説明

固定部材

【課題】屋根材の適切な位置に太陽電池モジュールを固定することができると共に、一般的な太陽電池モジュールに対して汎用的に用いることができ、且つ、少ない部品点数からなる固定部材を提供する。
【解決手段】固定部材1は、平板状のベース部10と、ベース部に立設された一対の天板支持部20によって支持されている平板状の天板部40と、天板部を貫通し両端が閉端となった長孔部41と、長孔部を通過する大きさの軸部52、及び、長孔部を通過しない大きさの頭部51を備え、天板部より下方に頭部を位置させた状態で軸部を長孔部に挿通していると共に、太陽電池モジュールの支持部材に設けられた支持用孔部に軸部が挿通されるボルト50と、頭部が通過する大きさで天板部を貫通し、長孔部の一端で長孔部と連通している頭部挿通孔42と、長孔部の中心軸線Nをベース部上に投影した線上に位置し、ベース部を貫通している固定用孔部15とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールを屋根上に設置する際に、太陽電池モジュールを支持する部材を屋根材に固定するために用いられる固定部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築物の屋根上に太陽電池モジュールを設置する場合、長尺状の桟材を屋根材に取り付けて井桁状に組み、この桟材を介して太陽電池モジュールを屋根材に固定することが一般的である。このようにすると、一方向に延びる桟材に対して、他方向に延びる桟材が交差する位置を調整することにより、太陽電池モジュールのサイズに合わせて桟材の間隔を調整できる利点がある。その反面で、桟材は長尺であるため、位置を調整する作業には多大な労力及び時間を要するという問題がある。加えて、井桁状に組むためには多くの桟材を必要とするため、部品点数が多く、コストが嵩むという問題もある。
【0003】
一方、太陽電池モジュールを設置するための固定部材を屋根材へ直接取り付けようとすると、スレート等の屋根材には部材を取り付けられる位置に制約があるため、太陽電池モジュールの大きさと屋根材のピッチとの関係によっては、固定部材を取り付けるべき位置が、屋根材における取り付け不能位置と重なってしまい、固定部材を取り付けることができないことがあった。
【0004】
ここで、屋根材に取り付けられる固定部材の太陽電池パネルに対する位置を、調整可能な太陽電池装置が提案されている(特許文献1参照)。これは、図15に示すように、屋根材に取り付けられる固定部材200に、ボルトの頭部203Aを挿入させられる溝202が設けられていると共に、ボルトの軸部203Bを挿通させる貫通孔211を有する押さえ具210に、下方に向けて突出した係止部215が設けられているものである。
【0005】
そして、太陽電池パネルを屋根に固定する際は、固定部材200を屋根材に取り付け、ボルトの頭部203Aを溝202内でスライドさせてから、ボルトの軸部203Bを貫通孔211に挿通し、太陽電池パネルの周縁に形成されているスライド溝(図示しない)に係止部215を係合させた状態の押さえ具210を、ナット217,128によって上下から締め付ける。これにより、太陽電池パネルは押さえ具210によって上方から押圧され、ボルト203を介して固定部材200に支持され、更に固定部材200を介して屋根材に固定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の固定部材200は、固定部材の構造に対応して、太陽電池パネル側が特定の構造を備えていることを要件とするものであった。すなわち、固定部材200では、係止部215と係合するスライド溝が、太陽電池パネルの周縁に形成されていることが必要である。そのため、太陽電池モジュール側に特定の構造を要求することなく、一般的な太陽電池モジュールに対して汎用的に使用できる固定部材が要請されていた。
【0007】
加えて、固定部材200では、溝202内をスライドするボルト203が、開端となっている溝202から外れることを防止するために、ボルト203がスライド可能な範囲を制限すべく、ボルトの軸部203Bを挿通する孔部221が穿設されたカバー部材220を、固定部材200の上面を覆うように取り付けている。そのため、部品点数が多く、設置作業が煩雑であると共にコストが嵩むという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、屋根材の適切な位置に太陽電池モジュールを固定することができると共に、一般的な太陽電池モジュールに対して汎用的に用いることができ、且つ、少ない部品点数からなる固定部材の提供を、課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明にかかる固定部材は、「屋根材に取り付けられる平板状のベース部と、該ベース部に立設された一対の天板支持部によって前記ベース部より高い位置に支持されている平板状の天板部と、該天板部を貫通し両端が閉端となった長孔部と、該長孔部を通過する大きさの軸部、及び、前記長孔部を通過しない大きさの頭部を備え、前記天板部より下方に前記頭部を位置させた状態で前記軸部を前記長孔部に挿通していると共に、太陽電池モジュールの支持部材に設けられた支持用孔部に前記軸部が挿通されるボルトと、該ボルトの前記頭部が通過する大きさで前記天板部を貫通し、前記長孔部の一端で前記長孔部と連通している頭部挿通孔と、前記長孔部の中心軸線を前記ベース部上に投影した線上に位置し、前記ベース部を貫通している固定用孔部とを具備する」ことを特徴とする。
【0010】
本明細書及び特許請求の範囲における「上、下」は、本発明の固定部材において屋根材に取り付けられる側を「下」として記載している。
【0011】
「屋根材」は、スレート系板、トタン板などの金属系板、木質板、樹脂系板に例示される屋根表面材、及び、野地板、垂木などの屋根構造材を指している。
【0012】
「太陽電池モジュールの支持部材」としては、太陽電池モジュールにおいて太陽電池パネルの辺縁を支持している枠体を挟持しつつ載置する台状の支持部材、本発明の固定部材の天板部上に載置された太陽電池モジュールの枠体を、上方から天板部に向けて押圧する支持部材を例示することができる。
【0013】
上記構成により、ベース部を屋根材に取り付け、長孔部に軸部を挿通した状態で倒立している頭部付きのボルトの軸部を、更に支持部材の支持用孔部に挿通した上でナットで締結することにより、固定部材を介して支持部材を屋根材に固定することができ、ひいては、支持部材に支持されている太陽電池モジュールを屋根材に固定することができる。その際、ボルトは長孔部に沿ってスライドさせることができるため、ベース部と支持部材とを相対的にスライドさせることができる。換言すれば、ベース部と支持部材とを、長孔部の長さ分だけ離隔接近させることができる。これにより、固定部材を屋根材の適切な位置に取り付けた上で、支持部材によってバランス良く太陽電池モジュールを支持させることができる。
【0014】
ここで、ベース部には固定用孔部が穿設されているため、ここに挿通した釘やネジ釘等の締結部材によって、固定部材を屋根材に取り付けることができる。本発明では、固定用孔部が「長孔部の中心軸線を前記ベース部上に投影した仮想線上に位置する」、すなわち、長孔部の中心軸線の真下の仮想線上に固定用孔部が位置するため、支持部材が支持する荷重を、ボルトを介して固定部材が受ける部分と同軸上で、固定部材が屋根材に留め付けられることとなる。従って、固定部材を介して、太陽電池モジュールを安定的に屋根材に固定することができる。特に、固定用孔部が垂木などの構造材上に位置するように調整すれば、構造材によって固定部材が安定的に支持されると共に、固定部材及び支持部材を介した太陽電池モジュールの屋根材への設置強度を高めることができ、好適である。
【0015】
また、長孔部は両端が閉端であるため、仮にボルトの締結にゆるみが生じたとしても、ボルトは長孔部の軒側の端部で自ずと止まる。すなわち、上記の特許文献1のカバー部材のような部材を別個に設けることなく、ボルトがスライドする範囲が制限されている。なお、ボルトの頭部は長孔部を通過しないが、頭部が通過できる大きさの頭部挿通孔が長孔部とつながっているため、倒立させたボルトの頭部を、頭部挿通孔を介して天板部より下方に位置させることができる。
【0016】
更に、本発明の固定部材は、太陽電池モジュール側が特定の構造を備えていることを要さないため、一般的な太陽電池モジュールに対して汎用的に用いることができる。加えて、支持部材についても、支持用孔部が設けられていれば太陽電池モジュールを支持する具体的な構造は問わないため、種々のタイプの支持部材を用いて太陽電池モジュールを屋根材に固定することができる。
【0017】
本発明にかかる固定部材は、上記構成に加え、「一対の前記天板支持部は、それぞれ前記ベース部の一対の辺から離れた位置で前記ベース部から立設されており、前記ベース部は、前記天板支持部と前記辺の間のベース側縁部を貫通している複数の補助固定用孔部、及び、前記ベース側縁部と前記天板支持部との境界に沿って形成された溝部とを備える」ものとすることができる。
【0018】
上記のように、固定用孔部に挿通した締結部材によって固定部材を屋根材に留め付けることに加え、「補助固定用孔部」に挿通した締結部材によっても、固定部材を屋根材に留め付けることができる。従って、より強固に固定部材を屋根材に固定することができ、ひいては、太陽電池モジュールの屋根材への設置強度を高めることができる。
【0019】
ここで、補助固定用孔部が設けられている「ベース側縁部」は、天板支持部より外側の部分であり天板部に覆われていないため、降雨により雨水がベース側縁部上を流下する。このとき、雨水は、ベース側縁部と天板支持部との境界に沿って形成された溝部に流れ込み易いため、補助固定用孔部を介して雨水が浸入するおそれを低減することができる。なお、締結部材を挿入した後の補助固定用孔部には、コーキング剤を充填することにより防水処理を施すことができる。
【0020】
本発明にかかる固定部材は、上記構成において、「一対の前記天板支持部のそれぞれは、前記ベース部から上方に延びる立壁部、該立壁部の途中から前記天板部側に延出され前記天板部より低い高さに位置する平板状の段部、及び、該段部から上方に延び前記天板部に至る第二立壁部を備える」ものとすることができる。
【0021】
上記構成により、天板部の両外側には、一段低いところに一対の段部が存在し、立壁部の段部より高い部分(以下、「立壁上部」と称する)、段部、及び第二立壁部によって、断面凹状の溝(以下、「凹状溝」と称する)が形成される。従って、太陽電池モジュールからの出力用電線や、テレビアンテナからのアンテナ線などの線材を、この凹状溝に収納することができ、太陽電池モジュールの下方の空間で屋根表面材上を引き回されるこれらの線材を、すっきりとまとめることができる。
【0022】
本発明にかかる固定部材は、上記構成に加え、「前記立壁部は、前記天板部と同じ高さに至ると共に、上端から前記天板部側に延出された立壁部突片を備え、前記天板部は、前記第二立壁部との交差部より前記立壁部側に延出されて前記立壁部突片と対向している天板部突片を備える」ものとすることができる。
【0023】
上記構成は、上記の凹状溝において、立壁部突片及び天板部突片が突出している分だけ、開口が狭くなっている構成である。従って、立壁部突片と天板部突片との間を通過する軸部と通過しない大きさの頭部を備える第二のボルトを用い、これを倒立させ、頭部が凹状溝内に位置した状態で軸部が立壁部突片と天板部突片との間を挿通するように配することができる。これにより、上記のボルトに加えて第二のボルトによって、支持部材を固定部材に対してより強固に連結することができ、ひいては、支持部材が支持する太陽電池モジュールを、固定部材でしっかりと支持して屋根材に固定することができる。
【0024】
また、凹状溝の開口が狭くなっていることを利用し、市販のケーブルホルダーを用いて、ケーブルを支持させることができる。すなわち、市販のケーブルホルダーとして、樹脂などの弾性部材で形成され、ケーブルを保持するリング状またはC字状のケーブル保持部と、カギ爪状の係止爪を備えているものがある。そのようなケーブルホルダーの係止爪側を弾性変形させて凹状溝内に押し込めば、係止爪は戻り変形して立壁部突片及び天板部突片によって係止されるため、ケーブル保持部が立壁部突片及び天板部突片より上方に位置する状態で、ケーブルホルダーが固定される。これにより、ケーブル保持部に線材を挿通し、保持させることができる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明の効果として、屋根材の適切な位置に太陽電池モジュールを固定することができると共に、一般的な太陽電池モジュールに対して汎用的に用いることができ、且つ、少ない部品点数からなる固定部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第一実施形態の固定部材の(a)平面図、及び(b)正面図である。
【図2】図1におけるX−X線端面図である。
【図3】図1の固定部材の斜視図である。
【図4】図1の固定部材による太陽電池モジュールの屋根材への固定を例示する図である。
【図5】図1の固定部材による太陽電池モジュールの屋根材への固定について、図4とは異なる例を示す図である。
【図6】図1の固定部材への第二ボルトの取り付けを説明する図である。
【図7】図1の固定部材へのケーブルホルダーの取り付けを説明する図である。
【図8】本発明の第二実施形態の固定部材の正面図である。
【図9】図8の固定部材の斜視図である。
【図10】本発明の第三実施形態の固定部材の正面図である。
【図11】図10の固定部材の斜視図である。
【図12】屋根材に取り付けられた固定部材の角度調整を説明する図である。
【図13】他の実施形態の固定部材の正面図である。
【図14】ベース部の外形の異なる他の実施形態の固定部材の平面図である。
【図15】従来技術(特許文献1)を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の第一実施形態である固定部材1について、図1乃至図7を用いて説明する。
【0028】
固定部材1は、屋根材に取り付けられる平板状のベース部10と、ベース部10に立設された一対の天板支持部20によってベース部10より高い位置に支持されている平板状の天板部40と、天板部40を貫通し両端が閉端となった長孔部41と、長孔部41を通過する大きさの軸部52、及び、長孔部41を通過しない大きさの頭部51を備え、天板部40より下方に頭部51を位置させた状態で軸部52を長孔部41に挿通していると共に、太陽電池モジュールの支持部材に設けられた支持用孔部に軸部52が挿通されるボルト50と、ボルト50の頭部51が通過する大きさで天板部40を貫通し、長孔部41の一端で長孔部41と連通している頭部挿通孔42と、長孔部41の中心軸線Nをベース部10上に投影した線上に位置し、ベース部10を貫通している固定用孔部15とを具備している。
【0029】
また、一対の天板支持部20は、それぞれベース部10の一対の長辺19から離れた位置でベース部10から立設されており、ベース部10は、天板支持部20と長辺19の間のベース側縁部11を貫通している複数の補助固定用孔部16、及び、ベース側縁部11と天板支持部20との境界に沿って形成された溝部30とを備えている。更に、一対の天板支持部20のそれぞれは、ベース部10から上方に延びる立壁部21、立壁部21の途中から天板部40側に延出され天板部40より低い高さに位置する平板状の段部25、及び、段部25から上方に延び天板部40に至る第二立壁部26を備えている。加えて、立壁部21は、天板部40と同じ高さに至ると共に、上端から天板部40側に延出された立壁部突片23を備え、天板部40は、第二立壁部26との交差部より立壁部21側に延出されて立壁部突片23と対向している天板部突片43を備えている。
【0030】
より詳細に説明すると、ベース部10、天板部40、段部25は、何れも平面視が長方形の平板であり、天板部40及び段部25の長手方向の長さは、ともにベース部10の長手方向の長さと等しい。また、立壁部21及び第二立壁部26は、ともにベース部10に対して垂直に延びると共に、長手方向の長さがベース部10の長手方向の長さと等しい長方形の平板である。そして、ベース部10の中心点を通り長手方向に延びる仮想線を「ベース部中心線M」と称すると、一対の立壁部21、一対の段部25、及び一対の第二立壁部26は、それぞれベース部中心線M対して線対称に設けられている。
【0031】
天板部40を貫通する長孔部41は、天板部40の長手方向(すなわち、ベース部10の長手方向)に長く延びた孔部であり、天板部40において、長手方向に直交する幅方向の中央に設けられている。従って、長孔部41の中心軸線Nをベース部10に投影した線は、本実施形態ではベース部中心線Mと一致する。そして、長孔部41の両端のうち、固定部材1を屋根材に取り付けた際に棟側となる端部と連通するように、頭部挿通孔42が設けられている。
【0032】
ボルト50は、頭部挿通孔42より径の小さな円形の頭部51付きのボルト50であり、その軸部52は、外周面にネジ溝が形成された円柱状のネジ軸部52bと、頭部51の付け根に形成された四角柱状の角柱軸部52aとからなる。そして、角柱軸部52aの幅は、長孔部41の幅より僅かに小さい長さとされている。これにより、ボルト50は、角柱軸部52aの外周面を長孔部41の内周面に当接させながら、回転不能に、長孔部41に沿ってスライドする。
【0033】
固定用孔部15は、ベース部10においてベース部中心線M上に二つが設けられており、一つはベース部10の軒側となる端辺の近傍に、もう一つは棟側となる端辺の近傍に設けられている。ここで、ベース部10においてベース部中心線Mに近い領域は、天板部40によって覆われているため、この領域に設けられた固定用孔部15にネジ釘などの締結部材71を挿通する作業の便宜のために、天板部40に孔部が設けられている。すなわち、軒側の固定用孔部15の上方となる位置の天板部40に、締結部材71の頭部51を挿通させるのに十分な大きさの作業用孔部47が、貫通して設けられている。この作業用孔部47は、長孔部41とは連通しないように、長孔部41の軒側の端部とは離隔して設けられる。
【0034】
一方、棟側の固定用孔部15は、頭部挿通孔42の下方となる位置でベース部10に設けられることにより、頭部挿通孔42が作業用の孔部を兼ねることができる。
【0035】
なお、ベース部10の上面における固定用孔部15の開口縁15sは、ベース部10おける他の位置の上面10sより、高い位置となっている(図1(b)参照)。
【0036】
また、本実施形態では、一対の第二立壁部26の下端を連結する連結部60が設けられている。この連結部60は、長孔部41、頭部挿通孔42、及び作業用孔部47が穿設されることによって、強度が低下しやすい天板部40の剛性を担保するものである。加えて、連結部60によって、倒立したボルト50が軸部52を長孔部41に挿通させた状態が保持される。すなわち、連結部60の上面と天板部40の底面との間の距離は、ボルト50の頭部51を連結部60に載置した状態で、角柱軸部52aの外周面が長孔部41の内周面と当接する長さに設定される。なお、連結部60には、作業用孔部47の下方となる位置に第二作業用孔部67が貫通して設けられている(図3参照)。
【0037】
上記構成の固定部材1は、ボルト50を除き、アルミ合金等の金属製の押出型材を所定長さに切断し、長孔部41、頭部挿通孔42、固定用孔部15、補助固定用孔部16、作業用孔部47、及び、第二作業用孔部67を穿設することにより製造することができる。或いは、鋳造や、合成樹脂を用いた射出成型によって形成することができる。ここで、合成樹脂を用いる場合は、耐候性に優れるコーティング剤で被覆することにより、固定部材1の耐候性を高めることができる。また、繊維強化プラスチックを用いれば、耐候性に優れると共に高強度の固定部材1を製造することが可能である。
【0038】
次に、支持部材の具体例を挙げ、支持部材及び固定部材1を介した太陽電池モジュールの屋根材への固定について説明する。まず、太陽電池モジュールの枠体を上方から押圧するタイプの支持部材80を用いる場合について、図4を用いて説明する。ここで、太陽電池モジュール130は、複数の太陽電池セルを有し平面視が長方形で平板状の太陽電池パネル132と、太陽電池パネル132の外周辺を支持する枠体131とを備えており、太陽電池パネル132の底面には出力用電線(図示しない)が接続されている。
【0039】
支持部材80は、押圧部材81とスペーサ部材82とを備えている。ここで、押圧部材81は、平板状の基板部81aと、基板部81aの両端から上方へ延出した一対の立板部81bと、立板部81bの上端から互いに離反する方向に基板部81aと平行に延びる当接部81cと、基板部81aの中央を貫通し固定部材1のボルト50の軸部52を挿通させる第一支持用孔部81hとを備えている。また、スペーサ部材82は、一対の立板部81bの内側面間の距離より僅かに長い幅の平板状の基部82aと、基部82aの両端から上方に延出した一対の側部82bと、基部82aの中央を貫通し、固定部材1のボルト50の軸部52を挿通させる第二支持用孔部82hとを備えている。ここで、押圧部材81の「第一支持用孔部81h」及びスペーサ部材82の「第二支持用孔部82h」が、本発明の「支持用孔部」に相当する。
【0040】
なお、押圧部材81及びスペーサ部材82は、共に単一断面の長尺部材を所定長さに切断して得ることができ、それぞれの長さは、例えば、固定部材1のベース部10の幅の約2倍とすることができる。
【0041】
このような構成の支持部材80を用いることにより、太陽電池モジュール130は固定部材1によって次のように屋根材Rに固定される。なお、以下は、太陽電池モジュール130が支持部材80及び固定部材1を介して屋根材Rに固定される構造及び原理を説明するものであり、施工手順を説明するものではない。まず、固定部材1は、屋根材Rにおいて適切な位置に取り付けられる。例えば、屋根材Rがスレート板の場合、それぞれのスレート板の軒側端辺から70mm以内、及び、隣接して敷設されるスレート板との境界から50mm以内には、部材を取り付けることができない等の制限がある。また、ベース部10の固定用孔部15に挿通する締結部材71は、スレート板などの屋根表面材や野地板を貫通して垂木に留め付けることができれば、より望ましい。このような観点から固定部材1の配置を決定し、固定用孔部15に挿通した締結部材71、及び、必要に応じて補助固定用孔部16に挿通した締結部材71によって、ベース部10が屋根材Rに留め付けられる。このとき、固定部材1が取り付けられる向きは、ベース部10の長手方向が屋根の流れ方向と一致すると共に、頭部挿通孔42が設けられている側が棟側となる向きとする。
【0042】
一方、太陽電池モジュール130は、隣接する枠体131間にスペーサ部材82が介在する状態で、固定部材1の天板部40の上に載置される。このとき、隣接する枠体131間には、当接部81cの下面と枠体131の上面とが当接する状態で、押圧部材81が嵌め込まれる。そして、ボルト50の軸部52を、スペーサ部材82の第二支持用孔部82h、及び、押圧部材81の第一支持用孔部81hに挿通し、ボルト50を長孔部41に沿ってスライドさせることにより、上記のようにベース部10を屋根材Rにおける適切な位置に取り付けた上で、支持部材80を枠体131に対してスライドさせ、枠体131に対する支持部材80の位置を適切な位置に調整することができる。例えば、一枚の太陽電池モジュール130を複数の支持部材80で支持する場合、支持部材80の位置関係を、太陽電池モジュール130をバランスよく支持できるように調整することができる。そして、ボルト50をナット55で締結することにより、枠体131は押圧部材81によって固定部材1の天板部40に対して押圧されるため、固定部材1を介して太陽電池モジュール130を屋根材Rに固定することができる。
【0043】
なお、押圧部材81の一対の立板部81b間にカバー部材83を嵌合させれば、ボルト50の軸部52を挿通させている第一支持用孔部81h及び第二支持用孔部82hの上方がカバー部材83で被覆されるため、孔部を介した雨水の浸入を防止することができる。また、太陽電池モジュール130を屋根上に設置する範囲における軒側の端部または棟側の端部においては、支持部材80は軒カバーまたは棟カバーと太陽電池モジュール130との間に配される(図4では、棟カバー134を例示している)。
【0044】
支持部材の別の例として、太陽電池モジュールの枠体を挟持しつつ載置する台状の支持部材90を用いる場合について、図5を用いて説明する。支持部材90は、箱状の基台部91と、基台部91の上面の端辺近くから上方に立ち上がった立設部92と、立設部92の上端から両側に基台部91の上面と平行に延びる阻止部93とを主に備えている。また、基台部91は、太陽電池モジュールの枠体を載置する載置部95と、固定部材1に取り付けられる取付部96を備えており、取付部96には固定部材1のボルト50の軸部52を挿通させる支持用孔部96hが貫通して穿設されている。更に、載置部95には、支持用孔部96hと同軸に、ボルト50にナット55を締結するための作業用孔部95hが設けられている。
【0045】
上記のような構成により、太陽電池モジュールの枠体の端辺を立設部92に当接させると共に、阻止部93と載置部95との間に枠体を挟持しつつ、載置部95に枠体を載置させることにより、支持部材90によって太陽電池モジュールを支持することができる。そして、ボルト50の軸部52を支持部材90の支持用孔部96hに挿通し、ボルト50を長孔部41に沿ってスライドさせることにより、上記のようにベース部10を屋根材における適切な位置に取り付けた上で、枠体に対する支持部材90の位置を適切な位置に調整することができる。
【0046】
なお、本実施形態の固定部材1は、上記構成の支持部材80,90に限らず、ボルト50の軸部52を挿通できる支持用孔部を備えていれば、太陽電池モジュールを支持する具体的な構成を問わず、種々の支持部材を用いて太陽電池モジュールを屋根材に固定することが可能である。
【0047】
また、本実施形態の固定部材1は、立壁部21において段部25より高い部分である立壁上部22、段部25、及び、第二立壁部26によって形成されて長手方向に延びる凹状溝27を備えており、凹状溝27は突出している立壁部突片23及び天板部突片43によって開口が狭められている。これにより、図6に示すように、立壁部突片23と天板部突片43との間を通過する軸部72bと通過しない大きさの頭部72aを備える第二ボルト72を用いて、支持部材と固定部材1とをより強固に連結することができ、ひいては、太陽電池モジュールを固定部材1でしっかりと支持して屋根材に固定することができる。
【0048】
また、図7に示すように、凹状溝27にケーブルホルダー75を取り付けることもできる。ここで、ケーブルホルダー75は、弾性を有する樹脂製であり、C字状のケーブル保持部75aと、カギ爪状の係止爪75bを備えている。このような構成により、係止爪75b側を弾性変形させて凹状溝27内に押し込めば、係止爪75bは戻り変形して立壁部突片23及び天板部突片43によって係止されるため、ケーブル保持部75aが立壁部突片23及び天板部突片43より上方に位置する状態でケーブルホルダー75が固定される。従って、太陽電池モジュールの底面に接続された出力用電線などのケーブルを、ケーブル保持部75aに保持させ、すっきりとまとめることができる。
【0049】
ここで、屋根材に取り付けられる固定部材1の角度の調整について、図12を用いて説明する。ここでは、野地板Gの上にスレート板等の板材rfが敷設された屋根材に、固定部材1が取り付けられる場合を例示する。一部を重ね合わせて敷設される板材rfの境界上にかかるように固定部材1が取り付けられる際、12(a)に示すように、板材rfと等しい厚さのスペーサSを、固定部材1の軒側の端部の底面に噛ませるのが一般的である。これにより、固定部材1の底面は最上面の板材rfに対して平行となるが、野地板Gに対しては傾いた状態で取り付けられることになる。そのため、屋根の流れ方向において、異なる高さに取り付けられた複数の固定部材1によって太陽電池モジュールを支持させようとすると、太陽電池モジュールに対して曲げ応力が作用してしまう。
【0050】
そこで、図12(b)に示すように、固定部材1の底面B1に、屋根の流れ方向に直交する方向に延びる窪みを設け、ここにブチルゴムなど、他の部材の形状に沿って変形し易い材料S2を配することにより、固定部材1の底面を野地板Gに対して平行にすることができる。或いは、図12(c)に示すように、固定部材1の底部B2に、野地板Gに対する板材rfの傾きに対応させた傾斜を形成することによっても、固定部材1の底面を野地板Gに対して平行にすることができる。
【0051】
また、図12(d),(e)に示すように、上記のスペーサS(板材rfと厚さが同一で軒側の端部に配される)に加え、野地板Gに対する板材rfの傾斜に対応させて斜めに形成されたスペーサS3,S4を、固定部材1の底面と板材rfとの間に噛ませることによっても、固定部材1の底面を野地板Gに対して平行にすることができる。
【0052】
ここで、図12(b),(c)のように、固定部材1自体の形状で傾斜を調整する場合は、固定部材1の製造に手間がかかりコストが嵩むという難点がある反面で、傾きが調整された状態が安定的に持続しやすいという利点がある。これに対し、図12(d),(e)のように、スペーサS3,S4によって傾斜を調整する場合は、傾きが調整された状態を持続させるために、スペーサS3,S4として用いられる部材に耐候性が要求されるという問題がある反面で、固定部材1自体の形状を変化させる必要がないため、簡易かつ安価に調整を行うことができるという利点がある。
【0053】
次に、第二実施形態の固定部材2について、図8及び図9を用いて説明する。ここで、第一実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。なお、図で8及び図9は、ボルトを省略して図示している。
【0054】
固定部材2は、屋根材に取り付けられる平板状のベース部10と、ベース部10に立設された一対の天板支持部20によってベース部10より高い位置に支持されている平板状の天板部40と、天板部40を貫通し両端が閉端となった長孔部41と、長孔部41を通過する大きさの軸部52、及び、長孔部41を通過しない大きさの頭部51を備え、天板部40より下方に頭部51を位置させた状態で軸部52を長孔部41に挿通していると共に、太陽電池モジュールの支持部材に設けられた支持用孔部に軸部52が挿通されるボルト50と、ボルト50の頭部51が通過する大きさで天板部40を貫通し、長孔部41の一端で長孔部41と連通している頭部挿通孔42と、長孔部41の中心軸線Nをベース部10上に投影した線上に位置し、ベース部10を貫通している固定用孔部15とを具備している。また、一対の天板支持部20は、それぞれベース部10の一対の長辺19から離れた位置でベース部10から立設されており、ベース部10は、天板支持部20と長辺19の間のベース側縁部11を貫通している複数の補助固定用孔部16、及び、ベース側縁部11と天板支持部20との境界に沿って形成された溝部30とを備えている。更に、一対の天板支持部20のそれぞれは、ベース部10から上方に延びる立壁部21、立壁部21の途中から天板部40側に延出され天板部40より低い高さに位置する平板状の段部25、及び、段部25から上方に延び天板部40に至る第二立壁部26を備えている。
【0055】
第二実施形態が第一実施形態と相違する点は、立壁部21が立壁部突片23を備えておらず、天板部40も天板部突片43を備えていない点である。従って、図8に例示するように、立壁上部22、段部25、及び、第二立壁部26によって形成された凹状溝27に、直接的にケーブル73を収納することができる。なお、凹状溝27に収納されたケーブル73は、例えば、立壁部21に貫通孔を設け、この貫通孔に通した針金や紐状の部材などで縛ることにより保持することができる。
【0056】
次に、第三実施形態の固定部材3について、図10及び図11を用いて説明する。ここで、第一実施形態及び第二実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。なお、図10及び図11では、ボルトを省略して図示している。
【0057】
固定部材3は、屋根材に取り付けられる平板状のベース部10と、ベース部10に立設された一対の天板支持部29によってベース部10より高い位置に支持されている平板状の天板部40と、天板部40を貫通し両端が閉端となった長孔部41と、長孔部41を通過する大きさの軸部52、及び、長孔部41を通過しない大きさの頭部51を備え、天板部40より下方に頭部51を位置させた状態で軸部52を長孔部41に挿通していると共に、太陽電池モジュールの支持部材に設けられた支持用孔部に軸部52が挿通されるボルト50と、ボルト50の頭部51が通過する大きさで天板部40を貫通し、長孔部41の一端で長孔部41と連通している頭部挿通孔42と、長孔部41の中心軸線Nをベース部10上に投影した線上に位置し、ベース部10を貫通している固定用孔部15とを具備している。また、一対の天板支持部29は、それぞれベース部10の一対の長辺19から離れた位置でベース部10から立設されており、ベース部10は、天板支持部29と長辺19の間のベース側縁部11を貫通している複数の補助固定用孔部16、及び、ベース側縁部11と天板支持部29との境界に沿って形成された溝部30とを備えている。
【0058】
第三実施形態が第一実施形態及び第二実施形態と相違する点は、一対の天板支持部29がベース部10から垂直に立ち上がり、そのまま屈曲することなく天板部40を支持している点である。また、連結部61は上方に開口した断面コ字状であり、天板部40の下方で、長孔部41を挟み天板部40の両側縁を架渡すように設けられている。従って、第一実施形態及び第二実施形態に比べると極めてシンプルな構成であり、太陽電池モジュールを屋根材に対して固定するための機能を確保しつつ、簡易かつ低廉に製造することができる。
【0059】
以上のように、第一実施形態〜第三実施形態の固定部材1,2,3によれば、ベース部10を屋根材に取り付け、ボルト50の軸部52を支持部材の支持用孔部に挿通した上でナット55で留め付けることにより、固定部材1を介して支持部材を屋根材に固定することができ、ひいては、太陽電池モジュールを屋根材に固定することができる。その際、ボルト50は長孔部41に沿ってスライドさせることができるため、屋根材に対する固定部材1の取り付け位置、及び、太陽電池モジュールに対する支持部材の取り付け位置を、ともに適切な位置に調整することができる。
【0060】
また、固定用孔部15がベース部中心線M上に設けられており、ベース部中心線Mは長孔部41の中心軸線Nをベース部10に投影した線と一致している。従って、固定部材1がボルト50を介して支持部材の荷重を受ける部分と、同軸上で固定部材1が屋根材に留め付けられるため、太陽電池モジュールを安定的に屋根材に固定することができる。
【0061】
更に、長孔部41は両端が閉端であるため、長孔部41の長手方向が屋根の流れ方向と一致するように固定部材1が屋根材に取り付けられる場合に、ボルト50が軒側に外れて落ちるおそれがないものとなっている。
【0062】
加えて、太陽電池モジュール側が特定の構造を備えていることを要さず、支持部材についても、支持用孔部が設けられていれば太陽電池モジュールを支持する具体的な構造は問わないため、固定部材1,2,3を一般的な太陽電池モジュール及び種々のタイプの支持部材に対して、広く適用することができる。
【0063】
また、ベース側縁部11と天板支持部20との境界に沿って溝部30が形成されているため、雨水は溝部30に沿って流れやすく、補助固定用孔部16を介して雨水が浸入することを抑制することができる。加えて、ベース部10の上面における固定用孔部15の開口縁15sは、ベース部10の他の部分の上面10sより高く形成されているため、屋根材上を流下する雨水がベース部10を流れることがあったとしても、固定用孔部15を介して雨水が浸入することが抑制されている。
【0064】
更に、連結部60,61を備えていることにより、長孔部41や頭部挿通孔42などが設けられた天板部40の剛性が高められていると共に、極めて簡易な構成によって、倒立しているボルト50の落下が防止され、ボルト50が軸部52を長孔部41に挿通している状態が保持されている。
【0065】
加えて、第一実施形態及び第二実施形態の固定部材1,2は、天板部40の両側に一対の凹状溝27を備えるため、出力用電線などのケーブル73をここに保持させることができる。
【0066】
更に、第一実施形態の固定部材1は、凹状溝27の開口が狭められているため、これを利用し、支持部材と連結に使用するボルトの本数を増やし、支持部材と固定部材との連結をより強固にすることができる。或いは、凹状溝27にケーブルホルダー75を容易に取り付けることができるため、ここに出力用電線などのケーブル73を保持することもできる。
【0067】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0068】
例えば、上記では、天板部40の剛性を高めると共に、ボルト50が軸部52を長孔部41に挿通させた状態を保持する連結部60,61を備える場合を例示したが、図13に示すように、ボルト50の頭部51が通過しない大きさの開口62hが設けられた連結部62を備える固定部材4とすることができる。このような構成としても、ボルト50が軸部52を長孔部41に挿通させた状態を保持できると共に、開口62hを設けたことにより、押出成型による固定部材(ボルトを除く)の製造が容易となる。
【0069】
また、上記では、ベース部10の外形が平面視で長方形の場合を例示したが、これに限定されない。例えば、図14に示すように、棟側となる端部が中央で突出した三角形状、または舳先のような形状とされたベース部10bを備える固定部材5とすることができる。このようにすることにより、屋根表面材上を流下する雨水がベース部10b上に乗り上げにくいものとなり、固定用孔部15や補助固定用孔部16を介して雨水が浸入するおそれを、より低減することができる。
【0070】
更に、上記では、ボルトとして、円形の頭部を有し、軸部の根本に四角柱状の角柱軸部を備えるものを使用する場合を例示したが、ボルトの種類はこれに限定されず、例えば、六角ボルトや六角穴付きボルトを使用することもできる。
【符号の説明】
【0071】
1,2,3,4,5 固定部材
10 ベース部
11 ベース側縁部
15 固定用孔部
16 補助固定用孔部
20,29 天板支持部
21 立壁部(天板支持部)
23 立壁部突片
25 段部(天板支持部)
26 第二立壁部(天板支持部)
40 天板部
41 長孔部
42 頭部挿通孔
50 ボルト
51 頭部
52 軸部
80,90 支持部材
81h 第一支持用孔部(支持用孔部)
82h 第二支持用孔部(支持用孔部)
96h 支持用孔部
N 長孔部の中心軸線
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【特許文献1】特開2004−324181号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根材に取り付けられる平板状のベース部と、
該ベース部に立設された一対の天板支持部によって前記ベース部より高い位置に支持されている平板状の天板部と、
該天板部を貫通し両端が閉端となった長孔部と、
該長孔部を通過する大きさの軸部、及び、前記長孔部を通過しない大きさの頭部を備え、前記天板部より下方に前記頭部を位置させた状態で前記軸部を前記長孔部に挿通していると共に、太陽電池モジュールの支持部材に設けられた支持用孔部に前記軸部が挿通されるボルトと、
該ボルトの前記頭部が通過する大きさで前記天板部を貫通し、前記長孔部の一端で前記長孔部と連通している頭部挿通孔と、
前記長孔部の中心軸線を前記ベース部上に投影した線上に位置し、前記ベース部を貫通している固定用孔部と
を具備することを特徴とする固定部材。
【請求項2】
一対の前記天板支持部は、それぞれ前記ベース部の一対の辺から離れた位置で前記ベース部から立設されており、
前記ベース部は、前記天板支持部と前記辺の間のベース側縁部を貫通している複数の補助固定用孔部、及び、前記ベース側縁部と前記天板支持部との境界に沿って形成された溝部とを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の固定部材。
【請求項3】
一対の前記天板支持部のそれぞれは、前記ベース部から上方に延びる立壁部、該立壁部の途中から前記天板部側に延出され前記天板部より低い高さに位置する平板状の段部、及び、該段部から上方に延び前記天板部に至る第二立壁部を備える
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固定部材。
【請求項4】
前記立壁部は、前記天板部と同じ高さに至ると共に、上端から前記天板部側に延出された立壁部突片を備え、
前記天板部は、前記第二立壁部との交差部より前記立壁部側に延出されて前記立壁部突片と対向している天板部突片を備える
ことを特徴とする請求項3に記載の固定部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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