説明

固体撮像素子および固体撮像素子を用いた信号処理方法

【課題】信号の転送時間を短縮する。
【解決手段】ピクセルアレイ2は、複数の受光ピクセル素子2a、2a、・・・と、複数の遮光ピクセル素子2b、2b、・・・とを有している。読み出し部3は、遮光ピクセル素子2bの出力信号を読み出す。AD変換処理部4は、隣接する遮光ピクセル素子2b、2b、・・・の出力信号の和を行い遮光ピクセル素子2b、2b、・・・それぞれの信号転送をより短い時間で転送処理する回路を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固体撮像素子および固体撮像素子を用いた信号処理方法に関し、特に、行毎または列毎に信号を処理する固体撮像素子および固体撮像素子を用いた信号処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)イメージセンサやCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子が注目されている。
一般的な固体撮像素子は、ピクセルアレイの1行を同時に読み出し、読み出し結果をピクセル毎にAD変換してシグナルプロセッサまたは外部に順番に転送する(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開2006−20171号公報
【特許文献2】特開2006−217304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
イメージセンサのフレームレートは、ピクセル数に反比例する。また、1行のピクセル行には光に反応しない遮光ピクセルを数十個設けて、受光ピクセルとともに読み出し、平均化することで、ノイズ低減や暗電流削減に用いている。
【0004】
近年、ピクセルの縮小に伴うS/N比の低下により、1行内に必要な遮光ピクセルの数が増えており、その分転送時間が増えて、クロック周波数あたりのフレームレートを下げる問題が生じている。つまり、転送時間がボトルネックとなっている。ここで、クロック周波数を上げて転送時間を短縮することも考えられるが、この場合クロックノイズが増加してしまう。
【0005】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、信号の転送時間を短縮することができる固体撮像素子および固体撮像素子を用いた信号処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では上記問題を解決するために、図1に示すような固体撮像素子1が提供される。
本発明に係る固体撮像素子1は、行毎または列毎に信号を処理する素子である。
【0007】
ピクセルアレイ2は、複数の受光ピクセル素子2a、2a、・・・と、複数の遮光ピクセル素子2b、2b、・・・とを有している。
読み出し部3は、遮光ピクセル素子2bの出力信号を読み出す。
【0008】
AD変換処理部4は、隣接する遮光ピクセル素子2b、2b、・・・の出力信号の和を行い遮光ピクセル素子2b、2b、・・・それぞれの信号転送をより短い時間で転送処理する。
【0009】
このような固体撮像素子1によれば、読み出し部3により、ピクセルアレイ2によって読み出された遮光ピクセル素子2bの出力信号が読み出される。AD変換処理部4において隣接する遮光ピクセル素子2b、2b、・・・の出力信号の和を行うことにより、転送時間をより短い時間で転送できる信号が作成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、隣接する複数の遮光ピクセル素子の出力信号の和を行い転送信号を作成するようにしたので、信号の転送時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の概要について説明し、その後、実施の形態を説明する。
図1は、本発明の概要を示す図である。
【0012】
固体撮像素子1は、ピクセルアレイ2と、読み出し部3と、AD変換処理部4とを有している。
ピクセルアレイ2は、複数の受光ピクセル素子2a、2a、・・・と、複数の遮光ピクセル素子2b、2b、・・・とを有している。
【0013】
読み出し部3は、遮光ピクセル素子2bの出力信号を読み出す。
AD変換処理部4は、隣接する遮光ピクセル素子2b、2b、・・・の出力信号の和を行い遮光ピクセル素子2b、2b、・・・それぞれの信号転送をより短い時間で転送処理する。
【0014】
このような固体撮像素子1によれば、読み出し部3により、ピクセルアレイ2によって読み出された遮光ピクセル素子2bの出力信号が読み出される。AD変換処理部4において隣接する遮光ピクセル素子2b、2b、・・・の出力信号の和を行うことにより、転送時間をより短い時間で転送できる信号が作成される。
【0015】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図2は、実施の形態の固体撮像素子を示すブロック図である。
固体撮像素子10は、複数のピクセルが行列状に二次元的に配列されたピクセルアレイ20と、タイミングジェネレータ30と、読み出し回路40と、カラムADC回路50と、シフトレジスタ回路60とを備えている。
【0016】
ピクセルアレイ20は、受光ピクセル21と、光に反応しない遮光ピクセル22、23を有している。
受光ピクセル21は、例えば光電変換素子としてのフォトダイオードと、このフォトダイオードの初期化や出力信号の増幅、タイミング制御を行うためのトランジスタ等で構成されている。個々のピクセルは、光の三原色のいずれかの色のカラーフィルタで覆われ、各色の光の光電変換を行う。
【0017】
タイミングジェネレータ30は、読み出し回路40、カラムADC回路50およびシフトレジスタ回路60の同期をとるタイミング信号を各回路に出力する。
読み出し回路40、カラムADC回路50およびシフトレジスタ回路60は、受光ピクセル21および遮光ピクセル22、23の個々の列単位に、設けられている。
【0018】
読み出し回路40は、受光ピクセル21と遮光ピクセル22、23のピクセル出力24を、列単位に個別に選択して読み出す。
また、読み出し回路40は、相関二重サンプリング技術にて、ピクセル出力24における光電変換素子のリセット時等に発生するノイズを光電変換信号から除去する処理等を行う。
【0019】
カラムADC回路50は、共通のクロックで動作する比較回路51とnビットカウント回路52(n=1、2、・・・)とを有している。
比較回路51は、読み出し回路40が読み出したピクセル出力24を基準電圧と比較し、ピクセル出力電圧が基準電圧を超えたときに、nビットカウント回路52へ信号を伝え、カウントを停止させる。
【0020】
nビットカウント回路52は、比較回路51から得られる信号を用いて、後述のように、光電変換信号のデジタル化処理を行う。この際、受光ピクセル21のピクセル出力24に対応する信号は、受光カウント回路521に入力され、遮光ピクセル22、23のピクセル出力24に対応する信号は、それぞれ遮光カウント回路522、523に入力される。
【0021】
シフトレジスタ回路60は、後述するラッチ回路の値を順次読み出すために設けられている。
このような固体撮像素子10によれば、タイミングジェネレータ30によって与えられるタイミング信号に従って、読み出し回路40により、受光ピクセル21のピクセルおよび遮光ピクセル22、23の各ピクセル出力24が読み出される。そして、読み出された各ピクセルが比較回路51に入力され、基準電圧と比較を行う。そして、比較された信号がnビットカウント回路52に入力される。nビットカウント回路52により、デジタル化処理が施され、得られたデジタル信号が順次出力される。
【0022】
次に、受光カウント回路521に入力された信号の処理について説明する。以下、一例としてn=3であり、ピクセル出力24の最大電圧が1Vの場合について説明する。
図3は、受光カウント回路の信号処理を説明するブロック図である。
【0023】
比較回路51は、受光ピクセル21のピクセル数に対応して設けられたADC判定回路51a、51b、・・・を有している。以下、ADC判定回路51aに入力されるピクセル信号を信号Aと言い、ADC判定回路51bに入力されるピクセル信号を信号Bと言う。
【0024】
ADC判定回路51a、51bは、それぞれ、ピクセル出力24と基準電圧に応じて判定し、カウント回路521において(23(=n):0(0V)〜8(1V))のカウントを行う。ピクセル出力24の電圧値が基準電圧値を超えるまでは“1”を出力し、ピクセル出力24の電圧値が基準電圧値を超えると“0”を出力し、カウント回路521のカウントを停止させる。
【0025】
受光カウント回路521は、ADC判定回路51aとADCクロックCK0との論理積を取るAND回路521aと、AND回路521aの出力信号をカウントする1bitカウンタ521bと、1bitカウンタ521bの出力信号をラッチするラッチ回路521cと、1bitカウンタ521bの出力信号をカウントする1bitカウンタ521dと、1bitカウンタ521dの出力信号をラッチするラッチ回路521eと、1bitカウンタ521dの出力信号をカウントする1bitカウンタ521fと、1bitカウンタ521fの出力信号をラッチするラッチ回路521gとを有している。1bitカウンタ521b、521d、521fは、それぞれ例えばD−フリップフロップで構成されている。
【0026】
また、受光カウント回路521は、信号Aと同様にして信号Bを処理するAND回路521hと、1bitカウンタ521i、521k、521nと、ラッチ回路521j、521m、521pとを有している。
【0027】
シフトレジスタ回路60は、ラッチ回路521c、521e、521gにラッチされている値を選択して後段の色信号処理回路(図示せず)に順次読み出すシフトレジスタ61と、ラッチ回路521j、521m、521pにラッチされている値を選択して後段の色信号処理回路に順次読み出すシフトレジスタ62とを有している。
【0028】
ラッチ回路521c、521jの値はBus0から読み出され、ラッチ回路521e、521mの値はBus1から読み出され、ラッチ回路521g、521pの値はBus2から読み出される。
【0029】
図4は、図3に示す回路により得られるデジタル値を示す図である。
図4中、bit0は、1ビットカウンタ521bの出力値(ラッチ回路521cに格納される値)であり、bit1は、1ビットカウンタ521dの出力値(ラッチ回路521eに格納される値)であり、bit2は、1ビットカウンタ521fの出力値(ラッチ回路521gに格納される値)である。
【0030】
図4(a)に示すように、ADC判定回路51aから“1”が出力されている間、1bitカウンタ521b、521d、521fがADCクロックCK0に応じて変化する。
図4(b)は、ADC判定回路51aの出力値が変化したときを示している。
【0031】
シフトレジスタ61は、タイミングジェネレータ30から出力されるタイミング信号に応じて動作を開始し、ラッチ回路521c、521e、521gに格納された値を読み出す。
【0032】
なお、読み出された値の重みに応じて、信号処理を施すことにより、デジタル値が得られる。具体的には、bit0が1の区間を1(20)とし、bit1が1の区間を2(21)とし、bit2の区間を4(22)として、bit0とbit1とbit2との総和を取ることにより、デジタル値が得られる。図4(b)では、0+0+4=“4”が得られる。
【0033】
次に、遮光カウント回路522、523に入力された信号の処理について説明する。
図5は、遮光カウント回路の信号処理を説明するブロック図である。なお、遮光カウント回路522、523の構成は、同様であるため、代表して遮光カウント回路522の構成を示す。
【0034】
比較回路51は、遮光ピクセル22のピクセル数に対応して設けられたADC判定回路51c、51d、・・・を有している。ADC判定回路51c、51d、・・・は、ADC判定回路51a、51b、・・・と同様の機能を有している。
【0035】
遮光カウント回路522は、ADC判定回路51cとADCクロックCK1との論理積を取るAND回路522aと、AND回路522aの出力信号をカウントする1bitカウンタ522bと、ADC判定回路51dとADCクロックCK2との論理積を取るAND回路522cと、AND回路522cの出力信号をカウントする1bitカウンタ522dと、1bitカウンタ522bの値と1bitカウンタ522dの値との排他的論理和(EXOR)を取るEXOR回路522eと、EXOR回路522eの出力信号をラッチするラッチ回路522fと、EXOR回路522eの出力信号をカウントする1bitカウンタ522gと、1bitカウンタ522gの出力信号をラッチするラッチ回路522hと、1bitカウンタ522gの出力信号をカウントする1bitカウンタ522iと、1bitカウンタ522iの出力信号をラッチするラッチ回路522jと、オーバーフロー検出用カウンタ(オーバーフロー検出部)522kとを有している。1bitカウンタ522b、522g、522iは、それぞれ例えばD−フリップフロップで構成されている。また、AND回路522a、522c、1bitカウンタ522b、522d、EXOR回路522eが共通信号作成部を構成している。
【0036】
シフトレジスタ回路60は、ラッチ回路522f、522h、522jにラッチされている値を順次読み出すシフトレジスタ(選択回路)63を有している。
図6は、図5に示す回路により得られるデジタル値を示す図である。
【0037】
以下、図5および図6を用いて動作を説明する。
図6中、bitAは、1bitカウンタ522bの値であり、bitBは、1bitカウンタ522dの値であり、bit0(EXOR)は、EXOR回路522eの出力値であり、bit1は、1bitカウンタ522gの出力値であり、bit2は、1bitカウンタ522iの出力値であり、bit3は、オーバーフロー検出用カウンタ522kの出力値であり、ラッチ0は、ラッチ回路522fに格納される値であり、ラッチ1は、ラッチ回路522hに格納される値であり、ラッチ2は、ラッチ回路522jに格納される値である。
【0038】
図6に示すように、ADCクロックCK1とADCクロックCK2とは、互いに半周期ずれている。そのため、1bitカウンタ522b、522dによって、それぞれカウントされた信号も互いに半周期ずれている。EXOR回路522eによって、これらの信号の排他的論理和を取ることにより、1bitカウンタ522b、522dの出力信号に対し周期が半分の信号(AD変換用信号)が出力される。この値がラッチ回路522fに格納される。また、1bitカウンタ522gによって、この信号を2分周した信号が出力される。この値がラッチ回路522hに格納される。同様に、1bitカウンタ522iの出力信号がラッチ回路522jに格納される。
【0039】
そして、オーバーフロー検出用カウンタ522kに“1”の信号が入力され、1bitカウンタ522kの出力信号が“1”になると、ラッチ回路522f、522h、522jの値が強制ラッチされる。
【0040】
シフトレジスタ63は、タイミングジェネレータ30から出力されるタイミング信号に応じて動作を開始し、ラッチ回路522f、522h、522jに格納された値を読み出す。読み出し方は、図4と同様であるため説明を省略する。
【0041】
このような回路構成により、図6では、ADC判定回路51cとADC判定回路51dの出力値の和を行い、ADC判定回路51cとADC判定回路51dの出力値を1回の読み出し時間で読み出すことができるため、読み出し時間を短縮することができる。
【0042】
以上述べたように、本実施の形態の固体撮像素子10によれば、遮光カウント回路522、523を設けて隣接する遮光ピクセルの出力信号の和を行うことにより、遮光ピクセルの転送時間を短縮することができ、クロック周波数あたりのフレームレートを上げることができる。よって、同じフレームレートでデータの転送時間を短くすることができる。また、クロック周波数を上げなくてもよいため、クロック周波数を上げて転送時間を短くする場合に比べてクロックノイズを低減することができる。
【0043】
また、隣接するADC判定回路のカウント回路を共通化することができるので、回路面積を縮小することもできる。
ところで、出力信号の和を行うことで、1ビットカウンタ522g、522iは、それぞれ1ビットカウンタ521d、521fの倍の速さでカウントすることになる。例えば図6では受光カウント回路521が0から7までカウントする間に、遮光カウント回路522、523は、0から14までカウントする。従って、受光カウント回路521がまだカウントを続けている間に、遮光カウント回路522、523の各1ビットカウンタは、オーバーフローすることになるが、オーバーフロー検出用カウンタ522kを設けることにより、オーバーフローを防止することができる。
【0044】
また、遮光ピクセルは、ブラックレベルであるため、オーバーフロー検出用カウンタ522kによりラッチ回路522f、522h、522jの値が強制ラッチされる前に、ADC判定回路51c、51dの値が“1”から“0”に変化する。従って、他に余分な回路を設ける必要もない。また、遮光ピクセルの出力信号は、従来から後段の色信号処理回路(図示せず)において、平均化処理を行っているため、後段の色信号処理回路に特別な回路を設ける必要もない。
【0045】
なお、本実施の形態では、遮光カウント回路522、523は、2つのピクセルの排他的論理和を取って処理する構成としたが、本発明はこれに限らず、4つ、8つ等の偶数個のピクセルの排他的論理和を取って処理する構成とするようにしてもよい。
【0046】
また、本実施の形態では、オーバーフロー検出用カウンタ522kは、オーバーフロー検出時にラッチ回路522f、522h、522jの値を強制ラッチするようにしたが、ラッチ回路522f、522h、522jの値をそれぞれ“1”に書き替えるようにしてもよい。
【0047】
以上、本発明の固体撮像素子および固体撮像素子を用いた信号処理方法を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
【0048】
また、本発明は、前述した実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
(付記1) 行毎または列毎に信号を処理する固体撮像素子において、
複数の受光ピクセル素子と、複数の遮光ピクセル素子とを有するピクセルアレイと、
前記受光ピクセル素子と、前記遮光ピクセル素子の出力信号を読み出す読み出し部と、前記読み出し部からの出力信号をAD変換処理を行うAD変換部を備え、
隣接する複数の前記遮光ピクセル素子の出力信号の和を転送処理するAD変換処理部と、
を有することを特徴とする固体撮像素子。
【0049】
(付記2) 前記AD変換処理部は、AD変換用信号をAD変換する際に用いる複数のビットカウンタと、前記各ビットカウンタの値をそれぞれラッチする複数のラッチ回路と、前記各ラッチ回路にラッチされた値を選択して読み出す走査回路とを有するカウント回路を有することを特徴とする付記1記載の固体撮像素子。
【0050】
(付記3) 前記カウント回路は、前記各ラッチ回路にラッチされている前記各ビットカウンタの値がいずれも1であることを検出すると、前記各ラッチ回路の値を1に固定するオーバーフロー検出部を有することを特徴とする付記2記載の固体撮像素子。
【0051】
(付記4) 前記カウント回路は、互いに半周期ずれたクロックに応じて前記各出力信号を分周した分周信号を作成する複数の分周信号作成回路と、前記各分周信号の排他的論理和をとるEXOR回路とを有し、
前記AD変換処理部は、前記AD変換用信号をAD変換する際に前記EXOR回路の出力信号をそれぞれ分周して各ビットの値を決定する複数のビットカウンタと、前記各ビットカウンタの値をそれぞれラッチする複数のラッチ回路と、前記各ラッチ回路にラッチされた値を選択して読み出す走査回路とを有するカウント回路を有することを特徴とする付記3記載の固体撮像素子。
【0052】
(付記5) 行毎または列毎に信号を処理する固体撮像素子を用いた信号処理方法において、
読み出し部が、複数の受光ピクセル素子と、複数の遮光ピクセル素子とを有するピクセルアレイの前記遮光ピクセル素子の出力信号を読み出し、
AD変換処理部が、隣接する複数の前記遮光ピクセル素子の出力信号の和を行う、
ことを特徴とする固体撮像素子を用いた信号処理方法。
【0053】
(付記6) 前記AD変換処理部は、前記遮光ピクセル素子の出力信号の和を行った信号をAD変換する際に用いる複数のビットカウンタと、前記各ビットカウンタの値をそれぞれラッチする複数のラッチ回路と、前記各ラッチ回路にラッチされた値を選択して読み出す選択回路とを有することを特徴とする付記1記載の固体撮像素子。
【0054】
(付記7) 前記ラッチ回路および選択回路は、1列分の前記遮光ピクセル素子の出力信号をまとめて処理することを特徴とする付記6記載の固体撮像素子。
(付記8) 前記AD変換処理部は、前記各ラッチ回路にラッチされている前記各ビットカウンタの値がいずれも1であることを検出すると、前記各ラッチ回路の値を1に固定するオーバーフロー検出部を有することを特徴とする付記6記載の固体撮像素子。
【0055】
(付記9) 前記AD変換処理部は、1列の前記遮光ピクセル素子に対応してそれぞれ設けられ、前記各遮光ピクセル素子の各出力信号が基準電圧を超えるまで信号を出力する複数の判定回路と、前記各判定回路に対応してそれぞれ設けられ、前記各判定回路の出力信号をカウントする複数の信号作成回路と、前記各信号作成回路がそれぞれカウントした信号の排他的論理和をとるEXOR回路とを有し、
前記AD変換処理部は、AD変換する際に前記EXOR回路の出力信号をそれぞれカウントする複数のビットカウンタと、前記各ビットカウンタの値をそれぞれラッチする複数のラッチ回路と、前記各ラッチ回路にラッチされた値を選択して読み出す選択回路とを有することを特徴とする付記1記載の固体撮像素子。
【0056】
(付記10) 前記信号作成回路は、互いに半周期ずれたクロックに応じて前記判定回路の出力信号をカウントすることを特徴とする付記9記載の固体撮像素子。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の概要を示す図である。
【図2】実施の形態の固体撮像素子を示すブロック図である。
【図3】受光カウント回路の信号処理を説明するブロック図である。
【図4】図3に示す回路により得られるデジタル値を示す図である。
【図5】遮光カウント回路の信号処理を説明するブロック図である。
【図6】図5に示す回路により得られるデジタル値を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1、10 固体撮像素子
2、20 ピクセルアレイ
2a 受光ピクセル素子
2b 遮光ピクセル素子
3 読み出し部
4 AD変換処理部
21 受光ピクセル
22、23 遮光ピクセル
24 ピクセル出力
30 タイミングジェネレータ
40 読み出し回路
50 カラムADC回路
51 比較回路
51a、51b、51c、51d ADC判定回路
52 nビットカウント回路
60 シフトレジスタ回路
61、62、63 シフトレジスタ
521 受光カウント回路
522、523 遮光カウント回路
521a、521h、522a、522c AND回路
521b、521d、521f、521i、521k、521n、522b、522d、522g、522i 1bitカウンタ
521c、521e、521g、521j、521m、521p、522f、522h、522j ラッチ回路
522k オーバーフロー検出用カウンタ
CK0、CK1、CK2 ADCクロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行毎または列毎に信号を処理する固体撮像素子において、
複数の受光ピクセル素子と、複数の遮光ピクセル素子とを有するピクセルアレイと、
前記受光ピクセル素子と、前記遮光ピクセル素子の出力信号を読み出す読み出し部と、前記読み出し部からの出力信号をAD変換処理を行うAD変換部を備え、
隣接する複数の前記遮光ピクセル素子の出力信号の和を転送処理するAD変換処理部と、
を有することを特徴とする固体撮像素子。
【請求項2】
前記AD変換処理部は、AD変換用信号をAD変換する際に用いる複数のビットカウンタと、前記各ビットカウンタの値をそれぞれラッチする複数のラッチ回路と、前記各ラッチ回路にラッチされた値を選択して読み出す走査回路とを有するカウント回路を有することを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
【請求項3】
前記カウント回路は、前記各ラッチ回路にラッチされている前記各ビットカウンタの値がいずれも1であることを検出すると、前記各ラッチ回路の値を1に固定するオーバーフロー検出部を有することを特徴とする請求項2記載の固体撮像素子。
【請求項4】
前記カウント回路は、互いに半周期ずれたクロックに応じて前記各出力信号を分周した分周信号を作成する複数の分周信号作成回路と、前記各分周信号の排他的論理和をとるEXOR回路とを有し、
前記AD変換処理部は、前記AD変換用信号をAD変換する際に前記EXOR回路の出力信号をそれぞれ分周して各ビットの値を決定する複数のビットカウンタと、前記各ビットカウンタの値をそれぞれラッチする複数のラッチ回路と、前記各ラッチ回路にラッチされた値を選択して読み出す走査回路とを有するカウント回路を有することを特徴とする請求項3記載の固体撮像素子。
【請求項5】
行毎または列毎に信号を処理する固体撮像素子を用いた信号処理方法において、
読み出し部が、複数の受光ピクセル素子と、複数の遮光ピクセル素子とを有するピクセルアレイの前記遮光ピクセル素子の出力信号を読み出し、
AD変換処理部が、隣接する複数の前記遮光ピクセル素子の出力信号の和を行う、
ことを特徴とする固体撮像素子を用いた信号処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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