説明

回路遮断器

【課題】アーク走行方式消弧室が配置された回路遮断器において、消弧装置に取り込んだアークを接点周辺空間に戻さないようにする。
【解決手段】絶縁容器内に設けられ、絶縁容器に固定された固定接触子2と、開閉機構によって固定接触子と接離し得るように変位する可動接触子4と、複数の消弧板5を積み重ねて構成され、固定接触子及び可動接触子間に発生したアーク12を消弧する消弧装置6と、アークを消弧装置へ案内する走行導体7とを備え、上記走行導体は消弧装置の側面を経て消弧装置の下部に至るように形成され、消弧装置の側面に位置する走行導体7Cは消弧装置へ案内されたアークとほぼ平行となるように、かつ通電方向がアークと同方向になるように設けられ、走行導体が消弧装置に案内されたアークに対して電磁吸引力を作用させ得るようにした構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、配線用遮断器や漏電遮断器などの回路遮断器、特に、複数枚の消弧板を有する消弧装置と、この消弧装置へアークを移行させるための走行導体とを有し、消弧装置でのアーク保持性能を向上させることにより過電流を抑制し、限流性能を向上させるようにした回路遮断器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年における低圧配線用設備の大容量化、省スペース化により、配線用遮断器・漏電遮断器などは外形寸法の小形化が要求されている。小形化における課題の一つとして挙げられるのが過電流を低く抑制する限流性能の向上である。事故時などの過電流の遮断時に、接点間に発生したアークを引き込んで分断すると共に、電極の抵抗に起因する電圧降下である電極降下電圧やアークの冷却などによりアーク電圧を高めて限流させる消弧板は、限流性能を左右する部品の一つであり、消弧板でアーク位置を持続的に保持することが重要である。限流性能の向上により回路遮断器の消弧室で処理するアークエネルギーの低下が可能となり、回路遮断器を構成する部品への熱的、電磁力的な負担が軽減されて小形化が可能となる。
【0003】
従来の配線用遮断器では、接点間に発生したアークを、走行導体に移行させることでアークを伸張させてアーク抵抗を高め、これによってアーク電圧を上昇させ、さらに消弧装置である消弧板に取り込むことで過電流を限流させていた。(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−44870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された従来の回路遮断器にあっては、接点間のアークがアークランナ上に移動してから、常時、アークシュート方向と反対方向に磁気駆動力が作用しているという問題点がある。これは、アークシュート近傍で折り返し構造とされ平行配置されたアークランナとブースターループ導体とを備え、ブースターループ導体の端部を固定接点と電気的に接続したアークランナブースターループ構造のためであり、アークランナでの通電方向がアークに対して接点空間方向への磁気駆動力を付与しているためである。
【0006】
このため、アークシュートへのアークの進入が遅延し、アークシュート内部に取り込んだアークに対しては、
(1)排気口方向へのガス抜け不良による接点空間方向への圧力勾配の発生、
(2)各消弧板の表裏でアークが発生するポイントが異なった場合、アークに対して直角な消弧板の電流経路からの磁気駆動力もアークに作用するため、場合によっては上記圧力上昇の場合と同様に接点間方向へ押し戻す力が発生することなどに加え、アークランナ部からの磁気駆動力がアークに加わる。
【0007】
上記作用によりアークが消弧装置から排出されると、電極降下によるアーク電圧上昇の低下、消弧板での溶融潜熱によるアークの冷却効果などが作用しなくなり、アーク電圧が低下して限流性能が低下することとなる。この結果、熱的負荷の増大により消弧室構成部品およびその周辺部品の消耗が激しくなるという問題点があった。
【0008】
この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、消弧装置に取り込んだアークを接点周辺空間に戻さないように保持することにより、過電流を抑制する限流性能を向上させ、回路遮断器自体に注入されるエネルギーを低下させて小型化を可能とした回路遮断器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係わる回路遮断器は、絶縁容器と、この絶縁容器内に設けられ、上記絶縁容器に固定された固定接触子と、上記固定接触子に対応して設けられ、開閉機構によって上記固定接触子と接離し得るように変位する可動接触子と、複数の消弧板を積み重ねて構成され、上記固定接触子及び可動接触子間に発生したアークを消弧する消弧装置と、上記アークを上記消弧装置へ案内する走行導体とを備え、上記走行導体は上記消弧装置の側面を経て上記消弧装置の下部に至るように形成され、上記消弧装置の側面に位置する走行導体は上記消弧装置へ案内されたアークとほぼ平行となるように、かつ通電方向が上記アークと同方向になるように設けられ、上記走行導体が上記消弧装置に案内されたアークに対して電磁吸引力を作用させ得るようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る回路遮断器は上記のように構成され、可動接点側走行導体の一部が消弧装置の側面で消弧装置に取り込まれたアークとほぼ平行となるように配置されているため、走行導体からの磁束がアークと鎖交し、さらに、アークの通電方向と消弧装置側面の可動接点側走行導体の通電方向とが同一とされているため、アークに対して可動接点側走行導体方向への吸引力が発生し、これが消弧装置内部におけるアークへの拘束力となり、消弧装置から接点空間側へアークが戻ることなく、連続的な限流が可能となる。
上記拘束力の大きさは、消弧板および可動接点側走行導体の配置条件によって異なるが、板厚0.8mmの消弧板の側面にギャップ1.0mmで可動接点側走行導体を配置した場合、可動接点側走行導体を消弧板の側面に配置していない場合と比較して約16%の拘束力向上が計算により確認されている。
【0011】
即ち、接点間にアークが発生すると、外部排気口へのガス流出により生じる圧力勾配や、電流経路からの磁気駆動力などにより、可動接点上のアークが可動接触子と同電位である可動接点側走行導体に転流する。可動接点側走行導体に転流したアークに対しても、同様に圧力勾配、磁気駆動力などの消弧装置方向への駆動力が発生するため、固定接点側走行導体、可動接点側走行導体上をアークが走行する。この走行によりアークは消弧装置に到達すると共に、消弧装置側面に配置された可動接点側走行導体の電流による電磁吸引力で上述のように消弧装置内に拘束保持され、消弧装置内の消弧板によって分断されると共に電極降下電圧や溶融潜熱による冷却を受けて限流される結果、アークは消弧に至る。
【0012】
この結果、事故発生などによる過電流を抑制する限流性能が向上し、回路遮断器自体に注入されるエネルギーの低下により回路遮断器の構造物への負担が軽減されて回路遮断器の小形化が可能となる。さらには、回路遮断器が接続されたラインやこれに接続された他の回路遮断器及び負荷などへの負担を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1における回路遮断器の閉極状態における消弧室の構成を示す側面図である。
【図2】図1のA−A線に沿った断面における上面図である。
【図3】実施の形態1における回路遮断器の開極状態における消弧室の構成を示す側面図である。
【図4】図3のB−B線に沿った断面における上面図である。
【図5】この発明の実施の形態2における回路遮断器の閉極状態における消弧室の構成を示す側面図である。
【図6】図5のC−C線に沿った断面における上面図である。
【図7】実施の形態2における回路遮断器の開極状態における消弧室の構成を示す側面図である。
【図8】図7のD−D線に沿った断面における上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。図1は、実施の形態1による回路遮断器の可動接触子が閉極状態における消弧室の構成を示す側面図で、筺体隔壁を取り除いた状態を示している。図2は、図1のA−A線に沿った断面における上面図、図3は、可動接触子が開極状態における消弧室の構成を示す側面図で、筺体隔壁を取り除いた状態を示している。図4は、図3のB−B線に沿った断面における上面図である。
各図において同一符号はそれぞれ同一または相当部分を示している。なお、これらの図には示していないが、消弧室は絶縁物からなる容器の中に、異常電流を検出して可動接触子の開極指令を出すリレー部及び上記開極指令にもとづいて可動接触子を開極方向に駆動する駆動機構部などと共に一体的に収納されている。
【0015】
図1及び図3に示すように、消弧室は固定接点1を有し、後述する消弧板5の上面で消弧板5の外端まで延在する固定接点側走行導体2と、固定接点1と接離する可動接点3を有し、上記固定接点側走行導体2と接触子対を形成する可動接触子4と、上記固定接点側走行導体2の下方で複数枚の消弧板5を積み重ねて構成され、可動接触子4の開離時に固定接点1と可動接点3との間に発生するアークを取り込んで分断する消弧装置6と、可動接触子4上のアークを転流させて消弧装置6に誘導、案内するアーク走行用の可動接点側走行導体7と、消弧装置6の背面に配置されて複数のスリット8を有する絶縁物から構成され、アーク発生に伴う熱ガスを回路遮断器の外部に排出する排気口9と、消弧装置6の接点側で接点周辺部の空間を狭くし、排気口9方向への圧力勾配を強化すると共に、アブレーションによる消弧室内部の絶縁回復力強化のため、接点部を両側から挟むように設けられた絶縁樹脂製の細隙10とから構成されている。なお、可動接触子4は可動接点側走行導体7と可撓導体11で接続され、電気的に同電位とされている。また、消弧室全体は図2に示す絶縁物からなる筺体隔壁13によって各相ごとに隔てられている。
【0016】
さらに、可動側走行導体7は、電源側端部7Aと、この電源側端部7Aに連らなって消弧装置6の下方に延びる下方延長部7Bと、この下方延長部7Bから消弧装置6の一側面、即ち図2、図4において消弧板5の上側を経て消弧装置6の上方に延びる電磁吸引力付与部7Cと、この電磁吸引力付与部7Cの上端から可動接触子4側へほぼ水平に延びる上方延長部7Dと、この上方延長部7Dの図1、図3において右端部から下方に向かい細隙10の下端部に沿って伸びる細隙下方部7Eと、この細隙下方部7Eから消弧装置6の下方を経て排気口9の近傍まで延びる先端部7Fとから構成されている。
可動接点側走行導体7のうち電磁吸引力付与部7Cは、消弧装置6へ案内されたアーク12(図3)とほぼ平行となるように、かつその通電方向が消弧装置6に案内されたアーク12の通電方向と同じになるように配置されている。
【0017】
次に、実施の形態1の作用について説明する。
図1の閉極状態において、可動接触子4、可動接点3、固定接点1に過電流が流れると、可動接触子4の図示しない開閉機構が動作して可動接触子4が開極動作し、固定接点1と可動接点3との間にアークが発生する。この接点間のアークは、周囲の圧力勾配による排気口9方向への熱ガスの流れ、及び導体に流れる過電流からの電磁力などが作用して、可動接触子4のアークが、同電位である可動接点側走行導体7の上方延長部7Dに転流し、その後、細隙下方部7Eを走行して固定接点側走行導体2と可動接点側走行導体7の先端部7Fとの間に発生するように移行する。転流後のアークに対しても同様に排気口9方向への圧力勾配、磁気駆動力が作用し、これらの作用によってアークは可動接点側走行導体7上を走行し、最終的には図3に符号12で示すように消弧装置6の各消弧板5に対してほぼ垂直な状態で消弧装置6に到達し、消弧板5によって分断される。この結果、電極降下電圧が生じてアーク電圧が高くなり、さらに、溶融潜熱によりアークが冷却されて限流性能が高められる。
【0018】
消弧装置6に案内されて消弧装置6に引き込まれたアーク12に対しては、消弧板5の周辺の圧力勾配、消弧板5の電流経路からの電磁力などが影響して走行してきた接点間方向へアークを押し戻そうとする力が作用する。消弧板5の周辺の圧力勾配とは、アーク12が消弧板5に取り込まれた状態ではアークが排気口9方向に押しつけられ、排気口9周辺の圧力が広い接点間方向の空間の圧力に比べて高くなることである。この現象は溶融した消弧板5や導体などからの金属液滴や剥離した絶縁物などがスリット8に詰まり、外部への流路抵抗が増大することによっても影響が大きくなる。消弧板5の電流経路からの電磁力とは、各消弧板5の表裏でアークが発生するポイントが異なった場合、アークに対して直角な消弧板5の電流経路からの磁気駆動力もアークに作用するため、場合によっては上記圧力上昇の場合と同様に接点間方向へアークを押し戻す力が発生することになる。上述した2つの作用によってアーク12が消弧装置6から接点間方向へ排出されると電極降下電圧が生じなくなりアーク電圧が低下して限流性能が低下することとなる。
【0019】
これに対して、実施の形態1では、可動接点側走行導体7に電磁吸引力付与部7Cを設けているため、図4に矢印で示すように消弧装置6に取り込まれたアーク12に対して電磁吸引力付与部7C方向への吸引力が発生し、これがアーク12を消弧装置内に保持する拘束力となることでアークが消弧装置6から排出されるのを防止することができる。さらに、上記電磁吸引力付与部7Cに強磁性体部材(強磁性体とは、隣り合うスピンが同一の方向を向いて整列し、全体として大きな磁気モーメントを有する、鉄、ニッケルなどを指す。)である導体を用いればコアとしてアークを吸引拘束する効果も期待することができる。
これらの結果、アークを消弧装置6内に安定的に保持することが可能となり、高いアーク電圧を発生させて良好な限流性能を実現することが可能となる。
【0020】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2を図にもとづいて説明する。図5は、実施の形態2による回路遮断器の可動接触子が閉極状態における消弧室の構成を示す側面図で、筺体隔壁を取り除いた状態を示している。図6は、図5のC−C線に沿った断面における上面図、図7は、可動接触子が開極状態における消弧室の構成を示す側面図で、筺体隔壁を取り除いた状態を示している。図8は、図7のD−D線に沿った断面における上面図である。
各図において図1−図4と同一または相当部分には同一符号を付している。なお、これらの図には示していないが、消弧室は絶縁物からなる容器の中に、異常電流を検出して可動接触子の開極指令を出すリレー部及び上記開極指令にもとづいて可動接触子を開極方向に駆動する駆動機構部などと共に一体的に収納されている。
【0021】
実施の形態2の構成は基本的には図1−図4に示す実施の形態1と同様であるが、可動接点側走行導体7の構成が以下に述べるように相違している。即ち、実施の形態2における可動接点側走行導体7は、下方延長部7Bの図5、図7において左端が紙面と直交する方向に二股に分岐し、各分岐部から2つの電磁吸引力付与部7C1と7C2がそれぞれ消弧装置6の両側面、即ち図6、図8において消弧板5の上側及び下側を経て消弧装置6の上方に延びている。更に2つの電磁吸引力付与部7C1と7C2の上端には、それぞれ2つの上方延長部7D1と7D2が接続され、可動接触子4の両側に配置されている。
図5及び図7には可動接触子4の手前側に配置された上方延長部7D2が示されている。上方延長部7D1と7D2は図5及び図7の右端部がそれぞれ下方に向かうように折曲され、細隙10の下端部で接続されて再び一本の走行導体となり、細隙下方部7Eと先端部7Fは一本の走行導体として排気口9の近傍まで延びるように配置されている。
このように構成された可動接点側走行導体7のうち消弧装置6の両側に配置される2本の電磁吸引力付与部7C1と7C2は、それぞれが消弧装置6へ案内されたアーク12(図7)とほぼ平行となるように、かつそれぞれの通電方向が消弧装置6に取り込まれたアーク12の通電方向と同じになるように配置されている。
【0022】
次に、実施の形態2の作用について説明する。
図5の閉極状態において、可動接触子4、可動接点3、固定接点1に過電流が流れると可動接触子4が開極動作する点は実施の形態1と同様であるが、この時、固定接点1と可動接点3との間に発生したアークは、周囲の圧力勾配による排気口9方向への熱ガスの流れ、及び導体に流れる過電流からの電磁力などが作用して、可動接触子4のアークが、同電位である可動接点側走行導体7の2つの上方延長部7D1と7D2に転流し、その後、一本の細隙下方部7Eを走行して固定接点側走行導体2と可動接点側走行導体7の先端部7Fとの間に発生するように移行する。転流後のアークに対しても同様に排気口9方向への圧力勾配、磁気駆動力が作用し、これらの作用によってアークは可動接点側走行導体7上を走行し、最終的には図7に符号12で示すように消弧装置6の各消弧板5に対してほぼ垂直な状態で到達し、消弧板5によって分断される。この結果、電極降下電圧が生じてアーク電圧が高くなり、さらに、溶融潜熱によりアークが冷却されて限流性能が高められることは実施の形態1と同様である。
【0023】
消弧装置6に案内され消弧装置6に引き込まれたアーク12に対しては、実施の形態1で説明したように、消弧板5の周辺の圧力勾配、消弧板5の電流経路からの電磁力などが影響して走行してきた接点間方向へアーク12を押し戻そうとする力が作用する。
これに対して、実施の形態2では、可動接点側走行導体2に2つの電磁吸引力付与部7C1、7C2を設けてそれぞれを消弧装置6の両側に配置しているため、アーク12に対する吸引力が図8に矢印で示すように、両側から均等に作用し、これがアークを消弧装置6内に保持する強力な拘束力となってアークが消弧装置6から排出されるのを防止することができる。また、アーク12に対して両側から均等に吸引力を作用させることで局所的な熱集中による消弧板の消耗促進を抑制することができる。さらに、上記電磁吸引力付与部7C1、7C2に強磁性体部材を用いれば、コアとしてアークを吸引拘束する効果も期待できる。これらの結果、アークは消弧装置6内に安定的に保持することが可能となり、高いアーク電圧を発生させて良好な限流性能を実現することが可能となる。
【符号の説明】
【0024】
1 固定接点、 2 固定接点側走行導体、 3 可動接点、 4 可動接触子、
5 消弧板、 6 消弧装置、 7 可動接点側走行導体、 7A 電源側端部、
7B 下方延長部、 7C 電磁吸引力付与部、 7D 上方延長部、 7E 細
隙下方部、 7F 先端部、 8 スリット、 9 排気口、 10 細隙、 11
可撓導体、 12 アーク、 13 筐体隔壁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁容器と、この絶縁容器内に設けられ、上記絶縁容器に固定された固定接触子と、上記固定接触子に対応して設けられ、開閉機構によって上記固定接触子と接離し得るように変位する可動接触子と、複数の消弧板を積み重ねて構成され、上記固定接触子及び可動接触子間に発生したアークを消弧する消弧装置と、上記アークを上記消弧装置へ案内する走行導体とを備え、上記走行導体は上記消弧装置の側面を経て上記消弧装置の下部に至るように形成され、上記消弧装置の側面に位置する走行導体は上記消弧装置へ案内されたアークとほぼ平行となるように、かつ通電方向が上記アークと同方向になるように設けられ、上記走行導体が上記消弧装置に案内されたアークに対して電磁吸引力を作用させ得るようにしたことを特徴とする回路遮断器。
【請求項2】
上記走行導体は、二股に分岐され、分岐された各導体が上記消弧装置の両側面を経て上記消弧装置の下部に至るように形成され、上記消弧装置の両側面に位置する走行導体が共に上記消弧装置へ案内されたアークとほぼ平行となるように、かつ通電方向が上記アークと同方向になるように設けられたことを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
【請求項3】
上記走行導体は、上記消弧装置の側面に位置する導体を強磁性体部材で形成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の回路遮断器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−170787(P2010−170787A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10940(P2009−10940)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】