説明

回転軸の測定装置

【課題】2つのセンサを設けずにクラッチを組み付けた状態で駆動軸と被駆動軸の芯ずれを測定することができるとともに、作業性を向上することができる回転軸の測定装置を提供する。
【解決手段】回転軸の測定装置10は、駆動軸と被駆動軸の芯ずれをフライホイール61上で測定するセンサヘッド20と、センサヘッド20の測定データを処理するデータ処理装置40と、を備え、センサヘッド20は、被駆動軸に設けられたスプライン軸部の外周の周方向変位を検出する平面コイルを有する変位センサ21を備え、変位センサ21は、平面コイルからスプライン軸部の外周までの距離に起因する第1信号成分と、スプライン軸部の外周の凹凸形状に起因する第2信号成分とが重畳された電気信号を出力し、データ処理装置40は、第1信号成分および第2信号成分に基づいて芯ずれ量および芯ずれ位相の情報を取得する構成を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転軸の測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の回転軸の測定装置は、特に車両の製造過程において搭載されるエンジンと変速機の組み付け時に生ずるエンジンの出力軸と変速機の入力軸とのずれを測定する際に用いられている。これは、エンジンと変速機との組み付け精度により出力軸としてのエンジンのクランクシャフトと変速機の入力軸としてのインプットシャフトの回転軸がずれるためであり、これに起因してエンジンからの駆動力を変速機に伝達するクラッチの部品の破損やその部品の摩耗、変速機を含む駆動系の異音等の発生を抑制するようにするためである。
【0003】
このような従来の回転軸の測定装置として、エンジンの出力軸としての駆動軸と変速機の入力軸としての被駆動軸との間の芯ずれを測定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に開示された回転軸の測定装置は、駆動軸とこれにより駆動される被駆動軸との間の芯ずれを測定するようになっており、駆動軸の芯に測定長さ方向が向き、駆動軸と共に回転可能に取り付けられ、かつ円状又は楕円状の外周面に凹凸を有する被駆動軸の外周までの距離を測定する距離センサと、駆動軸の回転角度を検出する回転角度センサと、回転角度センサで検出した角度が一定角度進む毎に、その角度と距離センサで検出した距離を記録する記録部と、記憶した距離と角度から2次元座標を計算し、各次元毎の平均を求め、これを基に芯ずれ位置に換算する演算部と、演算して求めた芯ずれ位置を表示する表示部と、を備えている。
【0005】
このような構成により、歯車のような凹凸のある測定対象部についても、凹凸の影響が平均化され、正しい芯ずれの測定が可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平08−128819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のような従来の回転軸の測定装置にあっては、駆動軸と被駆動軸の芯ずれを測定するために、被駆動軸の外周までの距離を測定する距離センサと駆動軸の回転角度を検出する回転角度センサとを2つ設ける必要があるという問題あった。
【0008】
さらに、従来の回転軸の測定装置は、2つのセンサを設ける必要があるので、クラッチを構成するクラッチハウジングの内部に構成部品を組み付けた状態では、センサを設けるスペースを確保することができず、組み付けた状態では測定することができないという問題があった。加えて、例えばクラッチ内の構成部品を一部取り外してセンサを設置するスペースを確保した場合でも、2つのセンサと記録装置とはケーブルで接続されているのでクラッチ内の構成部品が邪魔となって、作業性が悪いという問題があった。
【0009】
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、2つのセンサを設けずにクラッチを組み付けた状態で駆動軸と被駆動軸の芯ずれを測定することができるとともに、作業性を向上することができる回転軸の測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る内燃機関の点火装置は、上記目的達成のため、(1)回転体が固定された駆動軸と、前記駆動軸によって駆動される被駆動軸との間の芯ずれを測定する回転軸の測定装置であって、前記被駆動軸は、外周の周方向に沿って凹凸状に形成されたスプライン軸部を有し、前記回転体に取り付けられ、前記スプライン軸部の外周から離隔した位置において前記スプライン軸部の外周の周方向変位を検出する変位検出部を有し、前記変位検出部から前記スプライン軸部の外周までの距離に起因する第1信号成分と前記スプライン軸部の外周の凹凸形状に起因する第2信号成分とが重畳された電気信号を出力する変位検出手段と、前記第1信号成分に基づいて前記駆動軸と前記被駆動軸との間の芯ずれ量の情報を取得する芯ずれ量情報取得手段と、前記第2信号成分に基づいて前記駆動軸と前記被駆動軸との間の芯ずれ位相の情報を取得する芯ずれ位相情報取得手段と、を備える。
【0011】
この構成により、回転体に取り付けられた変位検出手段が出力する第1信号成分および第2信号成分を含む電気信号に基づいて芯ずれ量および芯ずれ位相の情報を取得することができるので、2つのセンサを設けずにクラッチを組み付けた状態で駆動軸と被駆動軸の芯ずれを測定することができるとともに、作業性を向上することができる。
【0012】
上記(1)に記載の回転軸の測定装置において、(2)前記回転体に取り付けられ、前記芯ずれ量および前記芯ずれ位相の情報を無線送信する無線送信手段を備える。
【0013】
この構成により、芯ずれ量および芯ずれ位相の情報を無線送信することができるので、変位検出手段を有線接続することなく駆動軸と被駆動軸の芯ずれを測定することができるとともに、作業性を向上することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、2つのセンサを設けずにクラッチを組み付けた状態で駆動軸と被駆動軸の芯ずれを測定することができるとともに、作業性を向上することができる回転軸の測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る回転軸の測定装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るセンサヘッドおよびデータ取得装置をクラッチ装置内に設けた場合の構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るセンサヘッドの構成例および取り付け例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る変位センサの出力信号の波形例および変換用データを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る回転軸の測定装置において、芯ずれ量および芯ずれ位相の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る回転軸の測定装置の動作を示すフロー図である。
【図7】従来の回転軸の測定装置における芯ずれ測定の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
まず、構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る回転軸の測定装置10は、駆動軸と被駆動軸の芯ずれを測定するセンサヘッド20と、センサヘッド20の測定データを取得するデータ取得装置30と、測定データのデータ処理を行うデータ処理装置40と、を備えている。データ処理装置40は、無線通信部41および通信アダプタ42を介し、データ取得装置30に対して測定データの取得の開始および終了を指示するとともに、測定データに対して所定のソフトウェア処理を行うホストコンピュータ43を備えている。
【0018】
本実施の形態では、駆動軸は、車両の内燃機関としてのエンジンの動力を出力する出力軸とし、被駆動軸は、エンジンの動力を入力する変速機の入力軸とする。また、以下、センサヘッド20およびデータ取得装置30が、エンジンの出力軸に固定されたフライホイール61に取り付けられている場合について説明する。ここで、フライホイール61は、本発明に係る回転体を構成する。
【0019】
センサヘッド20は、エンジンの出力軸と変速機の入力軸との間の芯ずれを検出する変位センサ21と、変位センサ21の周囲温度を検出する温度センサ22と、を備えている。
【0020】
変位センサ21は、例えば、公知の周波数デジタル変換方式の変位センサで構成され、平面コイル、発振回路、積算回路を有する。具体的には、変位センサ21は、平面コイルに対向する導体と平面コイルとの距離変化に応じて発振回路の発振周波数が変化する構成を有し、発振周波数を積算回路でカウント値に変換してカウント値を表すデジタルデータを変位データとしてデータ取得装置30に出力するようになっている。ここで、変位センサ21は、本発明に係る変位検出手段を構成する。
【0021】
温度センサ22は、変位センサ21の周囲温度を測定し、周囲温度を表すデジタルデータを温度データとしてデータ取得装置30に出力するようになっている。この温度データは、変位データとともに、データ取得装置30からホストコンピュータ43に転送され、ホストコンピュータ43は、温度データに基づいて変位データの温度補正を行うようになっている。
【0022】
以下、変位データおよび温度データを総称して「測定データ」という。上述のように、変位センサ21および温度センサ22は、デジタルデータを出力する構成となっているので、データ取得装置30においてアナログデータをデジタルデータに変換するAD変換器は不要となる。
【0023】
データ取得装置30は、全体的な制御を行うとともに後述するソフトウェア処理を行うCPU(Central Processing Unit)31と、プログラム等を記憶するフラッシュメモリ32と、データ処理装置40と無線通信する無線通信部33と、充電池36に対する充電制御を行う充電制御部34と、センサヘッド20やCPU31等に電力を供給する電源部35と、を備えている。
【0024】
CPU31は、フラッシュメモリ32に記憶されたプログラムを読み出して動作するようになっている。また、CPU31は、ホストコンピュータ43からの指示に基づき、変位センサ21および温度センサ22から取得した測定データを無線通信部33に出力し、ホストコンピュータ43に測定データを転送することができるようになっている。
【0025】
フラッシュメモリ32は、CPU31を動作させるためのプログラム等を記憶するようになっている。
【0026】
無線通信部33は、例えば、2.4GHz帯の電波信号を送受信する送受信モジュールおよびアンテナ(図示せず)を備えている。この無線通信部33は、CPU31から測定データを取得すると所定の変調方式で変調し、アンテナを介して無線通信部41に電波信号を送信するようになっている。また、無線通信部33は、アンテナを介して後述の無線通信部41からの電波信号を受信すると所定の復調方式で復調し、CPU31に出力するようになっている。
【0027】
充電制御部34には、CPU31、電源部35および充電池36が接続されており、充電制御部34は、充電池36の電力を電源部35に供給するようになっている。充電池36に対する充電は、充電制御部34に充電器37が接続されて行われるようになっている。また、充電制御部34は、電源部35への電力供給時および充電池36の充電時において、充電池36の電圧、電流、温度等を測定するようになっている。ホストコンピュータ43から要求があれば、充電池36の電圧等のデータは、CPU31に出力され、無線通信によってホストコンピュータ43に転送され、ホストコンピュータ43でモニタできるようになっている。
【0028】
充電池36は、例えば、電圧3.7V、容量120mAhの薄型のリチウムイオン電池で構成される。ただし、この充電池36の構成は必須ではなく、例えば、電磁誘導によって電磁結合される2つの電磁結合コイルを備えた電磁給電部38を設け、この電磁給電部38から電力を供給する構成とすれば、充電池36を廃止することが可能である。
【0029】
電源部35は、センサヘッド20、CPU31、フラッシュメモリ32、無線通信部33、充電制御部34のそれぞれに電力を供給するようになっている。
【0030】
無線通信部41は、上述の無線通信部33と同様に、送受信モジュールおよびアンテナ(図示せず)を備えている。この無線通信部41は、通信アダプタ42からの信号を所定の変調方式で変調し、アンテナを介して無線通信部33に電波信号を送信するようになっている。また、無線通信部41は、アンテナを介して無線通信部33からの電波信号を受信すると所定の復調方式で復調し、通信アダプタ42に出力するようになっている。
【0031】
通信アダプタ42は、例えば、ホストコンピュータ43にUSB(Universal Serial Bus)接続され、無線通信部41とホストコンピュータ43との間で各種信号を授受するようになっている。
【0032】
ホストコンピュータ43は、中央演算装置であるCPU43aと、プログラムおよびデータを一時的に記憶するメモリ43bと、データ処理プログラムや各種データ等を記憶する記憶部43cと、キーボードやマウス等で構成される入力部43dと、液晶ディスプレイ等で構成される表示部43eと、通信アダプタ42に接続される入出力IF(インターフェース)部43fと、を備えている。ここで、記憶部43cが記憶するデータ処理プログラムは、例えば、後述するエンベロープ処理やパルスカウント処理等を実行するためのプログラムや、2つの軸間の芯ずれに関する解析プログラム等を含む。また、記憶部43cが記憶する各種データは、例えば、後述するカウントデータを変位距離に変換する変換用データや、温度補正を行うための温度補正用データを含む。
【0033】
上述の構成により、ホストコンピュータ43は、データ処理プログラムを用いて、データ取得装置30が取得した測定データに対し、所定のソフトウェア処理を実行するようになっている。
【0034】
次に、本実施の形態に係るセンサヘッド20およびデータ取得装置30の取り付け例について説明する。
【0035】
図2に示すように、本実施の形態に係るセンサヘッド20およびデータ取得装置30は、クラッチ装置50内に備えられている。以下、クラッチ装置50の構成を説明する。
【0036】
クラッチ装置50は、クラッチ機構60と、クラッチレリーズシリンダ(CSC;Concentric Slave Cylinder)機構70と、を有している。
【0037】
クラッチ機構60は、フライホイール61と、クラッチディスク62と、ダイアフラムスプリング63と、を含んで構成されている。このクラッチ機構60を介し、変速機の入力軸3はエンジン1の動力を入力するようになっている。この入力軸3は、外周の周方向に沿って凹凸状に形成されたスプライン軸部3aを有している。また、入力軸3は、軸受4を介して変速機のケース5に回転自在に支持されている。変速機のケース5は、図示しないボルトでエンジンケース6に固定されている。
【0038】
フライホイール61は、エンジン1の出力軸2に複数のボルト2aによって連結されており、いわゆる回転慣性質量となりエンジン1の回転ムラの発生を抑制するようになっている。図示のように、このフライホイール61の中心部に形成された平面部61aにはセンサヘッド20が取り付けられている。
【0039】
また、フライホイール61の中心部から所定距離だけ離れた位置のフライホイール61上にデータ取得装置30が取り付けられ、センサヘッド20とデータ取得装置30とがケーブル20dで接続されている。また、図示を省略したが、充電池36は、データ取得装置30近傍のフライホイール61上に取り付けられている。
【0040】
クラッチディスク62は、変速機の入力軸3のスプライン軸部3aに軸線方向に摺動可能かつ相対回転不能にスプライン嵌合したハブ62aを有している。このクラッチディスク62は、フライホイール61とクラッチディスク62とが係合状態のとき、駆動力を変速機の入力軸3に伝達するようになっている。
【0041】
CSC機構70は、レリーズベアリング70aを備え、レリーズベアリング70aの外輪でダイアフラムスプリング63を押圧することによりクラッチ機構60を係合状態から開放状態に切り替えるようになっている。
【0042】
次に、本実施の形態に係るセンサヘッド20の構成およびその取付構成について詳細に説明する。
【0043】
図3(a)に示すように、センサヘッド20は、センサ取付金具23を介し、出力軸2に固定されたフライホイール61に取り付けられている。
【0044】
フライホイール61は、中心部に形成された平面部61aおよび貫通孔61bを有する。センサ取付金具23は、フライホイール61の平面部61aに密着するリング状のセンサ取付面23aと、このセンサ取付面23aに形成された凹部23bと、フライホイール61の貫通孔61bに挿入される筒状の挿入部23cと、フライホイール61の貫通孔61bの内壁に挿入部23cを固定するための止めねじ23dと、を有する。
【0045】
センサヘッド20は、図3(b)に示すように、底面に形成された凸部20aと、取付ねじ24を貫通させる貫通孔20bと、スプライン軸部3aの外周と対向する対向面20cと、信号を出力するケーブル20dと、を備えている。対向面20cには、変位センサ21の平面コイル21aが設けられている。ここで、平面コイル21aは、本発明に係る変位検出部を構成する。なお、図3(b)は、試作サンプルの主要寸法を例示したものであって、これらの寸法に限定されない。
【0046】
センサヘッド20は、センサ取付金具23の凹部23bに凸部20aが嵌合され、取付ねじ24によってセンサ取付金具23のセンサ取付面23aに固定されるようになっている。センサヘッド20がセンサ取付金具23に固定されると、平面コイル21aからスプライン軸部3aの外周までの空隙の距離が、例えば、1mm程度に設定されるようになっている。すなわち、センサヘッド20に設けられた変位センサ21は、スプライン軸部3aの外周から離隔した位置においてスプライン軸部3aの外周の周方向変位を検出するようになっている。
【0047】
ここで、フライホイール61の回転軸に対してセンサヘッド20と対称なセンサ取付面23a上の位置には、センサヘッド20とほぼ同等な質量のダミーウエイト25を取り付けるのが好ましい。この構成により、回転軸に対するフライホイール61の回転モーメントのアンバランスを打ち消すことができ、安定した回転が可能となる。同様に、データ取得装置30や充電池36に対しても、図示を省略したがダミーウエイトを取り付けるのが好ましい。
【0048】
次に、本実施の形態に係る変位センサ21の出力信号について、図3および図4を参照して説明する。
【0049】
図3に基づいて説明したように、平面コイル21aは、スプライン軸部3aの外周に対向して配置され、変位センサ21は、外周の周方向変位を検出するようになっている。仮に、変位センサ21が、外周の周方向に沿って凹凸がない円柱状の金属軸に対して、その外周の周方向変位を検出する場合であれば、変位センサ21の出力信号は、その金属軸と出力軸2との芯ずれに応じた周期的変化を示す波形(以下「正弦波状の波形」という。)となる。
【0050】
これに対し、本実施の形態では、変位センサ21は、外周の周方向に沿って凹凸を有するスプライン軸部3aを変位検出の対象としているので、平面コイル21aからスプライン軸部3aの外周までの距離に起因する第1信号成分と、スプライン軸部3aの外周の凹凸形状に起因する第2信号成分とが重畳された電気信号を出力することとなる。
【0051】
具体的には、変位センサ21の出力信号は、例えば、図4(a)に示すような波形となる。すなわち、変位センサ21の出力信号は、スプライン軸部3aの外周の凹凸形状に起因する凹凸状の小さいうねりの波形成分(以下「凹凸波形成分」という。)が、平面コイル21aからスプライン軸部3aの外周までの空隙の距離に応じて大きなうねりとなって正弦波状に変化する信号である。
【0052】
図4(a)に示した信号波形は、時間に対するカウントデータであるので、図4(b)に例示する変換用データを用いて、カウントデータを変位距離に変換する必要がある。例えば、図4(a)においてスプライン軸部3aの外周の凸部に対応するカウントデータに着目すると、カウントデータが約36580から約36900まで変化しており、この変化量は、図4(b)において±100μm程度の変位距離に相当している。
【0053】
次に、出力軸2と入力軸3との間における芯ずれについて説明する。本明細書では、芯ずれ量δおよび芯ずれ位相λで芯ずれを表すものとする。
【0054】
図5(a)に模式的に示すように、芯ずれ量δは、例えば、フライホイール61の中心点を基準として表すことができる。また、芯ずれ位相λは、例えば、スプライン軸部3aの予め定めた外周位置を基準とした角度で表すことができる。なお、芯ずれ量δの基準をスプライン軸部3aの中心軸としてもよいし、芯ずれ位相λの基準をフライホイール61側に設けてもよい。
【0055】
具体的には、芯ずれ量δおよび芯ずれ位相λは、図5(b)に示すように算出することができる。この処理は、ホストコンピュータ43のCPU43aが、記憶部43cに記憶されたデータ処理プログラムを用いてソフトウェア処理するものである。
【0056】
まず、CPU43aが、スプライン軸部3aの外周の凹凸形状に起因する凹凸波形成分(第2信号成分)のうち、例えば、凸状の各波形成分それぞれに接する包絡線(エンベロープ)を求める信号処理(以下「エンベロープ処理」という。)を行うと、正弦波状のエンベロープ波形(第1信号成分)が得られる。このエンベロープ波形の最大値と最小値との差をXとするとき、芯ずれ量δ=X/2で表される。
【0057】
次に、CPU43aが、変位センサ21の出力信号を、エンベロープ波形の周波数を遮断するハイパスフィルタに通過させる処理(以下「ハイパスフィルタ処理」という。)を行うことにより、スプライン軸部3aの外周の凹凸に起因する凹凸波形成分(第1信号成分)が得られる。スプライン軸部3aの歯数をmとすると、凹凸波形成分の波形ピッチ(周期)は角度θ=360°/mで表される。したがって、芯ずれ位相λの予め定めた基準位置から凹凸波形成分の波形数がn個の位置においては芯ずれ位相λ=n×θで表される。ここで、図5(b)においては、芯ずれ位相λの基準位置は、エンベロープ波形の変位がゼロとなる時刻に対応するスプライン軸部3aの外周位置としている。なお、波形数を表すnは、整数であってもよいし、小数であってもよい。
【0058】
上述のように、CPU43aは、エンベロープ波形(第1信号成分)に基づいて出力軸2に対する入力軸3の芯ずれ量の情報を取得する芯ずれ量情報取得手段と、凹凸波形成分(第2信号成分)に基づいて出力軸2に対する入力軸3の芯ずれ位相の情報を取得する芯ずれ位相情報取得手段と、を構成する。
【0059】
なお、上述の説明では、エンベロープ処理およびハイパスフィルタ処理をソフトウェア処理により行う例を挙げたが、ハードウェアで各処理を行う構成としてもよい。
【0060】
次に、動作について説明する。
以下の説明では、図2において、クラッチ機構60を開放状態にした状態で入力軸3が回転しないよう固定し、測定者が出力軸2を手動で回転させることにより、出力軸2と入力軸3の芯ずれを測定する例を挙げる。また、測定前に、データ取得装置30およびデータ処理装置40が動作状態となっているものとする。
【0061】
まず、測定者が出力軸2を手動で回転させることにより、センサヘッド20をスプライン軸部3aの外周を回転させた状態にする。この状態で、測定者がホストコンピュータ43の入力部43dを操作することによって、測定データの取得の開始を表すデータ取得開始命令が入力されると、図6に示すように、ホストコンピュータ43のCPU43aは、測定データの取得の開始を表すデータ取得開始命令の信号を送信する(ステップS11)。このデータ取得開始命令の信号は、通信アダプタ42を介して無線通信部41に送られる。無線通信部41は、データ取得開始命令の信号を所定の変調方式で変調し、アンテナを介し、例えば、2.4GHz帯の電波信号として無線通信部33に送信する。
【0062】
次に、無線通信部33は、アンテナを介してデータ取得開始命令の信号を含む電波信号を受信し(ステップS12)、所定の復調方式で復調する。復調されたデータ取得開始命令の信号は、無線通信部33からCPU31に送られる。
【0063】
次に、CPU31は、センサヘッド20が出力する測定データを取り込む(ステップS13)。すなわち、CPU31は、変位センサ21から変位データを、温度センサ22から温度データを取り込む。CPU31が取り込んだ測定データは、CPU31から無線通信部33に送られる。
【0064】
次に、無線通信部33は、所定の変調方式で測定データを変調し、アンテナを介し、測定データを含む電波信号を無線通信部41に送信する(ステップS14)。
【0065】
次に、無線通信部41は、アンテナを介して測定データを含む電波信号を受信し、所定の復調方式で測定データを復調することにより、測定データを受信する(ステップS15)。受信した測定データは、通信アダプタ42を介してホストコンピュータ43に送られる。
【0066】
次に、ホストコンピュータ43のCPU43aは、取得した変位データが時間とカウントデータとの関係を表す時間・カウントデータであるので、時間と距離との関係を表す時間・距離データに変換する(ステップS16)。具体的には、CPU43aは、例えば、図4(b)に示した変換用データを記憶部43cから読み出し、この変換用データに基づき、カウントデータを距離データに変換して時間・距離データを得る。
【0067】
次に、CPU43aは、取得した時間・距離データに対し、温度補正を行う(ステップS17)。具体的には、CPU43aは、温度補正用データを記憶部43cから読み出し、読み出した温度補正用データと、温度センサ22が検出した温度データとに基づき、時間・距離データを温度補正する。なお、CPU43aが、時間・カウントデータを温度補正した後、温度補正後の時間・カウントデータを時間・距離データに変換する構成としてもよい。
【0068】
ステップS17において補正された時間・距離データに対し、CPU43aは、芯ずれ量に係る処理(ステップS18〜20)と、芯ずれ位相に係る処理(ステップS21〜23)とを行う。
【0069】
芯ずれ量に係る処理として、まず、CPU43aは、温度補正した時間・距離データに対し、図5(b)に示したように、スプライン軸部3aの外周の凹凸形状に起因する凹凸波形成分のうち、凸状の各波形成分それぞれに接するエンベロープを求めるエンベロープ処理を行う(ステップS18)。
【0070】
続いて、CPU43aは、求めたエンベロープ波形における変位距離の最大値と最小値とを求める処理を表す最大最小値処理を行う(ステップS19)。
【0071】
そして、CPU43aは、エンベロープ波形における変位距離の最大値と最小値との差に基づき、芯ずれ量を算出する(ステップS20)。具体的には、図5(b)に示したように、CPU43aは、エンベロープ波形の最大値と最小値との差をXとするとき、芯ずれ量δ=X/2により芯ずれ量δを算出する。その結果、CPU43aは、時間変化に対する芯ずれ量δの変化のデータを得る。芯ずれ量δのデータは、CPU43aによって記憶部43cに記憶される。なお、CPU43aが、時間変化に対する芯ずれ量δのデータを、表やグラフに表して表示部43eにリアルタイムで表示させてもよい。
【0072】
次に、芯ずれ位相に係る処理として、CPU43aは、図5(b)に示したように、変位センサ21の出力信号を、エンベロープ波形の周波数を遮断するハイパスフィルタに通過させるハイパスフィルタ処理を行う(ステップS21)。その結果、平面コイル21aからスプライン軸部3aの外周までの距離に起因する信号成分が除去され、スプライン軸部3aの外周の凹凸に起因する凹凸波形成分のみが得られる。
【0073】
続いて、CPU43aは、スプライン軸部3aの外周の凹凸に起因する凹凸波形成分において、予め定めた位相基準位置から任意の位置までにおける凹凸波形成分の波形数をカウントする波形カウント処理を行う(ステップS22)。
【0074】
そして、CPU43aは、凹凸波形成分の波形ピッチを角度θで表すと、凹凸波形成分の波形数がn個の位置において、芯ずれ位相λ=n×θで表される芯ずれ位相を算出する(ステップS23)。その結果、CPU43aは、時間変化に対する芯ずれ位相λの変化のデータを得る。芯ずれ位相λのデータは、CPU43aによって記憶部43cに記憶される。なお、CPU43aが、時間変化に対する芯ずれ位相λのデータを、表やグラフに表して表示部43eにリアルタイムで表示させてもよい。また、位相λのデータとともに、ステップS20において取得した芯ずれ量δのデータを同時に表示部43eにリアルタイムで表示させてもよい。
【0075】
次に、CPU43aは、芯ずれ量δと芯ずれ位相λとの関係データを取得する(ステップS24)。具体的には、CPU43aは、記憶部43cに記憶した芯ずれ量δおよび芯ずれ位相λの各データをメモリ43bに読み出し、時間変化に対する芯ずれ量δと芯ずれ位相λとの関係データを、芯ずれ量δと芯ずれ位相λとの関係データに変換する。すなわち、芯ずれ量δと芯ずれ位相λとが対応した、時間軸に依存しないデータが得られる。
【0076】
その結果、例えば、CPU43aは、図5(a)に模式的に示したように、芯ずれ量δと芯ずれ位相λとの関係データをリアルタイムで表示部43eにアニメーション表示させることができる。また、例えば、CPU43aは、図5(b)に示したエンベロープ処理データと、ハイパスフィルタ処理データとを対応させてリアルタイムで表示部43eに表示させることもできる。
【0077】
なお、測定データの取得を終了する場合は、測定者がホストコンピュータ43の入力部43dを操作し、測定データの取得の終了を表すデータ取得終了命令を入力する。
【0078】
以上のように、本実施の形態に係る回転軸の測定装置10は、変位センサ21が、平面コイル21aからスプライン軸部3aの外周までの距離に起因する第1信号成分と、スプライン軸部3aの外周の凹凸形状に起因する第2信号成分とが重畳された電気信号を出力し、CPU43aが、電気信号から第1信号成分および第2信号成分を分離して芯ずれ量と芯ずれ位相とを求める。その結果、回転軸の測定装置10は、2つのセンサを設けずにクラッチ装置50を組み付けた状態で出力軸2と入力軸3の芯ずれを測定することができる。
【0079】
また、本実施の形態に係る回転軸の測定装置10は、無線通信部33が、センサヘッド20の測定データをデータ処理装置40に電波信号により転送する構成としたので、センサヘッド20を有線接続することなく出力軸2と入力軸3の芯ずれを測定することができるとともに、作業性を向上することができる。
【0080】
また、本実施の形態に係る回転軸の測定装置10は、ステップS24において説明したように、時間軸に依存しない芯ずれのデータを取得することができる。これは、芯ずれの測定時に、出力軸2の回転が一定速度でなくてもよいことを示している。出力軸2の回転をエンジンや手動によって行う場合、出力軸2の回転速度は一定にならないが、この場合でも、回転軸の測定装置10は、芯ずれのデータを高精度で取得することができる。
【0081】
また、本実施の形態に係る回転軸の測定装置10は、芯ずれの測定における作業性を大幅に向上させることができる。以下、図7を参照して説明する。
【0082】
従来のクラッチ装置は、芯ずれの測定を行うため、例えば、図7(a)に示すような構成となっていた。すなわち、従来のクラッチ装置80は、クラッチ機構90と、レリーズベアリング81と、を有する。クラッチ機構90は、フライホイール91と、クラッチディスク92と、ダイアフラムスプリング93と、を含んで構成される。
【0083】
フライホイール91は、出力軸82に固定され、クラッチディスク92は、入力軸83に固定されている。レリーズベアリング81は、変速機のケース84に一体に形成されたエクステンションスリーブ84a上に設けられ、レリーズフォーク94によって作動するようになっている。変速機のケース84は、エンジンケース85とボルト(図示せず)で固定されている。
【0084】
従来のクラッチ装置80において、芯ずれの測定を行う際の構成は、図7(b)に示すように、クラッチ装置80の内蔵物を外した状態で、変位計95および96を取り付けて行う。変位計95および96のそれぞれに接続されたケーブル95aおよび96aは、変速機のケース84に形成した貫通孔84bを通してデータロガー97に接続される。ここで、クラッチ装置80の内蔵物は、レリーズベアリング81、クラッチディスク92、ダイアフラムスプリング93、レリーズフォーク94を含む。
【0085】
従来のクラッチ装置80において、芯ずれの測定を行う場合、変位計95および96を取り付ける必要があるため、以下に示す工程で作業していた。
(1)内蔵物をクラッチ装置80からはずし、変速機のケース84に貫通孔84bを形成する。
(2)変位計95および96を取り付け、ケーブル95aおよび96aを貫通孔84bに通し、データロガー97に接続する。具体的には、変位計95の基台はフライホイール91に固定し、変位計96の基台は入力軸83のスプライン軸部83aに固定する。
(3)変速機のケース84をエンジンケース85にボルトで取り付け、芯ずれを測定する。具体的には、変位計95および96により、エクステンションスリーブ84aの表面の変位を回転しながらトレースして計測する。変位計95および96の測定データは、データロガー97に取り込まれ、ホストコンピュータ(図示せず)に転送する。その結果、芯ずれのデータとして、エクステンションスリーブ84aを介した測定データが得られる。
(4)変速機のケース84とエンジンケース85との合わせ面にケガキ線をひく。
(5)変速機のケース84をエンジンケース85から外し、変位計95および96を取り除く。
(6)内蔵物をクラッチ装置80に取り付け、ケガキ線を基準に変速機のケース84をエンジンケース85に取り付ける。
【0086】
従来のクラッチ装置80では、上述の工程で芯ずれの測定作業を行う必要があるため、高い測定精度が得られないという問題や、測定工数が嵩むという問題があった。
【0087】
これに対し、本実施の形態に係る回転軸の測定装置10では、クラッチ機構60(図2参照)のフライホイール61に設けた変位センサ21によって非接触で芯ずれを測定し、測定データを無線送信する構成としたので、芯ずれの測定前後で内蔵物の取り外し、取り付けのための分解工程や、変速機のケースとエンジンケースとの取り付け、取り外しの工程が不要となり、芯ずれの測定における作業性を大幅に向上させることができる。
【0088】
また、この構成により、本実施の形態に係る回転軸の測定装置10は、従来のように、エクステンションスリーブ84aを介した測定ではなく、出力軸2と入力軸3との間の芯ずれを直接測定することができるので、従来のものより測定精度を向上させることができる。
【0089】
さらに、この構成により、本実施の形態に係る回転軸の測定装置10では、従来のエクステンションスリーブ84aに相当するものを必要としないので、クラッチ装置の構成を簡素化できる。
【0090】
次に、本実施の形態に係る回転軸の測定装置10の適用例について説明する。以下に示すように、本実施の形態に係る回転軸の測定装置10は、車両の設計、評価、管理等に好適に適用することができる。
【0091】
図2に示したように、変速機のケース5はエンジンケース6にボルトで固定される。車両の設計時において、回転軸の測定装置10を使用し、変速機のケース5とエンジンケース6との間の組み付け寸法と、芯ずれの測定データとの関係を把握することにより、組み付け寸法の設計値の決定に資することができる。
【0092】
また、回転軸の測定装置10は、組み付け寸法の設計値に対する評価や、設計値にマージンを含めて限界値を求める評価等にも資することができる。
【0093】
また、回転軸の測定装置10によって組み付け寸法と芯ずれとの関係データを求めておくことにより、変速機のケース5とエンジンケース6との組み付け工程において、組み付け寸法を管理することにより、芯ずれ管理の補助を行うこともできる。
【0094】
また、回転軸の測定装置10は、工場出荷後において発生したクラッチの部品の破損やその部品の摩耗、変速機を含む駆動系の異音等の原因究明の解析に資することもできる。
【0095】
また、回転軸の測定装置10は、変速機のケース5とエンジンケース6との組み付け時などの車両の製造工程においても適用できる。この場合、センサヘッド20およびデータ取得装置30をフライホイール61に取り付け、センサヘッド20の測定データをデータ処理装置40に電波信号で転送する。これにより、回転軸の測定装置10は、特許文献1に開示された従来のものや、図7に示した従来のものとは異なり、クラッチ装置50の内蔵物を取り付けた状態で芯ずれの測定や修正を行うことができる。
【0096】
例えば、芯ずれの測定結果、芯ずれが保証範囲外の場合は、変速機のケース5とエンジンケース6との組み付け寸法を修正することにより、出力軸2と入力軸3の芯ずれが保証範囲内になるよう修正することができる。芯ずれを保証範囲内に修正した後、変速機のケース5とエンジンケース6との合わせ面にケガキ線を引き、センサヘッド20およびデータ取得装置30をフライホイール61から取り外し、ケガキ線を基準に変速機のケース5とエンジンケース6とを再び組み付けるようにする。
【0097】
上述のように、回転軸の測定装置10は、従来のものと比較して、クラッチ装置50の内蔵物を取り外したり、取り付けたりする必要がないので、作業性を向上できるとともに、クラッチ装置50の内蔵物を取り付けた状態で芯ずれの測定や修正を行うことができるので、従来のものと比較して有用な芯ずれ測定や修正が可能となる。
【0098】
以上のように、本発明に係る回転軸の測定装置は、2つのセンサを設けずにクラッチを組み付けた状態で駆動軸と被駆動軸の芯ずれを測定することができるとともに、作業性を向上することができるという効果を奏するものであり、車両のエンジンの動力を出力する出力軸と変速機の入力軸の芯ずれを測定する回転軸の測定装置に有用である。
【符号の説明】
【0099】
1 エンジン
2 出力軸(駆動軸)
3 入力軸(被駆動軸)
3a スプライン軸部
10 回転軸の測定装置
20 センサヘッド
21 変位センサ(変位検出手段)
21a 平面コイル(変位検出部)
22 温度センサ
23 センサ取付金具
30 データ取得装置
31 CPU
32 フラッシュメモリ
33 無線通信部(無線送信手段)
34 充電制御部
35 電源部
36 充電池
37 充電器
38 電磁給電部
40 データ処理装置
41 無線通信部
42 通信アダプタ
43 ホストコンピュータ
43a CPU(芯ずれ量情報取得手段、芯ずれ位相情報取得手段)
61 フライホイール(回転体)
61a 平面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体が固定された駆動軸と、前記駆動軸によって駆動される被駆動軸との間の芯ずれを測定する回転軸の測定装置であって、
前記被駆動軸は、外周の周方向に沿って凹凸状に形成されたスプライン軸部を有し、
前記回転体に取り付けられ、前記スプライン軸部の外周から離隔した位置において前記スプライン軸部の外周の周方向変位を検出する変位検出部を有し、前記変位検出部から前記スプライン軸部の外周までの距離に起因する第1信号成分と前記スプライン軸部の外周の凹凸形状に起因する第2信号成分とが重畳された電気信号を出力する変位検出手段と、
前記第1信号成分に基づいて前記駆動軸と前記被駆動軸との間の芯ずれ量の情報を取得する芯ずれ量情報取得手段と、
前記第2信号成分に基づいて前記駆動軸と前記被駆動軸との間の芯ずれ位相の情報を取得する芯ずれ位相情報取得手段と、を備えたことを特徴とする回転軸の測定装置。
【請求項2】
前記回転体に取り付けられ、前記芯ずれ量および前記芯ずれ位相の情報を無線送信する無線送信手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の回転軸の測定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate