説明

図形作成方法及び図形作成システム

【課題】所定形状のグラフ等の図形をコンピュータ等で作成する図形作成方法及び図形作成システムに関し、特殊形状を含む図形を作成する際の時間の短縮を図り、費用の低減を図る。
【解決手段】図形作成対象者に対して作成される特定種類の一のグラフ図及び一の全体図形を構成する所定数のパーツ図を作成するための当該図形対象者に関する作図用データを作図DB16より取り込み、編集手段13が当該作図用データに基づいてプラグインプログラム、作図エリアを特定して適宜テーブルが参照されてサイズ調整した作図処理データを作成し、作図処理手段14が当該作図処理データに基づいて該当のプラグインプログラムで該当のパーツ図を作成させて所定エリア内に一のグラフ図及び一の全体図形を形成させる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定形状のグラフ等の図形をコンピュータ等で作成する図形作成方法及び図形作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ上で所定形状のグラフ等の図形を表計算アプリケーションソフトなどで作成することが行われているが、特殊形状の図形はオーダーメードで案件毎に個別にプログラムを作成し、これを用いて特殊形状の図形を作成している。このため、特殊形状の図形を作成する際の時間、費用の削減可能な図形作成手法の出現が望まれている。
【0003】
従来、例えば統計数値をグラフ化して表示させて視覚化することで内容を理解しやすいように表現することが一般的に行われており、コンピュータ上でグラフ等の図形を作成することが盛んに行われている。例えば、表計算アプリケーションソフトはグラフを生成する機能をも備えることが一般的になっており、所定の数値より当該アプリケーションソフトで表現できる範囲(種類)でグラフを作成する。これを印刷、印字する場合には、作成したグラフをビットマップイメージ化し、このイメージを埋め込むことで行われる。
【0004】
また、上記表計算アプリケーションソフトでは表現できない特殊形状のグラフ等の図形は、個別に専用のプログラムを作成することによって対処している。例えば、投資統合や取引総合の口座、預金やローン総合管理レポートなどのワンステートメント、必要保障額診断や商品仕組み図などの生命保険通知案内、学校等の試験結果報告書、電力・ガス使用量月次推移、市場調査等を表現するものとしてそれぞれ特有のグラフが用いられることから、それぞれに個別の専用アプリケーションソフトが開発されているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08−138062号公報
【特許文献2】特開平06−231265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特殊形状グラフ等の図形を作成する場合に、表計算アプリケーションソフト等の一般のアプリケーションでは対処できず、また、上記のように個別専用のアプリケーションソフトを作成することは多額な費用と時間を要して汎用的でないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、特殊形状を含む図形を作成する際の時間の短縮を図り、費用の低減を図る図形作成方法及び図形作成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、データ取込手段、編集手段、作図処理手段を有する図形作成システムによる図形を作成する図形作成方法であって、前記データ取込手段が、図形作成対象者に対して特定された種類の一の全体図形を作成するためのデータであって、一のグラフ図及び当該特定種類の一の全体図形が構成される所定数のパーツ図を作成するために必要な当該図形作成対象者に関する文字データ及び図形特徴データの作図用データを取り込むステップと、前記編集手段が、前記取り込んだ作図用データに基づいて、前記作成されるべき対応の各パーツ図で一のグラフ図を形成させ、また、各パーツ図で一の全体図形を形成させるために、当該各パーツ図を作成させるための作図手段を特定すると共に、当該一のグラフ図及び一の全体図形を形成させるエリア大に応じて当該各パーツ図の作図エリアを特定するステップと、一方、前記編集手段が、前記取り込んだ作図用データに基づいて、当該作図エリアに応じて適宜サイズ調整した各パーツ図に関する作図処理データを作成するステップと、前記作図処理手段が、前記特定された種類の図形に応じたそれぞれのパーツ図の形状に従って作成させるそれぞれの作図手段のうち、前記作成された作図処理データに基づいて、前記特定された作図手段に該当のパーツ図をそれぞれ作成させて前記一のグラフ図及び一の全体図形を形成させるステップと、を有する構成とする。
【0009】
請求項2〜4の発明では、「前記図形作成対象者に対して特定された種類の一の図形を作成するための前記作図用データが当該対象者毎にデータベースに格納されており、当該データベースより前記図形作成対象者毎の前記作図用データを取り込む」構成であり、
「前記サイズ調整は、前記作成されるべき各パーツ図の優先順位に応じたパーツ図を対象とする」構成であり、
「前記パーツ図のサイズ調整に際して、サイズを特定するための値を予め定めたテーブルを参照して行う」構成である。
【0010】
請求項5の発明では、図形作成対象者に対して特定された種類の一の図形を作成するための作図用データが当該対象者毎に格納しているデータベースと、図形作成対象者に対して特定された種類の一の全体図形を作成するためのデータであって、一のグラフ図及び当該特定種類の一の全体図形が構成される所定数のパーツ図を作成するために必要な当該図形作成対象者に関する文字データ及び図形特徴データの作図用データを前記データベースより前記取り込んだ作図用データに基づいて、前記作成されるべき対応の各パーツ図で一のグラフ図を形成させ、また、各パーツ図で一の全体図形を形成させるために、当該各パーツ図を作成させるための作図手段を特定すると共に、当該一のグラフ図及び一の全体図形を形成させるエリア大に応じて当該各パーツ図の作図エリアを特定し、当該作図エリアに応じて適宜サイズ調整した各パーツ図に関する作図処理データを作成する編集手段と、前記編集手段で作成された作図処理データに基づいて、当該編集手段で特定された作図手段に該当のパーツ図をそれぞれ作成させて前記一のグラフ図及び一の全体図形を形成させる作図処理手段と、を有する図形作成システムの構成とする。
【0011】
請求項6,7の発明では、「前記編集手段による前記サイズ調整は、前記作成されるべき各パーツ図の優先順位に応じたパーツ図を対象とする」構成であり、
「前記編集手段で前記パーツ図のサイズ調整に際して、サイズを特定するための値を予め定めたテーブルを備える」構成である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、図形作成対象者に対して作成される特定種類の一の図形を構成する所定数のパーツ図を作成するための当該図形対象者に関する作図用データを直接または作図データベースより取り込み、当該作図用データに基づいて作図手段、作図エリアを特定して適宜テーブルが参照されてサイズ調整した作図処理データを作成し、当該作図処理データに基づいて該当の作図手段で該当のパーツ図を作成させて所定エリア内に一の図形を形成させることにより、特殊形状の図形でも容易に作成可能となり、図形作成時間の短縮を図ることができ、費用の低減を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明方法に係る一実施形態の図形作成システムのブロック構成図である。
【図2】図1の作図データベースを作成するためのブロック構成図及び編集手段のブロック構成図である。
【図3】図1の作図処理手段における各パーツ図作成の説明図である。
【図4】本発明の図形作成システムによりグラフ作成した一例の説明図である。
【図5】本発明の図形作成システムによる図形作成手順の説明図である。
【図6】図2における作図データベース作成のフローチャートである。
【図7】図1における図形作成システムの全体処理フローチャートである。
【図8】図2の編集手段の処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図により説明する。本実施形態では、本発明の図形作成システムを、前述の必要保障額診断や商品仕組み図などの生命保険通知案内で作成される図形に適用させた場合を示しすものであるが、これに限らず、前述のように例えば投資統合や取引総合の口座、預金やローン総合管理レポートなどのワンステートメント、学校等の試験結果報告書、電力・ガス使用量月次推移、市場調査等を表現するものとしてそれぞれ特有のグラフを作成する場合においても適用することができるものである。
【0015】
図1に、本発明方法に係る一実施形態の図形作成システムのブロック構成図を示す。図1において、図形作成システム11は、少なくとも、データ取込手段12、編集手段13、作図処理手段14、ファイル出力手段15、作図データベース(DB)16、作図プログラム格納手段17、プラグイン手段18、サイズテーブル19及び作図条件設定手段20を備える。
【0016】
上記データ取込手段12は、図形作成対象者に対して特定された種類の一の図形を作成するためのデータであって、当該特定種類の一の図形が構成される所定数のパーツ図を作成するために必要な当該図形作成対象者に関する文字データ及び図形特徴データの作図データを作図DB16より取り込む。この作図DB16は、図形作成対象者毎に作成する図形の種類のデータ及び上記図形作成対象者に関する文字データ及び図形特徴データを少なくとも含む作図データを格納する。この場合の図形種類のデータとは、当該図形を作成するエリアの大きさ、図形を構成する各パーツ図の形状を少なくとも含むデータである。
【0017】
編集手段13は、取り込んだ作図用データに基づいて、前記作成されるべき各パーツ図で一の図形を形成させるために、当該各パーツ図を作成させるための作図手段である後述のプラグインプログラムを特定すると共に、当該一の図形を形成させるエリア大に応じて当該各パーツ図の作図エリアを特定し、当該作図エリアに応じて適宜サイズ調整した各パーツ図に関する作図処理データを作成する。なお、パーツ図のサイズ調整に際して、サイズを特定するための値を予め定めたサイズテーブル19を参照する。また、上記一の図形を形成させるエリア大、サイズ調整する対象のパーツ図の優先順位が作図条件設定手段20により設定される。
【0018】
上記作図処理手段14は、特定された種類の図形に応じたそれぞれのパーツ図の形状に従ってそれぞれのプラグインプログラムで当該パーツ図を作成させるものであって、編集手段13で作成された作図処理データに基づいて、当該編集手段13で特定されたプラグインプログラムに該当のパーツ図を作成させる。
【0019】
上記作図プログラム格納手段17は、図形作成対象者に応じて作成する図形の種類で特定される上記各パーツ図を作図処理データに基づいて作成するための各パーツ図毎に対応した作図手段としてのプログラムを所定数格納するものであって、適宜文字データの配置を特定するプログラムがそれぞれ格納されるもので、これらプログラムは、プラグイン手段18を介して作図処理手段13にプラグインされる。
【0020】
そして、上記ファイル出力手段15は、少なくとも出力手段21を備え、適宜フォーマット変換手段22を備える。出力手段21は作成した一の図形を画像ファイルとして外部要素手段に出力するもので、例えば印字手段に出力する。フォーマット変換手段22は、作成された画像ファイルの出力形式を他のファイル形式に変換するもので汎用性を拡張するためのものである。
【0021】
ここで、図2に、図1の作図データベースを作成するためのブロック構成図及び編集手段のブロック構成図を示す。図2(A)において、作図DB16を作成するために少なくとも、データ取得手段31、データ抽出手段32及び作図用データファイル作成手段33を備える。データ取得手段31は、提供される各図形作成対象者に関するデータをそれぞれ取得するもので、図形作成対象者のデータには、例えば氏名、住所、年齢、家族構成、電話番号等のデータや、作成される図形の種類である例えば保険の種類(保障額や保障期間等)であって、この種類で作成されるグラフ等の図形(各パーツ図)を特定するためのデータなどのあらゆる情報が含まれる。
【0022】
上記データ抽出手段32は、取得した図形作成対象者に関するあらゆる情報が含まれるデータのうち、図形作成に関する氏名、年齢、家族構成、保険の種類等の作図用データのみを抽出する。上記作図用データファイル作成手段33は、抽出した作図用データに基づいて図形(各パーツ図)作成のために必要な文字は文字データとして、グラフ等の作成に必要な数値(年齢、保障額、保障期間等)を数値データとするファイルを作成し、作図DB16に格納させるものである。
【0023】
また、図2(B)において、上記編集手段13は、少なくとも、作図用データ取得手段41、作図処理データ作成手段42及びプラグイン特定手段43を備える。作図用データ取得手段41は、上記抽出されて作図DB16に格納されている作図用データのうち、図形作成対象者の作図用データを当該作図DB16より取得する。
【0024】
作図処理データ作成手段42は、取得した作図用データに基づいて、作図条件設定手段20で設定された条件により作図の全エリアを認定すると共に、作成させる各パーツ図の優先順位に応じて作図エリアを特定し、当該作図エリアに応じて適宜サイズテーブル19を参照して、例えばグラフの最大値を特定し、その目盛値を調整して作図処理データを作成する。上記プラグイン特定手段43は、上記作図用データに基づいて作図を行わせるプラグインプログラムを特定する。そして、作成した作図処理データ及び特定したプラグインプログラムの指示情報が作図処理手段14に送出されるものである。
【0025】
次に、図3に、図1の作図処理手段における各パーツ図作成の説明図を示す。図3(A)は作成する各パーツ図を特定して作図するためのプログラム(上記作図プログラム格納手段17に格納されている各プラグインプログラム)を具現的に表した概念図であり、図3(B)は作成する各パーツ図のイメージの一例を表したものであり、図3(C)は所定数の文字をパーツ図内に配置させる場合のプラグインプログラムにおける処理内容を示したものである。
【0026】
すなわち、図3(A)において、名称の欄に表された各対象毎に上記各プラグインプログラムを上記作図プログラム格納手段17が備えるもので、イメージ図の欄、色の欄に表された作図パラメータに基づいて図3(B)に示すイメージ図を、上記図形作成対象者の年齢等のパラメータを反映させて作成する。また、最小値及び最高値の欄に表されるパラメータは例えばグラフ作成におけるレンジを定めるためのものであり、文字出力位置及び文字大の欄に表された条件が文字データを配置したパーツ図を作成する場合のものである(図3(C)で説明する)。なお、上記パラメータは、サイズ調整する場合の値に応じて設定される。
【0027】
また、図3(C)において、パーツ図に文字出力を行う場合、例えば年齢を軸とし、イベントの文字列「中学入学」、「高校入学」、「大学入学」を挿入させたときに、図に示すように軸の目盛間隔が狭くなると文字列が重なる場合が生じる。そこで、重ならないようにする手法として、例えば3つの手法が考えられ、何れかを処理するプラグインプログラムとしておくものである。
【0028】
すなわち、第1に、左側(目盛軸の小さい側)のイベントの文字列(「中学入学」)を優先させて重なるイベント(「高校入学」)の文字列を出力させないこととしてどんな条件下でも文字列を重複させないようにする。第2に、重なるイベントの文字列(「中学入学」、「高校入学」)を2行に分ける。第3に、重なるイベントの文字列(「中学入学」、「高校入学」、「大学入学」)のそれぞれを2段にするというものである。
【0029】
続いて、図4に、本発明の図形作成システムによりグラフ作成した一例の説明図を示す。図4(A)は、図形作成手順を図5で説明するが、上記図形作成システム11により作成したグラフ図形51を示したもので、図形作成対象者に関する文字列図52A、家族構成としての文字列図52B,52C、グラフレンジ(保障額)図53、保障額軸図54、目盛軸図55、棒グラフ図56(56−1,56−2,56−3),57、折れ線グラフ図58及び凡例図59のそれぞれのパーツ図が上記編集手段13で作成される作図処理データにより、上記作図処理手段14でプラグインされるプログラムにより作成されたものである。
【0030】
すなわち、対象者文字列図52A〜52Cは、作図処理データにおける当該図形作成対象者に関するデータに基づき、各文字列を出力して作成したもので、当該図形作成対象者の年齢が目盛軸の目盛となる。これにあわせて目盛軸図55のレンジが特定され、三次元的に表現されたパーツ図とされる。上記グラフレンジ(保障額)図53は、作成図形の種類(保険の種類、契約額)で作図エリアに応じたレンジで上述の最小値及び最高値が特定され、対応する金額が所定の間隔配置で文字列が出力挿入された二次元的なパーツ図であり、これにあわせて保障額軸図54の高さが特定され、三次元的に表現されたパーツ図とされる。
【0031】
また、上記棒グラフ図56,57は、図形作成対象者の年齢に応じた保障額を三次元的な表現で積み重ねた状態を表示したもので、棒グラフ図56は、各棒グラフ図56−1,56−2,56−3の三次元的な各パーツ図を、境界線をなくして表示させたものである。この場合の棒グラフ図56−3は、例えば終身などの継続状態を示すものとして先端を三角形状としている。さらに、折れ線グラフ図58は、図形作成対象者の年齢に応じた保障額を折れ線グラフとした二次元的なパーツ図である。そして、凡例図59は、グラフの見方などの文字列が配置されたパーツ図である。
【0032】
また、図4(B)は、例えば図形作成対象者の家族構成が上記家族構成より多く、対象者文字列図52Dが増えた場合、各パーツ図の優先順位の低いものをサイズ調整の対象とすることで、全体をエリア内に収めるものである。すなわち、対象者文字列図52A〜52Dが他のパーツ図より優先順位を高いとし、上記他のパーツ図をサイズ調整の対象とするものである。なお、一のパーツ図52Dが増えることで全体の高さ位置が高くなるが、幅方向のサイズは無関係であることから、目盛軸図55はサイズ調整の対象とはならない。
【0033】
この場合、グラフレンジ(保障額)図53(53A)を低くさせることから、図4(B)に示すように、高さに合わせて金額表示を異ならせ、これにあわせて保障額軸図54(54A)、棒グラフ図56(56A),57(57A)、折れ線グラフ図58(58A)の高さ方向でサイズ調整される。また、凡例図59もサイズ調整の対象とされるものである。
【0034】
ここで、図5に、本発明の図形作成システムによる図形作成手順の説明図を示す。図5(A)において、上記作図条件設定手段20で設定される各パーツ図の作図優先順位、作図全体のエリア大に基づき、上記対象者文字列図52A〜52Cが対応プラグインプログラムにより作成される。また、図5(B)に示すように、挿入される文字列の行数に応じた凡例図59が対応プラグインプログラムにより作成される。上記対象者文字列図52A〜52Cが当該全体エリア内で占める領域を基準としてグラフ対象の各パーツ図の作図エリアが特定される。
【0035】
すなわち、図5(C)に示すように、残りの作図エリア内で保障額軸図54の高さが調整されるもので、当該保障額軸図54及び目盛軸図55が対応のプラグインプログラムにより作成される。これにあわせてグラフレンジ(保障額)図53に付される数値が上記サイズテーブル19を適宜参照して確定され、図5(D)に示すように対応のプラグインプログラムにより作成される。
【0036】
また、このグラフレンジ(保障額)図53に応じて、各棒グラフ図56,57の高さが特定され、図5(E)に示すように、当該棒グラフ図56,57が対応のプラグインプログラムにより作成される。そして、上記グラフレンジ(保障額)図53にあわせて折れ線グラフ図58の高さ方向が特定され、図5(F)に示すように対応のプラグインプログラムにより作成されるものである。
【0037】
なお、上記図4(B)に示すように、対象者文字列図52A〜52Dのように増えた場合には、上記グラフ作成のエリアが高さ方向で狭まることから、この高さに応じたサイズ調整がされたグラフレンジ(保障額)図53、保障額軸図54、目盛軸図55、棒グラフ図56,57及び折れ線グラフ図58がサイズ調整され、凡例図59も適宜サイズ調整されるものである。
【0038】
以下、上記構成の図形作成システム11をフローチャートにより説明する。
図6に、図2における作図データベース作成のフローチャートを示す。図6において、まず、上記データ取得手段31が提供される各図形作成対象者に関する総てのデータをそれぞれ取得する(ステップ(S)1)。このデータは、上述のように、例えば氏名、住所、年齢、家族構成、電話番号等のデータや、保険種(保障額や保障期間等)などのあらゆる情報である。
【0039】
そこで、データ抽出手段32が、取得した図形作成対象者に関するあらゆる情報が含まれるデータのうち、図形作成に関する氏名、年齢、家族構成、保険の種類等の文字データ及び作図に必要な数値データのみを抽出する(S2)。そして、作図用データファイル作成手段33が、抽出した作図データに基づいて図形(各パーツ図)作成のために必要な文字データと、グラフ等の作成に必要な数値(年齢、保障額、保障期間等)の数値データをファイル化して作成し、作図DB16に格納させ(S3)、これを総ての対象者に関する作図データとして作図DB16に格納させるものである(S4)。
【0040】
次に、図7に、図1における図形作成システムの全体処理フローチャートを示す。図7において、まず、上記データ取込手段12が、図形作成対象者に関する作図用データを上記のように作成した作図DB16より取り込む(S11)。上記編集手段13において、取り込んだ作図用データにおける文字データ、作図数値データに基づいて各パーツ図を作成するためのプラグインプログラムをそれぞれ特定する(S12)。また、設定される全体の作図エリア大、各パーツ図の優先順位に応じて、適宜サイズテーブル19を参照して作図用データに基づく作図処理データを各パーツ図毎に作成し、順次(各パーツ図の作図後毎)上記作図処理手段14に送出する(S13)。なお、編集手段13の処理は図8で説明する。
【0041】
作図処理手段14では、各パーツ図作成毎に上記編集手段13により特定されたプラグインプログラムを起動させ、上記作図処理データに基づいて各パーツ図を順次作成させる(S14)。すなわち、一のパーツ図に対応する作図処理データで対応のプラグインプログラムにより一のパーツ図を作成し、作成後、次の作図データ処理データに基づいて対応のプラグインプログラムにより該当のパーツ図を作成するもので、総てのパーツ図を対応のプラグインプログラムにより作成する(S15)。
【0042】
そして、各パーツ図が図形作成エリア内で順次作成されて一の図形が形成されるもので、これがファイル化されてファイル出力手段15に送出され、当該ファイル出力手段15において、必要に応じてファイル変換されて印字システム等に出力されるものである(S16)。
【0043】
続いて、図8に、図2の編集手段の処理フローチャートを示す。図8において、まず、データ取込手段12より作図データを取得する(S21)。そこで、作図処理データ作成手段42が、取得した作図用データに基づき、まず設定条件より作図の全エリア大を認定し、優先順位に応じた最初の作図エリア大(図4における対象者文字列図52)を特定すると共に、プラグイン特定手段43が当該パーツ図(最初の優先順位の高いパーツ図)を作成するためのプラグインプログラムを特定する(S22)。
【0044】
また、作図処理データ作成手段42は、上記取得した作図用データ及び当該作成パーツ図の作図エリア大に基づく作図処理データを作成する(S23)。上記特定したプラグインプログラムの指示情報及び作図処理データは作図処理手段14に送出される(S24)。
【0045】
上記作図処理データに基づいて作図処理手段14が当該パーツ図を作成するが、作成終了後、次のパーツ図作成のためのプラグインプログラムをプラグイン特定手段43が特定し、作図処理データ作成手段42が、作図エリア大を全エリア大に応じて特定し、取得した作図用データで作成するための当該パーツ寸当該作図エリア大に応じたサイズをサイズテーブル19参照により決定する(S25)。また、作図処理データ作成手段42が上記取得した作図用データ及び当該作成パーツ図の作図エリア大に基づく作図処理データを作成する(S26)。
【0046】
上記特定したプラグインプログラムの指示情報及び作図処理データは作図処理手段14に送出される(S27)。そして、総ての各パーツ図に対する指示情報及び作図処理データを、各パーツ図作成後毎に順次作成処理手段14に送出するものである(S28)。
【0047】
このように、全体で一の図形を構成させるパーツ図を作成させることことから、多種多様な特殊形状の図形でも対応のプログラムを種々用意することで容易に作成可能となり、特に特殊でない形状の図形と特殊形状の図形とを混在させて容易に図形作成できるもので、図形作成時間の短縮を図ることができ、費用の低減を図ることができるものである。
【0048】
なお、上述のように、本発明は、生命保険案内通知に適用できるほかに、例えば投資統合や取引総合の口座、預金やローン総合管理レポートなどのワンステートメント、学校等の試験結果報告書、電力・ガス使用量月次推移、市場調査等を表現するものとしてそれぞれ特有のグラフを作成する場合においても適用することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の作図作製方法及び図形作成システムは、所定形状のグラフ等の図形をコンピュータ等で作成する技術分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0050】
11 図形作成システム
13 編集手段
14 作図処理手段
15 ファイル出力手段
16 作図データベース(DB)
18 プラグイン手段
19 サイズテーブル
20 作図条件設定手段
32 データ抽出手段
42 作図処理データ作成手段
43 プラグイン特定手段
51,61 グラフ図形

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ取込手段、編集手段、作図処理手段を有する図形作成システムによる図形を作成する図形作成方法であって、
前記データ取込手段が、図形作成対象者に対して特定された種類の一の全体図形を作成するためのデータであって、一のグラフ図及び当該特定種類の一の全体図形が構成される所定数のパーツ図を作成するために必要な当該図形作成対象者に関する文字データ及び図形特徴データの作図用データを取り込むステップと、
前記編集手段が、前記取り込んだ作図用データに基づいて、前記作成されるべき対応の各パーツ図で一のグラフ図を形成させ、また、各パーツ図で一の全体図形を形成させるために、当該各パーツ図を作成させるための作図手段を特定すると共に、当該一のグラフ図及び一の全体図形を形成させるエリア大に応じて当該各パーツ図の作図エリアを特定するステップと、
一方、前記編集手段が、前記取り込んだ作図用データに基づいて、当該作図エリアに応じて適宜サイズ調整した各パーツ図に関する作図処理データを作成するステップと、
前記作図処理手段が、前記特定された種類の図形に応じたそれぞれのパーツ図の形状に従って作成させるそれぞれの作図手段のうち、前記作成された作図処理データに基づいて、前記特定された作図手段に該当のパーツ図をそれぞれ作成させて前記一のグラフ図及び一の全体図形を形成させるステップと、
を有することを特徴とする図形作成方法。
【請求項2】
請求項1記載の図形作成方法であって、前記図形作成対象者に対して特定された種類の一の図形を作成するための前記作図用データが当該対象者毎にデータベースに格納されており、当該データベースより前記図形作成対象者毎の前記作図用データを取り込むことを特徴とする図形作成方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の図形作成方法であって、前記サイズ調整は、前記作成されるべき各パーツ図の優先順位に応じたパーツ図を対象とすることを特徴とする図形作成方法。
【請求項4】
請求項1〜3の少なくとも何れかに記載の図形作成方法であって、前記パーツ図のサイズ調整に際して、サイズを特定するための値を予め定めたテーブルを参照して行うことを特徴とする図形作成方法。
【請求項5】
前記図形作成対象者に対して特定された種類の一の図形を作成するための前記作図用データが当該対象者毎に格納しているデータベースと、
図形作成対象者に対して特定された種類の一の全体図形を作成するためのデータであって、一のグラフ図及び当該特定種類の一の全体図形が構成される所定数のパーツ図を作成するために必要な当該図形作成対象者に関する文字データ及び図形特徴データの作図用データを前記データベースより取り込むデータ取込手段と、
前記取り込んだ作図用データに基づいて、前記作成されるべき対応の各パーツ図で一のグラフ図を形成させ、また、各パーツ図で一の全体図形を形成させるために、当該各パーツ図を作成させるための作図手段を特定すると共に、当該一のグラフ図及び一の全体図形を形成させるエリア大に応じて当該各パーツ図の作図エリアを特定し、当該作図エリアに応じて適宜サイズ調整した各パーツ図に関する作図処理データを作成する編集手段と、
前記編集手段で作成された作図処理データに基づいて、当該編集手段で特定された作図手段に該当のパーツ図をそれぞれ作成させて前記一のグラフ図及び一の全体図形を形成させる作図処理手段と、
を有することを特徴とする図形作成システム。
【請求項6】
請求項5記載の図形作成システムであって、前記編集手段による前記サイズ調整は、前記作成されるべき各パーツ図の優先順位に応じたパーツ図を対象とすることを特徴とする図形作成システム。
【請求項7】
請求項5又は6の少なくとも何れかに記載の図形作成システムであって、前記編集手段で前記パーツ図のサイズ調整に際して、サイズを特定するための値を予め定めたテーブルを備えることを特徴とする図形作成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−295176(P2009−295176A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175153(P2009−175153)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【分割の表示】特願2000−162474(P2000−162474)の分割
【原出願日】平成12年5月31日(2000.5.31)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】