説明

回路部品の冷却装置、冷却装置を有する電子機器および回路部品用のヒートシンク

【課題】本発明は、ファンユニットを含むヒートシンクを薄くコンパクトに形成することができ、しかも、回路部品の冷却性能を充分に確保できる冷却装置を得ることにある。
【解決手段】冷却装置60は、動作中に発熱するMPU43が熱的に接続される受熱部70と、この受熱部に並べて配置されたファン取り付け部71と、を含むヒートシンク61と;ファン96を回転自在に支持する偏平なファンケーシング95を有し、ファンの回転軸線をヒートシンクに対し交差させた姿勢でファン取り付け部に支持されたファンユニット63と;ヒートシンクに設置され、受熱部に伝えられた回路部品の熱をファン取り付け部に移送するヒートパイプ62と;を備えている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体パッケージのような回路部品の冷却装置、およびこの冷却装置を搭載した電子機器ならびに回路部品の放熱を促進させるヒートシンクの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ブック形のポータブルコンピュータや移動体情報機器に代表される携帯形の電子機器は、文字、音声および画像のような多用のマルチメディア情報を処理するため、MPU:microprocessing unitの処理速度の高速化や多機能化が推し進められている。この種のMPUは、高集積化や高性能化に伴って消費電力が増加の一途を辿り、動作中の発熱量もこれに比例して急速に増大する傾向にある。
【0003】そのため、発熱量の大きなMPUをポータブルコンピュータの筐体に収容するに当っては、この筐体の内部でのMPUの放熱性を高める必要があり、それ故、電動式のファンユニットやヒートシンクのようなMPU専用の冷却手段が必要不可欠な存在となりつつある。
【0004】図23は、従来のMPUの冷却方式の一例を示している。この図23において、符号1で示すプリント回路基板は、ポータブルコンピュータの筐体の内部に収容されている。プリント配線基板1には、発熱するMPU2が実装されており、このMPU2の上面に冷却装置3が取り付けられている。
【0005】冷却装置3は、ヒートシンク4と電動式のファンユニット5とを備えている。ヒートシンク4は、アルミニウム合金のような熱伝導性に優れた金属材料にて構成され、偏平な板状をなしている。ヒートシンク4は、MPU2に熱的に接続されており、このヒートシンク4にMPU2の熱が熱伝導により拡散されるようになっている。このヒートシンク4は、MPU2とは反対側の上面に多数の放熱フィン6を有している。これら放熱フィン6は、ヒートシンク4の厚み方向に延びているとともに、上記筐体の内部に露出されている。
【0006】ファンユニット5は、ヒートシンク4に一端に設置されている。ファンユニット5は、送風通路7aを有するファンケーシング7と、このファンケーシング7の送風通路7aに配置されたファン8とを備えている。ファンケーシング7は、ファン8の回転軸線O1 を水平にした縦置きの姿勢でヒートシンク4に固定されており、その送風通路7aの吸い込み側の端部が放熱フィン6と向かい合うとともに、排気側の端部が筐体の排気口と向かい合っている。
【0007】そのため、ファン8が回転駆動されると、筐体の内部にヒートシンク4に向かう空気流が形成され、この空気は、ヒートシンク4や放熱フィン6に沿って流れた後、排気口を通じて筐体の外方に放出される。この結果、ヒートシンク4が空気を媒体とする強制対流により冷却されるとともに、このヒートシンク4に伝えられたMPU2の熱が空気流に乗じて外方に持ち去られるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ポータブルコンピュータに代表される携帯形の電子機器は、携帯性に優れることがその商品価値を高める大きな要素となっている。そのため、最近のポータブルコンピュータは、バッグ等への収納性を高めるため、筐体の薄型化および軽量化が強化されており、それに伴い筐体内に収容される冷却装置3にしても、その薄型化や軽量化が強く求められている。
【0009】しかしながら、上記従来の冷却装置3は、空気を媒体とする強制対流によってヒートシンク4を冷却しているために、この冷却装置3の冷却能力は、ヒートシンク4の表面積およびファンユニット5の風量によって決定される。このため、冷却装置3の冷却能力を高めようとすると、放熱フィン6の大形化や本数の増大を招き、ヒートシンク4自体が重く大きなものとなる。
【0010】しかも、上記冷却装置3によると、ファンユニット5は、ファン8の回転軸線O1 を水平にした縦置きの姿勢でヒートシンク4に固定されているため、ファンケーシング7がヒートシンク4の上方に大きく突出し、冷却装置3の厚み寸法が大きくなる。
【0011】この結果、冷却能力を高める程、冷却装置3の厚み寸法、容積および質量が共に増大することになり、近年の冷却装置3を薄くコンパクトに形成したいといった要請に対応することができなくなる。
【0012】本発明の第1の目的は、ファンユニットを含むヒートシンクを薄くコンパクトに形成することができ、しかも、回路部品の冷却性能を充分に確保できる冷却装置およびヒートシンクを得ることにある。
【0013】本発明の第2の目的は、回路部品の冷却性能を充分に確保しつつ、ファンユニットを含むヒートシンクを薄くコンパクトに形成することができ、筐体の薄型にも無理なく対応できる電子機器を得ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成するため、請求項1に係る本発明の冷却装置は、動作中に発熱する回路部品が熱的に接続される受熱部と、この受熱部に並べて配置されたファン取り付け部と、を含むヒートシンクと;ファンを回転自在に支持する偏平なファンケーシングを有し、上記ファンの回転軸線を上記ヒートシンクに対し交差させた姿勢で上記ファン取り付け部に支持されたファンユニットと;上記ヒートシンクに設置され、上記受熱部に伝えられた回路部品の熱を上記ファン取り付け部に移送する移送手段と;を備えていることを特徴としている。
【0015】このような構成において、回路部品が発熱すると、この回路部品の熱はヒートシンクの受熱部に伝えられた後、この受熱部からファン取り付け部に熱伝導により拡散される。また、受熱部に伝えられた熱の一部は、移送手段を介してファン取り付け部に積極的に移される。そのため、受熱部からファン取り付け部に向かう熱の伝達経路が倍増し、ヒートシンク上での熱の移動が効率良く行われる。
【0016】このヒートシンクのファン取り付け部にはファンユニットが設置されているので、ファンユニットのファンが回転駆動されると、ファンケーシングやヒートシンクのファン取り付け部に向かう空気流が形成され、これらファンケーシングおよびファン取り付け部が空気を媒体とする強制対流により冷却される。これにより、ファン取り付け部に移された回路部品の熱は、空気の流れに乗じて外方に放出され、回路部品の放熱性が高められる。
【0017】そのため、上記構成によると、ヒートシンクのファン取り付け部に積極的に熱を集めて空気中に放出することができる。よって、ヒートシンクに多数の放熱フィンを設けることなく所望の冷却性能を得ることができ、このヒートシンク自体を薄くコンパクトに形成することができる。
【0018】しかも、ファンユニットは、ファン取り付け部に沿うように横置きされているので、ファンユニットの上下方向への高さ寸法を低く抑えることができる。そのため、ファンユニットがヒートシンクの厚み方向に大きく突出することはなく、上記ヒートシンクを薄くコンパクトに形成できることと合わせて、回路部品の放熱性を良好に維持しつつ、冷却装置の薄型化を実現できる。
【0019】上記第1の目的を達成するため、請求項6に係る本発明の冷却装置は、動作中に発熱する回路部品に熱的に接続される受熱部を有する第1の基盤と;この第1の基盤に重ね合わされることで第1の基盤に熱的に接続された第2の基盤と;を具備し、上記第1の基盤と第2の基盤とは、夫々固有の熱伝導率を有する金属材料にて構成され、上記第2の基盤の熱伝導率は、第1の基盤の熱伝導率よりも大きく定められていることを特徴としている。
【0020】このような構成において、回路部品が発熱すると、この回路部品の熱は第1の基盤の受熱部に伝えられた後、この受熱部の周囲に熱伝導により拡散される。この際、第1の基盤に重ね合わされた第2の基盤は、その熱伝導率が第1の基盤の熱伝導率よりも大きいので、第1の基盤の受熱部に伝えられた回路部品の熱は、第2の基盤を介して第1の基盤の隅々にまで万遍なく伝えられることになり、受熱部の周囲への熱の拡散が良好となる。
【0021】すなわち、固有の熱伝導率を有する一枚のヒートシンクの熱伝導によって回路部品の熱を拡散させるためには、ヒートシンクの肉厚を増して熱容量を大きくしたり、熱伝達時の熱抵抗を小さく抑える必要がある。すると、ヒートシンクが厚く重いものとなり、冷却装置の薄型化の妨げとなる。
【0022】しかるに、上記のように第1の基盤の受熱部に伝えられた回路部品の熱を、より熱を伝え易い第2の基盤を介して積極的に受熱部の周囲に導くようにすれば、第1の基盤の厚みを大幅に増すことなく、熱の移動を効率良く行うことができ、冷却装置の薄型化を実現できる。
【0023】さらに、第2の基盤として厚みや形状が異なる種々の形態のものを用意すれば、回路部品の発熱量に応じた第2の基盤を選択して用いることができる。このため、冷却装置への熱伝達を過不足なく行えるとともに、この冷却装置が過剰品質となるのを防止でき、この冷却装置の重量増加を抑えることができる。
【0024】上記第1の目的を達成するため、請求項13に係る本発明のヒートシンクは、動作中に発熱する回路部品が熱的に接続される受熱部と、この受熱部に並べて配置され、モータ駆動のファンを有するファンユニットが取り付けられるファン取り付け部と、を含む板状の放熱パネルと;上記放熱パネルに熱的に接続され、上記受熱部に伝えられた回路部品の熱を上記ファン取り付け部に移送するヒートパイプと;を備えていることを特徴としている。
【0025】このような構成において、回路部品が発熱すると、この回路部品の熱は放熱パネルの受熱部に伝えられた後、この受熱部からファン取り付け部に熱伝導により拡散される。また、受熱部に伝えられた熱の一部は、ヒートパイプを介してファン取り付け部に積極的に移される。そのため、受熱部からファン取り付け部に向かう熱の伝達経路が倍増し、放熱パネル上での熱の移動が効率良く行われる。
【0026】この放熱パネルのファン取り付け部にはファンユニットが設置されているので、ファンユニットのファンが回転駆動されると、ファン取り付け部に向かう空気流が形成され、このファン取り付け部が空気を媒体とする強制対流により冷却される。これにより、ファン取り付け部に移された回路部品の熱は、空気の流れに乗じて外方に放出され、回路部品の放熱性が高められる。
【0027】そのため、上記構成によると、放熱パネルのファン取り付け部に積極的に熱を集めて空気中に放出することができる。よって、放熱パネルに多数の放熱フィンを設けることなく所望の冷却性能を得ることができ、ヒートシンクの薄型化が可能となる。
【0028】しかも、ファンユニット自体が偏平なため、このファンユニットが放熱パネルの厚み方向に大きく突出することはなく、放熱パネルを薄く形成できることと合わせて、回路部品の放熱性を良好に維持しつつ、ヒートシンクの薄型化が可能となる。
【0029】上記第2の目的を達成するため、請求項11に係る本発明の電子機器は、筐体と;この筐体の内部に収容され、動作中に発熱する回路部品が実装された回路基板と;上記筐体に内蔵された冷却装置と;を具備している。そして、上記冷却装置は、上記回路部品が熱的に接続される受熱部と、この受熱部に並べて配置されたファン取り付け部と、を含むヒートシンクと;ファンを回転自在に支持する偏平なファンケーシングを有し、上記ファンの回転軸線を上記ヒートシンクに対し交差させた姿勢で上記ファン取り付け部に支持されたファンユニットと;上記ヒートシンクに設置され、上記受熱部に伝えられた回路部品の熱を上記ファン取り付け部に移送する移送手段と;を備えていることを特徴としている。
【0030】このような構成において、電子機器の使用に伴い回路部品が発熱すると、この回路部品の熱はヒートシンクの受熱部に伝えられた後、この受熱部からファン取り付け部に熱伝導により拡散される。また、受熱部に伝えられた熱の一部は、移送手段を介してファン取り付け部に積極的に移される。そのため、受熱部からファン取り付け部に向かう熱の伝達経路が倍増し、ヒートシンク上での熱の移動が効率良く行われる。
【0031】ヒートシンクのファン取り付け部にはファンユニットが設置されているので、このファンユニットのファンが回転駆動されると、筐体の内部にファンケーシングやヒートシンクのファン取り付け部に向かう空気流が形成され、これらファンケーシングおよびファン取り付け部が空気を媒体とする強制対流により冷却される。これにより、ファン取り付け部に移された回路部品の熱は、空気の流れに乗じて外方に放出され、回路部品の放熱性が高められる。
【0032】そのため、上記構成によると、ヒートシンクのファン取り付け部に積極的に熱を集めて空気中に放出することができる。よって、ヒートシンクに多数の放熱フィンを設けることなく所望の冷却性能を得ることができ、ヒートシンク自体を薄くコンパクトに形成することができる。
【0033】しかも、ファンユニットは、ファン取り付け部に沿うように横置きされているので、ファンユニットの上下方向への高さ寸法を低く抑えることができる。そのため、ファンユニットがヒートシンクの厚み方向に大きく突出することはなく、ヒートシンクを薄くコンパクトに形成できることと合わせて、回路部品の放熱性を良好に維持しつつ、筐体の薄型化にも無理なく対応することができる。
【0034】上記第2の目的を達成するため、請求項12に係る本発明の電子機器は、筐体と;この筐体の内部に収容され、動作中に発熱する回路部品が実装された回路基板と;上記筐体に内蔵された冷却装置と;を具備している。
【0035】そして、上記冷却装置は、上記回路部品に熱的に接続される受熱部を有する第1の基盤と;この第1の基盤に重ね合わされることで第1の基盤に熱的に接続された第2の基盤と;を備え、これら第1の基盤と第2の基盤とは、夫々固有の熱伝導率を有する金属材料にて構成され、上記第2の基盤の熱伝導率は、第1の基盤の熱伝導率よりも大きく定められていることを特徴としている。
【0036】このような構成において、電子機器の使用に伴い回路部品が発熱すると、この回路部品の熱は第1の基盤の受熱部に伝えられた後、この受熱部の周囲に熱伝導により拡散される。この際、第1の基盤に重ね合わされた第2の基盤は、その熱伝導率が第1の基盤の熱伝導率よりも大きいので、第1の基盤の受熱部に伝えられた回路部品の熱は、第2の基盤を介して第1の基盤の隅々にまで万遍なく伝えられることになり、受熱部の周囲への熱の拡散が良好となる。
【0037】すなわち、固有の熱伝導率を有する一枚のヒートシンクの熱伝導によって回路部品の熱を拡散させるためには、ヒートシンクの肉厚を増して熱容量を大きくしたり、熱伝達時の熱抵抗を小さく抑える必要がある。すると、ヒートシンクが厚く重いものとなり、冷却装置の薄型化の妨げとなる。
【0038】しかるに、上記のように第1の基盤の受熱部に伝えられた回路部品の熱を、より熱を伝え易い第2の基盤を介して積極的に受熱部の周囲に導くようにすれば、第1の基盤の厚みを大幅に増すことなく、熱の移動を効率良く行うことができ、冷却装置ひいては筐体の薄型化を実現できる。
【0039】さらに、第2の基盤として厚みや形状が異なる種々の形態のものを用意すれば、回路部品の発熱量に応じた第2の基盤を選択して用いることができる。このため、冷却装置への熱伝達を過不足なく行えるとともに、この冷却装置が過剰品質となるのを防止でき、この冷却装置を含む電子機器の重量増加を抑えることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下本発明の第1の実施の形態を、ポータブルコンピュータに適用した図1ないし図11にもとづいて説明する。図1は、電子機器としてのブック形のポータブルコンピュータ11を開示している。このポータブルコンピュータ11は、コンピュータ本体12と、このコンピュータ本体12に支持されたディスプレイユニット13とを備えている。
【0041】コンピュータ本体12は、箱状の筐体14を有している。この筐体14は、マグネシウム合金のような熱伝導性を有する金属材料にて構成されている。筐体14は、底壁14aと、この底壁14aと向かい合う上壁14bと、これら底壁14aと上壁14bとを結ぶ前壁14c、左右の側壁14dおよび後壁(図示せず)とを有している。そして、この筐体14は、厚み寸法が20mm程度に定められており、従来一般的なポータブルコンピュータに比べて薄型化が強化されている。
【0042】筐体14の上壁14bは、パームレスト16とキーボード装着口17とを有している。パームレスト16は、上壁14bの前半部において筐体14の幅方向に沿って延びている。キーボード装着口17は、筐体14の内部に向けて凹むような凹所にて構成され、このキーボード装着口17には、キーボード18が取り付けられている。
【0043】図3に示すように、キーボード18は、合成樹脂製のキーボードベース19と、多数のキー20とを備えている。キーボードベース19は、キーボード装着口17にきっちりと嵌まり込むような大きさを有する長方形の板状をなしており、このキーボードベース19の上面にキー20が配置されている。キーボードベース19の下面は、金属製の補強板21によって覆われている。この補強板21は、筐体14の内部に露出されている。
【0044】図1に示すように、筐体14の上壁14bは、上向きに突出する一対のディスプレイ支持部23a,23bを有している。ディスプレイ支持部23a,23bは、上壁14bの後端部において、筐体14の幅方向に互いに離間して配置されている。
【0045】ディスプレイユニット13は、偏平な箱状のディスプレイハウジング24と、このディスプレイハウジング24に収容された液晶表示装置25とを備えている。ディスプレイハウジング24は、表示用開口部26が形成された前面を有している。液晶表示装置25は、文字や画像等が表示される表示画面25aを有し、この表示画面25aは、表示用開口部26を通じてディスプレイハウジング24の外方に露出されている。
【0046】ディスプレイハウジング24は、一対の脚部27a,27bを有している。脚部27a,27bは、ディスプレイ支持部23a,23bに導かれているとともに、ヒンジ装置28(図2に示す)を介して筐体14に回動可能に支持されている。このため、ディスプレイユニット13は、パームレスト16やキーボード18を上方から覆うように倒される閉じ位置と、パームレスト16、キーボード18および表示画面25aを露出させる開き位置とに亘って選択的に回動し得るようになっている。
【0047】図3に示すように、筐体14の内部には、第1および第2の回路基板31,32が収容されている。第1の回路基板31は、パームレスト16およびキーボード18の下方において、筐体14の底壁14aと平行に配置されている。第1の回路基板31は、その右側縁部と後縁部とで規定される角部に、図1に示すような切り欠き31aを有している。切り欠き31aは、キーボード18の右端部の下方に位置され、筐体14の右側の側壁14dに隣接されている。
【0048】第2の回路基板32は、第1の回路基板31の切り欠き31aに対応した位置において、筐体14の底壁14aに沿って配置されている。第2の回路基板32は、第1の回路基板31よりも低い位置に設置されており、この第2の回路基板32の端部には、第1の回路基板31の下方に入り込む延長部33が形成されている。延長部33は、一対のスタッキングコネクタ34を介して第1の回路基板31に電気的に接続されている。
【0049】第2の回路基板32は、表面35aと裏面35bとを有している。第2の回路基板32の裏面35bは、筐体14の底壁14aと向かい合っている。第2の回路基板32の表面35aは、図7に示すようなMPU実装領域37を有し、このMPU実装領域37は、筐体14の内部に臨んでいる。
【0050】MPU実装領域37には、四つの通孔38が形成されている。通孔38は、四角形の角部の位置関係を保って配置されており、これら通孔38で囲まれた部分に第1のコネクタ39が実装されている。
【0051】このMPU実装領域37には、MPUホルダ40が配置されている。MPUホルダ40は、金属製のフレーム41と、このフレーム41に固定された四つのボス部42とを有している。フレーム41は、平坦な板状をなしており、上記第2の回路基板32の表面35aに重ね合わされている。ボス部42は、上記通孔38に対応するように配置されているとともに、夫々MPU実装領域37の上方に向けて突出されている。
【0052】図3および図7に示すように、MPU実装領域37には、上記MPUホルダ40を介して回路部品としてのMPU:microprocessing unit43が実装されている。MPU43は、マルチチップ・モジュール(以下MCMと称する)44と、このMCM44を収容するケース45とを備えている。
【0053】MCM44は、多層構造の配線基板46と、この配線基板46の表面に実装されたBGA 形の半導体パッケージ47と、配線基板46の表面および裏面に実装された複数のQFP 形の半導体パッケージ48と、配線基板46の裏面に実装された第2のコネクタ49とを備えている。
【0054】BGA 形の半導体パッケージ47は、ベース基板50とICチップ51とを有している。ベース基板50は、配線基板46の表面に実装されている。ICチップ51は、ベース基板50に多数の半田ボールを介してフリップチップ接続されている。このICチップ51は、文字、音声、画像のような多用なマルチメディア情報を処理するため、動作中の消費電力が大きくなっており、それに伴いICチップ51の発熱量も冷却を必要とする程に大きなものとなっている。
【0055】上記ケース45は、アルミニウム合金のような熱伝導性に優れた金属材料にて構成されている。このケース45は、ケース本体54と、このケース本体54に嵌合された裏蓋55とを備え、全体として偏平な四角形の箱形をなしている。
【0056】ケース本体54は、配線基板46の表面および半導体パッケージ47,48を覆っている。このケース本体54の四つの角部には、凹部56が形成されている。凹部56は、MPUホルダ40のボス部42に対応するもので、夫々挿通孔57を有している。そして、凹部56の底は、配線基板46の表面に隣接されている。裏蓋55は、その外周縁部がケース本体54に取り外し可能に引っ掛かっており、配線基板46の裏面やそこに実装された半導体パッケージ48を覆っている。この裏蓋55は、ケース本体54の凹部56と協働して上記配線基板46を挟んでおり、このことにより、配線基板46とケース45とが一体化されている。
【0057】配線基板46の第2のコネクタ49は、裏蓋55を貫通してケース55の外方に露出されている。第2のコネクタ49は、第1のコネクタ39に嵌合されており、この嵌合により、MPU43と第2の回路基板32とが電気的に接続されている。
【0058】ケース45の裏蓋55は、MPUホルダ40に重ねられている。このMPUホルダ40のボス部42は、裏蓋55を貫通してケース45内に挿入されており、これらボス部42の先端が配線基板46の裏面に接している。
【0059】図7や図9に示すように、ケース45のケース本体54は、発熱するICチップ51に対応する位置に開口部58を有している。開口部58は、ICチップ51よりも大きな開口形状を有し、この開口部58を通じてICチップ51がケース45の外方に露出されている。
【0060】ところで、図3、図8および図9に示すように、MPU43のケース45には、上記ICチップ51の放熱を促進させるための冷却装置60が取り付けられている。この冷却装置60は、ヒートシンク61、ヒートパイプ62および電動式のファンユニット63とを備えている。
【0061】ヒートシンク61は、平坦な長方形板状をなす放熱パネル64を有している。この放熱パネル64は、図4に示すように、筐体14の幅方向に延びる長軸X1と、筐体14の奥行き方向に延びる短軸X2 とを有している。そのため、放熱パネル64は、長軸X1 に沿う第1および第2の縁部65a,65bと、短軸X2に沿う第3および第4の縁部65c,65dとを有している。
【0062】放熱パネル64は、第1の基盤66と、この第1の基盤66に重ね合わされた第2の基盤67とを備えている。第1の基盤66は、アルミニウム合金をダイカスト成形することで構成され、固有の熱膨張率α1 を有している。そして、この第1の基盤66は、第1の面としての下面66aと、第2の面としての上面66bとを有し、これら下面66aおよび上面66bの各部の寸法は、高精度に定められている。
【0063】図10は、放熱パネル64を第1の基盤66の下面66aの方向から見た状態を示している。この図10に最も良く示されるように、第1の基盤66は、受熱部70と、放熱部としてのファン取り付け部71とを有している。これら受熱部70とファン取り付け部71とは、第1の基盤66の下面66aにおいて、放熱パネル64の長軸X1 の方向に互いに並べて配置されている。
【0064】受熱部70は、MPU43のケース45が重ね合わされる平坦な受熱面72を有している。この受熱面72には、下向きに僅かに突出する座部73が形成されている。この座部73は、ケース本体54の開口部58と向かい合う平坦な座面73aを有している。座部73の周囲には、受熱面72から下向きに突出する四つのボス部74が配置されている。ボス部74は、上記MPU43のケース45の凹部56に対応するもので、夫々凹部56の挿通孔57に連なるねじ挿通孔75を有している。ねじ挿通孔75は、第1の基盤66の上面66bに開口されており、この第1の基盤66の上面66bには、複数のかしめ用の凸部76が分散して配置されている。
【0065】上記ファン取り付け部71は、平滑なガイド面77を有している。ガイド面77は、受熱部70の受熱面72に連なっている。そのため、受熱部70とファン取り付け部71とは、同一平面上に位置されている。
【0066】第2の基盤67は、固有の熱膨張率α2 を有する銅板にて構成されている。この第2の基盤67の熱膨張率α2 は、第1の基盤66の熱膨張率α1 よりも大きく定められている。第2の基盤67は、第1の基盤66の上面に重ね合わされている。第2の基盤67は、図4に示すような複数の嵌合孔79を有し、これら嵌合孔79に第1の基盤66の凸部76が嵌合されている。そして、第2の基盤67は、図4の(B)および(C)に示すように、凸部76の先端をかしめて押し潰すことで第1の基盤67の上面66bに固定されており、これら第1の基盤66と第2の基盤67との間には、導電性のグリス80が介在されている。
【0067】したがって、第1基盤66と第2の基盤67とは、熱伝導を妨げるような隙間を有することなく密に重ね合わされており、これら第1および第2の基盤66,67の接触部分の熱抵抗が小さく抑えられている。
【0068】第2の基盤67は、第1の基盤66の上面66bにおいて、上記受熱部70からファン取り付け部71に跨って配置されている。この第2の基盤67の平面形状および肉厚は、上記ICチップ51の発熱量に応じて決められている。
【0069】図8ないし図11に示すように、放熱パネル64の第2の基盤67は、第1の基盤66の周囲に張り出す第1ないし第3の支持部82a,82b,82cを一体に有している。第1および第2の支持部82a,82bは、第1の基盤66の受熱部70に対応した位置に配置されている。第1の支持部82aは、放熱パネル64の第3の縁部65cに沿って延びており、第2の支持部82bは、放熱パネル64の第1の縁部65aに沿って延びている。第3の支持部82cは、第1の基盤66のファン取り付け部71に対応した位置に配置されている。この第3の支持部82cは、放熱パネル64の第1の縁部65cに沿って延びており、上記第2の支持部82bと隣り合っている。
【0070】図9や図10に示すように、上記放熱パネル64の受熱部70は、MPU43の上方からケース45に重ね合わされており、この受熱部70のボス部74の先端がケース45の凹部56の底を貫通して配線基板46の表面に接している。受熱部70の二つのボス部74のねじ挿通孔75には、夫々放熱パネル64の上方からねじ83が挿入されている。ねじ83は、凹部56の挿通孔57、配線基板46を貫通してMPUホルダ40のボス部42および第2の回路基板32の通孔38にねじ込まれている。
【0071】また、図10に示すように、第2の回路基板32の残りの通孔38には、この第2の回路基板32の下方から他のねじ84が挿通されている。ねじ84は、配線基板46、凹部56の挿通孔57を貫通して受熱部70の残りのボス部74のねじ挿通孔75にねじ込まれている。
【0072】そのため、図3や図8に示すように、ヒートシンク61と第2の回路基板32とは、MPU43を挟み込んだ状態で互いに結合されている。この結合により、MPU43が第2の回路基板32の表面35aに押し付けられ、第1のコネクタ39と第2のコネクタ49との嵌合が維持されている。それとともに、放熱パネル64の受熱部70がMPU43に固定され、受熱部70の座面73aが発熱するICチップ51と僅かな隙間を介して向かい合っている。そして、この座面73aとICチップ51との間には、熱伝導性を有するグリス85が介在されており、このグリス85を介して座面73aとICチップ51とが熱的に接続されている。
【0073】図8に示すように、ヒートシンク61の放熱パネル64をMPU43のケース45に結合した状態では、そのファン取り付け部71がMPU43や第2の回路基板32の側方に突出されている。そして、このファン取り付け部71および受熱部70は、放熱パネル64の周囲に張り出す複数のブラケット部87を有している。ブラケット部87は、図6に示すように、筐体14の底壁14aと向かい合うとともに、この底壁14aから上向きに延びる複数の取り付け座88にねじ89を介して固定されている。
【0074】そのため、ヒートシンク61は、筐体14の底壁14aと平行に配置されている。この結果、ファン取り付け部71のガイド面77が筐体14の右側の側壁14dに隣接した位置において、底壁14aと向かい合っているとともに、第2の基盤67が上記キーボード18の補強板21に近接もしくは接している。
【0075】上記ヒートパイプ62は、水あるいはアルコールのような作動媒体が封入されたパイプ本体91を有している。このパイプ本体91は、放熱パネル64の第3の縁部65cに沿って延びる第1の部分92aと、放熱パネル64の第1の縁部65aに沿って延びる第2の部分92bとを有し、全体として平面視L形をなしている。パイプ本体91の第1の部分92aは、第2の基盤67の第1の支持部82aにかしめて固定されているとともに、パイプ本体91の第2の部分92bは、第2の基盤67の第2および第3の支持部82b、82cにかしめて固定されている。
【0076】このため、パイプ本体91の第1の部分92aは、第1の支持部82aを介して放熱パネル64の受熱部70に熱的に接続され、パイプ本体91の第2の部分92bは、第2および第3の支持部82b,82cを介して放熱パネル64の受熱部70およびファン取り付け部71に夫々熱的に接続されている。この結果、ヒートパイプ62は、図5に概略的に示すように、ヒートシンク61の周囲において受熱部70とファン取り付け部71とに跨って配置されている。
【0077】なお、第1ないし第3の支持部82a〜82cは、上記かしめによりパイプ本体91を取り巻くように湾曲されて、このパイプ本体91に密接されており、パイプ本体91と第1ないし第3の支持部82a〜82cとの接触部分の熱抵抗が小さく抑えられている。
【0078】図10や図11に示すように、上記ファンユニット63は、ファン取り付け部71のガイド面77に支持されている。ファンユニット63は、ファンケーシング95と、このファンケーシング95に支持されたファン96とを備えている。
【0079】ファンケーシング95は、例えばアルミニウム合金のような熱伝導性に優れた金属材料にて構成されている。ファンケーシング95は、四つの角部を有する偏平な四角形の枠状をなしている。このファンケーシング95の厚み寸法は、上記MPU43のケース45の厚み寸法と略同等に定められている。そして、ファンケーシング95は、ファン取り付け部71のガイド面77に重ね合わされる平坦な支持面97を有し、この支持面97の中央部にファン収容部98が形成されている。
【0080】ファン収容部98は、ファンケーシング95の厚み方向に凹む凹所にて構成されている。このファン収容部98は、上記支持面97の略全面に亘って開口された開口部100と、この開口部100と向かい合う底壁101と、この底壁101から開口部100の開口縁部に向かう周壁102とを有している。
【0081】ファン収容部79の底壁101には、吸込口103が形成されている。吸込口103は、開口部100と向かい合っている。また、ファン収容部98の周壁102には、排出口104が形成されている。この排出口104は、開口部100に連なっている。
【0082】吸込口103の内周縁部には、径方向内側に向けて延びる複数のステー106が形成されており、これらステー106の先端部に円盤状のモータ支持部107が形成されている。モータ支持部107は、偏平なDCブラシレスモータ108(図3に示す)を支持している。モータ108は、ファンケーシング95の厚み方向に延びる回転軸109を有している。このモータ108は、図示しないリード線を介して第2の回路基板32に電気的に接続されている。そして、モータ108は、MPU43の温度が予め決められた値に達した時に駆動されるようになっている。
【0083】上記ファン96は、モータ108の回転軸109に支持されている。ファン96は、複数のブレード110を有し、これらブレード110の先端がファン収容部98の周壁102に隣接されている。そのため、ファン収容部98の排出口104は、ファン96の径方向外側に位置されており、上記吸込口103と略直交するような位置関係となっている。
【0084】ファンケーシング95は、その四つの角部がねじ111を介して放熱パネル64のファン取り付け部71に固定されている。この固定により、ファンケーシング95の支持面97がファン取り付け部71のガイド面77に密接され、このガイド面77によってファン収容部98の開口部100が塞がれている。
【0085】したがって、放熱パネル64のガイド面77は、ファン96と向かい合うとともに、ファン収容部98の底壁101や周壁102と協働して送風通路112を構成しており、この送風通路112は、吸込口103や排出口104に連なっている。
【0086】また、ファンケーシング95は、多数の放熱フィン115を有している。放熱フィン115は、ファン収容部98の吸込口103の周囲に位置されており、上記筐体14の内部に露出されている。
【0087】図3に示すように、ファンユニット63は、開口部100および吸込口103を通る回転軸線O1 を有している。回転軸線O1 は、回転軸109の軸方向に延びている。そして、ファンユニット63は、上記回転軸線O1 を放熱パネル64のガイド面77と直交させた横置きの姿勢でファン取り付け部71に固定されている。そのため、ファンユニット63は、放熱パネル64に沿うように配置されており、そのファンケーシング95の吸込口103が筐体14の底壁14aと僅かな隙間を存して向かい合っている。
【0088】ファンケーシング95の排出口104は、上記MPU43とは反対側に位置されており、上記放熱パネル64の第4の縁部65dに臨んでいる。この排出口104は、筐体14の右側の側壁14dと向かい合っており、この側壁14dには、排気口116が形成されている。そのため、送風通路112は、排気口116を通じて筐体14の外方に通じている。
【0089】このような構成のポータブルコンピュータ11において、MPU43のICチップ51が発熱すると、このICチップ51の熱は、グリス85を介して放熱パネル64の座部73に伝えられる。この熱は、座部73から受熱部70に伝達されるとともに、この受熱部70からファン取り付け部71に熱伝導により拡散される。
【0090】また、この放熱パネル64には、受熱部70とファン取り付け部71とに跨るヒートパイプ62が熱的に接続されているので、ICチップ51から受熱部70に伝えられた熱の一部は、第1および第2の支持部82a,82bを介してヒートパイプ62に伝えられる。この熱伝達により、パイプ本体91内の作動媒体が加熱されて蒸気となり、この蒸気はヒートパイプ62の第1の部分92aから第2の部分92bに向けて流動する。ヒートパイプ62の第2の部分92bは、MPU43から遠ざかっているので、第1の部分92aに比べて温度が低く、かつ内部圧力が低く保たれている。
【0091】そのため、第2の部分92aに導かれた蒸気は、ここで放熱し凝縮する。この凝縮により液化された作動媒体は、第2の部分92bから第1の部分92aに向けて還流し、再度受熱部70の熱を受けて加熱される。この作動媒体の蒸発および凝縮の繰り返しにより、受熱部70の熱がファン取り付け部71に積極的に移される。
【0092】MPU43の温度が予め規定された値を上回ると、DCブラシレスモータ108を介してファン96が回転駆動される。このファン96の回転により、筐体14内の空気がファンケーシング95の吸込口103から送風通路112に吸い込まれ、この送風通路112を排出口104に向けて流れる。この空気の流れにより、ファンケーシング95および放熱パネル64が強制的に冷却されるとともに、この放熱パネル64のファン取り付け部71に伝えられた熱が空気流に乗じて外部に放出され、MPU43の放熱が促進される。そして、この送風通路112を流れる空気は、排出口104から排気口116を通じて筐体14の外方に放出される。
【0093】この際、ファンユニット63のファンケーシング95は、吸込口103と向かい合う開口部100を有し、この開口部100が放熱パネル64のガイド面77によって塞がれている。そのため、ガイド面77は、ファンケーシング95と協働して送風通路112を構成しており、この送風通路112を流れる空気がヒートシンク61のガイド面77に直接吹き付けられる。
【0094】したがって、放熱パネル64とファンケーシング95との間に熱伝達を妨げるような熱抵抗が生じることはないとともに、放熱パネル64のファン取り付け部71を空気を媒体とする強制対流によって直接冷却することができ、ファン取り付け部71に熱伝達されたICチップ51の熱を効率良く筐体14の外方に放出することができる。
【0095】また、上記構成の場合、ファン取り付け部71に固定されたファンケーシング95も熱伝導性に優れた金属材料にて構成されているので、ファン取り付け部71の熱がファンケーシング95に効率良く伝えられ、このファンケーシング95をヒートシンク61の一部として活用することができる。
【0096】しかも、放熱パネル64の第1の基盤66は、筐体14の底壁14aから延びる取り付け座88にねじ89を介して固定されているので、ヒートシンク61に伝えられたICチップ51の熱の一部は、取り付け座88から底壁14aへの熱伝導により筐体14に拡散され、この筐体14から自然空冷により大気中に放出される。
【0097】このような放熱経路を有するポータブルコンピュータ11によれば、ICチップ51の熱を放熱パネル64のファン取り付け部71に効率良く移動させて、空気を媒体とする強制対流により大気中に放出することができる。そのため、ヒートシンク61に多数の放熱フィンを設けることなく所望の冷却性能を得ることができ、MPU43の過熱を確実に防止することができる。
【0098】しかも、ファンユニット63は、ファン96の回転軸線O1 をファン取り付け部71のガイド面77と直交させた横置きの姿勢でファン取り付け部71に固定されているので、放熱パネル64に対するファンユニット63の突出高さを低く抑えることができる。このため、ファンユニット63自体がMPU43と同一平面上で並べて配置されていることと合わせて、ヒートシンク61ひいては冷却装置60を薄くコンパクトに形成することができる。
【0099】よって、MPU43の放熱性能を充分に維持しつつ、筐体14の薄型化に無理なく対応することができる。また、上記構成によると、ヒートシンク61の放熱パネル64は、受熱部70やファン取り付け部71を有する第1の基盤66と、この第1の基盤66の上面に重ねられた第2の基盤67とで構成されている。そして、第2の基盤67は、受熱部70からファン取り付け部71に跨って配置されているとともに、その熱伝導率が第1の基盤66の熱伝導率よりも大きく定められている。そのため、第1の基盤66の受熱部70に伝えられたICチップ51の熱は、第2の基盤67を通じて第1の基盤66の隅々にまで効率良く拡散されることになり、ヒートシンク61の厚みを増すことなく受熱部70の周囲への熱の拡散を効率良く行うことができる。
【0100】すなわち、アルミニウム合金製の第1の基盤66のみでICチップ51の熱を拡散させるためには、第1の基盤66の肉厚を増して熱容量を充分に確保するとともに、熱伝達時の熱抵抗を小さく抑える必要がある。すると、第1の基盤66が厚くて重いものとなり、冷却装置40の小型化や軽量化の妨げとなる。また、熱伝導のことを考慮すれば、第1の基盤66をアルミニウム合金よりも熱伝導率の大きな銅系合金材料にて構成すれば良いことになるけれども、銅系合金材料は、アルミニウム合金よりも重いので、やはり冷却装置40の軽量化が妨げられてしまう。
【0101】しかるに、上記のように第1の基盤66に受熱部70に伝えられたICチップ51の熱を、より熱を伝え易い第2の基盤67を介して受熱部70からファン取り付け部71に伝えるようにすれば、第1の基盤66の厚み寸法を大幅に増大させることなく、受熱部70からファン取り付け部71への熱の移動を効率良く行うことができ、放熱パネル64の薄型化を実現できる。
【0102】さらに、ヒートパイプ62は、第2の基盤67に支持されているので、この第2の基盤67として第1ないし第3の支持部82a〜82cの数や位置が異なるもの、あるいは基盤67の形状や厚みが異なる種々の形態のものを用意し、ICチップ51の発熱量に応じた最適な第2の基盤67を選択して用いるようにしれば、第1の基盤66を共通としつつ、ファン取り付け部71への熱の拡散を過不足なく行うことができる。そのため、放熱パネル64が過剰品質となるのを防止でき、ICチップ51の発熱量に応じた熱伝導性を有するヒートシンク61を容易に得ることができる。
【0103】それとともに、第2の基盤67は、ヒートシンク62を支持する部材としても機能しているので、この第2の基盤67を交換することで、第1の基盤66はそのままでヒートパイプ62の口径や取り回し経路を自由に変えることができ、MPU43の放熱経路を設計する上で好都合となるといった利点がある。
【0104】なお、本発明を実施するに当っては、図10に二点鎖線で示すように、ファンケーシング95の排出口104に複数の放熱フィン120を櫛歯状に並べて配置したり、あるいは図3に二点鎖線で示すように、ヒートシンク61のファン取り付け部71の端部に、ファンケーシング95の排出口104に臨む複数の放熱フィン121を形成しても良い。
【0105】この構成によれば、ファンケーシング95又はファン取り付け部71の空気との接触面積が増大するので、放熱パネル64を厚くすることなく、その冷却性能をより高めることができる。
【0106】また、本発明は、上記第1の実施の形態に特定されるものではなく、図12ないし図14に本発明の第2の実施の形態を示す。この第2の実施の形態は、ヒートパイプ62の取り回し経路に関する事項が上記第1の実施の形態と相違しており、冷却装置60の基本的な構成は、上記第1の実施の形態と同様である。そのため、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0107】図12や図13に示すように、ヒートパイプ62は、放熱パネル64の第4の縁部65dに沿って延びる第3の部分92cと、放熱パネル64の第2の縁部65bに沿って延びる第4の部分92dとを有している。ヒートパイプ62の第3の部分92cは、第2の部分92bおよび第4の部部92dに連なっている。
【0108】また、放熱パネル64を構成する第2の基盤67は、上記第1ないし第3の支持部82a〜82cの他に第4ないし第6の支持部82d〜82fを有している。第4および第5の支持部82dは、第1の基盤66のファン取り付け部71に対応した位置に配置されている。第4の支持部82dは、放熱パネル64の第4の縁部65dに沿って延びており、第5の支持部82eは、放熱パネル64の第2の縁部65bに沿って延びている。第6の支持部82fは、第1の基盤66の受熱部70に対応した位置に配置されている。この第6の支持部82fは、放熱パネル64の第2の縁部65bに沿って延びており、上記第5の支持部82eと隣り合っている。
【0109】ヒートパイプ62の第3の部分92cは、第2の基盤67の第4の支持部82dにかしめて固定されているとともに、第4の部分92dは、第2の基盤67の第5および第6の支持部82e,82fにかしめて固定されている。
【0110】このため、ヒートパイプ62の第3の部分92cは、第4の支持部82dを介して放熱パネル64のファン取り付け部71に熱的に接続され、ヒートパイプ62の第4の部分92dは、第5および第6の支持部82e,82fを介して夫々放熱パネル64のファン取り付け部71および受熱部70に夫々熱的に接続されている。よって、ヒートパイプ62は、放熱パネル64の周囲において、図13に概略的に示すように、受熱部70およびファン取り付け部71を取り囲むように配置されている。
【0111】また、図14に示すように、ヒートパイプ62の第3の部分92cおよび第2の基盤67の第4の支持部82dは、筐体14の排気口116とファンケーシング95の排出口104との間に介在されている。そのため、ヒートパイプ62の第3の部分92cおよび第2の基盤67の第4の支持部82dは、ファンケーシング95の排出口104から排出される空気の排出経路上に位置され、この空気により直接冷却されるようになっている。
【0112】このような構成によると、ヒートパイプ62の第3の部分92cがファンユニット63から排出される空気の流れに直接さらされるので、この第3の部分92cが空気を媒体とする強制対流により冷却される。そのため、第3の部分92cの温度が第1、第2および第4の部分92a,92b,92dに比べて低くなり、ICチップ51の熱を受けて蒸気化された作動媒体の放熱が効率良く行われる。
【0113】したがって、受熱部70からファン取り付け部71への熱の移動をより効率良く行うことができ、冷却装置60の冷却性能が向上する。また、図15は、本発明の第3の実施の形態を開示している。
【0114】この第3の実施の形態は、第2の実施の形態をさらに発展させたもので、冷却装置60の基本的な構成は、第2の実施の形態と同様である。図15に示すように、ヒートパイプ62の第2の部分92bおよび第4の部分92dは、その第3の部分92cに連なる端部に上向きに屈曲された曲げ部130を有している。この曲げ部130の存在により、ヒートパイプ62の第3の部分92cは、第2の部分92bおよび第4の部分92dよりも距離Lだけ上方に引き上げられて、ファンケーシング95の排出口104の上端付近に配置されている。そのため、ファンケーシング95の排出口104と筐体14の排気口116との間へのヒートパイプ62の張り出しが少なく抑えられている。
【0115】このような構成によれば、ヒートパイプ62の第3の部分92cが、筐体114の排気口116とファンケーシング95の排出口104との間に大きく入り込むのを防止でき、この第3の部分92cによって排出口104から排出される空気の流れが妨げられずに済む。この結果、空気の排気抵抗が少なくなり、その分、送風通路112内を流れる空気の流速が増して、放熱パネル64のファン取り付け部71を効率良く冷却することができる。
【0116】また、排出口104から排気口116に向かう空気の流れが滑らかとなるので、排気音が小さくなり、ファンユニット63の運転時の騒音を低く抑えることができる。
【0117】なお、放熱パネル64に対するヒートパイプ62の配管形状は、上記実施の形態に特定されるものではなく、例えば図16に示す本発明の第4の実施の形態のように、一本のヒートパイプ141を放熱パネル64の第2の縁部65bに沿って直線的に配置し、このヒートパイプ141の一端を受熱部70に接続するとともに、他端をファン取り付け部71に結合しても良い。
【0118】また、図17に示す本発明の第5の実施の形態に係るヒートパイプ151は、放熱パネル64の第2の縁部65bに沿って配置された第1の部分152と、放熱パネル64の第4の縁部65dに沿って配置された第2の部分153とを備えている。第1の部分152は、その両端部が受熱部70およびファン取り付け部71に夫々熱的に接続されている。第2の部分153は、ファン取り付け部71に熱的に接続されているとともに、ファンユニット63から排出される空気の排気経路上に位置されている。
【0119】図18に示す本発明の第6の実施の形態に係るヒートパイプ161は、放熱パネル64の第1の縁部65aに沿って配置された第1の部分162と、放熱パネル64の第3の縁部65cに沿って配置された第2の部分163と、放熱パネル64の第2の縁部65bに沿って配置された第3の部分164とを備えている。第1および第3の部分162,164は、その両端部が受熱部70およびファン取り付け部71に夫々熱的に接続されている。第2の部分163は、受熱部70に熱的に接続されているこの第6の実施の形態のヒートパイプ161は、受熱部70を三方向から取り囲むようにして配置されており、受熱部70からヒートパイプ161への熱伝達が効率良く行われるようになっている。そして、この受熱部70に伝えられた熱は、第1および第3の部分162,164を通じてファン取り付け部71に移される。
【0120】また、図19に示す本発明の第7の実施の形態に係るヒートパイプ171は、放熱パネル64の第1の縁部65aに沿って配置された第1の部分172と、第4の縁部65dに沿って配置された第2の部分173と、第2の縁部65bに沿って配置された第3の部分174とを有している。第1および第3の部分172,174は、その両端部が受熱部70およびファン取り付け部71に夫々熱的に接続されている。第2の部分173は、ファン取り付け部71に熱的に接続されているとともに、ファンユニット63から排出される空気の排気経路上に位置されている。
【0121】この第7の実施の形態のヒートパイプ171は、ファン取り付け部71を三方向から取り囲むようにして配置されており、受熱部70からヒートパイプ171に伝えられた熱は、第1および第3の部分172,174を通じてファン取り付け部71に移される。
【0122】図20に示す本発明の第8の実施の形態は、上記第4の実施の形態と第5の実施の形態とを組み合わせたものである。すなわち、この第8の実施の形態では、一つの放熱パネル64に第1および第2の二本のヒートパイプ181,182が取り付けられている。
【0123】第1のヒートパイプ181は、放熱パネル64の第1の縁部65aに沿って直線的に配置されており、その両端部が受熱部70およびファン取り付け部71に夫々熱的に接続されている。第2のヒートパイプ182は、放熱パネル64の第2の縁部65bに沿って配置された第1の部分183と、放熱パネル64の第4の縁部65dに沿って配置された第2の部分184とを備えている。第1の部分183は、その両端部が受熱部70およびファン取り付け部71に夫々熱的に接続されている。第2の部分184は、ファン取り付け部71に熱的に接続されているとともに、ファンユニット63から排出される空気の排気経路上に位置されている。
【0124】このような構成によると、受熱部70に伝えられたMPU43の熱の一部は、第1および第2の二本のヒートパイプ181,182を介してファン取り付け部71に移されるので、この熱を移動させる経路が倍増し、熱をより効率良くファン取り付け部71に導くことができる。そのため、特に発熱量のより大きなMPU43の冷却装置60として好都合となる。
【0125】また、図21に示す本発明の第9の実施の形態は、上記第1の実施の形態と第4の実施の形態とを組み合わせたものである。すなわち、この第9の実施の形態においても、一つの放熱パネル64に第1および第2の二本のヒートパイプ191,192が取り付けられている。
【0126】第1のヒートパイプ191は、放熱パネル64の第1の縁部65aに沿って直線的に配置されており、その両端部が受熱部70およびファン取り付け部71に夫々熱的に接続されている。第2のヒートパイプ192は、放熱パネル64の第2の縁部65bに沿って配置された第1の部分193と、放熱パネル64の第3の縁部65cに沿って配置された第2の部分194とを備えている。第1の部分193は、その両端部が受熱部70およびファン取り付け部71に夫々熱的に接続されている。第2の部分194は、受熱部70に熱的に接続されている。
【0127】このような構成においても、受熱部70に伝えられたMPU43の熱の一部は、第1および第2の二本のヒートパイプ191,192を介してファン取り付け部71に移されるので、この熱を移動させる経路が倍増し、熱をより効率良くファン取り付け部71に導くことができる。
【0128】さらに、図22は、本発明の第10の実施の形態を開示している。この第10の実施の形態は、放熱パネル64の受熱部70に伝えられた熱をファン取り付け部71に移すための構成が上記第1の実施の形態と相違しており、それ以外の冷却装置60の構成は、第1の実施の形態と同様である。そのため、第1の実施の形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0129】図22に示すように、ヒートシンク61の放熱パネル64は、受熱部70およびファン取り付け部71を有する第1の基盤66と、この第1の基盤66の上面66bにかしめて固定された第2の基盤200とで構成されている。第2の基盤200は、その熱伝導率が第1の基盤66よりも大きな銅系合金材料にて構成されている。第2の基盤200は、第1の基盤66の上面66bにおいて、受熱部70からファン取り付け部71に跨るように重ね合わされている。そして、これら第1の基盤66と第2の基盤200とは、図示しない熱伝導性のグリスを介して密接され、これら両者間の熱抵抗が小さく抑えられている。
【0130】このような構成によると、ICチップ51の熱は、第1の基盤66の受熱部70に伝達されるとともに、この受熱部70からファン取り付け部71に熱伝導により拡散される。また、第1の基盤66の上面66bには、より熱を伝え易い第2の基盤200が重ね合わされているので、受熱部70に伝えられたICチップ51の熱を、第2の基盤200を通じて第1の基盤66のファン取り付け部71に効率良く移すことができる。
【0131】この構成によれば、第2の基盤200がヒートパイプと同等の機能を果すので、放熱パネル64に従来のような放熱フィンを設けることなく所望の冷却性能を得ることができる。したがって、冷却装置60ひいては筐体14の薄型化を実現することができる。
【0132】なお、上記各実施の形態では、ファンユニットの排出口をMPUとは反対側に配置したが、場合によってはファンユニットの排出口をMPUに向け、このMPUをファンユニットから排出される空気の排出経路上に位置させても良い。
【0133】また、上記第1の実施の形態のファンユニットは、その回転軸線をファン取り付け部のガイド面に対し直交させた横置きの姿勢で配置したが、筐体の厚みに余裕があれば、このファンユニットをガイド面に対し傾けて配置しても良い。
【0134】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、ヒートシンクに多数の放熱フィンを設けることなく所望の冷却性能を得ることができ、ヒートシンク自体を薄くコンパクトに形成することができる。しかも、ファンユニットがヒートシンクの厚み方向に大きく突出することもないので、回路部品の放熱性を良好に維持しつつ、冷却装置ひいては筐体の薄型化が可能となる。
【0135】また、回路部品の発熱量に応じた最適な第2の基盤を選択して用いるようにすれば、第1の基盤を共通としつつ、ファン取り付け部への熱の拡散を過不足なく行えるので、冷却装置の過剰品質やそれに伴う重量増大を防止することができる。したがって、冷却装置の薄型化や軽量化に無理なく対応できるとともに、回路部品の放熱経路を設計する上でも好都合となるといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るポータブルコンピュータの斜視図。
【図2】ポータブルコンピュータの側面図。
【図3】MPUと冷却装置との位置関係を示すポータブルコンピュータの断面図。
【図4】(A)は、冷却装置を筐体に組み込んだ状態を示す平面図。(B)は、第1の基盤の凸部を第2の基盤の嵌合孔に嵌め込んだ状態を示す断面図。(C)は、図4の(A)の4F−4F線に沿う断面図。
【図5】ヒートシンク、MPU、ファンユニットおよびヒートパイプの位置関係を概略的に示す平面図。
【図6】図4の6F−6F線に沿う断面図。
【図7】第2の回路基板からMPUを取り外した状態を示す斜視図。
【図8】MPUに冷却装置を取り付けた状態を示す斜視図。
【図9】MPUから冷却装置を取り外した状態を示す斜視図。
【図10】MPUから冷却装置を取り外した状態を示す斜視図。
【図11】ヒートシンクからファンユニットを取り外した状態を示す斜視図。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る冷却装置の斜視図。
【図13】ヒートシンク、MPU、ファンユニットおよびヒートパイプの位置関係を概略的に示す平面図。
【図14】ヒートパイプ、ファンユニットの排出口および筐体の排気口の位置関係を示すポータブルコンピュータの断面図。
【図15】本発明の第3の実施の形態において、そのヒートパイプ、ファンユニットの排出口および筐体の排気口の位置関係を示すポータブルコンピュータの断面図。
【図16】本発明の第4の実施の形態において、そのヒートシンク、MPU、ファンユニットおよびヒートパイプの位置関係を概略的に示す平面図。
【図17】本発明の第5の実施の形態において、そのヒートシンク、MPU、ファンユニットおよびヒートパイプの位置関係を概略的に示す平面図。
【図18】本発明の第6の実施の形態において、そのヒートシンク、MPU、ファンユニットおよびヒートパイプの位置関係を概略的に示す平面図。
【図19】本発明の第7の実施の形態において、そのヒートシンク、MPU、ファンユニットおよびヒートパイプの位置関係を概略的に示す平面図。
【図20】本発明の第8の実施の形態において、そのヒートシンク、MPU、ファンユニットおよびヒートパイプの位置関係を概略的に示す平面図。
【図21】本発明の第9の実施の形態において、そのヒートシンク、MPU、ファンユニットおよびヒートパイプの位置関係を概略的に示す平面図。
【図22】本発明の第10の実施の形態において、MPUから冷却装置およびファンユニットを取り外した状態を示す斜視図。
【図23】従来の冷却装置の断面図。
【符号の説明】
14…筐体
14a…底壁
43…回路部品(MPU)
60…冷却装置
61…ヒートシンク
62,141,151,161,171,181,182,191,192…ヒートパイプ
63…ファンユニット
64…放熱パネル
66…第1の基盤
67…第2の基盤
70…受熱部
71…ファン取り付け部
95…ファンケーシング
96…ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】 動作中に発熱する回路部品が熱的に接続される受熱部と、この受熱部に並べて配置されたファン取り付け部と、を含むヒートシンクと;ファンを回転自在に支持する偏平なファンケーシングを有し、上記ファンの回転軸線を上記ヒートシンクに対し交差させた姿勢で上記ファン取り付け部に支持されたファンユニットと;上記ヒートシンクに設置され、上記受熱部に伝えられた回路部品の熱を上記ファン取り付け部に移送する移送手段と;を備えていることを特徴とする冷却装置。
【請求項2】 請求項1の記載において、上記ファンケーシングは、ファンを挟んで向かい合う吸込口および開口部と、ファンの径方向外側に位置された排出口と、を有し、このファンケーシングの開口部が上記ヒートシンクによって塞がれているとともに、このヒートシンクは、ファンケーシングと協働して上記吸込口および排出口に連なる送風通路を構成していることを特徴とする冷却装置。
【請求項3】 請求項1又は2の記載において、上記移送手段はヒートパイプであり、このヒートパイプは、ヒートシンクの受熱部およびファン取り付け部に夫々熱的に接続されていることを特徴とする冷却装置。
【請求項4】 請求項3の記載において、上記ヒートシンクは、上記受熱部およびファン取り付け部を有する第1の基盤と、この第1の基盤に重ね合わすことで第1の基盤に熱的に接続された第2の基盤と、を備え、この第2の基盤は、上記ヒートパイプに熱的に接続された複数の支持部を備えていることを特徴とする冷却装置。
【請求項5】 請求項3の記載において、上記ヒートパイプは、上記ファンユニットの排出口と対向する部分を有していることを特徴とする冷却装置。
【請求項6】 動作中に発熱する回路部品に熱的に接続される受熱部を有する第1の基盤と;この第1の基盤に重ね合わされることで第1の基盤に熱的に接続された第2の基盤と;を具備し、上記第1の基盤と第2の基盤とは、夫々固有の熱伝導率を有する金属材料にて構成され、上記第2の基盤の熱伝導率は、第1の基盤の熱伝導率よりも大きく定められていることを特徴とする冷却装置。
【請求項7】 請求項6の記載において、上記第1の基盤は、上記受熱部と隣り合う放熱部を有し、この放熱部に放熱手段が支持されていることを特徴とする冷却装置。
【請求項8】 請求項7の記載において、上記第1の基盤は、上記受熱部と放熱部とが同一平面上に並べて配置された第1の面と、この第1の面の反対側に位置された第2の面と、を有し、上記第2の基盤は、第2の面に重ね合わされているとともに、この第2の面上において、上記受熱部から放熱部に跨って配置されていることを特徴とする冷却装置。
【請求項9】 請求項8の記載において、上記ヒートシンクの第1の基盤は、熱伝導性を有する金属材料を用いたダイカスト成形品であることを特徴とする冷却装置。
【請求項10】 請求項9の記載において、上記第2の基盤の周縁には、ヒートパイプが熱的に接続されていることを特徴とする冷却装置。
【請求項11】 筐体と;この筐体の内部に収容され、動作中に発熱する回路部品が実装された回路基板と;上記筐体に内蔵された冷却装置と;を具備し、上記冷却装置は、上記回路部品が熱的に接続される受熱部と、この受熱部に並べて配置されたファン取り付け部と、を含むヒートシンクと;ファンを回転自在に支持する偏平なファンケーシングを有し、上記ファンの回転軸線を上記ヒートシンクに対し交差させた姿勢で上記ファン取り付け部に支持されたファンユニットと;上記ヒートシンクに設置され、上記受熱部に伝えられた回路部品の熱を上記ファン取り付け部に移送する移送手段と;を備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項12】 筐体と;この筐体の内部に収容され、動作中に発熱する回路部品が実装された回路基板と;上記筐体に内蔵された冷却装置と;を具備し、上記冷却装置は、上記回路部品に熱的に接続される受熱部を有する第1の基盤と;この第1の基盤に重ね合わされることで第1の基盤に熱的に接続された第2の基盤と;を備え、これら第1の基盤と第2の基盤とは、夫々固有の熱伝導率を有する金属材料にて構成され、上記第2の基盤の熱伝導率は、第1の基盤の熱伝導率よりも大きく定められていることを特徴とする電子機器。
【請求項13】 動作中に発熱する回路部品が熱的に接続される受熱部と、この受熱部に並べて配置され、モータ駆動のファンを有するファンユニットが取り付けられるファン取り付け部と、を含む板状の放熱パネルと;上記放熱パネルに熱的に接続され、上記受熱部に伝えられた回路部品の熱を上記ファン取り付け部に移送するヒートパイプと;を備えていることを特徴とするヒートシンク。
【請求項14】 請求項13の記載において、上記放熱パネルは、上記受熱部およびファン取り付け部を有する第1の基盤と、この第1の基盤に重ね合わすことで第1の基盤に熱的に接続された第2の基盤と、を備え、この第2の基盤は、上記ヒートパイプに熱的に接続された複数の支持部を備えていることを特徴とするヒートシンク。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図13】
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【図16】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図9】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2000−13069(P2000−13069A)
【公開日】平成12年1月14日(2000.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−175968
【出願日】平成10年6月23日(1998.6.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】