説明

固体撮像装置および電子情報機器

【課題】実装基板に固体撮像素子をフェイスダウンして実装してなる実装構造を有する固体撮像装置において、接着樹脂による固体撮像素子と実装基板との接続強度を高める。
【解決手段】固体撮像装置において、ベース基板101の、撮像素子チップChを収容する凹状部101aを、ベース基板101の中央の開口113の周囲に沿って形成され、該撮像素子チップを載置する第1の周壁部121と、該第1の周壁部121の外周に沿って形成された、該第1の周囲壁より高い第2の周壁部122とを有する構造とし、該第2の周壁部の内周面112、該第1の周壁部の上面111、および該撮像素子チップChの外周面とにより形成されるスペースに補強樹脂Rを充填して、ベース基板と撮像素子チップとを固着した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置および電子情報機器に関し、特に、実装基板に固体撮像素子を実装し、該実装基板に光学部品を装着してなる固体撮像装置(撮像モジュール)における実装基板の構造を改良したもの、及びこのような実装基板を改良した固体撮像装置を搭載した電子情報機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、CCD型イメージセンサあるいはCMOS型イメージセンサ等の固体撮像装置はモジュール化され、種々の電子情報機器を構成する部品として用いられている。
【0003】
例えば、従来のモジュール化された固体撮像装置(以下、撮像モジュールという。)の一例として特許文献1に開示のものがある。
【0004】
図9は、この特許文献1に開示の撮像モジュールを説明する図である。
【0005】
この特許文献1に開示の撮像モジュール80は、絶縁基体(実装基板)81、透光性部材82および撮像素子83を有する撮像装置と、この撮像装置に装着された光学部品80bとを備えている。
【0006】
ここで、光学部品80bは、レンズ810と、該撮像装置を構成する絶縁基体81に取り付けられ、該レンズ810を保持するレンズホルダ89とを有している。また、絶縁基体81には、配線導体84および外部接続端子85が形成されている。
【0007】
絶縁基体81には、撮像素子83が、その表面に形成された受光部83aが上方を向くようにフリップチップ実装されている。この撮像素子83は電気的接続部材86を介して配線導体84に電気的に接続されており、また、撮像素子83の上面と、これに対向する絶縁基体81の下面とは樹脂87に固着されている。また、絶縁基体81の、撮像素子83の受光部83aと対向する部分には開口81aが形成され、この開口を塞ぐよう該絶縁基体の上面81bには透光性部材82が接合されている。
【0008】
この絶縁基体81の上面81bには、レンズ810を保持するレンズホルダ89が取り付けられている。この絶縁基体81の上面81bとレンズホルダ89の下端面とは、例えば樹脂製の接着剤等により接着されている。また、レンズホルダ89の前記絶縁基体81の開口81aに対向する部分には、採光用開口89aが形成されている。
【0009】
このような構成の撮像モジュール80では、外部からの入射光は、レンズホルダ89の採光窓89a、該レンズホルダ89に保持されたレンズ810、絶縁基体81に接合された透光性部材82、及び絶縁基体81に形成された開口81aを通り、撮像素子83の受光部83aに入射する。撮像素子83の受光部83aに達した光は、撮像素子83により電気信号に変換され、配線導体84および外部接続端子85を介して撮像モジュール80の外部へ出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−201427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上説明したように、従来の撮像モジュール80では、実装基板としての絶縁基体81上に撮像素子83がフリップチップ実装されており、このような実装では、撮像素子の電極と実装基板としての絶縁基体の導体配線とがフェイスボンディングにより接合されることとなることから、実装基板と撮像素子との接合強度が弱く、撮像素子周りの樹脂補強が必要になる。このため、上述した従来技術においても撮像素子83の上面とこれに対向する絶縁基体81の下面とは樹脂87に固着されている。
【0012】
しかしながら、撮像素子83と絶縁基体81とを単に樹脂で接着した構造では、撮像素子83と絶縁基体81との接合強度の不足により撮像素子83が絶縁基体81から外れたり、撮像素子83と絶縁基体81の配線導体との間で電気的な接続不良が発生したりする虞があり、このような従来の実装構造をそのまま採用した撮像モジュールでは、フェースダウンボンドによる製品サイズ縮小といったメリット、さらには品質や信頼性を損なってしまうという問題がある。
【0013】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、実装基板に実装した撮像素子チップの実装基板との接合強度を高めることができ、これによりフェースダウンボンドによる製品サイズ縮小といったメリット、さらには品質や信頼性を高く保持することができ、引いては、より小型で、高品質、高信頼性、かつ高生産性を実現することができる固体撮像装置、及びこのような固体撮像装置を搭載した電子情報機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る固体撮像装置は、実装基板に固体撮像素子を実装してなる実装構造を有する固体撮像装置であって、該実装基板は、その表面部に、該固体撮像素子を収容する収容スペースとして凹状部が形成されており、該実装基板の凹状部内に収容された固体撮像素子の側面と該側面に対向する該凹状部の内壁面との間、及び該固体撮像素子の底面及び該底面に対向する該凹状部の上面との間に、該固体撮像素子が該実装基板に固着されるよう補強樹脂が充填されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0015】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記実装基板は、前記凹状部の、前記固体撮像素子の受光部に対向する部分に開口を形成したものであることが好ましい。
【0016】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記実装基板の、前記固体撮像素子を収容する凹状部は、前記開口の周囲に沿って形成され、該固体撮像素子を載置する第1の周壁部と、該第1の周壁部の外周に沿って形成された、該第1の周囲壁より高い第2の周壁部とを有し、該第2の周壁部の内周面、該第1の周壁部の上面、および該固体撮像素子の外周面とにより形成されるスペースに前記補強樹脂が充填されていることが好ましい。
【0017】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記実装基板の、前記固体撮像素子を収容する凹状部は、前記開口の周囲に沿って形成され、該固体撮像素子を載置する第1の周壁部と、該第1の周壁部の外周に沿って形成された、該第1の周壁部より高い第2の周壁部と、該第2の周壁部の外周に沿って形成された、該第2の周壁部より高い第3の周壁部とを有し、該第3の周壁部の内周面、該第2の周壁部の上面、および該固体撮像素子の外周面とにより、前記補強樹脂を流し込むスペースが形成されていることが好ましい。
【0018】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記第2の周壁部の内面、前記第1の周壁部の上面、および前記固体撮像素子の外周面とにより形成されるスペースに前記補強樹脂が充填されていることが好ましい。
【0019】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記第2の周壁部は、前記固体撮像素子を位置決めするための、該第2の周壁部の内周面と該固体撮像素子の外周面との間隔が狭い位置決め部と、前記補強樹脂を流し込むスペースを形成する、該第2の周壁部の内周面と該固体撮像素子の外周面との間隔が広いスペーサ部とを有することが好ましい。
【0020】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記固体撮像素子は平面矩形形状を有し、前記第2の周壁部の位置決め部は、前記固体撮像素子の四隅に対向する部分であり、前記第2の周壁部のスペーサ部は、該固体撮像素子の四隅以外の側辺に沿った部分であることが好ましい。
【0021】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記固体撮像素子は平面矩形形状を有し、前記第2の周壁部のスペーサ部は、前記固体撮像素子の四隅に対向する部分であり、前記第2の周壁部の位置決め部は、該固体撮像素子の四隅以外の側辺に沿った部分であることが好ましい。
【0022】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記実装構造は、前記実装基板に前記固体撮像素子をフェースダウン実装により実装してなる構造であり、前記固体撮像素子は、半田リフローにより前記第1の周壁部の上面に固着されていることが好ましい。
【0023】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記実装構造は、前記実装基板に前記固体撮像素子をフェースダウン実装により実装してなる構造であり、前記固体撮像素子は、超音波接着により前記第1の周壁部の上面に固着されていることが好ましい。
【0024】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記第1の周壁部は、その上面の内周縁に沿って形成され、前記補強樹脂の流れ止めとしての配線層を有することが好ましい。
【0025】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記第1の周壁部は、その内部に埋め込まれ、該第1の周壁部を補強する配線層を有することが好ましい。
【0026】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記実装基板の、前記固体撮像素子が実装されている第1の面とは反対側の第2の面上には、外部からの入射光を該固体撮像素子の受光部へ導くための光学系が取り付けられていることが好ましい。
【0027】
本発明は、上記固体撮像装置において、前記光学系は、外部からの入射光を該固体撮像素子の受光部に集光する集光レンズと、該実装基板の該第2の面上に取り付けられ、集光レンズを保持するレンズホルダと、該実装基板の第2の面上に該実装基板の開口を覆うよう取り付けられ、赤外光成分をカットするフィルタとを有することが好ましい。
【0028】
本発明に係る電子情報機器は。被写体の撮像を行う撮像部を備えた電子情報機器であって、該撮像部は、上述した本発明に係る固体撮像装置であり、そのことにより上記目的が達成される。
【0029】
次に作用について説明する。
【0030】
本発明においては、実装基板の凹状部内に固体撮像素子を収容し、該固体撮像素子の側面と該側面に対向する該凹状部の内壁面との間、及び該固体撮像素子の底面及び該底面に対向する該凹状部の上面との間に、該固体撮像素子が該実装基板に固着されるよう補強樹脂を充填しているので、実装基板に実装した撮像素子チップの実装基板との接合強度を高めることができ、これによりフェースダウンボンドによる製品サイズ縮小といったメリット、さらには品質や信頼性を高く保持することができる。
【0031】
本発明においては、実装基板の、固体撮像素子を収容する凹状部は、実装基板の開口の周囲に沿って形成され、該固体撮像素子を載置する第1の周壁部と、該第1の周壁部の外周に沿って形成された、該第1の周壁部より高い第2の周壁部と、該第2の周壁部の外周に沿って形成された、該第2の周壁部より高い第3の周壁部とを有し、該第3の周壁部の内周面、該第2の周壁部の上面、および該固体撮像素子の外周面とにより、前記補強樹脂を流し込むスペースを形成しているので、第2の周壁部の周壁部の内周面により固体撮像素子の位置を決めやすくなり、第3の周壁部の内周面と固体撮像素子の外周面の間のスペースは広くなっているため、このスペースを補強樹脂を流し込むスペースとして利用することができる。
【0032】
本発明においては、凹状部を構成する第2の周壁部を、固体撮像素子を位置決めするための、該第2の周壁部の内周面と該固体撮像素子の外周面との間隔が狭い位置決め部と、補強樹脂を流し込むスペースを形成する、該第2の周壁部の内周面と該固体撮像素子の外周面との間隔が広いスペーサ部とを有する構造としたので、実装基板の固体撮像素子を収容する凹状部の内壁面と固体撮像素子との隙間の狭い部分で固体撮像素子の位置決めがし易く、凹状部の内壁面と固体撮像素子との隙間の広い部分で樹脂を流せば生産性が向上する。
【0033】
本発明においては、固体撮像素子の実装をリフロー接続で行うことにより、固体撮像素子を実装基板の凹状部内に配置する際に精度良く位置決めしなくても、半田リフローの際に、半田の表面張力により、実装基板の電極パッドの位置に自己整合的に固体撮像素子を位置決めすることが可能となる。
【0034】
本発明においては、固体撮像素子の実装を超音波接続により行うことにより、リフロー接続による実装とは異なり、一般に半田に含まれているフラックスが飛散して、撮像素子チップの受光部に付着するといった弊害を回避することができる。
【0035】
本発明においては、実装基板の凹状部の、固体撮像素子を載置する第1の周壁部を、その上面の内周縁に沿って形成され、前記補強樹脂の流れ止めとしての配線層を有する構造としているので、実装基板の凹状部の内壁面と固体撮像素子との外周面との間に流し込んだ樹脂が、固体撮像素子の裏面側に回りこみ、実装基板の開口に流れ込むのを回避することができる。これにより、補強樹脂による固体撮像素子の画素領域の侵食を防止できる。
【0036】
本発明においては、実装基板の凹状部を構成する、固体撮像素子を載置する第1の周壁部を、その内部に埋め込まれ、該第1の周壁部を補強する配線層を有する構造としているので、実装基板の、固体撮像素子との接続部での平坦性を確保することができ、固体撮像素子と実装基板の接続信頼性の低下を回避することができる。
【発明の効果】
【0037】
以上のように、本発明によれば、実装基板の凹状部内に固体撮像素子を収容し、該固体撮像素子の側面と該側面に対向する該凹状部の内壁面との間、及び該固体撮像素子の底面及び該底面に対向する該凹状部の上面との間に、該固体撮像素子が該実装基板に固着されるよう補強樹脂を充填しているので、フェースダウンボンドによる製品サイズ縮小といったメリット、さらには品質や信頼性を高く保持することができ、この結果、より小型で、高品質、高信頼性、かつ高生産性を実現することができる固体撮像装置、及びこのような固体撮像装置を搭載した電子情報機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は本発明の実施形態1による固体撮像装置である撮像モジュールを説明する図であり、図1(a)は、該撮像モジュールの断面構造を示し、図1(b)は該撮像モジュールを構成するベース基板の構造を説明する平面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態1による撮像モジュールにおける、撮像素子チップを取り付けるベース基板の断面構造を示す図であり、図2(a)は該ベース基板に補強樹脂を注入する前の状態を示し、図2(b)は該ベース基板に補強樹脂を注入した後の状態を示している。
【図3】図3は、本発明の実施形態2による撮像モジュールにおける、撮像素子チップを取り付けるベース基板の断面構造を示す図であり、図3(a)は該ベース基板に補強樹脂を注入する前の状態を示し、図3(b)は該ベース基板に補強樹脂を注入した後の状態を示している。
【図4】図4は、本発明の実施形態3による撮像モジュールを説明する平面図であり、撮像素子チップを実装するベース基板の構造を示している。
【図5】図5は、本発明の実施形態4による撮像モジュールを説明する平面図であり、撮像素子チップを実装するベース基板の構造を示している。
【図6】図6は、本発明の実施形態5による撮像モジュールを説明する図であり、図6(a)は、撮像素子チップを取り付けるベース基板の断面構造を示し、図6(b)は、ベース基板の、撮像素子チップの実装面側から見た平面構造を示している。
【図7】図7は、本発明の実施形態6による撮像モジュールを説明する図であり、撮像素子チップを取り付けるベース基板の断面構造を示している。
【図8】図8は、本発明の実施形態7として、実施形態1ないし6の固体撮像装置を撮像部に用いた電子情報機器の概略構成例を示すブロック図である。
【図9】図9は、特許文献1に開示の従来の撮像モジュールを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0040】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1による固体撮像装置として撮像モジュールを説明する図であり、図1(a)は、該撮像モジュールの断面構造を示し、図1(b)は該撮像モジュールを構成する実装基板(ベース基板)の構造を説明する平面図であり、ベース基板の下面の構造を示している。
【0041】
本実施形態1の固体撮像装置100は、実装基板(以下、ベース基板という。)101に固体撮像素子Chを実装してなる実装構造を有する固体撮像装置である。ここで、ベース基板101には、主にセラミック基板が用いられるが、ベース基板はもちろん通常のガラスエポキシ基板でもよい。また、ベース基板101の第1の面(図1(a)では下面)上に取り付けられた固体撮像素子Chは、例えば、CCD型イメージセンサやCMOS型イメージセンサなどの撮像素子チップであり、平面形状は正方形形状などの矩形形状をしている。
【0042】
また、ベース基板101の上面上には、外部からの入射光を撮像素子チップChの受光部へ導くための光学系110aが取り付けられている。この光学系110aは、外部からの入射光を該撮像素子チップChの受光部Rfに集光する集光レンズ11と、該ベース基板101の第2の面(図1(a)では上面)上に取り付けられ、集光レンズを収容するレンズ筐体(レンズホルダ)10と、該ベース基板101の第2の面上に該ベース基板の開口113を覆うよう取り付けられ、赤外光成分をカットする光フィルタ13とを有している。
【0043】
ここで、レンズ筐体10内には、集光レンズ11を取り付けるためのレンズ支持部材12と、該レンズ支持部材12を、集光レンズ11が光学系の光軸に沿ってスライド可能となるよう、レンズ筐体10に対して支持する弾性部材20aと、該レンズ支持部材12を光学系の光軸方向に動かす駆動部20bとを有している。これらのレンズ支持部材12、弾性部材20a及び駆動部20bは、レンズ支持駆動機構20を構成している。
【0044】
この駆動部20bは、レンズ筐体10に取り付けられた第1の電磁石21と、該レンズ支持部材12の外周に取り付けられた第2の電磁石22とを有している。なお、第1及び第2の電磁石の一方は永久磁石でもよい。
【0045】
また、ベース基板101の第1の表面部(図1(a)では下側表面部)の、凹状部の周囲には、他の電子部品との接続のための外部接続端子である接続電極110が形成されている。
【0046】
図2は、本発明の実施形態1による撮像モジュールにおける、撮像素子チップを収容するベース基板の断面構造を示す図であり、図2(a)は該ベース基板に補強樹脂を注入する前の状態を示し、図2(b)は該ベース基板に補強樹脂Rを注入した後の状態を示している。なお、図2では、図1(a)とは上下逆転させてベース基板の断面構造を示しており、また、図1に示す光学系は省略している。
【0047】
以下、図2に示す上下関係に従ってベース基板101を詳しく説明する。
【0048】
このベース基板101は、第1の表面部(図2では上側表面部)に、該撮像素子チップChを収容する収容スペースとして凹状部101aが形成されており、該ベース基板101の凹状部101a内に収容された撮像素子チップChは、その側面と該側面に対向する該凹状部101aの内壁面112との間、及び該撮像素子チップChの底面及び該底面に対向する該凹状部の上面111との間に、該撮像素子チップChが該ベース基板101に固着されるよう補強樹脂Rが充填されている。
【0049】
つまり、上記ベース基板101の、撮像素子チップChを収容する凹状部101aは、ベース基板101の中央の開口113の周囲に沿って形成され、該撮像素子チップを載置する第1の周壁部121と、該第1の周壁部121の外周に沿って形成された、該第1の周囲壁より高い第2の周壁部122とを有し、該第2の周壁部の内周面112、該第1の周壁部の上面111、および該撮像素子チップChの外周面とにより形成されるスペースに補強樹脂Rが充填されている。
【0050】
ここで、上記実装構造は、ベース基板101に撮像素子チップChをフェースダウン実装により実装してなる構造であり、具体的には、フリップチップボンド(FCB)により実装されている。つまり、撮像素子チップChのボンディング面に形成したボール電極(バンプ電極)Beをベース基板101の接続パッド(図示せず)に固着することにより、撮像素子チップをベース基板に実装する方法であり、この方法は、CMOS型イメージセンサやCCD型イメージセンサなどの撮像素子チップChを、ベース基板に実装(接続)する方法の1つである。ボール電極の材料には金や半田が使用されることが多い。また、ボール電極と接続パッドとの接続は、ボール電極の材料が金である場合は、超音波接続を用い、ボール電極の材料が半田である場合はリフロー接続を用いるのが一般的である。
【0051】
このようなFCB技術を使用する理由は、製品の小型化や薄型化が図れることである。また、FCBによる実装を行うにはベース基板は複雑な(立体的な)構造になってしまうことが多いため、基板としては、複雑な構造を作りやすい主にセラミック基板が用いられるが、もちろん通常のガラスエポキシ基板を用いてもよい。
【0052】
次に、実装方法について簡単に説明する。
【0053】
ベース基板101の凹状部101a内に撮像素子チップChを配置し、例えば、リフロー接続の場合は、熱処理により半田からなるボール電極Beをリフローして撮像素子チップChをベース基板101の電極パッド(図示せず)に固着する。
【0054】
その後、ベース基板101の凹状部101aの内壁面と撮像素子チップChの外周面との間のスペースに補強樹脂Rを流し込んで硬化させる。
【0055】
このような構造の本実施形態1の固体撮像装置100では、ベース基板101の凹状部101a内に収容された撮像素子チップChの側面と該側面に対向する該凹状部101aの内壁面112との間、及び該撮像素子チップChの底面及び該底面に対向する該凹状部の上面111との間に、該撮像素子チップChが該ベース基板101に固着されるよう補強樹脂Rを充填することで、ベース基板101に固着されているため、ベース基板の開口113の周囲でのみベース基板101に固着される撮像素子チップChを強固にベース基板に取り付けることができる。
【0056】
また、撮像素子チップChの実装をリフロー接続で行う場合は、撮像素子チップをベース基板の凹状部101a内に配置する際に精度良く位置決めしなくても、ボール電極のリフローの際に、半田の表面張力によりベース基板側の接続パッドの位置に自己整合的に撮像素子チップが位置決めされることとなるという効果もある。
【0057】
なお、上記実施形態1では、撮像素子チップChのベース基板101への実装をリフロー接続により行う場合を示しているが、撮像素子チップChの実装は、超音波接続、つまり金部材同士、あるいは金部材とメタライズ層とを、超音波により融着させる超音波接着により行ってもよい。
【0058】
具体的には、超音波接続による実装を行う場合には、まず、撮像素子チップChの表面の金属層にワイヤボンディングと同様な方法によりAuバンプ(バンプ電極)を形成しておく。その後、実装基板101上に該撮像素子チップChを、そのAuバンプがベース基板(実装基板)101の配線層上に形成した接続パッドに接するよう配置し、該撮像素子チップChのAuバンプとベース基板の接続パッドとを圧接した状態で、これらの接合部分に熱と超音波を印加してAuバンプを接続パッドに溶着する。なお、この場合、ベース基板の配線層には、例えばCu層を用い、また、ベース基板の接続パッドには、例えば、該Cu層上に形成した、Ni層とAu層とを積層した2層構造の金属層を用いる。
【0059】
このような超音波接続(超音波接着)による実装では、リフロー接続による実装に比べると、ベース基板に対する撮像素子チップChの位置決めを高い精度で行うことが要求されるが、リフロー接続による実装とは異なり、一般に半田に含まれているフラックスが飛散して、撮像素子チップChの受光部に付着するといった弊害を回避することができる。
(実施形態2)
図3は、本発明の実施形態2による撮像モジュール(固体撮像装置)を説明する図であり、撮像素子チップを収容するベース基板の断面構造を示している。特に、図3(a)は該ベース基板に補強樹脂を注入する前の状態を示し、図3(b)は該ベース基板に補強樹脂を注入した後の状態を示している。なお、図3では、図1に示す光学系は図示していない。
【0060】
この実施形態2の撮像モジュール100aは、これを構成するベース基板102の構造が実施形態1の撮像モジュール100とは異なっており、このベース基板102は、二段構造とし、一段目の座グリ部を取り囲むように二段目の座グリが配置された構造となっている。
【0061】
つまり、該ベース基板102の、撮像素子チップ100aを収容する凹状部102aは、該ベース基板102の開口123の周囲に沿って形成され、該撮像素子チップを載置する第1の周壁部121aと、該第1の周壁部の外周に沿って形成された、該第1の周壁部より高い第2の周壁部122aと、該第2の周壁部の外周に沿って形成された、該第2の周壁部より高い第3の周壁部123aとを有し、該第3の周壁部123aの内周面、該第2の周壁部122aの上面、および該撮像素子チップChの外周面とにより、前記補強樹脂Rを流し込むスペースが形成されている。
【0062】
次に、実装方法について簡単に説明する。
【0063】
ベース基板102の凹状部102a内の一段目の座グリ部(掘込み部)102a1に撮像素子チップChを配置し、例えば、リフロー接続の場合は、熱処理により半田からなるボール電極Beをリフローして撮像素子チップChをベース基板101の電極パッド(図示せず)に固着する。
【0064】
なお、このような撮像素子チップChのベース基板101への実装は、リフロー接続ではなく、上記実施形態1で説明した超音波接続により行ってもよい。
【0065】
その後、ベース基板102の凹状部102aの二段目の座グリ部102a2の内壁面と撮像素子チップChの外周面との間のスペースに補強樹脂Rを流し込んで硬化させる。
【0066】
このような構成の本実施形態2では、固体撮像装置100aを構成するベース基板102の、撮像素子チップChを収容する凹状部102aを二段構造とし、一段目の座グリ部(掘込み部)102a1に撮像素子チップChを収納し、一段目の座グリ部を囲むように形成された二段目の座グリ部(掘込み部)102a2に補強樹脂Rを充填するので、一段目の座グリ部(掘込み部)102a1では、撮像素子チップの外周壁と凹状部の内壁面との間のスペースが狭くなっているため、撮像素子チップChの位置を決めやすく、二段目の座グリ部102aでは撮像素子チップの外周壁と凹状部の内壁面との間のスペースが広くなっているため、樹脂補強を流し易いという効果が得られる。
(実施形態3)
図4は、本発明の実施形態3による撮像モジュールを説明する平面図であり、撮像素子チップを取り付けるベース基板の構造を示している。なお、図4においても、図1に示す光学系は図示していない。
【0067】
この実施形態3による撮像モジュール100bは、これを構成するベース基板103の構造が実施形態1の撮像モジュールのベース基板101とは異なっており、このベース基板103に形成されている凹状部103aでは、撮像素子チップChの外周面との隙間が広い部分と狭い部分とが形成された構造となっている。
【0068】
つまり、上記ベース基板103の、撮像素子チップChを収容する凹状部103aは、ベース基板103の中央の開口133の周囲に沿って形成され、該撮像素子チップを載置する第1の周壁部131aと、該第1の周壁部131aの外周に沿って形成された、該第1の周囲壁より高い第2の周壁部132aとを有している。
【0069】
また、第2の周壁部132aは、撮像素子チップChを位置決めするための、該第2の周壁部の内周面と該撮像素子チップの外周面との間隔が狭い位置決め部132a1と、補強樹脂を流し込むスペースを形成する、該第2の周壁部の内周面と該撮像素子チップChの外周面との間隔が広いスペーサ部132a2とを有している。
【0070】
また該第2の周壁部132aの内周面、該第1の周壁部の上面、および該撮像素子チップChの外周面とにより形成されるスペースに補強樹脂が充填される。
【0071】
ここで、撮像素子チップChは略正方形形状を有し、第2の周壁部132aの位置決め部132a1は、撮像素子チップChの四隅に対向して位置しており、第2の周壁部132aのスペーサ部132a2は、該撮像素子チップChの四隅以外の側辺に沿って延びている。
【0072】
次に、実装方法について簡単に説明する。
【0073】
ベース基板103の凹状部103a内に撮像素子チップChを配置し、例えば、リフロー接続の場合は、熱処理により半田からなるボール電極(バンプ電極)Be(図2参照)をリフローして撮像素子チップChをベース基板103の電極パッド(図示せず)に固着する。
【0074】
ここで、ベース基板103の凹状部103a内に撮像素子チップChを配置する際には、該撮像素子チップChは、第2の周壁部132aの位置決め部132a1により、リフロー接続時に自己整合的に撮像素子チップChがベース基板103の接続パッドに対して位置決めされる程度のずれ以内に位置決めされる。
【0075】
なお、このような撮像素子チップChのベース基板103への実装は、リフロー接続ではなく、上記実施形態1で説明した超音波接続により行ってもよい。
【0076】
その後、ベース基板103の凹状部103aの内壁面と撮像素子チップChの外周面との間の間隔が広いスペーサ部132a2に補強樹脂を流し込んで硬化させる。
【0077】
このように本実施形態3では、第2の周壁部132aは、撮像素子チップChを位置決めするための、該第2の周壁部の内周面と該撮像素子チップの外周面との間隔が狭い位置決め部132a1と、補強樹脂を流し込むスペースを形成する、該第2の周壁部の内周面と該撮像素子チップChの外周面との間隔が広いスペーサ部132a2とを有する構造としているので、凹状部103aの内壁面と撮像素子チップとの隙間の狭い部分では撮像素子チップの位置決めがし易く、凹状部103aの内壁面と撮像素子チップとの隙間の広い部分で樹脂を流せば生産性が向上するという効果が得られる。
(実施形態4)
図5は、本発明の実施形態4による撮像モジュールを説明する平面図であり、撮像素子チップを取り付けるベース基板の構造を示している。なお、図5においても、図1に示す光学系は図示していない。
【0078】
この実施形態4による撮像モジュール100cは、これを構成するベース基板104の構造が実施形態1の撮像モジュールのベース基板101とは異なっており、このベース基板104に形成されている凹状部104aでは、その内壁面と撮像素子チップChの外周面との隙間が広い部分と狭い部分とが形成される構造となっている。
【0079】
つまり、上記ベース基板104の、撮像素子チップChを収容する凹状部104aは、ベース基板104の中央の開口143の周囲に沿って形成され、該撮像素子チップを載置する第1の周壁部141aと、該第1の周壁部141aの外周に沿って形成された、該第1の周囲壁より高い第2の周壁部142aとを有している。
【0080】
また、第2の周壁部142aは、撮像素子チップChを位置決めするための、該第2の周壁部の内周面と該撮像素子チップの外周面との間隔が狭い位置決め部142a2と、補強樹脂を流し込むスペースを形成する、該第2の周壁部の内周面と該撮像素子チップChの外周面との間隔が広いスペーサ部142a1とを有している。
【0081】
該第2の周壁部142aの内周面、該第1の周壁部の上面、および該撮像素子チップChの外周面とにより形成されるスペースに補強樹脂が充填される。
【0082】
ここで、撮像素子チップChは略正方形形状を有し、第2の周壁部142aのスペーサ部142a1は、撮像素子チップChの四隅に対向して位置しており、第2の周壁部142aの位置決め部142a2は、該撮像素子チップChの四隅以外の側辺に沿って延びている。
【0083】
次に、実装方法について簡単に説明する。
【0084】
ベース基板104の凹状部104a内に撮像素子チップChを配置し、例えば、リフロー接続の場合は、熱処理により半田からなるボール電極Beをリフローして撮像素子チップChをベース基板104の接続パッド(図示せず)に固着する。
【0085】
ここで、ベース基板104の凹状部104a内に撮像素子チップChを配置する際には、該撮像素子チップChは、第2の周壁部142aの位置決め部142a2により、リフロー接続時に自己整合的に撮像素子チップChがベース基板104の接続パッドに対して位置決めされる程度のずれ以内に位置決めされる。
【0086】
なお、このような撮像素子チップChのベース基板104への実装は、リフロー接続ではなく、上記実施形態1で説明した超音波接続により行ってもよい。
【0087】
その後、ベース基板104の凹状部104aの内壁面と撮像素子チップChの外周面との間の間隔が広いスペーサ部142a1に補強樹脂を流し込んで硬化させる。
【0088】
このように本実施形態4では、第2の周壁部142aは、撮像素子チップChを位置決めするための、該第2の周壁部の内周面と該撮像素子チップの外周面との間隔が狭い位置決め部142a2と、補強樹脂を流し込むスペースを形成する、該第2の周壁部の内周面と該撮像素子チップChの外周面との間隔が広いスペーサ部142a1とを有する構造としているので、凹状部104aの内壁面と撮像素子チップとの隙間の狭い部分では撮像素子チップの位置決めがし易く、凹状部104aの内壁面と撮像素子チップとの隙間の広い部分で樹脂を流せば生産性が向上するという効果が得られる。
(実施形態5)
図6は、本発明の実施形態5による撮像モジュールを説明する図であり、図6(a)は撮像素子チップを取り付けるベース基板の断面構造を示し、図6(b)は、ベース基板の、撮像素子チップの実装面側から見た平面構造を示している。
【0089】
この実施形態5の撮像モジュール100dは、これを構成するベース基板105の構造が実施形態1の撮像モジュール100のものとは異なっており、このベース基板105は、第1の周壁部151aの上面の内周縁に沿って形成され、補強樹脂の流れ止めとしての配線層152a2を有する構造となっている。
【0090】
つまり、この実施形態5では、上記ベース基板105の、撮像素子チップChを収容する凹状部105aは、ベース基板105の中央の開口153の周囲に沿って形成され、該撮像素子チップChを載置する第1の周壁部151aと、該第1の周壁部151aの外周に沿って形成された、該第1の周囲壁より高い第2の周壁部152aとを有し、該第2の周壁部の内周面152a1、該第1の周壁部151aの上面151a1、および該撮像素子チップChの外周面とにより形成されるスペースに補強樹脂Rが充填されている。
【0091】
また、第1の周壁部151aの上面151a1には、接続パッドPaが形成されており、撮像素子チップChのバンプ電極(突起電極)Bと接続されている。また、第1の周壁部151aの上面151aの内周縁に沿って、前記補強樹脂の流れ止めとしての配線層152a2が形成されている。図6(a)中、Rfは撮像素子チップChの受光部である。
【0092】
なお、本実施形態5の撮像モジュールを構成するベース基板(実装基板)に撮像素子チップを実装する方法は、実施形態1の撮像モジュールのベース基板に撮像素子チップを実装する方法と同様である。
【0093】
このような構成の実施形態5の撮像モジュールでは、ベース基板105を、その第1の周壁部151aの上面の内周縁に沿って形成され、補強樹脂の流れ止めとしての配線層152a2を有する構造としているので、ベース基板105の凹状部105aの内壁面と撮像素子チップChとの外周面との間に流し込んだ樹脂Rが、撮像素子チップChの裏面側に回りこみ、ベース基板105の開口153に流れ込むのを回避することができる。
(実施形態6)
図7は、本発明の実施形態6による撮像モジュールを説明する図であり、撮像素子チップを取り付けるベース基板の断面構造を示している。
【0094】
この実施形態6の撮像モジュール100eは、これを構成するベース基板106を、第1の周壁部161aの内部に埋め込まれ、該第1の周壁部を補強する配線層116aを有する構造としたものであり、この点以外は、実施形態5の撮像モジュール100dを構成するベース基板105と同一の構造となっている。
【0095】
つまり、この実施形態6では、上記ベース基板106の、撮像素子チップChを収容する凹状部106aは、ベース基板106の中央の開口163の周囲に沿って形成され、該撮像素子チップChを載置する第1の周壁部161aと、該第1の周壁部161aの外周に沿って形成された、該第1の周囲壁より高い第2の周壁部162aとを有し、該第2の周壁部の内周面162a1、該第1の周壁部161aの上面161a1、および該撮像素子チップChの外周面とにより形成されるスペースに補強樹脂Rが充填されている。
【0096】
また、第1の周壁部161aの上面161a1には、接続パッド(接続端子)Paが形成されており、撮像素子チップChのバンプ電極(突起電極)Bと接続されている。また、第1の周壁部161aの上面161a1の内周縁に沿って、前記補強樹脂の流れ止めとしての配線層162a2が形成されている。図6(a)中、Rfは撮像素子チップhの受光部である。
【0097】
なお、本実施形態6の撮像モジュールを構成する実装基板に撮像素子チップを実装する方法は、実施形態1の撮像モジュールの実装基板に撮像素子チップを実装する方法と同様である。
【0098】
このような構成の本実施形態6の撮像モジュール100eでは、実施形態5の撮像モジュール100dの構成に加えて、ベース基板の第1の周壁部161aを内部に配線層116aを埋め込んだ構造としており、つまり、撮像素子チップChのバンプ電極(突起電極)Bを接続する接続パッドPaの下側部に、該接続パッドPaとしての配線層との均衡(つまり、接続パッドPaの下側での強度)を保つよう幅広の配線層116aを配置しているので、バンプ電極Bと接続パッドPaとの接続部でのベース基板106の反りを防止することができる。
【0099】
この結果、接着樹脂による固体撮像素子と実装基板とのフェイスダウン実装強度の向上、およびそれに伴う実装基板の破損などのリスクの回避、また基板平坦性を実現することができる。
【0100】
さらに、上記実施形態1ないし6では、特に説明しなかったが、上記実施形態1ないし6の固体撮像装置の少なくともいずれかを撮像部に用いた、例えばデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、画像入力カメラ、スキャナ、ファクシミリ、カメラ付き携帯電話装置などの、画像入力デバイスを有した電子情報機器について以下簡単に説明する。
(実施形態7)
図8は、本発明の実施形態7として、実施形態1ないし6のいずれかの固体撮像装置を撮像部に用いた電子情報機器の概略構成例を示すブロック図である。
【0101】
図8に示す本発明の実施形態7による電子情報機器90は、本発明の上記実施形態1ないし6の固体撮像装置の少なくともいずれかを、被写体の撮影を行う撮像部91として備えたものであり、このような撮像部による撮影により得られた高品位な画像データを記録用に所定の信号処理した後にデータ記録する記録メディアなどのメモリ部92と、この画像データを表示用に所定の信号処理した後に液晶表示画面などの表示画面上に表示する液晶表示装置などの表示部93と、この画像データを通信用に所定の信号処理をした後に通信処理する送受信装置などの通信部94と、この画像データを印刷(印字)して出力(プリントアウト)する画像出力部95とのうちの少なくともいずれかを有している。
【0102】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、固体撮像装置及び電子情報機器の分野において、益々小型薄型化する通信機器をはじめとする携帯端末用に用いられる固体撮像装置として高品質・高信頼性で小型な固体撮像装置を提供することができるものである。
【符号の説明】
【0104】
10 レンズ筐体
11 集光レンズ
12 レンズ支持部材
13 光フィルタ
20a 弾性部材
20b 駆動部
21、22 第1、第2の電磁石
90 電子情報機器
91 撮像部
92 メモリ部
93 表示手段
94 通信手段
95 画像出力手段
100、100a、100b、100c、100d、100e 固体撮像装置(撮像モジュール)
101、102、103、104、105、106 ベース基板(実装基板)
101a、102a、103a、104a 凹状部
110 接続電極
110a 光学系
111 凹状部の上面
112 凹状部の内壁面
113、123、133、143、153、163 開口
116a 配線層
121、121a、131a、141a、151a、161a 第1の周壁部
102a1 一段目の座グリ部
102a2 二段目の座グリ部
122、122a、132a、142a、152a、162a 第2の周壁部
123a 第3の周壁部
132a1、142a2 位置決め部(隙間が狭い部分)
132a2、142a1 スペーサ部(隙間が広い部分)
151a1、161a1 第1の周壁部の上面
152a1、162a1 第2の周壁部の内周面
B、Be ボール電極(バンプ電極)
Ch 固体撮像素子
Pa 接続パッド
R 補強樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装基板に固体撮像素子を実装してなる実装構造を有する固体撮像装置であって、
該実装基板は、その表面部に、該固体撮像素子を収容する収容スペースとして凹状部が形成されており、
該実装基板の凹状部内に収容された固体撮像素子の側面と該側面に対向する該凹状部の内壁面との間、及び該固体撮像素子の底面及び該底面に対向する該凹状部の上面との間に、該固体撮像素子が該実装基板に固着されるよう補強樹脂が充填されている、固体撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の固体撮像装置において、
前記実装基板は、前記凹状部の、前記固体撮像素子の受光部に対向する部分に開口を形成したものである、固体撮像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の固体撮像装置において、
前記実装基板の、前記固体撮像素子を収容する凹状部は、
前記開口の周囲に沿って形成され、該固体撮像素子を載置する第1の周壁部と、
該第1の周壁部の外周に沿って形成された、該第1の周囲壁より高い第2の周壁部とを有し、
該第2の周壁部の内周面、該第1の周壁部の上面、および該固体撮像素子の外周面とにより形成されるスペースに前記補強樹脂が充填されている、固体撮像装置。
【請求項4】
請求項2に記載の固体撮像装置において、
前記実装基板の、前記固体撮像素子を収容する凹状部は、
前記開口の周囲に沿って形成され、該固体撮像素子を載置する第1の周壁部と、
該第1の周壁部の外周に沿って形成された、該第1の周壁部より高い第2の周壁部と、
該第2の周壁部の外周に沿って形成された、該第2の周壁部より高い第3の周壁部とを有し、
該第3の周壁部の内周面、該第2の周壁部の上面、および該固体撮像素子の外周面とにより、前記補強樹脂を流し込むスペースが形成されている、固体撮像装置。
【請求項5】
請求項4に記載の固体撮像装置において、
前記第2の周壁部の内面、前記第1の周壁部の上面、および前記固体撮像素子の外周面とにより形成されるスペースに前記補強樹脂が充填されている、固体撮像装置。
【請求項6】
請求項3に記載の固体撮像装置において、
前記第2の周壁部は、
前記固体撮像素子を位置決めするための、該第2の周壁部の内周面と該固体撮像素子の外周面との間隔が狭い位置決め部と、
前記補強樹脂を流し込むスペースを形成する、該第2の周壁部の内周面と該固体撮像素子の外周面との間隔が広いスペーサ部とを有する、固体撮像装置。
【請求項7】
請求項6に記載の固体撮像装置において、
前記固体撮像素子は平面矩形形状を有し、
前記第2の周壁部の位置決め部は、前記固体撮像素子の四隅に対向する部分であり、
前記第2の周壁部のスペーサ部は、該固体撮像素子の四隅以外の側辺に沿った部分である、固体撮像装置。
【請求項8】
請求項6に記載の固体撮像装置において、
前記固体撮像素子は平面矩形形状を有し、
前記第2の周壁部のスペーサ部は、前記固体撮像素子の四隅に対向する部分であり、
前記第2の周壁部の位置決め部は、該固体撮像素子の四隅以外の側辺に沿った部分である、固体撮像装置。
【請求項9】
請求項7または8に記載の固体撮像装置において、
前記実装構造は、前記実装基板に前記固体撮像素子をフェースダウン実装により実装してなる構造であり、
前記固体撮像素子は、半田リフローにより前記第1の周壁部の上面に固着されている、固体撮像装置。
【請求項10】
請求項1ないし8のいずれかに記載の固体撮像装置において、
前記実装構造は、前記実装基板に前記固体撮像素子をフェースダウン実装により実装してなる構造であり、
前記固体撮像素子は、超音波接着により前記第1の周壁部の上面に固着されている、固体撮像装置。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の固体撮像装置において、
前記第1の周壁部は、その上面の内周縁に沿って形成され、前記補強樹脂の流れ止めとしての配線層を有する、固体撮像装置。
【請求項12】
請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の固体撮像装置において、
前記第1の周壁部は、その内部に埋め込まれ、該第1の周壁部を補強する配線層を有する、固体撮像装置。
【請求項13】
請求項2〜12のいずれかに記載の固体撮像装置において、
前記実装基板の、前記固体撮像素子が実装されている第1の面とは反対側の第2の面上には、外部からの入射光を該固体撮像素子の受光部へ導くための光学系が取り付けられている、固体撮像装置。
【請求項14】
請求項13に記載の固体撮像装置において、
前記光学系は、
外部からの入射光を該固体撮像素子の受光部に集光する集光レンズと、
該実装基板の該第2の面上に取り付けられ、集光レンズを保持するレンズホルダと、
該実装基板の第2の面上に該実装基板の開口を覆うよう取り付けられ、赤外光成分をカットするフィルタとを有する、固体撮像装置。
【請求項15】
被写体の撮像を行う撮像部を備えた電子情報機器であって、
該撮像部は、請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の固体撮像装置である電子情報機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−119796(P2012−119796A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265834(P2010−265834)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】