
シリコーンコポリマーエマルション
本発明の組成物は、清浄感を提供するという観点から、約100×106mm2/sを超える内相粘度を有するシリコーンコポリマーエマルションも含む。また、このシリコーンコポリマーエマルションは毛髪にボリューム/厚みをもたらすことができると考えられる。更に、上記の四級化シリコーンポリマー及びグラフト化シリコーンコポリオールと一緒に使用される際、このシリコーンコポリマーエマルションは、毛髪上にフィルムを形成することが可能であり、それによって清浄感が向上すると考えられる。また、上記の四級化シリコーンポリマー及びグラフト化シリコーンコポリオールと一緒に使用される際、毛髪上にフィルムを形成することで、このシリコーンコポリマーエマルションは、更に毛髪にボリューム/厚みを提供すると考えられる。シリコーンコポリマーエマルションは、組成物の約0.1重量%〜約15重量%の量で存在し、好ましくは約0.3重量%〜約10重量%、及びより好ましくは約0.5重量%〜約5重量%の量で存在する。包含される際には、シリコーンコポリマーエマルションは、四級化シリコーンポリマー及びグラフト化シリコーンコポリオールとの混合物の約10重量%〜約300重量%、より好ましくは約20重量%〜約200重量%、更により好ましくは約40重量%〜約400重量%となるような濃度で存在するのも好ましい。
【0074】
シリコーンコポリマーエマルションは、25℃において、約100×106mm2/sを超える粘度、好ましくは約120×106mm2/sを超える粘度、より好ましくは約150×106mm2/sを超える粘度を有する。シリコーンコポリマーエマルションは、25℃において、好ましくは約1000×106mm2/s未満の粘度、より好ましくは約500×106mm2/s未満の粘度、更により好ましくは約300×106mm2/s未満の粘度を有する。シリコーンコポリマーエマルションの内相粘度を測定するには、初めにエマルションからポリマーを切断しなければならない。一例として、以下の手順を使用して、エマルションからポリマーを切断することができる:1)10グラムのエマルション試料を15ミリリットルのイソプロピルアルコールに加える;2)スパチュラを用いて十分に混合する;3)イソプロピルアルコールをデカントする;4)10ミリリットルのアセトンを加え、スパチュラを用いてポリマーを混練(knead)する;5)アセトンをデカントする;6)ポリマーをアルミニウム容器に入れ、ペーパータオルで平らにする/拭く;7)80℃で2時間乾燥させる。ポリマーを、その後、動的剪断モードで動作する、例えば、キャリメド(CarriMed)、ハーケ(Haake)、又はモンサント(Monsanto)レオメーターなど、既知のいずれかのレオメーターを使用して試験することができる。内相粘度値は、9.900×10-3Hzの周波数点における動的粘度(n’)を記録することによって得ることができる。エマルションの平均粒径は、好ましくは約1マイクロメートル未満、より好ましくは約0.7マイクロメートル未満である。
【0075】
本発明のシリコーンコポリマーエマルションは、シリコーンコポリマー、少なくとも1つの界面活性剤、及び水を含む。
【0076】
シリコーンコポリマーは、金属含有触媒の存在下で、次の2つの材料の付加反応の結果として生じる:
(a)式(III)で示される、両末端に反応性基を有するポリシロキサン:
【0077】
【化12】

式中、
5は、例えば、水素原子、エチレン性不飽和部を有する脂肪族基(すなわち、ビニル、アリル、又はヘキセニル)、ヒドロキシル基、アルコキシル基(すなわち、メトキシ、エトキシ、又はプロポキシ)、アセトキシル基、又はアミノ若しくはアルキルアミノ基などの、鎖付加反応により反応可能な基であり;好ましくは、R5は、水素原子、又はエチレン性不飽和部を有する脂肪族基であり;より好ましくは、R5は水素であり;
6は、アルキル、シクロアルキル、アリール、又はシクロアリールであって、エーテル、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、チオール、エステル(thiols esters)、スルホネートなどの追加的な官能基を含んでもよく;好ましくは、R6はメチルである。任意で、官能基のうち少量のモル百分率が、R5について上に記載したような反応性基であってもよく、これにより、ほぼ直鎖状であるが少量の分岐を有するポリマーを生成してもよい。この場合、好ましくは、R5基と同等のR6基の濃度は、モル百分率基準で、約10%未満であり、より好ましくは約2%未満であり;
nは、式(III)のポリシロキサンが約1mm2/s〜約1×106mm2/sの粘度を有するような整数である;
並びに、
(b)式(III)のポリシロキサンのR5基と反応可能な少なくとも1つ若しくは多くとも2つの基を含む、少なくとも1つのシリコーン化合物又は非シリコーン化合物(好ましくは、反応性基はエチレン性不飽和部を有する脂肪族基である)。
【0078】
前述の反応で使用される金属含有触媒は、しばしば、特定の反応に特有である。そのような触媒は、当該技術分野において既知である。一般に、それらは、白金、ロジウム、スズ、チタン、銅、鉛などの金属を含有する物質である。
【0079】
エマルションを形成するために使用される混合物は、少なくとも1つの界面活性剤も含有する。これには、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、アルキル多糖類、両性界面活性剤などが挙げられる。以上の界面活性剤を、個々に、又は組み合わせて使用することができる。
【0080】
本明細書に記載のシリコーンコポリマーエマルションを製造する代表的な方法は、1)前述の材料(a)と前述の材料(b)とを混合し、続いて、材料(b)が金属含有触媒の存在下で材料(a)と反応できるように、適切な金属含有触媒を混ぜ入れる工程と;2)更に少なくとも1つの界面活性剤及び水を混ぜ入れる工程と;3)混合物を乳化させる工程と、を含む。このようなシリコーンコポリマーエマルションの製造は、米国特許第6,013,682号、国際公開第01/58986(A1)号、及び欧州特許出願第0874017(A2)号に開示される。
【0081】
市販のシリコーンコポリマーエマルションの非常に好ましい例としては、ダウ・コーニング(Dow Corning)社から商標名HMW2220で入手可能な、最小値が120×106mm2/sである内相粘度を有する約60〜70%のジビニルジメチコン/ジメチコンコポリマーがある。
【0082】
追加の構成成分
本発明の組成物は他の追加的な構成成分を含んでもよく、それは最終的な製品の所望の特性によって当業者により選択されてもよく、それは組成物をより美容的又は審美的に許容可能なものにしたり、付加的な使用による利益を組成物に提供するのに好適なものである。このような他の追加成分は一般に、組成物の約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約5重量%までの濃度で個々に用いる。
【0083】
他の多種多様な追加構成成分(複数)を本発明の組成物に配合可能である。これらには、次のものが挙げられる:25℃未満の融点を有する低融点油であって、例えば、オレイルアルコールなどの不飽和脂肪族アルコール、及びペンタエリスリトールエステル油などのエステル油を包含するもの;カチオン性コンディショニングポリマーであって、例えば、カチオン性セルロース及びカチオン性グアーガムを包含するもの;ポリエチレングリコール;その他のコンディショニング剤、例えば、商品名ペプテイン(Peptein)2000としてホーメル(Hormel)から入手可能な加水分解コラーゲン、商品名Eミックス−d(Emix-d)としてエーザイ(Eisai)から入手可能なビタミンE、ロシュ(Roche)から入手可能なパンテノール、ロシュ(Roche)から入手可能なパンテニルエチルエーテル、加水分解ケラチン、タンパク質、植物抽出物、及び栄養素;防腐剤、例えば、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びイミダゾリジニル尿素;pH調整剤、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム;塩、一般には、例えば、酢酸カリウム、及び塩化ナトリウム;着色剤、例えば、FD&C又はD&C色素のうちいずれか;香料;及び金属イオン封鎖剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム;紫外線スクリーニング剤及び吸収剤並びに赤外線スクリーニング剤及び吸収剤、例えば、サリチル酸オクチル;並びにフケ止め剤、例えば、ジンクピリチオン、及びサリチル酸。
【0084】
製品形態
ヘアケア組成物を配合して様々な製品形態にすることができ、それには例えばシャンプー、コンディショナー(リンスオフ及びリーブオンの双方)、スタイリング製品などが挙げられる。1つの実施形態では、ヘアケア組成物はヘアコンディショナーのみを含み、シャンプー又はスタイリング製品は含まれない。
【0085】
本発明のコンディショニング組成物は、リンスオフ製品又はリーブオン製品の形態であることができ、またクリーム、ジェル、エマルション、ムース、及びスプレーを包含するが、これらに制限されない、多種多様な製品形態で配合されることができる。
【0086】
本発明のコンディショニング組成物は、リンスオフヘアーコンディショナーに特に適している。このような組成物は、好ましくは下記の工程で使用する。
(i)毛髪をシャンプーした後、毛髪をコンディショニングするための有効量のコンディショニング組成物を毛髪に塗布する工程、
(ii)その後、前記毛髪を濯ぐ工程。
【実施例】
【0087】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明及び実証する。これら実施例は、説明の目的のためのみに提示するものであって、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの変更が可能であるので、本発明を限定するものと解釈すべきではない。成分は、適用可能な場合は、化学名又はCTFA名称で識別し、そうでない場合には以下で定義する。
【0088】
【表1】

【0089】
構成成分の定義
*1 四級化シリコーンポリマー−1:構造(XII)を有し、x=0.8、y=0.1、z=0.1、a+b=6、c=39、及びw=350である、希釈無し
*2 四級化シリコーンポリマー−2:構造(XIII)を有し、x=0.8、y+z=0.2、a+b=6、c=39、及びw=350である、希釈無し
*3 非イオン性界面活性剤:日光ケミカルズ株式会社(NIKKO Chemical)から入手可能なニッコール(NIKKOL)BT−3
*4 シリコーンコポリオール−1:GEシリコーン(GE Silicone)社から入手可能なシルソフト(Silsoft)430
*5 シリコーンコポリオール−2:GEシリコーン(GE Silicone)社から入手可能なシルソフト(Silsoft)880
*6 シリコーンコポリマーエマルション−1:ダウ・コーニング(Dow Corning)社から商標名HMW2220で入手可能な、最小値が120×106mm2/sである内相粘度を有する約60〜70%のジビニルジメチコン/ジメチコンコポリマー
*7 ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド−1:アクゾ・ノベル(Akzo Nobel)社から商標名アルクアッド(Arquad)HTL8−MSで入手可能な水素添加タローアルキル(2−エチルヘキシル)ジメチル四級アンモニウムメトサルフェートの84%水性混合物
*8 ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド−2:ゴールドシュミット(Goldschmidt)社から入手可能なジステアリルジメチルアンモニウムクロリド
【0090】
調製方法
上記で示したように、「実施例1」〜「実施例9」のコンディショニング組成物は、当該技術分野において周知のあらゆる従来の方法によって調製することができる。これらは、次のようにして好適に調製される:
カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物を、攪拌しながら水に添加して、約80℃に加熱する。混合物を約55℃まで冷却する。四級化シリコーンポリマー、シリコーンコポリオール、及び包含されるのであれば非イオン性界面活性剤を混合し、シリコーン予備混合物を形成する。このシリコーン予備混合物を攪拌しながら、上記のカチオン性界面活性剤、高融点脂肪族化合物の混合物及び水の混合物に添加する。包含される場合、香料及び防腐剤のような他の構成成分を攪拌しながら混合物に添加する。次に、混合物を室温まで冷却する。
【0091】
実施例1〜9は、本発明のヘアコンディショニング組成物であって、リンスオフ用途において特に有用である。前述の「実施例1」〜「実施例9」に開示及び示された実施形態は多くの利点を有する。例えば、これらは、ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を使用したコンディショニング組成物における、滑らかな感触及び摩擦の減少などの改善されたコンディショニング効果をもたらす。更にそれらは、かかる改善されたコンディショニング効果をもたらしつつ、清浄感、及び/又はべたつき/重たい感じの減少をもたらす。
【0092】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図している。例えば、「40mm」として開示した寸法は、「約40mm」を意味することを意図したものである。
【0093】
任意の相互参照又は関連特許若しくは関連出願を包含する本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、本明細書中に参照により全てが組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は請求される任意の発明に対する従来技術であるか、又は単一若しくは他の参照と組み合わせて、任意のかかる発明を参照、教示、提案又は開示すると見なすべきではない。更には、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0094】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアコンディショニング組成物であって、
(a)約200を超えるシロキサン単位を有するシリコーンブロックを含む、約0.1重量%〜約15重量%の、四級基を含有するシリコーンポリマーと、
(b)四級化シリコーンポリマーとの混合物におけるグラフト化シリコーンコポリオールが、約1重量%〜約50重量%の範囲内にあるような濃度であるグラフト化シリコーンコポリオールと、
(c)該組成物の約0.1重量%〜約10重量%の、ジアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を含むカチオン性界面活性剤系と、
(d)該組成物の約1重量%〜約20重量%の高融点脂肪族化合物と、
(e)水性キャリアと、を含む組成物。
【請求項2】
前記四級化シリコーンポリマーが以下の式に相当し:
1−B−(A2−B)m−A1
式中、
Bが、約200を超えるシロキサン単位を有するシリコーンブロックであって、
2が、四級窒素基を含有する非シリコーンブロックであって、
1が末端基であって、
mが、0以上の整数であって、かつ
式中、mが2以上である際、それぞれのA2は独立して同一であっても異なっていてもよい、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項3】
前記四級化シリコーンポリマーが以下の構造(XIII)を有し
【化1】

式中、Rは以下の基から選択され:
【化2】

式中:
x、y及びzが、それぞれの構成成分のモル分率を示し、xが0.6を超え、x+y+z=1であり、
a+bが、約2〜約20の整数であり、
cが、約0〜約200の整数であり、
wが、約200〜約2000の整数であって、
-が、有機又は無機アニオンである、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項4】
前記グラフト化シリコーンコポリオールが、約5〜約17のHLB値を有する、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項5】
前記四級化シリコーンポリマーとの混合物における前記グラフト化シリコーンコポリオールが、約5重量%〜約40重量%の範囲内にある、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項6】
前記四級化シリコーンポリマーとの混合物における前記グラフト化シリコーンコポリオールが、約10重量%〜約30重量%の範囲内にある、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項7】
非イオン性界面活性剤を更に含み、前記カチオン性界面活性剤及び前記高融点脂肪族化合物によって形成されたゲルマトリックスに混和される前に、前記四級化シリコーンポリマー、前記グラフト化シリコーンコポリオール、及び前記非イオン性界面活性剤が混合される、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項8】
前記ジアルキルアンモニウム塩カチオン性界面活性剤が、以下の式を有する不斉ジアルキルアンモニウム塩カチオン性界面活性剤であって:
【化3】

式中、R71が、12〜30個の炭素原子のアルキル基、又は、約30個までの炭素原子を有する、芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、R72が、5〜12個の炭素原子のアルキル基、又は、約12個までの炭素原子を有する、芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、R73及びR74が、独立して、1〜約4個の炭素原子のアルキル基、又は約4個までの炭素原子を有する、芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択され、かつX-が、ハロゲンラジカル、酢酸ラジカル、クエン酸ラジカル、乳酸ラジカル、グリコール酸ラジカル、リン酸ラジカル、硝酸ラジカル、スルホン酸ラジカル、硫酸ラジカル、アルキル硫酸ラジカル、及びアルキルスルホン酸ラジカルから選択されるような塩形成アニオンである、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項9】
71が、12〜30個の炭素原子の非官能化直鎖アルキル基から選択され、R72が、6〜10個の炭素原子の非官能化分枝状アルキル基から選択される、請求項8に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項10】
前記カチオン性界面活性剤系が、該カチオン性界面活性剤系におけるモノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤が約50重量%〜約90重量%の範囲内であるような濃度で、前記モノアルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を更に含む、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項11】
約100×106mm2/sを超える内相粘度を有する、約0.1%〜約15%のシリコーンコポリマーエマルションを更に含有する、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項12】
前記組成物が、アニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを実質的に含まない、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。

【公表番号】特表2010−524918(P2010−524918A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503661(P2010−503661)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際出願番号】PCT/IB2008/052025
【国際公開番号】WO2008/142659
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】