説明

固体電解質ガスセンサ

【課題】本発明は、硫黄分を検知するガスセンサ本体を小型化し、特別なセンサ本体保持の構成を不要とし、加熱雰囲気に容易に保持できる固体電解質ガスセンサを提供する。
【解決手段】本発明の固体電解質ガスセンサは、固体電解質基板10と、該基板の一方の面に形成されたガス検知電極層(副電極層)12と、該一方の面と反対側の面に形成された参照電極14とを有するセンサ本体S3と、センサ本体に設けられた支持体とを備え、支持体として、前記各電極に接続された第1及び第2導電体棒15−1、15−2を採用した。或いは、導電体棒の代わりに、支持体として、リード線を挿通する絶縁管や、センサ本体と一体的に形成され一方向に延びた棒状体を採用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体電解質ガスセンサに関し、特に、固体電解質基板を利用し、硫黄分を検知することができるガスセンサ本体を小型に形成して、特別なセンサ保持の構成を不要とし、センサ本体に係る測定温度の維持を簡単化する固体電解質ガスセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、固体電解質材料は、イオン伝導性が高いという特性を有することが知られており、その伝導特性を活用して、特定のガス成分を検知するガスセンサに利用されている。例えば、ジルコニアセラミックスは、酸素イオンの伝導性を有することから、酸素ガスセンサとしての適応性があり、酸素濃度検出用センサとして用いられている。また、この固体電解質材料による基板に、ガス検知電極層(副電極層)として、硫酸塩或いは炭酸塩を設けることによって、SOxガスやCOxガスを検知するガスセンサとすることができる。
【0003】
上記の固体電解質材料による基板を用いて、SOxガス或いはCOxガスを検知するガスセンサを構成する場合には、該基板の一方の面上に、硫酸塩或いは炭酸塩による副電極層を形成し、この副電極層上に白金等による電極を設け、さらに、該基板の他方の面側に、白金等による参照電極を設ける。この様に構成されたガスセンサが、所定温度の環境下で検知用ガスに曝されると、電極と参照電極との間に起電力が発生し、この起電力を検出することによってガス成分の存在を検知できる。
【0004】
そこで、SOxガス成分を検知できる固体電解質基板を用いたガスセンサが既に開発されている(例えば、特許文献1を参照)。このガスセンサの構成が、図11に示されている。図11に示されたSOx検知用のガスセンサ本体S1には、酸化物イオン伝導性のセラミック材料から成るセラミック基板が用いられており、その材料には、例えば、イットリア安定化ジルコニアセラミック(YSZセラミック)が使用されている。そのセラミック基板2には、そのSOxガス接触側面に形成された副電極層3に電極4が設けられている。そして、ガスセンサの空気接触側面には、参照電極5が形成されている。
【0005】
更に、電極4と参照電極5とには、白金線によるリード線L1、L2が接続され、電極4と参照電極5との間の電位差を測定できるようになっている。この様なSOx検知用のガスセンサ本体S1において、副電極層3は、YSZセラミック基板2のSOxガス接触側面から環状に突出する凸部21内に形成されており、銀と硫酸銀とが混在されているものである。この凸部21は、セラミック基板2と同一材料で一体的に形成されても、或いは、セラミック基板と別体に形成されてもよい。
【0006】
また、電極4は、副電極層3に埋め込まれた白金網体にリード線L1の白金線の一端が溶接された白金網体であり、参照電極5は、YSZセラミック基板2の空気接触側面にスパッタ等によって形成された白金層に、リード線L2の白金線の一端が溶接された白金網体からなる。
【0007】
図11に示されたSOx検知用のガスセンサにおける副電極層3の作製においては、YSZセラミック基板2のSOxガス接触側面に設けられた環状の凸部21の内側に、銀ペーストを塗布して銀ペースト層を形成した後、この銀ペースト層を、銀の融点以下の温度、具体的には、750℃以下の温度で焼成し、銀ペースト中に含まれているバインダーを脱バインダーして銀から成る銀層を形成する。このとき、白金線の一端が溶接された白金網体から成る電極4を表層近傍に埋め込んだ銀ペースト層を焼成し、電極4を一体に埋め込んだ銀層を形成できる。更に、銀層にSOガスを接触させつつ600℃程度に保持し、数10時間程度のエージングを施すことによって、銀と硫酸銀とが混在した副電極層3を形成できる。
【0008】
以上の様に構成されたSOx検知用のガスセンサ本体S1において、ガスセンサ全体としては、(2Ag+SO+1/2O)と、(AgSO)との可逆反応が起きる。副電極層3の銀相では、(2Ag)と(2Ag+2e)との可逆反応が起き、硫酸銀相では、(SO+2Ag+O2−)と(AgSO)との可逆反応が起きていると考えられる。そして、セラミック基板2では、(1/2O+2e)と(O2−)との可逆反応が生起されるので、電極4と参照電極5に接続されたリード線L1とL2との間に起電力が発生する。
【0009】
また、白金網体から成る電極4に白金線を溶接することによって、白金が触媒となってSOガス等をSOガスに充分に変換することできるので、SOxガス濃度を正確に測定できる。更に、参照電極5を形成する白金網体は、セラミック基板2における(1/2O+2e)と(O2−)との可逆反応を促進している。
【0010】
以上の様にして作製されたSOx検知用のガスセンサ本体S1は、図11に示されるように、YSZセラミック基板2の外周縁部であり、かつSOxガス接触側の面において、セラミック製の筒体1の一端面が当接してガラス封止されている。この筒体1の途中に、白金網を設け、図11に示された矢印の方向から、筒体1内に導入されたSOxガス中のSOガス等をSOガスに変換することができる。
【0011】
そこで、ガスセンサ本体を600℃に保持しつつ、YSZセラミック基板2が装着された筒体1に矢印方向からSOxガスを導入すると、電極4を形成する白金網等によって、SOxガス中のSOガス等がSOガスに変換され、SOガスは、副電極層3内を拡散する。そして、上述した可逆反応に従って、起電力が発生する。この起電力とSOガス濃度との間には一定の関係が存在するため、電極4と参照電極5との間の電位差を測定することによって、SOガス濃度を測定できる。
【0012】
以上に説明した固体電解質ガスセンサは、ガスセンサ本体を形成する基板の周縁部がセラミック製の筒体の端部に固着されて支持され、加熱雰囲気内に保持される。そして、固体電解質ガスセンサは、該筒体内に供給された被検知ガスと反応してガス成分を検知していた。このガスセンサ本体の支持の仕方に対して、電気炉内にガスセンサ本体を支持するようにした固体電解質ガスセンサ装置が開発されている(例えば、特許文献2を参照)。
【0013】
図12及び図13に、電気炉内にガスセンサ本体が支持された固体電解質ガスセンサ装置の構成を示した。図12には、固体電解質ガスセンサ装置の断面図が示され、図13には、その固体電解質ガスセンサ装置に組み込まれるガスセンサ本体の構成図が示されている。
【0014】
図12に示されるように、固体電解質によるガスセンサ本体S2は、小型の電気炉Hの炉容器6の内部に保持されている。この炉容器6は、セラミック製であり、被検知ガスを導入する導入管の役割を有し、この導入管を経由して矢印方向から導入されるガス中のSOの濃度等が測定されるガスセンサ本体S2が備えられている。図12の場合には、このガスセンサ本体S2のガス導入上流側に、ガス成分を酸化する触媒ユニットCも備えられている。これらのガスセンサ本体S2及び触媒ユニットCは、炉容器6の内部で、筒状のスペーサ7−1、7−2、7−3によって、所定位置に保持される。これらのスペーサは、ジルコニアやアルミナ等のセラミックス材料によって形成すればよい。
【0015】
この触媒ユニットCは、例えば、酸化触媒である白金から成る網体(白金メッシュ)を備える筒状に形成されたもの、或いは、ステンレススチールを所謂チャネル構造に形成して白金めっきを施すことで酸化媒体と成し、筒体内に組み込んだものを用いることができる。なお、白金メッシュを備える触媒ユニットの場合には、リング状の筒体の各端面に白金メッシュを接着して形成し、或いは、リング状の筒体の内部に白金メッシュを内蔵して形成してもよい。
【0016】
炉容器6の内部に装着されるガスセンサ本体S2の詳細が、図13に示される。図13(a)は、ガスセンサ本体S2の断面図を示し、図13(b)は、そのガスセンサ本体S2の上面図を示している。図13(b)におけるX−X断面が、図13(a)に対応する。ここに示されたガスセンサ本体S2は、図11の固体電解質ガスセンサ本体S1と同様のガス検知原理に従うものであり、固体電解質材料であるイットリア安定化ジルコニアセラミックスから成る固体電解質基板8の検知ガスと接触する一面側に、硫酸銀を含む硫酸塩の混合体による副電極層3と電極4とから成る検知電極が設けられ、該基板8の空気と接触する他面側に、白金から成る参照電極5が設けられている。電極4と参照電極5には、リード線L1、L2が接続され、ガス中のSOに接触して起電力を発生する。
【0017】
また、図13(b)に示されるように、炉容器6に組み込まれるガスセンサ本体S2の固体電解質基板8の中央部分は、スペーサの内径より小さい径を持つ円板状に形成されている。さらに、固体電解質基板8には、スペーサ7−2と7−3とで狭持されて、副電極層3がガス導入路の中央に位置するように保持する基板固定部8−1、8−2を備えている。この基板固定部8−1、8−2は、固体電解質基板と同一材料によって一体的に形成されている。
【0018】
【特許文献1】特開平10−104197号公報
【特許文献2】特開平11−190719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
以上に説明したように、これまでに開発された固体電解質ガスセンサ装置に使用されるガスセンサ本体は、イットリア安定化ジルコニアなどの固体電解質基板からなり、該基板の一面側には、電極を含むガス検知用の副電極層が、そして、その反対面側に参照電極がそれぞれ形成されている。この様なSOxガス検知用のガスセンサ本体は、センサ構成が複雑で、しかも、固体電解質材料で形成されていることから、電気炉内などの加熱雰囲気に装着した場合に、急激な温度上昇による熱衝撃が加わり、ガスセンサ本体の基板が破壊されてしまうという問題があった。また、大掛かりな電気炉などの加熱手段を使用しないと、所定の測定温度を維持することが困難であった。
【0020】
ところで、図11に示された固体電解質ガスセンサ装置では、ガスセンサ本体S1を、筒体端面部の中央に位置させて保持するため、固体電解質基板の周縁部に筒体との接合部が必要であり、図12に示された固体電解質ガスセンサ装置にあっては、炉容器内にガスセンサ本体S2を保持するために、センサ本体自体に基板固定部を設けなくてはならない。
【0021】
この様に、ガスセンサ本体を加熱雰囲気に保持するために、ガス検知に必要なガス検知電極層(副電極層)の面積より大きいサイズの固体電解質基板を用意しなければならない。基板サイズの増加は、製造時の破損による歩留まりの低下の要因となるばかりか、上述のように、測定のための急激な温度上昇による熱衝撃による基板の破壊を増加させるという問題がある。
【0022】
そこで、本発明では、固体電解質基板を利用し、硫黄分を検知することができるガスセンサ本体を小型に形成して、ガスセンサ本体に一側方に延在する支持体を設けて、特別なセンサ本体保持の構成を不要とし、加熱雰囲気に容易に保持できるようにし、ガスセンサ本体に係る測定温度の維持を簡単化する固体電解質ガスセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
以上の課題を解決するため、本発明の固体電解質ガスセンサでは、固体電解質基板と、該基板の一方の面に形成されたガス検知電極層と、該一方の面と反対側の面に形成された参照電極とを有するセンサ本体と、前記センサ本体に設けられた支持体とを備え、前記センサ本体が前記支持体によって被検知ガス中に保持されるようにした。
【0024】
前記ガス検知電極層が、前記基板の面上に形成されたセラミック枠体で取り囲まれるようにした。
【0025】
また、前記支持体が、前記検知電極層に埋め込まれた電極に接続された第1導電体棒及び前記参照電極に接続された第2導電体棒であるとし、或いは、前記検知電極層に埋め込まれた電極に接続された第1導電線及び前記参照電極に接続された第2導電線が挿通された絶縁管であるとした。
【0026】
前記支持体が、前記セラミック枠体と一体的に形成され一方向に延びた棒状体であり、該棒状体は、該棒状体の一側面上に、前記検知電極層に埋め込まれた電極に直接又は接続ワイヤを介して接続される第1薄膜導電体を備え、該側面の反対側面上に、前記参照電極に直接又は接続ワイヤを介して接続される第2薄膜導電体を備えていることとした。
【0027】
また、前記支持体が、前記固体電解質基板と一体的に形成され一方向に延びた棒状体であり、該固体電解質棒状体は、該棒状体の一側面上に、前記検知電極層に埋め込まれた電極に直接又は接続ワイヤを介して接続される第1薄膜導電体を備え、該側面の反対側面上に、前記参照電極に直接又は接続ワイヤを介して接続される第2薄膜導電体を備えていることとした。
【0028】
前記ガスセンサ本体は、被検知ガスが供給される加熱炉容器内に配置され、或いは、前記ガスセンサ本体が、被検知物質を含む火炎中又は火炎上部に直接又は触媒体を介して配置されることとした。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本発明の固体電解質ガスセンサでは、固体電解質基板と、該基板の一方の面に形成されたガス検知電極層と、該一方の面と反対側の面に形成された参照電極とを有するセンサ本体と、前記センサ本体に設けられた支持体とを備え、特に、前記支持体として、前記各電極に接続された第1及び第2導電体棒を採用し、或いは、リード線を挿通する絶縁管を採用し、また、前記センサ本体と一体的に形成され一方向に延びた棒状体を採用したので、前記センサ本体を被検知ガス中に保持し易くなった。
【0030】
また、本発明の固体電解質ガスセンサによれば、固体電解質ガスセンサ本体を小型化でき、センサ本体の一側方に延在する支持体を設けたので、測定の際に、センサ本体を測定温度に維持する雰囲気であり、検知ガスの流れにセンサ本体を挿入するだけであり、センサ本体を保持し易くなる。そのため、加熱手段の炉容器に特別なセンサ本体の支持構造を必要とせず、検知ガスの流れに簡単に置くことができ、測定温度を維持する電気炉などの加熱手段を小型化することができる。さらに、固体電解質ガスセンサ本体を小型に形成できるので、加熱時の熱衝撃による基板の破損を軽減でき、センサ本体の作動温度に維持するための加熱容量を小さくでき、センサ本体の昇温が短時間で行われるようになる。
【0031】
また、本発明の固体電解質ガスセンサによれば、火炎によって生成された作動雰囲気内にガスセンサ本体を簡単に配置することができる。火炎による作動雰囲気内にガスセンサ本体を配置しただけで、センサ本体が、火炎によって550℃〜600℃の範囲のセンサ作動温度に容易に維持され、火炎に含まれるSOxガスを簡単に検知できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
次に、本発明による固体電解質ガスセンサに係る実施形態について、図1乃至図7を参照しながら説明する。先ず、図1は、本発明による固体電解質ガスセンサの第1実施形態の具体例1を説明する図である。図1の(a)は、具体例1のガスセンサ本体S3の断面図を示し、図1の(b)は、そのガスセンサ本体S3の上面図を示している。
【0033】
図1に示された固体電解質ガスセンサ本体S3は、図11に示された固体電解質ガスセンサ装置に使用されたガスセンサ本体S1と同様の構成を有し、同様のガス検知原理に従っている。図1に示された固体電解質ガスセンサ本体S3が、図11のガスセンサ本体S1と異なるところは、ガスセンサ本体S3には、センサ本体を保持するための接続部を有する周縁部が設けられてなく、ガス検知電極(副電極層)の大きさを、ガス検知に必要な大きさにまで最小化され、センサ本体が小型化されていることである。
【0034】
そこで、SOxガス或いはCOxガスを検知するガスセンサを構成する場合には、固体電解質基板10の一方の面上に、セラミック枠体11を形成し、このセラミック枠体11内に硫酸塩或いは炭酸塩による副電極層12を形成する。そして、この副電極層12上に白金等による電極13を設け、さらに、該基板10の他方の面側に、白金等による参照電極14を設ける。
【0035】
第1実施形態の具体例1によるガスセンサ本体S3には、センサ本体を加熱雰囲気に保持する支持手段として、図11のガスセンサ本体S1の電極4に接続されたリード線L1に代わり、該リード線より太い第1導電体を電極13に固着して支持体15−1とし、同様に、ガスセンサ本体S1の参照電極5に接続されたリード線L2に代わり、該リード線より太い第2導電体を参照電極14に固着して支持体15−2とした。第1及び第2導電体は、白金線、ステンレス線などの耐熱性金属で形成される。
【0036】
第1実施形態の具体例1のガスセンサ本体S3では、センサ本体自体が小型に形成され、軽量化を図ることができ、電極13及び参照電極14に固着された第1及び第2導電体による支持体で保持することを実現でき、センサ本体を測定温度に維持する雰囲気である検知ガスの流れにも、簡単にセンサ本体を挿入できる。なお、第1及び第2導電体の電極13及び参照電極14への固着は、図11に示された固体電解質ガスセンサ本体S1におけるリード線L1及びL2の各電極への接続と同様に行うことができる。
【0037】
また、図1に示した固体電解質ガスセンサ本体S3の場合には、副電極層12を取り囲むセラミック枠体11が形成されているが、このセラミック枠体11は、基板10と同一の固体電解質材料で形成されても、或いは、別材料で形成されてもよい。この固体電解質ガスセンサ本体S3の場合では、副電極層12が銀ペースト層の焼成で形成された例であったため、セラミック枠体11が副電極層の形成の都合上必要であった。そこで、副電極層12の形成にあたって、グリーンシート法を採用する場合には、副電極層を所定形状に形成できるので、この場合には、副電極層12の周囲には、図13に示された副電極層3の場合と同様に、セラミック枠体11を設けなくてよい。
【0038】
図1に示された第1実施形態の具体例1においては、固体電解質ガスセンサ本体S3に設けられた支持体15−1、15−2が、導電体で形成されているので、センサ本体を検知ガスの流れに保持するにあたって、センサ出力が短絡し、或いは、他と電気的接触し、ガス測定上に支障を来たし、さらには、支持体を構成する導電体を太くしなければならないというコスト上昇になる。
【0039】
そこで、図1に示された第1実施形態の具体例1に対する変形例である具体例2のように、例えば、セラミック製の絶縁管16−1、16−2を配設し、第1導電体15−1と第2導電体15−2を各絶縁管内に挿通するようにした。これらの絶縁管の配設により、センサ本体の保持強度を増加することができる。絶縁管自体に十分な支持強度があれば、管内に挿通される第1及び第2導電体に、図13に示されたような各電極に接続されたリード線L1、L2を使用することができる。
【0040】
以上のように、本発明の固体電解質ガスセンサの第1実施形態によれば、固体電解質ガスセンサ本体S3を小型化し、センサ本体の一側方に延在する導電体による支持体を設けるようにしたので、センサ本体を測定温度に維持する雰囲気で検知ガスの流れにセンサ本体を挿入するだけで測定が行え、センサ本体を保持し易くなる。図3に示されるように、炉容器17(センサ本体を測定温度に維持する加熱装置)に特別なセンサ本体の支持構造を必要とせず、検知ガスの流れに簡単に置くことができる。そのため、測定温度を維持する電気炉などを小型化することができる。また、固体電解質ガスセンサ本体S3を小型に形成できるので、加熱時の熱衝撃による基板の破損を軽減できる。さらに、センサ本体を作動温度に維持するための加熱容量を小さくでき、センサ本体の昇温が短時間で行われるようになる。よって、センサの反応時間を短縮できる。
【0041】
以上に説明した第1実施形態による固体電解質ガスセンサでは、ガスセンサ本体に設けられる支持体は、センサ本体の各電極に固着された導電体で構成されたが、次に、ガスセンサ本体に設けられる支持体を、ガスセンサ本体を構成するセラミック材料と同一の材料で構成する第2実施形態について、図4乃至図6を参照して説明する。
【0042】
図4は、第2実施形態による固体電解質ガスセンサに係る具体例3を示している。図4の(a)は、具体例3の固体電解質ガスセンサの断面図を示し、図4の(b)は、その固体電解質ガスセンサの上面図を示している。図4に示された固体電解質ガスセンサにおけるガスセンサ本体S3の構成は、図1に示されたガスセンサ本体S3と同様の構成であり、固体電解質基板10の片面に、電極13を設けられた副電極層12と、その反対面に、参照電極14とが形成されている。なお、図1のガスセンサ本体S3は、円形状に形成されているのに対し、図4のガスセンサ本体S3は、矩形状に形成されているが、センサ本体の動作に変わりが無い。図4のガスセンサ本体S3の副電極層を円形状に形成することもできる。
【0043】
図4に示された第2実施形態の具体例3では、ガスセンサ本体S3の支持体は、副電極層12を取り囲むセラミック枠体11を利用することとし、該セラミック枠体11と同一材料で一体形成された棒状の支持体19とした。そして、ガスセンサ本体S3の出力取出し用のリード線L1、L2としては、棒状の支持体19と固体電解質基板10の側面に設けられた薄膜導電体20−1、20−2を使用することとした。これらの薄膜導電体は、金属蒸着によって、或いは、導電ペーストの焼成などによって形成される。
【0044】
このように、第2実施形態の具体例3による固体電解質ガスセンサによれば、固体電解質ガスセンサ本体S3を小型に形成できるとともに、センサ本体の一側方に延在する棒状の支持体をセンサ本体の形成と同時に設けるようにしたので、測定の際は、センサ本体を測定温度に維持する雰囲気で、検知ガスの流れに、センサ本体を挿入するだけであり、センサ本体を保持し易くなる。図3に示されるように、炉容器17に特別なセンサ本体の支持構造を必要とせず、検知ガスの流れに簡単に置くことができる。そして、ガスセンサの製造工程を簡略化でき、コスト低減を図ることができる。
【0045】
図5は、図4に示された第2実施形態の固体電解質ガスセンサに係る具体例3の変形例を示している。図4では、支持体19の側面に形成された薄膜導電体は、各電極と直接接続されているのに対し、図5では、電極と薄膜導電体との接続に、接続線となるリード線を使用した具体例4を示している。
【0046】
図5の(a)は、具体例4の固体電解質ガスセンサの断面図を示し、図5の(b)は、固体電解質ガスセンサの副電極側上面図を示す。図5では、具体例4として、電極13と薄膜導電体20−3がリード線L3で接続され、参照電極14と、支持体19の下側面上に設けられた薄膜導電体20−4とがリード線L4で接続された場合の例を示す。なお、電極13及び参照電極14のどちらか一方の薄膜導電体との接続にのみリード線を使用するようにしても良い。
【0047】
上述した第2実施形態による具体例3及び4の固体電解質ガスセンサでは、ガスセンサ本体S3に設けられた支持体が、ガスセンサ本体S3のセラミック枠体11と一体的であり、一方向に延在するように形成された場合であった。そこで、次に、ガスセンサ本体S3に設けられる支持体として、セラミック枠体11と一体形成する代わりに、ガスセンサ本体S3の固体電解質基板10と同一材料で一体的に形成する場合について説明する。
【0048】
図6は、支持体がガスセンサ本体S3の固体電解質基板10と一体的に形成された場合を示し、第2実施形態による具体例5の固体電解質ガスセンサの構成を示している。図6の(a)は、固体電解質ガスセンサの断面図を示し、図6の(b)は、該固体電解質ガスセンサの上面図を示している。図6においては、図4及び図5に示された固体電解質ガスセンサと同じ部分には、同じ符号が付されている。
【0049】
図6に示された具体例5の固体電解質ガスセンサにおけるガスセンサ本体S3は、具体例3及び4の場合と同様に、固体電解質基板10の片面に、電極13を設けられた副電極層12と、その反対面に、参照電極14とが形成されている。なお、図6のガスセンサ本体S3は、矩形状に形成されているが、図1に示されたガスセンサ本体S3のように、円形状に形成されてもよく、センサ本体の動作に変わりは無い。
【0050】
この具体例5では、ガスセンサ本体S3の支持体には、固体電解質基板10と同一材料を使用することとし、該固体電解質基板10と一体形成された一側方に延びた棒状の支持体23とした。そして、ガスセンサ本体S3の出力取出し用のリード線L1、L2としては、棒状の支持体23と枠体11の側面に設けられた薄膜導電体20−5及び20−6を使用することとした。これらの薄膜導電体は、金属蒸着によって、或いは、導電ペーストの焼成などによって形成される。
【0051】
このように、第2実施形態の具体例5による固体電解質ガスセンサによれば、具体例3及び4の場合と同様に、固体電解質ガスセンサ本体S3を小型に形成できるとともに、センサ本体の一側方に延びた棒状の支持体をセンサ本体の形成と同時に設けることができ、棒状の支持体がガスセンサ本体に設けられたので、測定の際は、ガスセンサ本体を測定温度に維持する雰囲気であり、検知ガスの流れに、ガスセンサ本体を挿入するだけで済み、ガスセンサ本体を保持し易くなる。
【0052】
また、図3の場合と同様に、炉容器17に特別なセンサ本体の支持構造を必要とせず、検知ガスの流れに簡単に置くことができる。そして、ガスセンサの製造工程を簡略化でき、コスト低減を図ることができる。なお、具体例5の固体電解質ガスセンサの場合も、図5に示された具体例4と同様に、各電極と薄膜導電体との接続に、リード線を用いることができる。
【0053】
以上に説明した第1及び第2実施形態による固体電解質ガスセンサは、作動温度を維持するための加熱手段を必要とし、ガスセンサ本体が被検知ガスの流れの中に保持されるようになっている。上述したように、作動温度に維持され、被検知ガス流に配置されたSOx検知用のガスセンサ本体では、ガスセンサ全体としては、(2Ag+SO+1/2O)と(AgSO)との可逆反応が生起され、副電極層12では、(2Ag)と(2Ag+2e)との可逆反応と、(SO+2Ag+O2−)と(AgSO)との可逆反応とが生起され、そして、固体電解質のセラミック基板10で(1/2O+2e)と(O2−)との可逆反応が生起されて、電極13と参照電極14との間に起電力が発生する。この起電力を検出することによって、被検知ガス中におけるSOガスを測定することができる。
【0054】
この様なガスセンサの検知原理においては、ガスセンサ本体が作動温度に維持されているとき、検知ガス成分のSOガスが副電極層12に供給され、そして、酸素が固体電解質基板10の参照電極14側に供給されるという条件が揃うと、SOガスを測定することができる。第1及び第2実施形態の固体電解質ガスセンサでは、この様な条件で検知作動させるため、被検知ガス流が供給され、作動温度に維持された炉容器内に、ガスセンサ本体を配置するようにした。
【0055】
しかしながら、検知ガス成分のSOガスが副電極層12に供給され、そして、酸素が固体電解質基板10の参照電極14側に供給されるという条件を備えたガスセンサ作動雰囲気は、上述のような、被検知ガス流が供給される炉容器に限られず、例えば、被検知ガスの成分を含む火炎で直接ガスセンサ本体を曝すことによっても、ガスセンサの作動雰囲気を容易に生成できる。
【0056】
図7は、火炎によって生成された作動雰囲気内にガスセンサ本体を配置してSOxガス検知を行う本実施形態の固体電解質ガスセンサの適用例1を示している。図7に示した適用例1は、火炎による作動雰囲気内にガスセンサ本体を配置しただけでも、SOxガス検知を行うことができることを確認するためのものとして構成されているが、固体電解質ガスセンサがSOガスを検知し易くするために、触媒ユニットが挿入配置されている。また、擬似的にSOxガスを発生させるため、ガスセンサ本体で検知できるSOxガスの元となる試料Aとして、例えば、濃硫酸滴をガス燃焼による火炎f中に供給した。火炎fは、バーナー18に供給されたガスの燃焼で生成される。
【0057】
ガスセンサ本体S3を作動温度の約600℃まで加温するための火炎fを発生するため、バーナー18には、ブタン12%含有の予混ガスが、総ガス流量400ml/分で供給され、この予混ガスを燃焼させた。この燃焼により火炎fが発生されても、この適用例1の場合には、予混ガス中には、硫黄成分が含まれないので、試料Aに濃硫酸滴を供給することで、火炎f中にSOxガスを発生させた。
【0058】
図7に示された適用例1では、固体電解質ガスセンサがSOガスに反応するので、SOxガスをSOに酸化する触媒ユニットCをガスセンサ本体S3の副電極層側に挿入配置した。この触媒ユニットCには、図12の固体電解質ガスセンサ装置で使用された触媒ユニットを使用することができ、例えば、酸化ロジウム(Rh)触媒を採用できる。
【0059】
この適用例1の場合において、ガスセンサ本体S3は、火炎fによって550℃〜600℃の範囲で加温され、センサ作動温度に維持されていることが測定され、そして、試料Aに濃硫酸滴を供給する毎に、電極13と参照電極14との間に起電力が発生した。そのため、火炎fに含まれるSOガスを検知できることが確認された。ここでは、硫黄成分として、濃硫酸を供給したが、硫黄成分が含まれる他の液体、さらには、気体や固体であっても、同様に検知可能である。
【0060】
これまでに説明した図7の適用例1では、ガスセンサ本体S3の火炎f側に、酸化触媒ユニットが挿入配置されていたが、図8に、火炎による作動雰囲気内にガスセンサ本体を配置しただけでも、SOxガス検知を行うことができることを確認できる固体電解質ガスセンサの適用例2が示されている。この適用例2の場合には、その触媒ユニットを配置することなく、ガスセンサ本体S3を火炎に直接曝すようにして、火炎中に含まれる硫黄成分を検知することができる。
【0061】
図8に示されたガスセンサ装置は、上下に開口を有する絶縁容器21を備えている。この絶縁容器21の下側開口に、ガスバーナー18を配置し、このガスバーナー18で予混ガスを燃焼させて、絶縁容器21の内部に火炎fを生成する。この絶縁容器21は、火炎fを安定化させ、作動温度の保持に役立っている。絶縁容器21の側壁に設けられた窓から、この火炎fの中、或いは、その上部に、ガスセンサ本体S3を挿入している。ここで、ガスセンサ本体S3を含む固体電解質ガスセンサには、上述した第1及び第2実施形態で示されたものが使用される。
【0062】
また、適用例2によるガスセンサ装置では、酸化触媒ユニットを挿入配置していないので、適用例1の場合に比較して、固体電解質ガスセンサの作動温度を維持するのに必要な加熱量が少なくて済み、そのため、より少ない燃料でガスセンサ本体を加熱することができる。図7の適用例1の場合に使用された予混ガスは、例えば、ブタン12%を含むものであったが、この適用例2の場合には、ガスバーナー18に供給される予混ガスのブタン濃度は6%程度でも、センサ作動温度に維持できる。
【0063】
次に、本発明によるガスセンサ本体が火炎による作動雰囲気内に配置されただけでも、該火炎中に含まれるSOxガスの検知を行うことができることを示す実証試験結果について説明する。図8に示されたガスセンサ装置は、ガスバーナー18に供給されるガス中に硫黄成分が含まれている場合に適用されると好適な構成になっているが、この実証試験においては、ガス検知体として火炎中に硫黄成分を含ませるため、図7に示された適用例1の場合と同様に、火炎中に硫黄成分を含む試料を挿入する仕方を採用し、火炎中にSOxガスの生成を模擬した。
【0064】
そこで、その試料を火炎中に挿入し易くするため、ガスセンサ装置の絶縁容器21を除いた状態で測定試験を行った。このとき、予混ガス中の燃料には、ブタンが使用され、その濃度は、6.5%であり、その予混ガスは、直径3mmの開口を有するガスバーナー18に、毎分400mlの流量で供給された。
【0065】
その測定試験の結果の例が、図9に示されている。図9に示されたグラフは、ガスセンサ本体S3の温度変化とセンサ出力の変化を表している。図9における横軸は時間(秒)を、左側の縦軸は温度(℃)を、そして、右側の縦軸はセンサ出力である起電力(V)を夫々示している。
【0066】
図9において、G1がガスセンサ本体S3の温度変化に関するグラフを示し、G2がセンサ出力の変化に関するグラフを示している。グラフG1によれば、火炎fによって加熱されたガスセンサ本体S3の温度を把握でき、その温度は、ガスセンサ本体S3の作動温度の範囲に維持されていることが確認できた。なお、測定温度に関するグラフG1に変動が発生しているが、ガスセンサ装置の絶縁容器21を除いた状態で測定試験を行ったことによるものと考えられる。
【0067】
一方、センサ出力の測定に当たって、硫黄成分を含む試料として、96%濃硫酸を使用し、白金ワイヤの先端をこの濃硫酸に浸漬し、その先端を火炎f中に挿入した。出力比較のため、濃硫酸の代わりに、純水を用いて試験を行った。センサ出力を表すグラフG2には、この2種類の試料による測定結果が示され、矢印P1、P2の時点で、純水が挿入され、矢印P3の時点において、濃硫酸が挿入された。
【0068】
このグラフG2によれば、P1、P2の純水の場合には、目立ったセンサ出力の変化が無いのに対し、P3の濃硫酸の場合には、顕著なセンサ出力の変化がある。このことから、濃硫酸が火炎fで加熱され、分解されて、SOとSOが発生され、ガスセンサ本体S3がSOに敏感に反応したものと見られ、センサ出力のガス濃度依存性が高いことが分かる。これで、本発明によるガスセンサ本体を火炎による作動雰囲気内に配置しただけでも、該火炎中に含まれるSOxガスの検知を行えることが確認できた。
【0069】
図9に係る測定試験例では、試料として濃硫酸が使用されたのみであるので、硫黄成分の濃度とセンサ出力の信号強度との相関を知ることはできない。そこで、試料として、濃度が異なる硫酸液を用意し、図9の測定試験の場合と同様の仕方で測定試験を行った。その測定試験中に、各々の硫酸液を所定の時間を置いて、順次、火炎f中に挿入した。なお、センサ出力と信号強度の相関があることが試験するため、試料の挿入条件が一定となるようにした。マイクロシリンジで規定した一定量の、例えば、各1μリットルの試料を白金パンに投入するようにし、そして、白金パンとガスセンサ本体S3との相対位置を固定して、白金パンを火炎f中に置いた。
【0070】
その測定試験の結果の一例が、図10に示されている。図10に示されたグラフは、ガスセンサ本体S3のセンサ出力の変化を表しており、センサ出力のグラフG2で示されている。なお、その温度変化は、図9に示されたグラフG1と同様の傾向を示すため、温度変化のグラフの表示を省略している。図10における横軸は時間(秒)を、そして、縦軸はセンサ出力である起電力(V)を夫々示している。
【0071】
この測定試験では、試料として、濃硫酸を水で希釈した0.15%、0.85%、6%、12%、そして、24%の硫酸液を夫々用意し、夫々の硫酸液を、マイクロシリンジから一回に一定量だけ白金パンに投入するようにした。その投入のタイミングが、図10において、矢印P1乃至P5で示されている。矢印P1で0.15%硫酸液が、P2で0.85%硫酸液が、P3で6%硫酸液が、P4で12%硫酸液が、そして、P5で24%硫酸液が夫々投入された。
【0072】
図10に示されたグラフG2によれば、P1からP5に掛けて、即ち、順に硫酸濃度が高くなるにつれて、センサ出力である起電力のピーク値も大きくなっていることが分かる。このことから、硫酸液中の硫酸が火炎fで加熱され、分解されて、SOとSOが生成され、ガスセンサ本体S3がSOに敏感に反応し、そのSOの火炎中の濃度に応じて起電力が高く出力されることが分かる。
【0073】
これらの結果から、本発明によるガスセンサ本体を火炎による作動雰囲気内に配置しただけでも、該火炎中に含まれるSOxガスの濃度とセンサ出力とには強い相関があることが確認できた。これによって、本発明のガスセンサ本体は、検知体中のSOxガス濃度の測定も可能であり、例えば、検知体中のSOxガス濃度が規定値以上であるかどうかの判定にも使用できる。
【0074】
以上のように、固体電解質ガスセンサを使用すると、火炎中に含まれるSOxガスなどの硫黄成分を検知できるので、従来には困難であった燃焼ガス中の硫黄成分、例えば、ガス燃料として販売されているプロパンガス中の付臭成分の測定が可能となった。また、化石燃料の燃焼過程で生成される、例えば、CO、SOxなどの環境汚染の要因を直接測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明による固体電解質ガスセンサの第1実施形態の具体例1を説明する図である。
【図2】第1実施形態の具体例2を説明する図である。
【図3】第1実施形態による固体電解質ガスセンサを電気炉内に配置した場合の適用例を説明する図である。
【図4】本発明による固体電解質ガスセンサの第2実施形態の具体例3を説明する図である。
【図5】第2実施形態の具体例4を説明する図である。
【図6】第2実施形態の具体例5を説明する図である。
【図7】本実施形態による固体電解質ガスセンサを火炎の熱で直接加熱する場合の適用例1を説明する図である。
【図8】本実施形態による固体電解質ガスセンサを火炎の熱で直接加熱する場合の適用例2を説明する図である。
【図9】第3の適用例における固体電解質ガスセンサのガス濃度依存性を示すセンサ出力の変化を説明するグラフである。
【図10】第3の適用例において異なるガス濃度に対するセンサ出力の変化を説明するグラフである。
【図11】従来技術による固体電解質ガスセンサを石英ガラス管に設置した場合の例を説明する図である。
【図12】従来技術による固体電解質ガスセンサを電気炉内に設置した場合の例を説明する図である。
【図13】図12に示された固体電解質ガスセンサを説明する図である。
【符号の説明】
【0076】
1 石英ガラス管
2、8、10 固体電解質基板
3、12 ガス検知電極層(副電極層)
4、13 電極
5、14 参照電極
6、17 炉容器
7−1〜7−3 スペーサ
8−1、8−1 基板固定部
11 セラミック枠体
15−1、15−2、19、23 支持体
16−1、16−2 絶縁管
18 ガスバーナー
20−1〜20−6 薄膜導電体
21 絶縁容器
S1〜S3 ガスセンサ本体
C 触媒ユニット
H 加熱炉
L1〜L4 リード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体電解質基板と、該基板の一方の面に形成されたガス検知電極層と、該一方の面と反対側の面に形成された参照電極とを有するセンサ本体と、
前記センサ本体に設けられた支持体と、を有し、
前記センサ本体が前記支持体によって被検知ガス中に保持されることを特徴とした固体電解質ガスセンサ。
【請求項2】
前記ガス検知電極層は、前記基板の面上に形成されたセラミック枠体で取り囲まれていることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質ガスセンサ。
【請求項3】
前記支持体が、前記検知電極層に埋め込まれた電極に接続された第1導電体棒及び前記参照電極に接続された第2導電体棒であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体電解質ガスセンサ。
【請求項4】
前記支持体が、前記検知電極層に埋め込まれた電極に接続された第1導電線及び前記参照電極に接続された第2導電線が挿通された絶縁管であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体電解質ガスセンサ。
【請求項5】
前記支持体が、前記セラミック枠体と一体的に形成され一方向に延びた棒状体であることを特徴とする請求項2に記載の固体電解質ガスセンサ。
【請求項6】
前記棒状体は、該棒状体の一側面上に、前記検知電極層に埋め込まれた電極に直接又は接続ワイヤを介して接続される第1薄膜導電体を備え、該側面の反対側面上に、前記参照電極に直接又は接続ワイヤを介して接続される第2薄膜導電体を備えていることを特徴とする請求項5に記載の固体電解質ガスセンサ。
【請求項7】
前記支持体が、前記固体電解質基板と一体的に形成され一方向に延びた棒状体であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質ガスセンサ。
【請求項8】
前記固体電解質棒状体は、該棒状体の一側面上に、前記検知電極層に埋め込まれた電極に直接又は接続ワイヤを介して接続される第1薄膜導電体を備え、該側面の反対側面上に、前記参照電極に直接又は接続ワイヤを介して接続される第2薄膜導電体を備えていることを特徴とする請求項7に記載の固体電解質ガスセンサ。
【請求項9】
前記ガスセンサ本体は、被検知ガスが供給される加熱炉容器内に配置されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の固体電解質ガスセンサ。
【請求項10】
前記ガスセンサ本体が、被検知物質を含む火炎中又は火炎上部に直接又は触媒体を介して配置されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の固体電解質ガスセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−93572(P2007−93572A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−326209(P2005−326209)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】