説明

固体撮像装置

【課題】寄生容量の影響による増幅器の増幅率の低下を防止することができる固体撮像装置を提供することを課題とする。
【解決手段】光電変換素子を有し、画素信号を出力する画素と、画素により出力される画素信号を増幅する増幅器とを有し、増幅器は、オペアンプ(10)と、オペアンプの入力端子及び画素間に接続される入力容量(2)と、オペアンプの入力端子及び出力端子間に接続される帰還容量(3)と、オペアンプの入力端子及び出力端子間に接続される初期化スイッチ(1)と、帰還容量と並列に接続される第1の容量(4)と、帰還容量と並列に接続される第2の容量(5)と、帰還容量の一端と第1の容量の一端との間に接続される第1のスイッチ(7)と、第1の容量の一端と第2の容量の一端との間に接続される第2のスイッチ(8)とを有し、帰還容量の一端は、第1のスイッチ及び第2のスイッチを介して第2の容量の一端に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CMOSセンサなどのように光電変換素子を有する画素が1次元および2次元に配列され、画素からの電圧出力を列毎に設けた回路で読み出す固体撮像装置においては、列毎の読み出し回路で電圧増幅を行う事によりSN比を改善できる。
【0003】
電圧増幅を行うための読み出し回路毎のアンプ(以後、列アンプと略す)は光電変換素子の出力信号のダイナミックレンジを損なわない範囲で増幅する事がSN比の面から重要である。また、非常に低輝度の被写体を撮像する場合は、列アンプで信号を増幅することでSN比を向上する事が出来る。
【0004】
撮像システムにおいて列アンプの増幅率は、被写体の照度に応じて可変とするのが通例である。可変増幅率を有する列アンプ回路の関し、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−175517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、画素ピッチが小さくなると、特許文献1では寄生容量が無視できなくなり、特に高いゲイン設定時に所望の増幅率にならない誤差を生じていた。固体撮像装置としての課題は以下の3つである。
【0007】
(1)寄生容量の影響による増幅率の低下を補うために、入力容量を大きくする必要があり、チップ面積の増大を招く。
(2)寄生容量の原因となる配線間容量、スイッチの端子間容量は、絶縁膜の膜厚ばらつき、金属配線層の膜厚などの製造ばらつきの影響を受けるため、増幅率も製造ばらつきの影響を受けやすい。
(3)寄生容量を通じて外乱が混入しやすく、特に高増幅率の時に顕著となる。
【0008】
本発明の目的は、寄生容量の影響による増幅器の増幅率の変動(低下)を防止することができる固体撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の固体撮像装置は、光電変換素子を有し、画素信号を出力する画素と、前記画素により出力される画素信号を増幅する増幅器とを有し、前記増幅器は、オペアンプと、前記オペアンプの入力端子及び前記画素間に接続される入力容量と、前記オペアンプの入力端子及び出力端子間に接続される帰還容量と、前記オペアンプの入力端子及び出力端子間に接続される初期化スイッチと、前記入力容量又は前記帰還容量と並列に接続される第1の容量と、前記入力容量又は前記帰還容量と並列に接続される第2の容量と、前記入力容量又は前記帰還容量の一端と前記第1の容量の一端との間に接続される第1のスイッチと、前記第1の容量の一端と前記第2の容量の一端との間に接続される第2のスイッチとを有し、前記入力容量又は前記帰還容量の一端は、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを介して前記第2の容量の一端に接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
寄生容量の影響による増幅器の増幅率の変動(低下)を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態による固体撮像装置の構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態による増幅器の構成例を示す回路図である。
【図3】図2の固体撮像装置に対応する回路レイアウトの図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による増幅器の構成例を示す回路図である。
【図5】本発明の第3の実施形態による増幅器の構成例を示す回路図である。
【図6】本発明の第4の実施形態による増幅器の構成例を示す回路図である。
【図7】本発明の第5の実施形態による増幅器の構成例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による固体撮像装置の構成例を示す図である。図中の各構成は同一の半導体基板上に設けられている。画素部101は、CMOSセンサなどの電圧出力型光電変換素子を有する複数の画素51が2次元行列状に配列されている。同じ行の画素51は、制御線V1、V2、・・・、Vnによって共通に接続されており、垂直走査回路60からの信号を受けて、同じタイミングで垂直信号線VS1、VS2、・・・、VSnに画素信号を出力する。ゲイン回路20は、各垂直信号線VS1、VS2、・・・、VSn毎に設けられた増幅率可変の増幅器を有し、垂直信号線VS1、VS2、・・・、VSnに出力された画素信号を増幅する。増幅器の増幅率は、外部から入力される増幅率制御信号である信号φGによって設定される。ゲイン回路20の各増幅器に対応して設けられたメモリを含むメモリ回路30は、ゲイン回路20の増幅器で増幅された信号を一時的に保持する。メモリ回路30のメモリは、水平走査回路40によって順次走査され、出力部である出力アンプ50を介して固体撮像装置から出力される。図中のφV1、φG、φM、φHはそれぞれ、対応する回路の駆動を制御するための信号である。実際には複数の信号からなるものもあるが、簡単のために1つの信号として表している。
【0013】
図2は、本実施形態によるゲイン回路20の各列に設けられる増幅器の構成例を示す回路図である。図中、1は初期化スイッチSW0であり、オンすることで帰還容量3〜6を初期化する。2は入力容量C0であり、3は帰還容量aであり、4は帰還容量(第1の容量)bであり、5は帰還容量(第2の容量)cであり、6は帰還容量(第3の容量)dである。容量a,b,c,dは、a≦b≦c≦dの関係を有する。7は増幅率切替スイッチ(第1のスイッチ)SW1oであり、8は第2の増幅率切替スイッチ(第2のスイッチ)SW2oであり、9は第3の増幅率切替スイッチSW3oである。10はオペアンプである。増幅率切替スイッチ7,8,9は、図1の増幅率制御信号φGによりオン/オフされる。また、増幅率切替スイッチ7,8,9は、出力線993に対して寄生容量を切断し、寄生容量を低減させる事ができる。
【0014】
オペアンプ10は、正入力端子には電位Vrefが入力され、負入力端子992が入力容量2を介して入力端子inに接続され、出力端子が出力端子OUTに接続される。入力端子inは。図1の垂直信号線VS1、VS2、・・・、VSnに接続される。出力端子OUTは、図1のメモリ回路30に接続される。991は入力端子inであり、993は出力端子OUTである。初期化スイッチ1は、オペアンプ10の負入力端子992及び出力端子993間に接続される。帰還容量3〜6は、オペアンプ10の負入力端子992及び出力端子993間に並列に接続される。増幅率切替スイッチ7は、帰還容量3及び4の右端子(一端)間に接続される。増幅率切替スイッチ8は、帰還容量4及び5の右端子間に接続される。増幅率切替スイッチ9は、帰還容量5及び6の右端子間に接続される。帰還容量3の右端子は、出力端子993に接続される。オペアンプ10の出力端子993は、増幅率切替スイッチ7及び8を介して帰還容量5の右端子に接続され、増幅率切替スイッチ7、8及び9を介して帰還容量6の右端子に接続される。
【0015】
以下、寄生容量を考慮した増幅率を求める。図中、13は帰還容量3に付随する寄生容量Cp0aであり、14は帰還容量4に付随する寄生容量Cp0bであり、15は帰還容量5に付随する寄生容量Cp0cであり、16は帰還容量6に付随する寄生容量Cp0dである。17,18,19は、それぞれ、増幅率切替スイッチ7に付随する寄生容量、増幅率切替スイッチ8に付随する寄生容量、増幅率切替スイッチ9に付随する寄生容量であり、いずれも容量値Cp1を有するものとする。
【0016】
スイッチ7のみをオンすると、帰還容量値がa+bとなり、増幅率を小さくする事ができる。さらに、スイッチ8をオンすると、帰還容量値がa+b+cとなり、増幅率をより小さくする事ができる。さらに、スイッチ9をオンすることで、最小の増幅率を設定できる。スイッチ7をオフとしたまま、スイッチ8及び9をオンしても、増幅率を変化させることはできない。同様に、スイッチ8をオフとした状態で、スイッチ9をオンしても、増幅率を変えることはできない。つまり、スイッチ7〜9のオンとオフを組み合わせる際には、必ずスイッチ7、8、9の順でスイッチをオンする。そのため、増幅率の設定は、スイッチ7〜9のすべてをオフとした増幅率が1の状態、スイッチ7だけをオンとした増幅率が2の状態、スイッチ7及び8だけをオンした増幅率が4の状態、スイッチ7〜9のすべてをオンとした増幅率が8の状態の4通りとなる。固体撮像装置における増幅率の設定は、被写体照度に応じて設定する為、細微な設定を必要とせず、通例×1、×2、×4、×8などの特定の倍数値だけで充分である。そのため、本実施形態の構成は充分に実用に供するものである。
【0017】
図3は、図2の固体撮像装置に対応する回路レイアウトの図である。1〜10は既に説明したため割愛する。991は入力端子、992はオペアンプ10の負入力端子である。994は出力端子、995はスイッチ7及び8間の電極、996はスイッチ8及び9間の電極、997はスイッチ9及び帰還容量6間の電極である。
【0018】
電極994〜997は、出力端子994に対してスイッチ7〜9により切断される事で、オペアンプ10の負入力端子992及び出力端子994間の寄生容量が小さくなっている。寄生容量を含めた図2の帰還容量は以下の様に計算される。
【0019】
図2において、寄生容量13の容量値はCp0a、寄生容量14の容量値はCp0b、寄生容量15の容量値はCp0c、寄生容量16の容量値はCp0dである。寄生容量17〜19の各容量値はCp1である。
【0020】
容量15(Cp0c)より下側の等価容量をCxdとすると、容量Cxdは次式(1)で表わされる。
【0021】
【数1】

【0022】
また、容量14(Cp0b)より下側の等価容量をCxcとすると、容量Cxcは次式(2)で表わされる。
【0023】
【数2】

【0024】
また、容量13(Cp0a)より下側の等価容量をCxbとすると、容量Cxbは次式(3)で表わされる。
【0025】
【数3】

【0026】
よって、図2の増幅器の増幅率Gainは、次式(4)で表わされる。
【0027】
【数4】

【0028】
帰還容量3の容量値a、帰還容量4の容量値b、帰還容量5の容量値c及び帰還容量6の容量値dは、寄生容量17〜19の各容量値Cp1より大きいので、以下のように近似できる。
【0029】
d+Cp0d>>Cp1
c+Cxd+Cp0c>>Cp1
b+Cxc+Cp0b>>Cp1
【0030】
これを式(1)〜(4)に当てはめると、次式が成立する。
【0031】
Cxd≒Cp1
Cxc≒Cp1/2
Cxb≒Cp1/3
【0032】
これにより、式(4)は、次式(5)のように簡略化できる。
【0033】
【数5】

【0034】
式(5)より、増幅率Gainは、寄生容量の影響が低減されることがわかる。これらより、増幅率Gainは製造ばらつきにより変動する要因が低減される。また、寄生容量の影響による増幅率Gainの低下を防止することができる。
【0035】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態によるゲイン回路20の各列に設けられる増幅器の構成例を示す回路図である。図4は寄生容量を考慮した回路となっている。以下、本実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。図中、121は増幅率切替スイッチ(第1のスイッチ)SW1であり、122は増幅率切替スイッチ(第2のスイッチ)SW2であり、123は増幅率切替スイッチSW3である。また、124,125,126は、それぞれ、増幅率切替スイッチ121に付随する寄生容量、増幅率切替スイッチ122に付随する寄生容量、増幅率切り替スイッチ123に付随する寄生容量であり、容量値Cp1を有するものとする。容量a,b,c,dは、a≦b≦c≦dの関係を有する。
【0036】
増幅率切り替スイッチ121は、帰還容量a及びbの左端子間に接続される。増幅率切り替スイッチ122は、帰還容量b及びcの左端子間に接続される。増幅率切り替スイッチ123は、帰還容量c及びdの左端子間に接続される。帰還容量aの左端子は、オペアンプ10の負入力端子に接続される。オペアンプ10の負入力端子は、増幅率切替スイッチ121及び122を介して帰還容量cの左端子に接続され、増幅率切替スイッチ121、122及び123を介して帰還容量dの左端子に接続される。
【0037】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、増幅率切り替スイッチ121〜123をオペアンプ10の入力端子側に配した点である。寄生容量を考慮した増幅率の計算式は、第1の実施形態と全く同じとなる。
【0038】
本実施形態においては、オペアンプ10の帰還端に増幅率切替スイッチ121,122,123を設ける為、各々増幅率切替スイッチ121〜123の端子の電位は正入力端子電位Vrefから大きく変化しない。そのため、増幅率切替スイッチ121〜123は電位Vref近傍の信号電圧を両端子に伝達できる単極性のトランジスタスイッチを用いる事ができる。
【0039】
具体的には、電源電圧VDD=5V、電位Vref=1Vの際、増幅率切替スイッチ121,122,123はNMOSトランジスタを用いればよい。第1の実施形態の場合、増幅率切替スイッチ7,8,9は、電位変動が大きいオペアンプ10の出力端子側にあるため、増幅率切替スイッチ7,8,9をCMOS型のスイッチとする必要がある。
【0040】
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態によるゲイン回路20の各列に設けられる増幅器の構成例を示す回路図である。図5は寄生容量を考慮した回路となっている。以下、本実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。本実施形態では、オペアンプ10の入力端子側と出力端子側の両方にスイッチを入れた構成を示す。具体的には、図4の構成に加えて、出力端子側にスイッチ7,8,9を第1の実施形態と同様に配置している。スイッチ7は第1のスイッチ、スイッチ8は第2のスイッチ、スイッチ121は第3のスイッチ、スイッチ122は第4のスイッチである。図中の番号は既に記述したものと同一であるため、その説明を割愛する。
【0041】
本実施形態で増幅率を最大にする際には、増幅率切替スイッチ7,8,9,121,122,123の全てをオフとする。オペアンプ10の負入力端子と出力端子の間に発生する寄生容量は、帰還容量b,c,dより小さい寄生容量17(Cp1o)、寄生容量18(Cp2o)、寄生容量19(Cp3o)が直列に入ることによって、第1の実施形態及び第2の実施形態より更に低減する。これは他の増幅率設定を行った場合も同様である。
【0042】
(第4の実施形態)
図6は、本発明の第4の実施形態によるゲイン回路20の各列に設けられる増幅器の構成例を示す回路図である。図6は寄生容量を考慮した回路となっている。以下、本実施形態が第1の実施形態と異なる点を説明する。図中、209はオペアンプ、210は入力容量a、211は入力容量(第1の容量)bである。211pは入力容量211に付随する寄生容量、212は入力容量(第2の容量)c、212pは入力容量212に付随する寄生容量、213は入力容量(第3の容量)d、213pは入力容量213に付随する寄生容量である。214,215,216は、それぞれ、第1の増幅率切替スイッチSW1、第2の増幅率切替スイッチSW2、第3の増幅率切替スイッチSW3である。また、214pは増幅率切替スイッチ214に付随する寄生容量、215pは増幅率切替スイッチ215に付随する寄生容量、216pは増幅率切替スイッチ216に付随する寄生容量であり、全て同じ値Cp1を有するものとする。また、217は帰還容量CFであり、218は帰還容量初期化スイッチSW0である。
【0043】
オペアンプ209は、正入力端子には電位Vrefが入力され、負入力端子が入力容量210を介して入力端子inに接続され、出力端子が出力端子OUTに接続される。帰還容量初期化スイッチ218及び帰還容量217は、オペアンプ209の負入力端子及び出力端子間に並列に接続される。入力容量210〜213は、入力端子in及びオペアンプ209の負入力端子間に並列に接続される。増幅率切替スイッチ214は、入力容量210及び211の右端子間に接続される。増幅率切替スイッチ215は、入力容量211及び212の右端子間に接続される。増幅率切替スイッチ216は、入力容量212及び213の右端子間に接続される。入力容量210の右端子は、オペアンプ209の負入力端子に接続される。オペアンプ10の負入力端子は、増幅率切替スイッチ214及び215を介して入力容量212の右端子に接続され、増幅率切替スイッチ214、215及び216を介して入力容量213の右端子に接続される。
【0044】
第1、第2及び第3の実施形態は、列アンプの帰還容量を改良するものであったが、同一の概念を入力容量に適用したものが本実施形態である。詳細な計算式は割愛するが、増幅率切替スイッチ214,215,216をオフとした際の寄生容量は低減されるため、製造ばらつきによる増幅率の変動を小さく抑えることができる。また、寄生容量を介した、ノイズ混入の影響が軽減される。
【0045】
(第5の実施形態)
図7は、本発明の第5の実施形態によるゲイン回路20の各列に設けられる増幅器の構成例を示す回路図である。図7は寄生容量を考慮した回路となっている。以下、本実施形態が第2の実施形態と異なる点を説明する。本実施形態は、第2の実施形態(図4)を改良したものである。増幅率切替スイッチ121,122,123の一端を固定電位Vfixとするためのスイッチ131,132,133を設けた。
【0046】
スイッチ131は、帰還容量bの左端子を固定電位Vfixのノードに接続するための第1の固定電位ノードスイッチである。スイッチ132は、帰還容量cの左端子を固定電位Vfixのノードに接続するための第2の固定電位ノードスイッチである。スイッチ133は、帰還容量dの左端子を固定電位Vfixのノードに接続するための第3の固定電位ノードスイッチである。
【0047】
動作を簡単に説明する。オペアンプ10の増幅率を最大に設定する時は、増幅率切替スイッチ121,122,123を全てオフとする。その時、スイッチ131,132,133は全てオンとする。オペアンプ10の負入力端子と出力端子の間の寄生容量は、第1及び第2の実施形態と全く同じである。ただし、第1及び第2の実施形態では浮遊状態となっていた増幅率切替スイッチ121,122,123の一端が電位Vfixに固定されるため、回路の外部から混入するノイズの影響を小さくすることができる。
【0048】
同様に、帰還容量をa+bと設定する場合には、増幅率切替スイッチ121をオン、増幅率切替スイッチ122及び123をオフ、スイッチ131をオフ、スイッチ132及び133をオンとする。この操作により、上記の原理と同様に、外部からの混入ノイズの影響を固定電位Vfixの働きで、小さくすることができる。
【0049】
第1〜第5の実施形態によれば、固体撮像装置のゲイン回路(列アンプ回路)20のレイアウト面積を増大させることなく、所望の増幅率切り替え回路を実現できる。また、金属配線層、層間絶縁膜の厚さの製造ばらつきによる増幅率の変動が小さいゲイン回路20を得ることができる。また、寄生容量を通じて外乱が混入しにくいゲイン回路20を得ることができる。
【0050】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 初期化スイッチ、2 入力容量、3〜6 帰還容量、7〜9 増幅率切替スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子を有し、画素信号を出力する画素と、
前記画素により出力される画素信号を増幅する増幅器とを有し、
前記増幅器は、
オペアンプと、
前記オペアンプの入力端子及び前記画素間に接続される入力容量と、
前記オペアンプの入力端子及び出力端子間に接続される帰還容量と、
前記オペアンプの入力端子及び出力端子間に接続される初期化スイッチと、
前記入力容量又は前記帰還容量と並列に接続される第1の容量と、
前記入力容量又は前記帰還容量と並列に接続される第2の容量と、
前記入力容量又は前記帰還容量の一端と前記第1の容量の一端との間に接続される第1のスイッチと、
前記第1の容量の一端と前記第2の容量の一端との間に接続される第2のスイッチとを有し、
前記入力容量又は前記帰還容量の一端は、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを介して前記第2の容量の一端に接続されることを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
前記第1の容量は、前記帰還容量と並列に接続され、
前記第2の容量は、前記帰還容量と並列に接続され、
前記第1のスイッチは、前記帰還容量の一端と前記第1の容量の一端との間に接続され、
前記第2のスイッチは、前記第1の容量の一端と前記第2の容量の一端との間に接続されることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記オペアンプの出力端子は、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを介して前記第2の容量の一端に接続されることを特徴とする請求項2記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記オペアンプの入力端子は、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを介して前記第2の容量の一端に接続されることを特徴とする請求項2記載の固体撮像装置。
【請求項5】
さらに、前記帰還容量の他端と前記第1の容量の他端との間に接続される第3のスイッチと、
前記第1の容量の他端と前記第2の容量の他端との間に接続される第4のスイッチとを有し、
前記オペアンプの出力端子は、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを介して前記第2の容量の一端に接続され、
前記オペアンプの入力端子は、前記第3のスイッチ及び前記第3のスイッチを介して前記第2の容量の他端に接続されることを特徴とする請求項2記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記第1の容量は、前記入力容量と並列に接続され、
前記第2の容量は、前記入力容量と並列に接続され、
前記第1のスイッチは、前記入力容量の一端と前記第1の容量の一端との間に接続され、
前記第2のスイッチは、前記第1の容量の一端と前記第2の容量の一端との間に接続され、
前記オペアンプの入力端子は、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチを介して前記第2の容量の一端に接続されることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項7】
さらに、前記第1の容量の一端を固定電位ノードに接続するための第1の固定電位ノードスイッチと、
前記第2の容量の一端を固定電位ノードに接続するための第2の固定電位ノードスイッチとを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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