説明

回折格子の製造方法

【課題】X線タルボ干渉計を構成する位相型回折格子及び/又は振幅型回折格子の製造方法を提供する。
【解決手段】この回折格子の製造方法は、シリコン基板Bの表面に感光性樹脂31を形成して、リソグラフィー法により、感光性樹脂31にマスク34を用いたパターニングを行って現像により所定の感光性樹脂31を除去し、ICPプラズマエッチング法により、当該感光性樹脂31が除去された部分に対応するシリコン基板Bをエッチングして3次元構造体のスリット溝41を形成した後、スリット溝41に絶縁物を堆積又は注入して3次元構造体の絶縁物層61を形成する。そして、ICPプラズマエッチング法により、感光性樹脂31及びその感光性樹脂31に対応するシリコン基板Bをエッチングして3次元構造体のスリット溝42を形成して、電鋳法により、シリコン基板Bに電圧を印加してスリット溝42にX線吸収金属部111及び121を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線タルボ干渉計に用いられる回折格子(位相型回折格子及び/又は振幅型回折格子)の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
X線透視装置は例えば医療用画像診断技術に関して広く用いられているが、被写体によるX線吸収の大小によって画像のコントラストを形成する原理であるために、血液、血管壁やそのまわりの軟組織についてはX線吸収係数が殆ど等しく、十分なコントラストを得難いという問題がある。長い時間を掛けて撮像すればある程度のコントラストを得ることはできるが、X線の照射線量が増大し、患者の負担を増大させるという問題がある。また、例えば画像中の血管のコントラストを強調するためにヨウ素などの造影物質を注射する方法も考えられるが、これも患者の負担を増大させてしまい、また検査コストも増大してしまう。
【0003】
一方、例えばX線干渉計を利用する手法のように、X線を波として把握し、被写体中を波が伝わる速さの違いをコントラスト形成に利用する位相コントラスト法も知られている。即ち、被写体を透過することによるX線の位相シフトを検出する手法である。この位相コントラスト法は、X線の吸収に頼る方法に比べて約1000倍の感度改善が実現でき、付随してX線照射量を例えば1/100〜1/1000に軽減できるという利点がある。また、空間分解能を向上させるという観点からも、上記の感度の改善は極めて好ましい効果をもたらすといえる。
【0004】
本願の発明者はX線干渉計を利用して画像診断を行うことの有用性を早くから見出しており、例えば特許文献1においては、マッハツェンダー型のX線干渉計を構成し、このX線ビームパス中に被検査部位を配置し、得られたX線干渉図形のモアレ像を解析することで、被写体による位相シフトの分布を示す画像を得ることができると提案している。このような構成によれば、X線を用いて、血管や血液分布を無造影で、あるいは、重元素を含まない物質注入により容易に可視化できるとする。
【0005】
本発明者はX線干渉計を利用して画像診断する方法を研究してきたが、例えば非特許文献においては、X線干渉計のX線供給源の大きさが大きい為に生ずる2枚の回折格子を通過するX線の半影効果(Penambra effect)を改善する方法が提案されているが構成が複雑で実用化に課題が残る。
【0006】
また、特許文献2では、この回折格子の作製方法として、X線光あるいは紫外光による光学リソグラフィによってレジストからなる構造体を作製し、その後、金電気メッキ法によってX線吸収金属部を作製するという方法を用いている。この方法は、加工精度の点から、レジスト材料の影響を大きく受け、精度の高いものを作ることが困難である。上述の比特許文献1においては、直接プラズマエッチング法によってシリコン基板に溝部を作製し、その後、この溝部に金メッキあるいはスパッタ法によってX線吸収金属部を作るという手法が用いられている。この方法はシリコン材料自体が導電体であるため、金メッキ法によってX線吸収金属部を作製するときに、シリコン材料に一度絶縁層を作製すると共に溝の底部に銅、チタンなどの金属シード層を作製することが必要である。この手法は、プロセスが非常に多く、複雑であるという点とX線吸収体である金の厚みを高くすることが困難(現在では幅2〜3μm高さ15μmぐらいまでのものが可能)であり、感度向上のためにはもっとこの厚みを高くする必要がある。
【0007】
【特許文献1】特開2001−29340号公報
【特許文献2】特開2006−259264号公報
【非特許文献1】F.Pfeiffer et al.,Nature Phys.2(2006)258
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで近年、高輝度X線が得られる大規模設備(例えば、わが国のSPring8等)の利用等、可干渉で高輝度なX線を得られる環境が整備されるにつれて、空間的に可干渉な光源と2枚の回折格子を用いて入射波面の勾配を検出する構成のタルボ干渉計をX線分野に適用することが研究されている。
【0009】
このタルボ干渉計は、簡素な光学系で実現できること等、種々の優位性が指摘されるところであるが、このX線タルボ干渉計を良好に機能させ得る上記2枚の回折格子を安定的に製造する方法については、加工上の特別な技術が必要になり、未だ確立されていないのが実情である。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0010】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0011】
本発明の観点によれば、以下のような、X線タルボ干渉計に用いられる回折格子の製造方法が提供される。基板の表面に感光性樹脂層を形成して、リソグラフィー法により、前記感光性樹脂層にリソグラフィーマスクを用いたパターニングを行って現像により所定の前記感光性樹脂層を除去し、ICPプラズマエッチング法により、当該感光性樹脂層が除去された部分に対応する前記基板をエッチングして3次元構造体の第1スリット溝を形成した後、前記第1スリット溝に絶縁物を堆積又は注入して3次元構造体の絶縁物層を形成し、エッチング法により、前記感光性樹脂層及びその感光性樹脂層に対応する前記基板をエッチングして3次元構造体の第2スリット溝を形成して、そして、電鋳法により、前記基板に電圧を印加して前記第2スリット溝にX線吸収金属部を形成する。
【0012】
これにより、電鋳法において、基板をX線吸収金属部を形成するためのシードとして電圧を印加することができるので、第2スリット溝にX線吸収金属部を正確に成長させることができる。したがって、X線吸収金属部のスリット幅及び間隔(格子パターン)が正確に形成された回折格子(位相型回折格子及び振幅型回折格子)を製造することができる。その結果、X線タルボ干渉計において、正確なモアレ縞を確実に得ることができる。また、3次元構造体のスリット溝をICPプラズマエッチング法によって十分な精度の加工を行なうことができる。
【0013】
前記の回折格子の製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。リソグラフィー法は、X線リソグラフィー法であり、基板の表面にX線感光性樹脂層を形成して、X線リソグラフィー法により、X線感光性樹脂層にX線リソグラフィーマスクを用いたパターニングを行って現像により所定のX線感光性樹脂層を除去する。
【0014】
これにより、X線リソグラフィー法を用いて、回折格子を製造することができる。
【0015】
前記の回折格子の製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。リソグラフィー法は、光学リソグラフィー法であり、基板の表面に光感光性樹脂層を形成して、光学リソグラフィー法により、光感光性樹脂層に光学リソグラフィーマスクを用いたパターニングを行って現像により所定の光感光性樹脂層を除去する。
【0016】
これにより、光学リソグラフィー法を用いて、回折格子を製造することができる。
【0017】
前記の回折格子の製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。第1スリット溝に堆積又は注入される絶縁物層は、酸化珪素、樹脂、LPDセラミックスである。
【0018】
前記の回折格子の製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。エッチング法により、3次元構造体の第2スリット溝を形成する場合に、当該第2スリット溝の深さを制御することにより、X線吸収金属部のスリット幅と厚みとのアスペクト比を自在に設定する。
【0019】
これにより、アスペクト比の大きい加工を必要とする回折格子(振幅型回折格子)及びアスペクト比の小さい回折格子(位相型回折格子)を製造することができる。つまり、本発明によれば、厚みが小さくても良い(アスペクト比が例えば1以下の加工で十分な)位相型回折格子において、コストや工数の少ない製造方法を採用して製造コストを低減する一方で、厚みの大きな(アスペクト比が例えば5以上の加工が要求される)振幅型回折格子において、X線吸収金属部を光学リソグラフィーマスクとして利用した、いわゆる光学リソグラフィーによりアスペクト比の大きな加工を十分な精度をもって行うことができる。
【0020】
前記の回折格子の製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。ICPプラズマエッチング法により、3次元構造体の第1スリット溝を形成する工程、及び/又は、エッチング法により、第2スリット溝を形成する工程において、3次元構造体の第1スリット溝内及び/又は第2スリット溝内に存在する不要な介在物を水又は溶剤で洗浄した後、臨界乾燥条件下で乾燥させる。
【0021】
上記した、臨界の意味は水の分子間の引力と運動エネルギーとが釣り合う点である。したがって、温度と圧力とを共に臨界点以上にすると分子の運動エネルギーが分子間引力より大きくなり物質は液体とも気体とも異なる特殊な状態をとる。この状態を超臨界流体と呼び表面張力を持たない流体となるので3次元構造体の隣の樹脂のスリット同士でスティッキングを起こさない乾燥方法が可能となる。
【0022】
前記の回折格子の製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。ICPプラズマエッチング法により、3次元構造体の第1スリット溝を形成する工程、及び/又は、エッチング法により、第2スリット溝を形成する工程において、3次元構造体の第1スリット溝内及び/又は第2スリット溝内に存在する不要な介在物を水又は溶剤で洗浄した後、Oアッシング洗浄により当該水又は溶剤による洗浄では取りきれなかった残留物を酸化させて灰に置換することにより当該残留物を取り除く。
【0023】
これにより、残留物を酸化燃焼させて灰に置換して容易に取り除く事を可能としてメッキ液との不必要な化学反応の発生を防ぎX線吸収金属部の析出積層をスリット形状通りに正確に埋め込むことができる。また、同様に、絶縁物層をスリット形状通りに正確に形成することができる。
【0024】
前記の回折格子の製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。電鋳法により、基板に電圧を印加して第2スリット溝にX線吸収金属部を形成する工程において、基板への電圧の印加を一旦中断し大気中に引き上げて、第2スリット溝からメッキ溶液を流出させるポンピング工程を複数回繰り返す。
【0025】
これにより、ヘルムホルツ電気二重層の発生を防ぎメッキ層の積層を樹脂のスリット形状の隙間に正確に埋め込むことができる。
【0026】
前記の回折格子の製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。電鋳法により、基板に電圧を印加して第2スリット溝にX線吸収金属部を形成する工程において、基板に流れるメッキ電流を短時間極性反転するパルス波形とする。
【0027】
これにより、ヘルムホルツ電気二重層の発生を防ぎX線吸収金属部の析出積層を樹脂のスリット形状の隙間に正確に埋め込むことができる。
【0028】
前記の回折格子の製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。X線吸収金属部は、白金、金、銀、プラチナ、チタンの内から選択された一つ又は二つ以上の組み合わせよりなる。
【0029】
前記の回折格子の製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。X線吸収金属部は、2μm以上10μm以下のスリット幅を有するとともに、2μm以上10μmの間隔を隔ててストライプ状に形成されている。
【0030】
前記の回折格子の製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。回折格子は、位相型回折格子と振幅型回折格子とを含み、位相型回折格子は、1μm以上5μm以下の厚みを有するとともに、振幅型回折格子は、20μm以上300μm以下の厚みを有している。
【0031】
前記の回折格子の製造方法においては、以下のようにすることが好ましい。基板は、電鋳法により電圧を印加可能な導電性材料で、且つ、X線吸収率が白金、金、銀、プラチナ、チタンに比べて小さい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
図1は、本発明に関わるX線タルボ干渉計概念示した図である。図2(a)はX線タルボ干渉計で得られるタルボ干渉像の例を示す図、図2(b)は縞走査法により得られる微分位相像を示す図、図2(c)はX線位相型CTの例を示す図である。図3は、位相型回折格子構造概念図であり、図4は、振幅型回折格子構造概念図である。
【0034】
先ず、本発明の方法で製造される回折格子が使用されるX線タルボ干渉計の光学系について、図1を参照しながら説明する。このX線タルボ干渉計では、1枚目の回折格子(位相型回折格子)11と2枚目の回折格子(振幅型回折格子)12とを特定の距離だけ離して平行に配置し、観察したい試料10を位相型回折格子11の前に配置する。2枚の回折格子11及び12のそれぞれは、X線を吸収するy方向に細長いX線吸収金属部111及び121(図3及び図4参照)を、x方向に周期的に並べて配置した構成となっている。
【0035】
ここで、回折格子11及び12の周期が波長に比べて十分に大きいとき、位相型回折格子11を通過した後の光は、回折角が非常に小さくなるために、回折された多数の光が重なり合って干渉する。そして、各回折光の位相が揃う条件を満たすような距離だけ離れた位置において、位相型回折格子11の透過直後と同じパターン、即ち自己像が干渉の結果として現れる(タルボ効果)。
【0036】
次に、試料10を位相型回折格子11の前に配置したときの自己像に着目すると、干渉する各回折光は試料10の内部において僅かに異なる光路を通過しているため、そのときの位相差によって干渉縞の様子が変化する。従って、この変形した自己像の位置に前記の振幅型回折格子12を重ねることによって、いわゆるモアレ縞の画像(タルボ干渉像)Gを取得でき、この画像Gにおいては微分位相が等高線のように現れることになる(図2の(a)を参照)。なお、図2の(a)は、直径1.2mmのプラスチック球を試料10として採用した際のタルボ干渉像である。
【0037】
上記のタルボ干渉像Gを観察するだけでは上記微分位相を定量的に取得することは困難であるが、縞の位相を人為的に変化させたときの干渉縞の変化を解析することによって、微分位相を決定することができる(縞走査法)。例えば、図1において2枚の回折格子11及び12の相対位置関係をx方向にずらすことでモアレ縞の位相を変化させながら複数のタルボ干渉像Gを取得して解析することにより、図2(b)に示すような定量的な微分位相像を得ることができる。また、この画像を単純に積分処理すれば、位相像そのものを得ることもできる。
【0038】
更に、試料10に対して多数の投影方向から前記の図2(b)に示すような微分位相像を取得し、これを積分することで位相像とし、多数の投影方向からの位相像を合成することで、図2(c)に示すように、位相型X線CT(コンピュータ断層撮影)を行うことも可能である。図2(c)では、試料10としてのプラスチック球をコンピュータ上で仮想的に1/8だけ切り取った断面が示されており、試料10としてのプラスチック球の形成時に生じたと思われる内部の泡の様子も明確に観察することができる。
【0039】
X線タルボ干渉計は、図1のように試料10の後に回折格子11及び12を2枚配置するだけという簡素な光学系であり、また、結晶のような繊細な光学素子を用いないため、精密な光学素子調整や高い安定性をそれほど必要としないという特徴を有している。また、モアレ縞として強度を検出するので、空間分解能の高い検出器を必ずしも必要としない点でも有利である。更には、タルボ干渉計は原理的に小さな光源を必要とするが単色性はそれほど必要でなく、球面波のような発散光も使用できるので、巨大な設備を必要とする前記シンクロトロン放射光以外のX線源を利用できる余地があり、装置の小型化に貢献して病院などでの実用化に道を拓くものとして期待されている。
【0040】
なお、上記のように有用性が指摘されるX線タルボ干渉計であるが、一般にX線は物質による吸収が非常に小さく、位相変化もそれほど大きくないため、上記の回折格子11及び12は、可視光領域のタルボ干渉計のそれよりも製造が困難である。また当然ながら、タルボ干渉計を機能させるには、X線の可干渉距離よりも回折格子11及び12の各X線吸収金属部111及び121の周期を小さくする必要があり、10μm以下、望ましくは5μm程度とする必要がある。
【0041】
そして、いわゆる分数タルボ効果による自己像は、位相型回折格子11の位相シフト量がπ/2になるときに、最も高いコントラストが得られるという性質がある。そして、位相シフト量がπ/2を実現するのに必要な位相型回折格子11の厚さを本願の発明者が試算したところ、波長が0.7Å〜1.1Åの場合で、回折格子11のX線吸収金属部111としてX線吸収能の高い金を材料として用いた場合、位相型回折格子11では1μm〜10μmとなった。
【0042】
一方、振幅型回折格子12については、タルボ干渉計で得られるモアレ縞の可視性の向上という観点からは振幅型回折格子12の強度透過率を小さくすることが重要であり、例えば強度透過率1%を実現できる程度のX線吸収を得られれば理想的である。この点、例えば強度透過率1%を実現するのに必要な振幅型回折格子12の厚さを本願の発明者が同様に試算したところ、金を材料として用いたとしても、波長が0.7Å〜1.1Åの場合で10μm〜100μmの厚みが必要になるとの結果が得られた。
【0043】
従って、X線タルボ干渉計を実現するにあたっては、そのような2枚の回折格子11及び12、特に、極めて大きいアスペクト比(例えば、5以上)が要求される振幅型回折格子12を製造できるか否かが重要な鍵となっている。
【0044】
以上の課題を解決すべく、本願の発明者は鋭意研究を重ね、以下に説明するような位相型回折格子11及び振幅型回折格子12の製造方法を提案するに至ったものである。以下、それぞれについて詳細に説明する。
【0045】
先ず、図3及び図4を参照して、2つの回折格子11及び12の具体的な構成を説明する。図3に示す位相型回折格子11は、例えば厚さ約1mmのシリコン基板Bの一方側面に一体的に形成されている。この位相型回折格子11は、シリコン基板B上に等間隔で多数並べて設けられた細長い前記X線吸収金属部111を有している。X線吸収金属部111のそれぞれは、X線吸収能に優れた金を素材としており、そのシリコン基板Bから突出する厚みt1(位相型回折格子11の厚みに相当する)は、何れのX線吸収金属部111においても互いに等しくなっており、1μm以上5μm以下としている。X線吸収金属部111とX線吸収金属部111との間は、絶縁スリット構造体の樹脂部材112が形成されている。
【0046】
複数のX線吸収金属部111の幅w1は互いに等しく構成されており、その幅w1は、2μm以上10μm以下とされている。また、X線吸収金属部111の周期(樹脂部材112の幅)d1も、2μm以上10μm以下とされている。
【0047】
一方、図4に示す振幅型回折格子12は、前記の位相型回折格子11を厚み方向(X線の光軸方向)に引き伸ばしたものに相当する。具体的には、振幅型回折格子12のそれぞれのX線吸収金属部121は、小幅で細長くかつ大きな厚みを有する形状としており、これが幅方向に等間隔で多数並べて設けられている。X線吸収金属部121のそれぞれは、前記位相型回折格子11と同様にX線吸収能に優れた金を素材としており、その厚みt2(振幅型回折格子12の厚みに相当する)は、20μm以上300μm以下としている。X線吸収金属部121とX線吸収金属部121との間には、樹脂部材122がサンドイッチ状に介在されている。言い換えれば、X線吸収金属部121と樹脂部材122とが交互に重ねられて接合された構成となっている。なお、隣り合うX線吸収金属部121及び121の間には、樹脂部材122に代えて、酸化ケイ素からなる保持部材が介在されていても良い。
【0048】
そして、複数のX線吸収金属部121は幅w2が互いに等しく構成されており、その幅は、2μm以上10μm以下とされている。また、X線吸収金属部121の周期(樹脂部材122の幅)d2も2μm以上10μm以下とされている。
【0049】
以上の構成により、図1のX線タルボ干渉計において、振幅型回折格子12の直後の位置で正確なモアレ縞のタルボ干渉像Gを確実に得ることができる。更に、位相型回折格子11においては、それをX線が通過する際の位相シフト量をπ/2とするのに十分な厚みとできる。また、振幅型回折格子12では、モアレ縞の可視性が良好な低い透過強度率を実現するのに十分な厚みとできる。従って、鮮明なモアレ縞が得られ、信頼性及び精度の高いX線タルボ干渉計を実現できる。
【0050】
〔位相型回折格子の製造方法〕
次に、前記位相型回折格子11の製造方法について、図5及び図6を参照して説明する。まず図5(a)に示すように、前述のシリコン基板Bを準備して、図5(b)に示すように、シリコン基板Bの表面に感光性樹脂(例えば、シランジオール樹脂のようなポジ型レジスト)31を形成する。そして、図5(c)に示すように、リソグラフィー法により、当該感光性樹脂31に格子周期d1の位相型回折格子用のリソグラフィーマスク(マスク)34aを用いたパターニングを行ってパターン露光する。なお、リソグラフィー法は、光学方式及びX線方式のいずれかを用いることが可能である。この光学方式を用いる場合には、マスク34aとしては、適宜のガラス基板32aの一側の面にクロムや酸化クロムによりパターン33aを薄膜状に形成した光学マスクを用いることができる。また、X線方式を用いる場合には、マスク34aとしては、例えば、適宜のシリコン基板32aの一側の面に白金によりパターン33aを薄膜状に形成したX線マスクを用いることができる。
【0051】
次に、図5(d)に示すように、感光性樹脂31が感光した部分の樹脂の高重合分子の重合が離反して低重合分子と成り、現像液に溶解しやすくなるので、未感光部の樹脂以外が取り除かれる。そして、図6(e)に示すように、感光性樹脂31の存在しない部分のシリコン基板Bの表面を位相型回折格子11の厚みに必要な深さにICPプラズマエッチングを行い3次元構造体のスリット溝41を形成する。上記ICPプラズマエッチングは、ICP装置によるASEプロセスであって、ASEプロセスとは、SFプラズマ中のFラジカルとFイオンによるRIEによってシリコン基板Bのエッチングを行う工程、Cプラズマ中のCFラジカル及びそれらのイオンの重合反応によって、テフロン(登録商標)に近い組成を有するポリマー膜を壁面に堆積させて保護膜として作用させる工程を繰り返すものである。更に、図6(f)に示すように、当該3次元構造体のスリット溝41に絶縁物を堆積又は注入させて絶縁物層61(樹脂部材112)の3次元構造体を形成する。この方法は、CVD法やスプレイ法或いはLPD法で行う必要がある。この際、シリコン基板Bの表面の絶縁物を酸素プラズマによるアッシングすることにより、シリコン基板Bの表面を露出させる。そして、図6(g)に示すように、感光性樹脂31及びその感光性樹脂31に対応するシリコン基板Bを、ICPプラズマエッチング法を用いて除去して、前記絶縁物61の3次元構造体のスリット溝42を形成する。次に、図6(h)に示すように、電鋳法により、シリコン基板Bに電圧を印加して、スリット溝42にX線吸収金属部111を形成する。以上の工程により、位相型回折格子11を製造することができる。
【0052】
〔振幅型回折格子の製造方法〕
振幅型回折格子12の製造方法は、図5(c)のリソグラフィー法を行う際に、格子周期がd2の振幅型回折格子用のリソグラフィマスク(マスク)34bを使うこと以外、上記した位相型回折格子11の製造方法と同じであるから、位相型回折格子11の製造方法の説明において使用した図5及び図6を参照して、振幅型回折格子12の製造方法について説明する。なお、図5(a)から図5(d)に示した工程は同じであり、図6(e)の工程から位相型回折格子とは異なる条件にして振幅型回折格子12を製造する。
【0053】
まず、図5(a)から図5(d)に示した工程を行い、次に、図6(e)に示すように、感光性樹脂31の存在しない部分のシリコン基板Bの表面を振幅型回折格子12の厚みに必要な深さにICPプラズマエッチングを行い3次元構造体のスリット溝41を形成する。振幅型回折格子12は、X線吸収金属部121のスリット幅に対する厚みが30倍以上と大きいのでICPプラズマエッチングを60μm以上深く掘り込む必要がある。更に、図6(f)工程では、シリコン基板Bの表面に形成された3次元構造体の深いスリット溝41に絶縁物を堆積又は注入させて絶縁物層61(樹脂部材122)の3次元構造体を形成する。この方法は、CVD法やスプレイ法或いはLPD法で行う必要がある。次に、図6(g)に示すように、感光性樹脂31及びその感光性樹脂31に対応するシリコン基板BをICPプラズマエッチング法を用いて除去して、前記絶縁物61の3次元構造体のスリット溝42を形成する。次に図6(h)に示すように、電鋳法により、シリコン基板Bに電圧を印加して、スリット溝42にX線吸収金属部121を形成する。以上の工程により、振幅型回折格子12を製造することができる。
【0054】
位相型回折格子11の製造工程では、格子周期がd1の位相型回折格子用のマスク34aを使用し、振幅型回折格子12の製造工程では、格子周期がd2の振幅型回折格子用のマスク34bを使用する。この事により、X線タルボ干渉計のX線供給源1から両方の回折格子に正確に透過する同一性を良好に確保できる。
【0055】
図6(g)に示す感光性樹脂31及びその感光性樹脂31に対応するシリコン基板BをICPプラズマエッチング法を用いて除去して、前記絶縁物61の3次元構造体のスリット溝42を形成する工程では、微細加工に成る程スリット間の間隔が狭まり、図7(a)に示すように、水又は溶液の表面張力で3次元構造体の隣のスリット同士でスティッキングを起こしてしまうケースが増えてくる。この対策法として、図8に示す水の超臨界点を超えた高温高圧の条件下における乾燥が効果的である。図8における臨界点の意味は水の分子間の引力と運動エネルギーとが釣り合う点であり、温度と圧力とを共に臨界点以上にすると分子の運動エネルギーが分子間引力より大きくなり物質は液体とも気体とも異なる特殊な状態をとる。この状態を超臨界流体と呼び表面張力を持たない流体となるので3次元構造体の隣の樹脂のスリット同士でスティッキングを起こさない乾燥方法が可能となる。
【0056】
本発明の実施例としてチャンバーの温度を40℃に保ち、不燃性ガスの二酸化炭素を30分間50ml/分でパージして20分間で0ml/分にテーパーオフした後、チャンバー内圧を12MPaに加圧30分保持し、20分間かけて8MPaに減圧し、更に160分間で0MPaに減圧して乾燥して制作した回折格子の実施例を図7(b)に示す。
【0057】
本実施形態におけるシリコン基板Bの表面の感光性樹脂31を感光させて、当該感光性樹脂31のパターニングを行い感光部分の樹脂を取り除く工程において、当該感光部分を水洗して取り除いた後に水洗では取りきれなかった不要な感光部分の残留物を取り除く方法として酸素プラズマによるアッシング洗浄方法を行い、感光部分の残留物を酸化燃焼させて灰に置換して容易に取り除く事を可能としてメッキ液との不必要な化学反応の発生を防ぎX線吸収金属部の析出積層をスリット形状通りに正確に埋め込むことを特徴とする回折格子の製造方法を提供している。
【0058】
回折格子のX線吸収金属をメッキ工程で3次元構造体の樹脂のスリット溝にX線吸収金属を3次元構造体に隙間なく析出積層させるためには溝の内壁の未感光樹脂の残留物を取り除く酸素プラズマによるアッシング洗浄方法が近年樹脂の微細加工の技術として進められている。本発明の実施例として酸素プラズマ発生電力容量500W、基板バイアス50W、酸素流量50sccm、の条件で30秒間のアッシングと3分間の休止を繰り返して未感光樹脂の残留物を取り除くことができた。
【0059】
図6(h)のスリット溝42に電鋳法でX線吸収金属部111及び121を析出積層させる電鋳工程において、X線吸収金属部111及び121がメッキ電解の陰極近傍に発生するヘルムホルツ電気二重層により電界が乱される影響を改善する方法として、メッキ電流をメッキ工程の途中で中断し絶縁材スリットを大気中に引き上げスリット空隙部のメッキ溶液をスリット空隙部から流出させるポンピングの手順を5分間程度のサイクルで繰り返す事によりヘルムホルツ電気二重層の発生を防ぎX線吸収金属層の析出積層を樹脂のスリット形状の隙間に正確に埋め込むことを可能とさせる。
【0060】
図9に示す電解メッキによる電鋳法でX線吸収金属を析出積層させる工程において、電鋳のX線吸収金属がメッキ電解の陰極近傍に発生するヘルムホルツ電気二重層により乱される影響を改善する方法として図10に示すメッキ電流をパルス波形とし短時間極性反転する方法によりヘルムホルツ電気二重層の発生を防ぎメッキ層の積層を樹脂のスリット形状の隙間に正確に埋め込むことができる。
【0061】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0062】
本実施形態の回折格子11及び12において、X線吸収金属部111及び121は金で形成することとしたが、金に限定するものでもなく、任意の素材を用いて差し支えない。ただし、X線吸収能の優れたもの、例えば白金、金、銀、プラチナ、チタン等を用いると、厚みの小さい回折格子11及び12でも同等の性能を実現できる点で好ましい。
【0063】
本実施形態の製造方法に係るX線回折格子11及び12を用いたX線タルボ干渉計は、X線源としてシンクロトロン放射光を用いることに限らず、点光源に近いX線源を使うことがX線の半影効果(ペナンブラーエフェクト)を防止できるので、解像度向上とコントラスト劣化防止に貢献できる。また、X線タルボ干渉計の用途としては、医用画像診断装置に好適であることは前述したとおりであるが、これは例示であり、そのほかにも、工業用非破壊検査装置、食品検査装置、荷物検査装置、動物実験用撮像装置等、様々な用途に有用である。
【0064】
本実施形態の回折格子11及び12において、シリコン基板を用いる例について説明したが、本発明はこれに限らず、電鋳法により電圧を印加可能な導電性材料で、且つ、X線吸収率が白金、金、銀、プラチナ、チタンに比べて小さい材料であれば、シリコン基板に限定されない。
【0065】
また、本実施形態では、絶縁物61の3次元構造体のスリット溝42を形成する際に、ICPプラズマエッチング法を用いる例について説明したが、本発明はこれに限らず、プラズマエッチングなどのドライエッチング及び薬品によるウエットエッチングのいずれもを用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に関わるX線タルボ干渉計概念示した図である。
【図2】X線タルボ干渉計で観測した3次元画像を示した図である。
【図3】位相型回折格子構造概念図である。
【図4】振幅型回折格子構造概念図である。
【図5】位相型回折格子及び振幅型回折格子の製造工程を説明するためのフローチャートである。
【図6】位相型回折格子及び振幅型回折格子の製造工程を説明するためのフローチャートである。
【図7】感光性樹脂の光照射現像後の乾燥で水又は溶液の表面張力で3次元構造体が隣同士でスティッキングする対策法を示した図である。
【図8】感光性樹脂の光照射現像後の乾燥で水又は溶液の表面張力を打ち消す高温高圧条件下の超臨界の乾燥法の概念図である。
【図9】電解メッキでX線吸収金属部を析出積層させるメッキ電解槽の概念図である。
【図10】電解メッキの陰極近傍で起きるヘルムホルツ電気二重層を解消すパルス反転通電法の概念図である。
【記号の説明】
【0067】
1 X線タルボ干渉計のX線供給源
10 試料
11 位相型回折格子
111 X線吸収金属部
112 樹脂部材
12 振幅型回折格子
121 X線吸収金属部
122 樹脂部材
13 画像検出部
31 感光性樹脂
32a、32b ガラス基板(シリコン基板)
33a、33b パターン
34a 位相型回折格子用のマスク
34b 振幅型回折格子用のマスク
41、42 スリット溝
50 光(紫外線、X線)
61 絶縁物層
B シリコン基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線タルボ干渉計に用いられる回折格子の製造方法であって、
基板の表面に感光性樹脂層を形成して、リソグラフィー法により、前記感光性樹脂層にリソグラフィーマスクを用いたパターニングを行って現像により所定の前記感光性樹脂層を除去し、ICPプラズマエッチング法により、当該感光性樹脂層が除去された部分に対応する前記基板をエッチングして3次元構造体の第1スリット溝を形成した後、前記第1スリット溝に絶縁物を堆積又は注入して3次元構造体の絶縁物層を形成し、エッチング法により、前記感光性樹脂層及びその感光性樹脂層に対応する前記基板をエッチングして3次元構造体の第2スリット溝を形成して、そして、電鋳法により、前記基板に電圧を印加して前記第2スリット溝にX線吸収金属部を形成することを特徴とする、回折格子の製造方法。
【請求項2】
前記リソグラフィー法は、X線リソグラフィー法であり、
基板の表面にX線感光性樹脂層を形成して、前記X線リソグラフィー法により、前記X線感光性樹脂層にX線リソグラフィーマスクを用いたパターニングを行って現像により所定の前記X線感光性樹脂層を除去することを特徴とする、請求項1に記載の回折格子の製造方法。
【請求項3】
前記リソグラフィー法は、光学リソグラフィー法であり、
基板の表面に光感光性樹脂層を形成して、前記光学リソグラフィー法により、前記光感光性樹脂層に光学リソグラフィーマスクを用いたパターニングを行って現像により所定の前記光感光性樹脂層を除去することを特徴とする、請求項1に記載の回折格子の製造方法。
【請求項4】
前記第1スリット溝に堆積又は注入される絶縁物層は、酸化珪素、樹脂、LPDセラミックスであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の回折格子の製造方法。
【請求項5】
前記エッチング法により、前記3次元構造体の第2スリット溝を形成する場合に、当該第2スリット溝の深さを制御することにより、前記X線吸収金属部のスリット幅と厚みとのアスペクト比を自在に設定することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の回折格子の製造方法。
【請求項6】
前記ICPプラズマエッチング法により、前記3次元構造体の第1スリット溝を形成する工程、及び/又は、前記エッチング法により、前記第2スリット溝を形成する工程において、前記3次元構造体の第1スリット溝内及び/又は第2スリット溝内に存在する不要な介在物を水又は溶剤で洗浄した後、臨界乾燥条件下で乾燥させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の回折格子の製造方法。
【請求項7】
前記ICPプラズマエッチング法により、前記3次元構造体の第1スリット溝を形成する工程、及び/又は、前記エッチング法により、前記第2スリット溝を形成する工程において、前記3次元構造体の第1スリット溝内及び/又は第2スリット溝内に存在する不要な介在物を水又は溶剤で洗浄した後、Oアッシング洗浄により当該水又は溶剤による洗浄では取りきれなかった残留物を酸化させて灰に置換することにより当該残留物を取り除くことを特徴とする、1〜6のいずれか1項に記載の回折格子の製造方法。
【請求項8】
前記電鋳法により、前記基板に電圧を印加して前記第2スリット溝にX線吸収金属部を形成する工程において、前記基板への電圧の印加を一旦中断し大気中に引き上げて、前記第2スリット溝からメッキ溶液を流出させるポンピング工程を複数回繰り返すことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の回折格子の製造方法。
【請求項9】
電鋳法により、前記基板に電圧を印加して前記第2スリット溝にX線吸収金属部を形成する工程において、前記基板に流れるメッキ電流を短時間極性反転するパルス波形とすることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の回折格子の製造方法。
【請求項10】
前記X線吸収金属部は、白金、金、銀、プラチナ、チタンの内から選択された一つ又は二つ以上の組み合わせよりなることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の回折格子の製造方法。
【請求項11】
前記X線吸収金属部は、2μm以上10μm以下のスリット幅を有するとともに、2μm以上10μmの間隔を隔ててストライプ状に形成されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の回折格子の製造方法。
【請求項12】
前記回折格子は、位相型回折格子と振幅型回折格子とを含み、
前記位相型回折格子は、1μm以上5μm以下の厚みを有するとともに、
前記振幅型回折格子は、20μm以上300μm以下の厚みを有していることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の回折格子の製造方法。
【請求項13】
前記基板は、前記電鋳法により電圧を印加可能な導電性材料で、且つ、X線吸収率が白金、金、銀、プラチナ、チタンに比べて小さいことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の回折格子の製造方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図2】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−42528(P2009−42528A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−207821(P2007−207821)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成19年3月15日 社団法人電気学会主催の「平成19年電気学会全国大会」において文書をもって発表、平成19年3月15日 社団法人電気学会発行の「平成19年電気学会全国大会 講演論文集」に発表
【出願人】(592216384)兵庫県 (258)
【Fターム(参考)】