説明

回転機械におけるイベント検出のための信号シグニチャ解析の方法および装置

【課題】振動を解析する方法を提供すること。
【解決手段】振動を解析する方法は、振動信号を取得する(18)ステップと、取得した信号の振動信号イベントを分離する(20)ステップと、振動信号イベントを特徴付ける振動信号イベントの減衰シヌソイドの周波数を判別する(30)ステップと、特性減衰シヌソイドを使用して別の振動信号における振動信号イベントの発生を識別する(36、40)ステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転機械の信号シグニチャ解析に関する。
【背景技術】
【0002】
機械振動の連続的(または少なくとも頻繁な)監視、検出、および解析は、生産ラインの重要な装置などの回転機械を保守する上で役立つ可能性がある。機械における特定の振動は、機械の動作状態を示しており、保守が必要な時期を判断するなど、機械を監視するために使用されることがある。特定の振動イベントを識別して、回転機械に共通する厳しい信号環境における他の機械振動を区別する、振動信号処理技法が実装されてきた。
【0003】
振動信号イベントを識別するための従来の手法は、雑音除去技法である。これらの技法は、たとえば異常な機械動作など、対象となる振動データに関してわずかな情報を搬送するかまたは情報を搬送しないスペクトル振動の一定の型をフィルタにより除去する。雑音除去技法は通常、対象となる振動信号シグニチャおよび/または潜在的な機械の問題または動作状態を示す振動信号シグニチャを識別する。振動信号シグニチャは、特定の振動信号シグニチャに固有であり、他の振動をフィルタにより除去する信号テンプレートを使用して識別される。信号テンプレートは通常、対象となる振動信号の模範的な抜粋である。信号テンプレートは、テンプレートによって定義されている振動信号と類似した振動信号イベントを識別するために使用される。
【特許文献1】米国特許出願第10/906,052号
【非特許文献1】Sohie and Maracas in their paper "Orthogonality of Exponential Transients," Proceedings of the IEEE, Vol. 76, No. 12, 1988, pp. 1616-1618
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
信号テンプレートの困難な点は、単一の機械または機種に固有であることである。各々の回転機械の信号シグニチャは、他の回転機械の信号シグニチャに対して何らかの相異を呈する傾向がある。雑音除去のためのフィルタリングテンプレートを作成するために、テンプレートは通常、機械ごとに一意的に作成される。テンプレートの開発には、振動データを、情報伝送型および雑音型に適正に二分するための膨大な振動解析を伴うこともある。したがって、既存の雑音フィルタリング技法における重大な問題を克服する振動信号解析のための技法の改良には、長きにわたる切実な要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
振動信号を取得するステップと、取得した信号の振動信号イベントを分離するステップと、振動信号イベントを特徴付けるために固有周波数に対応する減衰シヌソイドを使用して、振動信号イベントの固有周波数を判別するステップと、前記特徴付けるための減衰シヌソイドを使用して、別の振動信号における振動信号イベントの発生を識別するステップとを含む方法が、振動を解析するために開発された。
【0006】
方法は、短期フーリエ変換を使用して振動信号イベントの固有周波数を抽出するステップと、振動信号イベントに指数関数を適合させることにより、特性減衰シヌソイドの減衰係数を判別するステップを含むことができる。指数関数の適合はさらに、さまざまな減衰係数を有する指数関数を振動信号イベントの信号包絡線と比較するステップと、複数の減衰係数の各々における指数関数の値と対応する信号包絡線の値との間の差の最小二乗和を有する減衰係数の1つを選択するステップとを備えることができる。加えて、シヌソイドの適合はさらに、振動信号イベントの発生の時間の変化を検出するステップと、ウェーブレット解析を使用するステップとを含むことができ、特性減衰シヌソイドはマザーウェーブレットである。
【0007】
回転機械によって生成される振動信号を取得するステップと、取得した信号の振動信号イベントを分離するステップと、振動信号イベントを特徴付けるために固有周波数に対応する減衰シヌソイドを使用して、短期フーリエ変換を使用する振動信号イベントの固有周波数を判別するステップと、特性減衰シヌソイドを使用して、別の振動信号における振動信号イベントの発生を識別するステップとを備える方法は、振動イベントをモデル化することができる。
【0008】
さらに、機械に結合され、機械内の振動を示す振動信号を生成する振動センサと、信号処理および解析ユニットと表示および制御ユニットをさらに備える物理学ベースの信号解析器(PBSA)とを備え、信号処理および解析ユニットは振動信号に適用される特性減衰シヌソイドを生成し、シヌソイドに対応する振動信号イベントを識別し、表示および制御ユニットは識別された振動イベントを示す表示イメージを生成するシステムが回転機械を監視するために開発されてきた。さらに回転エンコーダが機械の回転軸の回転位置を示す回転信号を生成するために使用され、前記PBSAは回転信号および識別された振動イベントを相関させて、表示イメージで振動イベントおよび軸角度位置の相関を表示する。さらに、表示および制御ユニットへの制御入力は、特性減衰シヌソイドによってモデル化されるシグニチャ振動イベントを識別するユーザー入力を受信するために使用することができる。

対象となる振動シグニチャを解析的に特徴付け、続いて対象となるシグニチャの振動データを監視し、対象となるシグニチャの発生の時期を報告するための方法およびシステムが開発されてきた。信号解析は、監視下の機械構成部品の動作の物理的特性により存在すると予想される対象の信号構造に基づいている。
【0009】
一例をあげると、方法およびシステムは、対象となるイベントに特有の振動シグニチャによって対象となる各イベントが特徴付けられる振動シグニチャにより機械の回転中に発生するイベントを解析的に特徴付け、続いてそれらのシグニチャの存在および/またはシグニチャの振動について振動データを監視し、対応するイベントの発生またはそれらの発生パターンの変動を報告する。信号シグニチャ解析は、監視下の機械構成部品の動作の物理的特性により存在すると予想される対象となる信号構造を基にすることができる。
【0010】
対象となる各イベントは、減衰シヌソイドとしてモデル化される振動シグニチャによって特徴付けられる。次いで、減衰シヌソイドは、その後監視された振動信号と比較されて、その信号における対応するイベントの発生を識別する。振動信号のセグメントが減衰シヌソイドと一致した場合、そのシグニチャに対応するイベントが発生したと判別される。さらに、減衰シヌソイドとの一致は、イベントが発生した装置の回転中の時間を判別するために使用することができる。この機能によって、予想される振動イベントの不在、または装置の回転に対する予想される振動イベントの相対的時間の変動は、装置の動作の物理的特性における潜在的な偏移、したがって潜在的な機能不全の存在を推察するために使用することができる。
【0011】
大型の回転機械における機械的振動は、減衰シヌソイドとして確実に特徴付けることができる。機械的振動は通常、装置の動作の物理的特性により発生する機械内の衝突、軋み、および打撃などの衝撃によって生じる。衝撃を受けると、プレート、外板、および機械のその他のコンポーネントは、高速の周期的変形動作で振動するように「鳴る」。この振動の動作は減衰する、つまり抑えられる。
【0012】
減衰シヌソイドは、衝撃に誘発された振動イベントの波形をモデル化するために使用される。減衰シヌソイドモデルは、装置の回転中に恒常的に発生する衝撃を追跡し、その結果装置の振動特性における変化を検出するために適用することができる。
【0013】
減衰シヌソイドは、短期間の励振から生じる多くの物理的振動を示すかまたは近似するための優れた候補である。減衰シヌソイドの一般的な曲線族は、Sohie and Maracas in their paper "Orthogonality of Exponential Transients," Proceedings of the IEEE, Vol. 76, No. 12, 1988, pp. 1616-1618において明示されているように、信号表現の直交基底を構成することができる。
【0014】
シヌソイド関数の適切な定義は、以下の形式を有する任意の時間の関数である。
x(t)=Asin(ωt+Ф)
ここで、すべての変数は実数であり、
A=ピーク振幅(負でない)
ω=ラジアン単位の周波数(ラジアン/秒)
ω=2pf(fはヘルツ単位)
t=時間(秒)
f=周波数(Hz)
Ф=初期位相(ラジアン)
ωt+Ф=瞬時位相(ラジアン)
減衰シヌソイド関数は、項e−ktを乗じたシヌソイドとして表すことができる。ここでkは、ゼロよりも大きい減衰係数である。ωの値が大きくなれば、それに応じてシヌソイドの周波数も高くなる。kの値が大きくなれば、それに応じて減衰の度合いも大きくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、減衰シヌソイドグラフの4つの例を示している。上の2つの例10、12は、ωと等しいラジアン周波数(ω)を有するシヌソイドである。下の2つの例14、16は、ωと等しいωを有するシヌソイドである。ここでωはωよりも小さい。シヌソイド10、14は、kと等しい減衰係数(k)を有する。他の2つの例12、16は、kと等しいkを有する。ここでkはkよりも小さい。
【0016】
回転する機械で発生するイベントでは、対応する振動シグニチャは減衰シヌソイドによってモデル化することができる。減衰シヌソイドは、ラジアン周波数(ω)と減衰係数(ζ)によって表すことができる。1つの実施形態において、ωおよびζに関連する減衰シヌソイドのパラメータは、図2に示される流れ図のステップを実行することによって見出される。
【0017】
図2は、減衰シヌソイドとして特定の振動イベントを識別(ウィンドウ)し、フィルタリング、モデル化を行う一連のステップを示している。ステップ18において、振動信号は、回転機械を監視する振動センサから取得される。振動信号は、連続信号、一連の周期信号、または選択された期間にわたり取られた信号であってもよい。ステップ20において、対象の振動信号イベントは、たとえば信号を時間で一括することによって識別され分離される。ウィンドウは、イベントに対応する期間を有している。イベントの識別は、ウィンドウ内の特定の信号を識別して分離するソフトウェアモジュールによってなど、手動または自動で実行することができる。
【0018】
ステップ22において、振動信号イベント信号は、たとえば低周波ノイズを除去するために6〜10kHzを超える周波数を通すフィルタなど、高域フィルタを通過する。信号包絡線は、ステップ24において計算される。ステップ26において、計算された包絡線に近似するために指数関数が使用される。指数関数近似は、減衰係数(β)をもたらす。振動信号の特性減衰シヌソイドは、パラメータが図3で指定されているように取得される関数である。指数関数近似の減衰係数は、特性減衰シヌソイドの減衰係数を計算するために使用することができる。図2のステップ28において、特性減衰シヌソイドは、振動信号に対して計算される。これにより、ステップ30において、ラジアン固有周波数(ω’)および減衰係数(ζ)が得られる。
【0019】
図3は、分離された振動信号の減衰をモデル化する指数関数を導出し、減衰シヌソイド関数を信号に適合させるための数学的ステップをさらに詳細に示している。ARGMIN関数は、振動データ包絡線の値(f)と、特定の減衰係数(β)および定数(a)を有する指数関数近似の値との間の差を繰り返して判別し、時間の複数の点(n)に対してこれらの差を合計することにより、指数関数近似を振動信号に適合させるために使用することができる。最良適合指数関数近似は、近似および実際の振動信号の間の値の差の最小平方和をもたらす減衰係数および定数を見出すことによって判別される。
【0020】
図4は、減衰振動信号34に適合された模範的な指数関数近似32を示している。指数関数近似32は、信号34の包絡線に近似する。振動データの包絡線は、包絡線内の振動データの信号ピークによって定義される。減衰係数は、信号信号の包絡線に最良適合する指数関数近似から導くことができる。この減衰係数は部分的に、特性減衰シヌソイド関数を判別するために使用される。
【0021】
特性シヌソイド関数は、分離された振動イベント信号に最良相関する減衰シヌソイド関数(図3に示されている「corr.」)を見出すことにより判別される。ARGMAX演算は、さまざまな固有周波数(ω)を備える減衰シヌソイド関数をフィルタリングされた振動データと繰り返し相関させる。ARGMAX演算は、取得された振動信号の周波数を最良一致する固有周波数(ω)を識別する。他のパラメータは、減衰周波数(ω)および減衰係数(ζ)であり、いずれも固有周波数(ω)から判別することができる。ωおよびζパラメータは、特定の振動イベントをモデル化する減衰シヌソイド関数を完全に定義する。
【0022】
特性減衰シヌソイドは、他の技法を使用して振動イベントに適合させることができる。たとえば、特性減衰シヌソイドのパラメータ(ωおよびζ)は、最尤技法を使用する同時解決を使用して見出すことができる。さらに短期フーリエ変換を使用して、振動イベント信号の固有周波数の判別に役立てることもできる。たとえば、短期フーリエ変換を使用して、振動信号イベントの固有周波数のみを抽出することもできる。減衰シヌソイドの固有周波数は、たとえば0.05の一定減衰係数セットで減衰することができる。もう1つの例において、周波数および減衰係数のいずれの組み合わせも、減衰シヌソイドのパラメータを設定するために使用することができる。
【0023】
特性減衰シヌソイドは、他の振動信号の振動イベントの発生を識別して、装置の回転に関してイベントの発生時間を判別するために使用することができる。特性シヌソイドを使用して機械の連続監視中に対象となる反復振動イベントを識別するために、対象となる振動イベントが最初に識別され、特徴付けられる(図2および図3を参照)。対象となるイベントに対応する特性減衰シヌソイドは、監視された信号内の対象の振動イベントの発生を識別してその場所を突き止めるために使用される。
【0024】
装置の回転に関して振動イベントの発生および発生の時間を検出することは、回転機械の予測および診断解析に役立つ。たとえば、特性シヌソイドは、反復振動イベント振動シグニチャにおける変化または反復振動イベントのタイミングにおける変化を識別するために使用することができる。イベントのタイミングにおけるそのような変化は、回転機械における初期障害を示すこともある。さらに、回転機械における振動イベントの正確なタイミングは、イベントが機械回転サイクル内で発生する場所を識別するために、機械の回転位置と一致させることができる。
【0025】
イベントの場所を突き止めるために振動イベントに関連する特性減衰シヌソイドが使用されるさまざまな方法がある。1つの実施形態において、特性減衰シヌソイドは、参照により全体が本明細書に組み込まれている、2005年2月1日に出願した「Self-Referenced Condition Monitor」と題する関連共有の係属米国特許第10/906,052号(米国出願公開20060174164A1号公報)において説明されているカーネルと類似した方法で、カーネルにおいて具現することができる。
【0026】
もう1つの実施形態において、特性シヌソイドは、標準ウェーブレット解析においてマザーウェーブレットとして使用することができ、連続波形変換(CWT)係数は、対象となるイベントに対応する振動信号の測定減衰シヌソイドの中心周波数(たとえば14.2kHz)に対応するスケールで計算され、表示される。CWT係数は対象となるイベントの発生の時間近傍において支配的となることが予想される。1つの実施形態において、最大CWT係数が発生するX軸の値は、イベントの発生時間として識別される。ウェーブレット解析は、信号処理において周知の技法である。
【0027】
1つの実施例において、ウェーブレット解析は、特性減衰シヌソイドおよびdb9ウェーブレットを使用して実施された。いずれの信号処理の型も、振動イベントが対応するCWT係数を使用することにより認識され場所を突き止められるかどうかを判別するために、順次回転機械サイクルからのデータ上で実行された。
【0028】
図5に開示されている結果はそれぞれ、マザーウェーブレットとしてのdb9および特性減衰シヌソイドの使用に基づく解析から得られたものである。これらは、特性シヌソイドのパラメータを抽出するために使用された信号とは異なる信号で検定された。実験において検出される対象のイベントの発生時間は、他の手段により、たとえば各解析の係数を示すプロット38の実線36によって示されるように、455に等しいX軸の値において発生する「グラウンドトゥルース」としてすでに知られていた。
【0029】
図5における2つのデータプロット38は、時間(横軸)および振幅(縦軸)で同じスケールに作成されている。減衰シヌソイドは、より正確にトレーニングされたイベントの再発生を認識して(図5の実線36を参照)場所を突き止め、db9処理に関して認識および場所の有効性の著しい分化をもたらす。
【0030】
図6は、別個の対象となる振動イベントに対して実施されたもう1つの模範的な実験を示しているが、これは599に等しいX軸の値において発生することが(グラウンドトゥルースとして)知られている。この場合も同様に、対象となるイベントに特有の、特性減衰シヌソイドモデルのパラメータは、図6に示されている以外の振動信号に基づいていた。モデルベースのマザーウェーブレットの有効性(図6を参照)は、ここで「db9」ウェーブレットと比較した場合(図5を参照)さらに顕著である。検出点40(最大係数値に基づく)は、減衰シヌソイドウェーブレットの場合のほうが優れている(時間=597.05において)からである。「db9」ウェーブレットは、対象となる現在のイベントとは異なるイベントとより強く相関し(時間452.04において)、それにより対象となるイベントの検出に失敗すると考えられる。
【0031】
特性減衰シヌソイドを使用する方法は、信号監視および診断のシステムに組み込むことができる。図7は、そのようなシステムのコンポーネントを示す図である。図7は、回転機械および振動監視装置の概略図である。たとえば回転機械などの監視される装置50は、取り付けられた振動変換器52と共に示されている。さらに物理学ベースの信号解析器(PBSA)システムステーション56に取り付けられて接続された回転エンコーダ54があってもよい。回転エンコーダは、軸角度位置が振動変換器からの信号に相関するように、軸58の角度位置を提供する。
【0032】
PBSAシステムステーションは、これらの振動イベントを継続的に監視するためにオペレータが使用するモジュールであってもよい。システムステーションは、信号を取り込み、振動イベントを分離し、特性減衰シヌソイドのパラメータを判別し、パラメータを振動信号と一致させることなどによって、振動信号の取り込み、調整、および解析を行うための電子およびコンピュータシステム60を含んでいる。PBSAシステムはさらに、ディスプレイ、レコーダ、出力および制御装置62も含んでいる。モニターは、減衰シヌソイドウェーブレット解析の結果を表示する。このPBSAサブシステム62は、超過アラームと、ロギングおよび統計機能を備えることができる。
【0033】
PBSAにおいて、信号調整および解析ユニットは、対象となるイベントに対応する振動信号の特性減衰シヌソイドを生成することができる。このシヌソイドは、振動信号において対象のイベントの再発生を識別するために、後で使用することができる。表示および制御ユニットは識別された振動イベントを示す表示イメージを生成する。回転エンコーダはまた、機械の回転軸の回転位置を示す回転信号を生成することもできる。PBSAは、回転信号および識別された振動イベントを相関させて、表示イメージで振動イベントおよび軸角度位置間の相関を表示する。さらに、PBSAの表示および制御ユニットへの制御入力は、特性減衰シヌソイドによってモデル化されるシグニチャ振動イベントを識別するユーザー入力を受信することができる。
【0034】
本発明は、現在最も実際的かつ好ましい実施形態であると見なされているものに関連して説明してきたが、本発明は開示されている実施形態に限定されるべきではなく、逆に、添付の特許請求の精神および範囲内に含まれるさまざまな変更および等価物を網羅することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】減衰の度合いが異なるシヌソイドを示す一連のグラフである。
【図2】減衰シヌソイドに振動シグニチャを適合させるステップを示す流れ図である。
【図3】図2に示されている流れ図の指数関数適合および減衰シヌソイド適合のステップを示す詳細な流れ図である。
【図4】振動データおよびシグニチャイベントに対応する識別された振動イベントを示す模範的なグラフである。
【図5】振動データおよびシグニチャイベントに対応する識別された振動イベントを示す模範的なグラフである。
【図6】振動データおよびシグニチャイベントに対応する識別された振動イベントを示す模範的なグラフである。
【図7】回転機械を監視する振動解析システムを示す図である。
【符号の説明】
【0036】
10 減衰シヌソイド
12 減衰シヌソイド
14 減衰シヌソイド
16 減衰シヌソイド
18 振動信号を取得
20 振動信号をウィンドウ化
22 高域フィルタ
24 包絡線識別
26 指数関数適合
28 減衰シヌソイド関数
30 推定周波数および減衰関数
32 減衰指数曲線
34 減衰振動信号
36 イベント識別線
38 振動信号プロット
40 イベント識別
50 監視される装置
52 振動変換器
54 回転エンコーダ
56 物理学ベースの信号解析器(PBSA)システムステーション
58 軸
60 電子およびコンピュータシステム
62 ディスプレイ、レコーダ、出力および制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動信号を取得する(18)ステップと、
前記取得した信号の振動信号イベントを分離する(20)ステップと、
前記振動信号イベントを特徴付けるために固有周波数に対応する減衰シヌソイドを使用して、前記振動信号イベントの前記固有周波数を判別する(30)ステップと、
前記特性減衰シヌソイドを使用して、別の振動信号における前記振動信号イベントの発生を識別する(36、40)ステップとを備える振動イベントを解析する方法。
【請求項2】
前記特性減衰シヌソイドの前記周波数を判別する(30)ステップは短期フーリエ変換を使用して前記振動信号イベントの固有周波数を識別するステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記特性減衰シヌソイドの減衰係数を判別する(26、28、30)ステップをさらに備える請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記減衰係数を判別するステップは、前記特性減衰シヌソイドの前記減衰係数を判別するために指数関数を前記振動信号イベントに適合させる(28)ステップをさらに含む請求項3記載の方法。
【請求項5】
指数関数を前記振動信号イベントに適合させる(28)ステップをさらに備える請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記関数を適合させる(28)ステップは、さまざまな減衰係数を有する指数関数を前記振動信号イベントの信号包絡線と比較し、減衰係数を判別するために前記減衰係数の1つを選択するステップをさらに備える請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記特性減衰シヌソイドを使用して前記振動信号イベントの発生を識別するステップはウェーブレット解析を含む請求項1記載の方法。
【請求項8】
機械に結合され、信号を生成する振動センサ(52)と、
信号処理および解析ユニット(60)と表示および制御ユニット(62)をさらに備え、前記信号処理および解析ユニットは前記信号に適用される特性減衰シヌソイドを生成し、前記シヌソイドに対応する前記信号の振動イベントを識別し、前記表示および制御ユニットは前記識別された振動イベントを示す表示イメージを生成する物理学ベースの信号解析器(56)とを備える回転機械(50)を監視するシステム。
【請求項9】
前記機械の回転軸の回転位置を示す回転信号を生成する回転エンコーダ(54)をさらに備え、前記信号解析器は前記回転信号および前記識別された振動イベントを相関させて前記表示イメージで前記振動イベントおよび軸角度位置の前記相関を表示する請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記特性減衰シヌソイドによってモデル化されるシグニチャ振動イベントを識別するユーザー入力を受信するための前記表示および制御ユニット(62)への制御入力をさらに備える請求項8記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−47168(P2007−47168A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−216558(P2006−216558)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】