説明

固形又は半固形インプラントを注入する装置

本発明は、インプラント(6)を患者の皮膚(50)内に注入する装置に関する。本発明の装置は、(A)中空の中空第1本体(2;2’)と、この中にインプラント(6)が導入される中空の中空ニードル(4;4’)が固定され、(B)第2本体(26;26’)と、前記第2本体(26;26’)は、中空第1本体(2;2’)内に同軸に配置されて、前記中空ニードル(4;4’)を包囲し、(C)ピストンロッド(36;36’)とを有し、前記ピストンロッド(36;36’)は、前記中空ニードル(4;4’)の中を軸方向にスライドし、前記装置が患者の皮膚(50)に対し押されたときには、前記中空第1本体(2;2’)は、第2本体(26;26’)に沿って近位端から遠位端にスライドし、これにより中空ニードル(4;4’)が、前記患者の皮膚(50)を刺し、結合手段が前記中空第1本体(2;2’)と、ピストンロッド(36;36’)の間に配置され、それにより前記注入装置(1;1’)の移動がピストンロッド(36;36’)の追随する移動に伴われ、前記結合手段が解放されると、前記ピストンロッド(36;36’)は固定され、前記インプラント(6)を患者の皮膚(50)の所望の深さに維持し、上記のこれは中空第1本体(2;2’)が遠位端から近位端に戻るときに、前記中空ニードル(4;4’)が、前記患者の皮膚(50)から引き抜かれるまで行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注入装置に関し、特に、固形或いは半固形の活性薬剤因子(インプラントとも称する)を筋肉あるいは皮下から注入する装置に関する。本発明は、更に、動物等を特定する電子チップのような人間或いは動物用の固体の注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
前記の注入装置は、既に特許文献1で公知である。この種の注入装置は、2つの本体を有し、そこにニードル(針)が保持部材を介して固定される。ロッドが、ニードル内を同軸にスライドし、このニードル内に装填されたインプラントに当たって停止する。第2本体が第1本体内に同軸内に配置され、このニードルを包囲する。その結果ニードルは、注入前に飛び出すことはない。第2本体は、その長さ方向に沿って様々な場所に1つあるいは複数個のスロットを有する。このスロットが、第2本体の2つの部分を、半径方向に伸びる接続要素により結合する。ロッドは、隆起部分を有する。この隆起部分が、前記ロッドの動きを停止させる手段として用いられる。ロッドはピストンに接続される。このピストンは、そのベース部分で軸方向の孔を有する。ガイド要素が、ピストンに固定され、第1本体内に配置されて、前記ピストンとロッドとを、ガイドする。
【0003】
【特許文献1】ヨーロッパ特許第0783342号明細書
【0004】
上記の注入装置の欠点は、沢山の部品から構成されていることである。それ故に、製造価格が上がり組立も難しい。更に注入装置の構成要素相互の相対的動きは、複雑であり、誤操作のリスクが上がる。別の欠点は、インプラント注入前後の注入装置の構造は、同一ではなく、特に嵩張りかくして保管が困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記の欠点及びその他の欠点を解決することである。本発明の目的は、特に小数の部品のみで構成され、製造コストも安く組立も容易な注入装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
インプラントを患者の皮膚内に注入する注入装置において、中にインプラントが導入される中空のニードルが固定される中空の第1本体と、前記第1本体内に同軸に配置され、前記中空ニードルを包囲する第2本体と、前記中空ニードルの中を軸方向にスライドするピストンロッドとを有する。前記注入装置が患者の皮膚に押された時は、前記第1本体は、第2本体に沿って近位端から遠位端にスライドし、前記中空ニードルが、前記患者の皮膚を突き刺す。結合手段が、前記第1本体とピストンロッドの間に配置される。前記結合手段により、前記注入装置の移動にピストンロッド移動が追従する。前記結合手段が解放されると、前記ピストンロッドは、固定された状態であり、前記第1本体が遠位端から近位端に戻り、前記中空ニードルが、前記患者の皮膚から引き抜かれるまで、前記インプラントを患者の皮膚の所定深さに留置する。
【0007】
これらの特徴により、本発明の注入装置は、特に小数の部品のみで構成され、製造コストも安く組立も容易である。更に本発明の注入装置の構成は、インプラント注入の前後を通じて、同一であり、第1本体は、近位位置から遠位位置に移動し、その後最初の近位位置に戻る。かくして注入装置に必要とされるスペースは、限られ、これ故に本発明の注入装置の包装と収納が容易になる。
【0008】
本発明の他の特徴によれば、ピストンロッドは、第1本体がその近位位置から遠位位置に動く時に、第1本体により駆動される。このピストンロッドは、第1本体が遠位位置から近位位置に戻る時に、第1本体から切り離される。
【0009】
他の特徴によれば、注入装置の構成部品の相対的動きが単純化され、これにより注入装置の誤操作のリスクを回避できる。
【0010】
本発明の他の特徴によれば、注入装置は、使用前にはロックされず、使用後にロックされるような機構を有する。
【0011】
かくして使用前に、本発明の注入装置は、偶発的にロックされることがなく、使用後に第2本体が第1本体上に不可逆的にロックされる。この為、本発明の注入装置の連続的使用が不可能となる。更に医療関係者を刺し感染させるリスクも回避できる。
【0012】
本発明は、固形あるいは半固形の物体を、治療目的か否かを問わず、注入する装置を提供し、少数の部品から構成され、組立が容易で、信頼性の高い操作が可能な注入装置を提供する。本発明の注入装置は、インプラント注入後に不可逆的にロックし、本発明の注入装置の再使用を不可能にし、感染を引き起こす偶発的医療過誤のリスクを減らす。
【実施例】
【0013】
本明細書において「近位端」とは、医療関係者が注入装置を掴む端部を意味し、「遠位端」とは、ニードル等の注入装置の端部を意味する。
【0014】
図1−3Bを参照して、本発明の注入装置の第1実施例を説明する。図3A−3Bに示す注入装置1は、中空の第1本体2を有する。この第1本体2内にニードル4が永久的に固定される。ニードル4内にインプラント6が装填(導入)される。本発明の装置により注入されるインプラント6は、固形又は半固形の薬剤あるいは非治療用インプラント(例、生物を特定するのに用いられる電子チップ)を含む。
【0015】
ニードル4は、その遠位端に傾斜部分8を有する。傾斜部分8の形状は、注入装置1のアプリケーションに適したもの、特に薬剤の投与に適したものである。その近位端でニードル4は、保持部分10に固定して搭載される。貫通孔12が、ニードル4を搭載するために、保持部分10に形成される。この貫通孔12は、ニードル4の外径以上の直径D1の第1部分を有し、そこにニードル4の近位端が、係合される。貫通孔12の直径D1の第1部分の後に直径D2の第2部分が続く。この直径D2は、ニードル4の外径よりも小さく、その結果ニードル4は、保持部分10に摩擦により保持される。ニードルを固定することは、結合あるいは他の手段によりさらに強化できる。貫通孔12の直径D2の第2部分の後に、コーン形状の第3部分が続く。この第3部分は、本発明の注入装置1の近位端の方向に沿って拡張し、ピストンロッド36がガイドされ、挿入される。
【0016】
保持部分10の第1変形例(図示せず)によれば、保持部分10は、第1本体2と一体に形成される。図に示す第2変形例によれば、保持部分10は、下部管状部品14と上部管状部品16の結合部分として用いられる。この下部管状部品14と上部管状部品16が、第1本体2を形成する。この貫通孔12内に保持部分10が入る。図に示した実施例においては、保持部分10は円筒形状部品の一部である。第1本体2が、例えば注入装置1の取り扱いを容易にするために平坦な部分を有してもよい。注入装置1を適正に把持する場所を医療関係者に示すためには、保持部分10は、円筒形状でなくてもよい。
【0017】
保持部分10は、外側側面壁18を有する。この外側側面壁18は、貫通孔12がその中を同軸に伸びる内側内部空間を規定する。貫通孔12は、チューブ部分で具体化される。チューブ部分は、外側側面壁18に、1個好ましくは2個の半径方向リブ22により、結合される。
【0018】
第1本体2の近位端は、第1本体2と一体に形成された指置き部分24を具備するか、あるいは追加された部分で形成される。
【0019】
第1本体2は、第2本体26に沿ってスライド可能である。この第2本体26も、中空であり、第1本体2の内側に同軸に配置され、ニードル4を包囲する。第2本体26は、2個の直線状スロット30を具備するチューブ28の形態である。この直線状スロット30は、チューブ28の遠位端から高さhまで伸び、ニードル4の突き刺し深さを決定する。チューブ28の近位端は、注入装置1の把持を容易にする手段(例えばボタン32)を有する。ボタン32は、第2本体26と一体に形成されるか、追加部品で形成される。チューブ28の内側表面に、第2本体26はブロック手段34を有する。このブロック手段34は、例えば2個の隆起した部分の形態である。
【0020】
本発明の注入装置1は、ピストンロッド36を有する。このピストンロッド36はニードル4の内側をスライド可能であり、組織内の所定の深さにインプラント6を留置するために用いられる。ピストンロッド36は、ヘッド38を有する。このヘッド38は、第2本体26上のブロック手段34と共働し、第2本体26を第1本体2から切り離す。
【0021】
図4A−4Dと図5A−5Dを参照して、本発明の注入装置1の動作を説明する。第1本体2は、近位位置と遠位位置の間でのみ動く。この近位位置と遠位位置とは、それぞれ、第2本体26上に配置された上部停止部材40と下部停止部材42により制御される。図3Aに示した実施例においては、上部停止部材40は、ボタン32により形成される。このボタン32に第1本体2が指置き部分24を介して当たる。下部停止部材42は、直線状スロット30の下部により形成される。この直線状スロット30に、第1本体2が第2本体26に沿って軸方向にスライドした時に、半径方向リブ22を介して当たる。
【0022】
ピストンロッド36は、近位位置と遠位位置の間でのみ動く。この近位位置と遠位位置とは、それぞれ、第2本体26上に配置された上部停止部材44と下部停止部材46により制御される。この図に示した実施例においては、上部停止部材44は、ブロック手段48により形成される。このブロック手段48は、注入後第2本体26を第1本体2上に不可逆的にブロックする。ブロック手段48は、注入装置1がこの要素を含む場合には、指置き部分24と一体に形成される。ニードル4の保持部分10の上面は、下部停止部材46を形成する。
【0023】
図4A,5Aにおいて、本発明の注入装置1は、医療関係者が右手で掴んでいる状態を示す。この状態において、第1本体2はボタン32の近くの近位位置にあり、第2本体26が、ニードル4(傾斜面8までも)を包囲する。この為、ニードル4が、誤って人を刺すリスクを回避できる。ニードル4は、注入前は患者の目から見えない。医療関係者は、右手で注入装置1の第1本体2を掴み、注入装置1の遠位端を患者の皮膚50に押し当てる。注入装置1が適正に配置されると、医療関係者は第1本体2を皮膚50に当てて押す。すると、ニードル4は、第2本体26に沿って軸方向にスライドし始め、ニードル4は、第1本体2に固定されているが、患者の皮膚50を突き刺す。同時に、第1本体2は、ピストンロッド36をブロック手段48の底部表面を介して駆動する。その結果、ピストンロッド36のニードル4とインプラント6に対する位置は変わらない。第1本体2が遠位位置に到達する直前に、ピストンロッド36のヘッド38は、その底部でブロック手段34のレベルに到達し、ブロック手段34を通過する(図6)。ピストンロッド36のヘッド38が、ブロック手段34に対し相対的に動くことができるのは、ピストンロッド36が第1本体2上に配置された上部停止部材44に当たって動かず、ブロック手段34が弾性変形してヘッド38が通り抜けることができるからである。ブロック手段34がピストンロッド36のヘッド38を通過した後、第1本体2は、半径方向リブ22により規定されるその遠位端位置に到達し、直線状スロット30の下部に到達する。その時点で、ニードル4は患者の皮膚50内の最深突き刺し位置に到達する(図4B,5B)。
【0024】
図4C,5Cにおいて、この段階で、インプラント6のバック注入操作が行われる。即ちインプラント6が、周囲の状況とは無関係に所定の深さに留置される。従来の注入操作とは異なり、医療関係者は、注入装置1を患者の皮膚50に自分の親指でボタン32を押し、自分の人差し指と中指を指置き部分24の下に置き、第1本体2を近位位置に戻す。この動きの間、第1本体2は第2本体26に沿ってスライドする。この結果、ニードル4が徐々に患者の皮膚50から引き抜かれる。しかしピストンロッド36は、第1本体2の戻り動作には追従しない。ピストンロッド36は、第2本体26に具備されたブロック手段34により保持され、第1本体2から切り離されて動かない状態になる。ニードル4が患者の皮膚50から抜き出る時に、停止しているピストンロッド36は、第1本体2とともに戻るニードル4を徐々に貫通する。かくしてインプラント6は、第1本体2から出て、インプラント6に当たっているピストンロッド36の遠位端により、患者の皮膚50内の所定の深さに留置される。第2本体26の長さは、ニードル4がピストンロッド36に対し動いたときに、ピストンロッド36は、ニードル4の先端を超えて動か(飛び出さ)ないが、傾斜部分8のヒールと少なくとも同一面になるか、或いはインプラント6は、既に患者の皮膚50に大部分が係合しサポートを必要としない程度傾斜部分8に十分近くなるような長さである。
【0025】
図4D,5Dを参照する。第1本体2が近位端の位置に戻ると、インプラントの注入操作は完了する。第1本体2が第2本体26に対し上方向へ戻る動作の間、ニードル4の保持部分10の上面は、ピストンロッド36のヘッド38に合う。保持部分10の上面がピストンロッド36のヘッド38をブロックする。第1本体2の下方向への動きの間、第2本体26に搭載されたブロック手段34は、ピストンロッド36のヘッド38を超えて動くが、これは第1本体2の上方向への動きが継続するよう、ブロック手段34が弾性変形することにより行われる(図7)。最後に第1本体2が、第2本体26にブロック手段48を介して不可逆的にロックされる。注入装置1に必要とされるスペースは、使用の前後を通じて同一であり、この為医療関係者による装置の取り扱いと保管が容易になる。
【0026】
図8A,8Bと図9A,9Bを参照して、本発明の注入装置1の使用前のブロックと使用後のロックについて以下説明する。図8A,8Bを参照すると、ピストンロッド36のヘッド38は、ほぼ円筒形状部材の一部であり、その近位端にスタッド54を規定する環状肩部52を有する。このスタッド54を介して、ヘッド38は、第1本体2に配置されたブロック手段48と共働する。ロック手段48は、リング56を有する。このリング56は、指置き部分24に1本好ましくは2本の半径方向アーム58を介して接続される(図15,16)。注入装置1が指置き部分24を有さない場合には、ブロック手段48は、第1本体2と一体に形成することができる。ヘッド38は、貫通孔60を有する。この貫通孔60内をピストンロッド36が貫通し、その近位端62がそこから突出する。本発明によれば、ピストンロッド36のヘッド38は、スタッド54で、リング56で形成された円形開口に係合し、半径方向アーム58に環状肩部52で当たる。ピストンロッド36の近位端62は、ロック手段64と共働する。このロック手段64は、好ましくは、ボタン32と一体に形成される。図8Bにおいて、ロック手段64は、一対のクリップ66を有する。この一対のクリップ66の間に、ピストンロッド36の近位端62が係合する。この状態で、ピストンロッド36の近位端62は、クリップ66を弾性的に拡張し、クリップ66は、その静止位置から若干離れる方向に広がり、クリップ66が、リング56により形成された円筒状開口に入るのを阻止する。かくして使用前においては、本発明の注入装置1は、ロックする方向にはブロックされ、ピストンロッド62は、第1本体2内に入り込まない。
【0027】
注入操作の開始時に、第1本体2は、第2本体26に沿ってスライドし、ニードル4を患者の皮膚50内に突き刺す。第1本体2は、同時にピストンロッド36も動かす。図9A,9Bを参照すると、ピストンロッド36の近位端62が、クリップ66から解放されると、クリップ66は、その静止位置に戻る(広がる)。注入動作の終了時に、第1本体2は、その近位位置に第2本体26に沿ってスライドして戻り、ピストンロッド36は、第1本体2から切り離される。クリップ66は、ピストンロッド36の近位端62により邪魔されないので、クリップ66は、リング56により規定された開口のベースから距離δ(図8A)移動し、弾性圧縮変形し、前記開口内に入り込み、前記開口を貫通すると静止位置に戻る(広がる)。かくして使用後は、第2本体26は、第1本体2に不可逆的にロックされ、その後本発明の注入装置1を再使用できない。同様に感染を引き起こすニードルの針がチクリと刺す危険性を排除できる。
【0028】
本発明の好ましい実施例によれば、指置き部分24は不透明で、ピストンロッド36のヘッド38は、着色(例えば赤)されている。注入装置1の使用前には、ヘッド38は見ることができない。これにより、医療関係者は、注入装置1が未使用であることを確認できる。同時に、第1本体2は透明又は不透明で、使用後にピストンロッド36のヘッド38を見ることのできる窓を有してもよい。これにより、医療関係者に注入装置1のインプラントが放出されれたことを知らせることができる。
【0029】
図10A−10Cに、ピストンロッド36の様々な変形例を示す。図10Aに示した変形例は上記したものである。ピストンロッド36のヘッド38は、スタッド54を形成する環状肩部52と貫通孔60とを有する。このスタッド54を介して、ヘッド38は、第1本体2上に具備されたブロック手段48と共働する。前記の貫通孔60内にピストンロッド36が挿入され、近位端62が突出する。
【0030】
図10Bに示す第2変形例によれば、ピストンロッド36のヘッド38は、非貫通穴68を有し、この非貫通穴68にピストンロッド36が係合する。ヘッド38は、第2の環状肩部70を有する。この環状肩部70は、突起部72を規定する。この突起部72は、ロック手段64に関し、ピストンロッド36の近位端62と同一の機能をする。
【0031】
図10Cに示すピストンロッド36は、図10Bに示すそれと同一の形状と寸法を有するが、異なる点は、ヘッド38とピストンロッド36とは一体で形成される点、例えばプラスチックの注入モールディングで形成される点である。
【0032】
本発明のインプラントの注入装置は、予めインプラントを装填した状態で市販される。即ち本発明の注入装置は、患者に投与すべきインプラントを既に内蔵している。上記の説明において、インプラント6は、前から装填される即ちニードル4の遠位端から、その傾斜部分8の側に装填される。それはクリップ66が注入装置1の軸方向対称軸に存在するから可能である。ニードル4のチップが面取りされている場合、前からインプラントを手で装填する時には、操作者が針で刺されるリスクがあり、ニードル4が汚染され、インプラント6又は傾斜部分8に損傷を与えるリスクがある。それ故、後部(近位端)からインプラントを装填するのが好ましい。これらの要件を満たす一実施例を、図11A,11B,12A,12Bに示す。
【0033】
図11Aを参照すると、少なくとも2個のクリップ74は、大きな貫通抵抗(例えば40−60N、好ましくは50台のN)を有する。クリップ74は、ボタン32の下部周辺に配置されるか、あるいは第2本体26がこの様な把持を容易にする手段を具備しない時には、第2本体26に直接搭載される。クリップ74は、第1本体2の近位端に配置された保持要素76と共働する。保持要素76は、逆L字型の形状をし、それぞれ角部78に、第1本体2の内側に開いたキャビティ80を形成する部分を有する。クリップ74の貫通抵抗は、注入装置1の使用前は、第2本体26を第1本体2に対し距離Δだけ動かし、クリップ74を保持要素76にロックすることが、保持要素76の貫通抵抗以上の大きな力が加わらない限り、困難となる程度である。かくして第2本体26は、偶発的に第1本体2にロックされることはない。インプラントの注入を実施した後、操作者は、十分な力をかけてクリップ74をロックする。この操作の間、クリップ74は、傾斜面82で、角部78の反対側のエッジ84上を弾性変形しながらスライドし、最初の状態に戻る。第2本体26を第1本体2にロックする手段の形状は、逆でもよく、この場合、キャビティ80は第1本体2の外側に開き、クリップ74が保持要素76を把持する。この実施例において、ピストンロッド36はインプラント6に当たっている。これによりインプラント6が落下するのを防止する。ピストンロッド36は、かくしてインプラントの存否を示す。インプラント6が落下したり、注入装置1に装填されていない時には、ピストンロッド36は、注入装置1が垂直方向に保持される時には、重力で落下する。
【0034】
ボタン32を第2本体26に接合することもできる。一変形例によれば、ボタン32は、第2本体26に、ラチェット86を使用したロック機構により、不可逆的に結合することもできる。
【0035】
第2本体26を第1本体2にロックする手段が、注入装置1の中心から離れた位置にあるこの実施例により、後部注入装置1も想到できる。図12A,12Bを参照すると、ヘッド38は貫通孔88を有する。この貫通孔88を介して、インプラント6とピストンロッド36が連続して挿入される。貫通孔12は、ニードル4の保持部分10を貫通するが、その近位端に円錐形状開口90を有する。この円錐形状開口90は、上方に向かって開いて、インプラント6とピストンロッド36の挿入を容易にする。本発明の注入装置1は、インプラントの製造業者に、注入装置1とピストンロッド36とを別々にした状態で供給される。インプラントの製造業者は、注入装置1の近位端を介して、インプラント6を装填し、その後ピストンロッド36を上から導入する。
【0036】
しかし導入された後は、ピストンロッド36は、注入装置1から簡単に取り出せてはならない。これは、ピストンロッド36のヘッド38と第1本体2の近位端とを、この様な取り出しを阻止するような形状にすることにより、達成される。本発明の第1実施例(図13B)によれば、ピストンロッド36のヘッド38は、上記と同様の形状をしているが、例外的にスタッド54を省いてもより。それは何の機能もしないからである。図13Aにおいて、ピストンロッド36のヘッド38は、2個の半径方向に向かい合ったアーム92と共働する。このアーム92は、第1本体2の近位端に搭載され、ヘッド38が通過するときに下側に弾性的に曲がる。ヘッド38がアーム92を通過すると、アーム92はその最初の位置に戻り、ピストンロッド36が抜けるのを防止する。ピストンロッド36の導入を容易にするために、アーム92は、ピストンロッド36の前進方向に2個の傾斜面94を有する。図13Cの第2実施例によれば、ピストンロッド36のヘッド38は、円錐台形の形状で弾性材料から形成される。アーム92は、剛性材料で形成される。図13Dの第3実施例によれば、ピストンロッド36のヘッド38は、2本の傾斜したアーム96を有する。このアーム96は、注入装置1の遠位端方向に収縮した形状をし、第1本体2に対向して配置されたアーム92の高さを通過する時には、弾性変形する。
【0037】
図11Bに示すように、ピストンロッド36のヘッド38は、環状の周囲溝95を有する。この溝95内にアーム92の傾斜面94が突出(係合)する。かくしてインプラント6が存在しない場合に、ピストンロッド36は、注入装置1が垂直方向に配置された時でみ、重力により落下することはない。同様にこの変形例によれば、ピストンロッド36のヘッド38は、そのベースにスタッド97を有する。このスタッド97は、保持部分10の端部に形成された貫通孔12内の円錐形状開口90内に収納できるような形状と寸法を有する。かくしてインプラント6が注入された後は、ピストンロッド36は、保持部分10の上で動くことはない。最後に第1本体2は、外周エッジ99を有する。外周エッジ99は、外周エッジ99と指置き部分24との間のスペースが、注入装置1を活性化する前に、クリップ74の通過を阻止するように、配置される。
【0038】
好ましい実施例によれば、指置き部分24は、不透明であるが、ピストンロッド36のヘッド38が見えるような窓を有する。これにより、注入装置1にインプラントが装填されていることを、使用者に知らしめる。ピストンロッド36は、ニードル4内で自由に動き、インプラント6に当たるので、ピストンロッド36のヘッド38は、インプラント6がニードル4内に存在する場合には、第2本体26に形成された表示窓内に現れる。注入後、ピストンロッド36のヘッド38は、不透明な第1本体2に形成された第2窓内に現れ、医療関係者に注入装置1が使用されて空となっていることを知らせる。この変形例として、ウィンドウを、注入装置1にインプラントが装填されている時にピストンロッド36のヘッド38が占める場所から、注入装置1が空の時にヘッド38が占める場所まで長く伸ばすこともできる。かくして後部注入操作の進捗状況を見える。
【0039】
図17B以降に示す本発明の変形例によれば、インプラント6の注入後、第2本体26を第1本体2に不可逆的にロックする手段64は、カムパス型システム98と組み合わせるかあるいはカムパス型システム98で置換できる。このカムパス98によれば、第1本体2は近位位置から遠位位置に移動しまた戻ることができる。注入前は、第2本体26が第1本体2に偶発的にロックされないが、注入後はロックされる。カムパス98を上記のロック手段64と組み合わせて用いた場合には、注入後は、第2本体26が第1本体2上に機械的に完全に動かなくなるようにでき、注入装置1の再使用あるいはニードル4へのアクセスは、注入装置1を破壊しない限り、不可能になる。
【0040】
図17B以降に示す実施例においては、カムパス98は、第2本体26の外部横表面上に配置され、直線状に第2本体26の長手軸方向に平行に伸びる。カムパス98は、第1本体2に配置されたフレキシブルな手段(例えば第1本体2上に配置された舌状部材100)と共働する。舌状部材100は、カムパス98の両側に横方向に変形可能である。カムパス98は、第1本体2の内側表面に配置することもでき、舌状部材100は、第2本体26と一体に形成することもできる。
【0041】
カムパス98から、舌状部材100が離れることができるのは、注入装置1が通常時に使用されている時のみ、言い換えると特に力を加えることがなくても離れることができる。このカムパス98は、次のように構成配置される。即ち、注入装置1が注入前の最初の位置にある時には、舌状部材100は静止位置にあり、ハウジング102内にはまっている(図17B,17C)。ハウジング102は、カムパス98の方向に直交する方向に伸びる部分を有し、第1本体2が第2本体26の方向に戻るのを阻止する。従って、第2本体26が、第1本体2にロック手段64(それを具備する場合)により、偶発的にロックされることはない。ハウジング102は、ランプ(傾斜部)106を有し、このランプ106が、カムパス98上に舌状部材100を導く。
【0042】
図18A,B,Cにおいて、第1本体2が第2本体26に沿ってスライドし始めると、舌状部材100は、ハウジング102のランプ106から出て、カムパス98に沿って移動し始める。ランプ106は、ハウジング102を出るように、追従するよう強制されるために、舌状部材100は、その静止位置から離れる方向に移動し、弾性的に力が加わる。一般的に舌状部材100は、カムパス98に沿って前進するので、舌状部材100は、1個あるいは複数個のノッチ108を通過する。このノッチ108は、カムパス98に沿って様々な場所に配置され、注入装置の操作者に、注入プロセスとニードル4が患者の皮膚50内へ適正に突き刺さってかを知らしめる。同様にノッチ108は、ニードル4が完全に患者の皮膚50に刺さる前は、後方から装填操作が行われるのを阻止する。舌状部材100がノッチ108内に入る毎に、舌状部材100は、再びランプ110を介して出る。
【0043】
第1本体2がその遠位位置に到達し、ニードル4が完全に患者の皮膚50に刺さると、舌状部材100は、復帰点112と称するカムパス98の端部に到達する。この復帰点112では、舌状部材100は、突如拡張し、カムパス98の他側に移る(図19B,19C)。舌状部材100がカムパス98の他側に移るパスを不可逆にするために、復帰点112において、パスはランプ114を有する。このランプ114は、舌状部材100を応力のかかった位置に一時的に移動させる。その結果、舌状部材100が復帰点112に到達した時には、舌状部材100は一時的に静止位置に戻り、復帰点112を通過すると、舌状部材100は、カムパス98の他側に行くよう応力が再びかかる。舌状部材100が復帰点112を通過する時点は、ピストンロッド36が第1本体2から離れる瞬間と一致する。
【0044】
図20A,B,Cにおいて、第1本体2が、その遠位端から近位端に戻る時(これは患者の皮膚50からのニードル4が徐々に引き抜かれるの時と一致する)、舌状部材100は、ニードル4が患者の皮膚50へ突き刺さる間移動した方向とは反対方向に、平行なパス上を、移動する。
【0045】
舌状部材100の移動は、第1本体2がその近位の開始点に戻るまで、継続する。その開始点では、第2本体26は、ロック手段64を具備している場合には、前記第1本体2にロックする。同時に舌状部材100は、ハウジング116に到達する。そこで、静止位置にロックされる(図21B,21C)。
【0046】
図22A−22Dを参照すると、本発明の注入装置1は、スプリング118を追加することにより自動化される。
【0047】
この実施例によれば、注入装置1’は第1本体2’を有する。第1本体2’の遠位端120にニードル4’が永続的に固定される。このニードル4’内にインプラント6’が挿入される。
【0048】
第1本体2’は、第2本体26’に沿ってスライド可能である。この第2本体26’も、円筒状であり、第1本体2’の内側に同軸に配置され、少なくともその傾斜部分8’までニードル4’を包囲する。
【0049】
注入装置1’は、ピストンロッド36’を有する。このピストンロッド36’は、ニードル4’内をスライド可能であり、インプラント6を患者の皮膚50内の所定の深さに留置するために用いられる。ピストンロッド36’は、ヘッド38’を有する。このヘッド38’は、ブロック手段122に適合し、第2本体26’の近位端に具備されたブロック手段124と共働する。
【0050】
ピストンロッド36’は、近位位置と遠位位置の間でのみ移動可能である。これらの位置は、それぞれ第1本体2’上に配置された上部停止部材44’と下部停止部材46’により決まる。図に示した実施例においては、上部停止部材44’は、第1本体2’の閉鎖された近位端により形成され、その近位端にピストンロッド36’がヘッド38’を介して当たる。下部停止部材46’は、第1本体2’の長さ方向にその内側表面上のある場所に配置される。
【0051】
同様に、第2本体26’は、近位位置と遠位位置の間でのみ移動可能である。これらの位置は、それぞれ上部停止部材126と下部停止部材128により決まる。図に示した実施例においては、上部停止部材126は、第1本体2’の閉鎖近位端により形成され、下部停止部材128は、第2本体26’を第1本体2’に不可逆的にロックする手段130により形成される。
【0052】
図22A−22Dを参照して、本発明の注入装置1’の動作を次に説明する。図22Aおいて、注入装置1’は医療従事者が所有している状態である。第2本体26’が、ニードル4’の傾斜部分8’まで包囲する。その結果、誤って針が刺すリスクを回避できる。ニードル4’は患者からは見えない。片手で、注入装置1’の第1本体2’で保持しながら、医療従事者は、第2本体26’の遠位端を患者の皮膚50に押し当てる。注入装置1’が適宜配置されると、医療従事者は第1本体2’に力を加える。これにより第1本体2’は第2本体26’に沿って軸方向にスライドし始め、第1本体2’に固定されているニードル4’は患者の皮膚50を突き刺す。同時に第1本体2’は、ピストンロッド36’を駆動し、このピストンロッド36’が第1本体2’の閉鎖近位端に当たる。かくしてピストンロッド36’のニードル4’とインプラント6’に対する相対的位置は、変わらない。スプリング118は、第2本体26’の周囲に同軸に配置されるが、環状肩部132とカラー134との間で軸方向に保持される。環状肩部132は、注入装置1’の内側表面に形成され、カラー134は、第2本体26’の先端に具備される。
【0053】
図22Bにおいて、ニードル4’が完全に患者の皮膚50内に入ると、第2本体26’は、そのブロック手段124により、ピストンロッド36’のブロック手段122にブロックされる。ピストンロッド36’のヘッド38’は、円筒形状の本体を有する。この本体は、そのベース近傍にビーズ136を形成する円形のリセスを有する。このリセスであるビーズ136が、弾性変形して、第2本体26’の近位端に配置された開口138内に、スナップヒットする。この位置で、スプリング118は圧縮される。
【0054】
図22Cにおいて、医療従事者は、第1本体2’にかかる圧力を徐々に解放する。スプリング118の解放により、第2本体26’を駆動し、この第2本体26’が、ピストンロッド36’を駆動する。かくしてピストンロッド36’が、ニードル4’を貫通し、インプラント6を患者の皮膚50内の所定の深さに留置する。この動きは、ピストンロッド36’が下部停止部材46’に当たってブロックされるまで続く。ピストンロッド36’のヘッド38’は、その先端に環状プレート140を有する。この環状プレート140は、注入装置1’の内径とほぼ等しい外径を有し、溝142内に収納される。この溝142は隆起部分144と環状肩部132により形成される。
【0055】
図22Dにおいて、インプラントの注入操作は終了する。スプリング118は、再び解放される。第2本体26’が不可逆のロック手段130と噛み合う。具体的に説明すると、第2本体26’は、その遠位端に1個好ましくは2個のクリック146を有する。このクリック146は、弾性変形し、第1本体2’の内側壁に具備され、先端方向に伸びるエッジ148の下に噛み合う。注入装置1’を無理矢理破損しない限り、それはロックされ再使用できない。ニードル4’は、再び第2本体26’により包囲され、刺すことによる汚染のリスクを回避できる。使用前にエッジ148下のクリック146が偶発的にロックされることは、前記のカムパス型の機構を付加することにより、回避できる。
【0056】
図23A,23Bに、本発明の注入装置1の単純化した変形例を示す。注入装置1は第1本体2”を有する。この第1本体2”にニードル4”が永続的に固定される。このニードル4”内にインプラント6”が導入される。ニードル4”は、その先端に傾斜部分8を有する。この傾斜部分8の形状は、注入装置1”の想定されるアプリケーション、特に薬剤投与に適したものである。その近位端に、ニードル4”が保持部分10”内に固定搭載される。第1変形例によれば、保持部分10”は第1本体2”と一体に形成される。図に示した第2変形例によれば、保持部分10”は、下部管状部品14”と上部管状部品16”との結合部品である。これらの部品が、第1本体2”を形成し、その中に保持部分10”が入る。貫通孔12”は保持部分10”内に形成され、その中にニードル4”を搭載する。この貫通孔12”は、直径D”の第1部分を有する。この直径D”は、ニードル4”の外径以上である。その近位端が、保持部分10”に係合する。貫通孔12”の直径D”の第1部分の後に直径D”の第2部分が続く。このD”は、ニードル4”の外径よりも小さく、そのためニードル4”を保持部分10”内に摩擦力により保持できる。最後に貫通孔12”のD”の第2部分の後に、コーン形状の第3部分が続く。この第3部分は、本発明の注入装置1”の近位端の方向に向いて広がっている。
【0057】
保持部分10”は、外側側面壁18”を有する。この外側側面壁18”が内部空間を規定し、その中に貫通孔12”が軸方向に伸びる。貫通孔12”は、チューブ部分20”で具体化される。このチューブ部分20”は、外側側面壁18”に、直径方向に対向して形成された1個好ましくは2個のリブ22”により接続される。
【0058】
第1本体2”の近位端は、第1本体2”と一体に形成された指置き部分24”を有する、或いは、付加部分を有する。
【0059】
第1本体2”は、第2本体26”に沿ってスライドできる。第2本体26”も、同じく中空で、第1本体2”の内側に同軸に配置され、その一部がニードル4”を包囲する。第2本体26”は、2個の軸方向に対向した直線状スロット30”を具備するチューブ28”の形態を有する。この直線状スロット30”は、チューブ29”の近位端からチューブ28”の遠位端の高さhまで、伸びる。チューブ28”の近位端は、注入装置1”の把持を容易にする手段(例えばボタン32”)を有する。ボタン32”は、第2本体26”と一体に形成されるが、追加部品の形態で形成することもできる。
【0060】
本発明の注入装置1”は、ピストンロッド36”を有する。このピストンロッド36”は、ニードル4”内をスライド可能で、インプラント6を患者の皮膚50の所定位置に留置するために、使用される。このピストンロッド36”は、第2本体26”に固定される。固定方法は、ボタン32”内に形成された146内にその近位端を介した搭載或いは結合である。
【0061】
本発明の注入装置1”の動作を次に説明する。図23Aにおいて、注入装置1”は使用者に配布された状態で示され、ニードル4”は飛び出した位置にある。第1本体2”は、半径方向リブ22”により制御される遠位端位置を占める。この半径方向リブ22”は、直線状スロット30”の下部に当たる。医療従事者は、注入装置1”を片手で第1本体2”で保持し、ニードル4”を患者の皮膚50内に押し込む。ニードル4”が、完全に患者の皮膚50内に入ると、医療従事者は、注入動作を実行する。自分の親指をボタン32”に置き、人差し指と中指で指置き部分24”を引くことにより、第1本体2”を上方向へ動かす。この第1本体2”の上方向へ動かすと、ニードル4”は患者の皮膚50から徐々に引き上げられる。同時にピストンロッド36”は、ニードル4”内に入り、インプラント6を患者の皮膚50の所定深さに留置する。この注入操作が終了するのは、第1本体2”がボタン32”に当たり近位端の位置に達した時点である(図23B)。
【0062】
図24A−24Dは、第2本体26が2上に不可逆的にロックされる別の機構を示す。この機構は、リング149を有する。このリング149は、第1本体2と第2本体26との間を自由に動く。
【0063】
図24Aにおいて、注入装置1は、医療従事者に配布された状態である。この位置において、第1本体2は、第2本体26に沿って上(右)方向に動くことはできない。これにより、第1本体2を第2本体26に偶発的にロックされるを阻止する。第1本体2はその内側側面表面にスロット150を有する。このスロット150は、第2本体26の外側に具備されたスロット152に当たる。
【0064】
図24Aにおいて、ニードルが皮膚(図示せず)を突き刺すのを開始すると、第1本体2は、第2本体26に沿ってスライドし、それと共にリング149を、その内側側面に具備された第2のスロット154を介して、駆動する。リング149が、スロット152に当たって停止すると、スロット152は弾性変形をして、リング149の下を通過する(リング149はスロット152の上を通過する、図24B)。この動きは、リング149上に具備された傾斜面である第1ランプ156aの存在により容易となる。
【0065】
図24Cにおいて、ニードル(針)が皮膚の中に完全に入り込み、第1本体2が遠位端に到達すると、注入操作が開始する。第1本体2が、第2本体26に沿って上(右)方向に動くと、それと共にリング149を前の方向とは反対方向に移動させる。この移動は、リング149が、第2本体26のスロット152に当たって、停止するまで行われる。この当たった時点で、スロット152は弾性変形をして、リング149とスロット150の下を連続してくぐり抜け、その最初の形状に戻って、第1本体2の内側側面に配置されたキャビティ158内に収納される(図24D)。この動きは、リング149に具備された第2ランプ156bの存在により容易となる。この段階において第1本体2と第2本体26は、移動が不可逆的にロックされ、注入装置1は再使用できない。
【0066】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の注入装置の斜視図。
【図2】図1の注入装置の部品展開斜視図。
【図3A】静止位置にある本発明の注入装置の軸方向断面図。
【図3B】図3Aから90℃回転させた本発明の注入装置の軸方向断面図。
【図4A】本発明の注入装置の操作状態の第1ステップを表す図。
【図4B】本発明の注入装置の操作状態の第2ステップを表す図。
【図4C】本発明の注入装置の操作状態の第3ステップを表す図。
【図4D】本発明の注入装置の操作状態の第4ステップを表す図。
【図5A】本発明の注入装置の操作方法の第1ステップを表す図。
【図5B】本発明の注入装置の操作方法の第2ステップを表す図。
【図5C】本発明の注入装置の操作方法の第3ステップを表す図。
【図5D】本発明の注入装置の操作方法の第4ステップを表す図。
【図6】第1本体が遠位位置に動いた時の、ピストンロッドと第2本体との結合状態を表す詳細断面図。
【図7】第1本体が近位位置に戻った時の、ピストンロッドと第2本体との結合が解除された状態を表す詳細断面図。
【図8A】本発明の注入装置の近位端の軸方向断面図で、使用前に第1本体に対し第2本体を一方向に一時的にブロックした状態を表す図。
【図8B】本発明の注入装置の近位端の軸方向断面図で、使用前に第1本体に対し第2本体を一方向に一時的にブロックした状態を表す図。
【図9A】図8Aに類似する図で、注入後に第2本体を第1本体の上に不可逆的にロックした状態を表す図。
【図9B】図8Bに類似する図で、注入後に第2本体を第1本体の上に不可逆的にロックした状態を表す図。
【図10A】ピストンロッドの第1変形例を表す図。
【図10B】ピストンロッドの第2変形例を表す図。
【図10C】ピストンロッドの第3変形例を表す図。
【図11A】インプラントが注入装置の後部を通して装填される本発明の第2実施例の注入装置の近位端の軸方向断面図。
【図11B】図11Aに示した注入装置の近位端の変形例を表す軸方向断面図。
【図12A】インプラントとピストンロッドを搭載した状態の本発明の第2実施例の注入装置の近位端の斜視図。
【図12B】本発明の第2実施例の注入装置の軸方向断面図。
【図13A】ピストンロッドを導入し、注入装置に後部から装填された時に、ピストンロッドがそこから落下するのを防止する、第1本体の近位端に具備された上部停止部材の一実施例を表す図。
【図13B】後部から装填可能な注入装置に適合するピストンロッドの第1変形例を表す図。
【図13C】後部から装填可能な注入装置に適合するピストンロッドの第2変形例を表す図。
【図13D】後部から装填可能な注入装置に適合するピストンロッドの第3変形例を表す図。
【図14】ニードルの保持部分の斜視図。
【図15】第2本体を第1本体に不可逆的にロックする手段の第1実施例の上面図。
【図16】第2本体上に搭載されたピストンロッドのヘッドをブロックする手段の第1実施例の斜視図。
【図17A】本発明の注入装置の使用前の初期状態を表す断面図。
【図17B】本発明の注入装置が初期位置にある時に、カムパスに対する舌状部材の位置を表す図。
【図17C】図17Bの円で囲んだ部分の拡大図。
【図18A】図17Aに類似する図で、第1本体が第2本体に沿ってスライドし、ニードルが患者の皮膚を貫通し、舌状部材がカムパスに沿って移動する注入装置の状態を表す断面図。
【図18B】図17Bに類似する図で、カムパスに対する舌状部材の位置を表す図。
【図18C】図18Bの円で囲んだ部分の拡大図。
【図19A】図17Aに類似する図で、ニードルが患者の皮膚の中に完全入り込み、舌状部材が復帰点に達している遠位端位置に移動した第1本体を具備する注入装置の状態を表す断面図。
【図19B】図17Bに類似する図で、カムパスに対する舌状部材の位置を表す図。
【図19C】図19Bの円で囲んだ部分の拡大図。
【図20A】図17Aに類似する図で、第1本体が第2本体に沿って部分的に上方向に移動し、その結果ニードルが皮膚から取り除かれ、舌状部材がカムパスの反対側に沿って移動する注入装置の状態を表す断面図。
【図20B】図17Bに類似する図で、カムパスに対する舌状部材の位置を表す図。
【図20C】図20Bの円で囲んだ部分の拡大図。
【図21A】図17Aに類似する図で、注入装置が使用後ロック位置にあり、舌状部材がカムパスの端部に具備されたハウジング内に入り込んで、第2本体と第1本体が接触しなくなるのを阻止する図。
【図21B】図17Bに類似する図で、カムパスに対する舌状部材の位置を表す図。
【図21C】図21Bの円で囲んだ部分の拡大図。
【図22A】本発明の注入装置の第2実施例の第1操作状態を表す図。
【図22B】本発明の注入装置の第2実施例の第2操作状態を表す図。
【図22C】本発明の注入装置の第2実施例の第3操作状態を表す図。
【図22D】本発明の注入装置の第2実施例の第4操作状態を表す図。
【図23A】本発明の注入装置の変形例で使用前の軸方向断面図。
【図23B】本発明の注入装置の変形例で使用後の軸方向断面図。
【図24A】第2本体を第1本体上にロックする手段の変形例の動作原理の第1状態を表す図。
【図24B】第2本体を第1本体上にロックする手段の変形例の動作原理の第2状態を表す図。
【図24C】第2本体を第1本体上にロックする手段の変形例の動作原理の第3状態を表す図。
【図24D】第2本体を第1本体上にロックする手段の変形例の動作原理の第4状態を表す図。
【符号の説明】
【0068】
1 注入装置
2 第1本体
4 ニードル
6 インプラント
8 斜面部分
10 保持部分
12 貫通孔
14 下部管状部品
16 上部管状部品
18 外部側面壁
16 半径方向リブ
20 チューブ部分
22 リブ
24 指置き部分
26 第2本体
28 チューブ
30 直線状スロット
32 ボタン
34 ブロック手段
36 ピストンロッド
38 ヘッド
40,44 上部停止部材
42,46 下部停止部材
48 ロック手段
50 患者の皮膚
52 環状肩部
56 リング
54 スタッド
58 半径方向アーム
60 貫通孔
62 近位端
64 ロック手段
66 クリップ
68 非貫通穴
72 突出物
74 クリップ
76 保持要素
78 角度
80 キャビティ
86 ラチェット
88 貫通孔
90 円錐形状開口
92 アーム
97 スタッド
94 傾斜面
98 カムパス型システム
99 外周エッジ
100 舌状部材
102 ハウジング
106 傾斜部(ランプ)
108 ノッチ
112 復帰点
114 傾斜部(ランプ)
116 ハウジング
118 スプリング
120 遠位端
122 ブロック手段
124 ブロック手段
126 上部停止部材
128 下部停止部材
130 ロック手段
132 環状肩部
134 カラー
136 ビーズ
138 開口
140 環状プレート
142 溝
143 カラー
144 隆起部分
146 ポー
148 リング
149 リング
150 スロット
152 スロット
154 スロット
156a 第1傾斜部(ランプ)
156b 第2傾斜部(ランプ)
158 キャビティ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラント(6)を患者の皮膚(50)内に注入する装置において、
(A) 中空の中空第1本体(2;2’)と、
この中にインプラント(6)が導入される中空の中空ニードル(4;4’)が固定され、
(B) 第2本体(26;26’)と、
前記第2本体(26;26’)は、中空第1本体(2;2’)内に同軸に配置されて、前記中空ニードル(4;4’)を包囲し、
(C) ピストンロッド(36;36’)と、
前記ピストンロッド(36;36’)は、前記中空ニードル(4;4’)の中を軸方向にスライドし
とを有し
前記装置が患者の皮膚(50)に対し押されたときには、前記中空第1本体(2;2’)は、第2本体(26;26’)に沿って近位端から遠位端にスライドし、これにより中空ニードル(4;4’)が、前記患者の皮膚(50)を刺し、
結合手段が前記中空第1本体(2;2’)と、ピストンロッド(36;36’)の間に配置され、
それにより前記注入装置(1;1’)の移動がピストンロッド(36;36’)の追随する移動に伴われ、
前記結合手段が解放されると、前記ピストンロッド(36;36’)は固定され、前記インプラント(6)を患者の皮膚(50)の所望の深さに維持し、
上記のこれは中空第1本体(2;2’)が遠位端から近位端に戻るときに、前記中空ニードル(4;4’)が、前記患者の皮膚(50)から引き抜かれるまで行われる
ことを特徴とする組織へのインプラント注入装置
【請求項2】
前記ピストンロッド(36;36’)とインプラント(6)の相対位置は、注入操作の間不変である
ことを特徴とする請求項1記載の注入装置。
【請求項3】
前記ピストンロッド(36;36’)と中空ニードル(4;4’)の相対位置は、前記中空第1本体(2;2’)が近位端から遠位端に移動する間不変であり、
前記ピストンロッド(36;36’)は、中空第1本体(2;2’)が遠位端から近位端に戻るときに、中空ニードル(4;4’)内に入る
ことを特徴とする請求項1あるいは2に記載の注入装置。
【請求項4】
前記ピストンロッド(36;36’)は、近位位置と遠位位置の間でのみ動き、
前記近位位置と遠位位置は、中空第1本体(2;2’)状に配置された上部停止部材(44;44’)と下部停止部材(46;46’)により制御される
ことを特徴とする請求項1−3のいずれかに記載の注入装置。
【請求項5】
前記ピストンロッド(36;36’)はヘッド(38;38’)を有し、
前記ヘッド(38;38’)を介して、ロッドは上部停止部材(44;44’)と下部停止部材(46;46’)と協働する
ことを特徴とする請求項4記載の注入装置。
【請求項6】
前記ピストンロッド(36)は、中空第1本体(2)が近位位置から遠位位置に動くときに中空第1本体(2)により駆動され、
前記ピストンロッド(36)は中空第1本体(2)が遠位位置から近位位置に戻るときに中空第1本体(2)から切り離される
ことを特徴とする請求項5記載の注入装置。
【請求項7】
前記中空第1本体(2)が遠位位置から近位位置に戻るときに、前記ピストンロッド(36)は、前記中空第1本体(2)に対し固定されたままであり、
前記ブロック手段(34)により保持されるピストンロッド(36)が第2本体(26)に具備される
ことを特徴とする請求項6記載の注入装置。
【請求項8】
前記ブロック手段(34)は、ピストンロッド(36)が上部停止部材(44)又は下部停止部材(46)に当たって停止したときに、ピストンロッド(36)を超えて動く
ことを特徴とする請求項5−7のいずれかに記載の注入装置。
【請求項9】
前記ブロック手段(34)は、それらがピストンロッド(36)を超えて動いたときに弾性変形する
ことを特徴とする請求項8記載の注入装置。
【請求項10】
前記ピストンロッド(36)は、そのヘッド(38)を介して、第2本体(26)のブロック手段(34)と協働する
ことを特徴とする請求項7−9のいずれかに記載の注入装置。
【請求項11】
前記ブロック手段(34)は、第2本体(26)の内側側面に搭載されたビーズの形態を取る
ことを特徴とする請求項10記載の注入装置。
【請求項12】
前記中空第1本体(2)は、近位位置と遠位位置の間でのみ動き、
前記近位位置と遠位位置は、第2本体(26)状に配置された上部停止部材(40)と下部停止部材(42)により制御される
ことを特徴とする請求項5−11のいずれかに記載の注入装置。
【請求項13】
前記中空ニードル(4)は、中空第1本体(2)に保持部分(10)を介して固定される
ことを特徴とする請求項12記載の注入装置。
【請求項14】
前記保持部分(10)は、チューブ部分(20)を有し、
前記チューブ部分(20)は、中空ニードル(4)を固定する貫通孔(12)を規定し、
前記チューブ部分(20)は、半径方向リブ(22)により中空第1本体(2)に結合される
ことを特徴とする請求項13記載の注入装置。
【請求項15】
前記上部停止部材(40)は、第2本体(26)の近位端に具備されたボタン(32)により形成され、
前記下部停止部材(42)は、半径方向リブ(22)により規定され、
前記半径方向リブ(22)は、第2本体(26)に搭載された軸方向に四角形の直径状スロット(30)の底部に当たり、前記半径方向リブ(22)は、第2本体(26)の近位端からその遠位端の上方高さ(h)まで伸びる
ことを特徴とする請求項14記載の注入装置。
【請求項16】
前記上部停止部材(44)は、注入前に第2本体(26)を中空第1本体(2)にブロックする手段(48)により形成され、
前記下部停止部材(46)は、保持部分(10)により形成される
ことを特徴とする請求項13−15のいずれかに記載の注入装置。
【請求項17】
前記ブロックする手段(48)は、リング(56)を有し、
前記リング(56)は、中空第1本体(2)に半径方向アーム(58)を半径方向アーム(58)により固定され、
前記半径方向アーム(58)にピストンロッド(36)のヘッド(38)が当たり、
前記ヘッド(38)の近位端(62)は、リング(56)から突出する
ことを特徴とする請求項16記載の注入装置。
【請求項18】
注入後前記第2本体(26)を中空第1本体(2)に不可逆的にロックする手段(64)
を更に有する
ことを特徴とする請求項17記載の注入装置。
【請求項19】
前記ロックする手段(64)は、第2本体(26)に配置された一対のクリップ(66)を有し、
前記一対のクリップ(66)の間に、ピストンロッド(36)のヘッド(38)の近位端(62)が係合し、前記クリップ(66)が注入装置(1)の使用前にリング(56)を貫通するのを阻止し、
前記クリップ(66)は、注入装置(1)の使用後はピストンロッド(36)のヘッド(38)の近位端(62)により動かされることはなく、
かくして第2本体(26)を中空第1本体(2)にロックするために、前記リング(56)により規定された開口内に突出する
ことを特徴とする請求項18記載の注入装置。
【請求項20】
前記注入装置は、中空第1本体(2)の近位端側から搭載される
ことを特徴とする請求項5−17のいずれかに記載の注入装置。
【請求項21】
前記第2本体(26)に配置された少なくとも2個のクリップ(74)は、中空第1本体(2)の近位端に配置された保持要素(76)と協働し、
これにより注入装置(1)の使用後は、第2本体(26)を中空第1本体(2)に不可逆的にロックする
ことを特徴とする請求項20記載の注入装置。
【請求項22】
前記第2本体(26)は、ヘッド(38)を有するボタン(32)を有し、
前記ヘッド(38)を貫通してインプラント(6)とピストンロッド(36)が連続して係合する
ことを特徴とする請求項20あるいは21に記載の注入装置。
【請求項23】
前記ピストンロッド(36)のヘッド(38)と、中空第1本体(2)の近位端とはピストンロッド(36)が中空第1本体(2)内に導入されると、ピストンロッド(36)が取り外されるのを阻止するよう配置される
ことを特徴とする請求項20−22のいずれかに記載の注入装置。
【請求項24】
第2本体(26)を中空第1本体(2)に不可逆的にロックするカムパス型ロッキング・システム(98)を有する
ことを特徴とする請求項5−23のいずれかに記載の注入装置。
【請求項25】
カムパス型ロッキング・システム(98)と協働する舌状部材(100)を有する
ことを特徴とする請求項24記載の注入装置。
【請求項26】
使用前に、舌状部材(100)をハウジング(102)内にロックして、第2本体(26)が偶発的に中空第1本体(2)にロックされるのを阻止する
ことを特徴とする請求項25記載の注入装置。
【請求項27】
前記中空ニードル(4)が患者の皮膚(50)を貫通し始めたときに舌状部材(100)は、弾性的な応力が掛かりながらカムパス型ロッキング・システム(98)の一方の側に沿って移動し、復帰点(112)に到達し、そこで解放されて、中空ニードル(4)が完全に患者の皮膚(50)を貫通した時点でカムパス型ロッキング・システム(98)の他側に通過し、
その後中空ニードル(4)が患者の皮膚(50)から引き抜かれたときに弾性的な応力が掛かりながら前の方向とは反対方向にカムパス型ロッキング・システム(98)に沿って移動し、これは、静止位置でブロックされるハウジング(116)に到達した時点まで続き、
これにより第2本体(26)を中空第1本体(2)に不可逆的にロックする
ことを特徴とする請求項25あるいは26に記載の注入装置。
【請求項28】
リング(148)を有する不可逆的にロックする機構を更に有する
ことを特徴とする請求項5−26のいずれかに記載の注入装置。
【請求項29】
前記リング(148)は、
前記中空第1本体(2)と第2本体(26)の間に自由に配置され、
中空第1本体(2)の内側側面と第2本体(26)の外側側面にそれぞれ配置されたスロット(150,154)と、スロット(152)と協働する
ことを特徴とする請求項28記載の注入装置。
【請求項30】
前記中空ニードル(4)が患者の皮膚(50)を貫通し始めたときに、中空第1本体(2)はスロット(154)を介してリング(148)を駆動し、
これは前記リング(148)がスロット(152)に当たって停止し、その後スロット(152)が弾性変形をしてリング(148)の下を通過するまで行われ、
前記4が患者の皮膚(50)から引き抜かれるときに、中空第1本体(2)はリング(148)をそのスロット(150)を介して反対方向に駆動し、
これは、リング(148)が第2本体(26)のスロット(152)に当たって停止するまで行われ停止し、その後スロット(152)が弾性変形をしてリング(148)とスロット(152)の下を連続して通過し、その最初の形状に戻り、かつ中空第1本体(2)の内側側面に配置されたキャビティ(158)内に入るまで行われる
ことを特徴とする請求項29記載の注入装置。
【請求項31】
スプリング(118)を更に有し、
前記スプリング(118)は、第2本体(26’)の周囲に同軸に配置され、中空第1本体(2’)と第2本体(26’)の間で軸方向に保持される
ことを特徴とする請求項5記載の注入装置。
【請求項32】
前記スプリング(118)は、前記中空第1本体(2’)の内側側面に形成された環状肩部(132)と、
前記第2本体(26’)の遠位端に具備されたカラー(143)との間に軸方向に保持される
ことを特徴とする請求項31記載の注入装置。
【請求項33】
中空第1本体(2’)が近位位置から遠位位置に移動するときに、スプリング(118)は圧縮され、ピストンロッド(36’)のヘッド(38’)は第2本体(26’)上でブロックされ、
前記中空第1本体(2’)が近位位置に戻るときは、スプリング(118)は解放され、それにより第2本体(26’)を駆動しかつそれ自身でピストンロッド(36’)を駆動する
ことを特徴とする請求項31あるいは21に記載の注入装置。
【請求項34】
ピストンロッド(36’)のヘッド(38’)に第2本体(26’)の近位端に搭載されたブロック手段(124)と協働するブロック手段(122)を具備する
ことを特徴とする請求項33記載の注入装置。
【請求項35】
前記ブロック手段(122)は、ビーズ(136)により形成され、
前記ビーズ(136)は、第2本体(26’)の近位端に配置された開口(138)内に入る
ことを特徴とする請求項34記載の注入装置。
【請求項36】
前記上部停止部材(44’)は、中空第1本体(2’)の近位端により形成され、
前記下部停止部材(46’)は、前記中空第1本体(2’)の長さ方向の位置でその内側側面に配置される
ことを特徴とする請求項31−35のいずれかに記載の注入装置。
【請求項37】
前記下部停止部材(46’)は、溝(142)により形成され、
前記溝(142)内にピストンロッド(36’)のヘッド(38)が入る
ことを特徴とする請求項36記載の注入装置。
【請求項38】
前記第2本体(26’)は、近位位置と遠位位置の間でのみ動き、
前記近位位置と遠位位置は、上部停止部材(126)と下部停止部材(128)により制御される
ことを特徴とする請求項31−37のいずれかに記載の注入装置。
【請求項39】
前記上部停止部材(126)は、中空第1本体(2’)の近位端により形成され、
前記下部停止部材(128)は、第2本体(26’)を中空第1本体(2’)に不可逆的にロックする手段(130)により形成される
ことを特徴とする請求項38記載の注入装置。
【請求項40】
前記ロック手段(130)は、ポー(146)を有し、
前記ポー(146)は、第2本体(26’)の近位端に具備され、中空第1本体(2’)の内側側面に形成されたエッジ(148)の基で噛み合う
ことを特徴とする請求項39記載の注入装置。
【請求項41】
前記中空第1本体(2)は、不透明でウィンドウを有し、
前記ウィンドウを介してピストンロッド(36)のヘッド(38)が使用後に見え、更に注入装置(1)が放出されたか否かを示す
ことを特徴とする請求項5−40のいずれかに記載の注入装置。
【請求項42】
前記指置き部分(24)は、不透明でウィンドウを有し、
前記ウィンドウを介してピストンロッド(36)のヘッド(38)が注入前に見え、更に注入装置(1)が装着されたか否かを示し、
前記ピストンロッド(36)のヘッド(38)は、不透明な中空第1本体(2)に形成された第2のウィンドウ内に現れて、注入装置(1)が使用され空になったか否かを示す
ことを特徴とする請求項5−40のいずれかに記載の注入装置。
【請求項43】
ウィンドウが、注入装置(1)が搭載されたときにピストンロッド(36)のヘッド(38)に専有する場所から、注入装置(1)が空になったときにヘッド(38)が専有する場所まで伸びる
ことを特徴とする請求項5−40のいずれかに記載の注入装置。
【請求項44】
インプラント(6)を患者の皮膚(50)内に注入する装置において、
(A) 中空の中空第1本体(2”)と、
この中にインプラント(6)が導入され、中空第1本体(2”)から突出した中空の中空ニードル(4)が固定され、
(B) 第2本体(26”)と、
前記第2本体(26”)は、中空第1本体(2”)内に同軸に配置され、
(C) ピストンロッド(36”)と、
前記ピストンロッド(36”)は、前記中空ニードル(4”)の中を軸方向にスライドし、
とを有し、
圧力が中空第1本体(2”)掛かって中空ニードル(4”)が患者の皮膚(50)を貫通したときに、ピストンロッド(36”)は、固定されたままであり、かつインプラント(6”)を患者の皮膚(50)の所望の深さに維持し、
これは、中空ニードル(4”)が患者の皮膚(50)を引き抜かれるときまで続き、
この引き抜きは、注入装置(1”)により制御され、
前記注入装置(1”)は、第2本体(26”)に沿って最初の位置から最終位置までスライドし、
前記最初の位置は、中空第1本体(2”)が第2本体(26”)の遠位端に当たる場所であり、
最終位置は、中空第1本体(2”)が第2本体(26”)の近位端に当たる位置であり、
その後、ピストンロッド(36”)が徐々に(5”)を貫通する
ことを特徴とする組織へのインプラント注入装置
【請求項45】
注入後、第2本体(26”)は、中空ニードル(4”)を包囲する
ことを特徴とする請求項44記載の注入装置。
【請求項46】
ピストンロッド(36”)は、第2本体(26”)に係合する
ことを特徴とする請求項44あるいは45に記載の注入装置。
【請求項47】
前記中空ニードル(4”)は、中空第1本体(2”)に保持部分(10”)を介して係合する
ことを特徴とする請求項44−46のいずれかに記載の注入装置。
【請求項48】
前記保持部分(10”)は、チューブ部分(20”)を有し、
前記チューブ部分(20”)は、中空ニードル(4”)を固定する貫通孔(12”)を規定し、中空第1本体(2”)にリブ(22”)により結合される
ことを特徴とする請求項47記載の注入装置。
【請求項49】
前記中空第1本体(2”)の最初の位置は、リブにより規定され、
前記リブは、第2本体(26”)に搭載された軸方向に四角形の直径状スロット(30”)の底部に当たり、前記リブは、第2本体(26”)の近位端からその遠位端の上方高さ(h)まで伸びる
ことを特徴とする請求項48記載の注入装置。
【請求項50】
中空第1本体(2”)は、指置き部分(24”)を有し、
前記第2本体(26”)はボタン(32”)を有する
ことを特徴とする請求項44−49のいずれかに記載の注入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図22D】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図24D】
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【公表番号】特表2008−521526(P2008−521526A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543726(P2007−543726)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012247
【国際公開番号】WO2006/058613
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(507180526)ソシエテ ド コンセイル ド リシェルシェ エト ダプリカシオン サイエンティフィーク(エス.シー.アール.エー.エス.)エスエーエス (4)
【Fターム(参考)】