説明

回旋腱板(RTC)腱または靭帯の修復方法および装置

本体と、本体に連結され、本体の遠位方向に延びており、遠位点で終端する細長い先端部と、本体上に形成され、細長い先端部に近接している骨係合幾何形状と、本体の近接端に形成されたドライバ係合要素と、縫合糸を本体に取り付けるように本体に取り付けられた縫合糸連結機構とを備えた縫合アンカを備えた、軟組織を骨に固定する装置であって、細長い先端部は骨に固定される軟組織の厚さを超える長さを有し、それによって縫合アンカが軟組織を通過すると、遠位点は骨係合幾何形状が軟組織を貫通する前に軟組織から出る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、回旋腱板腱または靭帯の修復方法および装置(代理人整理番号第RE−3 PROV)に対するPaul Re他により2004年11月15日に出願された、係属中の優先米国特許出願第60/628,082号の特典を請求し、この特許出願を参照として本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、概して医療用方法および装置に関し、より詳細には、回旋腱板(RTC)腱または靭帯の修復方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
腱は、筋肉を骨に連結する線維組織であり、それによって筋肉がその力を骨の上、すなわち関節に加えることが可能になる。
【0004】
腱は、負傷、磨耗および損傷、および/または事故の結果、頻繁に損傷を受ける(例えば、分離される、破断される、破裂されるなど)。損傷を受けた腱は、関節の適切な連節を妨げる、および/または脆弱性、異常運動、関節炎、および/または痛みを引き起こす可能性がある。
【0005】
最も頻繁に損傷を受ける腱のうち、肩の関節を囲む筋肉(すなわち、上腕頭)に取り付けられているものがある。これらの腱および関連する筋肉は普通、回旋腱板(RTC)と呼ばれる。最も一般的に損傷を受ける回旋腱板(RTC)腱は、棘上腱である。
【0006】
より詳細には、また図1を参照すると、上腕頭の挿入部位(普通は「フットプリント」と呼ばれる)上の無傷の回旋腱板(RTC)腱挿入が示されている。すなわち、通常の損傷を受けていない回旋腱板(RTC)腱で予測されるように、上腕頭10に完全に連結された回旋腱板(RTC)腱5が示されている。
【0007】
図2では、回旋腱板(RTC)は上腕頭のフットプリントから完全に引き剥がされている。すなわち、回旋腱板(RTC)5は図では上腕頭10から完全に外れており、これは回旋腱板(RTC)損傷の1つの一般的な形を例示している。
【0008】
図3では、回旋腱板(RTC)は上腕頭のフットプリントから部分的に引き剥がされている(すなわち、「部分的破断」)。すなわち、上腕頭10から部分的に外された回旋腱板(RTC)5が示されており、これは回旋腱板(RTC)損傷の別の一般的な形である。
【0009】
損傷を受けた回旋腱板(RTC)腱を修復するための多くの処置が開発されてきた。
【0010】
最初、これらの処置は、肩に大きな切開部を作るステップと、三角筋を分割するステップと、これを外すステップと、その後、穿孔15、骨経路17および縫合糸20(図4)を使用して、フットプリント部位の下まで腱を縫合することによって破断された回旋腱板(RTC)腱を修復するステップとを必要としていた。全体的に効果的であるが、この解決法の弱点は、切開部の大きな寸法、処置によって生じる痛み、縫合糸固定の技術的努力、および分割、取り外しなどによるかなりの三角筋機能障害の可能性である。
【0011】
これらの欠点は、骨内に迅速および容易に展開することができる縫合アンカの開発につながり、それによって孔15を穿孔しなければならないことなく骨に縫合糸(および、それによって腱)を固定し、骨経路17を形成し、縫合糸20を通過させるためなどの簡単な方法が提供される。縫合アンカの開発により、かなり小さい切開部、患者に対するより少ない痛み、組織へのより少ない外傷、深刻な三角筋損傷の低い危険性、および外科医とってより早い速度および大きな利便性で処置を行うことが可能になった。
【0012】
このような縫合アンカの1つの実施例が、図5に示されている。より詳細には、また図5を参照すると、縫合アンカを骨内に案内するのを簡単にするように遠位点33で終端する先端部31と、骨の内部に縫合アンカを前進させるためのねじ山35と、回転ドライバ(図5に図示せず)に縫合アンカを結合させるための六角形後端部40と、縫合糸50を縫合アンカに取り付けるためのはとめ45とを有する本体30を全体的に備えた縫合アンカ25が示されている。
【0013】
回旋腱板(RTC)腱修復の進化の次のステップは、関節鏡視下(または、「低侵襲的」)処置として回旋腱板(RTC)腱修復を行うための移行であった。このような関節鏡視下回旋腱板(RTC)腱修復は普通、一般的に「門脈」と呼ばれる3つ以上の小さな(例えば、5mmの)切開部を利用する。小さな(例えば、3.5mmの)カメラ(普通、「関節鏡」と呼ばれる)は普通、肩の内部を視覚化するように1つの門脈を通して展開される。残りの門脈はその後、回旋腱板(RTC)腱修復を行うために、肩の内部にマイクロ器具を案内するのに使用される。技術的により要求が多いが、この関節鏡視下処置は患者への痛みが少なく、三角筋の損傷が少なく、より早い回復が可能になる。
【0014】
このような関節鏡回旋腱板(RTC)腱修復の例が、図6〜11に示されている。この例は、上腕頭10から完全に引き剥がされた回旋腱板(RTC)腱5を修復するための関節鏡視下処置を示している。より詳細には、この関節鏡視下処置は普通、把持器具55(図7)で損傷を受けた回旋腱板(RTC)腱5を把持するステップと、腱を上腕頭上のフットプリントの上の定位置に横方向に押し戻すステップと、その後、腱をフットプリントで上腕頭10に再び取り付けながら回旋腱板(RTC)腱をその位置に保持するステップとを必要とする。これは、縫合アンカ25(および、その関連する挿入装置52)を別の門脈を通して手術領域に案内し、その後、挿入装置52を使用して縫合アンカ25を回旋腱板(RTC)腱5を通して骨10内に前進させることによって行われる(図8〜10)。これが行われるので、回旋腱板(RTC)腱が下にある骨の上に直接ある方法により、外科医は縫合アンカの先端が回旋腱板(RTC)腱の裏側から出て、骨に入るとき、縫合アンカの先端を直接視認することができないことに留意すべきである。縫合アンカ25が回旋腱板(RTC)腱5を通して骨10内に前進すると、縫合糸50は回旋腱板(RTC)腱5を骨10に固定させるように結ばれる(図11)。
【0015】
一般的に、関節鏡視下処置が患者に対する痛みがかなり少なく、他の肩構造への損傷を生じさせることが少なく、より早い回復を可能にするので、回旋腱板(RTC)腱修復を切開処置ではなく関節鏡視下で行うことがさらに好ましい。
【0016】
しかし、現在の縫合アンカ、およびその使用方法は普通、(i)上腕頭に対して回旋腱板(RTC)腱を再び近接させるための、追加の器具(すなわち、把持器具55)の使用と、(ii)腱からの骨内への縫合アンカの「見えにくい」出口とを必要とする。
【0017】
残念なことに、追加の器具(すなわち、把持器具55)が必要なことにより、手術室内で「別の手」を使用する必要がある可能性があるが、これは常に直ぐに利用可能なわけではない。
【0018】
さらに、腱から骨内への縫合アンカの「見えにくい」出口により、追加の問題が生じる可能性がある。より詳細には、縫合アンカが回旋腱板(RTC)腱の裏側から出て、骨に入る正確な場所を外科医が視認することがより重要である、一部厚さの回旋腱板(RTC)腱破断、より詳細には裏面破談の場合、現在のアンカ設計では、外科医が縫合アンカの先端が回旋腱板(RTC)腱の裏側から出るのを見ることができる、または下にある骨に対して縫合アンカを着座させることが可能である前に、縫合アンカのねじ山35を回旋腱板(RTC)腱に直接係合させる(すなわち、外科医がねじ山35が腱内に比較的大きな開口を形成するという意味で「努力している」)必要がある(図12)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
したがって、上腕頭に対して回旋腱板(RTC)腱を固定する新規および改良型の方法および装置の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、宿主骨に腱または靭帯を固定する新規および改良型の方法および装置を提供する。
【0021】
より詳細には、本発明は、新規の縫合アンカ、およびその新規の縫合アンカを使用して腱または靭帯を骨に再び取り付けるための新規の方法を提供する。
【0022】
さらに詳細には、本発明は、縫合アンカの先端部が通常よりかなり長く、固定アンカの遠位点と縫合アンカのねじ山の始点の間の距離がかなり大きい、新規の縫合アンカの提供および使用を含んでいる。本発明の好ましい一形態では、縫合アンカの先端部は、縫合アンカの遠位点が一部破断された回旋腱板(RTC)腱、または回旋腱板(RTC)腱の全体の厚さを通して通過させることができるのに十分な長さに形成されており、それによって、縫合アンカのねじ山が腱、または回旋腱板(RTC)腱の包性表面と係合する前に、縫合アンカの遠位点が回旋腱板(RTC)腱の裏面を通して突起することが分かる。参考までに、無傷の回旋腱板(RTC)腱の末端2cmの通常の厚さは普通、約9mmから約12mmの長さであることに留意すべきである。したがって、本発明の新規の縫合アンカは、必ずしもではないが、約10mmから20mmの長さである先端部(すなわち、遠位先端33とねじ山35の始点の間の距離)を有することが好ましいだろう。
【0023】
本発明はまた、腱を修復部位まで(すなわち、上腕頭上のフットプリントまで)横方向に引っ張る、再び位置決めする、または移動させる、あるいは再び近接させることができ、その後把持機器の必要なく骨に再び着座させることができるように、回旋腱板(RTC)腱を刺すように新規の縫合アンカの細長い先端部を使用する方法を含んでいる。加えて、縫合アンカの遠位点は、回旋腱板(RTC)腱を通して骨(すなわち、上腕頭)内に縫合アンカを定置するのを助けるように「開始目打ち」またはパンチとして使用することができる。
【0024】
本発明の一形態では、縫合アンカを備えた、軟組織を骨に固定する装置が提供され、縫合アンカは、本体と、本体に連結され、本体の遠位方向に延びており、遠位点で終端する細長い先端部と、本体上に形成され、細長い先端部に近接している骨係合幾何形状と、本体の近接端に形成されたドライバ係合要素と、縫合糸を本体に取り付けるように本体に取り付けられた縫合糸連結機構とを備えており、細長い先端部は骨に固定される軟組織の厚さを超える長さを有し、それによって縫合アンカが軟組織を通過すると、遠位点は骨係合幾何形状が軟組織を貫通する前に軟組織から出る。
【0025】
本発明の別の形態では、軸孔を有すると共に、骨内にシートを形成する構造を有する骨準備装置と、軸孔内で選択的に受けられ、遠位点を備えたワイヤトロカールとを備えた、軟組織を骨に固定する装置が提供され、ワイヤトロカールが骨準備装置内に受けられると、遠位点と骨内にシートを形成する構造の遠位端の間の距離は、骨に固定される軟組織の厚さを超える。
【0026】
本発明の別の形態では、本体と、本体に連結され、本体の遠位方向に延びており、遠位点で終端する細長い先端部と、本体上に形成され、細長い先端部に近接している骨係合幾何形状と、本体の近接端に形成されたドライバ係合要素と、縫合糸を本体に取り付けるように本体に取り付けられた縫合糸連結機構とを備えた縫合アンカを備えた、軟組織を骨に固定する装置を提供するステップであって、細長い先端部は骨に固定される軟組織の厚さを超える長さを有し、それによって縫合アンカが軟組織を通過すると、遠位点は骨係合幾何形状が軟組織を貫通する前に軟組織から出るステップと、骨係合幾何形状が軟組織に係合する前に遠位点が軟組織の裏側から出るように、縫合アンカを軟組織を通して前進させるステップと、縫合アンカを骨内に前進させるステップとを含む、軟組織を骨に固定する方法が提供される。
【0027】
本発明の別の形態では、軸孔を有すると共に、骨内にシートを形成する構造を有する骨準備装置と、軸孔内で選択的に受けられ、遠位点を備えたワイヤトロカールであって、ワイヤトロカールが骨準備装置内に受けられると、遠位点と骨内にシートを形成する構造の遠位端の間の距離は、骨に固定される軟組織の厚さを超えるワイヤトロカールと、軸孔を有する本体、本体上に形成された骨係合幾何形状、本体の近接端に形成されたドライバ係合要素、および縫合糸を本体に取り付けるために本体に取り付けられた縫合糸連結機構を有するインプラント本体とを備えた、軟組織を骨に固定する装置を提供するステップと、遠位点と骨内にシートを形成する構造の遠位端の間の距離は、骨に固定される軟組織の厚さを超えるように、骨準備装置をワイヤトロカールの上に装填するステップと、骨内にシートを形成する構造が軟組織に係合する前に遠位点が軟組織の裏側から出るように、ワイヤトロカールを軟組織を通して前進させるステップと、ワイヤトロカールを骨内で前進させ、骨準備装置を骨内で前進させるステップと、骨準備装置を骨から引き出すステップと、インプラント本体をワイヤトロカールの上に装填し、これを骨内で前進させるステップと、ワイヤトロカールを骨から引き出すステップとを含む、軟組織を骨に固定する方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明のこれらおよび他の目的および特徴は、添付の図面と一緒に考慮される、以下の本発明の好ましい実施形態の詳細な説明によって、より完全に開示されるまたは自明となるだろう。同様の番号は同様の部品のことを言う。
【0029】
本発明は、腱または靭帯を骨に固定する新規および改良型の方法および装置を提供する。
【0030】
より詳細には、本発明は、新規の縫合アンカ、およびその新規の縫合アンカを使用して腱または靭帯を骨に再び取り付ける新規の方法を提供する。
【0031】
さらに詳細には、本発明は縫合アンカの先端部が通常よりかなり長く、固定アンカの遠位点と縫合アンカのねじ山の始点の間の距離がかなり大きい、新規の縫合アンカの提供および使用を含んでいる。本発明の好ましい一形態では、縫合アンカの先端部は、縫合アンカの遠位点が一部破断された回旋腱板(RTC)腱、または回旋腱板(RTC)腱の全体の厚さを通して通過させることができるのに十分な長さに形成されており、それによって、縫合アンカのねじ山が腱、または回旋腱板(RTC)腱の包性表面と係合する前に、縫合アンカの遠位点が回旋腱板(RTC)腱の裏面を通して突起することが分かる。参考までに、無傷の回旋腱板(RTC)腱の末端2cmの通常の厚さは普通、約9mmから約12mmの長さであることに留意すべきである。したがって、本発明の新規の縫合アンカは、必ずしもではないが、約10mmから20mmの長さである先端部(すなわち、遠位先端33とねじ山35の始点の間の距離)を有することが好ましいだろう。
【0032】
次に図13を参照すると、本発明の1つの好ましい形態を含み、損傷を受けた回旋腱板(RTC)腱を上腕頭上のその挿入部位に再び近接させる際に使用するのに特によく適している、新規の縫合アンカ125が示されている。より詳細には、新規の縫合アンカ125は、縫合アンカを腱を通して通過させ、縫合糸を骨内に案内するのを簡単にするように遠位点133で終端する先端部131を有する本体130を備えている。本体130はまた、縫合アンカを骨の内部に前進させるねじ山135と、縫合アンカを回転ドライバ(図13には図示せず)に結合させるための六角形(または、他の非円形幾何形状、例えば四角形、矩形、トルクスタイプなど)後端部140と、縫合糸50を縫合アンカに取り付けるためのはとめ145とを有する。追加のはとめおよび/または縫合糸を提供することもできる。
【0033】
本発明によると、先端部131が通常よりかなり長く、遠位点133とねじ山135の始点の間の距離がかなり大きい。本発明の好ましい一形態では、先端部131は、縫合アンカ125の遠位点133が一部破断された回旋腱板(RTC)腱、または回旋腱板(RTC)腱の全体の厚さを通して通過させることができるのに十分な長さに形成されており、それによって、ねじ山135が腱、または回旋腱板(RTC)腱の包性表面と係合する前に、遠位点133が回旋腱板(RTC)腱の裏面を通して突起することが見える。したがって、新規の縫合アンカ125を損傷を受けた回旋腱板(RTC)腱を再び取り付けるのに使用する場合、縫合アンカ125は約10mmから20mmの長さである先端部を有することが好ましい。というのは、無傷の回旋腱板(RTC)腱の末端2cmの通常の厚さは普通、約9mmから約12mmの長さであるからである。
【0034】
本発明はまた、本発明の新規の縫合アンカを使用して、腱または靭帯を骨に再び取り付ける新規の方法を含んでいる。
【0035】
したがって、本発明の一形態では、また図14〜19を参照すると、腱を修復部位まで(すなわち、上腕頭上のフットプリントまで)横方向に引っ張る、再び位置決めする、または移動させる、あるいは再び近接させることができ、その後把持機器の必要なく骨に再び着座させることができるように、回旋腱板(RTC)腱を刺すように新規の縫合アンカの細長い先端部を使用する方法が提供される。加えて、縫合アンカの遠位点は、回旋腱板(RTC)腱を通して骨内に縫合アンカを定置するのを助けるように「開始目打ち」またはパンチとして使用することができる。
【0036】
より詳細には、図14では、上腕頭10から完全に引き剥がされた回旋腱板(RTC)腱5、および回転ドライバ52に取り付けられた新規の縫合アンカ125が示されている。本発明の一形態によると、尖っている遠位先端133は回旋腱板(RTC)腱5を通して「刺され」、縫合アンカは遠位方向に前進され、それによって回旋腱板(RTC)腱5は縫合アンカの細長い先端部131上にしっかり取り付けられる(図15)。その後、回転ドライバ52および縫合アンカ125を使用して、回旋腱板(RTC)腱5は腱が上腕頭10上のそのフットプリントの上に位置決めされるまで横方向に引っ張られ、その後、尖っている遠位先端133は骨に対して位置決めされている(図16)。その後、回転ドライバ52は縫合アンカ125を骨10内に前進させるように(図17および18)、すなわちそのねじ山135が縫合アンカを骨内に前進させるように縫合アンカを回転させることによって使用される。次に、回転ドライバ52は縫合アンカ125(図19)から係脱され、その後縫合糸50は回旋腱板(RTC)腱5を上腕頭10に縛り付けるのに使用される。
【0037】
本発明の別の形態によると、新規の縫合糸アンカは上腕頭から部分的に引き剥がされた回旋腱板(RTC)腱を修復するのに使用することができる。明らかに、部分的に破断した回旋腱板(RTC)腱を新規の縫合アンカで修復する場合、外科医は新規の縫合アンカを腱の上表面(すなわち、包性側)から通過させながら、腱の裏面(すなわち、関節側)から破断を視認することができる。新規の縫合アンカの拡張先端部は、縫合アンカをどこに配置したらよいかを決定するためのガイドとして(例えば、骨アンカの所望の位置を特定するために脊髄針を使用することができる方法に類似したいくつかの方法で)使用することができる。これは、縫合アンカの新規構成により、縫合アンカの細長い先端部は、縫合アンカのねじ山が腱の上表面と係合するまで縫合アンカを前進させなければならないことなく、腱の裏面から出ていることが分かるのに十分なほど長いからである。
【0038】
より詳細には、また図20〜24を参照すると、本発明のこの形態で、縫合アンカ125は回旋腱板(RTC)腱5を通して前進させられ、それによって遠位点133は腱の裏側から見ることができるが、縫合アンカのねじ山135は腱の上側に係合していない(図20)。その後、遠位点133を視覚化すると、縫合アンカ125は上腕頭10に対して適切に位置決めされ、その後縫合アンカは骨内に(図21〜23)、すなわちそのねじ山が縫合アンカを骨内に前進させるように縫合アンカを回転することによって前進される。縫合糸50はその後、回旋腱板(RTC)腱5を上腕頭に対して定位置に結ぶのに使用される(図24)。
【0039】
上に記したように、縫合アンカが骨内に着座されると、縫合糸50は回旋腱板(RTC)腱を上腕頭に対して保持するように縛り付けることができる。これは、縫合アンカ業界においてよく知られている様々な縛り付け技術を使用して行うことができる。別の方法では、また図25および26を参照すると、ボタンまたはスライドロック装置200などの装置を縫合糸50上に取り付け、定位置まで下に滑らせそれによって部分的にまたは完全に破断された腱を少なくし、その後、定位置に係止するまたは結ぶことができる。
【0040】
別の実施例として、図27では、縫合糸50によって縫合アンカに連結されたボタン200が示されており、それによってボタンは実質的に固定長さだけ縫合アンカから間隔を置いて配置されている。この構成では、軟組織を骨に保持する張力は、骨内への縫合アンカの挿入の深さを変えることによって調節される。
【0041】
別の実施例として、図28では、引き結び202の遠位方向に縫合糸50上に摺動可能に取り付けられたボタン200が示されている。この構成では、縫合アンカは骨内に完全に展開され、その後引き結び202は、ボタン200を軟組織と捕捉係合させるように遠位方向に移動される。
【0042】
上に記したように、図14〜19に示すように、新規の縫合アンカは、変位させた腱をそのフットプリントまで横方向に移動させるように、損傷を受けた回旋腱板(RTC)腱を「刺して引っ張る」のに使用することができる。このような応用例では、このような「引張」動作中に縫合アンカの遠位端上に加えられる横方向負荷に対応するため、縫合糸アンカの近接端に追加の支持を提供することが望ましい可能性がある。
【0043】
より詳細には、図14〜18から分かるように、回転ドライバ52は、縫合アンカ125の六角形後端部40を巻き込み、回転動作をドライバ52から縫合アンカ125まで伝達する遠位端を有することができる。しかし、これらの図から分かるように、回転ドライバ52はねじ山135を巻き込まない。したがって、図29を参照すると、支持シース300が回転ドライバ52の周りに同心状に配置された新規の位置が示されており、支持シースの遠位端は回転ドライバ52の遠位端を超えて延びている。支持シース300は、回転ドライバ52の外部を旋回可能に受ける円滑な内孔302と、縫合アンカのねじ山135を旋回可能に受ける螺旋状リセス304とを備えている。
【0044】
この構成の結果、図29の装置が上に論じた種類の「刺して引っ張る」過程で使用される場合、支持シース300の遠位端は「引っ張る」動作中に縫合アンカ125の近接端に横方向の支持を提供し、支持シースの円滑な内孔302はその後、回転ドライバ52を旋回させることが可能になり、それによって縫合アンカ125を支持シース300から回旋腱板(RTC)腱を通して骨内に軸方向に前進させることが可能になる。
【0045】
上に記したように、新規の縫合アンカの拡張先端部は、軟組織修復中、例えば「刺して引っ張る」動作中に、実質的に横方向の負荷に曝される可能性がある。新規の縫合アンカが金属材料(例えば、ステンレス鋼、チタンなど)、または強い非金属材料(例えば、強いプラスチック、強い吸収性材料など)で形成される場合、拡張先端部はこのような横方向負荷に難なく耐えるのに十分なだけ強い可能性がある。しかし、一部の状況では(例えば、新規の縫合アンカが特定の吸収性材料から形成されている場合など)、拡張先端部はこのような横方向負荷に安全に耐えるのに十分なほど強いまたは耐久力がなくてもよい。これらの状況では、代替構成を使用することもできる。
【0046】
より詳細には、次に図30〜34を参照すると、新規の縫合アンカ425はワイヤトロカール431およびインプラント本体430によって形成することができる。ワイヤトロカール431は遠位点433で終端する。インプラント本体430は、ワイヤトロカール431の上に摺動可能に配置され、ワイヤトロカール431を受ける中心孔432、およびインプラント本体430を骨内に前進させるねじ山435を備えている。インプラント本体430は、回転ドライバに連結させるように、六角形(または、他の非円形幾何形状、例えば四角形、矩形、トルクスタイプなど)の後端部440で終端する。六角形後端部440は、縫合糸50をそこに取り付けるはとめ445を有する。
【0047】
この構成では、ワイヤトロカール431、およびインプラント本体430は、腱の貫通(および、一部の場合では、腱の「引っ張り」)中、およびインプラント本体430の骨内への配置中に一体化され、ワイヤトロカール431は、以下に論じるように、インプラント本体430が骨内に展開された後に取り除かれる。さらに、ワイヤトロカール431およびインプラント本体430は、そのように一体化しながら、インプラント本体430の遠位端を超えて延びるワイヤトロカール431の一部が縫合アンカ125の細長い先端部131と機能的に同等であるように構成されている。したがって、インプラント本体430の遠位端を超えて延びるワイヤトロカール431の一部は、骨に再び取り付けられる軟組織の厚さより長く、それによってワイヤトロカール431の鋭い遠位点433は、インプラント本体430のねじ山435が軟組織に係合する前に、軟組織の底部から出る。
【0048】
本発明の一形態では、新規の縫合アンカ425は、インプラント本体430の骨内への展開の後、および縫合糸の縛り付けの前に、ワイヤトロカール431が取り除かれることを除いて、前述の縫合アンカ125と実質的に同じ方法で(例えば、図14〜19に示す方法、または図20〜24に示す方法などで)使用することができる。
【0049】
別の方法では、本発明のこの形態では、インプラント本体430をより弱いまたは耐久性の小さい材料(例えば、より弱い吸収性材料)で形成することができるという事実を考慮して、骨内にインプラント本体430を配置する前に、骨をたたくための(すなわち、ねじ山シートを提供するように)タップ500(図35および36)を提供することが望ましい可能性がある。タップ500は、中心孔532およびねじ山535を有する本体530を備えている。タップ500の中心孔532は、以下に論じるように、縫合アンカ425のワイヤトロカール431を摺動可能に受ける。
【0050】
縫合アンカ425がタップ500と合わせて使用される場合、ワイヤトロカール431およびタップ500は、腱貫通(および、一部の場合では、腱「引っ張り」)中に一体化され、その後ワイヤトロカール431およびインプラント本体430はインプラント本体430の骨内への配置中に一体化され、以下に論じるように、ワイヤトロカール431はインプラント本体430が骨内に展開された後に取り除かれる。さらに、ワイヤトロカール431およびタップ500は、一体化されながら、タップ500の遠位端を超えて延びているワイヤトロカール431の一部が、縫合アンカ125の細長い先端部131と機能的に同等であるように構成されている。したがって、タップ500の遠位端を超えて延びるワイヤトロカール431の一部は、骨に再び取り付けられる軟組織の厚さより長く、それによってワイヤトロカール431の鋭い遠位点433は、タップ500のねじ山535が軟組織を貫通する前に、軟組織の底部から出る。
【0051】
図37〜43は、「刺して引っ張る」腱再構成処置で使用されている新規の縫合アンカ425およびタップ500を示している。より詳細には、ワイヤトロカール431はその上にタップ500が装填され、ワイヤトロカールの遠位先端部はタップ500の遠位端を十分超えて延びている。より詳細には、本発明によると、ワイヤトロカールの遠位先端部はタップの最遠位部をさらに超えて十分延びており、それによってワイヤトロカールはタップ500のねじ山535が腱を貫通する前に腱を完全に貫通することができる。このアセンブリは、回旋腱板(RTC)腱5を「刺す」のに使用され(図37)、その後回旋腱板(RTC)腱5はそのフットプリント上の定位置に引っ張られる(図38)。次に、ワイヤトロカール431は上腕頭10内に穿孔され(図39)、その後タップ500は骨内に下に旋回されて、骨内にねじ山シートを形成する(図40)。その後、タップ500が取り除かれて、ワイヤトロカール431を解剖学的構造に残す。
【0052】
次に、インプラント本体435ワイヤトロカール431の近接端上に装填され、ワイヤトロカールの下に前進される(図41)。その後、インプラント本体435は回転ドライバ52を使用して骨内に旋回され(図42)、その後ワイヤトロカール431および回転ドライバ52が取り除かれて、インプラント本体435が骨内に展開される(図43)。縫合糸50はその後、回旋腱板(RTC)腱5をそのフットプリントの定位置に縛り付けるのに使用することができる。
【0053】
図44〜53は、「部分的な破断」の腱修復で使用されている縫合アンカ425およびタップ500を示している。より詳細には、ワイヤトロカール431はその上にタップ500が装填され、ワイヤトロカールの遠位先端部がタップ500の遠位端を超えて十分に延び、それによってワイヤトロカールはタップ500のねじ山535が腱を貫通する前に腱を完全に貫通することができる。このアセンブリは、回旋腱板(RTC)腱5を通して骨内に前進される(図44〜47)。この点に関して、ワイヤトロカール431はタップ500の最遠位部を実質的に超えて延びている限り、ワイヤトロカール431の鋭い点は、腱の裏側から出て、骨の上表面に係合するときに視覚化することができることが理解されよう。その後、タップ500はワイヤ431から取り除かれる(図48)。
【0054】
次に、インプラント本体435はワイヤトロカール431の近接端上に装填され、ワイヤの下に前進される(図49)。その後、インプラント本体435は回転ドライバ52を使用して骨内に旋回され(図50)、回転ドライバ52は取り除かれて、ワイヤトロカール431およびインプラント本体435が骨内に展開される(図51)。ワイヤトロカール431はその後取り除かれる(図52)。縫合糸50はその後、腱5を定位置に縛り付けるのに使用することができる(図53)。
【0055】
前述のことに加えて、前述の説明では、本発明をねじ山を利用した縫合アンカの内容で論じたが、ねじ山を組み込んでいない縫合アンカで本発明を実施することも可能である。したがって、本発明は他の骨係合幾何形状を利用する縫合アンカで実施することができる。例えば、本発明はリブタイプの縫合アンカ、とげタイプ縫合アンカなどで実施することができる。
【0056】
さらに、図35〜53の構成がタップ500の内容で論じられているが、タップは本発明の新規の縫合アンカの構造と一致する他の骨準備装置、例えば、目打ち、拡張装置、穿孔またはエーコンドリルなどと代えることができる。
【0057】
本発明は、回旋腱板(RTC)腱または靭帯以外の解剖学的構造を修復するのに適用することができることも理解すべきである。
【0058】
さらに、本発明の性質を説明するために本明細書に説明および例示した、詳細、材料、ステップ、および部品の配置の多くの追加の変更を当業者が行うことができるが、本発明の原理および範囲内にあることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】その挿入部位(または、「フットプリント」)上の回旋腱板(RTC)腱の無傷の挿入を示す、近接上腕骨の略図である。
【図2】その挿入部位(または、フットプリント)から変位された完全に破断されたまたは剥離された回旋腱板(RTC)腱を示す、近接上腕骨の略図である。
【図3】その挿入部位(または、フットプリント)から部分的に破断された回旋腱板(RTC)腱を示す、近接上腕骨の略図である。
【図4】穿孔、骨経路および縫合糸を使用して、その挿入部位(または、フットプリント)に再び取り付けられた回旋腱板(RTC)腱を示す、近接上腕骨の略図である。
【図5】典型的な従来技術の回旋腱板(RTC)縫合アンカの略図である。
【図6】従来技術の縫合アンカ技術を使用して、上腕骨に再び取り付けられている破断された回旋腱板(RTC)腱を示す略図である。
【図7】従来技術の縫合アンカ技術を使用して、上腕骨に再び取り付けられている破断された回旋腱板(RTC)腱を示す略図である。
【図8】従来技術の縫合アンカ技術を使用して、上腕骨に再び取り付けられている破断された回旋腱板(RTC)腱を示す略図である。
【図9】従来技術の縫合アンカ技術を使用して、上腕骨に再び取り付けられている破断された回旋腱板(RTC)腱を示す略図である。
【図10】従来技術の縫合アンカ技術を使用して、上腕骨に再び取り付けられている破断された回旋腱板(RTC)腱を示す略図である。
【図11】従来技術の縫合アンカ技術を使用して、上腕骨に再び取り付けられている破断された回旋腱板(RTC)腱を示す略図である。
【図12】従来技術の縫合アンカ技術を使用して、上腕骨に再び取り付けられている一部破断された回旋腱板(RTC)腱を示す略図である。
【図13】本発明により形成された新規の縫合アンカを示す略図である。
【図14】図13の新規の縫合アンカを使用して、完全に外れた腱を骨に再び取り付けるための新規の方法を示す略図である。
【図15】図13の新規の縫合アンカを使用して、完全に外れた腱を骨に再び取り付けるための新規の方法を示す略図である。
【図16】図13の新規の縫合アンカを使用して、完全に外れた腱を骨に再び取り付けるための新規の方法を示す略図である。
【図17】図13の新規の縫合アンカを使用して、完全に外れた腱を骨に再び取り付けるための新規の方法を示す略図である。
【図18】図13の新規の縫合アンカを使用して、完全に外れた腱を骨に再び取り付けるための新規の方法を示す略図である。
【図19】図13の新規の縫合アンカを使用して、完全に外れた腱を骨に再び取り付けるための新規の方法を示す略図である。
【図20】図13の新規の縫合アンカを使用して、一部破断した腱を骨に再び取り付けるための新規の方法を示す略図である。
【図21】図13の新規の縫合アンカを使用して、一部破断した腱を骨に再び取り付けるための新規の方法を示す略図である。
【図22】図13の新規の縫合アンカを使用して、一部破断した腱を骨に再び取り付けるための新規の方法を示す略図である。
【図23】図13の新規の縫合アンカを使用して、一部破断した腱を骨に再び取り付けるための新規の方法を示す略図である。
【図24】図13の新規の縫合アンカを使用して、一部破断した腱を骨に再び取り付けるための新規の方法を示す略図である。
【図25】図13の新規の縫合アンカ、また縫合糸の下に滑らされ、その後定位置で結ばれるまたは下で係止されるボタンまたは同様の係止機構を使用して、腱を骨に再び取り付けるための新規の方法を示す略図である。
【図26】図13の新規の縫合アンカ、また縫合糸の下に滑らされ、その後定位置で結ばれるまたは下で係止されるボタンまたは同様の係止機構を使用して、腱を骨に再び取り付けるための新規の方法を示す略図である。
【図27】軟組織を骨に保持するのに使用することができる、追加のボタンまたは同様の係止機構を示す図である。
【図28】軟組織を骨に保持するのに使用することができる、追加のボタンまたは同様の係止機構を示す図である。
【図29】回転ドライバ内に装填され、縫合アンカの近接部を囲む支持シースを備えた、図13の新規の縫合アンカを示す略図である。
【図30】縫合アンカがワイヤトロカールおよびインプラント本体を備えている、代替形態の縫合アンカを示す略図である。
【図31】縫合アンカがワイヤトロカールおよびインプラント本体を備えている、代替形態の縫合アンカを示す略図である。
【図32】縫合アンカがワイヤトロカールおよびインプラント本体を備えている、代替形態の縫合アンカを示す略図である。
【図33】縫合アンカがワイヤトロカールおよびインプラント本体を備えている、代替形態の縫合アンカを示す略図である。
【図34】縫合アンカがワイヤトロカールおよびインプラント本体を備えている、代替形態の縫合アンカを示す略図である。
【図35】図30および31のワイヤトロカール上に装填されたタップを示す略図である。
【図36】図30および31のワイヤトロカール上に装填されたタップを示す略図である。
【図37】図30〜34の縫合アンカ、および図35および36のタップを使用した、「刺して引っ張る」腱の修復を示す略図である。
【図38】図30〜34の縫合アンカ、および図35および36のタップを使用した、「刺して引っ張る」腱の修復を示す略図である。
【図39】図30〜34の縫合アンカ、および図35および36のタップを使用した、「刺して引っ張る」腱の修復を示す略図である。
【図40】図30〜34の縫合アンカ、および図35および36のタップを使用した、「刺して引っ張る」腱の修復を示す略図である。
【図41】図30〜34の縫合アンカ、および図35および36のタップを使用した、「刺して引っ張る」腱の修復を示す略図である。
【図42】図30〜34の縫合アンカ、および図35および36のタップを使用した、「刺して引っ張る」腱の修復を示す略図である。
【図43】図30〜34の縫合アンカ、および図35および36のタップを使用した、「刺して引っ張る」腱の修復を示す略図である。
【図44】図30〜34の縫合アンカ、および図35および36のタップを使用した、「部分破断」腱の修復を示す略図である。
【図45】図30〜34の縫合アンカ、および図35および36のタップを使用した、「部分破断」腱の修復を示す略図である。
【図46】図30〜34の縫合アンカ、および図35および36のタップを使用した、「部分破断」腱の修復を示す略図である。
【図47】図30〜34の縫合アンカ、および図35および36のタップを使用した、「部分破断」腱の修復を示す略図である。
【図48】図30〜34の縫合アンカ、および図35および36のタップを使用した、「部分破断」腱の修復を示す略図である。
【図49】図30〜34の縫合アンカ、および図35および36のタップを使用した、「部分破断」腱の修復を示す略図である。
【図50】図30〜34の縫合アンカ、および図35および36のタップを使用した、「部分破断」腱の修復を示す略図である。
【図51】図30〜34の縫合アンカ、および図35および36のタップを使用した、「部分破断」腱の修復を示す略図である。
【図52】図30〜34の縫合アンカ、および図35および36のタップを使用した、「部分破断」腱の修復を示す略図である。
【図53】図30〜34の縫合アンカ、および図35および36のタップを使用した、「部分破断」腱の修復を示す略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に連結され、前記本体の遠位方向に延びており、遠位点で終端する細長い先端部と、
前記本体上に形成され、前記細長い先端部に近接している骨係合幾何形状と、
前記本体の近接端に形成されたドライバ係合要素と、
縫合糸を前記本体に取り付けるように前記本体に取り付けられた縫合糸連結機構とを備えた縫合アンカを備えた、軟組織を骨に固定する装置であって、
前記細長い先端部は前記骨に固定される前記軟組織の厚さを超える長さを有し、それによって前記縫合アンカが前記軟組織を通過すると、前記遠位点は前記骨係合幾何形状が前記軟組織を貫通する前に前記軟組織から出る装置。
【請求項2】
前記軟組織は腱を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記軟組織は回旋腱板(RTC)腱を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記軟組織は靭帯を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記骨は上腕骨を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記縫合アンカは金属で形成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記縫合アンカはステンレス鋼で形成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記縫合アンカはチタンで形成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記縫合アンカはプラスチックで形成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記縫合アンカは吸収性材料で形成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記縫合アンカは金属および非金属で形成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記細長い先端部は、前記回旋腱板(RTC)腱の全体の厚さを超える長さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記細長い先端部は、部分的に破断した回旋腱板(RTC)腱の外れた部分の厚さを超える長さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記細長い先端部は、約10から20mmの長さである、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記骨係合幾何形状はねじ山を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記骨係合幾何形状はリブを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記骨係合幾何形状はとげを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記ドライバ係合要素は、近接方向に延びている非円形突起を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記非円形突起は六角形断面を有する、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記非円形突起は四角形断面を有する、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記非円形突起は矩形断面を有する、請求項18に記載の装置。
【請求項22】
前記非円形突起はトルクスタイプ幾何形状を有する、請求項18に記載の装置。
【請求項23】
前記縫合糸連結機構は、前記縫合アンカ内に形成されたはとめを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記縫合アンカは単一の一体構造を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
前記縫合アンカは、インプラント本体およびワイヤトロカールを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記インプラント本体は軸孔を備えており、前記ワイヤトロカールは前記インプラント本体内に選択的に受けられる、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記インプラント本体は前記本体、前記骨係合幾何形状、前記ドライバ係合要素、および前記縫合糸連結機構を備えており、前記ワイヤトロカールは前記細長い先端部を備えている、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記ワイヤトロカールが前記インプラント本体内に受けられると、前記遠位点と前記骨係合幾何形状の前記遠位端の間の距離は、前記骨が固定される前記軟組織の厚さを超える、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記装置はさらに、前記本体に取り付けられた縫合糸を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項30】
前記装置はさらに、前記縫合アンカを骨内に挿入するドライバを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項31】
前記ドライバは、前記縫合アンカの近接部を支持する支持シースを備えている、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記装置はさらにタップを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項33】
軸孔を有すると共に、骨内にシートを形成する構造を有する骨準備装置と、
前記軸孔内で選択的に受けられ、遠位点を備えたワイヤトロカールとを備えた、軟組織を骨に固定する装置であって、
前記ワイヤトロカールが前記骨準備装置内に受けられると、前記遠位点と骨内にシートを形成する構造の遠位端の間の距離は、前記骨に固定される前記軟組織の厚さを超える装置。
【請求項34】
前記骨準備装置はタップを備えており、さらに、骨内にシートを形成する前記構造は、前記骨内にねじ山シートを形成する構造を備えている、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
軸孔を有する本体と、前記本体上に形成されている骨係合幾何形状と、前記本体の近接端に形成されたドライバ係合要素と、縫合糸を前記本体に取り付けるように前記本体に取り付けられた縫合糸連結機構とを備えたインプラント本体をさらに備えた、請求項33に記載の装置。
【請求項36】
本体と、前記本体に連結され、前記本体の遠位方向に延びており、遠位点で終端する細長い先端部と、前記本体上に形成され、前記細長い先端部に近接している骨係合幾何形状と、前記本体の近接端に形成されたドライバ係合要素と、縫合糸を前記本体に取り付けるように前記本体に取り付けられた縫合糸連結機構とを備えた縫合アンカを備えた、軟組織を骨に固定する装置を提供するステップであって、前記細長い先端部は前記骨に固定される前記軟組織の厚さを超える長さを有し、それによって前記縫合アンカが前記軟組織を通過すると、前記遠位点は前記骨係合幾何形状が前記軟組織を貫通する前に前記軟組織から出るステップと、
前記骨係合幾何形状が前記軟組織に係合する前に前記遠位点が前記軟組織の裏側から出るように、前記縫合アンカを前記軟組織を通して前進させるステップと、
前記縫合アンカを前記骨内に前進させるステップとを含む、軟組織を骨に固定させる方法。
【請求項37】
前記縫合アンカが前記骨内で前進される前に、前記縫合アンカは前記軟組織を横方向に移動させるために使用される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
軸孔を有すると共に、骨内にシートを形成する構造を有する骨準備装置と、前記軸孔内で選択的に受けられ、遠位点を備えたワイヤトロカールであって、ワイヤトロカールが前記骨準備装置内に受けられると、前記遠位点と骨内にシートを形成する構造の遠位端の間の距離は、前記骨に固定される軟組織の厚さを超えるワイヤトロカールと、軸孔を有する本体、前記本体上に形成された骨係合幾何形状、前記本体の近接端に形成されたドライバ係合要素、および縫合糸を前記本体に取り付けるために前記本体に取り付けられた縫合糸連結機構を有するインプラント本体とを備えた、軟組織を骨に固定する装置を提供するステップと、
前記遠位点と骨内にシートを形成する構造の遠位端の間の前記距離は、前記骨に固定される前記軟組織の厚さを超えるように、前記骨準備装置をワイヤトロカールの上に装填するステップと、
前記骨内にシートを形成する前記構造が前記軟組織に係合する前に前記遠位点が前記軟組織の裏側から出るように、前記ワイヤトロカールを前記軟組織を通して前進させるステップと、
前記ワイヤトロカールを前記骨内で前進させ、前記骨準備装置を前記骨内で前進させるステップと、
前記骨準備装置を前記骨から引き出すステップと、
前記インプラント本体を前記ワイヤトロカールの上に装填し、これを前記骨内で前進させるステップと、
前記ワイヤトロカールを前記骨から引き出すステップとを含む、軟組織を骨に固定する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【公表番号】特表2008−520277(P2008−520277A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541421(P2007−541421)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【国際出願番号】PCT/US2005/041259
【国際公開番号】WO2006/055516
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(504131910)スキャンディウス・バイオメディカル・インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】