説明

回胴式遊技機

【課題】 ゲームを進行させつつ貯留装置への有価価値情報の貯留を行うことができる回胴式遊技機を提供する。
【解決手段】 有価価値情報を1度数以上含んでいるカード101(有価情報記録媒体)をCRユニット2に挿入した状態で、貯留装置18の貯留数が0になった場合、MAXベットの押下により最大貯留数を限度としてカード101の有価価値情報を貯留装置18へ移行して貯留させる。このため、遊技者は、ゲームを進行させつつ、カード101から貯留装置18へ有価価値情報を移行して貯留させることができ、これにより、貯留装置18の貯留数が少ないことに伴うゲーム無効の状態になることを避けるための遊技メダル貯留枚数表示器19の確認が不要となり、かつ、この際、貯留装置18の貯留数が少ない場合にもメダル貸出ボタンを操作しなくて済むことになり、遊技者はゲームに集中できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリペイドカード(例えば磁気カードやICカード)等の有価情報記録媒体に記録された有価情報記録媒体をCRユニットが読取って、この読取って得られた有価情報記録媒体の情報を用いて遊技の実行を図るようにした回胴式遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の回胴式遊技機の一例として、隣接して配置される現金サンド(いわゆる台間メダル貸出し機)に接続して用いられ、現金サンドにおいて現金をメダル(遊技媒体)に替え、このメダルをメダル投入口から投入することによりメダルが主基板CPUのプログラム管理の下で投入装置又は貯留装置(クレジット)に入り、1枚ベットボタンやMAXベットボタン(賭数設定手段)の操作により貯留装置から投入装置へのメダルの移行、投入が行われ、遊技(ゲーム)の開始が可能となるように構成した装置(以下、かかる対応の回胴式遊技機を適宜、現金機という。)がある(特許文献1参照)。
【0003】
近時、パチンコ機では、プリペイドカード(例えば磁気カードやICカード)等の有価情報記録媒体(以下、「カード」と称す)を用い、遊技媒体の貸出しを図るようにしたCRユニットを、前記現金サンドに代えて用いることが多くなってきている。これに伴い、パチスロ機に代表される回胴式遊技機について、CRユニットを用いた使用が検討されており、このようにCRユニットを用いた回胴式遊技機の一例として次のように構成された回胴式遊技機がある(特許文献1参照)。
【0004】
すなわち、この回胴式遊技機では、遊技者が貸出しボタンを押すと、CRユニットが挿入されているカードの有価価値情報を放出し、これに応じて当該回胴式遊技機が貯留装置(クレジット)にその有価価値情報を取り込んだ後、MAXベットボタンが押下されることにより、最大のベット数(賭数、例えば3枚)が貯留装置から投入装置に投入され、ゲーム開始が可能な状態になり、この状態でスタートレバーを操作することによりゲームが開始される。なお、貯留装置(クレジット)の貯留数が0になるとMAXベットボタンの操作が無効とされるようになっている。また、貯留装置の貯留数は、クレジット枚数表示器で表示され、遊技者はこの表示内容を見て、貯留装置の貯留数を把握できるようになっている。
【特許文献1】特開2002−360764号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したCRユニットを用いた回胴式遊技機では、CRユニットの操作を意識しながら、遊技者はMAXベットボタンの操作の無効状態を避けるために、ゲーム中において、クレジット枚数表示器の表示内容を確認し、貯留数が少ないと、貸出しボタンを操作して貯留装置に補充を行う必要があった。
このため、ゲームの進行が中断されてしまい、興趣の低下を招くことにもなり、改善が求められているというのが実情であった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技を進行させつつ貯留装置への有価価値情報の貯留を行うことができる回胴式遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、有価情報記録媒体に記録され遊技媒体の数量に対応した内容を示す有価価値情報の読取り及び書換えを行うCRユニットに接続され、最大貯留数が定められた貯留装置から投入装置への前記有価価値情報の投入を賭数設定手段の操作により実行して遊技の開始を可能とする制御手段を備えた回胴式遊技機であって、前記制御手段は、前記CRユニットから送られた前記有価情報記録媒体の有価価値情報が所定量以上の有価価値を含んでいる場合に、前記貯留装置の貯留数が予め定められた数以下であると、前記賭数設定手段の操作により前記最大貯留数を限度として前記有価情報記録媒体の有価価値情報を前記貯留装置へ移行して貯留させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、CRユニットから送られた有価情報記録媒体の有価価値情報が所定量以上の有価価値を含んでいる場合に、貯留装置の貯留数が予め定められた数以下であると、賭数設定手段の操作により最大貯留数を限度として前記有価情報記録媒体の有価価値情報を前記貯留装置へ移行して貯留させる。このため、遊技者は、遊技が無効の状態になることを避けるための貯留装置の貯留数の確認を行うことなく、遊技を進行させつつ、有価情報記録媒体から貯留装置へ有価価値情報を移行して貯留させることができ、これに伴い、遊技者は遊技に集中できることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の一実施の形態に係る回胴式遊技機1を図面に基づいて説明する。
図1〜図3において、回胴式遊技機1は、CRユニット2に接続可能とされ、及び図示しない現金サンドにより貸出されたメダルのみを用いた遊技も可能とされ、両者に対応して用いられるようになっている。回胴式遊技機1の筐体4の前面中央部には透明板5が装着された表示窓部6が設けられている。表示窓部6の内側には、外周面に複数種の図柄(図示省略)が描かれた左、中、右のリール7a、7b、7c(回胴)が各々、図1左右方向に延びる軸(図示省略)を中心にして回転自在に配置されている。リール7a、7b、7cは、各回胴モータ58に駆動され互いに独立して回転、停止し得るようになっている。
3個のリール7a、7b、7cは、停止した状態で図柄が3行3列に配置されるようになっている。上中下(3行)の図示しない3本のライン、及び中央の図柄を通る斜め一直線の図示しない2本のラインの合計5本のラインが入賞ラインとされ得るようになっている。5本のラインのうちどのライン(何本)が入賞ラインになるかについては、投入装置63内のメダル投入数(賭数)により決定される。
【0010】
回胴式遊技機1の表示窓部6より下側の中央部には、中部基板105が配置されている。中部基板105は、中部基板本体106を備えている。中部基板本体106の表面側には、遊技メダル(以下、適宜、メダルという。)100の払出し枚数を表示する遊技メダル払出し枚数表示器17、後述するように貯留装置18に貯留されているメダル100の貯留枚数を表示する遊技メダル貯留枚数表示器19、後述するように投入装置63に投入されたメダル100の枚数を表示する遊技メダル投入枚数表示器20が配置されている。
なお、貯留装置18及び投入装置63は、RAMエリアで構成されており、上述したメダル100の貯留及び投入に関してソフト的に管理を行い、メダル100の数量を示す数値情報〔この数値情報は、カード101に記録される有価価値情報と一定の対応関係を有するものになっている。〕で記憶されるようになっているが、以下、適宜、メダル100を貯留及び投入するものとして説明する。貯留装置18のメダル100の貯留限度は50枚とされ、投入装置63のメダル100の投入限度は3枚とされている。
【0011】
この回胴式遊技機1では、投入装置63に、遊技(ゲーム)開始のために必要とされるメダル数〔ゲーム開始必要メダル数〕分のメダルが投入されている状態で、スタートレバー10が押下されることによりゲームが開始されるようになっている。ゲーム開始必要メダル数は、遊技状態により異なっている。
投入装置63に投入されているメダルの枚数は、上述したように入賞ラインの数に関連したものになっている。例えば遊技開始できる状態において、スタートレバー10の押下によりゲームが開始した時点での投入装置63内のメダルの枚数によって入賞ラインの数が決定される。この際、投入装置63にメダルが3枚投入されていれば、入賞ラインのライン数は5本、2枚投入されていれば入賞ラインのライン数は3本、1枚投入されていれば入賞ラインのライン数は1本となるようにされている。
【0012】
本実施の形態では、大役中のある特定のゲーム時またはゲーム期間を除き通常時には、投入装置63内に3枚のメダルが投入されている(いわゆる3枚賭けする)ことにより、その後のスタートレバー10の押下によりゲームが開始可能であり、ゲーム開始必要メダル数は3枚となっている。また、大役が揃う〔レギュラーボーナス(RB)を獲得する〕と、前記3枚賭けだったものが、ある特定のゲーム時またはゲーム期間には1枚のメダルの投入(1枚賭け)により、ゲームが開始可能となる場合があり、この場合は、ゲーム開始必要メダル数は1枚となっている。
【0013】
中部基板本体106の表面側には、さらに、スタートレバー10の操作が可能な状態であるか又は不可能な状態であるかを表示するスタート表示器21、本機への遊技メダル投入が可能な状態であるか又は不可能な状態であるかを表示する投入可能表示器22及び再遊技(リプレイ)作動時にこのことを表示するリプレイ表示器23が配置されている。中部基板本体106の裏面側には、設定変更SW87の複数段階(例えば6段階)の設定値について変更及び確認時にデジタル表示を行う中部表示器107が配置されている。中部基板105に備えられた各表示器は主基板CPU51(制御手段)に接続されている。
【0014】
回胴式遊技機1の中部基板105を配置した部分より下側の部分には、手前に突出するように台座部24が形成されており、この台座部24における左側部分には、精算ボタン25、1ベットボタン26、MAXベットボタン27(賭数設定手段)が設けられている。精算ボタン25は、押下されるとそのことを示す精算ボタン押下信号を出力し、主基板CPU51と協働し、メダル100(遊技媒体)の返却を行う。
【0015】
1ベットボタン26は、押下されることにより、貯留装置18から1枚のメダルを投入装置63に移行して投入させる。1ベットボタン26を繰返し押下することにより投入装置63ヘの投入数は「3」を限度に増加するようになっている。MAXベットボタン27は、押下されることにより、ゲーム開始必要メダル数分(1〜3枚)のメダルを貯留装置から投入装置63に移行して投入すると共に、主基板CPU51と協働して後述する度数出力処理(図3)において、カード101の度数情報を貯留装置18へ貯留する後述する貯留装置投入処理(ステップS5)の実行を可能としている。
【0016】
台座部24における右側部分には、本機に遊技メダル100を投入するための遊技メダル投入口28が設けられている。遊技メダル投入口28の下流側には遊技メダルセレクタ29が配置されている。遊技メダルセレクタ29には、メダル100の流路に沿って第1、第2メダルセンサー91,92が備えられている。第1、第2メダルセンサー91,92は、メダル100を順次検知することにより、メダル100が遊技メダル投入口28に投入されたことを確実に把握できるようにしている。
遊技メダル投入口28にメダル100が投入され、第1、第2メダルセンサー91,92に検出されると、遊技メダル投入口28に投入されたメダル100は、貯留装置18に、その貯留限度(50枚)の範囲で貯留される。この場合、遊技メダル投入口28に投入されたメダル100が前記貯留限度(50枚)を超えた場合、その超えた分のメダル100については、ホッパー41から払出し口43を通して受け皿44に払い出される。
【0017】
台座部24より下側の略中央部分には、回転している左、中、右のリール7a、7b、7cをそれぞれ停止させるための左、中、右の停止ボタン30a、30b、30cが配置されている。停止ボタン30a、30b、30cに対応して、これら各ボタンの操作が可能状態であるか又は不可能状態であるかを表示する停止ボタンLED85a、85b、85cが設けられている。
1ベットボタン26より下側部分(停止ボタン30a、30b、30cの左側)には、リール7a、7b、7cの回転を始動させるためのスタートレバー10が設けられている。右の停止ボタン30cより右側の部分には、遊技メダルセレクタ29内に詰まった遊技メダル100を返却するためのメダル返却ボタン81、及びドアのロックを解除するための鍵穴82が設けられており、鍵穴82に対応してドアセンサー83が設けられている。
【0018】
スタートレバー10より左側には、回転可能の押しボタン型のメダル貸出ボタン31及び押しボタン型のカード返却ボタン32が配置され、その下側にはカード度数表示器33が設けられている。
メダル貸出ボタン31は、回転量を変えることにより、メダル100の貸出し量(引き落とし度数)を調整できるようになっている。この実施の形態では、メダル貸出ボタン31の初期状態の回転量は、予め3度数分に相当する回転量とされており、調整しなければ、メダル貸出ボタン31の1回のオン作動に伴い、3度数分のメダルが貸出されるようになっている。この実施の形態では、1度数は、メダル5枚(約100円)に相当している。
また、メダル貸出ボタン31が押される(ONされる)ことにより、CRユニット2によるカード101の読取りデータに基づいてメダル100の貸出しが行われる。貸出されたメダル100は、貯留装置18に、その貯留限度(50枚)の範囲で貯留される。貸出されたメダル100が前記貯留限度(50枚)を超えた場合、その超えた分のメダル100については、ホッパー41から払出し口43を通して受け皿44に払い出される。
【0019】
貯留装置18のメダルの貯留数は、遊技メダル貯留枚数表示器19に表示される。カード返却ボタン32は、押されることにより、CRユニット2のカード搬送部42が作動されてカードの返却を行うようになっている。カード度数表示器33は、CRユニット2の読取り、書換えによりカードに記録されているカードの度数(遊技価値情報)を表示するようにしている。
【0020】
回胴式遊技機1の内側の下部側には、払出し口43が設けられ、その前方に受け皿44が配置されており、筐体4内部に設けられたホッパーユニット40のホッパー41からのメダル100が払出し口43を通して受け皿44に払い出される。ホッパー41に対応して、ホッパーモータ45及び払出される遊技メダル100を検知する払出しセンサー46が設けられている。ホッパー41の下側には、ホッパー41からあふれた遊技メダル100を収納するキャシュBOX47が配置されている。キャシュBOX47には、キャシュBOX47内の遊技メダル100が満杯になった状態を検知するオーバーフローセンサー48が配置されている。
ホッパー41に隣接して、電源ユニット86が設けられている。電源ユニット86には、本機の各基板に電源を供給するための電源基板84と、複数段階(例えば6段階)の設定値の変更を行うための設定変更スイッチ(設定変更SW)87と、複数段階(例えば6段階)の設定値の確認等を行うための設定キースイッチ88とが設けられている。
【0021】
回胴式遊技機1は、図2に示すように、ROM49に格納されたプログラムを、RAM50を作業エリアとして実行する主基板CPU51を備え、主基板CPU51によって信号処理、駆動制御、抽選作業等を含む遊技状態の制御が行われるようになっている。ROM49には、予め決められた入賞の図柄の組合わせ、各入賞の当選確率、払出し枚数等のテーブルが書き込まれている。
【0022】
主基板CPU51にはサブ基盤53が接続されており、遊技状態に応じた演出などの制御を行うようにしている。主基板CPU51には、さらに、外部端子集中端子板54、遊技メダルセレクタ29、メダルブロッカ56、内部当選の条件装置80、各種表示器、リール7a、7b、7c等と共にリールユニット57を構成するリール作動用の左、中、右の各モータ58及びリール7a、7b、7c用のインデックスセンサー59a、59b、59cが接続されている。
【0023】
さらに、主基板CPU51には、停止ボタン30a、30b、30cなどを含む入力部60、ホッパーユニット40、オーバーフロースイッチ61が接続されている。また、主基板CPU51には、CRユニット2用の中継基盤62が接続され、中継基盤62には、CRユニット2用の表示部74が接続されている。主基板CPU51には、さらに、CRユニット2を接続している場合と現金機として使用している場合で切替えられるCRユニット有無SW89が接続されており、接続対象(CRユニット2又は現金機)に応じて信号授受及びその管理を適切に行えるようにしている。CRユニット有無SW89は、CRユニット2と接続又は現金機としての使用切替が適切に行われた場合に、それぞれに対応した接続確認信号(CRユニット接続確認信号及び現金機接続確認信号)を主基板CPU51に出力し、これに応じて主基板CPU51が、CRユニット2又は現金機に応じた制御を行えるようにしている。
【0024】
本実施の形態では、主基板CPU51は、CRユニット接続確認信号の入力を受けたか否かにより、CRユニット2についての有効性判断を行い、また、接続確認信号の入力を受けたか否かにより、図示しない現金サンドについての有効性判断を行うようにしている。また、主基板CPU51は、精算ボタン25からの精算ボタン押下信号の入力を受けると、上述したようにメダル100(遊技媒体)の返却を行う。
【0025】
回胴式遊技機では、投入装置にメダルが投入された状態で、スタートレバー10が操作されることにより、ゲームを開始し、3個ののリール7a、7b、7cを始動させた後、停止ボタン30a、30b、30cが押されることにより各停止ボタン30a、30b、30cに対応するリール7a、7b、7c全てを停止させる。そして、リール7a、7b、7cを停止させたときに、入賞ライン上に所定の図柄が揃っていると、揃った図柄に対応する所定枚数のメダル100が払い出されるか、又はRB,BB等その揃った図柄に対応するゲーム状態となる。
【0026】
通常、「ボーナス」図柄が揃うまでは、遊技者のメダル100は遊技を続けるに従って減少するようになっており、この状態を「通常ゲーム」という。また、図柄には、通常ゲームとは別の特別なゲームはできず、単にメダル100を払い出すだけの「小役」図柄、通常ゲームとは別の特別なゲームができる「ボーナス」図柄も存在する。「ボーナス」図柄は2種類存在し、「レギュラーボーナス(RB)」図柄と「ビッグボーナス(BB)」図柄とに区別される。さらに、図柄には、チャレンジタイム(ある条件が整ったとき、通常のリール制御を、所定回数分中止し、遊技者の技量を反映させたリール制御を行なう遊技仕様。以下、適宜CTという。)に伴うゲーム(CTゲーム)を発生させる図柄(「CT」図柄)、及び投入装置63への追加投入を行うことなく再度1回のゲームを実行できる「リプレイ」図柄もある。
【0027】
「RB」図柄が揃った場合には、RBゲームが開始され、通常ゲーム中に「BB」図柄が揃った場合には、BBゲームが開始される。RBゲームは通常、110枚程度のメダル100を獲得可能である。BBゲームは、本実施の形態においては、そのゲーム期間中、ボーナスゲーム(RB状態)とボーナスゲーム(RB状態)とボーナスゲーム以外の小役獲得ゲームとを合せてメダル100の獲得枚数が規定枚数を超えるまで続き、通常350枚程度のメダル100の獲得が可能である。尚、BBゲームとしては、従来機種で行なわれていたように、最大30ゲームの小役獲得ゲームを備え、その間に最大3回までのRBゲームの成立を可能とする仕様もある。この従来型のBBゲームは、RBゲームを3回行うかボーナスゲームを30ゲーム消化すると終了し、大略350〜711枚(通常400枚程度)のメダル100を獲得可能である。
【0028】
前記BBゲーム中においては、上述したように前記3枚賭けに代えて、1枚賭け(投入装置63にメダルが1枚投入された状態)でゲームを開始できるようになっている。また、通常ゲーム中に「CT」図柄が揃った場合には、CTゲームが開始され、上述したように、通常ゲーム中に行なわれているような乱数値にもとづくリール7a、7b、7cの制御を、所定回数分中止し、遊技者の技量に応じてメダル100の獲得がしやすくなっている。
【0029】
CRユニット2は、磁気カードやICカード等からなり、メダル100に対応する価値を示す有価価値情報が記録されたプリペイドカード(以下、カードという。)101を挿入するカード挿入部72を有する機枠部70と、CRユニット2用の中継基盤62を介して接続される主基板CPU51と協働してカード101を用いたメダルの貸出し処理、返却処理、カード101の有価価値情報の読取り、書換えを含むカードの係る各種処理を行うCRユニット側制御部71と、カード挿入部72に対するカード101の案内及び排出(返却)作動を行うカード搬送部42と、カード101の記録情報(有価価値情報)の読出し、書換えを行うリードライト部73と、を備えている。
上述したように構成された回胴式遊技機では、CRユニット2に有効に接続された状態で、カード101がカード挿入口に挿入され、カード貸出ボタン31が押されると、100円、500円、1000円等、予め定められた範囲内の有価価値情報がカード101から減額され、その減額された価値に対応する数のメダルが貸出されて、まず投入装置63に3枚分投入され、その後、最大貯留数を限度として貯留装置18に貯留される。貸出の途中で貯留装置18の貯留枚数が最大貯留枚数(50枚)に達すると、残りのメダルは受け皿44に払い出される。尚、貯留枚数が貯留装置18の最大貯留枚数に達したらそこで貸出を中断し、カードの有価価値の減算もそこで止めるようにしても良い。
【0030】
CRユニット側制御部71は、カード101の度数情報の貯留装置18への貯留に関して前記度数出力処理を行うようになっている。この度数出力処理について図3のフローチャートに基づいて以下に説明する。
この度数出力処理においては、まず、カード101がCRユニット2に挿入されているか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1でYESと判定すると、カード101の有価価値情報の度数(カード残数)が0(所定量未満)か否かを判定する(ステップS2)。
ステップS2でNO、すなわちカード残数(度数)が1以上であると判定すると、貯留装置の貯留数が0である(予め定められた数である一定値(0)以下である)か否かを判定する(ステップS3)。
ステップS3でYESと判定すると、MAXベットボタン27の押下が行われたか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4でYESと判定すると、貯留装置投入処理(ステップS5)を実行し(ステップS1)、CRユニット側制御部71の図示しないメインルーチンに戻る(ステップS6)。
貯留装置投入処理(ステップS5)では、最大貯留数(50枚)を限度としてカード101(有価情報記録媒体)の有価価値情報のうち1度数(例えば1度数が1000円ならばメダル50枚、500円ならばメダル25枚分)を貯留装置18へ移行して貯留させる。
前記ステップS1でNO、S2でYES、S3でNO、S4でNOと判定すると、ステップS6に進む。
【0031】
本実施の形態によれば、有価価値情報を1度数以上含んでいるカード101(有価情報記録媒体)をCRユニット2に挿入した状態で、貯留装置18の貯留数が0になった場合、MAXベット(賭数設定手段)の押下により最大貯留数(50枚)を限度としてカード101の有価価値情報を貯留装置18へ移行して貯留させる。このため、遊技者は、ゲームを進行させつつ、カード101から貯留装置18へ有価価値情報を移行して貯留させることができる。
このため、貯留装置18の貯留数が少ないことに伴うゲーム無効の状態になることを避けるために、遊技メダル貯留枚数表示器19を確認することが不要となり、かつ、この際、貯留装置18の貯留数が少ない場合にもメダル貸出ボタン31を操作しなくて済むことになり、これに伴い、遊技者はゲームに集中できることになる。
【0032】
上記実施の形態ではCRユニット2で用いる有価情報記録媒体としてプリペイドカード101を例にしたが、これに代えて、クレジットカードや銀行カードなど他の有価情報記録媒体を用いるようにしてもよい。
【0033】
上記実施の形態では、回胴式遊技機1がCRユニットに接続される場合を例にしたが、現金機として用いることを考慮し、次の機能を付加するように構成してもよい。
すなわち、回胴式遊技機1では、上述したようにCRユニット有無SW89が、現金機としての使用切替が適切に行われた場合(CRユニットが接続又は使用可能な状態にない場合)には現金機接続確認信号を出力するが、現金機接続確認信号の出力があった場合には、度数出力処理(図3)を停止させる機能(度数出力処理停止機能)を含める。この度数出力処理停止機能を含むことにより、現金機に用いる場合には不要となる前記度数出力処理(図3)を処理しないですむことから処理時間の迅速化を図ることが可能となる。
【0034】
上記実施の形態ではCRユニット2で用いる有価情報記録媒体としてプリペイドカード101を例にしたが、これに代えて、クレジットカードや銀行カードなど他の有価情報記録媒体を用いるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、プリペイドカード101を用いるCRユニット2を例にするが、電話、インターネット等により有価価値情報を送受する方式とし、前記CRユニット2に代えて電話、インターネット等の送受信手段を用い、プリペイドカード101に代えて送受信手段で送受信される信号を用いるようにしてもよい。
【0035】
上記実施の形態では、前記度数出力処理(図3)において、MAXベットボタン27の押下が行われた場合(ステップS4でYES)に、貯留装置投入処理(ステップS5)が行われる場合を例にしたが、1ベットボタン26の押下が行われた場合に、貯留装置投入処理(ステップS5)を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施の形態の回胴式遊技機をCRユニットと共に模式的に示す正面図である。
【図2】図1の回胴式遊技機の主基板CPUを含む制御系を模式的に示すブロック図である。
【図3】図1の回胴式遊技機の度数出力処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
1…回胴式遊技機、2…CRユニット、27…MAXベットボタン(賭数設定手段)、51…主基板CPU(制御手段)、100…メダル(遊技媒体)、101…カード(有価情報記録媒体)。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有価情報記録媒体に記録され遊技媒体の数量に対応した内容を示す有価価値情報の読取り及び書換えを行うCRユニットに接続され、最大貯留数が定められた貯留装置から投入装置への前記有価価値情報の投入を賭数設定手段の操作により実行して遊技の開始を可能とする制御手段を備えた回胴式遊技機であって、
前記制御手段は、前記CRユニットから送られた前記有価情報記録媒体の有価価値情報が所定量以上の有価価値を含んでいる場合に、前記貯留装置の貯留数が予め定められた数以下であると、前記賭数設定手段の操作により前記最大貯留数を限度として前記有価情報記録媒体の有価価値情報を前記貯留装置へ移行して貯留させることを特徴とする回胴式遊技機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−29365(P2007−29365A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−216014(P2005−216014)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】