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四重極型質量分析装置
説明

四重極型質量分析装置

【課題】四重極電場を理想状態に近付けるべく四重極マスフィルタの各電極に小振幅交流電圧±acosω2tを印加する四重極型質量分析装置において、その交流電圧の直流電圧生成部への干渉を防止してその出力電圧の安定化を図る。
【解決手段】四重極駆動部において、電圧重畳部141と直流正電圧生成部111との間の信号経路上に交流電圧acosω2tを双方向に減衰させるフィルタ151を設ける。また、フィルタ151と直流正電圧生成部111との間に、振幅位相調整回路161で振幅減衰、位相調整を行って生成した電圧±a'cos(ω2t+Δ)を加算する。この加算された電圧と、電圧重畳部141、フィルタ151を経た電圧成分とはちょうど位相が180°ずれただけの同電圧であり、両者は打ち消し合う。これにより、小振幅交流電圧の漏れ込みによる直流正電圧生成部111への干渉を軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、質量分析器として四重極マスフィルタを用いた四重極型質量分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
質量分析器として四重極マスフィルタを用いた四重極型質量分析装置は、小型で比較的安価であることから最も広く利用されている質量分析装置の一つである。
【0003】
図4に示すように、一般に、四重極マスフィルタ3はイオン光軸Cを取り囲むように互いに平行に配置された4本のロッド電極31、32、33、34からなり、各ロッド電極31〜34には直流電圧±Uと高周波電圧±Vcosω1tとが重畳された電圧±(U+Vcosω1t)が印加される。各ロッド電極31〜34に印加された電圧により、4本のロッド電極31〜34で囲まれた空間には四重極電場が形成され、イオン光軸C方向に該空間に導入されたイオンは四重極電場によって振動しながら進行し、特定の質量電荷比m/zを有するイオンのみが該電場を通過する。したがって、四重極型質量分析装置では、四重極マスフィルタ3の各ロッド電極31〜34に印加する直流電圧の電圧値U及び高周波電圧の振幅値Vを一定の関係を保ちつつ走査することにより、四重極マスフィルタ3を通過するイオンの質量電荷比を所定範囲で走査し、所定の質量電荷比範囲に亘るイオンの信号強度、つまりマススペクトルデータを収集することができる。
【0004】
原理的には、各ロッド電極31〜34のイオン光軸Cに向いた面は断面双曲線形状であることが理想的である。しかしながら、ロッド電極面を精度よく双曲面に加工することは難しくコストも掛かるため、単純な円筒(又は円柱)形状のロッド電極で代用される場合が多い。また、仮にロッド電極面が双曲面であっても4本のロッド電極31〜34の相互位置関係を理想状態とすることは難しい。このように必ずしも理想的ではない形状のロッド電極が使用された場合や組立誤差等によりロッド電極の配置が理想的でない場合には、四重極電場の電位勾配等が理想的なものとはならず、四重極電場以外の成分、具体的には高次の多重極電場成分が発現する。こうした不所望の電場成分はイオンの挙動を不安定にし、イオン選択性やイオン透過効率を低下させる要因となる。
【0005】
上記のような四重極電場の理想状態からのずれの影響を軽減するために、従来、四重極マスフィルタ3を構成する各ロッド電極31〜34に、上述した電圧±(U+Vcosω1t)のほかに、周波数が高周波電圧Vcosω1tの周波数よりも低く振幅が小さい交流電圧±acosω2tを印加する方法が知られている(特許文献1など参照)。通過させたい目的イオンの質量電荷比に応じた適切な周波数の小振幅交流電圧をロッド電極に印加すると、マシュー(Mathieu)方程式の解の安定条件に基づく安定領域図において略三角形である安定領域の中に帯状の不安定領域が形成され、これによってマススペクトル上で目的イオンのピークのテーリング部の発生を抑制することが可能となる。なお、一般的に、高周波電圧Vcosω1tの周波数は数百kHz〜1MHz程度以上であるのに対し、交流電圧acosω2tの周波数は高くても百kHz程度以下である。また、高周波電圧Vcosω1tの振幅は数百V〜数kVであるのに対し交流電圧acosω2tの振幅は数V〜十数V程度と、かなり小さい。
【0006】
上記のような四重極型質量分析装置において四重極マスフィルタを駆動する四重極駆動回路では、直流電圧生成部で生成された直流電圧、高周波電圧生成部で生成された高周波電圧、及び交流電圧生成部で生成された交流電圧を重畳(加算)する。この際、直流電圧生成部と高周波電圧生成部及び交流電圧生成部とは何らかの回路素子を介して接続されるため、高周波電圧や交流電圧が直流電圧生成部に漏れ込み、そのために出力電圧が意図する通りにならない場合がある。従来一般的には、ローパスフィルタ等により交流電圧成分や高周波電圧成分を減衰させることで上記のような漏れ込みによる干渉の影響を軽減するようにしている。
【0007】
しかしながら、分析の高精度化の要求に応えるために直流電圧の電圧値の精度を上げようとすると、上述した交流電圧の干渉の影響は無視できない。また特に、分析の高速化の要求に応えるためにスキャン測定のスキャン速度を上げようとすると、直流電圧Uの変化速度が大きくなり、直流電圧生成部に必要とされる周波数帯域が広がって交流電圧の周波数に近くなる。そのため、上述したように直流電圧生成部に漏れ込む交流電圧成分をローパスフィルタにより除去しようとしても、交流電圧の周波数において十分な減衰特性を確保することができず、交流電圧成分の除去が不十分になり、出力電圧のズレを抑えることが一層困難となる。さらにまた、上記のような交流電圧の干渉の影響を軽減するには、一般的に直流電圧生成部の出力インピーダンスを下げる必要があるが、そうすると動作電流を減らすことが難しく省電力化が困難になるという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−218251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、四重極マスフィルタを構成する電極に電圧を印加する四重極駆動回路において、スキャン速度が高速である場合でも、直流電圧生成部で生成される直流電圧に対する交流電圧成分の干渉を抑え、高精度の電圧を四重極マスフィルタに印加することができる四重極型質量分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために成された本発明は、複数の電極からなる四重極マスフィルタと、特定の質量電荷比を有するイオンを選択的に該四重極マスフィルタを通過させるために該複数の電極に対してそれぞれ電圧を印加する手段であって、質量電荷比に応じた直流電圧±Uを生成する直流電圧生成部、質量電荷比に応じた高周波電圧±Vcosω1tを生成する高周波電圧生成部、前記高周波電圧よりも周波数が低く振幅も小さい小振幅交流電圧±acosω2tを生成する交流電圧生成部、並びに、前記直流電圧±U、前記高周波電圧±Vcosω1t及び前記小振幅交流電圧±acosω2tを重畳する電圧重畳部、を含む四重極駆動手段と、を具備する四重極型質量分析装置において、
前記直流電圧生成部の電圧出力端と前記電圧重畳部との間の信号経路に、該電圧重畳部を経て前記直流電圧生成部側へと漏れ込む前記小振幅交流電圧±acosω2tと同じ周波数である交流電圧成分を相殺するように、該小振幅交流電圧±acosω2tと同じ周波数で且つ位相及び振幅がそれぞれ調整された電圧を加算する補償手段、を備えることを特徴としている。
【0011】
ここで、直流電圧±U及び高周波電圧±Vcosω1tは原理的に四重極マスフィルタを通過し得るイオンの質量電荷比を決める電圧であり、小振幅交流電圧±acosω2tはその直流電圧±U及び高周波電圧±Vcosω1tにより四重極マスフィルタの内部空間に形成される電場を補正するために印加される電圧である。
【0012】
本発明に係る四重極型質量分析装置の具体的な態様として、前記補償手段は、前記直流電圧生成部の電圧出力端と前記電圧重畳部との間に挿入された双方向ローパスフィルタと、前記交流電圧生成部から出力される小振幅交流電圧±acosω2tの振幅を減衰させるとともに位相を調整する調整手段とを含み、該調整手段により振幅及び位相が調整された交流電圧を前記双方向ローパスフィルタと前記直流電圧生成部の電圧出力端との間の信号経路に加える構成とすることができる。
【0013】
なお、前述したとおり、一般に四重極マスフィルタを構成する4本の電極の中で、イオン光軸を挟んで対向する2本の電極に印加される小振幅交流電圧と周方向にそれに隣接する他の2本の電極に印加される小振幅交流電圧とは逆極性であって、交流電圧生成部は互いに極性が逆である正転側小振幅交流電圧+acosω2tと反転側小振幅交流電圧−acosω2tとを生成し、それらはそれぞれ別の電圧重畳部により直流電圧+U、−Uに重畳される。したがって、上記補償手段も、正転側小振幅交流電圧の信号経路と反転側小振幅交流電圧の信号経路のそれぞれに設けられる。
【0014】
また、四重極駆動手段の回路構成が同一である限り、電圧重畳部を経て直流電圧生成部側へと漏れ込む交流電圧成分の振幅や位相の経時的な変化は殆どない。したがって、通常、上記調整手段における振幅の減衰量や位相の調整量は変更する必要はなく、その調整量は例えば装置の設計時点で定めることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る四重極型質量分析装置によれば、四重極駆動手段において、電圧重畳部を経て直流電圧生成部側へと漏れ込む小振幅交流電圧に起因する交流電圧成分を補償手段により打ち消し、その影響を軽減することができる。それにより、直流電圧生成部から電圧重畳部に与えられる出力直流電圧が選択目的である質量電荷比に応じた高精度の値となり、四重極マスフィルタにおいて選択されるイオンの質量精度を向上させることができる。また、スキャン測定のスキャン速度を上げることで直流電圧生成部に必要とされる周波数帯域が広がることを許容できるので、スキャン測定の高速化を図ることができる。さらにまた、直流電圧生成部の出力インピーダンスを高くすることができるので、該直流電圧生成部の動作電流を抑えることができ、省電力化にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例である四重極型質量分析装置の概略全体構成図。
【図2】本実施例の四重極型質量分析装置における四重極マスフィルタ及び四重極駆動部の要部の構成図。
【図3】本実施例の四重極型質量分析装置における交流電圧干渉の抑制動作の説明図。
【図4】一般的な四重極マスフィルタの概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施例による四重極型質量分析装置について添付図面を参照して説明する。図1は本実施例の四重極型質量分析装置の概略全体構成図、図2は図1中の四重極マスフィルタ及び四重極駆動部の要部の構成図である。
【0018】
試料中の各種成分はイオン源1においてイオン化され、イオンレンズ、イオンガイド等のイオン輸送光学系2を経て四重極マスフィルタ3に導入される。四重極マスフィルタ3を通り抜けた特定の質量電荷比m/zを持つイオンは検出器4に到達し、検出器4は到達したイオンの量に応じた検出信号を時間経過に伴って出力する。この検出信号は図示しないA/D変換部においてデジタルデータに変換されてデータ処理部5に送られ、データ処理部5は例えば或る一つの質量電荷比に対する複数の検出データを積算して信号強度データを求め、該データを利用した定量分析、定性分析等を実行する。四重極マスフィルタ3に駆動電圧を印加する四重極駆動部10は、直流(DC)電圧生成部11、高周波(RF)電圧生成部12、交流(AC)電圧生成部13、電圧重畳部14を含み、各電圧生成部11、12、13で生成される電圧の電圧値(振幅値)は制御部20により指示される。
【0019】
例えば高周波電圧生成部12は、図示しないクロック生成回路で生成された基準クロック信号CLKを適宜の分周比で分周し、この分周信号CLK2をローパスフィルタに通すことにより、矩形波信号のエッジを鈍らせた擬似正弦波信号を生成する。この擬似正弦波信号の振幅を制御部20からの指示信号に基づいたゲインで以て増幅し、電圧重畳部14(図2では141、142)を通して、さらに四重極マスフィルタ3の各ロッド電極31〜34を含む図示しないLC共振回路で共振させることにより振幅を増大させて高周波電圧Vcosω1tとして各ロッド電極31〜34に印加する。
【0020】
一方、交流電圧生成部13は高周波電圧生成部12から上記分周信号CLK2を受け取り、該分周信号CLK2をさらに所定の分周比で分周し、この分周信号をローパスフィルタに通すことにより矩形波信号のエッジを鈍らせた擬似正弦波信号を生成する。そして、この擬似正弦波信号の振幅を適宜のゲインで以て増幅し、小振幅交流電圧acosω2tとして電圧重畳部14を通して四重極マスフィルタ3の各ロッド電極31〜34に印加する。上述したように、小振幅交流電圧acosω2tの周波数ω2は高周波電圧Vcosω1tの周波数ω1に比べ十分に低く、小振幅交流電圧acosω2tの振幅aは高周波電圧Vcosω1tの振幅Vに比べて十分に小さい。
【0021】
直流電圧生成部11(図2中の直流正電圧生成部111、直流負電圧生成部112)は制御部20からの指示信号に基づいた電圧値の直流電圧を発生し、この直流電圧±Uは電圧重畳部14を通して四重極マスフィルタ3の各ロッド電極に印加される。即ち、四重極マスフィルタ3の各ロッド電極31〜34には、直流電圧±Uと高周波電圧Vcosω1tと小振幅交流電圧acosω2tとが重畳された電圧が印加される。
【0022】
図2に示すように、本実施例の四重極型質量分析装置における特徴的な構成として、直流正電圧生成部111と電圧重畳部141との間の信号経路上、及び、直流負電圧生成部112と電圧重畳部142との間の信号経路上には、それぞれ双方向ローパスフィルタ151、152が設けられている。さらに、直流正電圧生成部111と双方向ローパスフィルタ151との間の信号経路には、交流電圧生成部13から出力される負極性小振幅交流電圧−acosω2tの振幅及び位相を振幅位相調整回路161により調整した電圧が加算され、同様に、直流負電圧生成部112と双方向ローパスフィルタ152との間の信号経路には、交流電圧生成部13から出力される正極性小振幅交流電圧+acosω2tの振幅及び位相を振幅位相調整回路162により調整した電圧が加算されている。
【0023】
双方向ローパスフィルタ151、152は小振幅交流電圧±acosω2tを双方向で減衰させ、且つ、スキャン測定の際に時間経過に伴って変化する直流電圧±U(擬似的な交流信号)を減衰なしで通過させる周波数特性を有するフィルタである。一方、振幅位相調整回路161、162は、小振幅交流電圧の振幅aを例えば抵抗分割等により減衰させる回路と遅延素子などを用いて位相をシフトさせる回路とを組み合わせたものである。この双方向ローパスフィルタ151、152及び振幅位相調整回路161、162が本発明における補償手段に相当する。
【0024】
図3は上記回路による交流電圧干渉の抑制動作の説明図である。図3において、交流電圧生成部13から出力される正極性小振幅交流電圧+acosω2tは電圧重畳部141において直流電圧+Uと重畳されるが、その際に正極性小振幅交流電圧は直流電圧を供給する信号経路に漏れ込む。当然のことながら、その際に振幅は減衰し、位相もずれる。漏れ込んだ交流電圧はさらに双方向ローパスフィルタ151を通過する際に減衰するが、完全にはゼロにはならず、正極性小振幅交流電圧+acosω2tに由来する交流電圧成分a'cos(ω2t+Δ)が直流正電圧生成部111と双方向ローパスフィルタ151との間の信号経路に漏れ込む。なお、Δは電圧重畳部141と双方向ローパスフィルタ151とによる位相変化量である。
【0025】
一方、振幅位相調整回路161は、正極性小振幅交流電圧+acosω2tとは位相が180°異なる負極性小振幅交流電圧−acosω2tの振幅を減衰させ、位相をずらすことにより、交流電圧−a'cos(ω2t+Δ)を生成する。これは上記交流電圧成分a'cos(ω2t+Δ)に対しちょうど位相が180°ずれた電圧であるから、この交流電圧−a'cos(ω2t+Δ)が直流正電圧生成部111と双方向ローパスフィルタ151との間の信号経路に注入されることで、該信号経路上で両者は打ち消し合うことになる。その結果、直流正電圧生成部111に交流電圧成分a'cos(ω2t+Δ)の影響が及ぶことを防止することができる。直流負電圧生成部112についても同様である。
【0026】
直流電圧生成部111、112と双方向ローパスフィルタ151、152との間の信号経路に漏れ込む交流電圧成分a'cos(ω2t+Δ)の振幅や位相は、電圧重畳部141、142や双方向ローパスフィルタ151、152などの回路構成にほぼ依存する。したがって、振幅位相調整回路161、162において必要とされる振幅減衰量や位相変化量は装置を設計する段階でシミュレーション計算や実験などにより求めることが可能であり、それによって振幅位相調整回路161、162に含まれる回路素子の値(例えば抵抗分割を行うための抵抗器の抵抗値など)を決めることができる。
【0027】
以上説明したように、上記実施例の四重極型質量分析装置では、直流電圧生成部11が小振幅交流電圧の干渉の影響を受けないので、その出力電圧が安定し、四重極マスフィルタ3で選択したい質量電荷比に対応した高精度の直流電圧をロッド電極31〜34に印加することができる。それにより、四重極マスフィルタ3で選択されるイオンの質量精度が向上する。
【0028】
なお、上記実施例は本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、修正及び追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
【符号の説明】
【0029】
1…イオン源
2…イオン輸送光学系
3…四重極マスフィルタ
31、32、33、34…ロッド電極
4…検出器
5…データ処理部
10…四重極駆動部
11…直流(DC)電圧生成部
111…直流正電圧生成部
112…直流負電圧生成部
12…高周波(RF)電圧生成部
13…交流(AC)電圧生成部
14、141、142…電圧重畳部
151、152…双方向ローパスフィルタ
161、162…振幅位相調整回路
20…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極からなる四重極マスフィルタと、特定の質量電荷比を有するイオンを選択的に該四重極マスフィルタを通過させるために該複数の電極に対してそれぞれ電圧を印加する手段であって、質量電荷比に応じた直流電圧±Uを生成する直流電圧生成部、質量電荷比に応じた高周波電圧±Vcosω1tを生成する高周波電圧生成部、前記高周波電圧よりも周波数が低く振幅も小さい小振幅交流電圧±acosω2tを生成する交流電圧生成部、並びに、前記直流電圧±U、前記高周波電圧±Vcosω1t及び前記小振幅交流電圧±acosω2tを重畳する電圧重畳部、を含む四重極駆動手段と、を具備する四重極型質量分析装置において、
前記直流電圧生成部の電圧出力端と前記電圧重畳部との間の信号経路に、該電圧重畳部を経て前記直流電圧生成部側へと漏れ込む前記小振幅交流電圧±acosω2tと同じ周波数である交流電圧成分を相殺するように、該小振幅交流電圧±acosω2tと同じ周波数で且つ位相及び振幅がそれぞれ調整された電圧を加算する補償手段、を備えることを特徴とする四重極型質量分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の四重極型質量分析装置であって、
前記補償手段は、前記直流電圧生成部の電圧出力端と前記電圧重畳部との間に挿入された双方向ローパスフィルタと、前記交流電圧生成部から出力される小振幅交流電圧±acosω2tの振幅を減衰させるとともに位相を調整する調整手段とを含み、該調整手段により振幅及び位相が調整された交流電圧を前記双方向ローパスフィルタと前記直流電圧生成部の電圧出力端との間の信号経路に加えることを特徴とする四重極型質量分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−115020(P2013−115020A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263213(P2011−263213)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】