説明

回転角度センサ及びそれを備える車両

【課題】組立性が良好且つコンパクトであり,しかも回転軸の両持ち支持状態でのポテンショメータの確認を可能にした回転角度センサを提供する。
【解決手段】第1軸受孔23を有するケース本体10aと,第1軸受孔23で回転自在に支承される第1ジャーナル27を有する回転軸11と,この回転軸11に取り付けられるロータ43を有するポテンショメータ40と,このポテンショメータ40を覆うようにケース本体10aに結合されるケースカバー10bとを備え,回転軸11に,ポテンショメータ40を貫通して第1ジャーナルと反対方向に第2ジャーナルを形成する一方,この第2ジャーナル30を回転自在且つ相対揺動可能に支承する第2軸受孔34を有する軸受部32aと,この軸受部32aからポテンショメータ40を跨ぐように延出する複数の脚部32bとで軸受ブラケット32を構成し,脚部32bをケース本体10aに溶着した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,軸受孔を有するケース本体と,前記軸受孔で回転自在に支承されるジャーナルを有する回転軸と,この回転軸に連結されるロータを有し,このロータの回転角度を電気量に変換して出力するポテンショメータと,このポテンショメータを覆うように前記ケース本体に結合されるケースカバーとを備える回転角度センサの改良と,その回転角度センサを備える車両に関する。
【背景技術】
【0002】
かゝる回転角度センサは,特許文献1に開示されているように,既に知られている。
【特許文献1】特開2007−294802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に開示される回転角度センサでは,ケース本体に,回転軸を片持ち式に支持する軸受孔を形成している。こうしたものでは,回転軸を傾かせることなく安定的に支持するためには,上記軸受孔の軸方向長さを充分に確保する必要があり,その軸受孔が回転角度センサのコンパクト化,特にその軸方向寸法の短縮化を妨げている。
【0004】
そこで,ケース本体に結合されるケースカバーにも,回転軸の先端部を支承する軸受孔を設け,ケース本体及びケースカバーの軸受孔により回転軸を両持ち式に支持し,各軸受孔の軸方向寸法を短くして回転角度センサのコンパクト化を図ることが考えられるが,そうしたものでは,回転軸の先端部及びケースカバーの軸受孔の嵌合,並びにケースカバーのケース本体への結合を同時に行わなければならず,そのような作業は容易でないため,組立性が悪く,また回転軸をケース本体及びカバーで支持した状態では,ポテンショメータの有無の確認をすることができない等の不便を招く。
【0005】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,組立性が良好且つコンパクトであり,しかも回転軸の両持ち支持状態でのポテンショメータの有無の確認を可能にした回転角度センサ及びそれを備える車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために,本発明は,軸受孔を有するケース本体と,前記軸受孔で回転自在に支承されるジャーナルを有する回転軸と,この回転軸に連結されるロータを有し,このロータの回転角度を電気量に変換して出力するポテンショメータと,このポテンショメータを覆うように前記ケース本体に結合されるケースカバーとを備える回転角度センサにおいて,前記軸受孔及び前記ジャーナルを第1軸受孔及び第1ジャーナルとし,前記回転軸には,前記ポテンショメータを貫通して前記第1ジャーナルと反対方向に延びる第2ジャーナルを形成する一方,この第2ジャーナルを回転自在且つ相対揺動可能に支承する第2軸受孔を有する軸受部と,この軸受部から前記ポテンショメータを跨ぐように延出する複数の脚部とで軸受ブラケットを構成し,前記脚部を前記ケース本体に固着したことを第1の特徴とする。
【0007】
また,本発明は,第1の特徴に加えて,前記第2ジャーナルの先端に球状凸部を形成し,この球状凸部が首振り可能に係合する球状凹部を前記第2軸受孔の端壁に形成したことを第2の特徴とする。
【0008】
さらに,本発明は,第2の特徴に加えて,前記センサケース及び前記回転軸間に,該回転軸を前記球状凸部及び前記球状凹部の係合方向に弾発付勢する弾性手段を設けたことを第3の特徴とする。
【0009】
さらにまた,本発明は,第3の特徴に加えて,前記第1軸受孔の外側に隣接するシールハウジングを前記ケース本体に形成し,このシールハウジングに,前記回転軸の外周に密接するシール部材を装着し,このシール部材を前記弾発手段に兼用すべく,該シール部材を,これが前記第1ジャーナルを前記球状凹部側に弾発付勢するように構成したことを第4の特徴とする。
【0010】
さらにまた,本発明は,第1〜第4の特徴の何れかの回転角度センサを,車両の操向ハンドルの操舵角度を検出するセンサとして,操向ハンドルに連結したステアリングステムの下端部とフレームとの間に取り付けたことを第5の特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の特徴によれば,回転軸は,ポテンショメータを挟んで位置する第1及び第2ジャーナルがケース本体の第1軸受孔及び軸受ブラケットの第2軸受孔にそれぞれ支承され,両持ち式の支持となるので,各軸受孔及びジャーナルの軸方向寸法を極力短くして回転角度センサのコンパクト化を図りつゝ,回転軸の支持剛性を高め,その安定した回転と耐久性を確保することができる。
【0012】
しかも,ケースカバーの取り付け前に,ケース本体へのポテンショメータの組み付けと,回転軸の第2ジャーナルを支持する軸受ブラケットの取り付けを完了するものであり,その軸受ブラケットは,軸受部からポテンショメータを跨ぐように延出する複数の脚部を有しているので,回転軸の両持ち支持状態においても,上記脚部間からポテンショメータの有無等の確認をすることができ,また軸受ブラケット及びケースカバーを順次ケース本体に組み付けることで,回転角度センサの組立性を良好にすることができる。
【0013】
さらに,回転軸の第2ジャーナルと,軸受ブラケットの第2軸受孔とは,相互に揺動可能に嵌合するので,製作誤差により,第1軸受孔及び第2軸受孔間に多少の傾きや半径方向のずれが生じても,回転軸のスムーズな回転を確保することができる。
【0014】
本発明の第2の特徴によれば,第2ジャーナルの先端部の球状凸部と,第2軸受孔の端壁の球状凹部との首振り可能な係合により,回転軸の調心性が得られ,回転軸の心振れを防ぎ,回転軸のよりスムーズな回転を確保することができる。
【0015】
本発明の第3の特徴によれば,前記球状凸部及び球状凹部が弾性手段により常に係合状態に保持されるので,回転軸の調心性をより高めると共に,軸方向のガタの発生を防ぎ,耐久性の向上に寄与し得る。
【0016】
本発明の第4の特徴によれば,ケース本体及び回転軸間のシールを図るシール部材を利用して,前記球状凸部及び球状凹部の弾発係合を図るので,特別な弾性手段が不要となり,構造の簡素化を図ることができる。
【0017】
本発明の第5の特徴によれば,車両の操向ハンドルの操舵角度を検出するセンサとして,操向ハンドルに連結したステアリングステムの下端部とフレームとの間に取り付けたので,操向ハンドルに邪魔されることなく,その操舵角度を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
【0019】
図1は本発明に係る回転角度センサを自動二輪車のステアリング装置への取り付け状態で示す側面図,図2は図1の2矢視図,図3は図1の3−3線断面図,図4は図1の4−4矢視図,図5は上記回転角度センサの単体平面図,図6は図5の6−6線断面図,図7は図5の7−7線断面図,図8は同回転角度センサの,ケースカバーを外した状態で示す平面図,図9は図6の9−9線断面図である。
【0020】
先ず,図1〜図4において,自動二輪車Mのメインフレーム1の前端にヘッドパイプ2が固設され,このヘッドパイプ2により,棒状の操向ハンドル3を上端部に連結する中空のステアリングステム4が回転自在に支持され,その下端部には,前輪(図示せず)を支持するフロントフォーク5のブリッジ部材5aが連結される。したがって,ライダの操向ハンドル3に対する操舵力は,ステアリングステム4を介してフロントフォーク5及び前輪へと伝達される。
【0021】
ステアリングステム4の下端には,操向ハンドル3の操舵角度を検出する回転角度センサSが次にように取り付けられる。
【0022】
回転角度センサSは,平面視で半長円形をなすセンサケース10と,このセンサケース10に回転自在に支持されて,入力軸部28をセンサケース10の下面から突出させる回転軸11とを備えており,センサケース10には,その上面に円筒状の位置決め筒部12が,またその下面に複数の突起13,13が形成されている。一方,ステアリングステム4の下端には,センサケース10の上端部を回り止め不能に嵌合する保持部材14が溶接又はビスにより固着される。その保持部材14にセンサケース10の上端部を嵌合するときには,前記位置決め筒部12がステアリングステム4の中空部に嵌合される。
【0023】
一方,メインフレーム1には,前記突起13,13の端面に弾発的に当接してセンサケース10を保持部材14との嵌合状態に保持する板ばね製のステー15がビス等により固設される。このステー15には,溝状の切欠き16が形成されており,この切欠き16に前記入力軸部28が回転不能に係合される。即ち,入力軸部28の両側に一対の平坦面17,17が形成されており,それらが切欠き16の相対向する両内側面に当接することで回転軸11のステー15に対する回転が拘束される。
【0024】
こうして,センサケース10は,操向ハンドル3と共に回動するステアリングステム4に,また回転軸11は,メインフレーム1に固定されるステー15にそれぞれ連結されるので,操向ハンドル3の左方又は右方への操舵によれば,回転軸11が回転角度センサSに対して中立位置から左方又は右方へと相対的に回転することになる。その回転軸11の左方又は右方への回転角度を電気量に変換して出力するポテンショメータ40が前記センサケース10に収容される。
【0025】
さて,回転角度センサSの構成について,図5〜図9により説明する。
【0026】
図4〜図7において,センサケース10は,横断面が半長円形の有底筒体よりなる,上面を開放する合成樹脂製のケース本体10aと,このケース本体10aの内周面にOリング21を介して嵌合されてその開放面を閉鎖する,同じく合成樹脂製のケースカバー10bとで構成される。前記位置決め筒部12はケースカバー10bに,前記突起13,13はケース本体10aにそれぞれ形成される。
【0027】
上記ケース本体10a及びケースカバー10bの嵌合状態は,ケース本体10aの周壁に設けられる複数の係止孔18に,ケースカバー10bに形成される複数の係止爪19が弾性的に係合することで保持される。ケース本体10aの平坦な一側面にはカプラ20が一体に突設されている。
【0028】
ケース本体10aの底壁10a1の中心部にボス22が形成されており,このボス22には,ケース本体10aの内側から順に大径の第1軸受孔23,中径のシールハウジング24及び小径の開口部25が順次形成され,シールハウジング24には環状で横断面X字状のシール部材26又はOリングが装着される。第1軸受孔23の軸方向長さは,その半径よりも充分に短く設定される。
【0029】
前記回転軸11は,第1軸受孔23に回転自在に支承される第1ジャーナル27と,この第1ジャーナル27の下端面から突出して前記シール部材26に外周面を密接させつゝ前記開口部25を貫通する前記入力軸部28と,第1ジャーナル27の上端面から突出して前記ポテンショメータ40を貫通し,そしてケースカバー10b側に長く延びるロータ軸部29とからなっている。そのロータ軸部29は,前記第1ジャーナル27より充分小径に形成される。
【0030】
ロータ軸部29の,ポテンショメータ40からケースカバー10b側に突出した部分は第2ジャーナル30とされる。この第2ジャーナル30は,その軸方向長さが第1ジャーナル27より長く設定されると共に,その先端部は球状凸部31に形成される。この第2ジャーナル30を支持する軸受ブラケット32が次のように設けられる。
【0031】
即ち,軸受ブラケット32は合成樹脂製であって,第2ジャーナル30を支承する第2軸受孔34を有する軸受部32aと,この軸受部32aからポテンショメータ40を跨ぐように延出する一対の脚部32b,32bとで構成される。それら脚部32b,32bは,各下端部に鍔部32b1,32b1を備えており,それらの鍔部32b1,32b1の各下面に形成されるリブ33,33がケース本体10aの底壁10a1に超音波溶着される。
【0032】
上記第2軸受孔34は,第1ジャーナル27が緩く嵌合し得るように形成される。またこの第2軸受孔34は,一端が軸受部32aと一体の端壁32a1で閉塞されており,その端壁32a1の内面は,第2ジャーナル30の球状凸部31が首振り可能に係合する球状凹部35に形成される。前記シール部材26は,前記入力軸部28の外周面に密接する半径方向の弾性を有する他,第1ジャーナル27の下端面を弾発付勢して球状凸部31を球状凹部35との係合状態に保持する弾性をも有する。
【0033】
前記ポテンショメータ40は,ロータ軸部29に貫通されてケース本体10aに固定される基板41と,この基板41上に形成される抵抗体42と,前記ロータ軸部29に嵌合して,それと一体回転しながら抵抗体42に対して摺動するロータ43と,このロータ43の上面を覆って基板41に固定されるロータカバー44とで構成される。ロータ軸部29及びロータ43の嵌合部の一側には,それら相互の回り止めのための平坦面45が形成されている。
【0034】
図6及び図8に示すように,基板41の,前記カプラ20と反対側の端部には,複数の位置決め孔46,46が設けられ,これらに嵌合する複数の位置決めピン47,47がケース本体10aの底壁10a1に一体に立設される。これら位置決め孔46,46と位置決めピン47,47との嵌合により基板41の取り付け位置が決定される。
【0035】
また,基板41の,前記カプラ20側の端部には,鳩目状のコモン端子接続部50を挟んで鳩目状の左第1及び左第2端子接続部51,52と鳩目状の右第1及び右第2端子接続部53,54とが一列に配列して設けられ,これら接続部に挿入接続されて前記カプラ20内に配設されるコモン端子55,左第1及び左第2端子56,57並びに右第1及び右第2端子58,59がケース本体10aに埋設される。
【0036】
図9に示すように,第1軸受孔23の内周面にはストッパ突起60が形成される一方,第1ジャーナル27の外周面には,上記ストッパ突起60を受容する円弧状凹部61が形成され,この円弧状凹部61の左右端面にストッパ突起60が当接することで,回転軸11の所定の中立位置から左右方向への回転角度が規制される。その回転角度は,操向ハンドル3の最大操舵角度より大きく設定されている。
【0037】
而して,左第1及び左第2端子56,57,並びに右第1及び右第2端子58,59各間に電圧を印加しておき,操向ハンドル3を左方に操舵したときは,左第1及び左第2端子56,57の一方とコモン端子55間の電圧の変化から左方の操舵角度を検出し,操向ハンドル3を右方に操舵したときは,右第1及び右第2端子58,59の一方とコモン端子55間の電圧の変化から右方の操舵角度を検出するようになっている。
【0038】
次に,この実施例の作用について説明する。
【0039】
上記回転角度センサSの組み立てに当たっては,先ず,ケース本体10aに,シール部材26,回転軸11,ポテンショメータ40及び軸受ブラケット32を順次組み込み,軸受ブラケット32の脚部32b,32bの鍔部32b1,32b1をケース本体10aの底壁10a1に当接させる。そのとき,図示しない治具によりケース本体10aの第1軸受孔23と軸受ブラケット32の第2軸受孔34との同軸精度を確保しつゝ,鍔部32b1,32a1に超音波を付与して,それら鍔部32b1,32b1の下面のリブ33,33をケース本体10aの底面に溶着する。こうして,ケース本体10a及び軸受ブラケット32により回転軸11を両持ち式に支持した後,外周にOリング21を装着したケースカバー10bをケース本体10aに嵌合し,ケース本体10aの係止孔18にケースカバー10bの係止爪19を係合して,組み立てを完了する。
【0040】
而して,回転軸11は,ポテンショメータ40を挟んで位置する第1及び第2ジャーナル27,30がケース本体10aの第1軸受孔23及び軸受ブラケット32の第2軸受孔34にそれぞれ支承され,両持ち式の支持となるので,各軸受孔23,34及びジャーナル27,30の軸方向寸法を極力短くして回転角度センサSのコンパクト化を図りつゝ,回転軸11の支持剛性を高め,その安定した回転と耐久性を確保することができる。
【0041】
しかも,ケースカバー10bの取り付け前に,ケース本体10aへのポテンショメータ40の組み付けと,回転軸11の第2ジャーナル30を支持する軸受ブラケット32の取り付けを完了するものであり,その軸受ブラケット32は,軸受部32aからポテンショメータ40を跨ぐように延出する一対の脚部32b,32bを有しているので,回転軸11の両持ち支持状態においても,上記脚部32b,32b間からポテンショメータ40の有無等の確認をすることができる。また,軸受ブラケット32及びケースカバー10bを順次ケース本体10aに組み付けることで,回転角度センサSの組立性を良好にすることができる。
【0042】
さらに,回転軸11の第2ジャーナル30と,軸受ブラケット32の第2軸受孔34とは,相互に揺動可能に嵌合するので,製作誤差により,第1軸受孔23及び第2軸受孔34間に多少の傾きや半径方向のずれが生じても,回転軸11のスムーズな回転を確保することができる。
【0043】
特に,第2ジャーナル30の先端部の球状凸部31と,第2軸受孔34の端壁32a1の球状凹部35との首振り可能な係合により,回転軸11の調心性が得られ,回転軸11の心振れを防ぎ,よりスムーズな回転を確保することができる。
【0044】
さらに,上記球状凸部31及び球状凹部35は,弾性手段,即ちシール部材26の弾性により係合状態に保持されるので,回転軸11の調心性をより高めると共に,軸方向のガタの発生を防ぎ,耐久性の向上に寄与し得る。その際,弾性手段として,ケース本体10a及び回転軸11間のシールを図るシール部材26を利用することで,特別な弾性部材が不要となり,構造の簡素化を図ることができる。
【0045】
また,上記回転センサSは,そのセンサケース10を,操向ハンドル3に連結したステアリングステム4の下端部に取り付け,回転軸11を,ステー15を介してメインフレーム1に連結することで,自動二輪車の操舵角度を検出するセンサとして,リングステム4の下端部とメインフレーム1との間に取り付けたので,その回転センサSにより,操向ハンドル3に邪魔されることなく,自動二輪車の操舵角度を検出することができると共に,このセンサを,ステアリングステム4周りのフロントフォーク5により他物との接触から保護することができる。
【0046】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,回転角度センサSは,自動二輪車のみならず,三輪自動車,四輪自動車その他の車両の操舵角度の測定にも使用可能であり,更に,各種回転部材の回転角度の測定にも使用可能である。また,軸受ブラケット32の脚部32bは,一対に限らず,3本以上でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る回転角度センサを自動二輪車のステアリング装置への取り付け状態で示す側面図。
【図2】図1の2矢視図。
【図3】図1の3−3線断面図。
【図4】図1の4−4矢視図。
【図5】上記回転角度センサの単体平面図。
【図6】図5の6−6線断面図。
【図7】図5の7−7線断面図。
【図8】同回転角度センサの,ケースカバーを外した状態で示す平面図。
【図9】図6の9−9線断面図。
【符号の説明】
【0048】
S・・・・・・回転角度センサ
1・・・・・・フレーム
4・・・・・・ステアリングステム
10・・・・・センサケース
10a・・・・ケース本体
10b・・・・ケースカバー
23・・・・・第1軸受孔
24・・・・・シールハウジング
26・・・・・シール部材
27・・・・・第1ジャーナル
30・・・・・第2ジャーナル
31・・・・・球状凸部
32・・・・・軸受ブラケット
32a・・・・軸受部
32a1・・・端壁
32b・・・・脚部
35・・・・・球状凹部
40・・・・・ポテンショメータ
43・・・・・ロータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受孔(23)を有するケース本体(10a)と,前記軸受孔(23)で回転自在に支承されるジャーナル(27)を有する回転軸(11)と,この回転軸(11)に連結されるロータ(43)を有し,このロータ(43)の回転角度を電気量に変換して出力するポテンショメータ(40)と,このポテンショメータ(40)を覆うように前記ケース本体(10a)に結合されるケースカバー(10b)とを備える回転角度センサにおいて,
前記軸受孔(23)及び前記ジャーナル(27)を第1軸受孔(23)及び第1ジャーナル(27)とし,前記回転軸(11)には,前記ポテンショメータ(40)を貫通して前記第1ジャーナル(27)と反対方向に延びる第2ジャーナルを形成する一方,この第2ジャーナル(30)を回転自在且つ相対揺動可能に支承する第2軸受孔(34)を有する軸受部(32a)と,この軸受部(32a)から前記ポテンショメータ(40)を跨ぐように延出する複数の脚部(32b)とで軸受ブラケット(32)を構成し,前記脚部(32b)を前記ケース本体(10a)に固着したことを特徴とする回転角度センサ。
【請求項2】
請求項1記載の回転角度センサにおいて,
前記第2ジャーナル(30)の先端に球状凸部(31)を形成し,この球状凸部(31)が首振り可能に係合する球状凹部(35)を前記第2軸受孔(34)の端壁(32a1)に形成したことを特徴とする回転角度センサ。
【請求項3】
請求項2記載の回転角度センサにおいて,
前記センサケース(10)及び前記回転軸(11)間に,該回転軸(11)を前記球状凸部(31)及び前記球状凹部(35)の係合方向に弾発付勢する弾性手段(26)を設けたことを特徴とする回転角度センサ。
【請求項4】
請求項3記載の回転角度センサにおいて,
前記第1軸受孔(23)の外側に隣接するシールハウジング(24)を前記ケース本体(10a)に形成し,このシールハウジング(24)に,前記回転軸(11)の外周に密接するシール部材(26)を装着し,このシール部材(26)を前記弾性手段に兼用すべく,該シール部材(26)を,これが前記第1ジャーナル(27)を前記球状凹部(35)側に弾発付勢するように構成したことを特徴とする回転角度センサ。
【請求項5】
請求項1〜4何れかに記載の回転角度センサを,操向ハンドル(3)の操舵角度を検出するセンサとして,操向ハンドル(3)に連結したステアリングステム(4)の下端部とフレーム(1)との間に取り付けたことを特徴とする車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−190684(P2010−190684A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34464(P2009−34464)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000222934)東洋電装株式会社 (69)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】